JP3150817B2 - ハロゲン化銀カラー写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料

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JP3150817B2
JP3150817B2 JP06907493A JP6907493A JP3150817B2 JP 3150817 B2 JP3150817 B2 JP 3150817B2 JP 06907493 A JP06907493 A JP 06907493A JP 6907493 A JP6907493 A JP 6907493A JP 3150817 B2 JP3150817 B2 JP 3150817B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲン化銀カラー写
真感光材料に関するものであり、さらに詳しくは、高感
度でかつ粒状性に優れ、かつ彩度の高い色再現を与える
ハロゲン化銀カラー写真感光材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】撮影用ハロゲン化銀カラー感光材料(カ
ラーネガ及びカラー反転感光材料を含む。以下単にカラ
ーネガと総称する。)の技術的進歩は、滞ること無く続
いており、従来超高感度フィルムと呼ばれたISO感度
400クラスの感光材料が、一般ユーザーの常用フィル
ムとして使用され、レンズ付きフィルム(いわゆる写る
んです)にも使用されるようになって来ている。ISO
感度400クラスの感光材料が、レンズ付きフィルムに
使用されるようになった大きな理由は、粒状性の改良は
もちろん、彩度の高い色再現が可能になってきたことに
よる。
【0003】従来より、カラー写真感光材料の色の彩度
をあげるための手段として層間抑制効果を利用すること
が知られている。カラーネガ感光材料の例で言えば、緑
感層から赤感層へ現像抑制効果(以下層間抑制効果と呼
称)を与えることにより、白色露光における赤感層の発
色を、赤露光した時のそれよりも抑えることができる。
カラーネガペーパーの系は、白色光で露光した場合にカ
ラープリント上でグレーに再現されるように階調がバラ
ンスされているので前記の層間抑制効果は赤露光した際
にグレー露光の場合よりも高濃度のシアン発色を与える
結果、プリント上でシアン発色の抑えられた、より飽和
度の高い赤の再現を与えることが可能になる。同様に赤
感層から緑感層への層間抑制効果は、飽和度の高い緑の
再現を与える。
【0004】この効果を利用し、彩度が高く、色再現性
及び調子再現性に優れたカラー写真感光材料についての
記載が特開平1−182847号になされている。この
特許には、層間抑制効果を付与する方法について、詳し
く触れられているが、感光材料の感光度に関しては何等
記載が無い。僅かに実施例から推定するにISO感度1
00程度と推定される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、レンズ
付きフィルムシステムの更なる発展を考え、市場で撮影
されたレンズ付きフィルムの実態調査を行ったところ、
露光不足のいわゆるアンダーネガが散見された。本発明
者等は、このレンズ付きフィルムの被写体の露光レベル
を更に詳細に調査し、曇天下、朝夕等光量不足になりが
ちな通常撮影のみならず、ストロボを用いた撮影でも露
光不足のネガが数多く存在することを見いだした。スト
ロボ撮影で露光不足になる原因は、製品には撮影可能な
距離を明示してあるが、いざ実際撮影する場合には、そ
の距離を越えた距離で撮影されることがあり、この改良
が強く求められていることを示している。
【0006】以上の様に、現在のレンズ付きフィルムシ
ステムの問題は、感光材料の感度がまだまだ不足してい
ること、また感度不足のためアンダーネガになりやす
く、アンダーネガでは色の彩度も低く、ユーザーの満足
するプリントが得られないことであり、感度の向上、色
の彩度の改良が極めて重要であることを認識するに至っ
た。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
の結果、 支持体上に赤感性、緑感性、青感性ハロゲン化銀乳
剤層をそれぞれ少なくとも一層有するカラー写真感光材
料であって、層間抑制効果の大きさIE(X/Y)が、 0.15<IE(R/G), −0.05<IE(R/
B) 0.10<IE(G/R), 0.15<IE(G/
B) 0.03<IE(B/G), 0.03<IE(B/
R) であり、かつ特性写真感度が640以上2000以下で
あることを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材
料。 下記一般式(1)および/または一般式(2)で示
される化合物を含有することを特徴とするに記載のハ
ロゲン化銀カラー写真感光材料。 一般式(1) A−(L1j−(L2m−[(L3n−PUG]s 式中、Aはカプラー残基または酸化還元基を表し、L1
およびL3は2価のタイミング基を表し、L2は3価もし
くはそれ以上の結合手を有するタイミング基を表し、P
UGは写真性有用基を表す。jとnはそれぞれ独立に
0、1または2を表し、mは1または2を表し、sはL
2の価数から1を引いた数であり2以上の整数を表す。
またL1、L2もしくはL3は、分子内に複数個存在する
とき、それらは全て同じであっても異なっていても良
い。また複数個存在するPUGは、全て同じであっても
異なっていても良い。 一般式(2) A−L4−L5−PUG 式中、AとPUGは一般式(1)と同義である。L4
−OCO−基、−OSO−基、−OSO2−基、−OC
S−基、−SCO−基、−SCS−基または−WCR11
12−基を表す。ここで、Wは酸素原子、硫黄原子また
は3級アミノ基(−NR13−)を表し、R11およびR12
はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R13
置換基を表す。またR11、R12、およびR13の任意の2
つが2価基を表し、連結して環状構造を形成する場合も
含む。L5は共役系に沿った電子移動によりPUGを放
出する基もしくはL4で定義される基を表す。 イエローカラードシアンカプラーを含有することを
特徴とするまたはに記載のハロゲン化銀カラー写真
感光材料。 全赤感性層および/または全緑感性層のハロゲン化
銀粒子の平均ヨード含有量が、2〜5モル%であるハロ
ゲン化銀粒子を含有することを特徴とするないしの
いずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材
料。 赤感性層、および緑感性層の最高感度層に、全投影
面積の50%以上がアスペクト比3以上の転位線を有し
かつセレン増感された平板状ハロゲン化銀乳剤を含有す
ることを特徴とするないしのいずれか1項に記載の
ハロゲン化銀カラー写真感光材料。 により本発明の目的が達成されることを確認した。
【0008】本発明は、特開平1−182847号に記
載されている層間抑制効果付与技術を更に発展させたも
のであるが、下記の点でも技術的に異なる。第1番目
に、ハロゲン化銀乳剤のヨード含有量の見直しを徹底的
に行ったことである。乳剤のヨード含有量は、増加させ
ればヨードイオンの抑制による層間抑制効果を与えるこ
とができるが、逆に層間抑制効果は受けにくくなること
がわかり、本発明の設定、即ち全赤感性層および全緑感
性層のハロゲン化銀粒子の平均ヨード含有量は、2〜5
モル%が妥当である。第2番目には、一般式(1)およ
び/または一般式(2)で示されるDIR化合物を、新
規に導入したことである。これにより赤感層から他層へ
の層間抑制効果を増加させることが可能になっている。
また、緑感層乳剤のハロゲン化銀のヨード含有量を適切
に設定することにより、赤感層から緑感層への層間抑制
効果を飛躍的に向上させることが可能になっている。第
3番目には、イエローカラードシアンカプラーによる赤
感層から青感層へのマスキングを強化させることによる
層間抑制効果の増加である。赤感層と青感層の間には、
通常緑感層が存在しており、DIR化合物だけでは、赤
感層から青感層へ層間抑制効果を増加させることは極め
て困難である。
【0009】一般的に層間抑制効果を利用して、彩度を
あげる場合には、感度と色の彩度がトレードオフする関
係になり、単純に層間抑制効果を上げるのみでは本発明
の効果を得ることは困難である。本発明は、前述した層
間抑制効果付与技術の他に、ハロゲン化銀乳剤の感度・
粒状比改良技術を組み合わせてはじめて可能になったも
のである。カラーネガの現像温度は、通常38℃という
高温であり、上層である青感層の現像が進みやすく、下
層にある層、特に赤感層の現像は遅れる。従って、下層
の赤感層から上層に層間抑制効果を付与し、制御するこ
とは困難であったが、本発明により、特定写真感度64
0以上という超高感度感光材料でも可能にすることが出
来た。
【0010】以下本発明について詳細に説明する。本発
明のハロゲン化銀カラー写真感光材料は、特定写真感度
として640以上有さなければならない。より好ましく
は、640以上2000以下である。ここで言う特定写
真感度とは、特開昭63−226650号に記載された
定義に従って求めた感度のことであり、国際規格である
ISO感度に類似した感度であるが、不確定さをより少
なくするために露光後現像処理までの時間を短くし、現
像処理条件を一定にしたものである。
【0011】次に、層間抑制効果の大きさを示すIE
(X/Y)について説明する。IE(X/Y)は、Xか
らYに対する層間抑制効果の大きさを表し、図1に示す
方法で求められる。図中、YDMINは、感色性層Xへ段階
露光したときの感色性層Yの最低濃度を表す。
【0012】例えば、緑感性層から赤感性層への層間抑
制効果の大ききさIE(G/R)は、次のようにして求
められる。まず緑色光(富士写真フイルム製フィルタ
ー:BPN−55)にて試料に段階的に露光を与えた
後、つづいて赤色光(富士写真フイルム製フィルター:
SC−60)にてRDMIN+1.0の濃度になるように一
様に露光を与えて得られる図1に示す特性曲線を求め
る。この特性曲線において、緑感性層カブリ濃度と、こ
れを与える露光量Pから1.51ogEだけ高露光側へ
移動する間に低下する赤感性層の濃度低下をIE(G/
R)とする。青感性層から赤感性層への層間抑制効果
は、青色光(富士写真フイルム製フィルター:BPN−
45)を用いて、同様に求めることが出来る。
【0013】IE(X/Y)は、正の値も、負の値も取
り得る。これは、カラーカプラーの副吸収による色の濁
りがあるためであり、IE(X/Y)が負の値であるか
ら、層間抑制効果が効いていないということにはならな
い。
【0014】次に一般式(1) および一般式(2) で示され
る化合物について詳しく述べる。
【0015】一般式(1) においてAはカプラー残基また
は酸化還元基を表わす。
【0016】Aで表わされるカプラー残基としては、例
えばイエローカプラー残基(例えばアシルアセトアニリ
ド、マロンジアニリドなどの開鎖ケトメチレン型カプラ
ー残基)、マゼンタカプラー残基(例えば5−ピラゾロ
ン型、ピラゾロトリアゾール型またはイミダゾピラゾー
ル型などのカプラー残基)、シアンカプラー残基(例え
ばフェノール型、ナフトール型、ヨーロッパ公開特許第
249,453号に記載のイミダゾール型または同30
4,001号に記載のピラゾロピリミジン型などのカプ
ラー残基)および無呈色カプラー残基(例えばインダノ
ン型またはアセトフェノン型などのカプラー残基)が挙
げられる。また、米国特許第4,315,070号、同
4,183,752号、同4,174,969号、同
3,961,959号、同5,171,223号または
特開昭52−82423号に記載のヘテロ環型のカプラ
ー残基であってもよい。
【0017】Aが酸化還元基を表すとき、酸化還元基と
は、現像主薬酸化体によりクロス酸化されうる基であ
り、例えばハイドロキノン類、カテコール類、ピロガロ
ール類、1,4−ナフトハイドロキノン類、1,2−ナ
フトハイドロキノン類、スルホンアミドフェノール類、
