JP3151062B2 - 芳香族ポリカーボネート積層体 - Google Patents

芳香族ポリカーボネート積層体

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JP3151062B2 JP23176392A JP23176392A JP3151062B2 JP 3151062 B2 JP3151062 B2 JP 3151062B2 JP 23176392 A JP23176392 A JP 23176392A JP 23176392 A JP23176392 A JP 23176392A JP 3151062 B2 JP3151062 B2 JP 3151062B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、芳香族ポリカーボネー
ト層、接着剤層、及びガラス層又は透明樹脂層を含む、
少くとも3層から成る新規な積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリカーボネートをガラス又は他
の透明樹脂と接着させて積層体とする試みは、これまで
に多くなされてきているが、十分に満足するものが得ら
れていなかった。そして、これらの試みの殆どのもの
は、接着剤の開発に関するものであった。例えば、いわ
ゆる安全ガラス、あるいは軽量化ガラスや防犯ガラス等
の用途に好適な芳香族ポリカーボネートとガラスとの積
層体を得る目的で種々の接着剤に関する検討がなされて
いる。
【0003】この様な接着剤には、ガラスや芳香族ポリ
カーボネートに対する接着性の他、透明性、耐候性、耐
水性が不可欠であり、また耐熱性や耐熱水性も要求され
る。更にガラス板と芳香族ポリカーボネートシートの様
に、熱膨張係数が異なる大面積の板の積層体を製造する
場合、熱膨張又は収縮による歪みを吸収する為に、硬化
後に軟質でかつ、機械的性質、特に伸びの大きい接着剤
層が得られる事が必要である。
【0004】この様な接着剤としては、例えば特開昭5
2−132096号公報に示されている様にポリカーボ
ネートジオール変性ポリウレタンをフィルム状に成形し
てガラスと芳香族ポリカーボネートシートとの接着剤層
として用いることが提案されているが、このような樹脂
を接着剤として使用する場合には、高温または長時間の
加熱により硬化接着させなければならず、このような接
着条件下においては、芳香族ポリカーボネートシートが
接着剤によって浸されて失透したり、接着剤層が発泡し
たりして、安全ガラスとしての用途には適していないと
いう問題があった。
【0005】また、特開昭56−28213号公報に
は、アクリル化ポリカーボネート系ウレタンを紫外線照
射によって硬化させ、無溶剤型塗料として用いることが
開示されている。しかし、この様な共重合体をガラス板
等の接着剤として使用した場合には、十分な接着性が得
られないという問題点を有していた。また、特開昭50
−69182号公報には、ポリシロキサンと芳香族ポリ
カーボネートのブロック共重合体をガラスと芳香族ポリ
カーボネートの積層体の接着剤として使用することが開
示されている。しかし、上記接着剤からなる層は、耐衝
撃性は極めて優れているが、ガラスに対する接着性が低
いと言う問題があった。
【0006】さらに、特開昭60−51766号公報に
芳香族ポリカーボネートシートとガラス板を貼合わせる
為のポリカーボネート変性ウレタンアクリレート接着剤
について開示されている。しかし、用いているポリカー
ボネートジオールが結晶性の為、硬化物が十分な弾性を
有せず、ガラス板と芳香族ポリカーボネートシートの熱
膨張または収縮による歪みを吸収させる為に、ポリエス
テルジオールやポリエーテルジオールを併用せざるを得
ない。その為にせっかく耐加水分解性の良好なポリカー
ボネートジオールを用いたにもかかわらず、結果として
は満足出来る物性は得られていなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は透明性及び耐
衝撃性に優れた積層体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこのような
将来の接着剤の持つ欠点をなくすことに着目し、種々検
討した結果、柔軟性に富み、耐熱性、耐加水分解性並び
にガラスや芳香族ポリカーボネートシートに対する接着
性に優れたウレタンアクリレート接着剤を見出すことが
でき、先に出願した(特願平3−49443号)。本発
明者らはさらに優れた積層体を得るべく、これまで殆ど
検討されていなかった主要構成要素材である芳香族ポリ
カーボネートについても詳細に検討を重ねた結果、特殊
な芳香族ポリカーボネートと共に見出した接着剤とを組
み合わせることによって、目的の積層体が得られること
を見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明は、(イ)芳香族ポリカーボ
ネート層、(ロ)接着剤層、及び(ハ)ガラス層又は透
明樹脂層を含む、少くとも3層から成る積層体におい
て、(1)上記芳香族ポリカーボネートが35000以
上の重量平均分子量を有する高分子量芳香族ポリカーボ
ネートであること、及び(2)上記接着剤が下記、
、、を反応させて得られるウレタンアクリレート
オリゴマー(I)、 繰り返し単位が、下記化2からなり、(a)と(b)
の割合が7:3〜3:7で、(a)、(b)、(c)の
総量に対して、(c)の一種または二種以上の合計が0
