JP3166185B2 - 赤外線厚さ計 - Google Patents

赤外線厚さ計

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JP3166185B2
JP3166185B2 JP05736091A JP5736091A JP3166185B2 JP 3166185 B2 JP3166185 B2 JP 3166185B2 JP 05736091 A JP05736091 A JP 05736091A JP 5736091 A JP5736091 A JP 5736091A JP 3166185 B2 JP3166185 B2 JP 3166185B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、赤外線光源から放射さ
れる赤外線を用い、この赤外線を例えば測定フィルムや
測定シ―ト等の被測定体(以下「フィルム」という)に
照射し、フィルムの厚さに応じて変化するフィルム透過
光量を検出することでフィルムの厚さをオンラインで測
定する赤外線厚さ計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】以下従来の技術を図面を用いて説明す
る。 図9は赤外線厚さ計の概要を説明する図である。 図10は従来の技術の説明に供する図である。
【0003】図9において、赤外線厚さ計は、フィルム
Fに赤外線発生手段Nを用いて赤外線光を照射(入射光
λα)して透過(一部反射・散乱光λθとなる)さ
せ、フィルムFの厚さ(T)[μm]に応じて吸収
(μ)される光(透過光λβ)の減衰量を検出器Mで
検出してその時の厚さを換算する装置である。この時、
赤外線発生手段Nと検出器Mは、夫々センサ部としてフ
ィルムFの上,下の面をスキャニングするセンサ部1 ,
2 内に設けられて、通常図示しないフレ―ム構造物に組
付けられている。尚、赤外線発生手段Nと検出器Mは基
本的に上,下いずれのセンサ部内に組込まれて構成され
てもよいが、ここでは図示するように赤外線発生手段N
が下側センサ部1 に組込まれ、検出器Mが上側センサ部
2 に組込まれた場合で以下、説明する。
【0004】この様な構成において、一般に、フィルム
Fの組成分に吸収されて減衰する光の量は、厚さTの指
数関数で一義的に決まり、指数関数の係数から求めたフ
ィルム検量線(以下「検量線」という)で厚さの測定演
算が行なわれることとなる。
【0005】ここで、検量線の指数関数(厚さ出力)
は、 I=I0 (1−ρ)exp(−bT) …(1) で表わすことができる。但し、I0 をフィルムが無い時
の厚さ出力(空気層の出力)、ρをフィルムの表面反射
損失分(反射損失係数)、(−b)をフィルムの厚さT
から一義的に求まる指数係数(定数,フィルム特有の吸
収係数)とする。
【0006】図10において、横軸(X軸)にフィルム
の厚さTを取り(例えば一目あたりの厚み“BWDIV ”を
設定する)、縦軸に厚さ出力電圧(Y信号)Iをとった
時の、(1)式に基づく特性を検量線という。この検量
線は指数関数特性を示す。図10においては、例えばフ
ィルムが存在しない時の厚さ出力(空気層の厚さ出力と
なる)(I)の電圧値を3.8(V)、光を遮断した時
の電圧値を0(V)になるようにして、各厚さのフィル
ムFに付いて赤外線を透過し、その時得られた出力電圧
値から検量線の指数関数を作成している。尚、図10に
おいてB部分は(1)式にのっとった純粋の指数関数カ
―ブとなっており、フィルム本来の検量線の特性を示し
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術にあって
は、以下のような問題点があった。 (イ):測定時、入射光λαはフィルム透過前にある
割合でその光量がフィルム表面において反射・散乱光λ
θとして損失する関係上、厚さが無限に薄くなった場