ヒドラジド類またはスルホンアミドナフトール類が挙げ
られる。これらの基は具体的には例えば特開昭61−2
30135号、同62−251746号、同61−27
8852号、米国特許第3,364,022号、同3,
379,529号、同3,639,417号、同4,6
84,604号または J. Org. Chem., 29, 588 (1964)
に記載されているものである。
【0018】一般式(1) において、L1は好ましくは以
下のものが挙げられる。 (1) ヘミアセタールの開裂反応を利用する基 例えば米国特許第4,146,396号、特開昭60−
249148号および同60−249149号に記載が
あり、下記一般式(T−1)で表される基である。ここ
で*印は一般式(I) で表される化合物のAまたはL1
結合する位置を表し、**印はL1またはL2と結合する
位置を表す。 一般式(T−1) *−(W−CR11(R12) )t−** 式中、Wは酸素原子、イオウ原子または−NR13−基を
表し、R11およびR12は水素原子または置換基を表し、
13は置換基を表し、tは1または2を表す。tが2の
とき、2つの−W−CR11(R12) −は同じものもしく
は異なるものを表す。R11およびR12が置換基を表すと
きおよびR13の代表的な例は各々R15基、R15CO−
基、R15SO2−基、R15(R16) NCO−基またはR
15(R16)NSO2−基が挙げられる。ここでR15は脂肪
族基、芳香族基または複素環基を表し、R16は水素原
子、脂肪族基、芳香族基または複素環基を表す。R11
12及びR13の任意の2つが2価基を表し、連結して環
状構造を形成する場合も包含される。一般式(T−1)
で表される基の具体的例としては、以下に示されるよう
な基が挙げられる。
【0019】
【化1】
【0020】
【化2】
【0021】
【化3】
【0022】(2) 分子内求核置換反応を利用して開裂反
応を起こさせる基 例えば米国特許第4,248,292号に記載のあるタ
イミング基が挙げられ、下記一般式(T−2)で表すこ
とができる。 一般式(T−2) *−Nu−Link−E−** 式中、Nuは求核基を表し、酸素原子またはイオウ原子
が求核種の例であり、Eは求電子基を表し、Nuより求
核攻撃を受けて**印との結合を開裂できる基であり、
LinkはNuとEとが分子内求核置換反応することが
できるように立体的に関係づける連結基を表す。一般式
(T−2)で表される基の具体例としては例えば、以下
に示されるような基が挙げられる。
【0023】
【化4】
【0024】
【化5】
【0025】(3) 共役系に沿った電子移動反応を利用し
て開裂反応を起こさせる基 例えば米国特許第4,409,323号、同4,42
1,845号、特開昭57−188035号、同58−
98728号、同58−209736号、同58−20
9737号、同58−209738号等に記載があり、
下記一般式(T−3)で表わされる基である。
【0026】
【化6】
【0027】式中、*印、**印、W、R11、R12およ
びtは式(T−1)について説明したのと同じ意味を表
す。ただし、R11とR12とが結合してベンゼン環または
複素環の構成要素となってもよい。また、R11もしくは
12とWとが結合してベンゼン環または複素環を形成し
てもよい。また、Z1とZ2はそれぞれ独立に炭素原子ま
たは窒素原子を表し、xとyは0または1を表す。Z1
が炭素原子のときxは1であり、Z1が窒素原子のとき
xは0である。Z2とyとの関係もZ1とxとの関係と同
じである。また、tは1または2を表し、tが2のとき
2つの−[Z1(R11)x=Z2(R12)y]−は同じでも異
なっていてもよい。また**印に隣接する−CH2−基
は炭素数1ないし6のアルキル基またはフェニル基で置
換されても良い。
【0028】以下に一般式(T−3)の具体例を挙げ
る。
【0029】
【化7】
【0030】
【化8】
【0031】
【化9】
【0032】
【化10】
【0033】 (4) エステルの加水分解による開裂反応を利用する基 例えば***公開特許第2,626,315号に記載のあ
る連結基であり、以下の一般式(T−3)および(T−
4)で表される基が挙げられる。 一般式(T−4) *−OCO−** 一般式(T−5) *−SCS−** 式中、*印および**印は一般式(T−1)について説
明したのと同じ意味である。 (5) イミノケタールの開裂反応を利用する基 例えば米国特許第4,546,073号に記載のある連
結基であり、下記一般式(T−6)で表される基であ
る。
【0034】
【化11】
【0035】式中、*印、**印およびWは一般式(T
−1)において説明したのと同じ意味であり、R14はR
13と同じ意味を表わす。一般式(T−6)で表わされる
基の具体的例としては以下に示される基が挙げられる。
【0036】
【化12】
【0037】一般式(1) において、L1として好ましく
は一般式(T−1)〜(T−5)で示されるものであ
り、特に好ましくは一般式(T−1)、(T−3)およ
び(T−4)である。
【0038】一般式(1) において、jは好ましくは0ま
たは1である。
【0039】一般式(1) において、L2で示される基は
3価以上のタイミング基を表し、好ましくは次の一般式
(T−L1)もしくは(T−L2)で表されるものであ
る。 一般式(T−L1) *−W−[Z1(R11x=Z2(R12yt−CH2−*
* 式中、W、Z1、Z2、R11、R12、x、yおよびtは一
般式(T−3)について説明したのと同じ意味を表す。
また*印は一般式(1) 中のA−(L1)j−と結合する位
置を、**印は−(L3)n−PUGと結合する位置を表
す。ただし複数個存在するR11またはR12のうちの少な
くとも1つは置換もしくは無置換のメチレン基で−(L
3)n−PUGと結合する基を表す。
【0040】一般式(T−L1)として好ましくは、W
が窒素原子を表す場合であり、さらに好ましくはWとZ
2が結合して5員環を形成する場合であり、特に好まし
くはイミダゾール、もしくはピラゾール環を形成する場
合である。 一般式(T−L2) *−N−(Z3−**)2 式中、*印と**印は一般式(T−L1)におけるそれ
と同義である。Z3基は置換基もしくは無置換のメチレ
ン基を表し、2つのZ3基は同じであっても異なってい
ても良い。また2つのZ3基が結合して環を形成しても
良い。
【0041】以下に一般式(T−L1)および(T−
2)の具体例を挙げるが本発明はこれらに限定される
ものではない。
【0042】
【化13】
【0043】
【化14】
【0044】
【化15】
【0045】
【化16】
【0046】
【化17】
【0047】
【化18】
【0048】
【化19】
【0049】但し、ここで具体例に挙げた基はさらに置
換基を有していてもよく、そのような置換基としては例
えばアルキル基(例えばメチル、エチル、イソプロピ
ル、t−ブチル、ヘキシル、メトキシメチル、メトキシ
エチル、クロロエチル、シアノエチル、ニトロエチル、
ヒドロキシプロピル、カルボキシエチル、ジメチルアミ
ノエチル、ベンジル、フェネチル)、アリール基(例え
ばフェニル、ナフチル、4−ヒドロキシフェニル、4−
シアノフェニル、4−ニトロフェニル、2−メトキシフ
ェニル、2,6−ジメチルフェニル、4−カルボキシフ
ェニル、4−スルホフェニル)、ヘテロ環基(例えば2
−ピリジル、4−ピリジル、2−フリル、2−チエニ
ル、2−ピロリル)、ハロゲン原子(例えばクロロ、ブ
ロモ)、ニトロ基、アルコキシ基(例えばメトキシ、エ
トキシ、イソプロポキシ)、アリールオキシ基(フェノ
キシ)、アルキルチオ基(例えばメチルチオ、イソプロ
ピルチオ、t−ブチルチオ)、アリールチオ基(例えば
フェニルチオ)、アミノ基(例えばアミノ、ジメチルア
ミノ、ジイソプロピルアミノ)、アシルアミノ基(例え
ばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノ)、スルホンアミ
ド基(例えばメタンスルホンアミド、ベンゼンスルホン
アミド)、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカル
ボニル基(例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボ
ニル)、アリールオキシカルボニル基(例えばフェノキ
シカルボニル)もしくはカルバモイル基(例えばN−エ
チルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル)が挙げ
られる。
【0050】中でも好ましくはアルキル基、ニトロ基、
アルコキシ基、アルキルチオ基、アミノ基、アシルアミ
ノ基、スルホンアミド基、アルコキシカルボニル基、お
よびカルバモイル基である。
【0051】また一般式(T−L1)で**印に隣接す
る−CH2−基は炭素数1ないし6のアルキル基または
フェニル基で置換されていても良い。
【0052】一般式(1) においてmは好ましくは1であ
る。
【0053】式(1) においてL3で表わされる基はL1
同義である。
【0054】一般式(1) においてnは好ましくは0また
は1であり、特に好ましくは0である。
【0055】式(1) においてPUGで表わされる写真性
有用基は詳しくは現像抑制剤、色素、カブラセ剤、現像
薬、カプラー、漂白促進剤、定着促進剤などである。好
ましい写真性有用基の例は米国特許第4,248,96
2号に記載のある写真性有用基(該特許中、一般式PU
Gで表わされるもの)、特開昭62−49353号に記
載のある色素(該明細書中、カプラーより放出される離
脱基の部分)、米国特許第4,477,563号に記載
のある現像抑制剤、および特開昭61−201247お
よび特開平2−55号等に記載のある漂白促進剤(該明
細書中、カプラーより放出される離脱基の部分)が挙げ
られる。本発明において、写真性有用基として特に好ま
しいものは現像抑制剤である。
【0056】現像抑制剤として好ましくは下記に示す一
般式(INH−1)〜(INH−13)で表される基で
ある。
【0057】
【化20】
【0058】
【化21】
【0059】
【化22】
【0060】一般式(INH−6)中、R21は水素原子
または、置換もしくは無置換の炭化水素基(例えばメチ
ル、エチル、プロピル、フェニル)を表す。
【0061】
【化23】
【0062】
【化24】
【0063】
【化25】
【0064】式中*は一般式(1) で表される化合物のL
2もしくはL3で表される基と結合する位置を表す。
【0065】また**は置換基と結合する位置を表わ
し、置換基としては置換もしくは無置換のアルキル基、
アリール基、ヘテロ環基、アルキルチオ基、アルキルま
たはアリールオキシカルボニル基等が挙げられ、写真処
理時に処理液中で分解する基がこれら置換基中に含まれ
ていることが好ましい。
【0066】具体的に置換または無置換のアルキル基と
しては例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキ
シル、デシル、イソブチル、t−ブチル、2−エチルヘ
キシル、2−メチルチオエチル、ベンジル、4−メトキ
シベンジル、フェネチル、1−メトキシカルボニルエチ
ル、プロピルオキシカルボニルメチル、2−(プロピル
オキシカルボニル)エチル、ブチルオキシカルボニルメ
チル、ペンチルオキシカルボニルメチル、2−シアノエ
チルオキシカルボニルメチル、2,2−ジクロロエチル
オキシカルボニルメチル、3−ニトロプロピルオキシカ
ルボニルメチル、4−ニトロベンジルオキシカルボニル
メチル、2,5−ジオキソ−3,6−ジオキサデシル等
が挙げられる。
【0067】置換もしくは無置換のアリール基としては
例えばフェニル、ナフチル、4−メトキシカルボニルフ
ェニル、4−エトキシカルボニルフェニル、2−メチル
チオフェニル、3−メトキシカルボニルフェニル、4−
(2−シアノエチルオキシカルボニル)−フェニル等が
挙げられる。
【0068】置換もしくは無置換のヘテロ環基としては
4−ピリジル、3−ピリジル、2−ピリジル、2−フリ
ル、2−テトラヒドロピラニル等が挙げられる。置換も
