JP3153115B2 - 回路基板 - Google Patents

回路基板

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JP3153115B2
JP3153115B2 JP31071695A JP31071695A JP3153115B2 JP 3153115 B2 JP3153115 B2 JP 3153115B2 JP 31071695 A JP31071695 A JP 31071695A JP 31071695 A JP31071695 A JP 31071695A JP 3153115 B2 JP3153115 B2 JP 3153115B2
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俊克 高田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンピュータのC
PUモジュール等、有機高分子から成る絶縁膜を備える
回路基板に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
回路基板の配線導体としては、金の表面を有する配線材
が多用されている。また、配線用の絶縁材料としては、
絶縁性を有する有機高分子化合物、とりわけポリイミド
系樹脂が多用されている。
【0003】ところで、金の表面を有する配線材を用
い、その金の上に直接絶縁膜としてポリイミド系樹脂を
用いた場合、金とポリイミド系樹脂との密着性がよくな
いため、金とポリイミド系樹脂との間に剥離が起こり、
回路基板の特性や信頼性を低下させることがあった。ま
た、配線材の表面である金にポリイミド系樹脂を一旦形
成してから除去して金を露出させた場合、その露出部分
はポリイミド系樹脂の残留物により半田ぬれ性やワイヤ
ボンディング性(以下「W/B性」という)が十分でな
いことがあった。
【0004】この点に鑑み、従来より種々の研究がなさ
れている。即ち、特開昭63−148659号には、配
線材をポリイミド系樹脂と密着性の良い金属被膜(チタ
ン、クロム、窒化チタン、窒化ケイ素、酸化ケイ素な
ど)で覆った上でポリイミド系樹脂により被覆した構造
が開示されている。また、特開昭59−167096号
には、配線材としての金をパラジウムで覆った上でポリ
イミド系樹脂により被覆した構造が開示されている。
【0005】しかしながら、金の表面を有する配線材を
用い、チタン、クロム、窒化チタン又はパラジウムを金
属被膜として用いた場合、金属被膜を形成するこれらの
金属はポリイミド系樹脂の硬化温度(キュア温度)で金
に熱拡散するという問題があった。このように金属被膜
が金に熱拡散すると、金の性質が変化するのみならず、
金属被膜からみれば金が金属被膜に拡散することになる
ため、金属被膜の性質も変化した。このため、金属被膜
の一部を除去して金を露出させたときその露出部分は半
田ぬれ性やW/B性が十分でなくなったり、金属被膜の
ポリイミド系樹脂に対する密着性が低下したりすること
があった。一方、窒化ケイ素、酸化ケイ素を金属被膜と
して用いた場合には、ポリイミド前駆体をキュアする際
にクラックが発生するという問題があった。
【0006】また、特開昭59−198795号には、
配線材である金をポリイミド系樹脂と密着性のよいニッ
ケルで覆った上で、ポリイミド系樹脂により被覆した構
造が開示されている。しかしながら、ニッケルは強磁性
材料であるため、表皮効果により高周波領域で伝送損失
が大きくなるという問題があった。
【0007】本発明は上記課題に鑑みなされたものであ
り、絶縁膜に膨れや剥がれが発生したり金属被膜にクラ
ックが発生したりすることことがなく、高周波特性を低
下させることもない回路基板を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段、発明の実施の形態及び発
明の効果】上記課題を解決するため、本発明は、基板上
に所定パターンとなるように形成された配線材と、該配
