JP3156478B2 - パルス幅変調方式インバータの制御装置 - Google Patents

パルス幅変調方式インバータの制御装置

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JP3156478B2 JP33102193A JP33102193A JP3156478B2 JP 3156478 B2 JP3156478 B2 JP 3156478B2 JP 33102193 A JP33102193 A JP 33102193A JP 33102193 A JP33102193 A JP 33102193A JP 3156478 B2 JP3156478 B2 JP 3156478B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、三レベルインバータの
制御装置に係り、特に、パルス幅変調方式インバータの
制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】パルス幅変調方式による可変電圧・可変
周波数(VVVF)インバータ制御により誘導電動機を
駆動する、いわゆる、インバータ電車が実用化された
が、最近では電圧のみならず機関車においても、インバ
ータ駆動方式が主流になりつつある。
【0003】現在の車両駆動用のインバータシステムで
は、出力電圧の基本成分である変調波信号と三角波等の
搬送波信号との比較でパルス信号を発生させる、いわゆ
る、パルス幅変調(PWM)制御方式が従来から採用さ
れている。
【0004】PWM制御方式では、変調波信号と搬送波
信号との零クロス点が常に一致するように制御される同
期変調方式と、変調波に関係なく搬送波を一定とした非
同期変調方式がある。
【0005】現在車両では、二レベルの電圧をGTOサ
イリスタを用いて制御する、二レベルインバータがほと
んどを占めている。しかし、二レベルGTOインバータ
では、スイッチング周波数の制約があり、ゼロ電圧を含
む微小電圧領域では非同期変調を行い、それ以外の電圧
領域では同期変調方式に切り替えているが、電動機で発
生する電磁騒音が大きく、またパルスモード切り替えに
ともなう音質変化も問題となっている。
【0006】これに対し、三レベルインバータでは、出
力電圧のステップ数が二レベルインバータより見かけ上
のスイッチング周波数が高くなり、電磁騒音の低減など
二レベルインバータにおける課題を解決できる特徴を持
っている。そのため、主回路素子に高耐圧IGBTを用
いた、車両用の三レベルインバータシステムが開発され
始めている。
【0007】三レベルIGBTインバータのPWM制御
を図3に示す。すなわち、微小電圧の制御に、ゼロ電圧
を介して正負交互にパルスを出力するダイポーラ変調を
導入し、三レベルインバータのPWM制御として最も一
般的な、半周期毎に同一極性のパルス列を出力するユニ
ポーラ制御との移行には、インバータ出力電流の変動を
抑えて滑らかな移行を実現するため、一周期中にダイポ
ーラ変調とユニポーラ変調とが混在する部分ダイポーラ
制御を導入している。更に一パルス領域まで連続した出
力電圧の制御を行うために過変調を採用している。
【0008】このように(a)ダイポーラ変調、(b)
部分ダイポーラ変調、(c)ユニポーラ変調、(d)過
変調、(e)一パルス制御を行うことにより、全域で電
圧を連続に制御できる。この場合スイッチング周波数の
高周波数化にともない、(a)〜(d)までは非同期変調
方式で、(e)の一パルスだけが同期変調方式となる。
(a)〜(d)の制御を一パルス制御と対比して多パルス
制御と呼ぶ。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように、三レベル
IBGTインバータでは多パルス制御で非同期変調,一
パルス制御では同期変調を行うため、非同期変調と同期
変調との切り替え周波数が高く、精度の良い切り替え制
御が必要となる。
【0010】本発明の目的は、非同期変調と同期変調の
切り替えをスムースに行い、全制御領において出力電圧
を連続に制御し、滑らかな乗心地の得られる、パルス幅
変調方式インバータの制御装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明はインバータの基本変調波の位相角を、多パ
ルス制御から一パルス制御への切り替え時には、位相角
演算のサンプリング周期の1/2周期相当分を減算して
位相を遅らせ、、一パルス制御から多パルス制御への切
り替え時には、位相角演算のサンプリング周期の1/2
周期相当分を加算して位相を進ませる。
【0012】
【作用】多パルス制御と一パルス制御との切り替え時に
