JP3161227B2 - 共振器を用いた高周波回路素子 - Google Patents

共振器を用いた高周波回路素子

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  • Control Of Temperature (AREA)
  • Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)
  • Non-Reversible Transmitting Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、通信システムなどの高
周波信号処理装置に用いられるフィルタ、分波器などを
はじめとする共振器を基本に構成される高周波回路素子
に関する。
【0002】
【従来の技術】高周波通信システムにおいては、フィル
タ、分波器などをはじめとする共振器を基本に構成され
る高周波回路素子は不可欠の要素である。特に、移動体
通信システムなどにおいては、周波数帯域の有効利用の
ために狭帯域なフィルタが要求される。また、移動体通
信の基地局や通信衛星などにおいては、狭帯域、低損
失、かつ小型で、大きな電力に耐えることのできるフィ
ルタが強く要望されている。
【0003】現在用いられている共振器フィルタなどの
高周波回路素子としては、誘電体共振器を用いたもの、
伝送線路構造を用いたもの、表面弾性波素子を用いたも
のなどが主流となっている。このうち、伝送線路構造を
用いたものは、小型で、マイクロ波、ミリ波領域の高周
波まで適用することができ、さらに、基板上に形成する
2次元的な構造であり、他の回路や素子との組み合わせ
が容易であるために、広く利用されている。従来、この
タイプの共振器としては、伝送線路による1/2波長共
振器が最も一般的に利用されており、さらに、この1/
2波長共振器を複数個結合させることにより、フィルタ
などの高周波回路素子が構成されている。
【0004】一方、伝送線路を用いた高周波回路の導体
に、直流抵抗がゼロである超伝導体を用いることによっ
て高周波回路の低損失化および高周波特性の向上がはか
られている。従来の金属系超伝導体の場合は10K程度
の極低温環境が必要であったが、高温酸化物超伝導体の
発見によって比較的高い温度(77K程度)で超伝導現
象を利用できるようになり、これら高温超伝導材料を用
いた伝送線路型素子が検討されるようになってきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般に超伝導体の各種
特性は温度に対して変化し、従って、超伝導体を用いた
素子の特性もまた温度に対して変化する。このことは、
超伝導体を用いた伝送線路型高周波回路素子でも同様で
ある。これら温度に対する特性不安定性は程度の差はあ
るが、従来の金属導電体を用いた素子にも存在する。特
に、超伝導体を用いた高周波回路で大電力を扱う場合、
局所的発熱が顕著になり、特性変化や、極端な場合、素
子破壊などを起こすことが判明した。
【0006】本発明は、前記従来技術の課題を解決する
ため、特に大電力応用可能な高周波回路素子において、
その特性を安定化するために温度制御機構を備えた素子
構成を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明に係る高周波回路素子の基本的構成は、基板
上に形成された電気伝導体からなる縮退していない直交
する2つのダイポールモードを共振モードとして有する
共振器と、その基板自体を加熱、あるいは冷却するため
の温度調整機構と、さらにそれらを熱的に結合する熱伝
導体と、各構成要素の温度を測定する温度測定手段を備
えたものである。ここで縮退していない直交する2つの
ダイポールモードと言う語句について説明しておく。円
板型共振器において、円盤の周辺に一箇所ずつ正、負の
電荷が分布する共振モードをダイポールモードといい、
また、任意の形状の平面型共振器においてもこの定義は
適用できる。2次元的な形状を考えた場合、この任意の
ダイポールモードは、電流方向が直交した互いに独立な
2つのダイポールモードに分解できる。共振器形状が真
円の場合、直交した各モードの共振周波数は同一であり
(エネルギーは同一であり)縮退していると言う。一般
に任意形状の共振器の場合、これら独立なモードの周波
数は異なるため、エネルギーは縮退していない。例とし
