JP3155086B2 - 現像機用ローラーおよびその製造方法 - Google Patents

現像機用ローラーおよびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた耐汚染性を有す
る現像機用ローラーおよびその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】熱硬化性樹脂管は、電気的特性、機械的
特性、耐熱性、耐燃性等に優れているため、製紙工業、
繊維工業、機械工業、食品工業、写真工業等、広範な分
野において流体移送用管、保護管または熱硬化性樹脂管
に回転軸を装着して現像機、複写機等のローラーとして
用いられている。
【0003】しかし、これらの用途に用いられる熱硬化
性樹脂管は、酸化鉄、酸化銀、酸化銅等の金属酸化物、
酸化亜鉛、酸化錫等の非金属酸化物、またはこれらのコ
ロイド状物質、硫酸塩、カリウム塩、カルシウム塩、ナ
トリウム塩等の無機塩、グリシン、アラニン、システイ
ン、フェニルアラニン、シスチン、メチニオン、チロシ
ン、コラーゲン、プロリン、グルタミン酸、トリプトフ
ァン、ロイシン、油類等の有機物等により汚染され、装
置または部品としての機能の低下をきたすことがある。
【0004】汚染された熱硬化性樹脂管は、強酸、強ア
ルカリ、酸化剤、還元剤等の溶液または溶剤中に浸漬す
る等の化学的処理によって洗浄されている。しかし、化
学的処理により熱硬化性樹脂管の表面が冒されることが
ある。また、高圧水洗浄、グラフト処理等の物理的方法
により洗浄すると、汚染物質の除去に有効であるが、損
傷を受けることがある。
【0005】いずれの方法によっても、汚染物質の除
去、洗浄には多大の労力と時間を費やし生産性を阻害す
る要因となっている。そのため、現像機用ローラーの汚
染を防止する方法として、例えば、特開平2−1476
56号公報には、フェノール系樹脂100重量部に対
し、ポリテトラフルロエチレン1〜10重量部を添加し
た組成物から製造された現像機用ローラー基材が開示さ
れている。しかし、該基材は必ずしも充分な汚染防止効
果を有するローラー基材とはいえない。
【0006】また、プラスチック材料講座15、フェノ
ール樹脂(日刊工業新聞社、第4版152頁)には、フ
ェノール樹脂100重量部に対し、石灰、酸化マグネシ
ウム等0〜17重量部を硬化促進剤として用いることが
記載されている。しかし、この方法によって得られる成
形材料も充分な汚染防止機能を有する成形物を与えな
い。また、特開平4−149550号公報には、水に対
する接触角が40度以下の親水性の材料から構成された
ローラーを用いたハロゲン化銀感光材料の処理方法が開
示されている。
【0007】しかし、該方法に用いられるローラーは加
水分解性を有するため、使用中にローラーの構成成分の
一部が徐々に溶出し、ローラーの真円度が低下すると共
にローラーの外径が変化し、感光材料の搬送がスムース
に行えなくなる欠点を有しており、好ましい方法ではな
い。
【0008】かかる背景から、優れた耐汚染性を有する
現像機用ローラーおよびその製造方法が望まれている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題を解決し、優れた耐汚染性を有し、しかも成形性、
電気的特性、機械的特性、耐熱性、耐燃性等にも優れた
現像機用ローラーおよびその製造方法を提供することに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、熱硬化性樹脂に特定の臨界表面張力を有する
物質および特定の金属または非金属の酸化物を含む樹脂
組成物を押出成形して得られた熱硬化性樹脂管を加工し
たローラーが上記目的を達成する上で有用であることを
見出し、本発明に到った。
【0011】すなわち、本発明の第一の態様により、熱
硬化性樹脂100重量部、23℃における臨界表面張力
が31dyne/cm以下の物質1〜100重量部、お
よび、亜鉛、アルミニウム、ケイ素、チタン、錫、鉄、
ニッケル、マンガン、よりなる群から選ばれた金属また
は非金属の酸化物20〜150重量部を含む熱硬化性樹
脂組成物を押出成形て得られた熱硬化性樹脂管に回転軸
が装着された現像機用ローラー、が提供される。
【0012】また、本発明の第二の態様により、熱硬化
性樹脂100重量部、23℃における臨界表面張力が3
1dyne/cm以下の物質1〜100重量部、およ
び、亜鉛、アルミニウム、ケイ素、チタン、錫、鉄、ニ
ッケル、マンガン、よりなる群から選ばれた金属または
非金属の酸化物20〜150重量部を含む熱硬化性樹脂
組成物を、スクリュー式押出機を用いて50〜200℃
において押出成形して熱硬化性樹脂管となし、次いで、
該熱硬化性樹脂管を所定の長さに切断し、その両末端に
回転軸を装着することを特徴とする現像機用ローラーの
製造方法、が提供される。
【0013】本発明に用いる熱硬化性樹脂組成物には、
必要に応じて更に、硬化剤、繊維補強材、充填材、滑
剤、着色剤等の他の添加材を加えることができる。以
下、本発明の現像機用ローラーおよびその製造方法につ
いて詳細に説明する。
【0014】本発明に用いる熱硬化性樹脂組成物の製造
方法には、特に制限はなく、通常実施されている方法、
例えば、熱硬化性樹脂に対し、23℃における臨界表面
張力が31dyne/cm以下の物質、亜鉛、アルミニ