線材を被覆する金属被膜と、前記配線材及び前記金属被
膜を被覆する有機高分子から成る絶縁膜とを備えた回路
基板において、前記配線材は、金の表面を有し、前記金
属被膜は、前記絶縁膜及び金に対する密着性に優れ、前
記有機高分子の硬化温度で金に拡散せず且つクラックも
発生せず、しかも強磁性材料でない被膜であり、前記配
線材の表面である金の一部は、一旦形成された前記金属
被膜が除去されて露出していることを特徴とする。
【0009】本発明で用いる配線材としては、例えば、
チタン−パラジウム−金、チタン−銅−ニッケル−金
(いずれも金が表面)などが挙げられる。また、絶縁膜
を形成する有機高分子としては、例えば、ポリイミド系
樹脂、ベンゾシクロブテン(BCB)、環状オレフィン
系樹脂、変性ポリイミド(フッ素化ポリイミドやシロキ
サンが入ったものなど)等が挙げられ、これらは感光性
であると非感光性であるとを問わない。
【0010】また、絶縁膜及び金に対する密着性に優れ
るとは、パターン加工時(例えば絶縁膜の孔あけ時等)
に剥がれや浮き等がないこと、あるいは85℃、85%
Rhにおける高温高湿試験でポリイミドの剥がれや浮き
等がないことをいう。具体的には、金属被膜を形成する
金属が、その性質上、密着強度試験(基板上の金に当該
金属で被膜を形成しその上にポリイミドを塗布(20μ
m)しキュアしたものをテストサンプルとして作製し、
このポリイミド5mm幅につき密着強度を測定する試
験)において2kg/mm以上の密着強度を有すること
をいう。密着強度が2kg/mm以上の金属により本発
明の金属被膜を形成すれば、絶縁膜に剥がれや膨れが生
じることがない。この密着強度は、モリブデンの場合8
〜15kg/mm、タングステンの場合7〜13kg/
mm、クロムの場合>20kg/mm(ポリイミドが破
断)、被膜なし(つまり金のみ)の場合0.2〜0.3
kg/mmである。
【0011】更に、有機高分子の硬化温度は、200〜
400℃、例えば有機高分子がポリイミド系樹脂の場
合、非感光性であれば約350℃、感光性であれば約4
00℃である。かかる有機高分子の硬化温度で金属被膜
が金に拡散するとすれば、金が変質すると同時に金属被
膜も変質する。すると、金属被膜の一部を除去して金を
露出させたときその露出部分は半田ぬれ性やW/B性が
悪化したり、金属被膜の絶縁膜に対する密着性が悪くな
ったりするおそれがある。このため、金属被膜は有機高
分子の硬化温度で金に拡散しないことが要求される。ま
た、有機高分子の硬化温度でクラックが発生すると、金
属被膜と金との剥がれが生じたり、表面が凹凸になるこ
とにより高周波信号の伝送ロスが生じたりするという不
都合が生じる。このため、金属被膜は有機高分子の硬化
温度でクラックが発生しないことが要求される。更に、
金属被膜が強磁性材料の場合には表皮効果により高周波
領域で伝送損失が大きくなるため、金属被膜は強磁性材
料でないことが要求される。
【0012】本発明の金属被膜は1層であっても多層で
あってもよい。金属被膜が1層の場合、金属被膜はモリ
ブデン、タングステン、又はモリブデン−タングステン
の2成分から成る合金により形成されたものが好まし
い。酸化タンタルは有機高分子の硬化温度でクラックが
発生するので好ましくない。一方、金属被膜が多層の場
合、少なくとも、配線材の金の表面に接する層と絶縁膜
に接する層の2層を有することになる。配線材の金の表
面に接する層は、金に対する密着性に優れ、有機高分子
の硬化温度で金に拡散せず且つクラックも発生しない金
属で形成される必要があり、例えばモリブデン、タング
ステン、モリブデン−タングステンの2成分から成る合
金などが挙げられる。また、絶縁膜と接する層は、絶縁
膜に対する密着性に優れ、有機高分子の硬化温度でクラ
ックも発生せず、しかも強磁性材料でない金属で形成さ
れる必要があり、例えばモリブデン、タングステン、モ
リブデン−タングステンの2成分から成る合金のほか、
チタン、クロムなどが挙げられ、このうち絶縁膜(とり
