JP3159070U - 船外機用電装品ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】使用樹脂量が少なく、バスバーの構造を複雑にすることなく複雑な回路を構築でき、かつ、部品交換時の経済性に優れた船外機用電装品ユニットを提供する。【解決手段】船外機用電装品ユニット6は、電子部品ユニット60と、電子部品ユニット60が着脱自在に接続されるバスバー70と、バスバー70を保持する樹脂部品からなるロアケース92と、ロアケース92に結合されるアッパーケース93と、ロアケース92に結合されるユニットホルダ91とを含む。アッパーケース93は、電子部品ユニット60を保持する電子部品ハウジング107を有している。電子部品ユニット60は、ダイオードD1〜D3およびコンデンサC1〜C3が実装された回路基板と、回路基板に接続された接続端子と、接続端子の一部が引き出された状態で回路基板および接続端子を封止する封止樹脂とを含む。【選択図】図5

Description

この考案は、船外機のエンジンに取り付けられる電装品ユニットに関する。
船外機は、エンジンと、エンジンからの駆動力によって回転するプロペラと、エンジンを覆うエンジンカバーとを含む。エンジンとエンジンカバーとの間には、電子部品をケース内に収容した電装品ユニットが配置される。このような電装品ユニットに関する一つの先行技術は、特許文献1に開示されている。
この先行技術に係る電装品ユニットは、ディスクリート部品が実装された回路基板と、回路基板を収容するケースとを含み、ケースがエンジンに取り付けられるように構成されている。回路基板には、コネクタ接続部が備えられている。コネクタ接続部は、ケースの開口部に配置されている。電装品ユニットの組立時には、回路基板がケース内に配置された状態で、ケース内に樹脂が充填される。これにより、ディスクリート部品の保持および防水対策が図られている。
特開2003−104289号公報
電装品ユニットに収容されるディスクリート部品のなかには、ダイオードやコンデンサのように高さの高い部品が含まれることがある。このような部品を収容するためには、ケースは、大きな容積の内部空間を有していなければならない。そのため、前記先行技術の構成では、ケース内に充填すべき樹脂量が多くなり、それに応じて電装品ユニットの重量も大きくなる。
また、前記先行技術の構成では、複数のディスクリート部品が個別に回路基板に接続されている。そのため、回路基板は、ディスクリート部品の間を接続する回路を備えなければならない。したがって、多数のディクリート部品をケース内に集積しようとすると、回路基板の回路数が多くなる。
前記特許文献1には具体的な記述はないけれども、大電流を流す必要のある回路は、バスバーで構成される場合がある。バスバーは、板金に対して、打ち抜き加工および折り曲げ加工を施して作製される。したがって、多数の回路を含む複雑な回路構造をバスバーで形成するのは困難である。
また、特許文献1の構成では、ケース内の空間の全てが樹脂で充填されるので、樹脂充填後は、ディスクリート部品を個別に交換することはできない。したがって、いずれかのディスクリート部品やその他の部分に不具合が生じたときは、電装品ユニット全体を交換しなければならない。よって、経済性が悪い。
このような課題を解決するために、この考案は、船外機のエンジンに取り付けられる船外機用電装品ユニットを提供する。この船外機用電装品ユニットは、ダイオードおよびコンデンサが実装された回路基板と、前記回路基板に接続された接続端子と、前記接続端子の一部が引き出された状態で前記回路基板および前記接続端子を封止する樹脂とを含む電子部品ユニットと、前記電子部品ユニットが前記接続端子によって着脱自在に接続されるバスバーと、前記バスバーを保持する樹脂部品からなるバスバー保持部と、前記バスバーを覆うように前記バスバー保持部に結合され、前記電子部品ユニットを保持する電子部品ユニット保持部を有するケースと、前記バスバーに結合されたコネクタ接続部と、前記コネクタ接続部を収容するケーブル接続空間を区画するように前記バスバー保持部に結合され、前記船外機のエンジンに取り付けられるユニットホルダとを含む。
この考案に係る船外機用電装品ユニットは、回路基板および接続端子を樹脂封止した電子部品ユニットを備えている。したがって、回路基板に実装されるダイオードおよびコンデンサの保持および防水対策のために用いられる樹脂の量が少ない。それに応じて、重量も少なくなる。バスバーは、樹脂部品からなるバスバー保持部に保持されているけれども、バスバーを保持するのに必要充分な量の樹脂でバスバー保持部を構成することができる。つまり、電子部品ユニットの構成部品およびバスバーがそれぞれ個別に樹脂で保持されているので、全体の樹脂使用量が少ない。それに応じて、電装品ユニットを軽くすることができる。そして、バスバーを覆うようにバスバー保持部に結合されるケースに電子部品ユニット保持部が備えられているので、電子部品ユニットを確実に保持できる。これにより、エンジン運転中の振動に対する充分な耐久性を確保できる。
また、電子部品ユニット内に回路基板が備えられているので、ダイオードとコンデンサとの間の接続のための回路をバスバーに備える必要がない。そのため、バスバーの回路数を少なくすることができるから、その構造を簡単にすることができる。換言すれば、バスバーの構造を複雑にすることなく、回路数の多い複雑な回路を構築することができる。
さらに、電子部品ユニットに備えられた部品に不具合が生じたときは、故障部品を含む電子部品ユニットを取り外して正常品に交換すればよい。したがって、電装品ユニット全体を交換しなくてもよいので、経済性がよい。
バスバー保持部は、バスバーをインサートした状態で成形された樹脂成形品(インサート成形品)からなっていてもよい。
バスバーに結合されたコネクタ接続部は、電装品との接続のためのケーブルに備えられたコネクタとの接続のために用いられる。コネクタ接続部は、ユニットホルダによって区画されるケーブル接続空間に収容される。ケーブル側のコネクタとコネクタ接続部との結合は、ケーブル接続空間内で達成される。
ユニットホルダにバスバー保持部が結合され、さらに、ユニットホルダがエンジンに取り付けられることによって、電装品ユニットのエンジンへの取り付けが達成される。
請求項2記載の考案は、前記電子部品ユニットを覆うように前記ケースに着脱自在に結合されるカバーをさらに含む、請求項1記載の船外機用電装品ユニットである。