て楕円形状の共振器を考えると、直交した独立の2つの
ダイポールモードは、各々楕円の長軸と短軸方向を向い
ており、共振周波数は各々長軸、短軸の長さにより決定
される。本明細書で記述した縮退していない直交する2
つのダイポールモードとは、例えば楕円形状の共振器に
おけるこのような共振モードをさす。ただし共振器形状
は楕円形状のみでなく、任意形状の共振器についても同
様に縮退してなく、かつ直交した2つのダイポールモー
ドを考えることができる。
【0008】本発明はまた、温度調整機構の熱を効率よ
く共振器に伝える、あるいは逆に共振器の温度を効率よ
く取り去る為に、各種応用に最適な種々の熱伝導体、あ
るいは各種熱伝導体に合う熱交換機能を提供する。熱伝
導体としては、熱伝導率が高い固体、金属箔、すくなく
ともAu、Ag、Pt、Pd、Cu、Alのうち一種類
を含むか、もしくはこれら材料の合金の金属箔、電気伝
導性を示すペースト状物質、気体あるいは液体、あるい
はヘリウムガスである。
【0009】また、効率的に温度計測を行い、結果を温
度調整器にフィードバックするため、種々の温度測定方
法を提供する。それらは、各種温度測定手段として、基
板上に接して直接形成された導電体、あるいは超伝導体
の抵抗値変化を計測する方法であり、また基板、あるい
は熱伝導体に接し、互いに接触する形で形成された異な
る導電性材料よりなる熱電対の接点に生じる熱起電力を
計測する方法である。
【0010】また、以上の共振器は、小型化を考慮して
伝送線路型を念頭に置いている。そのため共振器の構造
は、マイクロストリップ線路構造、ストリップ線路構造
又はコプレナー導波路構造などである。
【0011】
【作用】本発明に係る高周波回路素子の構成によれば、
温度調整機構によって温度を制御することによって素子
の環境温度を一定に保つことにより素子特性の安定化
できる。素子特性の安定化が確認された原因は推定の域
をでないが、温度制御により局所的な発熱を抑えるた
と考えられ、高周波素子の安定動作には、温度制御を局
所的に制御することが効果的であると見られる。
【0012】温度制御をする際に、熱伝導率の大きな材
料を熱伝導体とすることで効率的に温度調節できる。ま
た、各構成要素の温度を測定し、その結果に従い温度調
整機構の温度を制御するフィードバック回路を備えるこ
とにより、急激な温度変化に追従して高周波回路素子の
温度を一定に保つことができることを見いだした。この
ことは信号と共に入力する電気的雑音、あるいは突発的
な熱的雑音に対する素子特性の安定化に有効である。ま
た、共振器の材料に超伝導体を用いた構成とすると、高
周波特性の低損失化に有効であるが、この共振器の特性
安定化には低温での温度の安定性を高めること(変動が
少ないこと)が重要であり、この点で前記温度調整機構
と温度センサー、フィードバック回路の有用性が顕著で
あった。
【0013】また、温度調整機構の熱を効率よく共振器
に伝える、あるいは逆に共振器の温度を効率よく取り去
る為に、熱伝導体として、熱伝導率が高い固体を用いる
と、効率的に温度制御できるだけでなく、熱伝導体自体
をを高周波回路素子のパッケージとしても利用でき、実
用的な構成であることを見いだした。特に、真鋳、C
u、Al等のブロックを加工し、高周波回路素子全体を
覆うパッケージ形状とし、温度調整機構に接触させ温度
を一定に保つことで、素子特性を安定化でき、また高周
波回路素子の放射損失を低減できることを見いだした。
この時、パッケージ全体にAu、あるいはAuを含む合
金をコートすることで高周波損失の低減に効果があるこ
とを見いだした。特にCuや、Cuを含む真鋳等は熱伝
導度ともに熱容量が大きく、突発的な熱雑音に対して温
度変化を小さく抑えるとともに、安価であり加工も容易
であるため実用的である。
【0014】さらに共振器を形成した基板と熱伝導体、
あるいは温度調整機構の間に金属箔、すくなくともA
u、Ag、Pt、Pd、Cu、Alのうち一種類を含む
か、もしくはこれら材料の合金の金属箔をはさみ、熱伝
導体とすると、接触面積が増し、熱的な結合を改善でき
ることを見いだした。また金属箔は、共振器構造の電気
的な接地面とも良好な電気的接触をし、素子特性の安定
化に効果が見られた。このことは熱伝導体として、電気
伝導性を示すペースト状物質を用いた場合も同様である
が、電気伝導性ペーストの場合は、さらに接触面積が大
きく、良好なることで熱伝導が改善された。また装置