わけポリイミド)との密着性を考慮すればクロムが好ま
しい。尚、チタンやクロムはその性質上、金に対して熱
拡散するが、ここでは配線材の金の表面と接することは
ないため、金に対して熱拡散するおそれはない。
【0013】本発明の回路基板によれば、以下の効果が
得られる。 配線材の表面の金を覆う金属被膜は、金及び絶縁膜と
密着性が良好であるため、絶縁膜に膨れや剥がれが発生
することがない。 金属被膜は有機高分子の硬化温度で金に対して熱拡散
しない。このため、金属被膜は変質することがなく本来
の性質のままであり、絶縁膜との密着性が悪くなること
がない。また、金も変質することがないため、金属被膜
の一部を除去して金を露出させたときその露出部分は半
田ぬれ性やW/B性に優れる。このため、露出部分にI
Cをろう付けしたり、そのICをワイヤで接続したり、
コンデンサ等の電子部品を半田付けしたりする際に、ろ
う付け・半田付け作業をスムーズに行うことができしか
も十分な強度で取り付けることができる。 有機高分子を硬化する際に金属被膜にクラックが発生
することがないため信頼性が高く、強磁性を有さないた
め表皮効果により高周波特性を低下させることもない。
【0014】
【実施例】以下に、本発明の好適な実施例を図面に基づ
いて説明する。尚、本発明の実施の形態は、下記の実施
例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲
に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもな
い。 [参考例1参考例1 の多層型の回路基板を図1に基づいて説明す
る。図1は参考例1の回路基板の概略断面図である。こ
の回路基板10は、アルミナを主成分とする基板11
と、この基板11に積層された複数の回路層12、12
……から構成されている。基板11の上面に設けられた
回路層12は、基板11上に形成されたチタン薄膜13
(厚さ約2000Å)と、このチタン薄膜13の上層と
して形成されたパラジウム薄膜14(厚さ約3000
Å)と、このパラジウム薄膜14の上層として形成され
た金メッキ15(厚さ約5μm)と、この金メッキ15
の上層として形成されたビアメッキ(銅)16と、金メ
ッキ15の表面及びビアメッキ16を被覆するモリブデ
ン被膜17(厚さ約3000Å)と、モリブデン被膜1
7及び金メッキ15の側面を覆うポリイミド絶縁膜18
とにより構成されている。ここで、チタン薄膜13、パ
ラジウム薄膜14、金メッキ15が本発明の配線材に相
当し、モリブデン被膜17が本発明の金属被膜に相当す
る。
【0015】次に上記回路基板10を形成する方法を図
2に基づいて説明する。図2は回路基板10の製造工程
図である。まず、基板11にチタン、パラジウムの順で
スパッタリングを施す(図2(a)参照)。続いてネガ
タイプのゴム系レジスト21を塗布し、露光・現像し、
このレジスト21上に所定パターンP1を形成する(図
2(b)参照)。続いてこの所定パターンP1に金メッ
キを施し(図2(c)参照)、前記レジスト21を除去
後ポジタイプのノボラック系レジスト22を塗布し、露
光・現像し、このレジスト22上に所定パターンP2を
形成する(図2(d)参照)。続いてこの所定パターン
P2にビアメッキ(銅)16を施し(図2(e)参
照)、前記レジスト22を除去後チタン薄膜及びパラジ
ウム薄膜のうち金メッキが施されていない部分をエッチ
ングにより除去する(図2(f)参照)。その後、モリ
ブデンをスパッタリングし(図2(g)参照)、ネガタ
イプのレジスト23を塗布し、露光・現像し、このレジ
スト23が金メッキの表面及びビアメッキ(銅)を被覆
するようにレジスト23上に所定パターンを形成する
(図2(h)参照)。そして、レジスト23で被覆され
ていないモリブデンをエッチングし、その後レジスト2
3を除去する(図2(i)参照)。モリブデンをエッチ
ングするときのエッチャントは、フェリシアン化カリウ
ム(100g/l)と水酸化カリウム(100g/l)