合(仮想ゼロ点)にあって、透過吸収で失われる光量が
ゼロ近くでも、表面の反射で損失する光量のために、空
気層の厚さ出力近傍の値が得られない。
【0008】 (ロ):厚さが薄い領域(厚さゼロ近傍領域)となる
と、厚さ出力Iを空気層の出力I0 となるよう強制的に
(1)式について演算している。即ち、反射損失係数ρ
を考慮にいれていないために“I0 =3.8[V]”を
通る指数関数の近似カ―ブで検量線を演算するので、厚
さが薄い測定領域(空気層領域)では、図10A部分で
示すように、検量線が歪んでしまう。このために、フレ
―ム補正(ヘッド走行特性を全幅スキャンで調べてプロ
セッサに格納し、厚さ測定の際にフレ―ム走行特性を補
正して正確なプロフィ―ルパタ―ンを表示させる動作を
いう)が精度良くできない。
【0009】(ハ):(ロ)から、仮に、空気層領域で
センサ部をスキャニングしても測定指示値はゼロを指示
せず、フレ―ム特有のプロフィ―ルパタ―ンが発生し
(機械的ガタツキやフレ―ムの歪み等で走行特性がでて
しまう)、走行特性を改善するために前記フレ―ム補正
を行っても、赤外線光がフィルムを透過する際にフィル
ム表面で反射して失われる光の減衰量を考慮にいれてい
ないことにより、厚さの薄い領域で歪んだ検量線が作成
されていることから、この薄い領域の検量線を利用した
フレ―ム補正やオ―トキャル(AUT CAL:オ―トキャリブ
レ―ション“自動補正”の略称)で正しい演算ができな
い。
【0010】本発明は、従来の技術の有するこのような
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、測定精度や信頼性を向上させた赤外線厚さ計を
提供するものである。即ち、本発明の目的とするところ
は、検量線を改善し、正しいフレ―ム補正量を演算し
て、スキャニング時のプロフィ―ルをよくして測定精度
を向上させた赤外線厚さ計を提供するものである。さら
には、走行特性による測定誤差の改善、即ち走行補正を
施した赤外線厚さ計を提供するものである。又、本発明
の目的とするところは、赤外線発生手段として黒体放射
を利用した黒体炉を用いて波長領域を拡大することで、
測定精度や信頼性を向上させた赤外線厚さ計を提供する
ものである。さらに又、本発明の目的とするところは、
赤外線発生手段として面発光する黒体放射を利用した黒
体炉構造として均一で且つ安定した光束を作り、この種
のセンサの必要とする特有の走行特性及びパスライン特
性の改善を図り、もって測定精度や信頼性を向上させた
赤外線厚さ計を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、請求項1においては、フレームに組付けら
れ、被測定体の上,下面をスキャニングする上部センサ
部及び下部センサ部を有し、一方のセンサ部に組込まれ
た赤外線発生手段から前記被測定体に向かって照射され
た赤外線が被測定体の厚さに応じて吸収された透過光の
減衰量を他方のセンサ部に組込まれた検出器で検出する
ことにより前記被測定体の厚さを測定する赤外線厚さ計
であって、前記被測定体が無い時の出力をI。、前記被
測定体の表面反射損失分をρ、前記被測定体の厚さ
(T)から一義的に求まる指数係数を(−b)としたと
き、前記被測定体の厚さに応じて指数的に滅衰する被測
定体の厚さ出力(I)の関係を、最小2乗法“I1=I0
(l−ρ)exp(−bT)”で求めたフィルム検量線
から前記被測定体の厚さ測定演算をし、当該式の被測定
体の表面反射損失分ρをゼロとして空気層における走行
特性の信号変化分を厚さ指示値に変換してフレーム補正
値とするフレーム補正検量線“I2=I0exp(−b
T)”で前記被測定体の厚さゼロ近傍のフレーム補正演
算をするようにしたことを特徴とする。請求項2におい
ては、フレームに組付けられ、被測定体の上,下面をス
キャニングする上部センサ部及び下部センサ部を有し、