この構成により、電子部品ユニットがカバーで覆われることによって、防水性が高められ、かつ、電子部品ユニットをより確実に保持できる。カバーはケースに対して着脱自在であるから、カバーを取り外すことによって、電子部品ユニットを交換することができる。したがって、電子部品ユニット内の部品に故障が生じたときの保守作業が容易になる。
請求項3記載の考案は、前記バスバーに着脱自在に接続されるヒューズユニットと、前記バスバーに着脱自在に接続されるリレーユニットとをさらに含み、前記ケースは、前記ヒューズユニットおよびリレーユニットをそれぞれ保持するヒューズ保持部およびリレー保持部を有している、請求項1または2記載の船外機用電装品ユニットである。
この構成によれば、ヒューズユニットおよびリレーユニットをケースに保持した状態で、それらをバスバーに接続することができる。これにより、ヒューズユニットおよびリレーユニットとともに電子部品ユニットを一体的に保持した構造の電装品ユニットを提供できる。このように多数のユニットを集積することにより電装品ユニットの内部空間の容積は大きくなるけれども、この空間を樹脂で埋め尽くす必要はない。したがって、使用樹脂量を大幅に増やすことなく、多数のユニットを一つの電装品ユニットに集積できる。
請求項4記載の考案は、前記ヒューズユニットを覆うように前記ケースに着脱自在に結合される第1カバーと、前記電子部品ユニットおよびリレーユニットを覆うように前記ケースに着脱自在に結合される第2カバーとをさらに含む、請求項3記載の船外機用電装品ユニットである。
この構成によれば、ヒューズユニットを覆う第1カバーと、電子部品ユニットおよびリレーユニットを覆う第2カバーとが個別に設けられている。ヒューズユニットを交換するときには、作業者は、第1カバーを取り外す。また、電子部品ユニットまたはリレーユニットを交換するときには、作業者は、第2カバーを取り外す。電子部品ユニットおよびリレーユニットの故障頻度は低く、ユーザによる交換の機会はほとんどない。これに対して、ヒューズユニットについては、ユーザによる交換の機会を想定しておくことが好ましい。ヒューズユニットのカバーと電子部品ユニットおよびリレーユニットのカバーとを分けておくことによって、電子部品ユニットまたはリレーユニットが不用意に露出する機会を少なくしながら、ヒューズユニットの交換が可能になる。
ヒューズユニットのための第1カバーは、工具を用いることなく取り外し可能であるようにケースに結合されるように構成されていることが好ましい。これにより、ユーザによるヒューズユニットの交換が容易になる。一方、電子部品ユニットおよびリレーユニットのための第2カバーは、工具を用いて取り外すことができるようにケースに結合されるように構成されていることが好ましい。これにより、電子部品ユニットまたはリレーユニットが不用意に露出する機会を少なくすることができる。
請求項5記載の考案は、前記ヒューズ保持部は、前記リレー保持部および前記電子部品ユニット保持部よりも上に配置されている、請求項3または4記載の船外機用電装品ユニットである。
この構成によれば、ヒューズ保持部が上方に配置されているので、ユーザはヒューズユニットに容易にアクセスすることができる。これにより、ヒューズユニットの交換作業が容易になる。
請求項6記載の考案は、前記船外機は、電動モータを備えており、前記電子部品ユニットに備えられるダイオードは、前記電動モータへの給電経路に介装されたリレーのリレーコイルに並列に接続されたフライホイールダイオードを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の船外機用電装品ユニットである。
この構成によれば、リレーコイルへの通電を遮断した時に生じる逆起電力エネルギーを吸収するフライホイールダイオードを、電装品ユニットに収容することができる。電子部品ユニットに組み込まれるフライホイールダイオードは、コンデンサとともに樹脂封止されることにより、防水対策が施されることになる。
電動モータへの給電ケーブルおよびその他のケーブルを結束したワイヤハーネスにフライホイールダイオードを設ける構造も考えられる。しかし、この構造の場合、防水対策のために、単体のフライホイールダイオードを樹脂封止する必要がある。また、船外機の運転時に生じる振動等を考慮して、エンジンカバー内の限られたスペース内でフライホイールダイオードの収納場所を確保し、かつ、そのフライホイールダイオードを適切に保持する必要がある。さらに、ワイヤハーネスに個別部品のフライホイールダイオードを接続する工程が必要になる。この接続は、たとえば、ジョイントコネクタまたは中間ジョイントを用いて達成される。したがって、部材コストおよび工数が多くなるので、それに応じて製造コストが高くなる。
そこで、この考案では、コンデンサとともにフライホイールダイオードが電子部品ユニットとして一ユニット化され、この電子部品ユニットが電装品ユニットに収容される。これにより、上記の課題を一気に解決できる。電装品ユニットを予め組み立てておけば、船外機の組み立て工程では、電装品ユニットを一つの部品として取り扱うことができる。
請求項7記載の考案は、前記船外機は、電源からセンサへの給電経路に接続された平滑化コンデンサを含み、前記電子部品ユニットに備えられるダイオードは、前記センサへの給電経路において前記平滑化コンデンサよりも電源側に介装された逆流防止ダイオードを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の船外機用電装品ユニットである。
たとえば、前記センサは、船外機に電力を供給するバッテリ(電源の一例)からの給電を受けて動作するものであってもよい。このようなセンサとしては、エンジンに備えられたカムの回転角を検出するカム角センサを例示できる。この場合、平滑化コンデンサは、電源電圧の変動を吸収し、センサの動作を安定化する。電源電圧が降下すると、平滑化コンデンサからセンサへと電力が供給され、電圧の安定化が図られる。このとき、逆流防止ダイオードは、電源側に向かう電流を阻止し、平滑化コンデンサからの電流が他の電装品へと流れ込むことを防止する。
請求項8記載の考案は、前記電子部品ユニットに備えられるコンデンサは、前記船外機に備えられたセンサへの給電経路に接続されたノイズ吸収コンデンサを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の船外機用電装品ユニットである。