ウム、ケイ素、チタン、錫、鉄、ニッケル、マンガンよ
りなる群から選ばれた金属または非金属の酸化物、さら
に必要に応じて硬化剤、繊維補強材、充填材、滑剤、着
色剤等の他の添加材を添加し、室温またはその近傍の温
度において、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー、
ニーダー等の混合機を用いて混合した後、通常のミキシ
ングロール、二軸押出混練機等を用いて混練し、必要が
あれば更に熱処理した後、パワーミル等の粉砕機を用い
て粉砕する方法、または、熱硬化性樹脂に対し、上記特
定の酸化物を添加し、必要に応じて硬化剤、繊維補強
材、充填材、滑剤、着色剤等の他の添加材を添加し、室
温またはその近傍の温度において、リボンブレンダー、
ヘンシェルミキサー、ニーダー等の混合機を用いて混合
した後、通常のミキシングロール、二軸押出混練機等を
用いて混練し、必要があれば更に熱処理した後、パワー
ミル等の粉砕機を用いて粉砕した後、上記の23℃にお
ける臨界表面張力が31dyne/cm以下の物質を添
加、混合する方法が例示される。
【0015】上記のようにして得られた熱硬化性樹脂組
成物を押出成形して熱硬化性樹脂管を製造する方法には
特に制限がなく、通常実施されている熱硬化性樹脂管の
押出成形方法が適用できる。例えば、特公昭62−55
965号公報に開示されるプランジャー押出装置を用い
る方法、特公昭46−22595号公報に開示される熱
硬化性物質の押出装置を用いる方法、特開昭59−17
8235号公報に開示される熱硬化性樹脂の押出成形方
法、特開昭59−230734号公報に開示される熱硬
化性樹脂のスクリュー型押出成形装置を用いる方法等が
例示される。しかし、特公昭62−55965号公報に
開示されるプランジャー押出装置を用いる方法は、押出
圧力が高い上、押出速度が極端に遅い欠点があり、生産
性が低いので好ましい方法ではない。
【0016】また、特公昭46−22595号公報に開
示される熱硬化性物質の押出装置を用いる方法は、押出
機内で混練溶融された熱硬化性物質を、アダプターを通
じて金型内へ導き、最終形状に成形する方法であって、
樹脂の流路が複雑に変化し、僅かな温度、圧力の差で硬
化反応が急激に進行したり、滞留の発生によって局部的
な硬化反応が進行することがあり、連続して安定な成形
を行なうことが困難であり、好ましい方法ではない。
【0017】従って、本発明の現像機用ローラーの基材
とする熱硬化性樹脂管は、特開昭59−178235号
公報または特開昭59−230734号公報等に開示さ
れるスクリュー型押出成形方法により製造することが好
ましい。
【0018】先ず、本発明に用いる熱硬化性樹脂組成物
について説明する。本発明に用いる熱硬化性樹脂とし
て、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アニリン樹脂、エ
ポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン−フェ
ノール樹脂等を挙げることができる。
【0019】本発明において、23℃における臨界表面
張力とは、化学便覧改訂2版基礎編II、第618頁(丸
善(株)、昭和50年発行)に定義される。すなわち、
固体面上で液体炭化水素その他の有機液体化合物の同族
列が示す接触角θ、その液体の表面張力をγとすると、
cosθとγとの関係は同族体の種類に関せず大体一本
の直線となる。この時θ=0、すなわちcosθ=1に
相当するγの値をその固体の臨界表面張力と定義する。
【0020】本発明において、23℃における臨界表面
張力が31dyne/cm以下の固体は総て使用するこ
とができる。例えば、ポリフルオロメチルアクリレー
ト、ポリフルオロメチルメタクリレート、ポリヘキサフ
ルオロプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ
フッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン、
四弗化エチレン・六弗化プロピレン共重合体、ポリトリ
フルオロエチレン等のフッ素樹脂及び下記一般式(1)
〔化1〕
【0021】
【化1】 (式中、R 、R はメチル基、エチル基、ブチル基、
フェニル基、ビニル基を示し、それらは互いに同一であ
っても、異なっていてもよい。)で表される繰り返し構
造単位を有するシリコーン系樹脂等を挙げることができ
る。
【0022】これらのフッ素樹脂またはシリコーン系樹
脂等は、熱硬化性樹脂との分散性を向上させるため、1
50μm程度の平均粒径を有する粒径の小さいものが好
適である。23℃における臨界表面張力が31dyne
/cm以下でる物質は、熱硬化性樹脂100重量部に対
して1〜100重量部が用いられる。1重量部未満では
耐汚染性の効果が小さく、100重量部を超えると成形
性が悪くなる傾向を示すので、上記範囲が好ましい。
【0023】本発明に用いられる金属または非金属の酸
化物として、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ケイ
素、酸化チタン、酸化錫、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化
マンガン等が例示される。これらの酸化物は単独でもち
