以下、本考案の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本考案の一実施形態による自動二輪車の全体構造を示した側面図である。図2〜図16は、図1に示した一実施形態による自動二輪車のメインフレームおよびクリーナボックスの構造を詳細に説明するための図である。なお、本実施形態では、本考案の車両の一例として、自動二輪車について説明する。図中、FWDは、自動二輪車の走行方向の前方を示している。まず、図1〜図16を参照して、本実施形態による自動二輪車1の構造について説明する。
本実施形態による自動二輪車1の構造としては、図1および図2に示すように、ヘッドパイプ2に、メインフレーム3aおよびメインフレーム3bの前端部が接続されている。なお、メインフレーム3aおよび3bは、本考案の「フレーム部」の一例である。また、メインフレーム3aは、本考案の「フレーム部」および「第1フレーム部」の一例であり、メインフレーム3bは、本考案の「フレーム部」および「第2フレーム部」の一例である。これらメインフレーム3aおよび3bは、それぞれ、図3に示すように、ヘッドパイプ2から後方に延びるとともに、車幅方向に分岐するように形成されている。また、メインフレーム3aおよび3bには、後述するクリーナボックス22に空気を導入するための空気導入通路4が設けられている。また、メインフレーム3aおよび3bは、それぞれ、図1および図2に示すように、後ろ側の下方向に延びるように形成されている。また、メインフレーム3aおよび3bには、図1に示すように、後ろ側の上方向に延びるシートレール5が接続されている。また、ヘッドパイプ2には、ハンドル6が回動可能に取り付けられている。また、ハンドル6の下方側には、フロントフォーク7が取り付けられている。フロントフォーク7の下端部には、前輪8が回転可能に取り付けられている。
また、メインフレーム3aの後端部には、ピボット軸9を介して、スイングアーム10の前端部が取り付けられている。スイングアーム10の後端部には、後輪11が回転可能に取り付けられている。また、メインフレーム3aおよび3bの下方側には、エンジン12が搭載されている。
エンジン12は、図4に示すように、ピストン13と、シリンダ(気筒)14と、シリンダヘッド15と、スロットルボディ16とを含んでいる。ピストン13は、シリンダ14の内部に摺動可能に嵌め込まれているとともに、シリンダヘッド15は、シリンダ14の一方の開口を塞ぐように配置されている。また、シリンダヘッド15には、吸気ポート15aおよび排気ポート15bが形成されている。吸気ポート15aは、空気と燃料とを含む混合気をシリンダ14の燃焼室14aに供給するために設けられている。また、排気ポート15bは、燃焼後の残留ガスをシリンダ14の燃焼室14aから排出するために設けられている。また、吸気ポート15aおよび排気ポート15bには、それぞれ、吸気バルブ17aおよび排気バルブ17bが配置されている。スロットルボディ16は、吸気ポート15aの開口に取り付けられている。また、スロットルボディ16には、吸気ポート15aに燃料を噴射するためのインジェクタ18が取り付けられている。また、排気ポート15bの開口には、排気管19が取り付けられているとともに、その排気管19には、マフラー20(図1参照)が接続されている。なお、図4には、シリンダ14を1つのみ図示しているが、実際には、4つのシリンダ14が車体の幅方向に所定の間隔を隔てて配置されている。すなわち、本実施形態による自動二輪車1のエンジン12は、直列4気筒型のエンジンである。
また、図1に示すように、車体の前方側を覆うように、アッパーカウル21aおよびロアーカウル21bを含むフロントカウル21が設けられている。また、図2および図3に示すように、車幅方向に分岐されたメインフレーム3aおよび3bの間には、空気導入通路4からの空気が供給されるクリーナボックス22が配置されている。なお、クリーナボックス22は、本考案の「エアチャンバ」の一例である。
具体的には、クリーナボックス22は、図4に示すように、エンジン12のスロットルボディ16の上流側に配置されているとともに、上側ボックス部23および下側ボックス部24により構成されている。なお、上側ボックス部23は、本考案の「上側ケース部」の一例であり、下側ボックス部24は、本考案の「下側ケース部」の一例である。そして、図2に示すように、車幅方向に分岐されたメインフレーム3aおよび3bの間には、下側ボックス部24の本体部24aが配置されている。
