JP3165129B2 - 熱電発電用熱電変換モジュールブロック - Google Patents

熱電発電用熱電変換モジュールブロック

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JP3165129B2
JP3165129B2 JP05043899A JP5043899A JP3165129B2 JP 3165129 B2 JP3165129 B2 JP 3165129B2 JP 05043899 A JP05043899 A JP 05043899A JP 5043899 A JP5043899 A JP 5043899A JP 3165129 B2 JP3165129 B2 JP 3165129B2
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楠 真 弘 小
本 隆 司 茅
引 圭 子 櫛
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林 正 和 小
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱源から熱起電力
を取り出す熱電変換モジュール複数用いて組み付けら
れた熱電変換モジュールブロックの構成に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】p型とn型の熱電半導体が電気的に接合
した接合部を持つ熱電変換素子対において、接合部を高
温にしかつ熱電半導体の他方を低温にすると、温度差に
応じた熱起電力が発生する現象があり、これをゼーベッ
ク効果と称している。
【0003】また、上記熱電変換素子対において、一方
の熱電半導体から他方の熱電半導体に電流を流すと、一
方の接合部では熱を吸収し、他方では熱を発生する現象
があり、これをペルチェ効果と称している。
【0004】さらに、p型またはn型の熱電半導体の一
方を高温にしかつ他方を低温にして温度勾配に沿って電
流を流すと、電流の方向によって熱電半導体の内部で熱
の吸収または発生を生じる現象があり、これをトムソン
効果と称している。
【0005】このような効果を利用した熱電変換装置
は、振動・騒音・摩耗等を生じる可動部分が全くなく、
構造が簡単で信頼性が高く、高寿命で保守が容易である
という特徴をもった簡略化されたエネルギー直接変換装
置となりうるものである。そして、このような熱電変換
装置は、p型とn型の熱電半導体が電気的に接合した構
成の熱電変換素子対を1対以上そなえており、素子対接
合部はp型およびn型熱電半導体同士が直接電気的に接
合した構成、あるいは、p型熱電半導体と電極とn型熱
電半導体とが電気的に(すなわち、間接的に)接合した
構成をとるのが普通である。
【0006】このような構成の熱電変換装置には、熱電
変換素子対の両端に設定した温度差に依存して起電力を
取り出す前記ゼーベック効果を利用した熱電発電装置
や、両端に印加した電圧に依存して温度差を生じさせる
ことにより一端を冷却する前記ペルチェ効果を利用した
熱電冷却装置がある。
【0007】従来の熱電変換モジュールとしては、例え
ば、特開平5−41543号公報の図3に示すペルチェ
効果を利用した熱電冷却装置用のモジュールがある。こ
のモジュールは、アルミナセラミックスなどの熱伝導性
が良好な絶縁材料からなる2枚の正方形の熱交換基板の
間に複数の熱電素子を配置して挾持した構造を有するも
のである。そして、この場合の熱交換基板は、熱交換性
能を向上させる機能を有するだけでなく、モジュールの
機械的強度を向上させる機能も発揮する。この公知例の
ような熱電冷却装置の場合には、モジュールの両端に発
生する温度差はせいぜい100℃程度までであり、設置
数も1個〜数十個である。
【0008】これに対し、熱電発電装置の場合には、モ
ジュールの両端に発生する温度差が約600℃に達する
場合もあり、設置数も数百個〜数千個におよぶことがあ
る。このため、一般的に発電用のモジュールでは、モジ
ュール両端の温度差に起因する破壊に対する耐久性だけ
でなく、設置時や使用時の機械的圧力や振動による破壊
に対する耐久性が要求される。
【0009】例えば、排気管や熱交換器壁面などの高温
側熱源から多数のモジュール高温端へ、さらに、モジュ
ール低温端から冷却ジャケットなどの低温側熱源へと、
良好かつ均一に熱伝達させるためには、高温側熱源と低
温側熱源との間でかなりの設置圧力がモジュールにかか
ることとなる。
【0010】モジュールの機械的強度を増加させるた
め、例えば、米国特許第4,611,089号明細書に
は、熱電素子を2次元的に配置し、高温端および低温端
の平面形状がほぼ正方形をなすようにした熱電変換モジ
ュールが開示されている。この熱電変換モジュールで
は、縦横に格子状をなす絶縁ホルダーにより熱電素子を
2次元的に配置して保持するようにしている。
【0011】この熱電変換モジュールでは、高温端と低
温端との間で発生する温度差に起因する熱応力を絶縁ホ
ルダーによって緩和することができ、強度の低い熱電素
子の破壊を避けるのに好適な構成である。また、両端面
が正方形であるモジュールは、上述した設置時の機械的
圧力や振動に対しても強度が高い特徴がある。
【0012】一般的に、モジュール内に設置された熱電
素子は、高温端と低温端の電極によって電気的に直列に
接続されており、モジュールから発電出力を取り出すた
めに、両端の熱電素子の低温端部分においてメッシュや
より線を用いたリード線が接続されている。そして、複
数の熱電変換モジュールを電気的に接続する場合は、各
モジュールのリード線をハンダ付けするかあるいは圧着
することによって結線することとなる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】特に、自動車排気熱を
熱源として使用する場合などでは、排気ガスの温度と流
量の積である排気熱量がエンジンの運転状況に応じて大
きく変化するため、モジュールの高温端を設置する排気
管表面温度も変化することとなる。また、排気ガスから
