JP3161015B2 - ジフェニルスルホン化合物の製造方法 - Google Patents
ジフェニルスルホン化合物の製造方法Info
- Publication number
- JP3161015B2 JP3161015B2 JP09012192A JP9012192A JP3161015B2 JP 3161015 B2 JP3161015 B2 JP 3161015B2 JP 09012192 A JP09012192 A JP 09012192A JP 9012192 A JP9012192 A JP 9012192A JP 3161015 B2 JP3161015 B2 JP 3161015B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- added
- alkyl halide
- reaction
- mol
- alkaline substance
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Description
して有用な4−アルコキシ−4’−ヒドロキシジフェニ
ルスルホンの製造方法である。
ヒドロキシジフェニルスルホンは従来の顕色剤に比して
発色感度、保存性、耐光性等に優れていることから、フ
ァクシミリ等の高速記録用あるいは保存性を重視したラ
ベル等の記録材料として多用されている。そして、この
4−アルコキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン
は特開昭58−20493号、特開昭58−82788
号、特開昭60−13852号等で感熱記録紙の顕色剤
に優れているとして開示されている。一方、製造方法に
ついては、水溶媒中で1.5〜3.0倍モルのアルカリ
の存在下で製造することを特徴とする方法が国際公開W
O91/11433号で開示されており、また生成物が
4−ベンジルオキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスル
ホンであって本発明の化合物とは異なるが、原料の塩化
ベンジル及びアルカリ性化合物の使用量に注目した製造
方法が特開昭59−225157号公報で開示されてい
る。いずれの製造方法においても、アルカリ性物質の使
用量に注目して副生物のジ置換ジフェニルスルホンの生
成抑制と収率向上に改善を加えているが充分なものとは
言えない。
解決し、より簡単な反応工程で4−アルコキシ−4’−
ヒドロキシジフェニルスルホンを選択的に製造する方法
を提供することにある。
ヒドロキシジフェニルスルホンとアルキルハライドを反
応させて4−アルコキシ−4’−ヒドロキシジフェニル
スルホンを製造する方法において、4,4’−ジヒドロ
キシジフェニルスルホンを溶解したアルカリ性物質の水
溶液及び非水混和性有機溶媒との2相溶媒系に、アルキ
ルハライドを添加し、アルカリ性物質を添加してpHを
7.5〜9.5に保持することを特徴とする4−アルコ
キシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンの製造方法
である。又、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホ
ン1モルに対し、アルキルハライド1.2〜1.8モル
割合を加えて4時間以上反応させ、更にアルキルハライ
ド0.2〜0.6モル割合を加える方法、アルキルハラ
イド0.2〜0.6モル割合を数回に分割して或いは連
続して加え、アルカリ性物質の水溶液を数回に分割して
或いは連続して加え、pH7.5〜9.5に保持する方
法、及び、非水混和性有機溶媒としてトルエンを使用す
る方法である。
ハロゲン原子を示す)、ここで、一般式(I)は4−ア
ルコキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンを、式
(II)は4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン
を一般式(III)はアルキルハライドを表している。
系の調製は、種々の方法があり、種々の順序で製造する
ことが可能であるが、アルカリ性物質1.0〜2.0モ
ル割合、好ましくは1.3〜1.8モル割合を溶解した
水溶液に、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン
1.0モル割合を加熱溶解し、更に、非水混和性有機溶
媒を加えて2相溶媒系とするのが便利である。そこにア
ルキルハライドを加えて反応させるに際し、先ずアルキ
ルハライド1.2〜1.8モル割合を加えて反応を進め
る。添加したアルキルハライドの反応が略終了する程度
反応を進めるために、少なくとも4時間を要するが、通
常5〜10時間で十分である。この間、pHは7.5〜
9.5保持される。更にアルキルハライド0.2〜0.