(パッケージ)の接地面と共振器接地面の良好な電気的
接触をとる際にも接触面積が大きく有用であった。さら
に、気体あるいは液体を還流させ熱伝導を行うと、温度
制御時の応答を早くできることを見いだした。特に超伝
導体を用いた高周波回路素子では、冷却を要するが、ヘ
リウムガスを用いることにより低温でも液化、さらには
固化することなく、良好な温度制御が可能であることを
見いだした。高周波電流は表皮効果により共振器表面を
流れるため、共振器表面での発熱が大きい。共振器表面
にヘリウムガス、あるいは他の流体を吹き付ける、還流
させる等することにより、効果的な温度制御が可能であ
ることを見いだした。
【0015】一方、各種温度センサーを、基板もしくは
熱伝導体に機械的に接触させ温度計測をすることで、簡
便な方法でありながら効率的に温度計測を行い、結果を
温度調整器にフィードバックすることができることを見
いだした。とくに基板上に接して直接形成された導電
体、あるいは超伝導体の温度に対する抵抗値変化を測定
し温度を計測する方法を用いると、基板との熱的な接触
が良好であり、精度の良い温度計測ができることを見い
だした。この時、抵抗体としては、高周波回路素子を形
成した導体をそのまま利用でき、高周波回路素子のパタ
ーニングと同時に形成できるため簡便でありながら精度
の高い温度計測手法を提供できることを見いだした。ま
た、基板、あるいは熱伝導体に接し、互いに接触する形
で形成された異なる導電性材料よりなる熱電対を形成
し、その接点に生じる熱起電力を計測する方法を用いる
と、熱接触が良好であり、しかも熱電対自体の発熱が小
さいため、小型高周波回路素子の特性に影響を及ぼさな
いことを見いだした。また、この熱電対構造は、各種接
地面に用いた導体を一方の電極として利用できるため、
比較的簡便に形成できることも見いだした。
【0016】また、同一基板上に温度センサーと共に、
温度調節器を直接形成し、基板を熱伝導体とすると、構
成が簡便でありながら、良好な温度制御が可能であり、
実用的に有効であることを見いだした。
【0017】以上の共振器は、小型化を考慮して伝送線
路型を念頭に置いているため、その共振器の構造は、マ
イクロストリップ線路構造、ストリップ線路構造又はコ
プレナー導波路構造のいずれかが有利である。特にスト
リップ線路は放射損失が低く抑えられるため高性能な高
周波回路素子を提供する。また、マイクロストリップ線
路型は、基板が一枚ですむために実用的な高周波回路素
子を提供する。
【0018】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的
に説明する。
【0019】図1は本発明に係る発明の一実施例を示す
概念図である。図1に示すように本発明では、高周波回
路1、その高周波回路の温度を調整する温度調整器2、
高周波回路と温度調整器との熱的な結合を受け持つ熱伝
導体3よりなる。さらに場合によっては、各部位の温度
測定手段とその結果を温度調整器にフィードバックする
フィードバック回路5より構成される。本発明は高周波
回路の温度を調整すること、もしくは一定に保つことが
目的であり、高周波回路の構造、温度調整器の動作タイ
プ等はいかなるものでもよい。一方本発明は、超伝導体
を高周波回路に用いた際に有効性をより明らかにするも
のである。すなわち、超伝導体を一定温度に冷却する
際、より効果を表わす。
【0020】(実施例1)図2は、高周波回路および熱
伝導体部分の断面図である。基板11上に共振器12と
入出力端子13を電気伝導体(例えばAu薄膜、あるい
は超伝導薄膜など)の薄膜で作製し、その基板11の裏
面には接地電極14を設けている。また対向するように
同じく基板11と裏面に接地電極14を設けた基板を配
置し、ストリップライン構造の伝送線路型高周波回路と
した。この高周波回路をCu製のパッケージ21内に設
置した。このパッケージは全面をAuでメッキしてい
る。このパッケージ21は温度調整器に接して設置され
ており、高周波回路と温度調整器とを熱的に結合する熱
伝導体となっている。以上の部分は図1において1、及
び3の部分に対応する。
【0021】(実施例2)図3は図2に対して対向する
基板を用いないマイクロストリップライン構造としたも
のである。接地面14は導電ペースト26によってパッ
ケージ21に接着している。パッケージ21は同じくC
u製の熱伝導体とし、温度調整器に接している。また、