排気管に設置した熱電変換モジュールに流れる熱量が大
きくなるほど、その熱電変換モジュールの下流の排気温
度は低下することとなる。
【0014】このように、排気管表面温度が経時変化す
る場合や温度分布がある場合、モジュール両端の温度差
に依存してモジュールの発電電圧・電流が変化すること
になるが、電気的に直列あるいは並列に接続するモジュ
ール数を電気的に制御することによって、発電電圧を一
定に保持するなど発電効率の最適化制御を行うことが考
えられる。
【0015】しかし、従来の両端面が正方形の熱電変換
モジュールを設置した場合は、1つのモジュール内にお
いて温度差の分布ができるため、発電出力の最適化制御
が困難となる問題がある。
【0016】また、モジュール両端に大きな温度差が発
生すると、高温端部の熱膨張のためモジュール全体が反
ることになる。このため高温側と低温側の熱源の間に設
置された熱電変換モジュールにかかる設置圧力が小さい
場合は、モジュール両端面と熱源との間での熱接触が低
下し、モジュール両端に温度差がつかなくなることか
ら、発電出力が急激に低下する問題がある。因みに、従
来の正方形型のモジュールでは、モジュール両端の温度
差が約250℃程度の場合において、設置圧力として数
十kgf/cm2以上が必要となる。そして、両端の温
度差が大きくなる場合は、さらに高い設置圧力が必要と
なる。
【0017】モジュールの設置圧力を十分確保するため
に、例えば、冷却ジャケット側に押し付け用のばね機構
などを設置すると、ばね機構部分の方がモジュール部分
よりも大容量となるなど、熱電発電装置全体として大型
化する問題が生じる。
【0018】一方、両端面が正方形で面積が小さい熱電
変換モジュールを用いた場合は、反りや出力制御性の課
題は解決されるものの、モジュールの設置数が増加する
ため、数百以上のモジュール同士の電気的接続を行いな
がら、高温側と低温側の熱源の間に設置する必要がある
ことから、このような作業は極めて煩雑になる問題があ
る。
【0019】さらに、正方形のモジュールでは、リード
端電極あるいはリード線を結線したり、引き回したりす
るために、隣接するモジュールとの間で間隔を設ける必
要があることから、モジュールの設置密度が小さくな
り、熱電発電装置がコンパクト化できない問題がある。
【0020】さらにまた、モジュールの厚さは数cm程
度であり、その間隔を隔てて、600℃にも達する場合
がある高温側熱源と、数十〜100℃程度の低温側熱源
とが位置していることとなるため、モジュールが設置さ
れていない箇所があると、空気や断熱材による熱伝導や
輻射によって、高温端熱源から低温端熱源へとモジュー
ルを通過せずに熱が流れる割合が増加するため、熱電変
換効率が低下する問題がある。
【0021】さらにまた、モジュールを設置する平滑部
分を有する高温壁面に熱電変換モジュールを設置する場
合、多数の熱電変換モジュールを均一かつ良好に熱接触
させるためには、高温壁面も冷却板側も、高い平面性と
平滑性を有することが必要になるが、高温状態では大面
積になるほど平面性を確保することが困難となる問題が
ある。そして、高温側熱源が自動車などの燃焼機関の排
気ガスや廃棄物の燃焼排気ガスを流す排気管の場合は、
通常、円形断面であるため、モジュールが設置される表
面の平面性は極めて悪い場合が多い。また、排気管の加
工容易性だけでなく、排気ガスが高温でかつ酸性の場合
は、特に、排気管溶接部分の腐蝕防止の点からも円形断
面の排気管を使用する方がよいが、両端面が正方形の熱
電変換モジュールを設置する場合は、溶接箇所の多い矩
形断面や多角形断面の排気管を特別に用意する必要があ
るという問題がある。
【0022】
【発明の目的】本発明は、上記課題を解決するためにな
されたものであって、熱電変換モジュールの両端に大き
な温度差が生じた場合でも、熱電変換モジュールが反る
ことによる発電出力の低下を防止するとともに、多数の
モジュールを設置してモジュール間の電気的接続を行う
場合の作業が簡便にできる熱電変換モジュールブロック
を提供することを目的としている。
【0023】また、熱源からの熱流が逃げてしまうこと
により発電損失の原因となっていたモジュール間の隙間
を最小限にして、熱源表面に高密度に熱電変換モジュー
ルが配置できるものとすることにより、コンパクトであ
りながら発電効率の高い熱電発電装置を実現するととも
に、モジュール間の電気的接続は簡便にかつ接続不良に
よる発電出力の損失をなくして行うことができる熱電変
換モジュールブロックを提供することを目的としてい
る。
【0024】さらには、断面が円形や楕円形の排気管な
どにも容易に設置することが可能であり、排気流方向に
沿って電気的に直列および並列に接続するモジュール数
を変えることによる発電出力の最適化制御をも簡便に行
うことができる熱電発電用熱電変換モジュールブロック
を提供することを目的としている。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる熱電発電
熱電変換モジュールブロックは、請求項1に記載して
いるように、複数の熱電変換モジュールを電気的に接続
した熱電発電用熱電変換モジュールブロックにおいて、
少なくとも2対以上のp型とn型の熱電素子が交互に1
列に配置され、交互に配置されたp型とn型の熱電素子
が高温端および低温端にそれぞれ形成した電極を介して
電気的に直列に接続され、熱電素子配列のうち両方の端
部に位置する熱電素子の低温端側に発電出力を取り出す
リード端電極が形成され、リード端電極が板状をなすと
共に熱電素子列と平行な方向に突出しており、板状をな
すリード端電極の少なくとも片面にCu層が形成されて
いるライン型熱電変換モジュールを用い、モジュールを
構成する熱電素子列の側面同士を相互に間隔のあいた状
態として平行に配置し、リード端電極に形成したCu層
に板状ないしは網状をなすモジュール接続用Cu材を接
合して隣接する熱電変換モジュール同士を電気的に接続
した構成としたことを特徴としている。そして、本発明
に係わる熱電変換モジュールブロックにおいては、請求