ここで、本実施形態では、下側ボックス部24の本体部24aは、図3および図4に示すように、上側に開口するように形成されている。この下側ボックス部24の本体部24aの上側近傍の外周縁24lは、外側に突出するように形成されている。また、本体部24aの外側に突出された上側近傍の外周縁24lには、外側に向かって突出するように係合面部24bが本体部24aの上側近傍の外周縁24lに沿って設けられている。なお、係合面部24bは、本考案の「第1係合部」の一例である。また、係合面部24bの車幅方向の両端部分は、図2および図3に示すように、それぞれ、メインフレーム3aおよび3bの直上で、かつ、メインフレーム3aおよび3bの上端近傍に配置されている。つまり、下側ボックス部24は、図2に示すように、係合面部24bの車幅方向の両端部分の各下面24cとメインフレーム3aおよび3bの各上端面3cとの間に大きな空間が生じないように構成されている。
また、本実施形態では、下側ボックス部24の後側の側面部24dには、後述する可動ファンネル37を移動させるためのモータ25が取り付けられている。なお、モータ25は、本考案の「所定部品」および「アクチュエータ」の一例である。具体的には、モータ25は、その本体部25aが下側ボックス部24の外側に取り付けられている。なお、側面部24dは、本考案の「側部」の一例である。また、モータ25は、図3に示すように、車幅方向に分岐するように形成されたメインフレーム3aとメインフレーム3bとの間に配置されている。また、下側ボックス部24のモータ25が取り付けられている部分には、図3および図4に示すように、開口部24eが形成されており、この開口部24eには、グロメット26が嵌め込まれている。そして、モータ25の本体部25aから突出する回転軸25bは、グロメット26を介して下側ボックス部24の内部に挿入されている。すなわち、モータ25は、下側ボックス部24の外側と内側とをシールした状態で、回転軸25bだけが下側ボックス部24の内部に配置されるように、下側ボックス部24に取り付けられている。
また、本実施形態では、モータ25は、図2に示すように、本体部25aの上端部25cが、自動二輪車1の側方から視て、メインフレーム3aおよび3bの各上端面3cのモータ25が配置されている車幅方向の側方に対応する部分3dよりも上側に位置するように構成されている。なお、部分3dは、本考案の「フレーム部の一部の上端部」の一例である。また、図5に示すように、下側ボックス部24の係合面部24bのモータ25が取り付けられている部分に対応する部分は、自動二輪車1の後方から視て、係合面部24bのモータ25が取り付けられている部分に対応する部分以外の部分よりも上側に突出するように形成されている。これにより、下側ボックス部24の上下方向の大きさを全体的に大きくすることなく、モータ25を下側ボックス部24の後側の側面部24dに取り付けることが可能となる。つまり、本実施形態による下側ボックス部24は、下側ボックス部24の上下方向の長さを、下側ボックス部24のモータ25が配置されている部分に対応する部分だけ大きくするように構成されている。その結果、モータ25の上下方向の大きさに係わらず、下側ボックス部24の係合面部24bの車幅方向の両端部分の各下面24cの位置が、メインフレーム3aおよび3bの各上端面3cに対して離れるのを抑制することが可能となる。
また、本実施形態では、下側ボックス部24の係合面部24bには、図3および図4に示すように、上方に突出するように凸部24fが係合面部24bの全周に渡って一体的に形成されている。また、下側ボックス部24の上側に設けられている上側ボックス部23には、図4および図6に示すように、下側ボックス部24の係合面部24b(図4参照)に対応するように係合面部23aが形成されている。なお、係合面部23aは、本考案の「第2係合部」の一例である。この係合面部23aには、下側に突出するように凹部23bが形成されており、凹部23bは、下側ボックス部24の係合面部24bの凸部24f(図4参照)に係合するように構成されている。また、上側ボックス部23の凹部23bと下側ボックス部24の凸部24fとの間には、図4に示すように、ゴム製のシール部材27が配置されている。このようにして、クリーナボックス22には、下側ボックス部24の係合面部24bと上側ボックス部23の係合面部23aとが係合されることにより、下側ボックス部24と上側ボックス部23との合わせ面22aが構成されている。これにより、図5に示すように、係合面部24bの場合と同様、合わせ面22aのモータ25が取り付けられている部分に対応する部分は、自動二輪車1の後方から視て、合わせ面22aのモータ25が取り付けられている部分に対応する部分以外の部分よりも上側に突出するように形成されている。