パッケージ内の空間に還流あるいは対流するガスあるい
は液体を注入し、もう一つの熱伝導体としている。この
構成は超伝導体を共振器としたときに有効であった。す
なわち、超伝導状態を得るために共振器を冷却する必要
があるが、熱容量の大きいヒートシンクとしてAuメッ
キしたCu製のパッケージを冷却器に接触させた。ま
た、液体ヘリウム温度付近で動作させる際は冷却したヘ
リウムガスを基板表面(共振器表面)に還流することに
より安定な温度制御とともに迅速な温度制御を行うもの
である。また、液体窒素温度で使用する際は、液体窒素
温度に冷却した、ヘリウムガス、アルゴンガス等の不活
性ガスや、液体窒素自体、液体窒素温度で固化しないフ
レオン系の有機溶剤等を基板表面に還流した。
【0022】(実施例3)図4に熱伝導体を金属箔、あ
るいはペースト状物質とした場合の断面図を示す。金属
箔、あるいはペースト状物質を熱伝導体3として接地面
14と温度調整器2間に挿入することにより、高周波回
路素子12の形成された基板11と熱伝導体2間の接触
面積を増すことができ、効率的な温度制御が可能であっ
た。また、図の場合には基板裏面に接地面14を設けた
マイクロストリップライン型の高周波回路を記している
が、接地面14と共に、温度調整器2表面、さらに熱伝
導体3である金属箔、あるいはペースト状物質を良好な
電気伝導体とすることで周囲電位と接地面電位とを容易
に同一にでき実用的に効果的であった。
【0023】(実施例4)図5はストリップライン型高
周波回路素子に対して対向する基板を用いないマイクロ
ストリップライン構造とし、高周波回路素子の温度を測
定するセンサーを備えたものである(平面図)。共振器
は楕円形状とし、温度センサーは共振器を作製した基板
上に作製した薄膜状の抵抗体15である。抵抗体15の
抵抗値の変化より温度を決定する。この温度測定結果は
外部でモニターされ、場合によってはフィードバック回
路で温度調整器の出力を制御する。抵抗体15は、たと
えばPtの薄膜センサーや、カーボン薄膜センサー、酸
化物薄膜を用いたものなど基板上に作製できれば構わな
い。また、高周波回路は、ストリップライン型でもコプ
レーナ型でも良いことはいうまでもない。
【0024】(実施例5)図6には、高周波回路素子の
温度測定方法の他の実施例を示す。高周波回路素子12
の基板11裏面に接地面14を設け、その接地面を熱電
対の一方の電極とし、他の材料を接触させたものであ
る。高周波回路素子12の温度は熱電対16の起電力で
測定する構造となっている。通常接地面14は電気伝導
性の良い材料、例えばAu、Cu、超伝導体等を用いる
が、これらに接して異種伝導材料を接触させることによ
り容易に熱電対を形成できる。一般に低温で使用される
熱電対はAuFe−クロメル熱電対であるが、接地面の
一部にAuFe合金を用い、クロメル電極を接触させる
だけで容易に温度計測が可能であった。また、熱伝導体
に同様に熱電対を形成し、熱伝導体の温度に対して制御
を加えても、同様に高周波回路素子の温度制御が可能で
ある。
【0025】(具体的実施例)本発明をさらに良く理解
するために、具体的な実施例を示す。図7に、本実施例
で作製した高周波回路素子の構成を示す。共振器12は
楕円型導体板であり、直径は約7mm、長軸・短軸比と
入出力結合の間隙は帯域幅が約2%となるように設定し
た。作製手順は、まず、ランタンアルミナ単結晶からな
る基板11の両面に厚さ1μmの高温酸化物超伝導体を
形成した。高温酸化物超伝導体としては通常Hg系超伝
導体と言われるものであり、主としてHgBa2CuOx
(1201相)と呼ばれる薄膜を用いた。この薄膜は9
0K以上で超伝導転移をした。その後、真空蒸着法によ
り厚み1μmのAu薄膜を片面に形成し超伝導体とAu
薄膜よりなる接地面14とした。次にフォトリソグラフ
ィーとアルゴンイオンビームエッチングの手法によっ
て、楕円型導体を接地面と逆の表面上の超伝導薄膜にお
いてパターン化した。Cu製のパッケージ21表面にA
uをメッキし、その中に共振器を形成した基板11を設
置し、さらにそれに対向するように同じくランタンアル
ミナ単結晶基板11の片面に超伝導薄膜(1201相H
gBa2CuOx)とAu薄膜を形成した基板を設置し、
ストリップライン型の共振器からなる高周波回路素子を
構成した。図では若干の空隙が存在するが、実際には基
板は重ね合わされている。パッケージ21と設置面14