たとえば、前記センサは、船外機に備えられる電子制御ユニット(ECU)から電力供給を受けて動作するセンサであってもよい。このようなセンサとしては、エンジンの吸気経路内の圧力を検出する吸気圧センサを例示することができる。船外機のエンジンカバー内の空間は極限まで縮小が図られているから、エンジンの吸気経路長は、四輪車両のエンジンの吸気経路長に比較すると、はるかに短い。そのため、点火プラグから吸気圧センサまでの距離が短い。したがって、船外機では、吸気圧センサが点火プラグから発生するノイズの影響を受けることは避けられない。このようなノイズを吸収するためのノイズ吸収コンデンサが吸気圧センサに接続される。ノイズ吸収コンデンサが付属した吸気圧センサを用いることが考えられるかもしれないけれども、このような吸気圧センサは専用部品となり、調達コストが高くつく。四輪車両用の吸気圧センサのような汎用品にはノイズ吸収コンデンサは付属していない。
上記のような平滑化コンデンサ、逆流防止ダイオードまたはノイズ吸収コンデンサは、前述のフライホイールダイオードの場合と同様に、ワイヤハーネスに組み込むこともできる。しかし、この場合、フライホイールダイオードの場合と同様の課題に直面する。
請求項9記載の考案は、エンジンと、前記エンジンに取り付けられた請求項1〜8のいずれか一項に記載の船外機用電装品ユニットとを含む、船外機である。この構成により、電装品ユニットの重量を少なくできるので、船外機を軽量化できる。また、コンデンサやダイオードを電装品ユニットに組み込むことができるので、船外機に備えられるワイヤハーネスの設計を容易にでき、かつ、その部材コストおよび組立工数を削減できる。
請求項10記載の考案は、前記エンジンを覆うエンジンカバーをさらに含み、前記船外機用電装品ユニットが、前記エンジンカバー内において、前記エンジンの前方または側方に配置されている、請求項9記載の船外機である。電装品ユニットは軽量であるので、船外機の重量バランスを乱すことなくエンジンカバー内に配置できる。そこで、船舶の乗員から手がとどくように、エンジンの前方または側方に配置することができる。
図1は、この考案の一実施形態に係る船外機の構成を説明するための図解的な断面図である。 図2は、船外機の主要部の電気的構成を説明するためのブロック図である。 図3は、電装品ユニットの電気的構成を説明するための電気回路図である。 図4は、電装品ユニットの斜視図である。 図5は、電装品ユニットの図解的な分解図である。 図6は、電装品ユニットに備えられたアッパーケースの平面図である。 図7は、アッパーケースとヒューズユニット用のカバーとの結合構造を説明するための斜視図である。 図8A、図8Bおよび図8Cは、電装品ユニットに備えられた電子部品ユニットの構造例を説明するための図であり、図8Aは平面図、図8Bは正面図、図8Cは側面図である。
以下では、この考案の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この考案の一実施形態に係る船外機の構成を説明するための図解的な断面図である。この船外機10は、船体2の船尾(トランサム)3に取り付けられるように構成されている。船外機10は、推進ユニット30と、この推進ユニット30を船体2に取り付ける取り付け機構31とを有している。取り付け機構31は、船体2の後尾板に着脱自在に固定されるクランプブラケット32と、このクランプブラケット32に水平回動軸としてのチルト軸33を中心に回動自在に結合されたスイベルブラケット34とを備えている。推進ユニット30は、スイベルブラケット34に、操舵軸35まわりに回動自在に取り付けられている。これにより、推進ユニット30を操舵軸35まわりに回動させることによって、操舵角(船体2の中心線に対して推進力の方向がなす方位角)を変化させることができる。また、スイベルブラケット34をチルト軸33まわりに回動させることによって、推進ユニット30のトリム角を変化させることができる。トリム角は、船体2に対する船外機10の取り付け角に対応する。
推進ユニット30のハウジングは、エンジンカバー(トップカウリング)36とアッパケース37とロアケース38とで構成されている。エンジンカバー36内には、駆動源となるエンジン39(内燃機関)がそのクランク軸の軸線が上下方向に沿うように設置されている。エンジン39のクランク軸下端に連結される動力伝達用のドライブシャフト41は、アッパケース37内を通ってロアケース38内にまで延びている。エンジン39は、たとえば、複数の気筒を有する4ストロークガソリンエンジンである。
ロアケース38の下部後側には、プロペラ40が回転自在に装着されている。ロアケース38内には、プロペラ40の回転軸であるプロペラシャフト42が水平方向に通されている。このプロペラシャフト42には、ドライブシャフト41の回転が、クラッチ機構としてのシフト機構43を介して伝達されるようになっている。
シフト機構43は、ドライブシャフト41の下端に固定された駆動ギヤ43aと、プロペラシャフト42上に回動自在に配置された前進ギヤ43bおよび後進ギヤ43cと、前進ギヤ43bおよび後進ギヤ43cの間に配置されたドッグクラッチ43dとを含む。ギヤ43a,43b,43cは、いずれもベベルギヤからなる。前進ギヤ43bは前方側から駆動ギヤ43aに噛合しており、後進ギヤ43cは後方側から駆動ギヤ43aに噛合している。そのため、前進ギヤ43bおよび後進ギヤ43cは互いに反対方向に回転されることになる。一方、ドッグクラッチ43dは、プロペラシャフト42にスプライン結合されている。すなわち、ドッグクラッチ43dは、プロペラシャフト42に対してその軸方向に摺動自在であるけれども、プロペラシャフト42に対する相対回動はできず、このプロペラシャフト42とともに回転する。
ドッグクラッチ43dは、ドライブシャフト41と平行に上下方向に延びるシフトロッド44がその軸周りに回動することによって、当該シフトロッド44からの力を受け、プロペラシャフト42上で摺動される。これにより、ドッグクラッチ43dは、前進ギヤ43bと結合した前進位置と、後進ギヤ43cと結合した後進位置と、前進ギヤ43bおよび後進ギヤ43cのいずれとも結合されないニュートラル位置とのいずれかのシフト位置に制御される。
シフトロッド44に関連して、ドッグクラッチ43dのシフト位置を変化させるためのシフトアクチュエータ48(クラッチ作動装置)が設けられている。このシフトアクチュエータ48は、たとえば、電動モータを含む。
また、クランプブラケット32とスイベルブラケット34との間には、チルトトリムアクチュエータ55が設けられている。チルトトリムアクチュエータ55は、チルト軸33まわりにスイベルブラケット34を回動させることにより、推進ユニット30をチルト軸33まわりに回動させる。チルトトリムアクチュエータ55は、たとえば液圧シリンダ56と、この液圧シリンダ56に作動液を供給するポンプ57とを含む。ポンプ57は、チルトトリムモータ(電動モータ)58によって駆動されるようになっている。チルトトリムモータ58は、正転または逆転駆動される。これにより、液圧シリンダ56が作動し、プロペラ40が上昇または下降するように、推進ユニット30がチルト軸33まわりに回動させられる。