しくは無置換のアルキルチオ基としてはメチルチオ、t
−ブチルチオ、1−メトキシカルボニルエチルチオ等が
挙げられる。置換もしくは無置換のアルキルまたはアリ
ールオキシカルボニル基としては、メトキシカルボニ
ル、ブトキシカルボニルメトキシカルボニル、イソペン
チルオキシカルボニルメトキシカルボニル、N−ヘキシ
ルカルバモイルメトキシカルボニル、フェノキシカルボ
ニル等が挙げられる。
【0069】これらの中でINH(現像抑制剤)として
好ましくは一般式(INH−1)、(INH−2)、
(INH−3)、(INH−4)、(INH−9)およ
び(INH−12)であり、特に好ましくは一般式(I
NH−1)、(INH−2)および(INH−3)であ
る。
【0070】またINHと結合する置換基として好まし
くはアルキル基または置換もしくは無置換のフェニル基
またはアルキルもしくはアリールオキシカルボニル基で
ある。
【0071】一般式(1) で表される化合物として特に好
ましくは以下一般式(1a)もしくは(1b)で表され
る化合物である。
【0072】一般式(1a) A−(L1)j−W−[Z1(R11)x=Z2(R12)yt−CH2−PUG 一般式(1b) A−L1−N−(Z3−PUG)2 式中の記号は一般式(1)、(T−L1)および(T−
2)と同義である。一般式(1a)においてjは0ま
たは1が好ましい。一般式(1a)および(1b)にお
いてL1としては−OC(=O)−基が好ましく、また
PUGとしては現像抑制剤が好ましい。
【0073】但し複数の写真性有用基が異なる機能のも
のである場合、タイミング基は分子内求核置換を利用す
るものではない。
【0074】またここで写真性有用基の機能とは現像抑
制剤、色素、カブラセ剤、現像薬、カプラー、漂白促進
剤、もしくは定着剤等が示す機能を意味する。
【0075】さらに、同一化合物中から放出されるふた
つ以上のPUGは同一現像抑制剤であることが特に好ま
しい。
【0076】次に一般式(2) で表わされる化合物につい
て説明する。一般式(2) においてAとPUGは一般式
(1) と同義である。L4は−OCO−基、−OSO−
基、−OSO2−基、−OCS−基、−SCO−基、−
SCS−基または−WCR1112−基を表す。ここで
W、R11およびR12は一般式(1) で表される化合物のL
1の説明における一般式(T−1)中の定義と同義であ
る。
【0077】L4が−WCR1112−基を表すときの好
ましい例としては、Wが酸素原子または3級アミノ基を
表すときであり、さらに好ましくはL4が−OCH2−基
またはWとR11もしくはR12が環を形成する基を表す場
合である。
【0078】またL4が−WCR1112−以外の基を表
す場合、好ましくは−OCO−基、−OSO−基、−O
SO2−基であり、特に好ましくは−OCO−基であ
る。
【0079】L5で表わされる基は、共役系に沿った電
子移動でPUGを放出する基もしくはL4で定義される
基を表す。共役系に沿った電子移動でPUGを放出する
基は一般式(1) のL1の説明の中の一般式(T−3)で
表わされる基と同義である。L5として好ましくは共役
系に沿った電子移動によりPUGを放出する基であり、
さらに好ましくは窒素原子でL4と結合しうる基であ
る。
【0080】一般式(2) で表される化合物のうち好まし
いものは、下記一般式(3) もしくは一般式(4) で表され
る化合物である。
【0081】
【化26】
【0082】一般式(3) 中、Aは一般式(1) と同義であ
る。R101とR102はそれぞれ独立に水素原子もしくは置
換基を表す。R103とR104はそれぞれ独立に水素原子も
しくは置換基を表す。INHは現像抑制能を有する基を
表す。R105は無置換のフェニル基、1級アルキル基、
アルキルチオ基、アリール基以外の基で置換された1級
アルキル基または−CO2C(R107)(R108)CO2
106で表される基を表す。ここで、R106は無置換アルキ
ル基を、R107及びR108は各々独立に水素原子または無
置換アルキル基を表す。但しR101〜R104のうち少なく
とも1つは水素原子以外の置換基である。
【0083】
【化27】
【0084】一般式(4) においてA、INH、およびR
105は一般式(3) と同義である。R111、R112およびR
113はそれぞれ水素原子もしくは有機基を表し、R111
112およびR113の任意の2つが2価基となって連結し
環を形成しても良い。
【0085】一般式(3) で表わされる化合物について更
に詳しく説明する。
【0086】一般式(3)において、Aは一般式(1) と同
義である。R101およびR102はそれぞれ独立に水素原子
もしくは置換基を表わす。置換基として具体的には例え
ばアリール基(例えばフェニル、ナフチル、p−メトキ
シフェニル、p−ヒドロキシフェニル、p−ニトロフェ
ニル、o−クロロフェニル)、アルキル基(例えばメチ
ル、エチル、イソプロピル、プロピル、tert−ブチル、
tert−アミル、イソブチル、sec−ブチル、オクチル、
メトキシメチル、1−メトキシエチル、2−クロロエチ
ル、ニトロメチル、2−シアノエチル、2−カルバモイ
ルエチル、2−ジメチルカルバモイルエチル)、ハロゲ
ン原子(例えばフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード)、
アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、イソプロピ
ルオキシ、プロピルオキシ、tert−ブチルオキシ、イソ
ブチルオキシ、ブチルオキシ、オクチルオキシ、2−メ
トキシエトキシ、2−クロロエトキシ)、アリールオキ
シ基(例えばフェノキシ、ナフトキシ、p−メトキシフ
ェノキシ)、アルキルチオ基(例えばメチルチオ、エチ
ルチオ、イソプロピルチオ、プロピルチオ、tert−ブチ
ルチオ、イソブチルチオ、sec−ブチルチオ、オクチル
チオ、2−メトキシエチルチオ)、アリールチオ基(例
えばフェニルチオ、ナフチルチオ、p−メトキシフェニ
ルチオ)、アミノ基(例えばアミノ、メチルアミノ、フ
ェニルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジイ
ソプロピルアミノ、フェニルメチルアミノ)、カルバモ
イル基(例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジ
メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、ジイソプ
ロピルカルバモイル、エチルカルバモイル、イソプロピ
ルカルバモイル、tert−ブチルカルバモイル、フェニル
カルバモイル、フェニルメチルカルバモイル)、スルフ
ァモイル基(例えばスルファモイル、メチルスルファモ
イル、エチルスルファモイル、イソプロピルスルファモ
イル、フェニルスルファモイル、オクチルスルファモイ
ル、ジメチルスルファモイル、ジエチルスルファモイ
ル、ジイソプロピルスルファモイル、ジヘキシルスルフ
ァモイル、フェニルメチルスルファモイル)、アルコキ
シカルボニル基(例えばメトキシカルボニル、プロピル
オキシカルボニル、イソプロピルオキシカルボニル、te
rt−ブチルオキシカルボニル、tert−アミルオキシカル
ボニル、オクチルオキシカルボニル)、アリールオキシ
カルボニル基(例えばフェノキシカルボニル、p−メト
キシフェノキシカルボニル)、アシルアミノ基(例えば
アセチルアミノ、プロパノイルアミノ、ペンタノイルア
ミノ、N−メチルアセチルアミノ、ベンゾイルアミ
ノ)、スルホンアミド基(例えばメタンスルホンアミ
ド、エタンスルホンアミド、ペンタンスルホンアミド、
ベンゼンスルホンアミド、p−トルエンスルホンアミ
ド)、アルコキシカルボニルアミノ基(例えばメトキシ
カルボニルアミノ、イソプロピルオキシカルボニルアミ
ノ、tert−ブトキシカルボニルアミノ、ヘキシルオキシ
カルボニルアミノ)、アリールオキシカルボニルアミノ
基(例えばフェノキシカルボニルアミノ)、ウレイド基
(例えば3−メチルウレイド、3−フェニルウレイ
ド)、シアノ基もしくはニトロ基などが挙げられる。
【0087】R101とR102は同じでも異なっていても良
いが、両者の式量の和が120未満であることが好まし
い。また好ましい置換基としてアルキル基、ハロゲン原
子、アルコキシ基が挙げられ、好ましくはアルキル基で
ある。
【0088】一般式(3) においてR103とR104で表され
る基はそれぞれ独立に水素原子もしくはアルキル基を表
わす。アルキル基としては例えばメチル、エチル、イソ
プロピル、tert−ブチル、イソブチル、ヘキシル、2−
メトキシエチルが挙げられる。R103およびR104として
好ましくは水素原子、メチル基、もしくはエチル基であ
り、特に好ましくは水素原子である。
【0089】一般式(3) においてR105で表される基
は、無置換のフェニル基もしくは1級アルキル基、アル
キルチオ基、アリール基以外の基で置換された1級アル
キル基または−CO2C(R107)(R108)CO2106
表される基を表す。アルキル基としては例えばエチル、
プロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、イソペンチ
ル、2−メチルブチル、ヘキシル、2−メチルペンチ
ル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、2−エ
チルブチル、ヘプチル、またはオクチルなどが挙げられ
る。置換基としては、ハロゲン原子、アルコキシ基、ア
ルキルチオ基、アミノ基、カルバモイル基、スルファモ
イル基、アルコキシカルボニル基、アシルアミノ基、ス
ルホンアミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、ウレ
イド基、シアノ基もしくはニトロ基が挙げられ、それぞ
れの基の具体例としてはR101およびR102の置換基で挙
げられたものの中でアリール基を含む基を除いたものな
どが挙げられる。
【0090】またR106は炭素数3ないし6の無置換ア
ルキル基(例えばプロピル、ブチル、イソブチル、ペン
チル、イソペンチル、ヘキシル)を表す。R107、R108
は水素原子、炭素数1ないし8の無置換のアルキル基
(例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブ
チル、ペンチル、ヘキシル、オクチル)を表し、
107、R108は同じであっても異なっていてもよい。
【0091】さらにR105は2種以上の置換基で置換さ
れていてもよい。R105の置換基として好ましくはフル
オロ、クロロ、アルコキシ基、カルバモイル基、アルコ
キシカルボニル基、シアノ基もしくはニトロ基である。
これらのうちで特に好ましくはアルコキシカルボニル基
である。
【0092】またR105として好ましくはフェニル基、
もしくは炭素数2ないし6の1級無置換アルキル基、−
CO2C(R107)(R108)CO2106においてR106が炭
素数3ないし6の無置換のアルキル基でしかもR107
108がともに水素原子からなる基、または先程R105
好ましい置換基として挙げた基により置換された1級ア
ルキル基である。特に好ましくは炭素数3ないし5の1
級無置換アルキル基またはアルコキシカルボニル基で置
換された1級アルキル基である。
【0093】一般式(3) においてINHで表わされる基
は現像抑制剤を有する基を表わし、その具体例は一般式
(1) のPUGの説明で挙げた一般式(INH−1)〜
(INH−13)である。その好ましい範囲等も一般式
(1) と同じである。
【0094】次に一般式(4) で表わされる化合物につい
て詳しく説明する。
【0095】まずR111、R112およびR113それぞれが
水素原子もしくは1価の有機基を表わ場合について説明
する。
【0096】R112およびR113が1価の有機基を表す場
合、有機基としてはアルキル基(例えばメチル、エチ
ル)もしくはアリール基(例えばフェニル)が好まし
い。R112およびR113として好ましくは少なくともいず
れかが水素原子である場合であり、特に好ましくはR