また、クリーナボックス22の下側ボックス部24内には、図4に示すように、空気導入通路4から供給される空気を浄化するためのエアフィルタ28が配置されている。また、エアフィルタ28は、図3および図4に示すように、樹脂製の本体部29、フィルタエレメント30(図4参照)、消炎ネット31およびカバー部32により構成されている。エアフィルタ28の本体部29の縁部には、図4に示すように、凸部29aが全周に渡って一体的に形成されている。また、下側ボックス部24には、エアフィルタ28の凸部29aに対応するように、凹部24gが一体的に形成されている。また、下側ボックス部24の凹部24gと、エアフィルタ28の本体部29の凸部29aとの間には、ゴム製のシール部材33が配置されている。また、エアフィルタ28は、クリーナボックス22の上側ボックス部23および下側ボックス部24に挟まれた状態で固定されている。また、エアフィルタ28の本体部29には、図3および図4に示すように、後述するねじ62(図3参照)が上側に抜け出るのを抑制するための抜け止め部29bが一体的に形成されている。
また、エアフィルタ28は、図4に示すように、クリーナボックス22の内部で、上側ボックス部23および下側ボックス部24に挟まれた状態で配置されている。また、上側ボックス部23は、図3および図5に示すように、11個のねじ60(図5参照)により、上側ボックス部23のねじ挿入穴23c(図6参照)を介して下側ボックス部24のねじ穴24h(図3参照)にねじ止めされている。これにより、エアフィルタ28を上側ボックス部23および下側ボックス部24に挟まれた状態で固定することが可能となる。なお、上側ボックス部23の前部の車幅方向の中央部に形成されているねじ挿入穴23cに挿入されているねじ60は、エアフィルタ28のねじ挿入穴29c(図3参照)を介して下側ボックス部24にねじ止めされている。
また、下側ボックス部24の前部の2つの固定部24iは、図3に示すように、固定金具34を介して、接続部材35aおよび35bによりメインフレーム3aおよび3bの前端部に固定されている。
また、本実施形態では、図3および図4に示すように、クリーナボックス22内には、エンジン12(図4参照)の上流側で、かつ、エアフィルタ28の下流側(クリーンサイド)に配置される固定ファンネル36と、可動ファンネル37と、ファンネル移動機構部38とが設けられている。固定ファンネル36および可動ファンネル37は、エンジン12(図4参照)の各シリンダ14(図4参照)に対応するように設けられている。また、固定ファンネル36は、クリーナボックス22の下側ボックス部24に対して固定されているとともに、クリーナボックス22内の浄化された空気を吸気ポート15a(図4参照)に導く機能を有する。また、可動ファンネル37は、固定ファンネル36の吸気側(上流側)に配置されているとともに、固定ファンネル36と共にクリーナボックス22内の浄化された空気を吸気ポート15a(図4参照)に導く機能を有する。
また、図7〜図12に示すように、可動ファンネル37は、固定ファンネル36側の開口部37aが固定ファンネル36の吸気側の開口部36aに対して離間する離間位置(図8および図9の状態)と、可動ファンネル37の開口部37aが固定ファンネル36の開口部36aに対して当接する当接位置(図11および図12の状態)との間を移動可能に構成されている。ここで、図7に示すように、可動ファンネル37が離間位置(図8および図9の状態)に移動されている場合は、クリーナボックス22(図4参照)からシリンダ14(図4参照)に接続される吸気管は、固定ファンネル36と、スロットルボディ16(図4参照)と、吸気ポート15a(図4参照)とによって構成される。その一方、図4に示すように、可動ファンネル37が当接位置(図11および図12の状態)に移動されている場合は、クリーナボックス22からシリンダ14に接続される吸気管は、可動ファンネル37と、固定ファンネル36と、スロットルボディ16と、吸気ポート15aとによって構成される。また、ファンネル移動機構部38は、可動ファンネル37を離間位置と当接位置との間を移動させる機能を有する。
また、クリーナボックス22の上側ボックス部23の上部には、図4に示すように、インジェクタ39が取り付けられている。このインジェクタ39は、エンジン12が高速回転した状態で、インジェクタ18と共に吸気ポート15aに燃料を噴射するために設けられている。また、インジェクタ39は、可動ファンネル37の上側に配置されている。
