JP3152111B2 - 自動変速機の変速制御方法 - Google Patents

自動変速機の変速制御方法

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JP3152111B2
JP3152111B2 JP17204595A JP17204595A JP3152111B2 JP 3152111 B2 JP3152111 B2 JP 3152111B2 JP 17204595 A JP17204595 A JP 17204595A JP 17204595 A JP17204595 A JP 17204595A JP 3152111 B2 JP3152111 B2 JP 3152111B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の摩擦係合要
素に対する供給油圧をそれぞれ電子制御してこれら摩擦
係合要素を選択的に係合させることにより、複数の変速
段を達成するようにした自動変速機において、極低温時
における変速フィーリングの悪化防止を企図した変速制
御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】車両用自動変速機は、クラッチやブレー
キ等の摩擦係合要素に対して選択的に圧油を給排してク
ラッチやブレーキ等の係合状態を切り替えることによ
り、歯車変速装置内の任意の回転要素を変速機入力軸に
連結したり変速機ケーシングに対して固定し、変速比の
切替えを車両の運転状態に応じて自動的に行うようにし
たものである。このような自動変速機においては、各種
装置や機器等の保護並びに快適な乗り心地維持のため、
変速時のショックが小さいことが要求される。そこで、
摩擦係合要素に対する圧油の圧力やその給排タイミング
等を適切に電子制御することにより、変速ショックの軽
減を企図した自動変速機が種々提案されている(特開平
5-172231号公報や特開平6-331012号等)。
【0003】従来の自動変速機では、現変速段から目標
変速段にシフトさせる場合には、所定のプログラムに従
ってコントローラの指令により、現変速段を達成させて
いる摩擦係合要素(解放側摩擦係合要素)の係合を解除
すると共に、目標変速段を達成させる摩擦係合要素(結
合側摩擦係合要素)を係合させ、トランスミッションの
入力軸の回転速度の変化率を、目標回転速度変化率に等
しくなるように減少させ、解放側摩擦係合要素と結合側
摩擦係合要素のつかみ替え操作を実施する。これによ
り、エンジントルクの伝達経路が解放側摩擦係合要素か
ら結合側摩擦係合要素に切り替えられる。各摩擦係合要
素への油圧の給排は、電磁弁のデューティ率をコントロ
ーラの指令により0から100%の間で変化させて最適
な油圧力でもって制御される。尚、デューティ率が0%
の場合は電磁弁が連続的に消磁状態となって油圧が排出
され、デューティ率が100%の場合は電磁弁が連続的
に励磁状態となって最大油圧が供給されるようになって
いる。
【0004】図7にはパワーオン、即ち、アクセルペダ
ルが踏み込まれた状態において低速段から高速段へのア
ップシフトを行なう場合の解放側摩擦係合要素と結合側
摩擦係合要素のつかみ替え操作におけるタイムチャート
を示してある。図に示したように、解放側摩擦係合要素
と結合側摩擦係合要素のつかみ替え操作においては、解
放側摩擦係合要素の電磁弁のデューティ率を0%にして
油圧を排出させ(b)、解放側摩擦係合要素がスリップを
開始するまでの時間tRをマップ値や学習値によって演
算し(a)、この時間tRより所定時間tcだけ前にガタづ
めtFが終了するようなタイミングで、結合側摩擦係合
要素の電磁弁のデューティ率を100%にして油圧の供
給を開始する。尚、ガタづめとは、結合側摩擦係合要素
を解放状態から結合直前の状態、つまり、各摩擦係合板
同士のクリアランスを略0とした状態に移行させる操作
をいう。このガタづめ操作に続いて所定デューティ率に
よる油圧供給がなされ、その後、前述したように入力軸
の回転速度変化率を目標回転速度変化率に追従させるよ