112とR113が水素原子であるときである。
【0097】R111は有機基を表し、好ましくは以下に
挙げる基である。アルキル基(例えばメチル、イソプロ
ピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、sec−ブチ
ル、ネオペンチル、ヘキシル)、アリール基(例えばフ
ェニル)、アシル基(例えばアセチル、ベンゾイル)、
スルホニル基(例えばメタンスルホニル、ベンゼンスル
ホニル)、カルバモイル基(例えばエチルカルバモイ
ル、フェニルカルバモイル)、スルファモイル基(例え
ばエチルスルファモイル、フェニルスルファモイル)、
アルコキシカルボニル基(例えばエトキシカルボニル、
ブトキシカルボニル)、アリールオキシカルボニル基
(例えばフェノキシカルボニル、4−メチルフェノキシ
カルボニル)、アルコキシスルホニル基(例えばブトキ
シスルホニル、エトキシスルホニル)、アリールオキシ
スルホニル基(例えばフェノキシスルホニル、4−メト
キシフェノキシスルホニル)、シアノ基、ニトロ基、ニ
トロソ基、チオアシル基(例えばチオアセチル、チオベ
ンゾイル)、チオカルバモイル基(例えばエチルチオカ
ルバモイル)、イミドイル基(例えばN−エチルイミド
イル)、アミノ基(例えばアミノ、ジメチルアミノ、メ
チルアミノ)、アシルアミノ基(例えばホルミルアミ
ノ、アセチルアミノ、N−メチルアセチルアミノ)、ア
ルコキシ基(例えばメトキシ、イソプロピルオキシ)、
またはアリールオキシ基(例えばフェノキシ)である。
【0098】また、これらの基は更に置換基を有してい
てもよく、置換基としてはR111として挙げた基のほか
ハロゲン原子(例えばフルオロ、クロロ、ブロモ)、カ
ルボキシル基、スルホ基が挙げられる。
【0099】R111としては水素原子以外の原子の数が
15以下であることが好ましい。
【0100】またR111として更に好ましくは置換もし
くは無置換のアルキル基もしくはアリール基であり、特
に好ましくは置換もしくは無置換のアルキル基である。
【0101】次にR111、R112およびR113で表わされ
る基において、これらのうちの任意の2つが2価基とな
って連結し環を形成する場合について説明する。
【0102】形成する環の大きさとしては4ないし8員
環が好ましく、より好ましくは4ないし6員環を形成す
る場合である。
【0103】2価基として好ましくは以下に挙げる基で
ある。
【0104】−C(=O)−N(R114)−、−SO2
N(R114)−、−(CH2)3−、−(CH2)4−、−(C
2)5−、−C(=O)−(CH2)2−、−C(=O)−
N(R114)−C(=O)−、−SO2−N(R114)−C
(=O)−、−C(=O)−C(R114)(R115)−、−
(CH2)2−O−CH2−である。
【0105】ここでR114およびR115は水素原子もしく
はR111が1価の有機基を表す場合と同義であり、R114
とR115は同じであっても異なっていてもよい。
【0106】R111、R112、R113のうち2価基として
参与しない残りの基は水素原子もしくは1価の有機基を
表わし、有機基の具体例等は環を形成しない場合に示し
たR111、R112、R113の場合と同じである。
【0107】R111、R112、R113のうちの任意の2つ
が結合し環を形成する場合、好ましくはR112とR113
いずれかが水素原子であり、残りのR112ないしR113
111と環を形成する場合であり、更に好ましくは先ほ
ど挙げた2価基の左端が一般式(4) の窒素原子と結合
し、右端が炭素原子と結合する場合である。
【0108】またR111、R112、R113として好ましく
は環を形成せず、それぞれが水素原子もしくは1価の有
機基を表す場合である。
【0109】一般式(1) および(2) においてAとPUG
で表される基を除いた残基の式量は64以上240以下
であることが好ましく、更に好ましくは70以上200
以下であり、特に好ましくは90以上180以下であ
る。
【0110】以下に本発明の一般式(1) 〜(4) で表わさ
れる化合物の具体例を示すが、本発明はこれらによって
限定されるものではない。
【0111】なお、一般式(1) においてAがカプラー残
基を表わすものについては(CA)を頭につけた番号
で、一般式(2)〜(4)においてAがカプラー残基を表わす
ものについては(CB)を頭につけた番号で、一般式
(1)〜(4)においてAが酸化還元基を表わすものについて
は(SA)を頭につけた番号で示した。
【0112】
【化28】
【0113】
【化29】
【0114】
【化30】
【0115】
【化31】
【0116】
【化32】
【0117】
【化33】
【0118】
【化34】
【0119】
【化35】
【0120】
【化36】
【0121】
【化37】
【0122】
【化38】
【0123】
【化39】
【0124】
【化40】
【0125】
【化41】
【0126】
【化42】
【0127】
【化43】
【0128】
【化44】
【0129】
【化45】
【0130】
【化46】
【0131】
【化47】
【0132】
【化48】
【0133】
【化49】
【0134】
【化50】
【0135】
【化51】
【0136】
【化52】
【0137】
【化53】
【0138】
【化54】
【0139】
【化55】
【0140】
【化56】
【0141】
【化57】
【0142】
【化58】
【0143】
【化59】
【0144】
【化60】
【0145】
【化61】
【0146】
【化62】
【0147】本発明の化合物の合成は例えば米国特許第
4,847,383号、同4,770,990号、同
4,684,604号、同4,886,736号、特開
昭60−218645号、同61−230135号、特
願平2−37070号、同2−170832号、および
同2−251192号に記載の方法もしくは類似の方法
を利用することができる。
【0148】以下に具体的合成例について述べる。 (合成例1) 例示化合物(CA−1)の合成 下記に示す合成ルートにより合成した。
【0149】
【化63】
【0150】CA−1a(3.40g)を塩化チオニル
(30ml)中60℃で1時間反応させた後過剰の塩化チ
オニルを減圧下留去した。この残渣をCA−1b(7.
48g)とジイソプロピルエチルアミン(10.5ml)
のジメチルホルムアミド溶液(0℃)に加え1時間攪拌
した。その後この溶液を水(500ml)中にあけ、生じ
た結晶を濾取することによりCA−1cを粗結晶として
9.8g得た。構造はNMRにより確認した。
【0151】CA−1c(3.20g)とCA−1d
(1.38g)を1,2−ジクロロエタン(30ml)中
で1時間反応させた。そこに、CA−1e(3.20
g)の酢酸エチル(20ml)溶液を水冷下加え、続いて
ジイソプロピルエチルアミン(4.5ml)を加えた後1
時間攪拌した。1規定塩酸で反応を止め、クロロホルム
(30ml)を加え反応液を希釈した。その後反応液を水
で3回水洗し、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥した。
有機溶媒を留去して得られた油状物をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサン=1:5)
にて精製することにより例示化合物CA−1を1.20
gを得た。構造はNMRにより確認した。m.p.13
3.0〜134.0℃。
【0152】 (合成例2) 例示化合物(CA−12)の合成 下記に示す合成ルートにより合成した。
【0153】
【化64】
【0154】CA−12a(10.7g)と37%ホル
マリン水溶液(30ml)を酢酸(100ml)中70℃で
5時間反応させた後溶媒を減圧下留去した。残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサ
ン2:1)にて精製することによりCA−12bを6.
4g(収率53%)得た。
【0155】次にCA−12b(3.2g)とCA−1
2c(2.1g)をクロロホルム(40ml)に懸濁さ
せ、そこにヨウ化亜鉛(5.7g)を加え室温で2時間
反応させた。1N塩酸で反応を止めクロロホルム40ml
で希釈した後反応液を水で2回洗浄した。有機層を硫酸
ナトリウムで乾燥、濃縮後得られた残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサン1:
4)にて精製することにより例示化合物(CA−12)
を4.1g(収率25%)得た。構造はNMR、マス、
元素分析により確認した。
【0156】 (合成例3) 例示化合物(CB−2)の合成 下記で表わされる合成ルートにより合成した。
【0157】
【化65】
【0158】CB−2a(10mmol)をクロロホルム
(30ml)に、懸濁させそこに塩化チオニル(20mmo
l)を加え50℃で1時間反応させた後溶媒を留去す
る。ここで得られた残渣をCB−2b(10mmol)とジ
イソプロピルエチルアミン(20mmol)のジメチルホル
ムアミド(30ml)溶液に加え1時間反応させた後氷水
(200ml)中にあける。クロロホルム50mlを加え攪
拌した後水相を分離し、有機層を水(100ml)で更に
2回洗浄した後硫酸ナトリウムで乾燥し濃縮することに
よりCB−2cを得た。
【0159】得られたCB−2cをクロロホルム(30
ml)に溶かし、そこにクロロ炭酸ニトロフェニル(10
mmol)を加え1時間反応させた後、CB−2b(10mm
ol)の酢酸エチル(50ml)溶液を加え、更にジイソプ
ロピルエチルアミン(50mmol)を加えた後1時間反応
させる。1N塩酸(10ml)を加え反応を止めた後酢酸
エチル(10ml)で希釈する。有機層を水で洗浄後硫酸
ナトリウムで乾燥、濃縮する。得られた残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(溶出液:酢酸エチル−ヘ
キサン1:3)にて精製することにより例示化合物CB
−2を1.94g(収率23%収率)得る。m.p.1
01.5〜102.5℃。
【0160】 (合成例4) 例示化合物(CB−3)の合成 下記で表わされる合成ルートにて合成した。
【0161】
【化66】
【0162】(CB−3a)を原料として例示化合物C
B−2と同様の方法により合成することができる。収率
31%。m.p.68.0〜69.0℃。
【0163】 (合成例5) 例示化合物(CB−11)の合成 下記で表わされる合成ルートにて合成した。
【0164】
【化67】
【0165】(CB−11a)200gと(CB−11
b)34.7gを酢酸エチル(500ml)に溶解し、そ
こにジイソプロピルエチルアミン(142ml)を加え4
時間攪拌した。析出した結晶を濾取し酢酸エチルで洗浄
することにより(CB−11c)を176g(75%)
得た。
【0166】(CB−11c)53.6gとパラホルム
アルデヒド(27.9g)を1,2−ジクロロエタン
(500ml)と酢酸(54ml)の混合液中還流下4時間
反応させた。室温に冷却後反応液を水洗し、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥後濃縮した。得られた残渣をクロロホル
ムを溶出液とするシリカゲルカラムクロマトグラフィー
により精製することにより(CB−11d)を23.2
g(41.2%)得た。
【0167】(CB−11d)23.2gと(CB−1
1e)6.78gをクロロホルム(250ml)に溶解
し、そこに沃化亜鉛26.88gを加え3時間攪拌し
た。1N塩酸を加えた後反応液を水洗した。有機層を無
水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮後、得られた残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサ
ン1:4)にて精製することにより例示化合物(CB−
11)を7.0g得た(23.9%)。m.p.11
7.0〜118.5℃。
【0168】 (合成例6) 例示化合物(CB−13)の合成 合成例5と同様の方法により合成した。m.p.61.