また、固定ファンネル36は、図7および図10に示すように、隣接する2つの固定ファンネル36が接続部36bを介して一体的に形成された構造を有する。すなわち、本実施形態では、隣接する2つの固定ファンネル36が一体化された部品40が2つ設けられている。また、2つの固定ファンネル36が一体化された部品40には、図13に示すように、ねじ61が挿入されるねじ挿入穴36cが3つずつ設けられている。そして、図14に示すように、固定ファンネル36(部品40)は、ねじ挿入穴36cに挿入されたねじ61により、クリーナボックス22(下側ボックス部24)と共にスロットルボディ16に取り付けられている。なお、クリーナボックス22の下側ボックス部24にも、ねじ61が挿入されるねじ挿入穴24jが設けられている。また、固定ファンネル36(部品40)のねじ挿入穴36cの内側面には、係合部36dが設けられている。これにより、ねじ61をスロットルボディ16に取り付ける前の状態においても、ねじ61の頭部61aを係合部36dに係合させることが可能であるので、ねじ61がねじ挿入穴36cから上側に抜けるのを抑制することが可能である。
また、図7に示すように、2つの固定ファンネル36が一体化された部品40には、それぞれ、支柱36eが一体的に設けられている。これら支柱36eには、図13に示すように、後述する回動軸44の端部を回動可能に支持するための一対の回動軸支持穴36fが形成されている。
また、図7に示すように、2つの部品40の支柱36eには、固定穴36gがそれぞれ設けられている。また、各支柱36eの固定穴36gは、図13に示すように、ねじ62により下側ボックス部24(図3参照)にねじ止めされている。また、2つの支柱36eの前部には、図7に示すように、それぞれ、可動ファンネル37の固定ファンネル36側の開口部37a(図8および図9参照)が固定ファンネル36の吸気側の開口部36a(図8および図9参照)に対して離間する離間位置(図7の状態)に位置する場合に、後述するストッパ46cが当接する規制部36h(図9および図12参照)が設けられている。これら規制部36hは、それぞれ、支柱36eの前部から後側に向かって凹状に形成されている。
また、可動ファンネル37は、図13および図15に示すように、隣接する2つの可動ファンネル37が一対の支持軸37b(図15参照)を介して一体的に形成された構造を有する。すなわち、本実施形態では、隣接する2つの可動ファンネル37が一体化された部品41を2つ含んでいる。また、支持軸37bは、部品41の2つの可動ファンネル37間に配置されている。
また、可動ファンネル37(部品41)の支持軸37bには、図9に示すように、割りブッシュ42aが装着されている。この割りブッシュ42aは、後述する上側リンクレバー45および下側リンクレバー46を支持軸37bに対して回動させる機能を有する。また、割りブッシュ42bは、図13に示すように、2つの可動ファンネル37が一体化された部品41間に位置する支持軸37cに装着されている。なお、2つの可動ファンネル37が一体化された部品41間に位置する割りブッシュ42bは、2つの支持軸37cを跨ぐように1つだけ装着されている。
また、図7および図10に示すように、可動ファンネル37の固定ファンネル36側の下端部には、ゴム製のシール部材43が装着されている。このシール部材43には、図15に示すように、4つの係合穴43aが設けられており、これら係合穴43aには、可動ファンネル37の4つの凸部37dが係合されている。これにより、シール部材43が可動ファンネル37の下端部から下側に抜け落ちるのを抑制することが可能である。
また、図9および図12に示すように、ファンネル移動機構部38は、後述する上側リンクレバー45および下側リンクレバー46を用いて、可動ファンネル37を、離間位置(図8および図9の状態)と、当接位置(図11および図12の状態)との間で移動可能に構成されている。ファンネル移動機構部38の具体的な構造としては、図7および図13に示すように、固定ファンネル36(部品40)に設けられた支柱36eの回動軸支持穴36f(図13参照)に、回動軸44の端部が回動可能に支持されている。また、図13に示すように、上側の回動軸44の一方および他方の端部側には、それぞれ、樹脂製の上側リンクレバー45が上側の回動軸44と共に回動するように取り付けられている。また、下側の回動軸44の一方および他方の端部側には、それぞれ、樹脂製の下側リンクレバー46が下側の回動軸44と共に回動するように取り付けられている。