〜10%である(但し、該%および割合は、繰り返し単
位の個数で示す。)脂肪族ポリカーボネート系ジオール
10〜2000重量部、
【0010】
【化2】
【0011】水酸基含有アクリレート又はメタアクリ
レート100重量部、 活性水素基含有アルコキシシラン0.05〜50重量
部、 〜に含有される活性水素原子の総モル数に対して
70〜100モル%に相当する量のイソシアネート基を
含む有機ポリイソシアネート、 及び反応性希釈剤(II)よりなり、(II)が(I)
に対して10〜500重量%配合されてなるウレタンア
クリレート系接着剤であることを特徴とする芳香族ポリ
カーボネート積層体を提供することにある。
【0012】本発明の積層体を構成する芳香族ポリカー
ボネート層に用いられる芳香族ポリカーボネートはその
重量平均分子量が35000以上であることが必要であ
る。このような芳香族ポリカーボネートは、通常市販さ
れている芳香族ポリカーボネート樹脂やシートよりも高
分子量のものである。重量平均分子量が35000より
も小さい芳香族ポリカーボネートはウレタンアクリレー
ト系接着剤を形成する成分により侵され、白化する場合
があるが、35000以上の重量平均分子量を持つ芳香
族ポリカーボネートは耐薬品性が向上し、白化し難くな
ることがわかった。重量平均分子量が高くなる程、より
耐薬品性が良好になることから、本発明で用いられる芳
香族ポリカーボネートの重量平均分子量の上限として
は、特に限定されないが、約300000程度であり、
これより大きい場合は、溶融粘度が高くなり過ぎシート
状などに成形する場合の成形性が低下する。
【0013】このような理由から、本発明で用いられる
芳香族ポリカーボネートの重量平均分子量は35000
〜300000の範囲であり、好ましくは40000〜
100000、より好ましくは40000〜8000
0、特に好ましくは45000〜70000の範囲であ
る。このような高分子量芳香族ポリカーボネートは、公
知の方法、例えば、ホスゲン法や溶融法で製造されたも
のであってもよいが、いずれの場合も工業的に製造する
には困難を伴い、高品質のポリカーボネートが得られ難
い。例えば、ホスゲン法の場合には、塩化メチレンなど
の塩素系溶剤を大量に用いた高希釈下で、重合反応を行
なわなければならず、またこの重合溶媒や副生物である
塩化ナトリウムをポリマーから分離するのが非常に困難
であるために、実質上、塩素系不純物やナトリウム化合
物を大量に含有した低品質のものしか得られない。
【0014】このような塩素系不純物を含む芳香族ポリ
カーボネートでは耐熱性・耐候性が劣り好ましくないけ
れども、本発明に必要な範囲の分子量のポリマーであれ
ば、本発明に使用することは可能である。また、溶融法
の場合、重合反応が進み、高分子量化するに従って芳香
族ポリカーボネートの溶融粘度が極端に増大してくるた
め、高温・高真空下で長時間反応させる必要がある。こ
のため着色したポリマーしか得られないなどの欠点を有
し、また実質的に、本発明に必要な高分子量の芳香族ポ
リカーボネートを得ることは困難である。しかしなが
ら、もしも分子量を上げることができるのであれば、こ
の方法によって製造されたものでも使用可能である。
【0015】このように既存の方法では、実質的に本発
明に必要な高分子量の芳香族ポリカーボネートは得られ
難いが、本発明者らが先に提案した固相重合法(特開平
1−158033号公報、特開平1−271426号公
報、特開平3−68627号公報等)を用いれば、高品
質で高分子量の芳香族ポリカーボネートが容易に得ら
れ、また、必要であればこの樹脂を用いて、特開平4−
28716号公報に記載の方法により、高分子量芳香族
ポリカーボネートシートに成形することもできる。
【0016】本発明に用いられる芳香族ポリカーボネー
トは、式(1)で表される繰り返し単位からなる主鎖を
有するポリカーボネートから成っている。
【0017】
【化3】
【0018】〔式中、Arは、二価の芳香族残基であ
り、例えば、フェニレン、ナフチレン、ビフェニレン、
ピリジレンや、式(2)で表されるものが挙げられ
る。〕 −Ar1 −Y−Ar2 − (2) 〔式中、Ar1 及びAr2 は、それぞれアリーレン基で
あって、例えばフェニレン、ナフチレン、ビフェニレ
ン、ピリジレン等の基を表わし、Yは下記化4で表わさ
れるアルキレン基または置換アルキレン基である。〕
【0019】
【化4】
【0020】また、式(3)で示される二価の芳香族残
基を共重合体成分として含有していても良い。 −Ar1 −Z−Ar2 − (3) 〔式中、Ar1 、Ar2 は前記と同じであり、Zは単な
る結合、又は−O−、−CO−、−S−、−SO2 −、
−CO2 −、−CON(R1 )(R2 )−(R 1 、R2
は前記と同様)等の二価の基である。〕これら二価の芳
香族残基の例としては、例えば、下記の化5、化6、化
7で表されるもの等が挙げられる。
【0021】
【化5】
【0022】
【化6】
【0023】
【化7】
【0024】〔式中、R5 およびR6 は、それぞれ水
素、ハロゲン、C1 〜C10アルキル基、C1 〜C10アル
コキシ基、C5 〜C10シクロアルキル基又はフェニル基
であって、m及びnは1〜4の整数で、mが2〜4の場
合には各R5 はそれぞれ同一でも異なるものであっても
よいし、nが2〜4の場合は各R6 はそれぞれ同一でも
異なるものであってもよい。〕なかでも、下記式で表さ
れるものが好ましい一例である。
【0025】