6モル割合を数回に分割して或いは連続して加え反応を
完了する。この反応の間、アルカリ性物質を添加して反
応液のpHを7.5〜9.5に保持する。アルカリ性物
質は水溶液として加えるのが取り扱いが容易である。反
応終了後、水層を分離し、有機溶媒層を冷却晶析して4
−アルコキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンを
分離する。アルキルハライドの総使用量は1.4〜2.
2モル割合が好ましい。1.4モル割合以下であると収
率の向上が図れず、2.2モル割合以上であると経済的
効果が乏しくなる。そして、反応液のpHを保持する方
法としては、このpHの範囲を断続的に調整してこの間
を反応の進行に合わせて上下してもよく連続的に調整し
て変動幅を少なくしてもよい。
ンをアルカリ性物質に溶解した時のpHは9.0〜9.
5である。その液へ最初のアルキルハライドを加えて反
応を進めると、反応のほか加水分解によってもアルキル
ハライドが消費され、その際発生したハロゲン化水素が
系内のアルカリ性物質を消費して、pHが低下し、pH
7.5未満になると殆ど反応が進行しなくなる。そこ
で、pH8.0以下に達する前にアルキルハライドを添
加補充するのが好ましい。アルキルハライドの添加補充
方法としては、数回に分けて断続的に加える方法あるい
は連続的に注下する方法がある。その添加方法によっ
て、アルカリ性物質でのpH調整方法についても考慮す
る必要がある。前者の場合にはアルキルハライドの添加
量に見合ったアルカリ性物質の水溶液を断続的に加える
ことによりpH7.5〜9.5の範囲に収める方法が好
ましく、後者の場合には常時pHを監視して連続的に調
整して変動幅を少なくすることが好ましい。即ち、反応
系内の4、4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンに対
するアルキルハライド使用量ばかりでなく、アルカリ性
物質の反応系に存在する量も大切である。アルカリ性物
質の存在量が多い場合(pH9.5以上)には、副生物
のジ置換ジフェニルスルホンの生成量が多くなり、また
原料のアルキルハライドの分解が多く起こる。逆に少な
い場合には(pH7.5以下)反応の進行が極めて遅く
なる。
有機溶媒の使用量も大切であり、水は4,4’−ジヒド
ロキシジフェニルスルホン1.0モル割合に対し500
〜1500ml、好ましくは4,4’−ジヒドロキシジ
フェニルスルホンがナトリウム塩となって熱時溶解する
最小限の量の800〜1200mlであり、非水混和性
有機溶媒は4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン
1.0モル割合に対し500〜1500ml、好ましく
は生成した4−アルコキシ−4’−ヒドロキシジフェニ
ルスルホン類を熱時溶解する最小限の量の800〜12
00mlである。
機溶媒の還流温度まで任意に選べるが、反応速度の面か
ら還流温度が好ましい。また低沸点のアルキルハライド
を用いた場合、より高い沸点の有機溶媒を適当量用いる
と、アルキルハライドの沸点よりも高い温度で反応する
ことができ、反応速度および反応率を高めるのに有効で
ある。
てはトルエン、キシレン、クロルベンゼン等の芳香族系
溶媒やメチルイソブチルケトン等の脂肪族系溶媒が挙げ
られる。また、アルカリ性物質としてはアルカリ金属ま
たは(および)アルカリ土類金属の水酸化物またはその
塩が挙げられる。例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化マグ
ネシウム、炭酸ナトリウム等が挙げられ、好ましいもの
としては水酸化ナトリウムである。アルカリ性物質水溶
液はこれらアルカリ性物質を任意の濃度で水に溶解した
液である。
を詳細に説明するが、これによって本発明が限定される
ことはない。 実施例1 水190mlに水酸化ナトリウム12.8g(0.32
モル)を溶解し、更に、4,4’−ジヒドロキシジフェ
ニルスルホン50.0g(0.20モル)を加えて加熱
溶解した。pHは9.2であった。それにトルエン16
8mlを加え攪拌し2相溶媒系を得、更に、イソプロピ
ルブロミド39.4g(0.32モル)を加え80℃で
6時間反応した。このとき、pHは8.3であった。次
に水酸化ナトリウム1.6g(0.040モル)を含む
20%水溶液とイソプロピルブロミド4.9g(0.0
40モル)を追加しさらに80℃で8時間反応した。p
Hは8.2であった。更に水酸化ナトリウム0.6g
(0.015モル)を含む20%水溶液とイソプロピル
ブロミド6.0g(0.049モル)を追加し、加熱還
流(80℃)して10時間反応した。pHは8.0であ
った。この間、pHは9.2から8.0の間を上下し
た。合計24時間反応した後、トルエン106mlを加
え約80℃で25%水酸化ナトリウム水溶液でpH8.