いてもよいし、それらの混合物として用いてもよい。
【0024】また、上記の金属または非金属の酸化物に
代えて、オクタデシルアミン、ヘキサデカン、ペルフル
オロケロシン、ペルフルオロデカン酸、ペルフルオロ酪
酸、2−ペンチルテトラデカン酸等を用いても汚染防止
効果は認められるが、その効果の有効期間に限界がある
ので、上記の金属または非金属の酸化物の方が本発明の
目的を達成する上で好ましい。
【0025】上記金属酸化物または非金属酸化物の使用
量は熱硬化性樹脂100重量部に対し、20〜150重
量部が用いられる。20重量部未満では汚染防止効果が
小さく、150重量部を超えると樹脂組成物の成形性が
悪くなる傾向にある。
【0026】本発明の熱硬化性樹脂組成物の特徴は、上
記の23℃における臨界表面張力が31dyne/cm
以下の物質および上記の金属または非金属の酸化物のそ
れぞれの特定量を併用することにある。併用することに
より、耐汚染性に優れる成形物を与える組成物となるの
である。
【0027】本発明において、必要に応じて用いられる
繊維状補強材は、大きさ10〜2000μmの鱗片状を
したガラスフレーク、1〜6mmのチョップストランド
ガラス、ヘッドマン繊維、セラミック繊維、木粉、リン
ターパルプ、ポリイミド繊維、ビニロン繊維、芳香族ポ
リアミド繊維、芳香族ポリエステル繊維、カーボンファ
イバー、ロックウール、チタン酸カリウム繊維等が挙げ
られる。
【0028】繊維補強材は熱硬化性樹脂100重量部に
対して、25〜300重量部の範囲で用いられる。25
重量部未満では得られる成形物の強度が低く、300重
量部を越えると成形物への成形性が悪くなる。また、必
要に応じて用いられる充填材はカオリン、タルク、硅藻
土、パーライト、ベントナイト、炭酸マグネシウム、マ
グネシア、塩基性ケイ酸マグネシウム、炭酸マグネシウ
ム、各種ケイ酸塩、セライト等が挙げられる。
【0029】上記充填材は熱硬化性樹脂100重量部に
対して10〜150重量部の範囲で用いられる。10重
量部未満では成形品の強度が低く、150重量部を越え
ると成形性が悪くなる。
【0030】更に、必要に応じて用いられる硬化剤とし
ては、通常、熱硬化性樹脂の硬化剤として用いられるヘ
キサメチレンテトラミン(以下、ヘキサミンと略称す
る)が好ましく使用される。ヘキサミンの使用量は、ノ
ボラック樹脂100重量部に対して8〜18重量部であ
る。8重量部未満では満足できる成形物を得ることが困
難となり、18重量部を越えると成形品の表面粗度が悪
くなる。
【0031】硬化剤は、熱硬化性樹脂としてレゾール型
フェノール樹脂を単独で用いる場合、または、ノボラッ
ク型フェノール樹脂とレゾール型フェノール樹脂を併用
して用いる場合は添加する必要はない。
【0032】滑剤としては、特に制限はないが、ステア
リン酸、パルミチン酸の如き高級脂肪酸、該高級脂肪酸
のアルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩
等)、或いはモンタン酸ワックス、高級脂肪酸のアミド
類を用いることができる。滑剤の添加方法は、樹脂その
他と混合しても良いし、場合によっては組成物を調整し
た後に添加しても良い。
【0033】着色剤としては、カーボンブラック、スピ
リットブラック、モリブデン赤、フタロシアンブルー、
フタロシアングリーン、ハンザイエロー等を適宜選択し
て用いる。
【0034】次いで、本発明の現像機用ローラーの基材
として用いる熱硬化性樹脂管の製造方法を説明する。本
発明に用いる熱硬化性樹脂管は、上記のようにして得ら
れた熱硬化性樹脂組成物を押出成形することにより成形
される。好ましい押出成形方法として、下記の方法が例
示できる。
【0035】熱硬化性樹脂管の製造に使用される押出機
としては、一定の内径を有するシリンダーおよび先端に
平滑部を有するスクリューを備えた押出機が好ましく用
いられる。
【0036】該押出機は、単軸スクリュー押出機のみな
らず、二軸スクリューあるいは多軸スクリュー押出機で
あっても先端部が最終的に単軸に集約される押出機であ
れば、いずれの形式の押出機であっても使用できる。
【0037】本発明に使用されるこれらの押出機の内部
構造として、押出機の供給部から先端の計量部に至る間
に脱気孔を設けたり、特殊な混練機構を設けることは何
ら差し支えない。
【0038】押出機に装着するのスクリューの代表的な
ものは〔図1〕に示す様に先端部に平滑部4を有するス
クリュー(以下、特殊スクリューという)であり、この
スクリューは、例えば供給部1、圧縮部2、計量部3よ
りなる。平滑部4は第1図の様に供給部の終了したとこ
ろから、また、〔図2〕の様に圧縮部の終了したところ
から、あるいは〔図3〕の様に計量部の途中から始まる
様な型式でも良い。また、平滑部4のスクリュー径は、
フライトを有する部位のスクリュー底部の径とは別個に
所望する成形品の内径に合わせて拡大または縮小して調
整することができる。
【0039】平滑部4の部位のシリンダーの内径は、成
形品の外径に合わせて拡大または縮小して調整すること
ができるが、樹脂の滞留を防止するためには、他の部位
のシリンダーの内径と同一とすることが好ましい。
【0040】本発明に使用される特殊スクリューのL/
D(長さ/径)は、通常7〜40好ましくは10〜3
5、更に好ましくは15〜25、圧縮比は1.0〜5.