【化8】
【0026】特に、上記の化8をArとする繰り返しユ
ニットを85モル%以上含むものが好ましい。また、本
発明の芳香族ポリカーボネートは、三価以上の芳香族残
基を共重合成分として含有していても良い。ポリマー末
端の分子構造は特に限定されないが、ヒドロキシル基、
アリールカーボネート基、アルキルカーボネート基から
選ばれた1種以上の末端基を結合することができる。
【0027】アリールカーボネート基末端は下記式
【0028】
【化9】
【0029】〔式中、Ar3 は一価の芳香族残基。芳香
環は、置換されていてもよい。〕で表され、具体例とし
ては、例えば、
【0030】
【化10】
【0031】等が挙げられる。アルキルカーボネート基
末端は、下式
【0032】
【化11】
【0033】〔式中、R7 は炭素数1〜20の直鎖もし
くは分岐アルキル基〕で表され、具体例としては、例え
ば、
【0034】
【化12】
【0035】等が挙げられる。これらの中で、フェニル
カーボネート基、p−t−ブチルフェニルカーボネート
基、p−クミルフェニルカーボネート基等が好ましく用
いられる。ヒドロキシル基末端は、耐熱性、耐熱水性を
低下させるため、極力少ない方が好ましい。本発明で用
いられる芳香族ポリカーボネートには、通常用いられて
いる添加剤、例えば熱安定剤、離型剤、着色剤、耐候性
向上剤などが含まれていてもよい。
【0036】このような熱安定剤としては、例えば特開
平3−163160号公報、特開平3−163161号
公報等に記載されたリン系安定剤が特に好ましく用いら
れる。また耐候性向上剤としては、例えば2−ヒドロキ
シ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4
−オクチロキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキ
シ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロ
キシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、等のベン
ゾフェノン系、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチル
フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキ
シ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェニル)5−ク
ロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−
3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)5−クロロベン
ゾトリアゾール、2−(3,5′−t−アミルヒドロキ
シフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロ
キシ−5′−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ビス(α,
α−ジメチルベンジル)フェニル−2H−ベンゾトリア
ゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t
−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−
ヒドロキシ−3′−ラウリル−5′−メチルフェニル)
ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系、ビス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セ
バケート等のヒンダードアミン系等が挙げられる。これ
らの耐候性向上剤は1種又は2種以上を組み合わせて用
いることができる。本発明の積層体が太陽光を受ける場
所で使用されるものであるならば、耐候性が高いことが
必要であり、特に紫外線等による黄変を防止するため
に、このような耐候性向上剤を含有しているものが特に
好ましい。
【0037】なお、本発明でいう芳香族ポリカーボネー
トの重量平均分子量(Mw)とは、ゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィー(GPC)法を用いて測定したも
のであって、テトラヒドロフラン溶媒、ポリスチレンゲ
ルを使用し、標準単分散ポリスチレンの較正曲線から下
式による換算分子量較正曲線を用いて求めたものであ
る。
【0038】Mpc=0.3591Mps 1.0388 (Mpcは芳香族ポリカーボネートの分子量、Mpsはポリ
スチレン分子量)本発明の積層体を構成する接着剤層と
して用いられるウレタンアクリレート系接着剤とは、下
記、、、を反応させて得られるウレタンアクリ
レートオリゴマー(I)、 繰り返し単位が、下記化13からなり、(a)と
(b)の割合が7:3〜3:7で(a)、(b)、
(c)の総量に対して、(c)の一種または二種以上の
合計が0〜10%である(但し、該%および割合は、繰
り返し単位の個数を示す。)脂肪族ポリカーボネート系
ジオール10〜2000重量部、
【0039】
【化13】
【0040】水酸基含有(メタ)アクリレート100
重量部、 活性水素基含有アルコキシシラン0.05〜50重量
部 〜に含有される活性水素原子の総モル数に対し7