項2に記載しているように、板状をなすリード端電極の
少なくとも片面にCu層としてCu網状層あるいはCu
箔状層がろう付け接合されているものとしたことを特徴
としている同じく、本発明に係わる熱電変換モジュー
ルブロックにおいては、請求項3に記載しているよう
に、板状をなすリード端電極の少なくとも片面にCu層
としてCu網状層あるいはCu箔状層が溶接接合されて
いるものとしたことを特徴としている。同じく、本発明
に係わる熱電変換モジュールブロックにおいては、請求
項4に記載しているように、高温端と低温端にそれぞれ
形成した電極およびリード端電極が、MoおよびMo基
合金、WおよびW基合金、SUS(ステンレス鋼)系合
金、Ni−Cr系合金のうちから選ばれる少なくとも1
種の金属で構成され、板状をなすリード端電極とCu層
との間にNi基合金からなる接合層ないしは中間層(熱
応力緩和層など)が形成されているものとしたことを特
徴としている。
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】同じ目的を達成する本発明に係わる熱電発
電用熱電変換モジュールブロックは、請求項に記載し
ているように、複数の熱電変換モジュールを電気的に接
続した熱電発電用熱電変換モジュールブロックにおい
て、少なくとも2対以上のp型とn型の熱電素子が交互
に1列に配置され、交互に配置されたp型とn型の熱電
素子が高温端および低温端にそれぞれ形成した電極を介
して電気的に直列に接続され、熱電素子配列のうち両方
の端部に位置する熱電素子の低温端側に発電出力を取り
出すリード端電極が形成され、高温端と低温端にそれぞ
れ形成した電極およびリード端電極が、MoおよびMo
基合金、WおよびW基合金、SUS(ステンレス鋼)系
合金、Ni−Cr系合金のうちから選ばれる少なくとも
1種の金属で構成され、リード端電極が板状をなすと共
に熱電素子列と平行な方向に突出しており、板状をなす
リード端電極の少なくとも片面に導電性金属層とくに望
ましくはNi層(Ni合金層を含む)が形成されている
ライン型熱電変換モジュールを用い、モジュールを構成
する熱電素子列の側面同士を相互に例えば必要最小限の
間隔のあいた状態として平行に配置し、リード端電極に
形成したNi層に状ないしは状をなすモジュール接
続用Cu材を接合して隣接する熱電変換モジュール同士
を電気的に接続した構成としたことを特徴としている。
【0032】そして、本発明に係わる熱電変換モジュー
ルブロックにおいては、請求項に記載しているよう
に、隣接する熱電変換モジュール側面同士の間隔内部
に、電気絶縁性のペーパー状,綿状あるいは薄板状をな
すセラミックス等の絶縁材を介在させたものとしたこと
を特徴としている。
【0033】
【発明の実施の形態】本発明に係わる熱電変換モジュー
ブロックは、上記した構成を有するものであって、リ
ード端電極部分に特徴があるライン型熱電変換モジュー
ルを用いたものであり、リード端電極は熱電素子列方向
と平行な方向に突出した板状をなすものである。
【0034】図1ないし図4は本発明で用いるライン型
熱電変換モジュールの実施の形態を示すものであって、
このライン型熱電変換モジュール1は、少なくとも2対
以上(図1の場合は簡略化した5対として示す)のp型
熱電素子2pとn型熱電素子2nが交互に1列に配置さ
れ、交互に配置されたp型熱電素子2pとn型熱電素子
2nがそれぞれの高温端電極3hおよび低温端電極3l
を介して電気的に直列に接続され、熱電素子配列のうち
両方の端部に位置する熱電素子2p,2nの低温端側に
発電出力を取り出すための板状をなすリード端電極4が
熱電素子列と平行な方向に突出しており、板状をなすリ
ード端電極4の少なくとも片面または両面に導電性金属
層5(Cu層5CやNi層5N)が形成され、熱電素子
2p,2nと電極3h,3lとの間に導電性接着層6が
介在していると共に、隣接する熱電素子2p,2nの側
面同士の間隔内部に絶縁性ガラス接着層7を設けた構造
をなすものである。
【0035】そして、熱電素子列と平行な方向に突出し
た板状をなすリード端電極4は、図1に示すように、熱
電素子列と平行な方向に直線状に伸びた形状のものとし
てその上面側のみに導電性金属層5(5C,5N)を形
成するものとしたり、図2に示すように、下面側のみに
導電性金属層5(5C,5N)を形成するものとした
り、図3に示すように、リード端電極4に対し直交する
方向に導電性金属層5(5C,5N)を形成するものと
したり、図4に示すように、リード端電極4はその途中
で屈曲していてその両面に導電性金属層5(5C,5
N)を形成するものとしたりすることができ、いずれの
場合においても導電性金属層5(5C,5N)は熱電変
換モジュール1の幅から大きくはみ出さない形状をなす
ものとしている。
【0036】このように、本発明で用いる熱電変換モジ
ュール1において、リード端電極4上には、Cu層5C
あるいはNi層5Nからなる導電性金属層5が少なくと
も片面に形成されており、このようなCu層5Cあるい
はNi層5Nはリード端電極4の少なくとも片面に形成
されていればよいが、Cu層5CやNi層5Nの形成工
程で生じるリード端電極4の反りや変形を防ぐ目的で両
面に形成したものとすることもでき、Cu層5Cの素材
としてはCu金属やCu基合金を使用することができ、
Ni層5Nの素材としてはNi金属やNi基合金を使用
することができる。
【0037】そして、リード端電極4の一部に網(メ
ッシュ状)あるいは箔(フォイル状)のCu層5Cが
形成されている場合は、Cu層5Cの部分において選択
的にハンダないしはろう材とのぬれ性が良好であるた
め、モジュール間隔が狭く配置された状態で、絶縁を確
保したい部分にはハンダないしはろう材が付着しないも
のとし、電気的に接続したいCu層5Cが形成された箇
所のみに制御性よくハンダないしはろう材を付着させる
ことができるようになるので、ハンダやろう材がはみ出
して流れることによる絶縁リークの不具合をなくし、電
気的な接続を簡便に行うことができることとなる。
【0038】また、ライン型熱電変換モジュール1を束