エンジンカバー36内には、この考案の一実施形態に係る電装品ユニット6が配置されている。電装品ユニット6は、ヒューズユニット、リレーユニットおよびその他の電装品を集積したユニットである。この実施形態では、電装品ユニット6は、船舶の進行方向に向かってエンジン39の左側の側面に取り付けられている。ただし、電装品ユニット6は、エンジン39とエンジンカバー36との間の任意の位置に配置することができる。たとえば、電装品ユニット6は、図1に二点鎖線で示すように、エンジン39の前方面(船舶の進行方向側の表面)に取り付けられてもよい。電装品ユニット6は、エンジンカバー36を開いたときに露出する位置で、エンジン39に取り付けられている。これにより、ユーザその他の作業者は、エンジンカバー36を開くことによって、電装品ユニット6にアクセスでき、電装品ユニット6に関するメンテナンスを行うことができる。電装品ユニット6をエンジン39の側面または前方面に取り付けておけば、船体2に乗船している乗員は、手を伸ばして、電装品ユニット6に容易にアクセスすることができる。
電源としてのバッテリ5は、船体2に搭載されている。バッテリ5からの給電ケーブル15は、船外機10に備えられた端子板16に接続されている。
図2は、船外機10の主要部の電気的構成を説明するためのブロック図である。端子板16には、チルトトリムモータ58への給電のためのモータ給電線17と、電装品ユニット6への給電のための電装品給電線18とが接続されている。電装品給電線18は、電装品ユニット6に接続されている。
電装品ユニット6には、複数の電装品が接続されている。これらの電装品には、クランク角センサ51、複数のカム角センサ52、吸気圧センサ53、ECU(電子制御ユニット)13、スタータモータ45、スロットルアクチュエータ47、シフトアクチュエータ48および切換器21が含まれる。クランク角センサ51は、エンジン39のクランク軸の回転を検出するセンサである。カム角センサ52は、エンジン39の吸気弁および排気弁をそれぞれ駆動するカムの回転角を検出するセンサである。吸気圧センサ53は、エンジン39のシリンダヘッドに接続された吸気経路内の圧力(吸気圧)を検出するためのセンサである。これらのセンサ51,52,53の検出信号は、ECU13に入力される。スタータモータ45は、エンジン39を始動させるためにクランク軸を回転させるモータである。スタータモータ45は、ECU13によって制御される。スロットルアクチュエータ47は、エンジン39のスロットルバルブを作動させてスロットル開度を変化させ、エンジン39の吸入空気量を変化させる。スロットルアクチュエータ47は、電動モータからなっていてもよい。スロットルアクチュエータ47の動作は、ECU13によって制御される。シフトアクチュエータ48の機能は、前述のとおりである。このシフトアクチュエータ48の動作は、ECU13によって制御される。切換器21は、チルトトリムモータ58を正転または逆転駆動するためのスイッチであり、ECU13によって制御される。
チルトトリムモータ58には、モータ給電線17に介装されたリレーユニット22を介して電力が供給される。リレーユニット22は、2つのリレー23,24を備えている。一方のリレー23のコモン端子Cにチルトトリムモータ58の第1端子58aが接続されている。他方のリレー24のコモン端子Cにチルトトリムモータ58の第2端子58bが接続されている。リレー23,24のa接点(arbeit contact)aは、いずれもモータ給電線17を介して端子板16に接続されている。リレー23,24のb接点(break contact)bは、いずれも接地に接続されている。リレー23の操作コイル23aは、切換器21の第1出力端子21aと接地との間に接続されている。リレー24の操作コイル24aは、切換器21の第2出力端子21bと接地との間に接続されている。
切換器21は、電装品ユニット6からの電力が供給される共通端子21cと、前述の第1および第2端子21a,21bとを備えている。船外機ECU13は、チルトトリムモータ58を正転駆動すべきとき、共通端子21cを第1端子21aに接続する。これにより、リレー23の操作コイル23aが励磁され、そのa接点が閉じる。これにより、チルトトリムモータ58には、第1端子58aから第2端子58bへと向かう方向に電流が流れる。その結果、チルトトリムモータ58は正転駆動される。一方、船外機ECU13は、チルトトリムモータ58を逆転駆動すべきとき、共通端子21cを第2端子21bに接続する。これにより、リレー24の操作コイル24aが励磁され、そのa接点が閉じる。これにより、チルトトリムモータ58には、第2端子58bから第1端子58aへと向かう方向に電流が流れる。その結果、チルトトリムモータ58は逆転駆動される。
図3は、電装品ユニット6の電気的構成を説明するための電気回路図である。電装品ユニット6は、コンデンサC1,C2,C3およびダイオードD1,D2,D3を内蔵した電子部品ユニット60を備えている。また、電装品ユニット6は、複数のヒューズユニットF1〜F6および複数のリレーユニットR1〜R4を備えている。さらに、電装品ユニット6は、回路を形成するバスバー70を備えている。
バスバー70は、電装品給電線18と切換器21との間を接続する回路71を含み、この回路71にヒューズユニットF1が介装されている。バスバー70は、さらに、ヒューズユニットF1よりも切換器21側において回路71に並列に接続された回路72〜76を含む。回路72〜76に、それぞれ、ヒューズユニットF2〜F6が介装されている。回路72は、ECU13に動作電力を供給する。回路73では、ヒューズユニットF3に直列にリレーユニットR1が接続されている。このリレーユニットR1に電子部品ユニット60が接続されている。また、回路73は、電子部品ユニット60に対して並列にクランク角センサ51を接続する回路73aと、リレーユニットR2,R3,R4の操作コイルに電力を供給する回路73bとを含む。回路74では、ヒューズユニットF1に直列に別のヒューズユニットF4が接続され、さらに、このヒューズユニットF4に直列にリレーユニットR2が接続されている。回路74は、リレーユニットR2に対して、スタータモータ45が接続されるように構成されている。回路75では、ヒューズユニットF1に直列に別のヒューズユニットF5が接続され、さらに、このヒューズユニットF5に直列にリレーユニットR3が接続されている。回路75は、リレーユニットR3に対してスロットルアクチュエータ47が接続されるように構成されている。回路76では、ヒューズユニットF1に直列に別のヒューズユニットF6が接続され、さらに、このヒューズユニットF6に直列にリレーユニットR4が接続されている。回路76は、リレーユニットR4に対してシフトアクチュエータ48が接続されるように構成されている。バスバー70は、さらに、電装品ユニット6外の電装品相互間の接続のための回路77を含んでいてもよい。