0〜100モル%に相当する量のイソシアネート基を含
む有機ポリイソシアネート、 及び反応性希釈剤(II)よりなり、(II)が(I)
に対して10〜500重量%配合されてなることを特徴
とするウレタンアクリレート系接着剤のことである。
【0041】このウレタンアクリレート系接着剤を製造
するのに用いられる脂肪族ポリカーボネート系ジオール
は、どのような方法で製造されたものであってもよく、
例えば1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオ
ール、および1,6−ヘキサンジオールから選ばれた2
種類のジオールを所定の割合に混合し、必要に応じて下
記式4 HO−R1 −O−R″−OH (4) (R′、R″は前記の通り)で表わされるエーテル結合
を有するジオール類を所定量加えたジオール混合物とカ
ルボニル化剤とを反応させることによって、容易に得ら
れる。このようなカルボニル化試剤としては、ホスゲン
及びその多量体類;ジメチルカーボネート、ジエチルカ
ーボネートなどのジアルキルカーボネート類;メチルフ
ェニルカーボネートなどのアルキルカーボネート類;ジ
フェニルカーボネートなどのジアリールカーボネート
類;エチレンカーボネート、1,3−プロピレンカーボ
ネート、1,4−ブチレンカーボネートなどの環状カー
ボネート類;一酸化炭素と酸化剤などがあげられる。カ
ルボニル化剤として環状カーボネート類を用いる場合に
は、式4で表わされるエーテル結合含有ジオール類を用
いなくても、エーテル結合を含むカーボネート基である
繰り返し単位(c)の構造のものが導入されることがあ
る。
【0042】このような脂肪族ポリカーボネートジオー
ルの製造法は、シェル(Shell)著のポリマー・レ
ビュー(Polymer Review)第9巻、第9
〜20頁(1964年)に記載されている。本発明で用
いられるウレタンアクリレート系接着剤を製造する場合
の脂肪族ポリカーボネート系ジオールの配合量は、水酸
基含有(メタ)アクリレート100重量部に対して10
〜2000重量部であり、好ましくは100〜1000
重量部である。10重量部未満であると接着剤の耐加水
分解性、耐熱性及び芳香族ポリカーボネートに対する接
着性が十分ではなく、また、2000重量部を越えると
オリゴマーの流動性が問題となる。
【0043】本発明に必要なウレタンアクリレート系接
着剤を製造するのに用いられる水酸基含有(メタ)アク
リレートとしては、例えば2−ヒドロキシエチルアクリ
レート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒ
ドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−
ブトキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−
(メタ)アクリロイオキシプロピルアクリレート、2−
ヒドロキシ−3−フェニルオキシアクリレート、1,4
−ブチレングリコールモノアクリレート、グリセリンモ
ノアクリレート、グリセリンジアクリレート、トリメチ
ロールプロパンジアクリレート、テトラメチロールメタ
ントリアクリレート、トリエチレングリコールモノアク
リレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレー
ト、ポリカプロラクトングリコールモノアクリレート、
並びに、これらアクリレートに対応するメタアクリレー
トが挙げられる。
【0044】中でも、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロ
キシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−ブト
キシプロピルアクリレート及びこれらアクリレートに対
応するメタアクリレートが好ましく用いられる。これら
の水酸基含有(メタ)アクリレートは、単独で用いて
も、2種以上組み合わせてもさしつかえない。
【0045】また、本発明に必要なウレタンアクリレー
ト系接着剤を製造するのに用いられる活性水素基含有ア
ルコキシシランとしては、メルカプト基含有アルコキシ
シランあるいはアミノ基含有アルコキシシラン等が挙げ
られる。具体的には、3−メルカプトプロピルトリメト
キシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−ア
ミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメ
チルジメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメト
キシシラン等が挙げられる。該活性水素基含有アルコキ
シシランの配合量は、水酸基含有(メタ)アクリレート
100重量部に対して0.05〜50重量部であり、
0.05重量未満であるとガラスに対する接着性が得ら
れず、また、50重量部を越えると芳香族ポリカーボネ
ートに対する接着性が低下する。好ましくは0.1〜3
0重量部の範囲であり、更に好ましくは1〜10重量部
の範囲である。
【0046】また、本発明に必要なウレタンアクリレー
ト系接着剤を製造するのに用いられる有機ポリイソシア
ネートとしては、有機ジイソシアネート、例えば2,4
−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソ
シアネート及びその混合物(TDI)、ジフェニルメタ