うに油圧のフィードバック制御が行なわれる(c)。これ
により、図7(a)に実線で示したように、解放側摩擦係
合要素の油圧の排出が完了する時期に応じて結合側摩擦
係合要素に油圧が供給され始め、ショックのない状態で
目標変速段が確立される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の自動変速機で
は、解放側摩擦係合要素と結合側摩擦係合要素のつかみ
替え操作時に、解放側摩擦係合要素がスリップを開始す
るまでの時間tRを基にして結合側摩擦係合要素へ油圧
を供給するようにしている。しかし、摩擦係合要素は油
圧によって動作するようになっているため、油温が低い
場合には油の排出が遅くなる等動作特性が変化する。特
に、極低温時(例えば−10度以下)の始動直後の変速
操作時には、図7(a)中に点線で示したように、解放側
摩擦係合要素の油圧の排出が遅れてしまい、演算された
時間tRではスリップを開始しないことがある。これ
は、低温時に油自体の粘性が上がって排出されにくくな
るためと、解放側摩擦係合要素の動作部に油が粘着して
油の排出及び動作部の動作を阻害するためであり、極低
温時の始動直後の変速操作時には油の排出が極端に遅く
なってしまう。
【0006】解放側摩擦係合要素が演算された時間tR
でスリップを開始しないと、結合側摩擦係合要素への油
圧の供給が早過ぎる結果となってしまい両方の摩擦係合
要素が係合してしまう状態になる虞があった。解放側摩
擦係合要素と結合側摩擦係合要素の係合の重複時間が長
くなると、制動感が生じて変速フィーリングが損なわれ
ていまい、変速ショックを引き起こす虞となっていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の変速制御方法は、エンジンに連結され、複数
の摩擦係合要素に対する作動油の給排を電子制御してこ
れら摩擦係合要素を選択的に係合させることにより、複
数の変速段を達成するようにした車両用自動変速機にお
いて、油圧の排出により第1摩擦係合要素を解放して、
油圧の供給により第2摩擦係合要素を係合することによ
り行なわれる低速段から高速段への変速時に、上記第1
摩擦係合要素の解放状態に応じて第2摩擦係合要素への
油圧の供給時期を設定し、上記作動油が低温状態であっ
て、且つ上記低速段から上記高速段への変速が上記エン
ジンの始動後最初に行なわれる場合には、上記第2摩擦
係合要素への油圧の供給時期を、上記解放状態に応じて
設定される供給時期よりも遅くなるように設定したこと
を特徴とする。そして、上記第1摩擦係合要素の解放状
態が、上記エンジンの運転状態、前回の変速状態及び上
記作動油の温度のうちの少なくとも1つによって判定さ
れることを特徴とする
【0008】低温時に運転開始から一度も動作されてい
ない摩擦係合要素は、動作部の動作が阻害されていると
共に油自体の粘性が上がって油圧の排出が遅れる。高速
段側で係合する摩擦係合要素への油圧の供給時期を、供
給油圧の油温が所定温度よりも低く且つ機関の始動後最
初に低速段から高速段への変速を行なう際に遅らせたこ
とにより、低温時に低速段側で係合している摩擦係合要
素からの油圧の排出が遅れても、高速段側で係合する摩
擦係合要素への油圧の供給時期が早過ぎることがない。
【0009】
【発明の実施の形態】図1には本発明の一実施例に係る
変速制御方法が適用される自動変速機の概略構成、図2
には変速段に対する摩擦係合要素の係合状態、図3には
油圧制御装置の要部構成、図4には1速段から2速段へ
の変速時のタイムチャート、図5には1速段から2速段
への変速時の制御フローチャート、図6には油温と補正
係数との関係を表すグラフを示してある。
【0010】図1に基づいて自動変速機の構成を説明す
る。図示の自動変速機は、図示しないエンジンのクラン
ク軸1がトルクコンバータ2のポンプ3に一体的に連結
されており、トルクコンバータ2は、ポンプ3とタービ
ン4とケース5に連結されたステータ6とから構成され
ている。タービン4に伝えられたエンジンからのトルク