一方のセンサ部から前記被測定体に向かって照射された
赤外線が前記被測定体の厚さに応じて吸収された透過光
の減衰量を他方のセンサ部に組込まれた検出器で検出す
ることにより前記被測定体の厚さを測定する赤外線厚さ
計であって、前記一方のセンサ部は一方が開口した断熱
材からなる容器と、この容器に収納された発熱体と、こ
の発熱体から放射される赤外線を平行光束とする為に前
記発熱体から所定の距離を保って配置されたレンズと、
このレンズから出射する赤外線を光軸を中心とする所定
の径にする為の絞りからなることを特徴とする。
【0012】
【作用】赤外光がフィルムの表面反射で減衰することを
踏まえて、実際、測定に使用する領域と、フレ―ム補正
用の2つの領域で検量線を作成する。空気層でフレ―ム
補正をするとT=0[μm]近傍の歪んだ検量線を使っ
てフレ―ムの走行特性を演算してしまうので、正確なプ
ロフィ―ルパタ―ンが得られなくなる。そこで、測定用
の検量線とは別にフレ―ム補正用の検量線が必要とな
る。フレ―ム補正補償タイプの検量線が従来の検量線と
違うところは、厚さの測定演算用には各フィルムの厚さ
と出力電圧から求めた指数関数を検量線に使用し、フレ
―ム補正用には指数関数から求めた検量線を使用する。
【0013】具体的には、フィルムの表面反射があるた
めに、厚さTが0[μm]における検量線では、I=I
0 とならず(前記数値でいえばI0 =3.8[V]のポ
イントを通らず)、フレ―ム補正用の検量線が作成でき
ないところから、フレ―ム補正ができないこととなるの
で、フレ―ム補正用に別の検量線を設定するために、フ
ィルムの厚さに応じて指数的に減衰するフィルム厚さ信
号出力の関係を、最小2乗法で求めて、空気層における
走行特性の信号変化分を厚さ指示値に変換してフレ―ム
補正値とする。ここで、検量線はフィルムの厚さを演算
する部分と、厚さ0[μm]近傍のフレ―ム補正のみを
する検量線部の2本の検量線を持たせる。
【0014】即ち、(1)式の検量線に加えて(下記す
る第1図においては(1)式をI1 として表わす)、
(1)式の反射率をρ=0とした指数関数をフレ―ム補
正検量線として、 I2 =I0 exp(―bT) …(2A) つまり、 I2 =3.8exp(―bT) …(2B) として新たに求めて(故にT=0[μm]の時I−3.
8[V]となる)、2本の検量線を持たせ、これ等によ
り実際にフレ―ム補正を行う。
【0015】ここで、フレ―ムの走行特性による厚さ出
力の変動分(ΔI:ドリフト)を厚さの変動分(ΔT)
で微分すると、(1)式は、 ΔI/ΔT=−bI0 (1−ρ)・exp(−b・T)=−b・I …(3) となり、 ΔT=−(1/b)・(ΔI/I) …(4) (“ΔI/I”は厚さ出力あたりの厚さ指示信号誤差と
なる)から、厚さ変動分ΔTは一定となる(尚、(2)
式を微分しても同様の結果が得られる)。
【0016】ここで、(2)式において、I0 =3.8
[V],T=0[μm]の時、I2 =3.8[V]とな
るから、定数b2 にフィルムの吸収係数と等しい値を用
いれば、ΔI/Iは厚さ0[μm]近傍を含む測定範囲
全域で等しくなり、正しいフレ―ム補正を行う事ができ
る。このようにして、2本の独立した検量線で互いにフ
ィルム厚さ,フレ―ム補正値を演算するため、夫々精度
のよい演算が行える。
【0017】
【実施例】実施例について図面を参照して説明する。
尚、以下の図面において、図9乃至図10と重複する部
分は同一番号を付してその説明は省略する。図1は本発
明の実施例の説明に供する図である。図2は図1に用い
られる本発明の具体的一実施例のブロック系統図であ
る。
【0018】図1乃至図2において、3 は検量線作成を
行う例えばパソコン等から成る演算手段3 である。この
演算手段3 にあっては、サンプルフィルムの実際の厚さ