間は導電ペースト26(ここではAgペーストを用い
た)で接着し、熱伝導性と、電気的接地を確保してい
る。また、パッケージ21にAuFe−クロメル熱電対
を接触させ、熱起電力を測定し温度モニターをおこなっ
た。パッケージ全体は小型の出力を電気的に制御できる
冷凍器により冷却し、その冷凍器にたいし、熱起電力に
対応する制御信号をフィードバックし、温度の調節を行
った。この高周波回路素子の場合の挿入損失の入力電力
依存では、32.1 dBm(1W以上)の電力に対しても挿入
損失が変化のないことが確認された。また、対向する基
板の相対的な位置を若干調整することにより、高周波回
路素子の特性が調整できることを確認した。
【0026】
【発明の効果】高周波素子、特に超伝導体を用いた素子
では、温度の揺らぎによってその特性が変化する。また
大電力を投入した場合などは高周波損失で発熱し、温度
が上昇する。これらのことは、大きな電力の信号を扱う
場合に顕著となり問題となる。しかしながら、本明細書
で説明したとおり、本発明の高周波回路素子では、温度
制御機構を備え、温度を一定に保つ機能を有するため、
この特性変化(ゆらぎ)を抑える効果がある。このこと
は超伝導体を用いた高周波素子で顕著な効果を現した。
また、良好な熱伝導体を用いることによって、温度制御
性を高める効果がある。特に導電ペーストを用いると、
熱伝導体の機能と同時に接地面電位を取る機能も有し、
実用的な効果が高い。さらに、薄膜状の温度センサーを
用いると、共振器を作製した基板上に集積化するのに有
利であり、温度測定精度も高くできる効果がある。ま
た、熱電対型の温度計測手段は、測定時の発熱がほとん
ど生じず、また簡便に形成できて実用的に効果が高かっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る温度制御型高周波回路素子の概念
【図2】本発明に係る第1の実施例であるストリップラ
イン型高周波回路素子の断面図
【図3】本発明に係る第2の実施例であるマイクロスト
リップライン型高周波回路素子の断面図
【図4】本発明に係る第3の実施例のマイクロストリッ
プライン型高周波回路素子を示す断面図
【図5】本発明に係る第4の実施例での、温度モニター
方法の一例を示す平面図
【図6】本発明に係る第5の実施例での、温度モニター
方法の他の一例を示す断面図
【図7】本発明に係る高周波回路素子の具体的実施例を
示す断面図
【符号の説明】
1 高周波回路素子 2 温度調整器 3 熱伝導体 4 温度測定手段 5 フィードバック回路 11 基板 12 共振器 13 入出力端子 14 接地面 15 抵抗体 16 熱電対 21 パッケージ 26 導電ペースト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 瀬恒 謙太郎 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 実開 平2−24592(JP,U) 米国特許5172084(US,A) 米国特許3796970(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01P 7/08 ZAA G05D 23/19 H01P 1/208 ZAA

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温度測定手段と、温度調整機構と、基板
    上に形成された電気伝導体からなる縮退していない直交
    する2つのダイポールモードを共振モードとして有する
    共振器と、さらに前記温度調整機構と、前記基板もしく
    は前記電気伝導体とを熱的に結合する熱伝導体とを構成
    要素に含み、しかも前記熱伝導体が金属箔、電気伝導性
    を示すペースト、液体、あるいは気体であることを特徴
    とする高周波回路素子。
  2. 【請求項2】 熱伝導体となる金属箔が、すくなくとも
    Au、Ag、Pt、Pd、Cu、Alのうち一種類を含
    むか、もしくはこれら材料の合金で構成されたことを特
    徴とする請求項記載の高周波回路素子。
  3. 【請求項3】 熱伝導体がヘリウムガスであることを特
    徴とする請求項記載の高周波回路素子。
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