5に調整し静置分液した。トルエン層にトルエン143
mlと温水108mlを加え洗浄後静置分液した。この
トルエン層を液体クロマトグラフィーで成分を測定した
ところ、原料の4,4’−ジヒドロキシジフェニルスル
ホンからの生成率は目的化合物の4−イソプロポキシ−
4’−ヒドロキシジフェニルスルホンが78%であり、
副生物の4、4’−ジイソプロポキシジフェニルスルホ
ンが5%であり、副生物の生成率は少なかった。さらに
トルエン層を冷却して結晶を析出させ、4−イソプロポ
キシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、融点12
9〜131℃の白色結晶42.5gを得た。液体液体ク
ロマトグラフィーで純度を測定したところ、99.0%
で、副生物を殆ど含まないものであり、4,4’−ジヒ
ドロキシジフェニルスルホンからの収率は72%と高い
ものであった。
2.8g(0.32モル)を溶解し、更に、4,4’−
ジヒドロキシジフェニルスルホン50.0g(0.20
モル)を加えて加熱溶解し、トルエン168mlを加え
た。イソプロピルブロミド50.3g(0.409モ
ル)及び水酸化ナトリウム2.2g(0.055モル)
を含む20%水溶液を、分割せず一括して加えて反応し
た。この間、pHは9.6から7.2に低下していた。
実施例1と同様にトルエン層の成分を測定したところ、
それぞれの生成率は目的化合物の4−イソプロポキシ−
4’−ヒドロキシジフェニルスルホンが69%であり、
副生物の4、4’−ジイソプロポキシジフェニルスルホ
ンが16%であり、目的化合物の生成率の低下と副生物
の増加が生じていた。次いで、同様にトルエン層から、
4−イソプロポキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスル
ホン、融点129〜131℃の白色結晶37.2gを得
た。液体クロマトグラフィーで純度を測定したところ、
99.0%で、副生物を殆ど含まないものであったが、
4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンからの収率
は63%と低いものであった。
ルコキシジフェニルスルホンの生成が抑制でき、目的化
合物の4−アルコキシ−4’−ヒドロキシジフェニルス
ルホンを高収率で得ることができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 4,4’−ジヒドロキシジフェニルスル
ホンとアルキルハライドを反応させて4−アルコキシ−
4’−ヒドロキシジフェニルスルホンを製造する方法に
おいて、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンを
溶解したアルカリ性物質の水溶液及び非水混和性有機溶
媒との2相溶媒系に、アルキルハライドを添加し、アル
カリ性物質を添加してpHを7.5〜9.5に保持する
ことを特徴とする4−アルコキシ−4’−ヒドロキシジ
フェニルスルホンの製造方法。 - 【請求項2】 4,4’−ジヒドロキシジフェニルスル
ホン1モルに対し、アルキルハライド1.2〜1.8モ
ル割合を加えて4時間以上反応させ、更にアルキルハラ
イド0.2〜0.6モル割合を加える請求項第1項記載
の方法。 - 【請求項3】 アルキルハライド0.2〜0.6モル割
合を数回に分割して或いは連続して加え、アルカリ性物
質の水溶液を数回に分割して或いは連続して加え、pH
7.5〜9.5に保持する請求項第2項記載の方法。 - 【請求項4】 非水混和性有機溶媒がトルエンである請
求項第1項記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09012192A JP3161015B2 (ja) | 1992-03-17 | 1992-03-17 | ジフェニルスルホン化合物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09012192A JP3161015B2 (ja) | 1992-03-17 | 1992-03-17 | ジフェニルスルホン化合物の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05255234A JPH05255234A (ja) | 1993-10-05 |
JP3161015B2 true JP3161015B2 (ja) | 2001-04-25 |
Family
ID=13989682
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP09012192A Expired - Lifetime JP3161015B2 (ja) | 1992-03-17 | 1992-03-17 | ジフェニルスルホン化合物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3161015B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1277743A4 (en) | 2000-03-28 | 2005-03-23 | Nippon Soda Co | OXA DERIVED (THIA) ZOLIDINE AND ANTI-INFLAMMATORY DRUG |