0、好ましくは1.2〜4.0、更に好ましくは1.5
〜3.0、スクリュー先端部の平滑部の長さは2〜10
D、好ましくは2〜7Dの範囲から適宜選択することが
できる。
【0041】平滑部の長さが2D未満の場合は、押出後
得られる樹脂管に変形が生じ連続して良好な樹脂管を得
ることが困難である。また、平滑部の長さが10Dを越
える場合は、成形圧力が大きくなり、スクリューの機械
強度、モーター負荷の点からも実用的でない。スクリュ
ーの圧縮比と平滑部の長さは、平滑部のスクリューとシ
イリンダーの間隙、換言すれば成形品の肉厚、押出速度
及び使用する材料の特性等の組合せによって種々の制限
を受ける。而してスクリューの圧縮比と平滑部の長さ
は、それらが大きい程、あるいは小さい程背圧付与機能
が大きくあるいは小さい。
【0042】背圧が大きすぎるとフライトを有する部分
で過度の混練が起り、その結果として材料の過度の発熱
と硬化が起るので好ましくない。一方、背圧が小さすぎ
ると材料の圧縮充填及び混練が不充分となるので同様に
好ましくない。適度な背圧が材料の圧縮充填と適当な混
練のために必要である。即ち、安定した押出と良好な製
品を得るためには適度のスクリューの圧縮比と平滑部の
長さが要求される。
【0043】そして平滑部のスクリューとシリンダーの
間隙が大きい程あるいは小さい程、押出速度が小さい程
あるいは大きい程、使用する材料の粘度が小さい程ある
いは大きい程、また使用する材料の硬化速度が小さい程
あるいは大きい程、スクリューの圧縮比と平滑部の長さ
は大きくあるいは小さくする必要がある。
【0044】押出機各部の温度設定は、使用する熱硬化
性樹脂組成物の特性やスクリューの圧縮比、スクリュー
平滑部とシリンダーの間隙、平滑部の長さと押出速度等
の組合せにより当然変るが、スクリューの圧縮部、計量
部及び平滑部に対応するシリンダー部位の温度設定は通
常50〜200℃、好ましくは60〜180℃の範囲で
ある。
【0045】而して、設定温度が50℃以下の場合は、
樹脂の硬化反応が充分に進行しないため良好な熱硬化性
樹脂管は得難い傾向があり、一方、200℃までの温度
で通常用いられる熱硬化性樹脂は充分に熱硬化するので
それ以上にする必要はない。〔図4〕は、本発明に用い
られる好ましい押出装置の一例を示すものであり、ホッ
パー5より供給された熱硬化性樹脂組成物は、シリンダ
ー6内でヒーター7により加熱溶融され、スクリュー8
のフライト先端部よりラセン状で平滑部4へ移行し、シ
リンダーとの摩擦抵抗により、スクリューフライトによ
って生ずる間隔部分が狭められ、ついには圧融着され
る。
【0046】次いで融着樹脂は、上記温度に維持される
ことにより、スクリュー平滑部4を移動する間に、該ス
クリュー平滑部4とその部位のシリンダーとの間隙にお
いて、押出後自己形状を保持できる程度まで賦形され
る。
【0047】上記方法において、例えば、押出成形機の
シリンダーの内面に溝を付ける等してシリンダー内面で
の摩擦を大きくすることで、樹脂組成物のスクリューへ
の食い込みが良好となり、安定した成形が可能となる。
【0048】以下、図によって説明する。〔図1〕、
〔図2〕および〔図3〕は先端に平滑部を有するスクリ
ューの一例を示す側面図である。〔図4〕は本発明に用
いられる好ましい押出装置の一例を示すものであり、ス
クリュー部分の透視図を含む。〔図5〕および〔図6〕
は内面に溝を設置したシリンダーの断面図を示す。
【0049】図に於て、ホッパー5より供給された熱硬
化性樹脂組成物はシリンダー6内でヒーター7により加
熱溶融され、スクリュー8のフライト先端部よりラセン
状で平滑部4へ移行し、シリンダーとの摩擦抵抗によ
り、スクリューフライトによって生ずる間隔部分が狭め
られついには圧融着される。
【0050】次いで、融着樹脂は、スクリュー平滑部4
とその部位のシリンダーとの間隙を移動する間に、さら
にヒーター7により加熱され、押出後自己形状を保持で
きる程度にまで賦形され、シリンダー先端より連続した
熱硬化性樹脂管9となって押出される。シリンダー各部
には、ヒーター7、温度計10および温度制御機構11
が設置され、自動的に温度調節される。
【0051】従来、熱硬化性樹脂の押出成形法に於ては
シリンダー内で加熱溶融された樹脂は、アダプターを経
て金型内へ導入され最終形状に賦形されるが、この過程
に於て樹脂の流れはアダプターで絞られ、スパイダーで
固定されたマンドレルの回りへ再展張されるなど樹脂の
流路が複雑に変化するために、樹脂の滞留が起こりやす
く、局部的に硬化反応が進行したり、僅かな圧力や温度
の変化で硬化反応が急激に起こるなどの問題を引き起こ
す。また、複雑な流路による抵抗に打ち勝ち滞留を防止
しつつ樹脂を押出すためには、強大な押出圧力を要し特
殊な押出装置を必要とする、而してかかる成形法による
場合の押出速度は高々30cm/min程度であり且つ
