JP3164654U - 高耐食性鉄製部品 - Google Patents
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Abstract
Description
これに対して、従来においては、構成部材や連結部品等に用いられる鉄製の原部品に対して例えば溶融亜鉛めっきを施すことによる防錆対策がとられてきている。
この実施の形態で示す高耐食性鉄製部品は、図2に示す鉄製構造物としての鋼管鉄塔Tの各構成要素として用いられる鉄製の原部品に高耐食性の表面処理を施してなるものである。
亜鉛水溶性化合物(Zn(H2PO4)2)が20〜30質量%。、
ニッケル化合物(Ni(H2PO4)2)が1〜10質量%。、
マンガン化合物(Mn(H2PO4)2)が1〜10質量%。、
ケイフッ化水素酸(H2SiF6)が1.3質量%。、
リン酸(H3PO4)が1〜10質量%。、
残部が水(H2O)及び不可避不純物となっている。
アルミフレーク(金属フレーク)が20〜30質量%、
タルクが20〜30質量%、
リン酸アルミニウムが10〜20質量%、
残部がエポキシ樹脂と、フッ素を含む不可避不純物とから
なっている。
1.実験の目的
原部品に上述した高耐食性の表面処理を施してなる高耐食性鉄製部品1に対応するものを実施例とし、この実施例と、原部品に従来の表面処理を施した比較例とについて耐食性に関する比較実験を行う。
JISG0594無機被覆鋼板のサイクル腐食促進試験方法に基づいて腐食促進試験を行う
試験片は、下記の表1に示す通りであり、実施例については実施例1〜5のものを作成し、比較例については比較例1〜5のものを作成した。
実験条件は、下記の表2に示す通りである。「酸性塩水溶液噴霧工程」から「乾燥工程」を経て「湿潤工程」に至るまでを1サイクルとして192サイクルまで行い、12、24、36、60、96、192の各サイクル経過後の各試験片について調査を行った。
実験は、12、24、36、60、96、192の各サイクルについて、表1の「数」の欄に示す3、2又は1の各数量の試験片を用意し、各サイクル経過後の各数量の試験片について、主として(イ)外観観察、(ロ)腐食減量、(ハ)密着性試験(実施例1のみ)を調査することによって行った。
(イ)外観観察
実施例1〜5については、192サイクルに至るまで、白錆等の発生が認められなかった。一方、比較例1a〜5a及び比較例1b〜5bについては、12サイクル経過した時点で白錆が認められ、サイクルの増加に伴って、白錆が増加することが確認できた。
腐食原料に関する実験結果を示すと、図4〜図8に示すようになる。実施例1〜3については、図4〜図6に示すように、192サイクルに至るまで腐食減量がほぼ零であり、比較例1〜3に比べて極めて高い耐食性を有していることがわかる。また、試験片に締付力をかけた状態の実施例4、5では、図7及び図8に示すように、腐食サイクルの増加に伴って、腐食減量が増加する傾向がみられるが、その腐食減量の値は比較例4、5に比べて小さなものであった。
密着性試験については、実施例1でのみ行った。この結果、192サイク経過後においても、塗装皮膜の剥離を確認できなかった。
以上より、実施例1〜5は、比較例1〜5に比べて、耐食性及び美観の維持において極めて優れていることが確認できた。また、実施例1から、防錆塗装皮膜層の母材への密着性も極めて優れていることが確認できた。
一方、ボルトの締付トルクに関する実験を、上記高耐食性鉄製部品1としてのボルトの実施例(潤滑油無し)と、溶融亜鉛めっきのみを施したボルトの比較例(潤滑油として菜種油を使用)とを用いて行った。
締付トルク=Kmin×Fx×σy×As×d/安全率…(1)
により算出することができる。
ここで、
Kmin:トルク係数
Fx=(降伏締付軸力)/(降伏軸力)
σy:降伏点(又は耐力)
As:ねじの有効断面積
d:ねじの呼び径
安全率=1.1
である。
この実験の結果、実施例の締付トルクは、その平均値を表3に示すように比較してみると、菜種油を潤滑剤として使用した比較例の締付トルクより若干大きくなるものの、当該比較例の締付トルクと遜色ない値となることが明らかになった。なお、表3には示していないが、実施例の締付トルクのバラツキについても、比較例の締付トルクのバラツキより若干大きくなるものの、当該比較例と遜色ない程度まで低下することが確認ができた。
2 亜鉛層
3 リン酸塩皮膜層
4 防錆塗装皮膜層
4a 第1の防錆塗装皮膜層
4b 第2の防錆塗装皮膜層
A 連結関連部品
B ボルト(原部品)
P1 主材(構成部材)
P2 腹材(構成部材)
T 鋼管鉄塔(鉄製構造物)
Claims (7)
- 鉄製構造物の構成要素として用いられる鉄製の原部品に耐食性に優れた表面処理を施してなる高耐食性鉄製部品であって、
前記原部品の表面に亜鉛層を設け、この亜鉛層の表面にリン酸塩皮膜層を設け、このリン酸塩皮膜層の表面に焼成された防錆塗装皮膜層を設けてなることを特徴とする高耐食性鉄製部品。 - 前記防錆塗装皮膜層は、複数回の焼成処理により複数層に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の高耐食性鉄製部品。
- 前記防錆塗装皮膜層は、金属フレーク、タルク、リン酸アルミニウム及びフッ素を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の高耐食性鉄製部品。
- 前記防錆塗装皮膜層は、金属フレークとしてのアルミフレークが20〜30質量%、タルクが20〜30質量%、リン酸アルミニウムが10〜20質量%、残部がエポキシ樹脂と、フッ素を含む不可避不純物とからなることを特徴とする請求項1〜3に記載の高耐食性鉄製部品。
- 前記防錆塗装皮膜層の少なくとも最外層は、金属フレーク、タルク、リン酸アルミニウム及びフッ素を含むことを特徴とする請求項2に記載の高耐食性鉄製部品。
- 前記防錆塗装皮膜層の少なくとも最外層は、金属フレークとしてのアルミフレークが20〜30質量%、タルクが20〜30質量%、リン酸アルミニウムが10〜20質量%、残部がエポキシ樹脂と、フッ素を含む不可避不純物とからなることを特徴とする請求項2又は5に記載の高耐食性鉄製部品。
- 前記原部品は、前記鉄製構造物の構成部材及び/又は構成部材を連結するために用いられるボルト、ナット、座金等の連結関連部品であることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の高耐食性鉄製部品。
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