上側リンクレバー45は、図9および図12に示すように、嵌込部45aと、上側の回動軸44が挿入されている回動軸挿入穴45bとを有する。上側リンクレバー45の嵌込部45aには、可動ファンネル37の上側の支持軸37bが割りブッシュ42aを介して嵌め込まれている。これにより、上側リンクレバー45が上側の支持軸37bに対して回動可能となっている。
また、下側リンクレバー46は、嵌込部46aと、下側の回動軸44が挿入されている回動軸挿入穴46bと、2つのストッパ46cおよび46dとを有する。下側リンクレバー46の嵌込部46aには、可動ファンネル37の下側の支持軸37bが割りブッシュ42aを介して嵌め込まれている。これにより、下側リンクレバー46が下側の支持軸37bに対して回動可能となっている。また、図9に示すように、下側リンクレバー46のストッパ46cは、下側リンクレバー46がE方向に所定量回動した場合(可動ファンネル37が離間位置に達した場合)に、固定ファンネル36の支柱36eの規制部36hに当接して下側リンクレバー46のE方向への回動を規制する機能を有する。また、図12に示すように、下側リンクレバー46のストッパ46dは、下側リンクレバー46がF方向に所定量回動した場合(可動ファンネル37が当接位置に達した場合)に、固定ファンネル36の支柱36eの後部に当接して下側リンクレバー46のF方向への回動を規制する機能を有する。
また、図7および図10に示すように、下側の回動軸44には、回動軸44と共に回動する支持部47が設けられている。この支持部47は、各々に切欠部47a(図10参照)が形成された一対の狭持片47bによって構成されている。
また、図8および図11に示すように、部品41間に位置する支持軸37cに装着されている割りブッシュ42bには、中間リンクレバー48が回動可能に取り付けられている。具体的には、中間リンクレバー48の一方側には、割りブッシュ42bに対して係合可能な嵌込部48aが形成されている。そして、嵌込部48aが割りブッシュ42bに対して回動可能に係合されている。また、中間リンクレバー48の他方側には、上側の回動軸44と共に回動するように回動軸44が取り付けられている。
支持部47、上側リンクレバー45および下側リンクレバー46を上記のように構成することによって、図8および図9に示すように、支持部47(図8参照)をE方向に回動させることにより下側リンクレバー46(図9参照)をE方向に回動させた場合には、可動ファンネル37が固定ファンネル36から離れる方向に移動される。また、図11および図12に示すように、支持部47(図11参照)をF方向に回動させることにより下側リンクレバー46(図12参照)をF方向に回動させた場合には、可動ファンネル37が固定ファンネル36に近づく方向に移動される。
また、本実施形態では、図13に示すように、上側リンクレバー45および下側リンクレバー46(図7参照)は、上記したモータ25の駆動力により回動するように構成されている。具体的には、下側ボックス部24の内部に挿入されているモータ25の回転軸25bには、図8に示すように、回動レバー49の一方の端部が取り付けられている。この回動レバー49の他方の端部には、切欠状に形成された挟持部49aが設けられている。
回動レバー49は、図4に示すように、クリーナボックス22の下側ボックス部24の突出部24kに配置されている。そして、回動レバー49の挟持部49aには、図8に示すように、移動部材50の両側面に設けられた突出部50aが、挟持部49aに対して揺動可能に取り付けられている。また、移動部材50の内部には、移動軸51の一方端が配置されている。また、移動軸51は、図13に示すように、2つの部品41(可動ファンネル37)の間に配置されている。また、移動軸51の他方端には、図8に示すように、支持軸52が設けられている。この支持軸52には、下側の回動軸44と共に回動する支持部47の切欠部47aが係合されている。
また、本実施形態では、クリーナボックス22の上方には、図5に示すように、燃料タンク53が上側ボックス部23上方を覆うように設けられている。また、燃料タンク53は、図5および図16に示すように、車幅方向において、上側ボックス部23の上方のみならず、メインフレーム3aおよび3bの少なくとも一部を覆うように構成されている。具体的には、燃料タンク53は、燃料タンク53の車幅方向の両端部がメインフレーム3aおよび3bの車幅方向のそれぞれの両端よりも外側になるように構成されている。