5〜63.0℃ (合成例7) 例示化合物(CB−19)の合成 特開昭60−218645号の合成例2と同様の方法に
より合成することができる。収率7%。m.p.115
℃。 (合成例8) 例示化合物(SA−5)の合成 下記に表わされる合成ルートにより合成した。
【0169】
【化68】
【0170】SA−5a(特開昭61−230135号
に記載の方法と同様の方法にて合成した)の11.6g
を水冷下塩化チオニル30mlに加え50℃で更に1時間
反応させた。過剰の塩化チオニルを減圧下留去し、析出
した結晶を少量の氷冷したクロロホルムで洗浄すること
により(SA−5b)を粗結晶として得た。次に(SA
−5b)13.1gを(SA−5c)7.2gとトリエ
チルアミン12.1gのN,N,−ジメチルホルムアミ
ド(100ml)溶液に0℃で加え、その後室温で1時間
さらに反応させた。
【0171】2N塩酸60mlと氷水300mlの水溶液に
反応混合物をあけ、更に酢酸エチル300mlを加え攪拌
した。その液を分液ロートに移し油層をとり、水で数回
洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮後
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製
(酢酸エチル−ヘキサン=1/4〜1/1(v/v)を溶出
液として用いた)することにより例示化合物SA−5を
アモルファスとして3.7g得た。
【0172】本発明の一般式(1) または(2) で表わされ
る化合物は感光材料中のいかなる層に添加してもよい
が、感光性乳剤層および/またはその隣接層に添加する
ことが好ましく、赤感光性乳剤層および/または緑感光
性乳剤層に添加することが特に好ましい。同一の感色性
層が感度の異なる2層以上に分かれている場合には、最
高感度層、最低感度層および中間感度層のいずれの層に
添加してもよい。
【0173】またその感光材料中への総添加量は0.0
01〜1.0g/m2であり、好ましくは0.010〜
0.5g/m2、より好ましくは0.020〜0.40g
/m2、更に好ましくは0.030〜0.30g/m2であ
る。
【0174】一般式(1) と一般式(2) の化合物を併用す
る場合、その混合割合は任意に選ぶことができ、特にそ
の制限はない。また、一般式(1) または一般式(2) の化
合物と本発明以外の現像抑制剤放出型化合物を目的に応
じて併用することもできる。
【0175】次に本発明のイエローカラードシアンカプ
ラーについて説明する。
【0176】本発明において、イエローカラードシアン
カプラーとは、カプラーの可視吸収領域における吸収極
大を400nmから500nmの間に有し、かつ芳香族
第1級アミン現像主薬酸化体とカップリングして可視吸
収領域における吸収極大が630nmから750nmの
間のシアン色素を形成するシアンカプラーであるものを
いう。
【0177】本発明のイエローカラードシアンカプラー
のうち、芳香族第1級アミン現像主薬酸化体とのカップ
リング反応により、水溶性の6−ヒドロキシ−2−ピリ
ドン−5−イルアゾ基、水溶性のピラゾロン−4−イル
アゾ基、水溶性の2−アシルアミノフェニルアゾ基また
は水溶性の2−スルホンアミドフェニルアゾ基を含む化
合物残基を放出可能なシアンカプラーが好ましく用いら
れる。
【0178】本発明のカラードシアンカプラーは好まし
くは下記に示される一般式(CI)〜(CIV)で表され
る。
【0179】
【化69】
【0180】一般式(CI)〜(CIV)でにおいてCp
はシアンカプラー残基(Tはそのカップリング位に結合
している)を、Tはタイミング基を、kは0または1の
整数を、XはN、O、またはSを含みそれらにより
(T) kもしくはCpと結合しQとを連結する2価の連
結基を表し、Qはアリーレン基または2価の複素環基を
表す。
【0181】一般式(CI)において、R11及びR12
各々独立に水素原子、カルボキシル基、スルホ基、シア
ノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、複
素環基、カルバモイル基、スルファモイル基、カルボン
アミド基、スルホンアミド基またはスルホニル基を、R
13は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリー
ル基または複素環基をそれぞれ表す。ただし、T、X、
Q、R11、R12またはR13のうち少なくとも一つは水溶
性基(例えばヒドロキシル、カルボキシル、スルホ、ア
ミノ、アンモニウミル、ホスホノ、ホスフィノ、ヒドロ
キシスルホニルオキシ)を含むものとする。
【0182】尚、一般式(CI)における下記に示され
る基
【0183】
【化70】
【0184】が下記のような互変異性体構造をとり得る
ことは常識であり、これら互変異性体構造も本発明の一
般式(CI)で規定された構造に含まれるものである。
【0185】
【化71】
【0186】一般式(CII)において、R14はアシル基
またはスルホニル基を、R15は置換可能な基を、jは0
ないし3の整数を表す。jが2以上の整数のときR15
同じであっても異なっていてもよい。但し、T、X、
Q、R14またはR15のうち少なくとも一つは水溶性基
(例えばヒドロキシル、カルボキシル、スルホ、ホスホ
ノ、ホスフィノ、ヒドロキシスルホニルオキシ、アミ
ノ、アンモニウミル)を含むものとする。
【0187】一般式(CIII)及び(CIV)において、R
16は水素原子、カルボキシル基、スルホ基、シアノ基、
アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキ
シ基、シクロアルキルオキシ基、アリールオキシ基、複
素環基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、ア
リールオキシカルボニル基、スルファモイル基、カルボ
ンアミド基、スルホンアミド基、またはスルホニル基
を、R17は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、
アリール基または複素環基をそれぞれ表す。但し、T、
X、Q、R16またはR17のうち少なくとも一つは水溶性
基(例えばヒドロキシル、カルボキシル、スルホ、ホス
ホノ、ホスフィノ、ヒドロキシスルホニルオキシ、アミ
ノ、アンモニウミル)を含むものとする。
【0188】また、下記に示される基
【0189】
【化72】
【0190】は互変異性体の関係にあり同じ化合物であ
る。
【0191】以下に一般式(CI)〜(CIV)で表わさ
れる化合物についてさらに詳しく説明する。
【0192】Cpが表わすカプラー残基としては公知の
シアンカプラー残基(例えばフェノール型、ナフトール
型)が挙げられる。
【0193】Tで表わされるタイミング基は一般式(C
I)〜(CIV)で表されるカプラーと芳香族第1級アミ
ン現像主薬の酸化体とカップリング反応によりCpとの
結合が開裂した後、Xとの結合が開裂する基であり、カ
ップリング反応性の調節、カプラーの安定化、X以下の
放出タイミングの調節等種々の目的に用いられる。タイ
ミング基の例としては、下記式(T−1)〜(T−7)
で表される公知の連結基が挙げられる。下記式(T−
1)〜(T−7)で表される各基において、*印はC
p、**印はXと各々結合する。
【0194】
【化73】
【0195】式中、R20はベンゼン環に置換可能な基を
表し、R21は以下に説明するR41であり、R22は水素原
子または置換基を表す。tは0ないし4の整数を表す。
20およびR22の置換基としてはR41、ハロゲン原子、
43O−、R43S−、R43(R44)NCO−、R43OO
C−、R43SO2−、R43(R44)NSO2−、R43CO
N(R43)−、R41SO2N(R43)−、R43CO−、
41COO−、R41SO−、ニトロ、R43(R44)NC
ON(R45)−、シアノ、R41OCON(R43)−、R
43OSO2−、R43(R44)N−、R43(R44)NSO2
N(R45)−、または下記に示される基
【0196】
【化74】
【0197】が挙げられる。
【0198】上式においてR41は脂肪族基、芳香族基ま
たは複素環基を表し、R43、R44およびR45は水素原
子、脂肪族基、芳香族基または複素環基を表す。
【0199】上記において脂肪族基とは炭素数1〜3
2、好ましくは1〜22の飽和または不飽和、鎖状また
は環状、直鎖または分岐、置換または無置換の脂肪族炭
化水素基である。代表的な例としては、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、(t)ブチル、
(i)ブチル、(t)アミル、ヘキシル、シクロヘキシ
ル、2−エチルヘキシル、オクチル、1,1,3,3−
テトラメチルブチル、デシル、ドデシル、ヘキサデシ
ル、オクタデシルが挙げられる。
【0200】芳香族基とは炭素数6〜20の芳香族基で
あり、好ましくは置換もしくは無置換のフェニル基、ま
たは置換もしくは無置換のナフチル基である。
【0201】複素環基とは炭素数1〜20、好ましくは
1〜7の、複素原子として窒素原子、酸素原子もしくは
イオウ原子から選ばれる、好ましくは3員ないし8員環
の置換もしくは無置換の複素環基である。複素環基の代
表的な例としては2−ピリジン、2−チエニル、2−フ
リル、1,3,4−チアジアゾール−2−イル、2,4
−ジオキソ−1,3−イミダゾリジン−5−イル、1,
2,4−トリアゾール−2−イルまたは1−ピラゾリル
が挙げられる。
【0202】前記脂肪族炭化水素基、芳香族基および複
素環基が置換基を有するとき代表的な置換基としては、
ハロゲン原子、R47O−、R46S−、R47CON
(R48)−、(R47)(R48)NCO−、R46OCON
(R47)−、R46SO2N(R47)−、(R47
(R48)NSO2−、R46SO2−、R47OCO−、(R
47)(R48)NCON(R49)−、R46と同じ意味の
基、下記に示される基、
【0203】
【化75】
【0204】R46COO−、R47OSO2−、シアノ基
またはニトロ基が挙げられる。ここでR46は脂肪族基、
芳香族基、または複素環基を表し、R47、R48およびR
49は各々脂肪族基、芳香族基、複素環基または水素原子
を表す。脂肪族基、芳香族基または複素環基の意味は前
に定義したのと同じ意味である。
【0205】kは0または1の整数であるが、一般にk
が0である場合、すなわちCpとXとが直接結合する場
合が好ましい。
【0206】XはN、OまたはSによりCp−(T)k
−と結合する2価の連結基であり、−O−、−S−、−
OCO−、−OCO(O)−、−OCO(S)−、−O
CONH−、−SO2−、−OSO2NH−もしくはNで
Cp−(T)k−と結合する複素環基(例えばピロリジ
ン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジン、ピロール、
ピラゾール、イミダゾール、1,2,4−トリアゾー
ル、ベンゾトリアゾール、スクシンイミド、フタルイミ
ド、オキサゾリジン−2,4−ジオン、イミダゾリジン
−2,4−ジオン、1,2,4−トリアゾリジン−3,
5−ジオンから誘導される基)またはこれらの基とアル
キレン基(例えばメチレン、エチレン、プロピレン)、
シクロアルキレン基(例えば1,4−シクロヘキシレ
ン)、アリーレン基(例えばo−フェニレン、p−フェ
ニレン)、2価の複素環基(例えばピリジン、チオフェ
ンなどから誘導される基)、−CO−、−SO2−、−
COO−、−CONH−、−SO2NH−、−SO2
−、−NHCO−、−NHSO2−、−NHCONH
−、−NHSO2NH−、−NHCOO−などを複合し
た連結基が好ましい。
【0207】Xはさらに好ましくは下記一般式(I)で
表わされる。 一般式(I) *−X1−(L−X2)m−** 一般式(I)において、*はCp−(T)k−と結合す
る位置を、**はQと結合する位置を、X1は−O−ま
たは−S−を、Lはアルキレン基を、X2は−O−、−