の混液を用いる。続いて、ポリイミド前駆体を塗布し、
所定温度(約350℃)でキュアし、ポリイミド絶縁膜
18を形成する(図2(j)参照)。これにより、1つ
の回路層12が形成される。その後、表面を研磨し、ビ
アメッキ16を表面に露出させた後、再び、同じ手順
(但し、Ti−PdスパッタリングをCr(250Å)
−Pd(3000Å)スパッタリングに変える)で回路
層12を形成していく。
【0016】尚、金メッキ15が大きなベタパターン
(例えば2〜3cm角のソリッドパターン)の場合に
は、ポリイミド絶縁膜18との接触面積が大きいので剥
がれや膨れが生じやすいため、モリブデン被膜17の存
在は特に有効となる。かかる多層型の回路基板10は、
LSIを実装する基板において高密度配線、高速信号伝
送を実現できるものであり、コンピュータのCPUモジ
ュール等に用いることができる。
【0017】かかる多層型の回路基板10によれば、以
下の効果が得られる。ビアメッキ16及び金メッキ1
5を覆うモリブデン被膜17は、ポリイミド絶縁膜18
と比較的密着性が良好であるため、ポリイミド絶縁膜1
8に膨れや剥がれが生じることはない。ポリイミド前
駆体をキュアする際に金に対して熱拡散しないため、モ
リブデン被膜17は変質することなく本来の性質のまま
である。このためモリブデン被膜17とポリイミド絶縁
膜18との密着性が悪くなることがない。モリブデン
被膜17はポリイミド前駆体のキュア時にクラックが発
生することもなく、強磁性材料でもないので高周波特性
を低下させることもない。 [参考例2参考例2 の多層型の回路基板20を図3に基づいて説明
する。図3は参考例2の回路基板の概略断面図である。
この回路基板20は、参考例1の回路基板10のモリブ
デン被膜17の上層にクロム被膜17’を設けた以外
は、参考例1と同様であるため、同じ構成要素には同じ
符号を付し、その説明を省略する。尚、参考例2では、
モリブデン被膜17及びクロム被膜17’が本発明の金
属被膜に相当する。
【0018】この参考例2の回路基板20では、モリブ
デン被膜17の上層に設けたクロム被膜17’がポリイ
ミド絶縁膜18と密着するのであるが、クロムはモリブ
デンに比べてポリイミド絶縁膜18との密着強度が高い
ため、一層信頼性が高くなる。また、クロムは金と直接
接触している場合にはポリイミド前駆体をキュアする際
に金に熱拡散してしまうが、本参考例ではクロムは金と
接触していないので金に熱拡散するおそれがない。更
に、モリブデン被膜17、クロム被膜17’はともにポ
リイミド前駆体のキュア時にクラックが発生することも
なく、強磁性材料でもないので高周波特性を低下させる
こともない。
【0019】尚、クロムとモリブデンとは同じエッチャ
ントによりエッチングされるため、本参考例の多層型の
回路基板20を形成するには、参考例1においてモリブ
デンをスパッタリングし(図2(g)参照)、その後更
にクロムをスパッタリングする工程を増やすだけでよ
い。 [実施例1実施例1 の回路基板30を図4に基づいて説明する。図
4は実施例1の回路基板の概略断面図である。実施例1
の回路基板30は、タングステンのビアホール39が設
けられた基板31と、この基板31上に形成された回路
層32から構成されている。回路層32は、基板31上
に形成されたチタン薄膜33(厚さ約2000Å)と、
このチタン薄膜33の上層として形成されたパラジウム
薄膜34(厚さ約3000Å)と、このパラジウム薄膜
34の上層として形成された金メッキ35(厚さ約5μ
m)と、基板31のうち金メッキ35などで覆われてい
ない部分を被覆すると共に金メッキ35の表面の一部を
被覆するポリイミド絶縁膜38と、ポリイミド絶縁膜3
8と金メッキ35の表面との間に形成された金属被膜
(モリブデン又はタングステン)37とにより構成され
ている。尚、金メッキ35の表面のうち金属被膜37で
被覆されていない部分を金メッキ露出面35aと称す
る。ここで、チタン薄膜33、パラジウム薄膜34、金
メッキ35が本発明の配線材に相当する。