また、本実施形態では、燃料タンク53は、上側ボックス部23の上方のみならず、上側ボックス部23の車幅方向の側部の少なくとも一部を覆うように構成されている。つまり、燃料タンク53は、上側ボックス部23の車幅方向の上方および側方に沿って形成されている。これにより、燃料タンク53の車幅方向の両側部分の下端は、上側ボックス部23の係合面部23aの直上に位置している。また、上記したように、係合面部23aに対応する下側ボックス部24の係合面部24bは、メインフレーム3aおよび3bの上端の直上に位置するように構成されている。その結果、係合面部24bの車幅方向の両端部分の各下面24cとメインフレーム3aおよび3bの各上端面3cとの間に大きな空間が生じている場合と比べて、下側ボックス部24近傍の空間を有効に利用することが可能となる。これにより、係合面部24bの車幅方向の両端部分の各下面24cとメインフレーム3aおよび3bの各上端面3cとの間に大きな空間が生じている場合と比べて、燃料タンク53の容量を大きくすることが可能となる。また、燃料タンク53の後方には、シート54が配置されている。
本実施形態では、上記のように、上側ボックス部23と下側ボックス部24との合わせ面22aを、メインフレーム3aおよび3bの各上端面3c近傍に配置することによって、メインフレーム3aおよび3bの各上端面3cと、上側ボックス部23と下側ボックス部24との合わせ面22aとの間に大きな空間が生じるのを抑制することができる。これにより、クリーナボックス22の上側ボックス部23と下側ボックス部24との合わせ面22aのメインフレーム3aおよび3bに対する相対的位置が高くなるのを抑制することができる。その結果、メインフレーム3aおよび3bの各上端面3cと、上側ボックス部23と下側ボックス部24との合わせ面22aとの間に空間が生じた場合と比べて、クリーナボックス22の上部の空間を有効に利用することができる。具体的には、燃料タンク53を配置するための空間を確保することができる。また、モータ25の上端部25cを、自動二輪車1の側方から視て、メインフレーム3aおよび3bの各上端面3cのモータ25が配置されている車幅方向の側方に対応する部分3dよりも上方に位置するように構成することによって、モータ25が下方に配置されることによるエンジン12の燃料配管(図示せず)などと干渉するのを抑制することができる。
本実施形態では、上記のように、車幅方向の両端部分がメインフレーム3aおよび3bの各上端面3c近傍に配置される係合面部24bを含む下側ボックス部24と、下側ボックス部24の後側の側面部24dに取り付けられたモータ25とを設けている。そして、このモータ25を、上端部25cがメインフレーム3aおよび3bの各上端面3cのモータ25が配置されている車幅方向の側方に対応する部分3dよりも上側に位置するように配置している。このようにモータ25を下側ボックス部24の後側の側面部24dに設けた場合にも、下側ボックス部24の係合面部24bの車幅方向の両端部分をメインフレーム3aおよび3bの各上端面3c近傍に配置することによって、係合面部24bの各下面24cとメインフレーム3aおよび3bの各上端面3cとの間で大きな空間が生じるのを抑制することができる。その結果、下側ボックス部24近傍の空間を有効に利用することができる。
また、本実施形態では、上記のように、モータ25を、可動ファンネル37を移動させるためのモータ25を下側ボックス部24の側面部24dに取り付けることによって、可動ファンネル37の移動を調整可能な自動二輪車1を得ることができる。
また、本実施形態では、上記のように、下側ボックス部24の係合面部24bのモータ25が取り付けられている部分に対応する部分を、係合面部24bのモータ25が取り付けられている部分に対応する部分以外の部分よりも上側に突出するように形成している。これにより、下側ボックス部24の上下方向の長さを全体的に大きくすることなく、モータ25を下側ボックス部24の後側の側面部24dに取り付けることができる。
また、本実施形態では、上記のように、合わせ面22aのモータ25が取り付けられている部分に対応する部分を、合わせ面22aのモータ25が取り付けられている部分に対応する部分以外の部分よりも上側に突出するように形成している。これにより、クリーナボックス22の合わせ面22aのモータ25が取り付けられている部分に対応する部分以外の部分を、合わせ面22aのモータ25が取り付けられている部分に対応する部分に比べて低い位置に配置することができる。