とその時の上のセンサ部2 からの検出信号出力とから、 (イ).フィルムの吸収係数bを求める。 (ロ).フィルムの厚さ演算はこの吸収係数に基づいて
求まる検量線で行う。 (ハ).フレ―ム補正用の検量線は、フィルム厚さ0μ
m近傍の検量線を『I=I0 』のポイントを通るようシ
フトさせて作成する。
【0019】この演算手段3 で作成された検量線は、ウ
ェ―ブゲ―ジ(WEB GAGE)システムのプロセッサ4 に定
数として例えばI/O41を介してキ―イン入力される。
プロセッサには、演算式等が格納されたROM42,キ―
イン入力等を格納したり読出可能に格納されるRAM4
3,夫々に格納されるデ―タに基づく所望の演算処理を
行うCPU44等が具備されており、このことから、プロ
セッサ4 でフィルム厚さの測定・演算が施される。この
ときの演算においてフレ―ム補正としては、空気層で
上,下センサ部1 ,2 をスキャニングして、フレ―ム各
ポイントの電気的変動量を厚さの変化分として変換し
て、厚さの補正量とする。測定されたフィルムの厚さ指
示やプロフィ―ル等についてのCPU44での測定演算結
果は、I/O41から例えば表示部5 に出力されて所望の
指示・表示がなされる。
【0020】ここで、プロセッサ4 へ64個の折点及び
X軸一目あたりの厚みを設定すると仮定すると、演算さ
れた時の得られる第1図の検量線の特性は、64折れ線
として表現される(X軸は最大測定値を60等分した厚
みの倍数となる)。つまり、64折れ線1ポイント当た
りの厚さBWDIV(T−Division)は、 BWDIV =最大測定値/60 …(5) となる。
【0021】今、フレ―ム補正用の検量線は、T=0の
時Y軸を 16000に正規化させた信号(検量線格納デ―
タ)とすると、厚さ出力I2 は、 I2 =16000・exp(−b・T) …(6) となるから、第1図に示すように、この折れ線は、O
[μm]を中心にマイナス側に3個(検量線格納用番地
数),プラス側に3個(同上)のフレ―ム補正時の空気
測定を行った場合の特性(フレ―ム補正用検量線)が得
られる。又フィルムの厚さ測定に用いる検量線は
(1),(2B)及び(6)式から、 I1 =16000・{I0 (1−ρ)/3.8}・exp(−b・T)…(7) となる。そして、この様な計算で求めたデ―タがRAM
43に格納されて、以後に測定時において、上センサ部2
からの入力デ―タに基づき、CPU44での厚さ測定演算
に際して使用される。
【0022】ここで赤外線発生手段Nについてみる。図
3乃至図6は赤外線発生手段の説明に供する図である。
【0023】図3乃至図4において、赤外線厚さ計とし
ては、赤外線の3つの波長を用いてフィルムの厚さを測
定することが理想である。つまり、フィルムの吸収帯波
長M光(測定光)と、このM光を挟んで吸収の少ない波
長帯(リファレンス光,参照光)R1 ,R2 を用い、M
光についてR1 ,R2 で補償演算するようにしてフィル
ムの厚さを測定することである。
【0024】ところで、現実的には赤外光源としては、
電球管等のような例えばハロゲンランプ等の石英ガラス
等に代表される容器(ガラス管)6aで覆われた光源6 を
用いている。この赤外線を発光する電球において、タン
グステンやニクロム線等の発熱体(フィラメント)6bか
らは10μm以上の長波長の赤外線光が放射されるが、
前記ガラス管6aに封入されているためにハロゲンランプ
の波長範囲として4μm以上の赤外光が安定しないこと
となり(実際には4μm以上の波長が当該ガラス管を透
過できないと考えてよい)、4μm程度、言替えれば4
μm以上の長い波長は測定光に用いることができないこ
ととなる。
【0025】一方、フィルムの代表的な例としてポリプ
ロピレン(P.P)の吸収体をとれば、3.3〜3.5
μmであり、これについて前記M光,R1 ,R2 の内長
波長側R2 光を5μm以上で用いることはできない。つ