基本変調波の位相角を調整することにより、サンプリン
グ演算での時間遅れを補正できるため、滑らかな制御を
実現できる。
【0013】
【実施例】以下、本発明によるパルス幅変調方式インバ
ータの制御装置について、図示の実施例により詳細に説
明する。
【0014】図1は、本発明のパルス幅変調方式インバ
ータの制御装置を適用する車両駆動用の三レベルインバ
ータ装置の主回路構成(三相の場合)を示す。図1にお
いて、60は直流電圧源である電車線、61,62は直
流電圧源60の電圧から中間点N(以下、中性点と呼
ぶ)を作り出すため分割(分圧)したコンデンサ、70
〜73,80〜83,90〜93は還流用の整流素子を
備えた自己消弧可能なスイッチング素子(この例ではI
GBTとしたが、GTOサイリスタ,トランジスタ等で
も良い)、74,75,84,85,94及び95はコ
ンデンサの中性点電位を導出する補助整流素子である。
また、負荷は誘導電動機10の場合を示した。
【0015】それぞれの相毎に独立に動作可能であるス
イッチングアーム7〜9の動作をスイッチングアーム7
を例にとって、その基本的な動作を説明する。
【0016】コンデンサ61,62の電圧ed1,ed2
を完全平滑な直流電圧源として、ed1=ed2=Ed/
2(Ed:全直流電圧)とする。
【0017】このとき、スイッチング素子70〜73を
表1に示すようにオン・オフ制御することにより、交流
出力端子UにEd/2,0,−Ed/2の三レベルの出
力電圧eを得る。
【0018】
【表1】
【0019】Sp,So,Sn 及びSはスイッチング素子
70〜73の導通状態を1,0,−1で表現するスイッ
チング関数であり、出力電圧eは
【0020】
【数1】
【0021】で表わされる。
【0022】eは大きさがEd/2,0,−Ed/2の
パルス状電圧を組み合わせた波形となるが、一般には、
eは正弦波に近づくようにSをパルス幅変調(PWM)
制御する。
【0023】ここで、本実施例を説明するのに先だっ
て、PWM制御について説明する。
【0024】三レベルインバータのPWM制御は先に述
べたように、(a)ダイポーラ変調,(b)部分ダイポー
ラ変調,(c)ユニポーラ変調,(d)過変調,(e)
一パルス制御を行い、出力電圧を0〜100%まではほ
ぼ連続に制御している。
【0025】一般に、インバータ出力電圧指令E* は、
インバータ周波数指令Fi* に応じて、図3の実線で示
すように設定される。このインバータ出力電圧指令E*
と直流電圧Edより、正弦波変調領域での基本波振幅指
令(変調率)A(0≦A≦1)は
【0026】
【数2】
【0027】で与えられる。これより基本変調波指令a
を、変調率A,位相θより
【0028】
【数3】 a=Asinθ …(数3) θ=2πFi*t Fi*:インバータ周波数指令,t:時間 と作成する。
【0029】(a)のダイポーラ変調と(c)のユニポ
ーラ変調間を連続的に移行できるようにするために、数
3の基本変調波指令aを二分割し、正バイアス変調波指
令abp,負バイアス変調波指令abnを次式のように作成
する。
【0030】
【数4】
【0031】このバイアス量Bの設定により、(a)ダ
イポーラ変調〜(c)ユニポーラ変調を実現している。
次に各変調について説明する。
【0032】図4でダイポーラ変調を説明する。
【0033】バイアス量Bが、A/2≦B<0.5 の範
囲では、正,負のバイアス変調波指令abp,abnの二層
の変調波指令により、正,負のパルスを発生させ、所定
の最小オンパルス幅を確保して、インバータ出力電圧を
ゼロまで制御できる。
【0034】図5で部分ダイポーラ変調を説明する。
【0035】バイアス量Bが、0<B<A/2の範囲が
部分ダイポーラ変調となる。バイアス量Bの大きさによ
っては、バイアス変調波指令abp,abnがゼロをクロス
するようになるが、この期間では正(または負)側のパ
ルスによって、負(または正)の電圧を実現できないた
めに、基本変調波に比べて出力電圧が減少する。そこで
この期間では、正,負の変調波指令ap ,an を次のよ
うに設定して、不足した電圧を補うようにする。
【0036】
【数5】
【0037】
【数6】
【0038】ただし、図5では理解しやすいように
p ,an を正の信号で表示している。ここで、期間I
はダイポーラ変調,期間IIはユニポーラ変調である。こ
の補正により、基本変調波に等しい出力電圧が得られ、
ダイポーラ変調とユニポーラ変調が混在する部分ダイポ
ーラ変調が実現できる。
【0039】図6でユニポーラ変調を説明する。
【0040】バイアス量B=0がユニポーラ変調の領域
で、正,負のバイアス変調波指令abp,abnは一致す
る。正,負の変調波指令ap ,an は次式となる。
【0041】
【数7】