真円度および肉厚分布の良いものを得ることは困難であ
る。
【0052】本発明の方法によればスクリュー平滑部と
その部位のシリンダーとが金型の役割を果たし、樹脂の
流路はシリンダーとスクリューとの間隔のみであるた
め、樹脂の滞留は全くなく局部的な硬化反応や圧力、温
度の変化による急激な硬化反応を引き起こすことがな
い。
【0053】本発明に用いるスクリューは先端が開放さ
れており、その全長に於て昇圧機能部分と背圧付与機能
部分をもつため、両者の力が相殺しスクリューのスラス
トベアリングにかかる力はスクリューと金型を用いる一
般的な成形法に比べ本質的に小さい。
【0054】また、一般的成形法に於ける金型内のマン
ドレルに相当する本発明のスクリュー平滑部および樹脂
層は回転しているため、硬化した樹脂と金属部分との摩
擦抵抗が比較的小さく押出圧力も通常のスクリュー押出
機で得られる圧力で充分であり、また得られる樹脂管の
真円度が良好である。この様な本発明の方法による場合
は、80cm/minのような押出速度が容易に得られ
る。
【0055】また、本発明に用いる熱硬化性樹脂管を成
形するのに使用される押出機は、〔図5〕および〔図
6〕に示すように、ホッパー下部のシリンダー内面に溝
12aまたは12bを設置したシリンダーが好ましい。
【0056】この溝は摩擦力を大きくするためであり、
溝の中に熱硬化性樹脂組成物が詰められ、この溝の部分
ではスクリューフライトにより、熱硬化性樹脂組成物の
ブロックが剪断を受ける。この部分での剪断作用に対し
て内部摩擦力が働き、熱硬化性樹脂組成物の輸送能力が
増加し、安定した押出成形が可能となる。
【0057】溝の深さ、数、形状は熱硬化性樹脂組成物
の種類、粒径により決定される。例えば30mmφ押出
機の場合は、溝の深さ1〜2mm、数4〜12、形は、
例えば、三角形、四角形および半円形のものが例示され
る。
【0058】押出機は単軸スクリューのみならず、二軸
スクリュー或いは多軸スクリュー押出機であっても先端
が最終的に単軸に集約される押出機の何れも使用でき
る。また押出機の押出装置の内部構造として、押出装置
の供給部から先端の計量部に至る間は脱気孔を設けた
り、特殊の混練構造を設けることは何ら差し支えない。
【0059】さらに、上記方法により得られた熱硬化性
樹脂管から現像機用ローラーを製造する方法について説
明する。現像機用ローラーを製造する方法には特に制限
はなく、通常実施されている方法が適用できる。例え
ば、上記方法により得られた熱硬化性樹脂管を所定の長
さに切断し、両端面加工機を用いてその両端の内面を内
くぐり加工して寸法制度を高めた後、該加工面に接着剤
を塗布し、中心部にSUS製等の回転軸を有するボスを
挿入、接着する方法が例示できる。
【0060】本発明の現像機用ローラーの長さには、特
に制限はなく通常用いられている程度のものである。一
般的には、100〜800mm程度である。
【0061】熱硬化性樹脂管の内径と中心部に軸を有す
るボスの外径とのクリアランスは、ボスの挿入作業性、
および、得られる現像機用ローラーの性能の点で、ボス
の外径が熱硬化性樹脂管の内径に対し、10〜30μm
程度小さいことが好ましい。回転軸を有するボスは、S
US製でも差支えないが、射出成形により製造された合
成樹脂製のものが好ましい。
【0062】ボスの形状は特に制限されないが、熱硬化
性樹脂管に挿入する部分の長さは、20〜50mm程度
が好ましい。
【0063】また、回転軸の材質は特に限定されない
が、腐蝕防止、強度および剛性等の点でSUS製のもの
が好ましい。また、ボスの材質として、塩化ビニル樹
脂、フェノール樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ナ
イロン、ポリアセタール、ポリエーテルスルホン、ポリ
アセタール、ポリフェニレンエーテル、ポリアクリレー
ト、ポリスルホン、ポリフェニレンサルファイド、等が
例示される。
【0064】回転軸のボスへの挿入長は、軸芯振れ防止
の点で長いことが好ましく、例えば、熱硬化性樹脂管に
挿入する部分の80〜90%程度の長さが好ましい。回
転軸のボスへの挿入部には綾目ローレット加工等を施
し、ボスとの密着性をよくすることが望ましい。
【0065】接着剤として、常温硬化型のエポキシ樹
脂、シアノアクリレート型樹脂が好ましく用いられる。
【0066】〔図7〕に回転軸を有するボスの一例を、
また、〔図8〕に所定の寸法に切断された熱硬化性樹脂
管の両端に回転軸を有するボスを装着した現像機用ロー
ラーの一例を示す。
【0067】これらの図において、14は熱硬化性樹脂
管に挿入される部分のボスを示し、15はボスに挿入さ
れる部分の回転軸を示す。1はボスに挿入されない部分
の回転軸を示し、現像機に設置された軸受けに装着され
る。14の長さは、20〜50mm程度が好ましく、1