また、本実施形態では、上記のように、下側ボックス部24の係合面部24bの両端部分の各下面24cを、メインフレーム3aおよび3bの各上端面3cの直上に配置している。これにより、係合面部24bの両端部分の各下面24cと、メインフレーム3aおよび3bの各上端面3cとの間に大きな空間が生じるのを抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、モータ25を、下側ボックス部24のメインフレーム3aとメインフレーム3bとの間に位置する側部に配置している。これにより、容易に、下側ボックス部24の係合面部24bの両端部分の各下面24cを、メインフレーム3aおよび3bの各上端面3cの直上に配置することができる。
また、本実施形態では、上記のように、下側ボックス部24の係合面部24bに、上方に突出するように凸部24fを設け、上側ボックス部23の係合面部23aに、下方に突出するように、かつ、下側ボックス部24の係合面部24bに係合するように凹部23bを設けている。この凸部24fが凹部23bに嵌め込まれることにより、係合面部24bと係合面部23aとを係合させることができる。
また、本実施形態では、上記のように、上側ボックス部23の凹部23bと下側ボックス部24の凸部24fとの間をシールするためのシール部材27を設けている。このシール部材27により、上側ボックス部23の係合面部23aと下側ボックス部24の係合面部24bとの間を、容易に、シールすることができる。
また、本実施形態では、上記のように、上側ボックス部23の上方を覆うように配置された燃料タンク53を設けている。このように、燃料タンク53を上側ボックス部23の上方を覆うように配置することによって、容易に、燃料タンク53の容量を大きくすることができる。
また、本実施形態では、上記のように、燃料タンク53を、車幅方向において、上側ボックス部23の上方のみならず、メインフレーム3aおよび3bの上方の少なくとも一部も覆うように構成している。具体的には、燃料タンク53を、燃料タンク53の車幅方向の両端部がメインフレーム3aおよび3bの車幅方向のそれぞれの両端よりも外側になるように構成されている。これにより、燃料タンク53を上側ボックス部23の上方を覆うだけの場合と比べて、より燃料タンク53の容量を大きくすることができる。さらに、本実施形態では、上記のように、燃料タンク53を、上側ボックス部23の上方のみならず、上側ボックス部23の側部の少なくとも一部を覆うように構成している。このように、燃料タンク53を上側ボックス部23の上側を包み込むように配置することによって、燃料タンク53の容量をさらに大きくすることができる。
また、本実施形態では、上記のように、クリーナボックス22の内部に配置され、エンジン12の吸気ポート15aに供給される空気を浄化するエアフィルタ28を設けている。これにより、吸気ポート15aに供給される空気を浄化することが可能なクリーナボックス22を得ることができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本考案の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく実用新案登録請求の範囲によって示され、さらに実用新案登録請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、本考案を自動二輪車に適用する例を示したが、本考案はこれに限らず、自動二輪車以外の車両にも適用可能である。
また、上記実施形態では、4気筒のエンジンが搭載された車両に本考案を適用したが、本考案はこれに限らず、4気筒以外の多気筒のエンジンが搭載された車両や、単気筒のエンジンが搭載された車両にも適用可能である。
また、上記実施形態では、エアチャンバの内部にエアフィルタを配置したクリーナボックスが搭載された車両に本考案を適用したが、本考案はこれに限らず、内部にエアフィルタを配置しないエアチャンバが搭載された車両に本考案を適用してもよい。
また、上記実施形態では、本考案のエアチャンバに取り付けられる所定部品として、モータを適用した例を示したが、本考案はこれに限らず、本考案の所定部品として、たとえば、エンジンまたはクリーナボックスの内部の圧力を検出するための圧力センサ、ECU(エンジン・コントロール・ユニット)、インジェクタおよびその周辺の配管、配線、およびその取付部材、燃料ポンプ、EDU(エレクトロニック・ドライビング・ユニット)およびエアポンプなどを適用してもよい。
また、上記実施形態では、下側ボックス部の係合面部の車幅方向の両端部分を、メインフレームの車幅方向両側の上端面の直上に配置した例を示したが、本考案はこれに限らず、下側ボックス部の係合面部の車幅方向の両端部分の片方だけを、いずれか片方のメインフレームの車幅方向の上端面の直上に配置するようにしてもよい。