S−、−CO−、−SO2−、−OCO−、−COO
−、−NHCO−、−CONH−、−SO2NH−、−
NHSO2−、−SO2O−、−OSO2−、−OCO
(O)−、−OCONH−、−NHCOO−、−NHC
ONH−、−NHSO2NH−、−OCO(S)−、−
SCO(O)−、−OSO2NH−または−NHSO2
−を、mは0〜3の整数を表す。
【0208】Xの総炭素原子数(以下C数という)は好
ましくは0〜12、より好ましくは0〜8である。Xと
して最も好ましいものは−OCH2CH2O−である。
【0209】Qはアリーレン基または2価の複素環基を
表す。Qがアリーレン基のときアリーレン基は縮合環で
あっても置換基(例えばハロゲン原子、ヒドロキシル、
カルボキシル、スルホ、ニトロ、シアノ、アミノ、アン
モニウム、ホスホノ、ホスフィノ、アルキル、シクロア
ルキル、アリール、カルボンアミド、スルホンアミド、
アルコキシ、アリールオキシ、アシル、スルホニル、カ
ルボキシル、カルバモイル、スルファモイル)を有して
いてもよく、C数は好ましくは6〜15、より好ましく
は6〜10である。Qが2価の複素環基のとき複素環基
は少なくとも1個のN、O、S、P、SeまたはTeか
ら選ばれるヘテロ原子を環内に含む3〜8員、好ましく
は5〜7員の単環もしくは縮合環の複素環基(例えばピ
リジン、チオフェン、フラン、ピロール、ピラゾール、
イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、ベンゾチア
ゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾフラン、ベンゾチ
オフェン、1,3,4−チアジアゾール、インドール、
キノリンなどから誘導される基)であって、置換基(Q
がアリーレン基の場合の置換基に同じ)を有していても
よく、C数は好ましくは2〜15、より好ましくは2〜
10である。Qとして最も好ましいものは、下記に示さ
れる基
【0210】
【化76】
【0211】である。
【0212】従って本発明において最も好ましい−
(T)k−X−Q−は、下記に示される基
【0213】
【化77】
【0214】である。
【0215】R11、R12またはR13がアルキル基である
とき、アルキル基は直鎖状、分岐鎖状のいずれであって
も、不飽和結合を含んでいてもよく、置換基(例えばハ
ロゲン原子、ヒドロキシル、カルボキシル、スルホ、ホ
スホノ、ホスフィン、シアノ、アルコキシ、アリール、
アルコキシカルボニル、アミノ、アンモニウミル、アシ
ル、カルボンアミド、スルホンアミド、カルバモイル、
スルファモイル、スルホニル)を有していてもよい。
【0216】R11、R12またはR13がシクロアルキシル
基であるとき、シクロアルキル基は3〜8員環のシクロ
アルキル基であって架橋基を有していても、不飽和結合
を含んでいても、置換基(R11、R12またはR13がアル
キル基の場合の置換基に同じ。)を有していてもよい。
【0217】R11、R12またはR13がアリール基である
とき、アリール基は縮合環であっても、置換基(R11
12またはR13がアルキル基の場合の置換基の他、例え
ばアルキル、シクロアルキルがある。)を有していても
よい。
【0218】R11、R12またはR13が複素環基であると
き、複素環基は少なくとも1個のN、S、O、R、Se
またはTeから選ばれたヘテロ原子を環内に含む3〜8
員(好ましくは5〜7員)の単環もしくは縮合環の複素
環基(例えばイミダゾリル、チエニル、ピラゾリル、チ
アゾリル、ピリジル、キノリニル)であって、置換基
(R11、R12またはR13がアリール基の場合の置換基に
同じ)を有していてもよい。
【0219】ここでカルボキシル基はカルボキシラート
基を、スルホ基はスルホナート基を、ホスフィノ基はホ
スフィナート基を、ホスホノ基はホスホナート基をそれ
ぞれ含んでよく、この時対イオンは例えばLi+ 、Na
+ 、K+ 、アンモニウムである。
【0220】R11は好ましくは水素原子、カルボキシル
基、C数1〜10のアルキル基(例えばメチル、t−ブ
チル、スルホメチル、2−スルホエチル、カルボキシメ
チル、2−カルボキシエチル、2−ヒドロキシエチル、
ベンジル、エチル、イソプロピル)またはC数6〜12
のアリール基(例えばフェニル、4−メトキシフェニ
ル、4−スルホフェニル)であり、特に好ましくは水素
原子、メチル基またはカルボキシル基である。
【0221】R12は好ましくはシアノ基、カルボキシル
基、C数1〜10のカルバモイル基、C数0〜10のス
ルファモイル基、スルホ基、C数1〜10のアルキル基
(例えばメチル、スルホメチル)、C数1〜10のスル
ホニル基(例えばメチルスルホニル、フェニルスルホニ
ル)、C数1〜10のカルボンアミド基(例えばアセト
アミド、ベンズアミド)またはC数1〜10のスルホン
アミド基(例えばメタンスルホンアミド、トルエンスル
ホンアミド)であり、特に好ましくはシアノ基、カルバ
モイル基またはカルボキシル基である。
【0222】R13は好ましくは水素原子、C数1〜12
のアルキル基(例えばメチル、スルホメチル、カルボキ
シメチル、2−スルホエチル、2−カルボキシエチル、
エチル、n−ブチル、ベンジル、4−スルホベンジル)
またはC数6〜15のアリール基(例えばフェニル、4
−カルボキシフェニル、3−カルボキシフェニル、4−
メトキシフェニル、2,4−ジカルボキシフェニル、2
−スルホフェニル、3−スルホフェニル、4−スルホフ
ェニル、2,4−ジスルホフェニル、2,5−ジスルホ
フェニル)であり、より好ましくはC数1〜7のアルキ
ル基またはC数6〜10のアリール基である。
【0223】R14は具体的には一般式(II)で表わされ
るアシル基もしくは一般式(III)で表わされるスルホニ
ル基である。 一般式(II) R31CO− 一般式(III) R31SO2− R31がアルキル基であるときアルキル基は直鎖状、分岐
鎖状のいずれであっても、不飽和結合を含んでいてもよ
く、置換基(例えばハロゲン原子、ヒドロキシル、カル
ボキシル、スルホ、ホスホノ、ホスフィノ、シアノ、ア
ルコキシ、アリール、アルコキシカルボニル、アミノ、
アンモニウミル、アシル、カルボンアミド、スルホンア
ミド、カルバモイル、スルファモイル、スルホニル)を
有していてもよい。
【0224】R31がシクロアルキル基であるとき、シク
ロアルキル基は3〜8員環のシクロアルキル基であっ
て、架橋基を有していても、不飽和結合を有していて
も、置換基(R31がアルキル基の場合の置換基に同じ)
を有していてもよい。
【0225】R31がアリール基であるとき、アリール基
は縮合環であっても、置換基(R31がアルキル基の場合
の置換基のほか、アルキル、シクロアルキルなどがあ
る)を有していてもよい。
【0226】R31が複素環基であるとき、複素環基は少
なくとも1個のN、S、O、P、SeまたはTeから選
ばれたヘテロ原子を環内に含む3〜8員(好ましくは5
〜7員)の単環もしくは縮合環の複素環基(例えばイミ
ダゾリル、チエニル、ピラゾリル、チアゾリル、ピリジ
ル、キノリニル)であって、置換基(R31がアリール基
の場合の置換基に同じ)を有していてもよい。
【0227】ここでカルボキシル基はカルボキシラート
基を、スルホ基はスルホナート基を、ホスフィノ基はホ
スフィナート基を、ホスホノ基はホスホナート基をそれ
ぞれ含んでよく、この時対イオンは例えばLi+ 、Na
+ 、K+ 、アンモニウムである。
【0228】R31は好ましくはC数1〜10のアルキル
基、(例えばメチル、カルボキシメチル、スルホエチ
ル、シアノエチル)、C数5〜8のシクロアルキル基
(例えばシクロヘキシル、2−カルボキシシクロヘキシ
ル)、もしくはC数6〜10のアリール基(例えばフェ
ニル、1−ナフチル、4−スルホフェニル)であり、特
に好ましくは、C数1〜3のアルキル基、C数6のアリ
ール基である。
【0229】R15は置換可能な基であり、好ましくは電
子供与性基であり、特に好ましくは−NR3233もしく
は−OR34である。置換位置としては4−位が好まし
い。R32、R33およびR34は水素原子、アルキル基、シ
クロアルキル基、アリール基もしくはヘテロ環基であ
り、R31と同様である。またR32とR33の間で環を形成
してもよく、形成される窒素ヘテロ環としては脂環式の
ものが好ましい。
【0230】jは0ないし3の整数を表わし、好ましく
は1もしくは2であり、特に好ましくは1である。
【0231】R16またはR17がアルキル基であるときア
ルキル基は直鎖状、分岐鎖状のいずれであっても、不飽
和結合を含んでいてもよく、置換基(例えばハロゲン原
子、ヒドロキシル、カルボキシル、スルホ、ホスホノ、
ホスフィノ、シアノ、アルコキシ、アリール、アルコキ
シカルボニル、アミノ、アンモニウミル、アシル、カル
ボンアミド、スルホンアミド、カルバモイル、スルファ
モイル、スルホニル)を有していてもよい。
【0232】R16またはR17がシクロアルキル基である
とき、シクロアルキル基は3〜8員環のシクロアルキル
基であって、架橋基を有していても、不飽和結合を有し
ていても、置換基(R16またはR17がアルキル基の場合
の置換基に同じ)を有していてもよい。
【0233】R16またはR17がアリール基であるとき、
アリール基は縮合環であっても、置換基(R16またはR
17がアルキル基の場合の置換基のほか、アルキル、シク
ロアルキルなどがある)を有していてもよい。
【0234】R16またはR17が複素環基であるとき、複
素環基は少なくとも1個のN、S、O、P、Seまたは
Teから選ばれたヘテロ原子を環内に含む3〜5員(好
ましくは5〜7員)の単環もしくは縮合環の複素環基
(例えばイミダゾリル、チエニル、ピラゾリル、チアゾ
リル、ピリジル、キノリニル)であって、置換基(R16
またはR17がアリール基の場合の置換基に同じ)を有し
ていてもよい。
【0235】ここでカルボキシル基はカルボキシラート
基を、スルホ基はスルホナート基を、ホスフィノ基はホ
スフィナート基を、ホスホノ基はホスホナート基をそれ
ぞれ含んでよく、この時対イオンは例えばLi+ 、Na
+ 、K+ 、アンモニウム等である。
【0236】R16は好ましくはシアノ基、カルボキシル
基、C数1〜10のカルバモイル基、C数2〜10のア
ルコキシカルボニル基、C数7〜11のアリールオキシ
カルボニル基、C数0〜10のスルファモイル基、スル
ホ基、C数1〜10のアルキル基(例えばメチル、カル
ボキシメチル、スルホメチル)、C数1〜10のスルホ
ニル基(例えばメチルスルホニル、フェニルスルホニ
ル)、C数1〜10のカルボンアミド基(例えばアセト
アミド、ベンズアミド)、C数1〜10のスルホンアミ
ド基(例えばメタンスルホンアミド、トルエンスルホン
アミド)、アルキルオキシ基(例えばメトキシ、エトキ
シ)またはアリールオキシ基(例えばフェノキシ)であ
り、特に好ましくはシアノ基、カルバモイル基、アルコ
キシカルボニル基、カルボキシル基である。
【0237】R17は好ましくは水素原子、C数は1〜1
2のアルキル基(例えばメチル、スルホメチル、カルボ
キシメチル、エチル、2−スルホエチル、2−カルボキ
シエチル、3−スルホプロピル、3−カルボキシプロピ
ル、5−スルホペンチル、5−カルボキシペンチル、4
−スルホベンジル)またはC数6〜15のアリール基
(例えばフェニル、4−カルボキシフェニル、3−カル
ボキシフェニル、2,4−ジカルボキシフェニル、4−
スルホフェニル、3−スルホフェニル、2,5−ジスル
ホフェニル、2,4−ジスルホフェニル)であり、より
好ましくはC数1〜7のアルキル基またはC数6〜10
のアリール基である。
【0238】以下に本発明のイエローカラードシアンカ
プラーの具体例を示すが、本発明はこれらに限定される
ものではない。
【0239】
【化78】
【0240】
【化79】
【0241】
【化80】
【0242】
【化81】
【0243】
【化82】
【0244】
【化83】
【0245】
【化84】
【0246】
【化85】
【0247】
【化86】
【0248】
【化87】