ン−4,4′−ジイソシアネート(MDI)、ナフタレ
ン−1,5−ジイソシアネート(NDI)、3,3−ジ
メチル−4,4−ビフェニレンジイソシアネート、粗製
TDI、ポリメチレンポリフェニルジイソシアネート、
粗製MDI等に代表される芳香族ジイソシアネート;キ
シリレンジイソシアネート(XDI)、フェニレンジイ
ソシアネート等に代表される芳香脂環族ジイソシアネー
ト;さらには4,4′−メチレンビスシクロヘキシルジ
イソシアネート(水添MDI)、ヘキサメチレンジイソ
シアネート(HDI)、イソフォロンジイソシアネート
(IPDI)、シクロヘキサンジイソシアネート(水添
XDI)等に代表される脂肪族ジイソシアネート等が挙
げられる。また、これら有機ジイソシアネートのビュー
レット誘導体あるいはイソシアヌレート誘導体さらには
2官能及び3官能アルコールとこれら有機ジイソシアネ
ートとの反応により得られる有機ポリイソシアネートが
挙げられる。中でもTDI、MDI、水添MDI、HD
I、IPDIが好ましく用いられる。これらのポリイソ
シアネートは、単独で用いても、2種以上を組み合わせ
てもさしつかえない。中でも好ましいのは、有機ジイソ
シアネートの組み合わせである。
【0047】有機ポリイソシアネートの配合量は、ポリ
イソシアネート中に含まれるイソシアネート基の量が
及びに含まれる活性水素原子の合計量と反応する理
論量の70〜100%、好ましくは80〜98%の範囲
になるように配合される。イソシアネート基の量が理論
量の70%未満であると、ウレタンアクリレートオリゴ
マーの分子量が小さくなり、硬化後の接着剤の機械的強
度が低くなる。また、理論量の100%を越えると過剰
のイソシアネート基が残存するために、接着剤の貯蔵時
における安定性が低下する。
【0048】本発明に用いられるウレタンアクリレート
系接着剤の成分であるウレタンアクリレートオリゴマー
(I)はどのような方法によって製造されたものであっ
てもよいが、例えば、前記、及びより調合された
混合液にの有機ポリイソシアネートを加え反応させる
方法や、との混合液にの有機ポリイソシアネート
を加え反応させることによって得られた、末端にイソシ
アネート基を有するプレポリマーにを加え反応させる
方法がある。これらの反応は通常20〜150℃の温度
範囲で行われるのが好ましい。
【0049】この場合、必要に応じてウレタン化反応の
触媒、例えばジブチル錫ジラレート等を用いたり、ビニ
ルモノマーの重合防止剤、例えばメチルエーテルハイド
ロキノン等を加えてもよい。また必要に応じて反応に不
活性な溶媒を用いて反応を行ってもよい。本発明に用い
られるウレタンアクリレート系接着剤の他の成分である
反応性希釈剤(II)とは、重合性の二重結合を有する
液状化合物であって、接着剤の粘度を下げて、被接着物
への塗布工程や、被接着物間の空隙に充填する工程など
の作業性を改良するものであって、しかも、接着時には
その重合性二重結合によって重合し接着剤の成分として
働くものである。本発明で使用される高分子量芳香族ポ
リカーボネートは、このような反応性希釈剤にも侵され
難いので、種々の化合物を反応性希釈剤として用いるこ
とができる。
【0050】このような反応性希釈剤としては例えば、
前述の水酸基含有(メタ)アクリレート類、2−エチル
ヘキシルアクリレート、プロピレングリコールジアクリ
レート、ブチレングリコールジアクリレート、1,4−
ブタンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコー
ルジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリ
レート、ブトキシエチレングリコールアクリレート、テ
トラヒドロフルフリルアクリレート、シクロヘキシルア
クリレート、ベンジルアクリレート、エチルカルビトー
ルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ブトキ
シジエチレングリコールモノアクリレート、又はグリシ
ジルアクリレート等に代表されるアクリレート、加えて
前記アクリレートに対応するメタクリレート、並びにN
−ビニル−2−ピロリドン等のビニル化合物等が挙げら
れる。中でも、2−エチルヘキシルアクリレ−ト、2−
ヒドロキシエチルアクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピ
ルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレー
ト、テトラヒドロフルフリルアクリレート及びこれらア
クリレートに対応するメタアクリレートが好ましく用い
られる。
【0051】これらの反応性希釈剤(II)は、イソシ
アネート基と反応する官能基を持たない場合は、ウレタ
ンアクリレートオリゴマー(I)の合成時又は合成後の
いずれにおいて添加しても問題ない。但し、イソシアネ
ート基と反応する官能基を有する場合は、ウレタンアク
リレートオリゴマー(I)の合成後に添加する必要があ
る。
【0052】該反応性希釈剤(II)の配合量は、ウレ
タンアクリレートオリゴマー(I)に対して10〜50
0重量%である。10重量%未満では充填または塗布時
において良好な作業性を得ることが困難であり、また、
500重量%を越えると硬化物の機械的強度及び芳香族
ポリカーボネートに対する接着性が著しく低下する。本
発明で用いられるウレタンアクリレート系接着剤は、使