電子部品ユニット60は、コンデンサC1,C2,C3およびダイオードD1,D2,D3に加えて、それらを接続する回路パターンが形成された回路基板(プリント基板)80を備えている。コンデンサC1,C2,C3およびダイオードD1,D2,D3は、それぞれディスクリート部品で構成されており、回路基板80に実装(具体的には半田付け)されている。回路基板80は、たとえば、カム角センサ52のための回路パターン81と、吸気圧センサ53のための回路パターン82と、チルトトリムモータ58の駆動用のリレーユニット22のための回路パターン83とを含む。
回路パターン81は、リレーユニットR1に直列にダイオードD1を接続するライン81aと、ダイオードD1を各カム角センサ52に接続するためのライン81bと、接地に接続される接地ライン81cとを含む。コンデンサC1は、ライン81aおよび81cの間に接続されている。コンデンサC1は、バッテリ5が発生する電源電圧の変動を吸収してカム角センサ52への供給電圧を安定化する。ダイオードD1は、電源電圧低下時にコンデンサC1が放電する電流の逆流を防ぐ逆流防止ダイオードである。ダイオードD1は、電装品ユニット6内の他の回路および当該回路に接続された電装品へと電流が回り込むことを防ぐ。
回路パターン82は、接地ライン82aと、吸気圧センサ53に接続されるライン82b,82cと、船外機ECU13に接続されるライン82d,82eとを含む。接地ライン82aと、ライン82b,82cとの間にコンデンサC2,C3がそれぞれ接続されている。ライン82d,82eは、ライン82b,82cにそれぞれ接続されている。コンデンサC2,C3は、エンジン39に備えられた点火プラグ(図示せず)が発生する電磁ノイズを吸収するノイズ吸収コンデンサである。
回路パターン83は、チルトトリムモータ駆動用のリレーユニット22に備えられた操作コイル23a,24aにダイオードD2,D3をそれぞれ並列に接続するライン83a,83b,83cを含む。ライン83aは操作コイル23aの一端に接続され、ライン83bは操作コイル24aの一端に接続される。ライン83cは、操作コイル23a,24aの各他端に接続されている。ライン83a,83cの間にダイオードD2が接続されている。また、ライン83b,83cの間にダイオードD3が接続されている。
リレーユニットR1〜R4の操作コイルは、バスバー70を介して、ECU13にそれぞれ接続されている。ECU13は、それらの操作コイルへの通電を制御する。たとえば、ECU13は、イグニッションキースイッチが導通されてエンジン39への電力供給が開始されると、リレーユニットR1の操作コイルに通電する。これにより、リレーユニットR1が導通するから、リレーユニットR2〜R3の操作コイルへの通電が可能な状態となる。したがって、その後に、ECU13がリレーユニットR2の操作コイルに通電すると、スタータモータ45が作動し、エンジン39のクランキングが行われる。また、ECU13がリレーユニットR3の操作コイルに通電すると、スロットルアクチュエータ47が作動して、スロットル開度の調整が行われる。さらに、ECU13がリレーユニットR4の操作コイルに通電すると、シフトアクチュエータ48が作動し、シフト切換が可能になる。また、リレーユニットR1の通電によって、クランク角センサ51およびカム角センサ52が動作開始する。吸気圧センサ53には、ECU13の内部の電源回路によって生成された電源電圧が回路パターン82を介して供給される。
図4は、電装品ユニット6の斜視図である。また、図5は、電装品ユニット6の図解的な分解図である。電装品ユニット6は、ユニットホルダ91と、ロアケース92と、アッパーケース93と、第1カバー94と、第2カバー95とを含む。図4には、ユニットホルダ91を取り外した状態が示されている。
ユニットホルダ91は、電装品ユニット6をエンジン39に取り付けるための部品であり、たとえば、樹脂成形品からなる。ユニットホルダ91は、扁平な矩形の容器形状に形成されていて、内部にケーブル接続空間97を区画している。
ロアケース92は、ユニットホルダ91の開口側に嵌め合わされて結合されるように構成されている。ロアケース92は、バスバー70をインサートして成形した樹脂成形品からなる。ロアケース92は、扁平な矩形板状に形成されていて、その一方主面92aには、バスバー70の接続端78が突出している。ロアケース92の他方の主面92bには、コネクタ接続部98が一体的に形成されている。コネクタ接続部98の内部には、バスバー70の接続端79が突出している。ロアケース92は、コネクタ接続部98側の主面92bがユニットホルダ91に対向する姿勢で、ユニットホルダ91に結合されるように構成されている。コネクタ接続部98には、被覆電線99の一端に接続されたコネクタ100が結合される。
コネクタ100は、樹脂成形品からなるコネクタハウジングと、その内部に保持された端子金具とを含む。端子金具は、被覆電線99の芯線に電気的に接続されている。コネクタ100とコネクタ接続部98とが結合された状態で、ロアケース92とユニットホルダ91とが結合される。これにより、コネクタ100とその近傍の被覆電線99とは、ケーブル接続空間97に収容されることになる。複数本の被覆電線99は、たとえばテープで結束されて、ワイヤハーネス101を形成している。このワイヤハーネス101は、ユニットホルダ91に形成された穴102からユニットホルダ91外へと引き出されている。穴102は、エンジン39にユニットホルダ91が取り付けられたときに下方に位置する。