は、入力軸7によってその後部に配設された前進4段後
進1段の変速段を達成する歯車変速機構に伝達される。
【0011】この歯車変速機構は、摩擦係合要素として
の第1乃至第3の3組のクラッチ8〜10と、摩擦係合
要素としての第1及び第2の2組のブレーキ11,12
と、第1及び第2の2組の遊星歯車機構13,14とか
ら構成されている。第1遊星歯車機構13は、リングギ
ヤ15及びピニオン16及びサンギヤ17と、ピニオン
16を回転自在に支持すると共に自身も回転自在なキャ
リア18とから構成されている。また、第2遊星歯車機
構14は、第1遊星歯車機構13に対して直列的に配置
されており、リングギヤ19及びピニオン20及びサン
ギヤ21と、ピニオン20を回転自在に支持すると共に
自身も回転自在なキャリア22とから構成されている。
【0012】第1遊星歯車機構13のサンギヤ17は第
1クラッチ8を介して入力軸7に連結され、第1遊星歯
車機構13のキャリア18にはギヤ23が設けられてお
り、ギヤ23は出力軸24のギヤ25に噛み合ってい
る。出力軸24にはギヤ26が設けられ、ギヤ26はデ
ファレンシャルキャリア27のギヤ28に噛み合い、出
力軸24の回転力がデファレンシャルキャリア27に伝
達される。第1遊星歯車機構13のリングギヤ15は第
2遊星歯車機構14のキャリア22に直結され、リング
ギヤ15は第2ブレーキ12によってケース5と一体的
に連結可能となっている。
【0013】第2遊星歯車機構14のキャリヤ22は第
2クラッチ9を介して入力軸7に連結され、第2遊星歯
車機構14のサンギヤ21は第3クラッチ10を介して
入力軸7に連結される。また、サンギヤ21は第1ブレ
ーキ11によってケース5と一体的に連結可能となって
いる。
【0014】摩擦係合要素である第1乃至第3クラッチ
8〜10及び第1ブレーキ11、第2ブレーキ12は、
それぞれ係合用ピストン装置或いはサーボ装置等を備え
た油圧機器で構成され、トルクコンバータ2のポンプ3
に連結された図示しないオイルポンプで発生する圧油に
よって、図示しない油圧制御装置を介して選択的に操作
される。油圧制御装置は、運転者によって選択された変
速レバーの位置と、車両の運転状態(車速やスロットル
開度)とに応じたコントローラからの指令に基づいて動
作し、種々の変速段が自動的に達成される。
【0015】本自動変速機において、各摩擦係合要素が
各変速段についてどのように働くかは、図2に示す通り
である。図中の符号で○印は油圧作動によって係合状態
にあり−印は解放状態にあることを示してある。例え
ば、1速段から2速段への変速は、第2ブレーキ12の
解放と第1ブレーキ11の係合、即ち、第2ブレーキ1
2から第1ブレーキ11へのつかみ替えによって達成さ
れる。
【0016】1速段から2速段への変速を達成する油圧
制御装置の要部を図3に基づいて説明する。図に示すよ
うに、第2ブレーキ12の作動を制御する第2ブレーキ
用サーボ31にはライン圧を調圧する第2圧力コントロ
ールバルブ38が油路33を介して連通しており、第1
ブレーキ11の作動を制御する第1ブレーキ用サーボ3
4には同様にライン圧を調圧する第1圧力コントロール
バルブ40が油路36を介して連通している。また、第
2圧力コントロールバルブ38及び第1圧力コントロー
ルバルブ40にはそれぞれ第2ブレーキ用電磁弁32及
び第1ブレーキ用電磁弁35が連通しており、第2ブレ
ーキ用電磁弁32及び第1ブレーキ用電磁弁35ははコ
ントローラ37からの指令に基づいてデューティー制御
される。従って、コントローラ37の指令により第2ブ
レーキ用電磁弁32及び第1ブレーキ用電磁弁35がデ
ューティー制御され、これにより、第2圧力コントロー
ルバルブ38及び第1圧力コントロールバルブ40がラ
イン圧を所定の圧力に調圧して第2ブレーキ用サーボ3
1及び第1ブレーキ用サーボ34に供給し、第2ブレー
キ12及び第1ブレーキ11の作動が制御される。図
中、40、41は第2ブレーキ12及び第1ブレーキ1
1への油路33、36に配設されたアキュムレータであ