【0042】
【数8】
【0043】ただし、図6ではap ,an とも正の信号
になるように表示している。なお過変調制御もこの領域
に属する。
【0044】図7で過変調制御を説明する。
【0045】過変調制御は、正,負の変調波指令ap
n の振幅が1以上の領域が存在するもので、この1以
上の領域では、パルスのゼロ期間への落ち込みをなく
し、変調波のゼロクロス付近でのみPWM制御を行う。
ただし、実際の出力電圧は基本変調波に比べて小さくな
り、変調率Aの直線的増加に対して出力電圧は直線的に
増加しない。
【0046】そのため変調率Aの設定を非直線化して出
力電圧の補正を行っている。過変調のPWM制御部分で
のスイッチング周波数が十分高ければ、出力電圧の基本
波実効値Eと変調率Aの関係は次式で表わせる。
【0047】
【数9】
【0048】数9よりあらかじめ所要の変調率Aを算出
して、図8に示すように変調率Aをインバータの出力電
圧指令E* に対して非直線的に変化させれば、出力電圧
をインバータの出力電圧指令E* に対して、直線的に制
御できる。
【0049】以上の(a)ダイポーラ変調から(d)過
変調までは、バイアス量Bの変化や変調波指令の補正,
変調率の非線形化等の要素はあるものの、PWM信号の
作成方法は基本的に同じである。
【0050】図9で一パルス制御の説明を行う。
【0051】三レベルPWM制御ではゼロ電圧期間の幅
を任意に設定できるため、一パルス制御時に出力電圧の
調整が可能となる。出力電圧の立上げのタイミング角度
をαとすると、インバータの出力電圧の基本波実効値E
はαを用いて次式で表わせる。
【0052】
【数10】 E=Emax・cosα …(数10) α≦30゜での電圧のカバー範囲は86.6%〜100
% であり、α≦30゜程度の範囲では前述の過変調か
ら出力電圧を連続に制御できる。
【0053】パルス幅の設定は図9に示すように、イン
バータの出力電圧指令E*とcosθとの交点が、出力電圧
の立上げのタイミング角度αで、−cosθ との交点が、
立下げのタイミング角度βである。このように一パルス
制御のPWM信号の作成方法は、(a)ダイポーラ変調
〜(d)過変調とは全く異なる。
【0054】次に、図2に、本発明を車両駆動用の三レ
べルインバータ装置の制御に適用した一実施例を示す。
図2において、1はインバータ周波数指令Fi* から、
インバータの出力電圧の基本波位相を演算する位相演算
部である。インバータ周波数指令Fi* は、図示してい
ない車輪に取り付けられた回転周波数検出器の出力か
ら、電動機の回転周波数を演算し、すべり周波数指令と
加算して求める。位相演算部1の出力101は後述する
位相調整部17に入力し、その出力117は正弦波換算
部2で正弦波信号102に変換する。3はインバータの
出力電圧指令E*から、所要のインバータの瞬時出力電
圧を求めるための変調率Aの演算部である。出力電圧指
令E* は、前述のインバータ周波数指令Fi* 及び、図
示していないが、フィルタコンデンサ電圧,電動機電流
から、V/F特性が一定となるように求めた、インバー
タ出力電圧の指令値である。変調率Aは図8に示したよ
うに、過変調領域において、出力電圧指令E* と非線形
の関係となっている。変調率演算部3の出力103と、
正弦波信号102を乗算器4で乗算し、基本変調波指令
104を得る。5は変調率A出力103に対して、基本
変調波指令104に加減算を行い、ダイポーラ変調,部
分ダイポーラ変調,ユニポーラ変調を連続的に実現する
ためのバイアス量Bを設定するバイアス設定部である。
基本変調波指令104とバイアス量105とを加算器6
で加算して正バイアス変調波指令106,減算器7で減
算して負バイアス変調波指令107をそれぞれ得る。前
述した出力電圧の補正を行うため、正バイアス変調波指
令106は正の信号1061を得る分配器601,負の
信号1062を得る分配器602で正負信号に振り分
け、負バイアス変調波指令107は正の信号1071を
得る分配器701,負の信号1072を得る分配器70
2で正負信号に振り分け、加算器8で正の信号1061,1
071を加算し、正側変調波指令ap 108及び、加算
器9で負の信号1062,1072を加算し、負側変調
波指令a109を作成する。10はパルスタイミン
グ演算部で、正,負側変調波指令108,109に基づ
いて、スイッチング関数Sp,Snのパルスタイミングを
演算する。
【0055】後述するタイマ出力部11はパルス作成用
のタイマ部分であるが、通常のパルス作成は、パルスの
立上りか立下りを、サンプリング周期Ts 毎に設定する
手段が一般的である。TS 発生部18は、制御装置のク
ロツクCLKからサンプリング周期TS 118を出力す