アッパーケース93は、ユニットホルダ91とは反対側から、ロアケース92の主面92aに結合されるように構成されている。アッパーケース93は、扁平な矩形板状に形成された樹脂成形品からなる。アッパーケース93の一方の主面93aには、ヒューズハウジング105、リレーハウジング106、および電子部品ハウジング107が一体的に形成されている。これらは、エンジン39に取り付けたときに、ヒューズハウジング105が最も上方に位置するように配置されている(図1を併せて参照)。アッパーケース93の他方の主面93bは、ロアケース92の主面92aに対向している。ロアケース92とアッパーケース93とは、主面92a,93bの間に、ガスケット110を挟んだ状態で、互いに結合されている。ガスケット110には、バスバー70の接続端78が形成された領域を取り囲む開口が形成されている。これにより、ロアケース92とアッパーケース93との間において、接続端78への水その他の異物の進入が阻止される。バスバー70の接続端78は、アッパーケース93を貫通し、ヒューズハウジング105、リレーハウジング106、および電子部品ハウジング107の内部空間に至っている。
アッパーケース93の平面図である図6に示すように、ヒューズハウジング105は、アッパーケース93の主面93aから突出した周壁を備えている。その周壁内にヒューズ保持空間105Aが区画されている。このヒューズ保持空間105Aに複数のヒューズユニットF1〜F6が一括して収容されて保持される。この実施形態では、ヒューズハウジング105の底面には、サイズの異なる2種類のヒューズを保持するためのヒューズ保持部105a,105bが設けられている。各ヒューズ保持部105a,105bにおいて、バスバー70の接続端78がヒューズハウジング105の底面から突出している。この接続端78に、ヒューズユニットF1〜F6の接続端子が接触し、電気的に接続される。
同様に、リレーハウジング106は、個々のリレー毎に、アッパーケース93の主面93aから突出した周壁を備えており、その周壁内に個別のリレー保持空間106Aが区画されている。各リレー保持空間106AにリレーユニットR1〜R4が一個ずつ保持される。リレー保持空間106Aの底面からは、バスバー70の接続端78が突出している。この接続端78に、リレーユニットR1〜R4の接続端子が接触し、電気的に接続される。
また、電子部品ハウジング107は、アッパーケース93の主面93aから突出した周壁を備えており、その周壁内に電子部品保持空間107Aが区画されている。この電子部品保持空間107Aに電子部品ユニット60が保持される。電子部品保持空間107Aの底面からは、バスバー70の接続端78が突出している。この接続端78に、電子部品ユニット60の接続端子が接触し、電気的に接続される。
この実施形態では、リレーハウジング106と電子部品ハウジング107とが隣接した領域にまとめて配置されている。より具体的には、アッパーケース93の一短辺の近くの領域にヒューズハウジング105が配置されており、他の短辺の近くの領域に電子部品ハウジング107が配置されている。そして、電子部品ハウジング107とヒューズハウジング105との間に、リレーハウジング106が配置されている。
第1カバー94および第2カバー95は、アッパーケース93の主面93a側に結合されるように構成されている。この実施形態では、第1カバー94はヒューズユニットF1〜F6を覆い、第2カバー95はリレーユニットR1〜R4および電子部品ユニット60を共通に覆うように構成されている。
第1カバー94は、複数のヒューズユニットF1〜F6を一括して収容する収容空間94aを有する容器形状に形成されていて、収容空間94aの開口縁部にはフランジ部94bが形成されている。このフランジ部94bは、アッパーケース93の主面93aに対向する平坦面を有している。アッパーケース93の主面93aには、ヒューズハウジング105の周囲に平坦部が形成されている。この平坦部に第1カバー94のフランジ部94bが対向している。第1カバー94は、フランジ部94bとアッパーケース93の主面93aの平坦部との間にガスケット111を挟んだ状態で、アッパーケース93に結合されている。ガスケット111は、フランジ部94bの内方領域に対応する開口が形成されたリング形状に形成されている。
第2カバー95は、複数のリレーユニットR1〜R4および電子部品ユニット60を一括して収容する収容空間95aを有する容器形状に形成されている。この収容空間95aの開口縁部にはフランジ部95bが形成されている。このフランジ部95bは、アッパーケース93の主面93aに対向する平坦面を有している。アッパーケース93の主面93aには、リレーハウジング106および電子部品ハウジング107を含む領域の周囲に平坦部が形成されている。この平坦部に第2カバー95のフランジ部95bが対向している。第2カバー95は、フランジ部95bとアッパーケース93の主面93aの平坦部との間にガスケット112を挟んだ状態で、アッパーケース93に結合されている。ガスケット112は、フランジ部95bの内方領域に対応する開口が形成されたリング形状に形成されている。
図4に最もよく表れているように、ユニットホルダ91、ロアケース92およびアッパーケース93は、複数本のボルト116によって、結合されている。ボルト116は、ロアケース92およびアッパーケース93の周縁部の複数箇所に形成された貫通穴115aを通り、ユニットホルダ91の周縁部に形成されたねじ穴115bにねじ込まれている。さらに、ユニットホルダ91、ロアケース92およびアッパーケース93周縁部には、別の複数の貫通穴117a,117bが形成されている。これらの貫通穴117a,117bをそれぞれ通る複数の取り付けボルト118は、エンジン39に形成されたねじ孔(図示せず)にねじ込まれる。これにより、電装品ユニット6のエンジン39への取り付けが達成される。
第1カバー94は、一対のロック爪120を備えている。これらのロック爪120は、アッパーケース93の周縁部に設けられた爪受け部121に掛かるように構成されている。具体的には、図7に示すように、ロック爪120は、第1カバー94の本体部に片持ち支持された弾性片であり、先端に爪122を有している。爪受け部121は、たとえば、アッパーケース93の周縁部を貫通する貫通孔123を有している。第1カバー94をアッパーケース93に押し付けると、ロック爪120は弾性変形して貫通孔123に入り込み、その後、元の形状に復元する。これにより、爪122が貫通孔123の周縁部に掛かり、第1カバー94がアッパーケース93に取り付けられる。作業者がロック爪120を弾性変形させることによって、ロック爪120と爪受け部121との結合を解除できる。その状態で、第1カバー94をアッパーケース93から遠ざけると、第1カバー94を取り外すことができる。このように、作業者は、工具を用いることなく第1カバー94を着脱できる。
第2カバー95は、この実施形態では、図4に最もよく表れているように、複数本のボルト125によってアッパーケース93に取り付けられている。より具体的には、ボルト125は、第2カバー95の周縁部に形成された貫通孔126を通り、アッパーケース93の主面93aに形成されたねじ穴(図示省略)にねじ込まれる。したがって、作業者は、ドライバー(screwdriver)を用いることによって、第2カバー95を着脱できる。