り、アキュムレータ40、41によって第2ブレーキ1
2及び第1ブレーキ11への圧油の脈動が吸収される。
【0017】デューティー率が0%の場合、第2ブレー
キ用電磁弁32及び第1ブレーキ用電磁弁35は連続的
な消磁状態となって作動が停止され、第2ブレーキ用サ
ーボ31及び第1ブレーキ用サーボ34への油圧が排出
される。また、デューティー率が100%の場合、第2
ブレーキ用電磁弁32及び第1ブレーキ用電磁弁35は
連続的な励磁状態となり、第2ブレーキ用サーボ31及
び第1ブレーキ用サーボ34には最高圧力の油圧が供給
される。従って、コントローラ37により第2ブレーキ
用電磁弁32及び第1ブレーキ用電磁弁35のデューテ
ィー率を0%〜100%の間で制御することにより、第
2ブレーキ用サーボ31及び第1ブレーキ用サーボ34
への油圧が適宜な圧力で調整・制御できる。
【0018】1速段(低速段)の達成状態では、第1ク
ラッチ8用の電磁弁(図示省略)及び第2ブレーキ用電
磁弁32が励磁され(デューティー率100%)、ライ
ン圧が減圧されずに油路33に供給されてライン圧がそ
のまま第2ブレーキ用サーボ31に供給され、第2ブレ
ーキ12が係合状態にされる。同様に第1クラッチ8が
係合状態にされると共に第2クラッチ9、第3クラッチ
10及び第1ブレーキ11が解放状態にされている。
【0019】この状態から2速段(高速段)への変速を
行なう場合、第2ブレーキ12(第1摩擦係合要素)
ら第1ブレーキ11(第2摩擦係合要素)へのつかみ替
えによって変速が達成される。2速段への変速の状況を
図4に基づいて説明する。(b)に示したように、2速段
への変速指令により、第2ブレーキ用電磁弁32のデュ
ーティー率が0%になり、(a)に示したように、第2ブ
レーキ用サーボ31に供給されている油圧が徐々に低下
し始める。油圧が低下すると、第2ブレーキ12の係合
が解除されてスリップを開始する。第2ブレーキ12が
スリップを開始するまでの時間tR は、エンジントルク
の情報に応じてマップにより設定された解放時間マップ
値tROと、前回までの解放時間の情報に応じて補正され
る解放時間学習値tRLと、温度(例えば−40度以上)
に応じてマップにより設定された油温補正量Kt とによ
って以下に示した(1)式によって演算される。 tR =(tRO+tRL)・Kt ・・・(1)
【0020】第2ブレーキ12のスリップ開始までの時
間tRに基づいて、(c)に示したように、第1ブレーキ用
電磁弁35のデューティー率が100%になり、(a)に
示したように、第1ブレーキ用サーボ34へ供給される
油圧が徐々に上昇し始めて第1ブレーキ11が係合状態
にされる。このように、第2ブレーキ12が解放される
と共に第1ブレーキ11が係合状態にされることによ
り、1速段から2速段への変速が達成される。
【0021】上述した自動変速機では、極低温時(−1
0度以下:所定温度以下)の始動直後には、第2ブレー
キ12がスリップを開始するまでの時間tRを補正して
第1ブレーキ11の係合を開始するようにしている。即
ち、極低温時の始動直後においては、油の粘度や第2ブ
レーキ12の動作遅れ等によって、図4(a)に一点鎖線
で示したように、油圧の排出が極端に遅くなって第2ブ
レーキ12の解放が遅くなってしまう。このため、第1
ブレーキ11の係合開始をそれに応じて遅らせるように
している。図4乃至図6に基づいて極低温時の始動直後
における2速段への変速の作用を説明する。
【0022】図5に示したように、1速段から2速段へ
の変速指令があった場合、自動変速機の油温TOを検出
する。ステップS1で油温TOが−10度以下か否かが
判断され、油温TOが−10度以下ではないと判断され
た場合、極低温時ではないので、ステップS2で第2ブ
レーキ12のスリップ開始までの時間tRを前述した
(1)式によって演算する。極低温時ではない場合、
(1)式によって演算された時間tR に基づいて第1ブ
レーキ11を係合させる。
【0023】ステップS1で油温TOが−10度以下で
あると判断された場合、ステップS3で始動直後の変速