5の長さは14の80〜90%程度が好ましい。ボスと
回転軸との密着性をよくするため、15には綾目ローレ
ット加工を施すことが好ましい。16はツバを示し、そ
の径は熱硬化性樹脂管の外径と等しくすることが好まし
い。
【0068】回転軸を有するボスの14の部分を熱硬化
性樹脂管に挿入して回転軸13が装着された現像機用ロ
ーラー17が得られる。
【0069】以下、実施例を示し、本発明をさらに詳細
に説明する。 調製例1 ノボラック型フェノール樹脂(三井東圧化学(株)製、
商品名:#2000)100重量部、ヘキサミン(三井
東圧化学(株)製、商品名:S−4)12重量部、ガラ
ス繊維(日本電気硝子(株)製、商品名:ECS−03
B)100重量部、ルチル型酸化チタン(工業用)80
重量部、ポリテトラフルオロエチレン((株)喜田村
製、商品名:KTL−610)40重量部、ステアリン
酸亜鉛3重量部、カーボンブラック3重量部をリボンブ
レンダーを使用して室温で20分間混合した。得られた
混合物を前ロール温度95℃、後ロール50℃のミキシ
ングロールを用いて約3分間ロール混練した。得られた
混合物をパワーミルを用いてダルトン様に粉砕し、80
℃〜83℃で8時間熱処理して熱硬化性樹脂組成物Aを
得た。
【0070】調製例2 レゾール型フェノール樹脂(群栄化学工業(株)製、商
品名:N−411)100重量部、水酸化カルシウム
(入交産業(株)製、商品名:TG−200)1.5重
量部、ガラス繊維(日本電気硝子(株)製、商品名:E
CS−03B)70重量部、二酸化硅素(瀬戸窯業原料
(株)製、商品名:セヨゲンFS)110重量部、ステ
アリン酸亜鉛3重量部、カーボンブラック3重量部をリ
ボンブレンダーを使用して室温で20分間混合した。得
られた混合物を前ロール温度95℃、後ロール50℃の
ミキシングロールを用いて約3分間ロール混練した。混
合物をパワーミルを用いてダルトン様に粉砕し、四フッ
化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体((株)喜田
村製、商品名:KTL−500F)30重量部をリボン
ブレンダーを使用して室温で20分間混合して熱硬化性
樹脂組成物Bを得た。
【0071】調製例3 ジアリルフタレート樹脂(ダイソー(株)製、商品名:
DAP−A)100重量部、ジクミルパーオキサイド1
重量部、ガラス繊維(日本電気硝子(株)製、商品名:
ECS−03B)90重量部、酸化第二鉄40重量部、
軽質炭酸カルシウム(竹原化学産業(株)製)100重
量部、ポリテトラフルオロエチレン((株)喜田村製、
商品名:KTL−610)40重量部、ステアリン酸亜
鉛3重量部、カーボンブラック3重量部をリボンブレン
ダーを使用して室温で20分間混合した。得られた混合
物を前ロール温度85℃、後ロール50℃のミキシング
ロールを用いて約3分間ロール混練した。混合物をパワ
ーミルを用いてダルトン様に粉砕し、熱硬化性樹脂組成
物Cを得た。
【0072】調製例4 ノボラック型フェノール樹脂(三井東圧化学(株)製、
商品名:#2000)100重量部、ヘキサミン(三井
東圧化学(株)製、商品名:S−4)12重量部、シリ
コーン樹脂粉末(東レダウコーニング(株)製、商品
名:F−100)50重量部、ルチル型酸化チタン(工
業用)40重量部、ガラス繊維(日本電気硝子(株)
製、商品名:ECS−03B)100重量部、カオリン
(土屋カオリン(株)製)40重量部、ステアリン酸ナ
トリウム3重量部、カーボンブラック3重量部をリボン
ブレンダーを使用して室温で20分間混合した。得られ
た混合物を前ロール温度95℃、後ロール50℃のミキ
シングロールで約3分間ロール混練した。混合物をパワ
ーミルを用いてダルトン様に粉砕し、熱硬化性樹脂組成
物Dを得た。
【0073】調製例5〜8及び10 〔表2〕、〔表3〕に示した混合割合にて調製例1と同
様に処理して熱硬化性樹脂組成物E〜HおよびJを得
た。
【0074】調製例9 〔表3〕に示した混合割合にて調製例3と同様に処理し
て熱硬化性樹脂組成物Iを得た。調製例1〜4において
得られた熱硬化性樹脂組成物A〜Dの組成を〔表1〕に
示す。また、調製例5〜9において得られた熱硬化性樹
脂組成物E〜Jの組成を〔表2〕、〔表3〕に示す。
【0075】実施例1 ホッパー下より2Dの長さに水冷ジャケットを備え、か
つ、該2Dの部分に深さ2mmの溝を12個等間隔に設
置し、続いて3D〜10D、11D〜16D、17D〜
20D及び21D〜24Dの各部に各々2kwの加熱ヒ
ーターを備えた口径25mmφ、L/D=24のシリン
ダー、および、供給部5D、圧縮部12D、スクリュー
圧縮比2.0、スクリュー計量部4D、平滑部径19m
m、長さ3Dを有するスクリューを備えた押出機を用
い、調製例1で得られた熱硬化性樹脂組成物Aを使用し
て成形を行い、内径18.9mm、外径24.9mmを