【0249】本発明の一般式(CI)で表わされるイエ
ローカラードカプラーは一般に6−ヒドロキシ−2−ピ
リドン類とカプラー構造を含む芳香族ジアゾニウム塩ま
たは複素環基ジアゾニウム塩とのジアゾカップリング反
応により合成することができる。
【0250】前者すなわち6−ヒドロキシ−2−ピリド
ン類はクリンスベルグ編“複素環式化合物−ピリジンお
よびその誘導体類−第3部”(インターサイエンス出
版、1962年)、ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン
・ケミカル・ソサエティー(J.Am. Chem. Soc.)194
3年,65巻,449頁、ジャーナル・オブ・ザ・ケミ
カルテクノロジー・アンド・バイオテクノロジー(J. C
hem. Tech. Biotechnol.) 1986年,36巻,410
頁、テトラヘドロン(Tetrahedron)1966年,22
巻,445頁、特公昭61−52827号、***特許第
2,162,612号、同2,349,709号、同
2,902,486号、米国特許第3,763,170
号等に記載の方法で合成することができる。
【0251】後者のジアゾニウム塩は米国特許第4,0
04,929号、同4,138,258号、特開昭61
−72244号、同61−273543号等に記載の方
法により合成することができる。6−ヒドロキシ−2−
ピリドン類とジアゾニウム塩とのジアゾカップリング反
応はメタノール、エタノール、メチルセロソルブ、酢
酸、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、水等
の溶媒またはこれらの混合溶媒中で行なうことができ
る。このとき塩基として例えば酢酸ナトリウム、酢酸カ
リウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナト
リウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ピリジ
ン、トリエチルアミン、テトラメチル尿素、テトラメチ
ルグアニジンを用いることができる。反応温度は通常−
78℃〜60℃、好ましくは−20℃〜30℃である。
【0252】以下に本発明のイエローカラードシアンカ
プラーの合成ルートを示す。
【0253】
【化88】
【0254】
【化89】
【0255】
【化90】
【0256】
【化91】
【0257】
【化92】
【0258】一般式(CII)〜(CIV)で表わされるイ
エローカラードシアンカプラーは特公昭58−6939
号、特開平1−197563号および一般式(CI)で
表わされるカプラー合成法として前述した特許等に記載
の方法により合成することができる。
【0259】本発明においては、一般式(CI)および
一般式(CII)で表わされるイエローカラードシアンカ
プラーが更に好ましく用いられる。一般式(CI)で表
わされるものが特に好ましく用いられる。
【0260】本発明のイエローカラードシアンカプラー
は、感光材料中の感光性ハロゲン化銀乳剤層もしくはそ
の隣接層に添加することが好ましく、赤感光性乳剤層に
添加することが特に好ましい。その感光材料中への総添
加量は、0.005〜0.30g/m2であり、好ましく
は0.02〜0.20g/m2、より好ましくは0.03
〜0.15g/m2である。
【0261】本発明のイエローカラードシアンカプラー
の添加方法は後述のように通常のカプラーと同様にして
添加することが可能である。
【0262】本発明に用いるハロゲン化銀粒子は、臭化
銀、塩化銀、沃化銀、塩臭化銀、塩沃化銀、沃臭化銀、
塩沃臭化銀である。それ以外の銀塩、例えばロダン銀、
硫化銀、セレン化銀、炭酸銀、リン酸銀、有機酸銀が別
粒子として、あるいはハロゲン化銀粒子の一部分として
含まれていてもよい。適度に現像を抑制させる場合に
は、沃化銀を含有することが好ましく、本発明の乳剤の
場合、1〜30モル%の沃化銀を含むハロゲン化銀であ
り、好ましくは、1.5〜15モル%、特に好ましくは
2〜10モル%である。
【0263】本発明において、全赤感性層および/また
は全緑感性層のハロゲン化銀粒子の平均ヨード含有量
は、2〜5モル%であることが好ましく、3〜4モル%
であることが更に好ましい。全赤感性層のハロゲン化銀
粒子の平均ヨード含有量とは、全赤感性乳剤層に存在す
る全ハロゲン化銀のモル銀量(AgX)で全沃素モル量
(I)を除して100を乗じた値である。本発明におい
て、赤感性層および緑感性層の少なくとも一つの乳剤層
は、平均沃化銀含有量が6モル%以下であることが好ま
しい。
【0264】本発明では、赤、緑、青感性ハロゲン化銀
乳剤層が、それぞれ1層以上存在することが必要である
が、それぞれ感度の異なる2層以上であることが好まし
く、緑感性層および赤感性層の感度の異なる3層からな
ることが好ましい。本発明に用いるハロゲン化銀粒子は
双晶面を含まない正常晶でも、双晶面を有する多重双晶
でも良い。正常晶の場合には(100)面からなる立方
体、(111)面からなる八面体、特公昭55−427
37号、特開昭60−222842号に開示されている
(110)面からなる12面体粒子を用いることが出来
る。更に、(100)面と(111)面が共存する14
面体粒子なども用いることができる。
【0265】本発明の赤感性層および/または緑感性
層、特に最高感度層には、以下に述べる平板状粒子を用
いることが好ましい。
【0266】本発明における平板状ハロゲン化銀粒子
(以下、平板状粒子と記す)とは、1枚の双晶面か2枚
以上の平行な双晶面を有する粒子の総称である。双晶面
とは、この場合(111)面の面側ですべての格子点の
イオンが鏡像関係にある場合にこの(111)面のこと
をいう。この平板状粒子は、粒子を上から見た時に三角
形状、六角形状もしくはこれらが丸みを帯びた円形状を
しており、三角形状のものは三角形の、六角形状のもの
は六角形の、円形状のものは円形状の互いに平行な外表
面を有している。
【0267】本発明においてハロゲン化銀粒子の全投影
面積の少なくとも50%がアスペクト比は、3以上であ
ることが好ましい。より好ましくは75%以上が3以上
であることが本発明にはより有効である。尚、本発明に
おける平板状粒子のアスペクト比とは、投影面積の円相
当直径が0.1μm以上の粒子直径を有する平板状粒子
について、各々その粒子直径を厚みで割った値である。
粒子の厚みの測定は、参照用のラテックスとともに粒子
の斜め方向から金属を蒸着し、そのシャドーの長さを電
子顕微鏡写真上で測定し、ラテックスのシャドーの長さ
を参照にして計算することにより容易にできる。本発明
における粒子直径とは、粒子の平行な外表面の投影面積
と等しい面積をもつ円の直径である。尚、粒子の投影面
積は電子顕微鏡写真上での面積を測定し、投影倍率を補
正することにより得られる。本発明において、平板状粒
子の直径は、0.15〜5.0μmであることが好まし
い。該平板状粒子の厚みとしては0.05〜1.0μm
であることが好ましい。本発明において、前記平板状粒
子のサイズ分布は、多分散でもよいが単分散(下式で定
義される変動係数が25%以内)が好ましい。 変動係数=(粒子サイズの標準偏差/平均粒子サイズ)
×100 本発明における平板状粒子は1.5モル%以上、好まし
くは2モル%以上、6モル%以下のヨードを含むヨウ臭
化銀、ヨウ塩臭化銀である。
【0268】該平板状粒子は、ハロゲン化銀粒子内に実
質的にヨード組成またはクロル組成の異なる少なくとも
2つの層状構造を持つものでも、均一な組成のものでも
よい。例えば、ヨード組成の異なる層状構造をもつ乳剤
においては、コア部に高ヨード層、最外層に低ヨード層
を含む乳剤でも、コア部に低ヨード層、最外層に高ヨー
ド層を含む乳剤であってもよい。さらに層状構造は3層
以上から成ってもよい。
【0269】本発明における前記平板状粒子は、以下の
沈澱生成法により調製することができる。即ち、攪拌機
構を備えた常用されるハロゲン化銀沈澱生成用反応器中
に分散媒を入れる。通常最初の段階で反応器中に入れる
分散媒の量は、最終粒子の沈澱生成段階で乳剤中に存在
する分散媒の量の少なくとも約10%、好ましくは20
〜80%である。該反応器中に最初に入れる分散媒とし
ては、水または、解膠剤の水中分散媒であって、この分
散媒には、必要に応じて、他の成分、例えば、1または
2以上のハロゲン化銀熟成剤および/または後で後述す
る金属ドープ剤を配合する。解膠剤を前記反応溶液に最
初に存在せしめることもでき、その場合、濃度は、ハロ
ゲン化銀沈澱生成の最終段階で存在する解膠剤全量の少
なくとも10%、特に少なくとも20%であることが好
ましい。追加の分散媒は、銀、およびハライド塩と共に
反応器中に加えられるが、これは別のジェットから導入
することができる。一般には、特に解膠剤の割合を増大
するために、ハライド塩導入を完了した後に分散媒の割
合を調節する。
【0270】また、ハロゲン化銀粒子の生成に用いるブ
ロマイド塩の通常10重量%未満を最初に反応器中に存
在せしめて、ハロゲン化銀沈澱生成の開始時における分
散媒中のブロマイドイオン濃度を調節する。ここで、反
応器中の分散媒は、当初は実質的にヨードイオンを含ま
ない。これは、銀とブロマイド塩、クロライド塩を同時
に加える前にヨードイオンを存在せしめると、厚い非平
板状粒子が生成しやすいためである。ここで、「実質的
にヨードイオンを含まない」とは、ブロマイドイオンと
比較して、ヨードイオンが別個独立のヨウ化銀相(β−
AgIあるいはγ−AgI)として、沈澱するには不十
分な量でしか存在しないことを意味する。銀塩を導入す
る前の反応器中におけるヨード濃度については、反応器
中の全ハライドイオン濃度の0.5モル%未満に維持す
ることが望ましい。分散媒のpBrが当初高過ぎると生
成する平板状粒子は比較的厚くなり、粒子の厚みの分布
は広くなる。また、非平板状粒子が増加する。他方、p
Brが低過ぎるとやはり非平板状粒子が生成しやすい。
ここでpBrとはブロマイドイオン濃度の対数の負の値
で定義される。
【0271】沈澱を生成せしめる間、ハロゲン化銀粒子
の沈澱生成に周知の技法に従って銀、ブロマイド、クロ
ライドおよびヨード塩を反応器に加える。通常、ブロマ
イド、クロライドおよびヨード塩の導入と同時に反応器
中に硝酸銀のような可溶性銀塩の水溶液を導入する。ま
た、ブロマイド、クロライドおよびヨード塩は、可溶性
アンモニウム、アルカリ金属(例えば、ナトリウムまた
はカリウム)またはアルカリ土類金属(例えば、マグネ
シウム、またはカルシウム)ハライド塩の水溶液のよう
な塩水溶液として導入する。銀塩は少なくとも当初はブ
ロマイド、クロライド塩及び、ヨード塩とは別に反応器
中に導入する。ブロマイド塩、クロライド塩及び、ヨー
ド塩は別々に加えても混合物として導入してもよい。
【0272】銀塩を反応器中に導入すると粒子の核生成
段階が開始される。銀、ブロマイド、クロライドおよび
ヨード塩の導入を続けると臭化銀、塩化銀および、ヨウ
化銀の沈澱生成位置として役立つ粒子核の母集団が形成
される。現存する粒子核上への臭化銀、塩化銀およびヨ
ウ化銀の沈澱生成により粒子は成長段階に入る。核形成
の条件は、特開昭63−11928号に記載の方法を参
考にすることができるが、この方法に限られることはな
く、例えば、核形成温度は5〜55℃の範囲で行うこと
ができる。
【0273】本発明で形成される平板状粒子のサイズ分
布は、成長段階のブロマイド塩、クロライド塩およびヨ
ード塩濃度により大きく影響される。即ち、pBrが低
過ぎると高アスペクト比の平板状粒子が形成されるが、
その投影面積の変動係数は著しく大きくなる。pBrを
約2.2〜5の間に維持することにより、投影面積の変
動係数の小さな平板状粒子を形成することができる。
【0274】上述のpBr条件が満足されることを条件
として、銀、ブロマイド、クロライドおよびヨード塩の
濃度および導入速度は、従来慣用されるものと同様であ
ってもよい。銀およびハライド塩を、リットル当たり
0.1〜5モルの濃度で導入することが望ましい。しか
し、従来から常用されるより広い濃度範囲、例えば、リ