【0020】この回路基板30のうち、ある金メッキ露
出面35aにはIC41が金−錫によりろう付けされ、
ワイヤ42、42により隣合う金メッキ露出面35aに
ボンディングされている。また、ある絶縁膜18の表面
にはチップ型コンデンサ43が配置され、このチップ型
コンデンサ43の電極は半田付けにより隣合う金メッキ
露出面35aに接続されている。
【0021】次に上記回路基板30を形成する方法を図
5に基づいて説明する。図5は実施例1の回路基板30
の製造工程図である。まず、タングステンのビアホール
39を有する基板31にチタン、パラジウムの順でスパ
ッタリングを施す(図5(a)参照)。続いてネガタイ
プのゴム系レジスト51を塗布し、露光・現像し、この
レジスト51上に所定パターンを形成した後、この所定
パターンに金メッキを施す(図5(b)参照)。続い
て、前記レジスト51を除去し、パラジウム薄膜・チタ
ン薄膜のうち金メッキで覆われていない部分をエッチン
グにより除去する(図5(c)参照)。その後、モリブ
デン(又はタングステン)をスパッタリングし、レジス
トを塗布し、露光・現像し、このレジスト上に金メッキ
の表面のみをモリブデン(又はタングステン)が被覆す
るパターンを形成し、レジストで被覆されていないモリ
ブデン(又はタングステン)をエッチングにより除去す
る(図5(d)参照)。その後、ポリイミド前駆体を塗
布し、所定温度(約350℃)でキュアし、続いてRI
E等のドライエッチングにより所定パターンを形成し、
ポリイミド絶縁膜38を形成する(図5(e)参照)。
そして、ポリイミド絶縁膜38で覆われていないモリブ
デン(又はタングステン)被膜をエッチングにより除去
して金メッキを露出させ、金メッキ露出面35aとする
(図5(f)参照)。これにより、実施例1の回路基板
30が形成される。
【0022】かかる回路基板30によれば、以下の効果
が得られる。金メッキ35を覆う金属被膜(モリブデ
ン又はタングステン)37は、ポリイミド絶縁膜38と
密着性が良好であるため、ポリイミド絶縁膜38に膨れ
や剥がれが生じることはない。モリブデン(又はタン
グステン)はポリイミド前駆体をキュアする際に金に対
して熱拡散しないため、キュア後にこれらの金属被膜を
除去して金メッキ露出面35aを形成したとき、この金
メッキ露出面35aの半田ぬれ性、W/B性が良好な状
態となる(後述の試験例参照)。モリブデン(又はタ
ングステン)は、ポリイミド前駆体のキュア時にクラッ
クが発生することがないため信頼性が高く、また、強磁
性材料でもないので高周波特性を低下させることもな
い。 [試験例] ・半田ぬれ性、W/B性について (1) 半田ぬれ性試験 テストサンプルを260℃にてSn−Pb(60%/4
0%)に10秒浸漬し、露出した金メッキ表面が90%
以上半田ぬれした場合を適、それ以外の場合を不適(N
G)と判定した。尚、フラックスはロジン系フラックス
を使用した。 (2) W/B性試験 テストサンプルにφ30μmのアルミニウムワイヤを超
音波ボンディングした後、このワイヤを引張り、ワイヤ
が切れた場合を適、ワイヤが切れずに接合が外れた場合
を不適(NG)と判定した。 (3) テストサンプル(実施例1−1、1−2、比較例1
〜3) テストサンプルは、50mm四方の基板に図5(a)〜
(f)と同様の方法により1×2mmの金メッキ露出面
を100個設けたものを用いた。
【0023】実施例1−1は金属被膜としてモリブデン
を用いたもの、実施例1−2は金属被膜としてタングス
テンを用いたものである。また、比較例1は金属被膜と
してクロム被膜を用いたもの、比較例2は金属被膜とし
てパラジウム被膜を用いたもの、比較例3は金属被膜を
形成しなかった(つまり金メッキの表面は直接ポリイミ
ド絶縁膜で覆われた後ドライエッチングにより金メッキ
露出面とされた)ものである。 (4) 試験結果 各試験結果を表1に示した。
【0024】
【表1】
【0025】上記表1から明らかなように、実施例1−
1、1−2の金メッキ露出面は半田ぬれ性・W/B性と