有する熱硬化性樹脂管を得た。なお、各部のシリンダー
温度は、下記温度に設定し、別途備えられた温度調節機
構により設定温度に調節した。
【0076】C (0〜2D):水冷、C (3D〜1
0D):80℃、C (11D〜16D):100℃、
C (17D〜20D):120℃、C (21D〜2
4D):165℃、なお、上記記載において、Dはスク
リューの径、Lはスクリューの長さを示す。
【0077】得られた熱硬化性樹脂管を長さ450mm
に切断した後、両端面加工機((株)牛尾製作所製)を
用いて該熱硬化性樹脂管を内くぐり切削加工し、内径を
18.8mmに仕上げ、水洗、乾燥した。
【0078】ABS樹脂製ボス(全長;60mm、熱硬
化性樹脂管への挿入部分の長さ;35mm、外径;1
8.9mm)にSUS製回転軸を挿入(挿入長さ;30
mm、当該部は綾目ローレット加工処理)し、該ボスの
熱硬化性樹脂管へ挿入する部分に常温硬化性エポキシ樹
脂接着剤(三井東圧化学(株)製、商品名;ストラクト
ボンドEH−454)を塗布した。
【0079】該ボスを上記内くぐり切削加工した熱硬化
性樹脂管へ圧入、接着して現像機用ローラーを得た。得
られた現像機用ローラーの曲げ強度、表面抵抗、表面粗
度、振れおよび真円度、別途調製した試験片の耐汚染
性、耐熱性および耐燃性、ならびに、本発明に用いた樹
脂組成物の押出成形性を後述する方法によりそれぞれ評
価し、得られた結果を〔表1〕に示す。
【0080】実施例2〜4 熱硬化性樹脂組成物B〜Dをそれぞれ用いた以外は、実
施例1と同様にして現像機用ローラーを得た。各種特性
を実施例1と同様にして評価し、得られた結果を〔表
1〕に示す。〔表1〕に示すように本発明の現像機用ロ
ーラーは、銀、カリウム、硫黄の付着量が少ないので、
これを搬送用ローラーとする現像機は、長期間継続使用
が可能であり、かつ、現像物の現像画質が良好である。
【0081】比較例1〜6 熱硬化性樹脂組成物E〜Jをそれぞれ用い、実施例1と
同様にして現像機用ローラーを得た。各種特性を実施例
1と同様にして評価し、得られた結果を〔表2〕および
〔表3〕に示す。
【0082】比較例7 市販の紙・フェノール樹脂積層管を外径25mm、内径
19mmに切削加工して評価に用いた。得られた積層管
の各種特性を〔表3〕に示す。比較例1〜6で得られた
現像機用ローラーおよび比較例7で用いた積層管は、
銀、カリウム、硫黄の付着量が多いので現像機用ローラ
ーとして用いた場合、現像画質に悪影響を及ぼし長期間
継続使用することができない。
【0083】
【表1】
【0084】
【表2】
【0085】
【表3】 なお、実施例及び比較例で示した各種特性の評価試験
は、下記の方法で実施した。
【0086】試験片の作成 東芝機械(株)製、形式:IR45P型射出成形機を用
いて、シリンダー温度第1ゾーン60℃、第2ゾーン9
0℃、金型温度固定側160℃、移動側165℃、スク
リュー回転数50rpmの条件で、JIS−K−691
1に規定される方法に準じて、耐熱性および耐燃性の評
価用試験片を作成した。また、同様の条件で、JIS−
K−6911に規定される吸水率測定用試験片の作成方
法に準じて耐汚染性試験用試験片を作成した。
【0087】耐汚染性試験 市販の写真現像液(コニカ(株)製、商品名:SRX−
501)に臭化銀を飽和溶解度まで溶解し、該溶液に試
験片を30℃において3ヵ月間浸漬した後、下記二種類
の耐汚染性を試験した。 銀付着量 30mlのビーカーに6N硝酸水溶液20mlを入れ、
該溶液に上記処理した試験片(全表面積8cm )を浸
漬し、室温において48時間放置し、付着銀を溶出させ
た。該溶出液を原子吸光測定機(日本ジャールアッシュ
(株)製、形式:AA−1型)を用いて、光源電流10
mA、スロットキャピラリー、空気・水素炎の条件下で
分析し、付着銀を定量した。 カリウムおよび硫黄付着量 上記処理した試験片の片表面に金蒸着を施した後、該面
に対し加速電圧20KV・225mAの条件で電子線を
照射し、30回積算して(島津製作所(株)製、電子線
マイクロアナライザー、形式:EPMA)付着したカリ
ウムおよび硫黄の強度を測定した。
【0088】耐熱性および耐燃性の試験 JIS K−6911に規定される方法に準じて測定し
た。
【0089】曲げ強さ 内径19.1mm、外径24.9mm、長さ450mm
の現像機用ローラー基材を支点間距離400mmとして
支え、JIS K−6911に規定される方法に準じて
室温において測定した。
【0090】表面抵抗 表面抵抗測定機(三菱油化(株)製、商品名:ハイレス
ター)を用いて、23℃、湿度50%R.H.において
測定した。
【0091】表面粗度 東京精密(株)製、商品名:サーフコム554A)を用
いて、JIS B−0601に規定される方法(カット
オフ値0.8mm)に準じて、23℃、湿度50%R.