ね、リード端電極4の部分のみを溶融したハンダ浴槽に
浸した場合においても、その後ライン型熱電変換モジュ
ール1を容易に分離して所望の配置にモジュールを設置
することが可能であるため、電気的接続のためのハンダ
付け作業が簡便になる効果がある。
【0039】Cu層5Cとリード端電極4との間には、
接合層や熱応力緩和層などの中間層が形成されているも
のとすることもできる。そのリード端電極4の部分に
は、モジュール内の熱電素子特性や素子数にも依存する
が、数アンペア〜数十アンペアの電流が流れるため、C
u層5Cとリード端電極4との接合界面は電気的に低抵
抗であることが重要である。すなわち、界面抵抗が高い
場合は、熱電素子部分で発電した電流をリード端子部分
で消費してしまうことになり、取り出される発電電力は
小さくなるので好ましくない。そして、Cu層5として
u箔状層やCu網状層をろう付け接合した構成のもの
や、スポット溶接、レーザビーム溶接、超音波溶接した
構成のものが、界面抵抗が小さくなるので好ましい。
【0040】特に、リード端電極4の素材として、Mo
およびMo基合金、WおよびW基合金、SUS(ステン
レス鋼)系合金、Ni−Cr系合金を用いた場合は、リ
ード端電極4とCu層5Cとの間にNi基合金からなる
接合層が形成されている構成のものとするのが良い。具
体的には、リード端電極4とCu層5CとをNi基ろう
材によりろう付け接合した構成としたものや、リード端
電極4とCu箔5Cとの間にNi基接合層を介して溶接
接合した構成としたものが、リード端子部分の界面抵抗
が低く、熱応力による熱電素子部分の電極部分との間で
の剥離や熱電素子の割れを誘発することなく、リード端
子部分を形成することができる。
【0041】Ni基ろう材やNi基接合層は、リード端
電極4とCu層5Cとの間にNi基合金箔を設置して加
熱や通電などのエネルギー注入を行って接合することに
より形成することができる。また、リード端電極4の一
部あるいはCu層5Cの表面に、リード端電極4の一部
にメッキ法、蒸着法、スパッタ法、などの成膜法やNi
基合金ペーストの塗布法などによりNi層を成膜したも
のや、Ni層とのクラッド材を用意してその後接合した
ものとすることができる。
【0042】一方、リード端電極4の素材として、Mo
およびMo基合金、WおよびW基合金、SUS(ステン
レス鋼)系合金、Ni−Cr系合金を用いた場合には、
少なくとも片面にNi層5Nが形成されているものとす
ることにより、リード端電極4の部分の抵抗を小さくし
て、隣接する熱電変換モジュール1と電気的な接続を行
うことができる。
【0043】そして、リード端電極4の少なくとも片面
にNi層5Nが形成されているものとした場合は、Cu
板あるいはCu網(Cuメッシュ線と容易に必要な箇
所にだけ溶接することができ、モジュール内の熱電素子
2p,2nと電極3h,3lとの接合部などに障害を与
えることなく、界面抵抗が小さい状態で電気的な接続作
業を簡便に行うことができることとなる。
【0044】例えば、隣接するモジュールのリード端同
士や発電出力の取り出しターミナルとリード端電極4を
接続する場合、リード端電極4に形成したNi層5N上
にCu板やCuメッシュ線を渡して配置し、スポット溶
接する方法や、レーザー溶接する方法を用いることがで
きる。この場合のNi層5Nとしては、リード端電極4
の一部にメッキ法、蒸着法、スパッタ法、などの成膜法
やNi基合金ペーストの塗布法などによりNi層を成膜
したものや、Ni層5Nとのクラッド材を用いることが
できる。
【0045】本発明で用いる熱電変換モジュール1は、
そのリード端部の構成に特徴があり、リード端部を形成
する工程に依存するものではない。例えば、あらかじめ
Cu層5CやNi層5Nが形成されたリード端電極4を
作成し、高温端電極3hおよび低温端電極3lと熱電素
子2p,2nとを接合する工程と同時にリード端電極4
と熱電素子2p,2nとを接合する工程を採ることがで
きる。
【0046】また、Cu層5Cを形成する場合、一部に
Ni接着層を形成したリード端電極4を他の電極と同時
に熱電素子に接合した後に、状あるいは箔状のCu層
5Cを接合したり、隣接するモジュールや発電出力の取
り出しターミナルとCu板とCu網材で電気的に接続し
たりすることができる。
【0047】ライン型熱電変換モジュールの設置数が多
い熱電発電装置では、あらかじめ複数のライン型熱電変
換モジュールを電気的に直列あるいは並列に接続したモ
ジュールブロックを作成しておいて、熱電発電装置に組
み込むことが考えられる。本発明による熱電変換モジュ
ールブロックの特徴は、複数のライン型熱電変換モジュ
ールを各モジュールの熱電素子列が平行となるように配
置し、リード端電極4上に形成したCu層5C上に板状
あるいは状をなすモジュール接続用Cu材をハンダ付
けして隣接する熱電変換モジュール1同士を電気的に接
続したことを特徴とするものである。あるいは、複数
イン型熱電変換モジュール1を各モジュールの熱電素
子列が平行となるように配置し、リード端電極4上に形
成したNi層5N上に板状あるいは状をなすモジュー
ル接続用Cu材を溶接して隣接する熱電変換モジュール
1同士を電気的に接続したことを特徴とするものであ
る。
【0048】また、隣接する熱電変換モジュール1の側
面同士の間に、ペーパー状、綿状あるいは薄板状をなす
セラミックスなどの絶縁材を配置したことを特徴とする
モジュールブロックである。本発明の熱電変換モジュー
ルブロックの特徴は、ライン型熱電変換モジュールの複
数個を、各熱電素子列と相互に平行となるように配置
し、隣接するモジュールのリード端電極同士をCu板あ
るいはCu網材などのモジュール接続用導電材をハンダ
付けあるいは溶接することにより電気的に接続したもの
であり、各熱電変換モジュールの熱電素子列の側面は、
隣接するモジュールの側面と接着されていないものとし
たところに特徴がある。そして、相隣接する側面の間
は、リード端電極同士を電気的に接続するCu板の形状
などにより一定間隔の隙間をあけたものとしてモジュー