る。このTS はインバータのスイッチング周波数を決定
する要素でもあり、インバータのスイッチング周波数F
swは次式となる。
【0056】
【数11】 Fsw=1/(2×Ts ) …(数11) 図10はダイポーラ変調(領域I)とユニポーラ変調
(領域II)におけるスイッチング関数Sp,Snのタイミ
ングの発生方法を示している。サンプリング周期TS
にパルスタイミングの立上りと立下りを設定するが、ま
ず時刻T1 では、Sp の立上りタイミングTpup ,Sn
の立下りタイミングTndn を、正,負側変調波指令10
8,109を用いて次式で求める。
【0057】
【数12】
【0058】
【数13】
【0059】次の時刻T2 においては、Sp の立下りタ
イミングTpdn ,Sn の立上りタイミングTnup を次式
で求める。
【0060】
【数14】
【0061】
【数15】
【0062】T1 とT2 との処理をサンプリング周期T
s 毎に交互に行うことでSp,Snを作成できる。
【0063】ただし、Tpup,Tndn,Tpdn,Tnupは図
2のパルスタイミング演算部10の出力100に相当す
るもので、実際の動作はパルスモード切替スイッチ15
を介してタイマ出力部11に送られる。タイマ出力部1
1も、サンプリング周期Tsに同期して動作するため
に、演算結果のTpup,Tndn,Tpdn,Tnupは次回の時
刻、例えば時刻T1 での演算結果は時刻T2 のタイミン
グでタイマ出力されることになる。従って出力電圧は図
10のように、サンプリング周期Ts だけ遅れたものと
なる。これはタイマをサンプリング周期に同期させて動
作する場合には当然発生する遅れとなる。
【0064】再び、図2に戻る。一パルス制御は前述の
ように、基本変調波に同期して、半周期の中で、スイッ
チング関数Sp,Snの立上りと立下りのタイミング角度
を設定する。12のcos-1E*演算部では出力電圧指令E
* とcosθ との交点を求めるため、cos-1E*を求める。
12では演算しても良いし、予めテーブルで用意しても
よい。12の出力112は、スイッチング関数Sp,Sn
のそれぞれの立上り角α,立下り角βである。これは図
9で示してある。出力112を位相タイミング演算部1
3で、時間量データに換算する。この場合、パルスタイ
ミング演算部10のようなタイミング作成方法では、例
えば、αを判断してから、タイマ出力部11から出力さ
れるまでに、サンプリング周期Ts の遅れが生じてしま
うため、同期変調が実現できない。従って、位相タイミ
ング演算部13では、基本波位相を監視しておき、次回
のサンプリング周期内で、αまたはβに達すると判断す
れば、過去の基本波位相の増加割合から、αまでの時間
量データを演算する。すなわち、現在のサンプリングで
の基本波位相をθ、前回からのサンプリング周期での基
本位相の増加分をΔθ12のcos-1E*演算部でのパルス
p の立上り角をαp,立下り角をβpとすると、スイッ
チング関数Sp の立上りタイミングTpup,立下りタイミ
ングTpdn は次式のようになる。
【0065】
【数16】
【0066】一方、スイッチング関数Sn の場合も同様
に、立上り角をαn ,立下り角をβn とすると、次式で
表わせる。
【0067】
【数17】
【0068】以上の出力113を切替えスイッチ15を
介して、タイマ出力部11へ送る。パルスモード切替部
14は、出力電圧指令E* の大きさによって、(a)ダ
イポーラ変調〜(d)過変調と一パルス制御との切り替
えを判定するもので、切替信号114を切替スイッチ1
5に送って、制御モードを切り替える。また、切替信号
114を位相補正部16に送り、パルスモード切り替え
時に基本波位相の補正量と方向を演算し、演算結果11
6を位相調整部17に入力して、基本波位相101の補
正を行う。なお点線で囲んだ100の部分は三相共通の
部分であり、他の部分は各相分必要になる。
【0069】次に、位相補正部16の動作について、図
11を用いて説明する。図11は過変調から一パルス
に、位相180゜を境に切り替える場合を示している。
図中(a)の基本変調波指令の図は正,負側の変調波指
令ap,anと重ねて示してある。一パルス制御では、立
上げタイミングαn を演算で求めて、負側変調波指令a
n に対して、時間遅れなく負側パルスを発生できるのに
対して、多パルス制御である過変調では、(c)のよう
に正側パルスの作成に時間遅れがあるため、実際に出力
される基本波は、点線で示すap′ のようになる。従っ
て、切り替え時には基本波がap′からanに移行するた
め不連続となり、過電流が発生する。
【0070】そこで位相補正部16では、基本波の位相
指令が連続するように、図10の場合では負側変調波指