H.において測定した。
【0092】振れ ミツトヨ(株)製、レーザースキャンマイクロメター、
形式:LMS3000を用いて、内径18.9mm、外
径24.9mm、長さ450mmの現像機用ローラーを
支点間距離400mmとして測定した。
【0093】真円度 東京精密(株)製、商品名:ロンコム5Aを用いて、J
IS B−0607規定される方法に準じて測定した。
【0094】押出成形性 現像機用ローラーの押出成形において、押出量の変動が
10%以内で、かつ、得られた現像機用ローラーの表面
の脹れ等に異常ば認められないものを良好とした。
【0095】
【発明の効果】本発明の現像機用ローラーは、優れた耐
汚染性を有し、銀、カリウム、硫黄の付着量が少ないの
で、これを搬送用ローラーとする現像機は、長期間継続
使用が可能であり、かつ、現像済み写真の画質が良好で
ある。その上、成形性、電気的特性、機械的特性、耐熱
性、耐燃性等にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】は先端に平滑部を有するスクリューの一例を示
す断面図である。
【図2】は先端に平滑部を有するスクリューの一例を示
す断面図である。
【図3】は先端に平滑部を有するスクリューの一例を示
す断面図である。
【図4】は本発明に用いられる好ましい押出装置の一例
を示す断面図であり、スクリュー部分の透視図を含む。
【図5】は内面に溝を設置したシリンダーの断面図を示
す。
【図6】は内面に溝を設置したシリンダーの断面図を示
す。
【図7】は回転軸を有するボスの断面図を示す。
【図8】は現像機用ローラーの断面図を示す。
【符号の説明】
1 供給部 2 圧縮部 3 計量部 4 平滑部 5 トッパー 6 シリンダー 7 ヒーター 8 スクリュー 9 熱硬化性樹脂管 10 温度計 11 温度調節機構 12a、12b 溝 13 回転軸 14 熱硬化性樹脂管に挿入される部分のボス 15 ボスに挿入される部分の回転軸 16 ボスのツバ 17 現像機用ローラー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 樫野 昭雄 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株 式会社日野事業所内 (72)発明者 田口 あきら 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株 式会社日野事業所内 (56)参考文献 特開 平2−147656(JP,A) 特開 平2−18022(JP,A) 特開 平4−161955(JP,A) 特開 昭59−178235(JP,A) 特開 昭59−230734(JP,A) 特開 平3−219243(JP,A) 実開 平4−44640(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03D 3/08

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱硬化性樹脂100重量部、23℃にお
    ける臨界表面張力が31dyne/cm以下の物質1〜
    100重量部、および、亜鉛、アルミニウム、ケイ素、
    チタン、錫、鉄、ニッケル、マンガン、よりなる群から
    選ばれた金属または非金属の酸化物20〜150重量部
    を含む熱硬化性樹脂組成物を押出成形て得られた熱硬化
    性樹脂管に回転軸が装着された現像機用ローラー。
  2. 【請求項2】 23℃における臨界表面張力が31dy
    ne/cm以下の物質が、フッ素樹脂またはシリコーン
    樹脂である請求項1記載の現像機用ローラー。
  3. 【請求項3】 押出成形が、一定の内径を有するシリン
    ダーおよび先端部に平滑部を有するスクリューを備えた
    押出機を用いて、50〜200℃において実施される請
    求項1記載の現像機用ローラー。
  4. 【請求項4】 熱硬化性樹脂100重量部、23℃にお
    ける臨界表面張力が31dyne/cm以下の物質1〜
    100重量部、および、亜鉛、アルミニウム、ケイ素、
    チタン、錫、鉄、ニッケル、マンガン、よりなる群から
    選ばれた金属または非金属の酸化物20〜150重量部
    を含む熱硬化性樹脂組成物を、スクリュー式押出機を用
    いて50〜200℃において押出成形して熱硬化性樹脂
    管となし、次いで、該熱硬化性樹脂管を所定の長さに切
    断し、その両末端に回転軸を装着することを特徴とする
    現像機用ローラーの製造方法。
  5. 【請求項5】 23℃における臨界表面張力が31dy
    ne/cm以下の物質が、フッ素樹脂またはシリコーン
    樹脂である請求項4記載の現像機用ローラーの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 スクリュー式押出成形が、一定の内径を
    有するシリンダーおよび先端部に平滑部を有するスクリ
    ューを備えた押出機を用いる方法である請求項4記載の
    現像機用ローラーの製造方法。
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