ルブロックに形成したものとすることができる。
【0049】また、相隣接するモジュール側面の間の間
隔内部に、電気絶縁性のペーパー状、綿状あるいは薄板
状をなすセラミックスなどの絶縁材を配置して挾持し、
リード端電極同士を電気的に接続してモジュールブロッ
クに形成したものとすることもできる。
【0050】本発明による熱電変換モジュールブロック
は、正方形型のモジュールと異なり、各ライン型熱電変
換モジュールと絶縁性セラミックスとが接着していない
ものとすることもできるので、モジュール高温端と低温
端の熱膨張差に起因する熱応力に強く、熱電素子列と垂
直方向について反りにくくなる特徴がある。また、製造
が容易で安価であるが、平滑度や平面度が低い熱源に対
しても各ライン型熱電変換モジュールが接着されていな
いため、熱源と各ライン型熱電変換モジュールとの間で
の熱接触を均質なものにして設置することができる。
【0051】
【発明の効果】本発明による熱電発電用熱電変換モジュ
ールブロックでは、請求項1に記載しているように、
数の熱電変換モジュールを電気的に接続した熱電発電用
熱電変換モジュールブロックにおいて、少なくとも2対
以上のp型とn型の熱電素子が交互に1列に配置され、
交互に配置されたp型とn型の熱電素子が高温端および
低温端にそれぞれ形成した電極を介して電気的に直列に
接続され、熱電素子配列のうち両方の端部に位置する熱
電素子の低温端側に発電出力を取り出すリード端電極が
形成され、リード端電極が板状をなすと共に熱電素子列
と平行な方向に突出しており、板状をなすリード端電極
の少なくとも片面にCu層が形成されているライン型熱
電変換モジュールを用い、モジュールを構成する熱電素
子列の側面同士を相互に間隔のあいた状態として平行に
配置し、リード端電極に形成したCu層に板状ないしは
網状をなすモジュール接続用Cu材を接合して隣接する
熱電変換モジュール同士を電気的に接続したものとした
から、熱電変換モジュールの両端に大きな温度差が生じ
た場合でも、熱電変換モジュールが反ることによる発電
出力の低下を防止することが可能であるとともに、多数
のモジュールを設置してその設置密度を高いものとする
ことが可能でありかつまた設置密度を高くしたときでも
モジュール間の電気的接続を行う場合の作業が簡便にで
き、余分なハンダやろう材の付着に起因する絶縁破壊の
発生を防止することが可能であり、熱源からの熱流が逃
げてしまうことによる発電損失の原因となっていたモジ
ュール間の隙間を最小限にして、熱源表面に高密度に熱
電変換モジュールが配置できるものとなることにより、
コンパクトでありながら発電効率の高い熱電発電装置を
実現するとともに、モジュール間の電気的接続は簡便に
かつ接続不良による発電出力の損失をなくして行うこと
ができ、さらには、断面が円形や楕円形の排気管などに
も容易に設置することが可能であり、排気流方向に沿っ
て電気的に直列および並列に接続するモジュール数を変
えることによる発電出力の最適化制御をも簡便に行うこ
とができ、モジュールの設置数が多い場合であってもそ
れらの設置および電気的な接続を簡便に行うことが可能
であると共に、モジュール両端の温度差によるモジュー
ルブロックの反りが低減することにより設置圧力の低い
コンパ クトなモジュールブロックとすることができ、コ
ンパクトでありながら発電効率の高い熱電発電装置を得
ことが可能であるという著しく優れた効果がもたらさ
れる。 そして、請求項2に記載しているように、板状を
なすリード端電極の少なくとも片面にCu層としてCu
網状層あるいはCu箔状層がろう付け接合されているも
のとすることによって、リード端電極とCu層との間で
の界面抵抗を小さなものとすることができると共に、隣
接する熱電変換モジュールを電気的に接続する場合にリ
ード端電極とその他の電極ないしは導電材との間の接合
部などに剥離やクラックなどの不具合を発生させるのを
防止することが可能であり、発電電力の損失を小さなも
のとすることが可能であるという著しく優れた効果がも
たらされる。 また、請求項3に記載しているように、板
状をなすリード端電極の少なくとも片面にCu層として
Cu網状層あるいはCu箔状層が溶接接合されているも
のとすることによって、リード端電極とCu層との間で
の界面抵抗を小さなものとすることができると共に、隣
接する熱電変換モジュールを電気的に接続する場合にリ
ード端電極とその他の電極ないしは導電材との間の接合
部などに剥離やクラックなどの不具合を発生させるのを
防止することが可能であり、発電電力の損失を小さなも
のとすることが可能であるという著しく優れた効果がも
たらされる。さらに、請求項4に記載しているように、
高温端と低温端にそれぞれ形成した電極およびリード端
電極が、MoおよびMo基合金、WおよびW基合金、S
US(ステンレス鋼)系合金、Ni−Cr系合金のうち
から選ばれる少なくとも1種の金属で構成され、板状を
なすリード端電極とCu層との間にNi基合金からなる
接合層ないしは中間層が形成されているものとすること
によって、リード端部の界面抵抗を小さくすることがで
きると共に、自動車排気ガスを高温端側とする場合のよ
うな大きな温度差を生じる環境で使用したときでも熱応
力による熱電素子部分と電極部分との間での剥離や熱電
素子の割れを誘発することなく電気的損失の少ないリー
ド端部を形成できることになるという著しく優れた効果
がもたらされる。
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
【0056】
【0057】同じく、本発明に係わる熱電発電用熱電変
換モジュールブロックでは、請求項に記載しているよ
うに、複数の熱電変換モジュールを電気的に接続した
電発電用熱電変換モジュールブロックにおいて、少なく
とも2対以上のp型とn型の熱電素子が交互に1列に配
置され、交互に配置されたp型とn型の熱電素子が高温
端および低温端にそれぞれ形成した電極を介して電気的
に直列に接続され、熱電素子配列のうち両方の端部に位
置する熱電素子の低温端側に発電出力を取り出すリード
端電極が形成され、高温端と低温端にそれぞれ形成した