も極めて良好な結果が得られた。これに対して、比較例
1、2では半田ぬれ性・W/B性のいずれも良好な結果
が得られなかったが、これはポリイミド前駆体をキュア
する際の温度(約350℃)にてクロム又はパラジウム
が金に熱拡散するため、金メッキ露出面の性質が本来の
金の性質から変化したことによる。また、比較例3も半
田ぬれ性・W/B性のいずれも良好な結果が得られなか
ったが、これはドライエッチングにより除去されなかっ
たポリイミド絶縁膜が金メッキ露出面に残存したことに
よる。 [その他の実施例] 上記各実施例では、Ti・Pd・スパッタリング+金メ
ッキにより配線材を形成したが、これ以外に、例えばT
i−Cuスパッタリング+Cu・Ni・Auメッキ(2
000Å−5000Å−5μm−2μm−3μm)やC
r−Pdスパッタリング+Auメッキ(250Å−50
00Å−5μm)など、最表面に金を有する配線材であ
れば特に限定せず用いることができる。
【0026】また、上記各実施例の金属被膜としてMo
−W合金被膜を用いてもよく、この場合も上記各実施例
と同様の効果が得られる。更に、実施例1の金属被膜を
参考例2のように2層(金に接する層をモリブデン(又
はタングステン)、絶縁膜に接する層をクロム)として
もよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例1の多層型の回路基板の概略断面図で
ある。
【図2】 参考例1の多層型の回路基板の製造工程図で
ある。
【図3】 参考例2の多層型の回路基板の概略断面図で
ある。
【図4】 実施例1の回路基板の概略断面図である。
【図5】 実施例1の回路基板の製造工程図である。
【符号の説明】
10、20、30・・・回路基板、 11、31・・・
基板、 12、32・・・回路層、 13、33・・・
チタン薄膜、 14、34・・・パラジウム薄膜、 15、35・・・
金メッキ、 16・・・ビアメッキ、 17・・・モリブ
デン被膜、 18、38・・・ポリイミド絶縁膜、21、22、23
・・・レジスト、 35a・・・金メッキ露出面、 37・・・金属被
膜、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05K 1/09 H05K 3/24 H05K 3/46

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に所定パターンとなるように形成
    された配線材と、該配線材を被覆する金属被膜と、前記
    配線材及び前記金属被膜を被覆する有機高分子から成る
    絶縁膜とを備えた回路基板において、 前記配線材は、金の表面を有し、 前記金属被膜は、前記絶縁膜及び金に対する密着性に優
    れ、前記有機高分子の硬化温度で金に拡散せず且つクラ
    ックも発生せず、しかも強磁性材料でない被膜であり、 前記配線材の表面である金の一部は、一旦形成された前
    記金属被膜が除去されて露出している ことを特徴とする
    回路基板。
  2. 【請求項2】 前記金属被膜は、モリブデン、タングス
    テン、又はモリブデン−タングステンの2成分から成る
    合金により形成されたことを特徴とする請求項1記載の
    回路基板。
  3. 【請求項3】 前記金属被膜は、前記配線材の上層とし
    て設けられた第1被膜と、該第1被膜の上層として設け
    られた第2被膜とから構成され、前記第1被膜はモリブ
    デン、タングステン、又はモリブデン−タングステンの
    2成分から成る合金のいずれかで形成され、前記第2被
    膜はクロムで形成されたことを特徴とする請求項1記載
    の回路基板。
JP31071695A 1995-11-29 1995-11-29 回路基板 Expired - Fee Related JP3153115B2 (ja)

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