か否かが判断され、始動直後ではない場合、ステップS
2に進んで極低温時であっても(1)式によって演算さ
れた時間tRに基づいて第1ブレーキ11を係合させ
る。ステップS3で始動直後であると判断された場合、
極低温時の始動直後の変速では、図4(a)に一点鎖線で
示したように、油圧の排出が極端に遅くなって第2ブレ
ーキ12の解放が遅くなるので、ステップS4で第2ブ
レーキ12のスリップ開始までの補正時間TRが(2)
式によって演算される。 TR =tR ・Ktcld ・・・(2) ここでKtcldは、極低温時における油温補正量であり、
図6に示したように、油温に応じて予め設定された一定
値であり、油温が低くなるにしたがって大きな値に設定
されている。このため、補正時間TRは時間tRに比較し
て長くなる。
【0024】極低温時の始動直後の変速の場合、(2)
式によって演算された補正時間TRに基づいて第1ブレ
ーキ11を係合させる。つまり、図4(a),(c)に一点鎖
線で示したように、補正時間TR に基づいて第1ブレー
キ用電磁弁35のデューティー率を100%にする時期
を変更し、第1ブレーキ11を係合させる時期を遅らせ
る。これにより、第2ブレーキ12の油圧が十分に排出
されないまま第1ブレーキ11が係合してしまうことが
なくなる。
【0025】極低温時の始動直後の場合にのみ補正時間
Rに基づいて第1ブレーキ11を係合させる時期を遅
らせる、即ち、極低温時であっても始動直後でない場合
には時間tRに基づいて第1ブレーキ11を係合させる
理由を説明する。極低温時であっても2回目以降の変速
の場合、第2ブレーキ12の油圧の排出は油の粘度特性
だけに依存して動作遅れは無関係になるので、図4(a)
に一点鎖線で示したように、油圧の排出が極端に遅くな
ることはない(実線の状態に較べると多少は遅くな
る)。このため、極低温時であっても始動直後でない場
合に補正時間TRに基づいて第1ブレーキ11を係合さ
せると、逆に第2ブレーキ12の油圧の排出に対して第
1ブレーキ11の係合遅れが発生してしまう。
【0026】第1ブレーキ11に係合遅れが生じると、
タービン軸の回転速度が一時的に上昇しそれを抑えるた
め、図4(a),(b)に点線で示したように、第2ブレーキ
用電磁弁32のデューティー率が一時的に100%にな
って第2ブレーキ12の油圧を上昇させて第2ブレーキ
12の係合を保持する。第1ブレーキ11が係合するま
でこの制御が繰り返され、第1ブレーキ11が係合する
まで第2ブレーキ12の係合及び解放動作が繰り返され
る。このため、第1ブレーキ11に係合遅れが生じる
と、変速時間が長くなると共に変速ショックが生じてし
まう。
【0027】このようなことから、油圧の排出が極端に
遅くなる極低温時の始動直後の場合にのみ補正時間TR
に基づいて第1ブレーキ11を係合させる時期を遅ら
せ、第2ブレーキ12の油圧が十分に排出されないまま
第1ブレーキ11が係合して変速フィーリングを悪化さ
せることを防止し、更に、極低温時であっても始動直後
でない場合には時間tR に基づいて第1ブレーキ11を
係合させて係合遅れが生じないようにしている。
【0028】従って、上述した変速制御方法によると、
第2ブレーキ12の油圧の排出が極端に遅くなる極低温
時の始動直後の場合に、補正時間TRに基づいて第1ブ
レーキ11を係合させる時期を遅らせるようにしたの
で、第2ブレーキ12の油圧が排出されない状態で第1
ブレーキ11が係合することがなくなり、制動感が生じ
て変速フィーリングが損なわれ、変速ショックを引き起
こす虞がない。また、極低温時であっても始動直後でな
い場合には時間tR に基づいて第1ブレーキ11を係合
させるようにしたので、第2ブレーキ12の油圧の排出
が極端に遅くなることがない場合に第1ブレーキ11に
係合遅れが生じることがなく、変速時間が長くなったり
変速ショックが発生することがない。
【0029】尚、上記一実施例では、1速段から2速段
への変速を例に挙げて説明したが、他の変速段において
も同様に実施することができる。また、油温TOの検出