電極およびリード端電極が、MoおよびMo基合金、W
およびW基合金、SUS系合金、Ni−Cr系合金のう
ちから選ばれる少なくとも1種の金属で構成され、リー
ド端電極が板状をなすと共に熱電素子列と平行な方向に
突出しており、板状をなすリード端電極の少なくとも片
面にNi層が形成されているライン型熱電変換モジュー
ルを用い、モジュールを構成する熱電素子列の側面同士
を相互に間隔のあいた状態として平行に配置し、リード
端電極に形成したNi層に状ないしは状をなすモジ
ュール接続用Cu材を接合して隣接する熱電変換モジュ
ール同士を電気的に接続したものとしたから、熱電変換
モジュールの両端に大きな温度差が生じた場合でも、熱
電変換モジュールが反ることによる発電出力の低下を防
止することが可能であるとともに、多数のモジュールを
設置してその設置密度を高いものとすることが可能であ
りかつまた設置密度を高くしたときでもモジュール間の
電気的接続を行う場合の作業が簡便にでき、余分なハン
ダやろう材の付着に起因する絶縁破壊の発生を防止する
ことが可能であり、スポット溶接やレーザ溶接などによ
ってモジュール間の電気的な接続を行うことが可能であ
るため、接続に必要なモジュール間の隙間を小さなもの
とすることができるのでモジュールの小型化を実現する
ことが可能であり、熱源からの熱流が逃げてしまうこと
による発電損失の原因となっていたモジュール間の隙間
を最小限にして、熱源表面に高密度に熱電変換モジュー
ルが配置できるものとなることにより、コンパクトであ
りながら発電効率の高い熱電発電装置を実現するととも
に、モジュール間の電気的接続は簡便にかつ接続不良に
よる発電出力の損失をなくして行うことができ、さらに
は、断面が円形や楕円形の排気管などにも容易に設置す
ることが可能であり、排気流 方向に沿って電気的に直列
および並列に接続するモジュール数を変えることによる
発電出力の最適化制御をも簡便に行うことができ、モジ
ュールの設置数が多い場合であってもそれらの設置およ
び電気的な接続を簡便に行うことが可能であると共に、
モジュール両端の温度差によるモジュールブロックの反
りが低減することにより設置圧力の低いコンパクトなモ
ジュールブロックとすることができ、コンパクトであり
ながら発電効率の高い熱電発電装置を得ることが可能で
あるという著しく優れた効果がもたらされる。
【0058】そして、請求項に記載しているように、
隣接する熱電変換モジュール側面同士の間隔内部に、電
気絶縁性のペーパー状,綿状あるいは薄板状をなすセラ
ミックス等の絶縁材を介在させたものとすることによっ
て、モジュールブロックの反りによる熱源とモジュール
ブロックとの間の熱接触の低下を防止することができ、
また、モジュール間の絶縁をより確実なものにすること
が可能であると共に高温側熱源から低温側熱源への伝達
や輻射によって熱が逃げるのを少なくして発電損失の低
下を防ぐことができ、発電効率のより高い熱電発電装置
を得ることが可能であるという著しく優れた効果がもた
らされる。
【0059】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
るが、本発明はこのような実施例のみに限定されないこ
とはいうまでもない。
【0060】(実施例1)2枚の炭素板の間に、p型お
よびn型のSi−Ge系半導体原料粉末をそれぞれ別個
に詰めてホットプレス焼結し、これにより得た各々の焼
結体を切断して、端面が3.5mm角で高さが9.0m
mであって両端に炭素層が形成されたp型熱電素子およ
びn型熱電素子を得た。
【0061】次いで、図5に示すように、p型熱電素子
2pおよびn型熱電素子2nの9対(合計で18本)を
交互に絶縁性ガラス接着層7を介し接着することによっ
て熱電素子列1列を形成したのち、熱電素子2p,2n
の炭素層が付いた両端を研磨して素子高さを調整したあ
と、全素子が電気的に直列となるように、熱電素子2
p,2nの両端に導電性接着層(ろう材層)6を介して
Mo製の高温端電極3hおよび低温端電極3lをろう付
けにより接合した。
【0062】同時に、熱電素子列の両端に位置する熱電
素子2p,2nの低温端にはMo製のリード端電極4を
ろう付けにより接合し、さらに、リード端電極4の先端
には導電性金属層5としてのCu網状層5CをNiろう
材を用いてろう付けにより接合することによってライン
型熱電変換モジュール1を作製した。
【0063】ここで作製したライン型熱電変換モジュー
ル1は、熱電素子列方向に平行に複数個そろえた状態と
してリード端電極4の先端部分を溶融したハンダ浴に浸
漬することによって、リード端電極4のCu層5Cの部
分にのみハンダを付着させることができるものとなって
いた。さらに、各モジュール1はハンダ部分で互いに接
着して固まりになってしまうことはなかった。そして、
各モジュール1の抵抗を測定したところ、リード端電極
4の接合工程およびハンダの付着工程において、断線す
る不具合を起こしたものはなかった。
【0064】このように、本発明で用いるライン型熱電
変換モジュール1の構造およびリード端電極4の構成と
することによって、熱電素子内部や熱電素子と電極との
間にクラックを発生させて断線させることなく、モジュ
ール同士の電気的接続作業に必要なハンダのせ工程を簡
便に行うことができるものとなっていた。
【0065】(実施例2) 実施例1で作成した熱電変換モジュール1の10本を図
6に示すように並べて配置した。そして、図には示して
いないが、各モジュール1の側面同士の間隔の内部に
は、絶縁材として0.5mm厚さのセラミックスペーパ
ーを挟んであるものとしている。そしてさらに、各モジ
ュール1はp型熱電素子2pとn型熱電素子2nとが交
互に端部に来るように配置し、全モジュール1を電気的
に直列となるようにモジュール接続用Cu材9としてC
線をハンダ付けして結線した。そしてさらに、両端
に設置したモジュール1の片端のリード端電極4には、
発電出力取り出し用のCu線10を結線して、熱電変
換モジュールブロック11を作製した。
【0066】次いで、この熱電変換モジュールブロック