まり、ハロゲンランプ使用においてはやむなくM光とR
1 光の2波長による補正演算した値を用いざるを得な
い。
【0026】さらにまた、前記ガラス管6aにフィラメン
ト6bが封入されているために、光の発光源としては、フ
ィラメント6bから発生する直接光(1次発光)λα1
とこのフィラメントによって熱せられたガラス管6aから
の別の光(2次発光)λα 2 とが発生するような関係
が形成され、結果的に、あたかも2つの光源があるよう
に見えるため、走行特性に悪影響が生ずる。
【0027】さらに、赤外線発生手段については、図5
のように、光源6 は装置全体の中から見れば点発光源で
あり、この点発光源からの光λαをフィルムFに照射
するには一般には光学系(レンズ)7 を用いて平行光を
得た上で行なうことも必要とされることがある。このよ
うな場合において、平行光を得るためにはレンズf値位
置に当該光源6 を置く必要があったり一方損失光λα
0 もあり、光源のパワ―を効率よく得られない点や発光
***置で光量等が変化する等の問題点も存在する。勿
論、ハロゲンランプ等発光源にあってはフィラメントが
劣化物であるために短寿命である点も見逃せない。
【0028】このようなことから、本発明においては、
赤外線発生手段について以下のように構成したことに特
徴を有するものである。 (イ)M光,R1 /R2 光を1つの赤外線光源で得るた
めに黒体放射を利用した黒体炉を用いる。つまり、図6
に示すように、ハロゲン波長範囲よりその赤外線波長使
用範囲が広い長波長帯域(例えばフッ化カルシウムCa
F2 を窓材として使用した場合は10μm迄の波長を得
ることができる)赤外線光をM光,R1 /R2 光として
使用し、M光についてR1 /R2 光を用いることで演算
補正できるようにする。 (ロ)黒体炉を用いた上で、さらに、発光面積を広く
し、損失光を少なくし、光量を効率的に使用し、光源が
あたかも点光源から発光されたように使用し、黒体炉を
使用することによる放射光が時間的,空間的に均一で安
定していることでセンサの目的であるフィルムの厚さ測
定に関し、走行特性等に左右されずに安定した高信頼性
の実現を図る。
【0029】図7及び図8は本発明の赤外線厚さ計の他
の具体的一実施例を示す図である。
【0030】図7において、10は黒体炉60及び各種のフ
ィルタfeが装着されたフィルタホイルfhが配置される下
センサ部である。9は検出器Mからの検出信号を増幅器8
を介して入力し同時にフィルタホイルfhからの回転同
期信号diを入力して同期検波して各波長の光量に応じた
電気信号に変換してM光信号Mi ,R1 光信号R1i,R
2 光信号R2iをプロセッサ40のI/O41aに出力する同
期検波回路である。
【0031】このような構成において、その動作は以下
のようになる。物体を熱すると表面から赤外線が放射さ
れる。このときに放射される赤外線量は物体の温度に依
存する。このことを黒体炉に当はめてみると、黒体炉の
温度を制御することにより、黒体炉からの赤外線量を制
御することができるそこで図7においては、プロセッサ
40からこの制御が成される場合を図示するが、勿論別に
黒体炉温度制御回路を設置してこれにより制御されるよ
うに構成してもよいことはいうまでもない。
【0032】黒体炉60から放射された赤外線光はフィル
タfhによってM光とR1 光とR2 光の各成分に分割され
てフィルムFに照射される。フィルムFを透過した透過
光は各成分毎に検出器Mで検出される。検出された赤外
線光量は増幅器8 で増幅されて同期検波回路9 に導かれ
る。同期検波回路9 において、検出された赤外線光量
は、フィルタホイルfeの回転同期信号diで同期検波さ
れ、各波長の光量に応じた波長成分の電気信号Mi ,R
1i,R2iに変換され、プロセッサ40に出力される。プロ
セッサ40においては、 Mi /(αR1i+βR2i) …(8) によりフィルムの厚さが演算される(但し、α及びβは