令an を遅らせ、ap′からanの移行を連続とさせる。
一パルスから過変調への切り替え時には、過変調側での
パルス作成に時間遅れがあるので、過変調側の基本波の
位相指令を進ませるようにする。この補正方向の関係を
相順に対応させて整理したものを表2に示す。
【0071】
【表2】
【0072】補正量について説明する。本実施例のよう
に、サンプリング時間毎に制御を行うサンプル値制御の
場合、その周波数応答はサンプリング周期Ts の1/2
となる。そこで、サンプリング周期毎に演算している基
本変調波の位相出力に、1/2×Ts 相当の位相角を補
正すれば良い。
【0073】基本変調波の位相は、インバータ周波数指
令Fi* のサンプリング周期Ts 毎の増加分Δθを積算
して得られる。現在の位相をθn ,前回のサンプリング
時の位相をθn-1 とすると
【0074】
【数18】 θn =θn-1 +Δθ …(数18) Δθ=k×Ts ×Fi* ここで k:換算係数 の関係にあるので、パルスモード切り替え時に1/2Δ
θの補正量を演算し、補正を行う。
【0075】
【発明の効果】本発明によれば、非同期変調と同期変調
との基本変調波の位相の遅れを補正し、出力電圧を連続
に制御できるため、変調モードの切り替えにともなう出
力電流の変動もなく、滑らかな制御が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する車両駆動用の三レベルインバ
ータ装置の主回路図。
【図2】本発明の一実施例を示す制御ブロック図。
【図3】三レベルインバータのPWM制御特性図。
【図4】ダイポーラ変調の基本変調波指令と出力電圧の
パルス波形図。
【図5】部分ダイポーラ変調の基本変調波指令と出力電
圧のパルス波形図。
【図6】ユニポーラ変調の基本変調波指令と出力電圧の
パルス波形図。
【図7】過変調の基本変調波指令と出力電圧のパルス波
形図。
【図8】インバータ出力電圧指令と変調率の関係を示す
説明図。
【図9】一パルス制御の出力電圧のパルス波形を示す説
明図。
【図10】多パルス制御時のパルスタイミング発生方向
を示す説明図。
【図11】過変調から一パルス制御への移行の説明図。
【符号の説明】
1…位相演算部、3…変調率演算部、5…バイアス設定
部、10…パルスタイミング演算部、11…タイマ出力
部、12…cos-1E*演算部、13…位相タイミング演算
部、14…パルスモード切替部、16…位相補正部、1
7…位相調整部、18…サンプリング設定部。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−146160(JP,A) 特開 平5−344739(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02M 7/48 H02M 7/5387

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のスイッチング素子をパルス制御信号
    によりオン・オフ動作させて直流電圧を三レベルの三相
    交流電圧に変換するインバータであって、該インバータ
    の交流出力の相電圧に比例した基本変調波指令を発生す
    る手段と、該基本変調波指令の位相に対して非同期に所
    定のサンプリング周期で前記基本変調波指令をサンプリ
    ングして前記基本変調波指令の大きさに応じたパルス幅
    のパルス立上がり、立下がりのタイミング角度を演算す
    るパルス幅変調方式により前記基本変調波指令の半周期
    に複数のパルス列の前記パルス制御信号を生成する多パ
    ルス制御モードと、前記基本変調波指令の位相に対して
    サンプリング周期を同期させて前記基本変調波指令の半
    周期内に1パルスの立上がり、立下がりタイミングの角
    度を演算し、前記基本変調波指令の半周期に1パルスの
    前記パルス制御信号を生成する1パルス制御モードとに
    より前記インバータを制御するインバータの制御装置に
    おいて、 前記多パルス制御モードと前記1パルス制御モード
    切り替え時に、前記基本変調波指令の位相を前記サンプ
    リング周期に依存した所定の周期分だけ相順に対応させ
    て進ませ又は遅らせる補正をする手段を備えたことを特
    徴とするパルス幅変調方式インバータの制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記所定の周期分の補
    正は、前記サンプリング周期の1/2周期分としたこと
    を特徴とするパルス幅変調方式インバータの制御装置。
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