用に際して、常温における粘度が1000000cps
以下である事が好ましく、100000cps以下であ
ることが更に好ましく、10000cps以下である事
が最も好ましい。
【0053】この接着剤には、耐候性を改良する目的
で、公知の紫外線吸収剤、酸化防止剤あるいは老化防止
剤を添加してもよい。本発明で用いられるウレタンアク
リレート系接着剤は、オリゴマー成分が、(メタ)アク
リレート基の二重結合を有する為、熱重合開始剤を添加
すれば加熱により、光重合開始剤を添加すれば紫外線蛍
光ランプあるいは高圧水銀灯等を用いた紫外線照射ある
いは電子線照射により容易に短時間で硬化させることが
可能である。被塗布物及び接着剤の加熱を避けたい場合
には紫外線照射が好ましい。
【0054】この接着剤を加熱によって硬化させる場合
には、層を構成する基材間に充填または層を構成する基
材の表面に塗布後、常温〜90℃程度の加熱により硬化
させることが可能である。基材がガラス板と芳香族ポリ
カーボネート樹脂シートである場合には常温〜70℃程
度で硬化させることが好ましい。熱重合体開始剤として
は、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパ
ーオキサイド、コハク酸パーオキサイド、メチルエチル
ケトンパーオキサイド及びシクロヘキサノンパーオキサ
イド等が挙げられる。
【0055】光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフ
ェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒ
ドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、アセトフェノ
ン、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾイ
ン−n−プロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエ
ーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾイン
イソブチルエーテル、ベンジル−1−(4−イソプロピ
ルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−
1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル
プロパン−1−オン、ベンジルサルファイド、チオキサ
ントン及び2−クロロチキサント等があげられる。
【0056】本発明の積層体を構成する他の層成分とし
ては、ガラス又は透明樹脂が用いられる。このようなガ
ラスとしては、一般に板ガラスや合わせガラスに用いら
れているガラスが使用できる。例えば、ソーダ石灰ガラ
ス、リン珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス、石英ガラス、カ
リ石灰ガラス、鉛アルカリガラス、アルミナ珪酸ガラ
ス、バリウムガラス等があり、これらの、強化ガラス、
半強化ガラス、部分強化ガラス、未強化ガラス等が使用
できる。特に限定されるものでないが、中でも、ソーダ
石灰ガラスが好ましく用いられる。
【0057】またガラスの形状も、板状だけでなく種々
の曲面を有するものであってもよい。また層成分として
用いることのできる透明樹脂としては、芳香族ポリカー
ボネート系樹脂、ポリメタクリレートなどを主成分とす
るアクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン
系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフ
タレート、ポリブチレンナフタレートなどのポリエステ
ル系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリスルホン系樹
脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリエーテルイミド
系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、アモルファスポ
リオレフィン系樹脂などがあげられる。中でも、芳香族
ポリカーボネート系樹脂及びポリメタクリレートなどを
主成分とするアクリル樹脂が好ましく用いられる。もち
ろん、これらのガラス又は透明樹脂は種々の色に着色さ
れていてもよい。
【0058】本発明の積層体は前記の(イ)芳香族ポリ
カーボネート層、(ロ)接着剤層、及び(ハ)ガラス層
又は透明樹脂層を含む少くとも3層から成っているもの
であるが、これらの層構成成分が、さらに多重に積層さ
れた5層以上の積層体であってもよい。また、他の機
能、例えば光反射や調光機能を有する層がさらに含まれ
ているものであってもよい。
【0059】本発明の積層体を構成する各層の厚みにつ
いても特に限定はないが、通常、芳香族ポリカーボネー
ト層は、0.1〜100mm、接着剤層は0.01〜5
mm、ガラス層又は透明樹脂層は0.1〜200mmの
範囲である。本発明の積層体を製造する方法は、特に限
定されるものではなく、例えば層を構成する基材である
芳香族ポリカーボネートと、ガラス又は透明樹脂との間
に、ウレタンアクリレート系接着剤を充填し、前記のよ
うな方法により、該接着剤を熱重合又は光重合させるこ
とによって硬化させ該基材間を接着させる方法や、該基