図8A、図8Bおよび図8Cは、電子部品ユニット60の構造例を説明するための図であり、図8Aは平面図、図8Bは正面図、図8Cは側面図である。電子部品ユニット60は、前述のとおり、回路基板80と、コンデンサC1〜C3(図では2つのみ示す。)と、ダイオードD1〜D3(図では一つのみ示す。)とを含む。回路基板80上には回路パターン81〜83(図3参照)が形成されている。コンデンサC1〜C3およびダイオードD1〜D3は、回路パターン81〜83に接続されるように、回路基板80の表面に実装(半田付け)されている。電子部品ユニット60は、さらに、外部接続のための接続端子85を備えている。接続端子85は、回路基板80の回路パターンに接続されている。さらに、電子部品ユニット60は、封止樹脂86を含む。封止樹脂86は、回路基板80、コンデンサC1〜C3およびダイオードD1〜D3の全体を覆って内部に封止している。さらに、封止樹脂86は、接続端子85の一部を覆って封止している。接続端子85の先端部は、封止樹脂86外に引き出されて外部に露出している。この実施形態では、封止樹脂86は、扁平な直方体形状に形成されている。接続端子85は、封止樹脂86の一表面から外部に引き出されている。
このように、この実施形態では、電子部品ユニット60は、回路基板80、ダイオードD1〜D3、コンデンサC1〜C3および接続端子85を封止樹脂86で封止した構造を有している。したがって、回路基板80に実装されるダイオードD1〜D3およびコンデンサC1〜C3の保持および防水対策のために用いられる樹脂の量が少ない。すなわち、電装品ユニット6内の全ての空間を樹脂封止する必要がない。
バスバー70は、樹脂部品からなるロアケース92に保持されているけれども、ロアケース92は、バスバー70を保持するのに必要充分な量の樹脂で構成すればよい。つまり、電子部品ユニット60およびバスバー70がそれぞれ個別に樹脂で保持されているので、全体の樹脂使用量が少ない。それに応じて、電装品ユニット6の全体を軽くすることができる。電子部品ユニット60は、アッパーケース93の電子部品ハウジング107に保持され、さらに、第2カバー95によって覆われる。これにより、電子部品ユニット60を確実に保持することができるから、エンジン運転中の振動に対する充分な耐久性を達成できる。また、第2カバー95で覆われることによって、外部からの水の進入を防ぐことができるので、ダイオードおよびコンデンサその他の電子部品の防水対策を確実にできる。
また、電子部品ユニット60内に回路基板80が備えられているので、電子部品ユニット60内の電子部品相互間の接続などのための回路をバスバー70に備える必要がない。そのため、バスバー70の回路数を少なくすることができるから、その構造を簡単にすることができる。つまり、バスバー70の構造を複雑にすることなく、回路数の多い複雑な回路を構築することができる。
さらに、電子部品ユニット60に備えられた部品に不具合が生じたときは、第2カバー95を取り外した後、故障部品を含む電子部品ユニット60を取り外して正常品に交換すればよい。したがって、電装品ユニット6全体を交換しなくてもよいので、経済性がよい。
さらにまた、この実施形態では、アッパーケース93にヒューズユニットF1〜F6およびリレーユニットR1〜R4が保持され、これらがバスバー70に接続される。これにより、電装品ユニット6は、ヒューズユニットF1〜F6およびリレーユニットR1〜R4とともに電子部品ユニット60を一体的に保持した構造を有している。このように多数のユニットを集積するために、電装品ユニット6の内部空間は大きな容積を有しているけれども、前述のとおり、この空間を樹脂で埋め尽くす必要はない。したがって、使用樹脂量を大幅に増やすことなく、多数のユニットを一つの電装品ユニット6に集積できる。
また、この実施形態では、ヒューズユニットF1〜F6は第1カバー94で覆われ、電子部品ユニット60およびリレーユニットR1〜R4は第2カバー95で覆われている。ヒューズユニットF1〜F6を交換するときには、作業者は、第1カバー94を取り外せばよい。また、電子部品ユニット60またはリレーユニットR1〜R4を交換するときには、作業者は、第2カバー95を取り外せばよい。電子部品ユニット60およびリレーユニットR1〜R4の故障頻度は低く、ユーザによる交換の機会はほとんどない。これに対して、ヒューズユニットF1〜F6については、ユーザによる交換の機会を想定しておくことが好ましい。そこで、ヒューズユニットF1〜F6のカバー94と電子部品ユニット60およびリレーユニットR1〜R4のカバー95とを分けておくことによって、電子部品ユニット60またはリレーユニットR1〜R4が不用意に露出する機会を少なくしながら、ヒューズユニットF1〜F6の交換が可能になる。
ヒューズユニットF1〜F6のための第1カバー94は、この実施形態では、工具を用いることなく着脱可能であるようにアッパーケース93に結合されるように構成されている。これにより、ユーザによるヒューズユニットF1〜F6の交換が容易になる。一方、電子部品ユニット60およびリレーユニットR1〜R4のための第2カバー95は、この実施形態では、工具を用いて着脱できるようにアッパーケース93に結合されるように構成されている。これにより、電子部品ユニット60またはリレーユニットR1〜R4が不用意に露出する機会を少なくすることができる。
また、この実施形態では、電装品ユニット6がエンジン39に取り付けられたときに、ヒューズハウジング105が、リレーハウジング106および電子部品ハウジング107よりも上方に位置する。これにより、ユーザはヒューズユニットF1〜F6に容易にアクセスすることができるから、ヒューズユニットF1〜F6の交換作業が容易になる。
さらに、この実施形態では、チルトトリムモータ58への通電のための操作コイル23a,23bの遮断時に生じる逆起電力エネルギーを吸収するフライホイールダイオードD2,D3が電子部品ユニット60に収容されている。したがって、フライホイールダイオードD2,D3は、コンデンサC1〜C3とともに樹脂封止されることにより、防水対策が施されることになる。したがって、電装品ユニット6の外部においてワイヤハーネス101にフライホイールダイオードを設ける構造に比較すると、ワイヤハーネス101の設計が容易になり、かつ、ワイヤハーネス101の部材コストおよび組立工数を少なくすることができる。船外機10の組立に先立って電装品ユニット6を予め組み立てておけば、船外機10の組み立て工程では、電装品ユニット6を一つの部品として取り扱うことができる。