任意係数)。この演算された値は表示部5 で表示される
こととなる。
【0033】このようなM光をR1 光/R2 光で補正演
算を行うことで、以下のようなメリットが簡単に得られ
る。 (あ)検出器の温度によるドリフトを補正する。 (い)光源の電源電圧変動によるドリフトを補正でき
る。 (う)検出器と光源の光軸のズレ(検出ヘッドと光源ヘ
ッドは2つの独立した駆動系に搭載されフィルムを上下
に挟んだ形で厚さを測定する構成であるため、どうして
も機構的なズレが発生する)による光量の変化を補正す
る。 (え)フィルムの傾きによる表面反射の損失を補正でき
る。 (お)フィルムに含まれる色素,異物,ヘイズ(濁り)
等、光量の減衰を引起こすものの影響を補正する。 (か)光源以外から検出器に入射する外乱光の影響を補
正できる。 (き)電気回路の温度特性によるドリフトや熱による機
械的歪みの影響を補正できる。
【0034】図8において、600 は黒体温度を安定に保
つため光学系と発光面とを密閉した構造の黒体炉構造で
ある。より具体的には、黒体炉構造600 は、黒体温度
(発光表面温度)を一定に保ち安定した発光スペクトル
を得るために、光軸以外の光路を断熱材で遮蔽して外部
から密閉した構造とし、光軸上に発光面60aを平面とな
るように設置した上で、当該発光面60aからの放射エネ
ルギ―を有効に使用するために、発光面60aと比較的短
距離に光径の大きい焦点(f1)のコンデンサレンズ70を
配置する。60cは黒体炉端面60bとコンデンサレンズ70
の焦点f1とを結ぶ直線上で、コンデンサレンズ70の主点
εと結ばれる高さh/2の光束位置に設けられる可変構
造又は固定構造の絞りである。このことにより、光径h
の平行光束を比較的容易に得ることができる。
【0035】これにより、フィルムFの位置が上下セン
サ間(δ)内で任意の位置を取っても照射面積は変動し
ないから、安定した測定値が得られる。又、黒体炉構造
600 は面光源となるために、表面温度にムラがないため
に各小要素面からの発光スペクトルに差がない。故に、
検出器位置が変動しても安定した測定ができる。
【0036】尚、図8のような黒体炉構造において、比
較的容易に平行光が得られることから、赤外線厚さ計と
してφ2〜φ10mm前後の照射面積を任意設定したい
場合であっても、光束計φhをφ10以上にしておけば
絞り径を変えることで任意の光束系を得ることができ
る。又、図8の黒体炉構造は図7のような用い方もでき
ることはいうまでもない、。この場合には、極端なこと
をいえば絞りをフイルタホイルに装着されるフィルタで
(フィルタ径を絞り径と一致させる)兼用するようにし
てもよい。或は又、図2において、赤外線発生手段とし
て黒体炉を単に用いる構造とすることもできることはい
うまでもない。
【0037】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、次に記載するような効果を奏する。 :検量線が指数関数なのでフィルム厚さの測定精度が
向上する。 :スキャニングした時の走行特性の補正量が適切にな
り、プロフィ―ルの測定精度が向上する。 :黒体炉を用いることによりハロゲンランプ等では測
定できない長波長領域における赤外線光を使用すること
ができることとなり、フィルム厚さ測定を行う際の代表
的な吸収帯(3.2〜3.6μm)よりも長波長側を使
用することができる他に、多波長の組合せで多層フィル
ム等についての各成分の厚さ測定をも測定実現可能とな
る。 :黒体炉の温度を変えることで所定のピ―ク波長及び
エネルギ―の増減をも簡単に得ることが可能となる。 :黒体炉はハロゲンランプ等のフィラメントのように
劣化物を使用しておらず、装置として長寿命が期待でき
る。 :安定したムラのない光源が使用できることにより、
時空的にも空間的にも均一(安定)した光束を得ること