材の少くとも一方の表面にウレタンアクリレート系接着
剤を塗布した後、接着すべき基材同士の面を密着させ、
次いで該接着剤を熱重合又は光重合させることによって
硬化させ該基材間を接着する方法が好ましく用いられ
る。
【0060】本発明の積層体の形状は、どのようなもの
であってもよいが、平面状又は板状、曲面を有する平面
状、曲面状などの形状を有するものが特に好ましい。本
発明の積層体は、グレージング材として、一般建築物や
高層ビル等の窓、ショウウィンドーやドアー、及び自動
車、バス、鉄道車両等の輸送用車両や航空機等の窓等に
好ましく用いることができる。また、装飾品や各種照明
器具類、広告板や看板類、各種建築材料等にも用いるこ
とができる。
【0061】
【実施例】以下、本発明を実施例によって詳細に説明す
るが、本発明はこれらの例によって何等限定されるもの
ではない。なお、実施例中の部は重量部を意味する。
【0062】
【合成例1】攪拌機、温度計、分留塔、真空ポンプを備
えた反応機に、1,5−ペンタンジオール 2261部
(21.74モル)および1,6−ヘキサンジオール2
33部(19.75モル)、エチレンカーボネート34
0部(40.0モル)を仕込み、N2 ガスを系内に少量
流しながら、130℃、30〜4mmHgで反応させ
た。この間、塔頂よりエチレングリコール、エチレンカ
ーボネートを溜出させた。その後、反応温度を200℃
に上昇させ、4〜2mmHgで反応させた。この時、分
留塔を使用せずに系内を排気し、エチレングリコール、
エチレンカーボネート、1,5−ペンタンジオール、
1,6−ヘキサンジオールを溜出させた。反応終了後、
数平均分子量1000のポリマーを得た。
【0063】このポリマーは、C−NMR〔日本電子
(株)製 GX270〕による測定の結果、下記化14
に示す構造を有し、末端はヒドロキシル基であり、エー
テル結合の含有量は3%であった。該ポリマーをPCD
L−Iとする。
【0064】
【化14】
【0065】
【合成例2】合成例1と同様にして数平均分子量200
0のポリマーを得た。該数平均分子量2000のポリマ
ーをPCDL−IIとする。このポリマーは、下記化1
5に示す構造を有し、末端はヒドロキシル基であり、エ
ーテル結合含有量は2.3%であった。
【0066】
【化15】
【0067】
【合成例3】攪拌機、温度計および分溜管を備えた反応
器に、1,4−ブタンジオール360部(4.0モル)
及び1.5−ペンタンジオール416部(4.0モル)
を加え、70〜80℃で金属ナトリウム1.84部
(0.08モル)を攪拌下に添加した。ナトリウムが完
全に反応した後、472部(8.0モル)のジエチルカ
ーボネートを導入した。反応温度を95〜100℃に上
昇させるとエタノールが溜出し始めた。徐々に温度を1
60℃とした。この間約10%のジエチルカーボネート
を含むエタノールが溜出した。その後、更に反応器の圧
力を10mmHg以下とし、強攪拌下200℃で反応さ
せた。得られたポリマーは冷却後、ジクロロメタンに溶
解させ、希酸で中和した後、水洗を数回繰り返し、無水
硫酸ナトリウムで脱水してから、溶媒を蒸留除去し、更
に2〜3mmHg、140℃で数時間乾燥させた。得ら
れたポリマーは、下記化16に示す構造を有し、数平均
分子量は1000で、末端はヒドロキシル基であり、エ
ーテル結合の含有量は0%であった。該ポリマーをPC
DL−IIIとする。
【0068】
【化16】
【0069】
【合成例4】1,6−ヘキサンジオールとエチレンカー
ボネートを用いて合成例1と同様にして、数平均分子量
1000のポリマーを得た。該ポリマーをPCDL−I
Vとする。該PCDL−IVの末端はヒドロキシル基で
あり、エーテル結合含有量は、3%であった。その構造
単位は、下記化17に示す如くであった。
【0070】
【化17】
【0071】
【合成例5】合成例1で得たPCDL−I 550部、
2−ヒドキシプロピルアクリレート182部、2−エチ
ルヘキシルアクリレート200部、触媒としてジブチル
錫ジラウレート0.5部、重合禁止剤としてハイドロキ
ノンモノメチルエーテル1.0部を攪拌装置のついた四
ツ口フラスコに仕込み、攪拌しながら50℃に加熱して
混合した。次いで、γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン5部を添加し、イソフォロンジイソシアネート27
0部を1時間かけて反応系に滴下した。更に攪拌しなが
ら80℃に昇温して、ウレタン化反応を10時間行っ
た。
【0072】NCOの反応率が99%になったことを残
存NCO量を滴定法により求めることにより確認した
後、反応温度を下げてウレタンアクリレートオリゴマー
Aを得た。該ウレタンアクリレートオリゴマーA500
部に、反応希釈剤として、2−ヒドロキシプロピルアク
リレート250部、テトラヒドロフルフリルアクリレー
ト125部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート12
5部、光重合開始剤として2−ヒドキシ−2−メチル−
1−フェニルプロパン−1−オン20部を添加攪拌し、
光重合性のウレタンアクリレート接着剤Aを得た。
【0073】
【合成例6】PCDL−II、III、IVを用い、表
1に示す配合割合とする以外は、合成例5と同様にして
作成したウレタンアクリレートオリゴマーを用い、表2
に示す配合にて、ウレタンアクリレート接着剤B、C、
Dを得た。
【0074】