11のリード端電極4が接合されていない端面(図6の
上面)を高温端とし、絶縁処理をしたヒーターブロック
の上に逆向きにして設置すると共に、低温端側に絶縁処
理を施した水冷板を設置し、水冷板の上部から油圧式の
プレス機で加圧して設置圧力を調整した。また、モジュ
ールブロック11の発電出力取り出し用Cu線10
は、主に、電圧計、電流計および外部抵抗から構成され
る発電出力測定系に結線した。
【0067】次いで、モジュールブロック11の両端に
500℃の温度差を生じさせて発電した際の発電出力の
設置圧力依存性を評価した。そして、40kgf/cm
2の設置圧力の時の発電出力を1として、各設置圧力時
の発電出力を調べたところ表1に示す結果であった。
【0068】表1に示すように、設置圧力が5kgf/
cm2以上であるときに発電出力は、測定誤差内におい
て同等の出力であった。
【0069】
【表1】
【0070】表1に示すように、設置圧力が5kgf/
cm2以上であるときに発電出力は測定誤差内において
同等の値を示すものであった。
【0071】このように、本発明によるライン型熱電変
換モジュール1を用いることにより、高密度にモジュー
ルを設置することができるため、設置数の増加に伴う発
電出力の増加だけでなく、モジュールが設置されていな
い部分からの熱流の逃げによる発電損失を低減すること
が可能となり、これによって、発電効率の高い熱電発電
装置が実現できるとともに、多数のモジュール間の電気
的な接続作業を簡便に行うことができる。
【0072】また、本発明による熱電変換モジュールブ
ロック11の構成とすることにより、モジュール両端の
温度差が大きい場合であっても、低設置圧力のもとで高
設置圧力の場合と同様の発電出力を発生させることがで
きることから、熱電発電装置に高設置圧力を確保するた
めの特殊な機構を必要としないコンパクトな熱電発電装
置を実現できるものとなっていた。
【0073】(実施例3)p型およびn型の熱電素子2
p,2nが5対配置され、リード端電極4は、あらかじ
め端部両面に厚さ15μmのNi接合層を介して、厚さ
100μmの箔状Cu層5Cをスポット溶接したものを
使用した以外は、実施例1と同様の熱電変換モジュール
1を作製し、これを図7に示す排気管12と冷却ジャケ
ット13との間に設置した。
【0074】すなわち、断面が楕円形で、内部に矢印G
方向に排気ガスを流入させることができ、図8にも示す
ように、内部に排気ガスとの間で熱交換を行うための集
熱フィン12Fを有するSUS(ステンレス鋼)製の排
気管12と、この排気管12の周囲に設置されかつ冷却
水を流すための冷却水路13Rが設けられている冷却ジ
ャケット13との間に熱電変換モジュール1を設置する
ものとした。
【0075】このとき、本発明による熱電変換モジュー
ル1の熱電素子列を排気ガス流に対し平行となるよう
に、排気管12の比較的平面性が高い上下の2面に各2
0本づつ配置した。そして、排気管12とモジュール1
の高温端電極3hとの間には中間層として0.2mm厚
さの窒化アルミニウム板を挿入すると共に、隣接するモ
ジュール1の側面同士の間隔内部には絶縁材として1m
m厚さのセラミックスペーパーを挿入して介在させたも
のとした。
【0076】さらに、モジュール1間の電気的な接続に
は0.3mm厚さのCu板をモジュール接続用導電材と
して用い、各モジュール1のリード端電極4の先端のC
u層5C上にスポット溶接機を用いて接続しながら排気
管12上に設置した。そして、排気ガスの最も上流に配
置した上下合計40本のモジュールブロック(11)を
UIとし、排気ガスの下流に向けてモジュールブロック
UII・・・UVIIと設置した。また、モジュールブ
ロックUIは5本づつを電気的に並列に接続し、各5本
づつの束が直列となるように電気的に接続した。そして
また、モジュールブロックUIIからUXにいくに従
い、並列に接続するモジュール数を減少したものとし、
モジュールブロックUV,UVIおよびUVIIは40
本を直列に接続したものとし、発電出力取り出し用導電
材は各モジュールブロックごとに取り出して、それぞ
れ、発電電圧を測定した。
【0077】このようにして、熱電発電装置をエンジン
の排気管12に設置して、熱電発電装置の入り口で約6
50℃の排気ガスを流し、各モジュールブロック11で
発電電圧を測定したところ、表2に示す結果であった。
【0078】なお、このとき、熱電発電装置出口での排
気ガス温度は350℃であった。
【0079】
【表2】
【0080】表2に示すように、排気ガスの流れ方向に
沿って排気ガスの温度が降下するのに伴い、各熱電変換
モジュール1の発電電圧は低下するが、直列に接続する
モジュール数を変えて行うことによって、各モジュール
ブロックの発電電圧はほぼ一定のものにすることができ
た。
【0081】このように本発明による熱電変換モジュー
ルおよび熱電変換モジュールブロックを用いることによ
り、表面の平面性がそれほど高くない汎用の排気管を用
いて、熱電変換モジュールとの熱接触性が良好な熱電発
電装置を得ることが可能になる。また、本発明による熱
電変換モジュールおよび熱電変換モジュールブロックを
用いることにより、モジュールを高密度で設置すること
ができるとともに、電気的に直列に接続するモジュール
数を変化させて電気配線を行うなどの作業が簡便に行え
るため、コンパクトでありながら発電効率が高く、熱源
に温度分布がある用途に対しても発電出力の制御性に優
れた熱電発電装置を得ることが可能になる。
【0082】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるライン型熱電変換モジュールの実
施の形態を示す斜面説明図である。
【図2】本発明によるライン型熱電変換モジュールの他
の実施の形態を示す斜面説明図である。
【図3】本発明によるライン型熱電変換モジュールのさ
らに他の実施の形態を示す斜面説明図である。
【図4】本発明によるライン型熱電変換モジュールのさ
らに他の実施の形態を示す斜面説明図である。
【図5】本発明によるライン型熱電変換モジュールの一