ができ、フィルム上をセンサが移動してその厚さを測定
するような構造の装置が持つ特有の走行特性を従来値よ
りも約10倍向上することができた。 :図8の黒体炉構造によれば、比較的容易に平行光が
得られ、照射面積を任意設定したい場合であっても任意
の光束系を簡単に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の説明に供する図である。
【図2】図1に用いられる本発明の具体的一実施例のブ
ロック系統図である。
【図3】赤外線発生手段の説明に供する図である。
【図4】赤外線発生手段の説明に供する図である。
【図5】赤外線発生手段の説明に供する図である。
【図6】赤外線発生手段の説明に供する図である。
【図7】本発明の赤外線厚さ計の他の具体的一実施例を
示す図である。
【図8】本発明の赤外線厚さ計の他の具体的一実施例を
示す図である。
【図9】赤外線厚さ計の概要を説明する図である。
【図10】従来の技術の説明に供する図である。
【符号の説明】
F 測定フィルム(フィルム) N 赤外線発生手段 M 検出器 1 10 下センサ部 2 上センサ部 4 40 プロセッサ 5 表示部 60 黒体炉 9 同期検波回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−21804(JP,A) 実開 昭61−163915(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01B 11/00 - 11/30 102

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フレ―ムに組付けられ、被測定体の上,
    下面をスキャニングする上部センサ部及び下部センサ部
    を有し、一方のセンサ部に組込まれた赤外線発生手段か
    ら前記被測定体に向かって照射された赤外線が被測定体
    の厚さに応じて吸収された透過光の減衰量を他方のセン
    サ部に組込まれた検出器で検出することにより前記被測
    定体の厚さを測定する赤外線厚さ計であって、前記被測
    定体が無い時の出力をI0 、前記被測定体の表面反射損
    失分をρ、前記被測定体の厚さ(T)から一義的に求ま
    る指数係数を(−b)としたとき、前記被測定体の厚さ
    に応じて指数的に減衰する被測定体の厚さ出力(I)の
    関係を、最小2乗法“I1 =I0 (1−ρ)exp(−
    bT)”で求めたフィルム検量線から前記被測定体の厚
    さ測定演算をし、当該式の被測定体の表面反射損失分ρ
    をゼロとして空気層における走行特性の信号変化分を厚
    さ指示値に変換してフレ―ム補正値とするフレ―ム補正
    検量線“I2 =I0 exp(―bT)”で前記被測定体
    の厚さゼロ近傍のフレ―ム補正演算をするようにしたこ
    とを特徴とする赤外線厚さ計。
  2. 【請求項2】フレームに組付けられ、被測定体の上,下
    面をスキャニングする上部センサ部及び下部センサ部を
    有し、一方のセンサ部から前記被測定体に向かって照射
    された赤外線が前記被測定体の厚さに応じて吸収された
    透過光の減衰量を他方のセンサ部に組込まれた検出器で
    検出することにより前記被測定体の厚さを測定する赤外
    線厚さ計であって、前記一方のセンサ部は一方が開口し
    た断熱材からなる容器と、この容器に収納された発熱体
    と、この発熱体から放射される赤外線を平行光束とする
    為に前記発熱体から所定の距離を保って配置されたレン
    ズと、このレンズから出射する赤外線を光軸を中心とす
    る所定の径にする為の絞りからなることを特徴とする赤
    外線厚さ計。
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