さらにまた、この実施形態では、カム角センサ52のための平滑化コンデンサC1と、吸気圧センサ53のためのノイズ吸収コンデンサC2,C3とが、電子部品ユニット60に組み込まれ、封止樹脂86で封止されている。したがって、これらを電装品ユニット6の外部でワイヤハーネス101に個別に組み込む構造に比較して、ワイヤハーネス101の設計を容易にでき、ワイヤハーネス101の部材コストおよび組立工数を削減できる。
以上、この考案の一実施形態について説明したけれども、この考案は他の形態で実施することもできる。たとえば、前述の実施形態では、電装品ユニット6にヒューズユニットF1〜F6およびリレーユニットR1〜R4が組み込まれているけれども、これらのいずれか一方または両方が別の電装品ユニットに収容されていてもよい。
また、前述の実施形態では、ヒューズユニットF1〜F6を覆う第1カバー94と、リレーユニットR1〜R4および電子部品ユニット60を覆う第2カバー95とが備えられている。しかし、たとえば、一つのカバーで全てのユニットF1〜F6,R1〜R4,60を覆う構造としてもよい。また、ヒューズユニットF1〜F6、リレーユニットR1〜R4、および電子部品ユニット60をそれぞれ覆う3つのカバーを設けてもよい。
また、前述の実施形態では、一つの電子部品ユニット60が電装品ユニット6に組み込まれた例を示したけれども、複数の電子部品ユニットが電装品ユニット6に組み込まれてもよい。
その他、実用新案登録請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
2 船体
5 バッテリ
6 船外機用電装品ユニット
10 船外機
15 給電ケーブル
16 端子板
17 モータ給電線
18 電装品給電線
21 切換器
22 リレーユニット
23,24 リレー
23a,24a 操作コイル
36 エンジンカバー
39 エンジン
40 プロペラ
45 スタータモータ
47 スロットルアクチュエータ
48 シフトアクチュエータ
51 クランク角センサ
52 カム角センサ
53 吸気圧センサ
55 チルトトリムアクチュエータ
58 チルトトリムモータ
60 電子部品ユニット
70 バスバー
80 回路基板
85 接続端子
86 封止樹脂
91 ユニットホルダ
92 ロアケース(バスバー保持部)
93 アッパーケース(ケース)
94 第1カバー
95 第2カバー
97 ケーブル接続空間
98 コネクタ接続部
99 被覆電線
100 コネクタ
101 ワイヤハーネス
105 ヒューズハウジング
105a ヒューズ保持部
105A ヒューズ保持空間
106 リレーハウジング
106A リレー保持空間
107 電子部品ハウジング
107A 電子部品保持空間
120 ロック爪
121 爪受け部
122 爪
123 貫通孔
125 ボルト
126 貫通孔
C1〜C3 コンデンサ
D1〜D3 ダイオード
F1〜F6 ヒューズユニット
R1〜R4 リレーユニット

Claims (10)

  1. 船外機のエンジンに取り付けられる船外機用電装品ユニットであって、
    ダイオードおよびコンデンサが実装された回路基板と、前記回路基板に接続された接続端子と、前記接続端子の一部が引き出された状態で前記回路基板および前記接続端子を封止する樹脂とを含む電子部品ユニットと、
    前記電子部品ユニットが前記接続端子によって着脱自在に接続されるバスバーと、
    前記バスバーを保持する樹脂部品からなるバスバー保持部と、
    前記バスバーを覆うように前記バスバー保持部に結合され、前記電子部品ユニットを保持する電子部品ユニット保持部を有するケースと、
    前記バスバーに結合されたコネクタ接続部と、
    前記コネクタ接続部を収容するケーブル接続空間を区画するように前記バスバー保持部に結合され、前記船外機のエンジンに取り付けられるユニットホルダとを含む、船外機用電装品ユニット。
  2. 前記電子部品ユニットを覆うように前記ケースに着脱自在に結合されるカバーをさらに含む、請求項1記載の船外機用電装品ユニット。
  3. 前記バスバーに着脱自在に接続されるヒューズユニットと、
    前記バスバーに着脱自在に接続されるリレーユニットとをさらに含み、
    前記ケースは、前記ヒューズユニットおよびリレーユニットをそれぞれ保持するヒューズ保持部およびリレー保持部を有している、請求項1または2記載の船外機用電装品ユニット。
  4. 前記ヒューズユニットを覆うように前記ケースに着脱自在に結合される第1カバーと、
    前記電子部品ユニットおよびリレーユニットを覆うように前記ケースに着脱自在に結合される第2カバーとをさらに含む、請求項3記載の船外機用電装品ユニット。
  5. 前記ヒューズ保持部は、前記リレー保持部および前記電子部品ユニット保持部よりも上に配置されている、請求項3または4記載の船外機用電装品ユニット。
  6. 前記船外機は、電動モータを備えており、
    前記電子部品ユニットに備えられるダイオードは、前記電動モータへの給電経路に介装されたリレーのリレーコイルに並列に接続されたフライホイールダイオードを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の船外機用電装品ユニット。
  7. 前記船外機は、電源からセンサへの給電経路に接続された平滑化コンデンサを含み、
    前記電子部品ユニットに備えられるダイオードは、前記センサへの給電経路において前記平滑化コンデンサよりも電源側に介装された逆流防止ダイオードを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の船外機用電装品ユニット。
  8. 前記電子部品ユニットに備えられるコンデンサは、前記船外機に備えられたセンサへの給電経路に接続されたノイズ吸収コンデンサを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の船外機用電装品ユニット。
  9. エンジンと、
    前記エンジンに取り付けられた請求項1〜8のいずれか一項に記載の船外機用電装品ユニットとを含む、船外機。
  10. 前記エンジンを覆うエンジンカバーをさらに含み、
    前記船外機用電装品ユニットが、前記エンジンカバー内において、前記エンジンの前方または側方に配置されている、請求項9記載の船外機。
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