実施例を示す斜面説明図である。
【図6】本発明による熱電変換モジュールブロックの一
実施例を示す斜面説明図である。
【図7】排気管に冷却ジャケットを取り付けた状態を示
す斜面説明図である。
【図8】図7における排気管および冷却ジャケット部分
の排気ガス流直交方向の断面説明図(図8の(A))お
よび排気ガス流平行方向の断面説明図(図8の(B))
である。
【符号の説明】
1 ライン型熱電変換モジュール 2p p型熱電素子 2n n型熱電素子 3h 高温端電極 3l 低温端電極 4 リード端電極 5 導電性金属層 5C Cu層 5N Ni層 6 導電性接着層 7 絶縁性ガラス接着層 9 モジュール接続用導電材(Cu材) 10 発電出力取り出し用導電材(Cu線) 11 熱電変換モジュールブロック 12 排気管 12F 排気管の集熱フィン 13 冷却ジャケット 13R 冷却水路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 櫛 引 圭 子 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社 内 (72)発明者 篠 原 和 彦 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社 内 (72)発明者 小 林 正 和 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社 内 (72)発明者 古 谷 健 司 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社 内 審査官 粟野 正明 (56)参考文献 特開 昭58−64075(JP,A) 特開 昭62−145758(JP,A) 特開 平9−243201(JP,A) 特開 平6−244466(JP,A) 特開 平8−18109(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 35/32 H01L 35/10

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の熱電変換モジュールを電気的に接
    続した熱電発電用熱電変換モジュールブロックにおい
    て、少なくとも2対以上のp型とn型の熱電素子が交互
    に1列に配置され、交互に配置されたp型とn型の熱電
    素子が高温端および低温端にそれぞれ形成した電極を介
    して電気的に直列に接続され、熱電素子配列のうち両方
    の端部に位置する熱電素子の低温端側に発電出力を取り
    出すリード端電極が形成され、リード端電極が板状をな
    すと共に熱電素子列と平行な方向に突出しており、板状
    をなすリード端電極の少なくとも片面にCu層が形成さ
    れているライン型熱電変換モジュールを用い、モジュー
    ルを構成する熱電素子列の側面同士を相互に間隔のあい
    た状態として平行に配置し、リード端電極に形成したC
    u層に板状ないしは網状をなすモジュール接続用Cu材
    を接合して隣接する熱電変換モジュール同士を電気的に
    接続したことを特徴とする熱電発電用熱電変換モジュー
    ブロック
  2. 【請求項2】 板状をなすリード端電極の少なくとも片
    面にCu層としてCu網状層あるいはCu箔状層がろう
    付け接合されていることを特徴とする請求項1に記載の
    熱電発電用熱電変換モジュールブロック
  3. 【請求項3】 板状をなすリード端電極の少なくとも片
    面にCu層としてCu網状層あるいはCu箔状層が溶接
    接合されていることを特徴とする請求項1に記載の熱電
    発電用熱電変換モジュールブロック
  4. 【請求項4】 高温端と低温端にそれぞれ形成した電極
    およびリード端電極が、MoおよびMo基合金、Wおよ
    びW基合金、SUS系合金、Ni−Cr系合金のうちか
    ら選ばれる少なくとも1種の金属で構成され、板状をな
    すリード端電極とCu層との間にNi基合金からなる接
    合層ないしは中間層が形成されていることを特徴とする
    請求項1ないし3のいずれかに記載の熱電発電用熱電変
    換モジュールブロック
  5. 【請求項5】 複数の熱電変換モジュールを電気的に接
    続した熱電発電用熱電変換モジュールブロックにおい
    て、少なくとも2対以上のp型とn型の熱電素子が交互
    に1列に配置され、交互に配置されたp型とn型の熱電
    素子が高温端および低温端にそれぞれ形成した電極を介
    して電気的に直列に接続され、熱電素子配列のうち両方
    の端部に位置する熱電素子の低温端側に発電出力を取り
    出すリード端電極が形成され、高温端と低温端にそれぞ
    れ形成した電極およびリード端電極が、MoおよびMo
    基合金、WおよびW基合金、SUS系合金、Ni−Cr
    系合金のうちから選ばれる少なくとも1種の金属で構成
    され、リード端電極が板状をなすと共に熱電素子列と平
    行な方向に突出しており、板状をなすリード端電極の少
    なくとも片面にNi層が形成されているライン型熱電変
    換モジュールを用い、モジュールを構成する熱電素子列
    の側面同士を相互に間隔のあいた状態として平行に配置
    し、リード端電極に形成したNi層に板状ないしは網状
    をなすモジュール接続用Cu材を接合して隣接する熱電
    変換モジュール同士を電気的に接続したことを特徴とす
    熱電発電用熱電変換モジュールブロック。
  6. 【請求項6】 隣接する熱電変換モジュール側面同士の
    間隔内部に、電気絶縁性のペーパー状,綿状あるいは薄
    板状をなすセラミックスを介在させたことを特徴とする
    請求項1ないし5のいずれかに記載の熱電発電用熱電変
    換モジュールブロック。
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