CN1273447C (zh) | 2001-01-22 | 2006-09-06 | 日本曹达株式会社 | 制备二苯基砜化合物的方法 |
CN100383117C (zh) * | 2001-01-22 | 2008-04-23 | 日本曹达株式会社 | 制备二苯基砜化合物的方法 |
-
1992
- 1992-03-17 JP JP09012192A patent/JP3161015B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05255234A (ja) | 1993-10-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0465665B1 (en) | Process for producing diphenyl sulfone compound | |
JP3485227B2 (ja) | 置換ベンゼンジチオール金属錯体およびその製造方法 | |
JP2912972B2 (ja) | α,β―不飽和酸の臭素置換芳香族エステルの製造方法 | |
JP3161015B2 (ja) | ジフェニルスルホン化合物の製造方法 | |
JP2500532B2 (ja) | ジフェニルスルホン化合物の製造法 | |
JPH0723351B2 (ja) | テトラクロロ−2−シアノ安息香酸アルキルエステルの製造方法 | |
JPS59206376A (ja) | オキシラン類の製造法 | |
HU204247B (en) | Process for optical resolving raceme compositions of alpha-naphtyl-propionic acid derivatives | |
US5107006A (en) | Clathrate compounds of nuclear-substituted salicyclic acid salts | |
JP4807690B2 (ja) | ジフェニルスルホン化合物の製造方法 | |
JP2696789B2 (ja) | メルカプトカルボン酸エステルの合成 | |
JP4138067B2 (ja) | メチン誘導体の製造方法 | |
JPH0374395A (ja) | 有機ホスホニウム塩の製造方法 | |
JP2000095730A (ja) | ハロゲン化フェニルマロン酸エステルの製造方法 | |
JPH03258760A (ja) | ジフェニルスルホン誘導体の分離法 | |
JPH09110783A (ja) | 4−アルコキシサリチル酸類の製造方法 | |
SU963462A3 (ru) | Способ получени 2-арилпропионовой кислоты | |
JPH01190650A (ja) | サリチル酸誘導体亜鉛塩の製造方法 | |
JP4219606B2 (ja) | モノ置換ジヒドロキシジフェニルスルホンの製造方法 | |
JP3500654B2 (ja) | 色素中間体及びその製造方法 | |
JP2949930B2 (ja) | 光学活性1−フェニル−2−(p−トリル)エチルアミンの精製方法 | |
JP2852139B2 (ja) | スルホン化α,β−不飽和ジカルボン酸金属塩の製造方法 | |
US6706917B1 (en) | Preparing method of 2-phenylalkanoic acid derivatives | |
KR930003756B1 (ko) | 치환된 β-페닐아크릴산의 제조방법 | |
JP2002284759A (ja) | 4−置換ヒドロキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090223 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090223 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100223 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100223 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110223 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120223 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120223 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130223 Year of fee payment: 12 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term | ||
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130223 Year of fee payment: 12 |