を行なう場合、油の温度を直接検出したりバルブボデー
の温度に基づいて油の温度を検出することが考えられ
る。
【0030】
【発明の効果】本発明の自動変速機の変速制御方法は、
低速段側で係合している摩擦係合要素からの油圧の排出
時期に応じて高速段側で係合する摩擦係合要素への油圧
の供給時期を設定し、油圧の供給時期を、供給油圧の油
温が所定温度よりも低く且つ機関の始動後最初に低速段
から高速段への変速を行なう際に遅らせたので、低速段
側で係合している摩擦係合要素からの油圧の排出が遅れ
ても、油圧の排出遅れに合わせて高速段側で係合する摩
擦係合要素への油圧の供給時期を遅らせることが可能と
なる。この結果、低温時に運転開始から一度も動作され
ておらずに動作部の動作が阻害されていると共に油自体
の粘性が上がって油圧の排出が遅れる状態にある摩擦係
合要素による変速時に、摩擦係合要素の係合の重複時間
が長くなることがなくなり、変速ショックのないスムー
ズな変速操作が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る変速制御方法が適用さ
れる自動変速機の概略構成図。
【図2】変速段に対する摩擦係合要素の係合状態を表す
作動エレメント図。
【図3】油圧制御装置の要部構成図。
【図4】1速段から2速段への変速時のタイムチャー
ト。
【図5】1速段から2速段への変速時の制御フローチャ
ート。
【図6】油温と補正係数との関係を表すグラフ。
【図7】従来の変速制御方法による1速段から2速段へ
の変速時のタイムチャート。
【符号の説明】
1 クランク軸 2 トルクコンバータ 3 ポンプ 4 タービン 5 ケース 6 ステータ 7 入力軸 8 第1クラッチ 9 第2クラッチ 10 第3クラッチ 11 第1ブレーキ 12 第2ブレーキ 13 第1遊星歯車 14 第2遊星歯車 15 リングギヤ 16 ピニオン 17 サンギヤ 18 キャリア 19 リングギヤ 20 ピニオン 21 サンギヤ 22 キャリア 23 ギヤ 24 出力軸 25 ギヤ 26 ギヤ 27 デファレンシャルキャリア 28 ギヤ 31 第2ブレーキ用サーボ 32 第2ブレーキ用電磁弁 33 油路 34 第1ブレーキ用サーボ 35 第1ブレーキ用電磁弁 36 油路 37 コントローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 61/08 F16H 59:72

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンに連結され、複数の摩擦係合要
    素に対する作動油の給排を電子制御してこれら摩擦係合
    要素を選択的に係合させることにより、複数の変速段を
    達成するようにした車両用自動変速機において、油圧の排出により第1摩擦係合要素を解放して、油圧の
    供給により第2摩擦係合要素を係合することにより行な
    われる低速段から高速段への変速時に、 上記第1摩擦係合要素の解放状態に応じて第2摩擦係合
    要素への油圧の供給時期を設定し、 上記作動油が低温状態であって、且つ上記低速段から上
    記高速段への変速が上記エンジンの始動後最初に行なわ
    れる場合には、上記第2摩擦係合要素への油圧の供給時
    期を、上記解放状態に応じて設定される供給時期よりも
    遅くなるように設定した ことを特徴とする自動変速機の
    変速制御方法。
  2. 【請求項2】 上記第1摩擦係合要素の解放状態が、上
    記エンジンの運転状態、前回の変速状態及び上記作動油
    の温度のうちの少なくとも1つによって判定されること
    を特徴とする請求項1に記載の自動変速機の変速制御方
    法。
JP17204595A 1995-07-07 1995-07-07 自動変速機の変速制御方法 Expired - Fee Related JP3152111B2 (ja)

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