【実施例1、2、3、比較例1】厚さが3mmの普通板
ガラスと、特開平3−68627号公報記載の方法で、
ジフェニルカーボネートと2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパンとから、製造された重量平均分子
量が40000(実施例1)、56000(実施例
2)、68000(実施例3)、及び28000(比較
例1)の芳香族ポリカーボネートを溶融押出して得られ
た厚さ1mmのシートを、0.5mmの間隙が出来るよ
うにスペーサーを用いて、それぞれガラス/間隙/芳香
族ポリカーボネートシート/間隙/ガラスの順に重ね合
わせた。この3辺の側面を接着剤が流失しないようにテ
ープで目止めし、開口辺を上にして、間隙部にウレタン
アクリレート接着剤Aを気泡が入らないように充填した
後、上端の開口部をテープで目止めした。この積層品に
出力30W/cmの高圧水銀灯を備えた紫外線照射装置
を用いてガラスの両面から15cmの距離より紫外線を
30秒間照射して、ウレタンアクリレート接着剤を硬化
させ、ガラス/接着剤/芳香族ポリカーボネートシート
/接着剤/ガラスからなる積層体を得た。
【0075】得られた積層体について透明性と落球試験
(JIS R3205に準じて行った)を評価した。評
価結果を表3に示す。
【0076】
【実施例4】実施例2の芳香族ポリカーボネートシート
(厚さ3mm)と市販の1mm厚アクリルシートを用
い、0.5mmの間隙が出来るようにスペーサーを用い
て、芳香族ポリカーボネートシート/間隙/アクリルシ
ートの順に重ね合わせた。ウレタンアクリレート接着剤
Bを用いる以外は実施例1と同様にして芳香族ポリカー
ボネートシート/接着剤/アクリルシートからなる積層
体を得た。評価結果を表3に示す。なお、落球試験はア
クリルシート側より実施した。
【0077】
【実施例5】厚さが3mmの普通板ガラスと実施例2の
芳香族ポリカーボネートシート(厚さ2mm)を用い、
1.0mmの間隙が出来るようにスペーサーを用いて、
ガラス/間隙/芳香族ポリカーボネートシートの順に重
ね合わせた。ウレタンアクリレート接着剤Cを用いる以
外は実施例1と同様にしてガラス/接着剤/芳香族ポリ
カーボネートシートからなる積層体を得た。評価結果を
表3に示す。なお、落球試験はガラス側より実施した。
【0078】
【実施例6】実施例3の芳香族ポリカーボネートシート
(厚さ3mm)を用い、1.0mmの間隙が出来るよう
にスペーサーを用いて、芳香族ポリカーボネートシート
/間隙/芳香族ポリカーボネートシートの順に重ね合わ
せた。ウレタンアクリレート接着剤Aを用いて実施例1
と同様にして芳香族ポリカーボネートシート/接着剤/
芳香族ポリカーボネートシートからなる積層体を得た。
評価結果を表3に示す。
【0079】
【比較例2】実施例2において接着剤としてウレタンア
クリレート接着剤Dを用いる以外は実施例2と同様にし
て積層体を得た。評価結果を表3に示す。
【0080】
【表1】
【0081】
【表2】
【0082】
【表3】
【0083】
【発明の効果】表3に示すように本発明の積層体は透明
性と耐衝撃性(接着性)に優れており、グレージング用
途、例えば建築物の窓ガラス、ショーウィンドーやドア
特にガラス面積の大きい高層ビルのガラスとして、また
自動車、バス、トラック、鉄道等の車両用のガラスとし
て好適に使用できる。更に、学校、体育館、病院等の窓
ガラスやドアに用いられる安全ガラスとしても好適に使
用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−51766(JP,A) 特開 平3−251448(JP,A) 特開 平4−29844(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 C09J 175/00 -175/16

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (イ)芳香族ポリカーボネート層、
    (ロ)接着剤層、及び(ハ)ガラス層又は透明樹脂層を
    含む、少くとも3層から成る積層体において、(1)上
    記芳香族ポリカーボネートが、35000以上の重量平
    均分子量を有する高分子量芳香族ポリカーボネートであ
    ること、及び(2)上記接着剤が下記、、、を
    反応させて得られるウレタンアクリレートオリゴマー
    (I)、 繰り返し単位が、下記化1からなり、(a)と(b)
    の割合が7:3〜3:7で、(a)(b)(c)の総量
    に対して、(c)の一種または二種以上の合計が0〜1
    0%である(但し、該%および割合は、繰り返し単位の
    個数で示す。)脂肪族ポリカーボネート系ジオール10
    〜2000重量部、 【化1】 水酸基含有アクリレート又はメタアクリレート100
    重量部、 活性水素基含有アルコキシシラン0.05〜50重量
    部、 〜に含有される活性水素原子の総モル数に対して
    70〜100モル%に相当する量のイソシアネート基を
    含む有機ポリイソシアネート、 及び反応性希釈剤(II)よりなり、(II)が(I)
    に対して10〜500重量%配合されてなるウレタンア
    クリレート系接着剤であることを特徴とする芳香族ポリ
    カーボネート積層体。
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