ットル当たり0.01モルから飽和度までの範囲が採用
可能である。特に好ましい沈澱生成方法は、銀およびハ
ライド塩の導入速度を増大せしめて沈澱生成時間を短縮
せしめることである。銀およびハライド塩の導入速度
は、分散媒並びに銀およびハライド塩を導入する速度を
増大させることによって、または、導入する分散媒中の
銀およびハライド塩の濃度を増大することによって増大
せしめることができる。銀およびハライド塩の添加速度
を特開昭55−142329号記載のように新しい粒子
核の生成が起る限界値付近に保持することにより、粒子
の投影面積の変動係数をさらに小さくすることができ
る。前記核形成時における反応器中のゼラチン量は、粒
子サイズの分布にかなり影響を与える。該ゼラチン濃度
としては0.5〜10wt%が好ましく、さらに0.5〜
6wt%が好ましい。また、この他、攪拌回転数、反応器
の形状も形成される粒子サイズの分布に影響する。
【0275】本発明において、平板状粒子の形成に使用
される攪拌混合装置としては、米国特許第378577
7号に記載のような、反応液を液中に添加し混合させる
装置が好ましく、設定攪拌回転数は低すぎても高すぎて
もよくない。この攪拌回転数が低いと非平行双晶粒子の
生成割合が増加し、高すぎると平板状粒子の生成頻度が
減少し、サイズ分布も広がってしまう。また、前記平板
状粒子の形成に使用される反応器の形状としては、その
底部が半円球のものが最も好ましい。
【0276】本発明における平板状ハロゲン化銀粒子
は、転位線を有することが好ましい。平板状粒子の転位
は、例えば、J, F. Hamilton, Phot. Sci. Eng., 11, 5
7, (1967) や、T. Shiozawa, J. Soc. Phot. Sci. Japa
n, 35, 213, (1972)に記載の、低温での透過型電子顕微
鏡を用いた直接的な方法により観察することができる。
即ち、まず、ハロゲン化銀粒子を転位が発生し得る圧力
をかけないようにして乳剤中より取出す。次いで、該粒
子を電子顕微鏡観察用のメッシュに乗せ、電子線による
損傷(例えば、プリントアウト)を防ぐようにして、試
料を冷却した状態で透過法により観察を行う。この場
合、粒子の厚みが大きいほど電子線が透過しにくくなる
ので、高圧型(厚さ0.25μmの粒子に対して、20
0kV以上)の電子顕微鏡を用いたほうがより鮮明に観察
することが可能である。本発明において、転位線を有す
る平板状粒子の数は、全平板状粒子数の50%以上であ
ることが好ましく、70%以上であることが更に好まし
い。
【0277】転位線は、例えば、平板状粒子において、
その外周近傍に導入させることができる。この場合、転
位は、粒子の外周にほぼ垂直であり、転位線は平板状粒
子の中心から辺(外周)までの距離のx%の位置から始
まり外周に至るよう領域に発生している。このxの値
は、好ましくは、10以上100未満であり、より好ま
しくは30以上99未満であり、最も好ましくは50以
上98未満である。また、このとき、転位の開始する位
置を結んで形成される領域の形状は、粒子形と相似な図
形に近いが、完全な相似形ではなく歪んだ図形である場
合がある。この歪んだ図形を形成する転位は、粒子の中
心領域には見られない。転位線の方向は、結晶学的には
約(211)方向であるが、しばしば蛇行しており、ま
た相互に交わっていることもある。
【0278】また、本発明において、平板状粒子は、そ
の外周上全域に渡ってほぼ均一に転位線を有していて
も、また外周上に局在した転位線を有していてもよい。
即ち、六角平板状ハロゲン化銀粒子を例にとると、六頂
点の近傍のみに転位線が存在してもよく、六頂点のうち
一頂点の近傍にのみ転位線が局在してもよい。逆に、六
頂点の近傍を除く六角形の各辺のみに転位線が存在する
ことも可能である。
【0279】また、前記転位線は、平板状粒子の平行な
2枚の主表面の中心を含む領域に渡って形成されていて
もよい。主表面の全域に渡って転位線が形成されている
場合には、転位線の方向は、主表面に垂直な方向から見
て、およそ(211)方向、(110)方向、またはラ
ンダムな方向である場合がある。更に、各転位線の長さ
もランダムであり、主表面上において短い線として観察
される場合は、主表面の外周まで到達した長い線として
観察される場合がある。転位線は、直線である場合、蛇
行している場合があり、また相互に交わっていることが
多い。
【0280】前記平板状粒子において、転位の導入され
る位置は、上述したように粒子の外周上、主表面上、局
所的な位置の何れでもよく、またはこれらが組合されて
いてもよい。即ち、転位は外周上および主表面上に同時
に存在してもよい。本発明の平板状粒子における転位
は、粒子の内部に特定の沃化銀含有率の高い相を設ける
ことによってコントロールすることができる。具体的に
は、基板粒子を調製し、該粒子に下記1)、2)または
3)の方法により内部高ヨード相を設け、この相の外側
を前記内部高ヨード相に比べて沃化銀含有率の低い相で
被覆することによって、粒子内での転位のコントロール
が可能になる。
【0281】前記基板粒子となる平板状粒子の沃化銀含
有率は、前記内部高ヨード相より低く、好ましくは0〜
12モル%、更に好ましくは0〜10モル%である。
【0282】前記内部高ヨード相とは、比較的高含有率
で沃化銀を含むハロゲン化銀固溶体を意味する。この場
合、該ハロゲン化銀としては、沃化銀、沃臭化銀、塩沃
臭化銀乳剤が好ましく、沃化銀または沃臭化銀(沃化銀
含有率10〜40モル%)がより好ましく、沃化銀であ
ることが特に好ましい。
【0283】この内部高ヨード相は、基板の平板状粒子
の平面に均一に沈着したものではなく、むしろ局在的に
存在させることが重要である。このような高ヨード相の
局在箇所は、平板状粒子の主表面上、側面上、辺上、角
上の何れの部位であってもよい。さらに、前記内部高ヨ
ード相は、上述したような部位に選択的にエピタキシャ
ル配位してもよい。
【0284】以下に、高ヨード相の形成方法1)〜3)
を説明する。
【0285】1)例えば、E. Klein, E. Moisar, G. Mu
rch, Phot. Xorr., 102 (4), 59 〜63 (1966)に記載さ
れているような、所謂コンバージョン法。この方法に
は、例えば、粒子形成の途中に、その時点での粒子(あ
るいは粒子の表面近傍)を形成しているハロゲンイオン
に比べて、銀イオンを提供する塩の溶解度が小さくなる
ハロゲンイオンを添加する方法がある。本発明において
は、その時点の粒子の単位表面積に対して、添加する溶
解度の小さいハロゲンイオンが、ある値(ハロゲン組成
に関係する)以上の量であることが好ましい。例えば、
粒子形成の途中において、その時点のAgBr粒子の表
面積に対し、ある量以上のKI量を添加することが好ま
しい。具体的には、8.2×10-5モル/m2以上のK
Iを添加することが好ましい。
【0286】2)例えば、特開昭59−133540
号、同58−108526号、同59−162540号
に記載のエピタキシャル接合法。この方法では、吸着性
を有する分光増感色素のようなエピタキシャル成長の局
部支配物質を用いることができる。これらの物質を添加
するか、または粒子成長の条件(例えば、pAg、p
H、温度)を選択して銀塩およびヨードを含むハロゲン
化物溶液を添加することにより内部高ヨード相を形成す
ることができる。
【0287】3)別法として、微細な沃化銀粒子を平板
状粒子形成時に添加することによって、内部高ヨード相
を形成することができる。この方法で用いられる微細沃
化銀粒子の球相当径は、0.3μm以下、更に好ましく
は0.1μm以下である。
【0288】本発明において、前記高ヨード相を被覆す
る外側の相は、該高ヨード相に比べて沃化銀含有率が低
く、好ましくは0〜12モル%、更に好ましくは0〜1
0モル%、最も好ましくは0〜3モル%である。
【0289】本発明の感光材料を構成するハロゲン化銀
乳剤には、平板状ハロゲン化銀粒子の形成又は物理熟成
の過程において、例えば、カドミウム塩、亜鉛塩、タリ
ウム塩、イリジウム塩またはその錯塩、ロジウム塩また
はその錯塩、鉄塩または鉄錯塩を金属ドープ剤として共
存させてもよい。
【0290】本発明の感光材料において使用される増感
色素の添加量は、好ましくは、飽和吸着量の40%以上
であり、より好ましくは40〜120%、さらに好まし
くは70%〜100%である。増感色素の飽和吸着量は
色素を吸着させた乳剤を遠心分離し、吸着等温線から求
めることができる。前記増感色素は、ハロゲン化銀粒子
の形成過程、或いは化学増感過程において添加してもよ
く、塗布時に添加してもよい。特に、増感色素をハロゲ
ン化銀乳剤粒子形成中に添加する方法としては、米国特
許4,225,666号、同4,828,972号、特
開昭61−103,149号を参考にすることができ
る。また、増感色素をハロゲン化銀乳剤の脱塩工程にお
いて添加する方法としては、欧州特許291,339−
A号、特開昭64−52,137号を参考にすることが
できる。また、増感色素を化学増感工程において添加す
る方法は、特開昭59−48,756号を参考にするこ
とができる。
【0291】前記増感色素とともに、それ自身分光増感
作用をもたない色素あるいは可視光を実質的に吸収しな
い物質であって、強色増感を示す物質を乳剤中に含んで
もよい。例えば、含窒素異節環基で置換されたアミノス
チル化合物(例えば、米国特許2,933,390号、
同3,636,721号に記載のもの)、芳香族有機酸
ホルムアルデヒド縮合物(例えば、米国特許3,74
3,510号に記載のもの)、カドミウム塩、アザイン
デン化合物などを含んでもよい。米国特許3,615,
613号、同3,615,641号、同3,617,2
95号、同3,635,721号に記載の組合せは特に
有用である。
【0292】ハロゲン化銀乳剤は、通常は化学増感され
る。化学増感のためには、例えば、H.フリーゼル(H.
Frieser)編、ディ・グルンドラーゲル・デル・フォト
グラフィシェン・プロツェセ・ミット・ジルベルハロゲ
ニデン(Die Grundlagen derPhotographischen Prozess
e mit Silberhalogeniden)(アカデミッシェ フェル
ラグスゲゼルシャフト1968)675〜734頁に記
載の方法を用いることができる。即ち、本発明におい
て、ハロゲン化銀乳剤には、例えば、活性ゼラチンや銀
と反応し得る硫黄を含む化合物(例えば、チオ硫酸塩、
チオ尿素類、メルカプト化合物類、ローダニン類)を用
いる硫黄増感法;還元性物質(例えば、第一すず塩、ア
ミン類、ヒドラジン誘導体、ホルムアミジンスルフィン
酸、シラン化合物)を用いる還元増感法;貴金属化合物
(例えば、金錯塩のほか、Pt、Ir、Pdのような周
期律表VIII属の金属の錯塩)を用いる貴金属増感法、セ
レン化合物(例えば、セレノ尿素類、セレノケトン類、
セレナイド類)を用いるセレン増感法によって化学増感
が施され得る。特に、本発明では、前記平板状ハロゲン
化銀粒子が、セレン増感剤、金増感剤、および硫黄増感
剤の少なくとも1種により化学増感されている。
【0293】前記セレン増感剤としては、公知の刊行物
に開示されているセレン化合物が使用され得る。即ち、
前記平板状ハロゲン化銀粒子を含むハロゲン化銀乳剤
に、不安定型セレン化合物および/または非不安定型セ
レン化合物を添加して、高温、好ましくは40℃以上で
一定時間攪拌する。前記不安定型セレン化合物として
は、例えば、特公昭44−15748号、特公昭43−
13489号、特願平2−130976号、特願平2−
229300号に記載の化合物が使用され得る。該不安
定セレン化合物の具体例としては、イソセレノシアネー
ト類(例えば、アリルイソセレノシアネートのような脂
肪族イソセレノシアネート類)、セレノ尿素類、セレノ
ケトン類、セレノアミド類、セレノカルボン酸類(例え
ば、2−セレノプロピオン酸、2−セレノ酪酸)、セレ
ノエステル、ジアシルセレニド類(例えば、ビス(3−
クロロ−2,6−ジメトキシベンゾイル)セレニド)、
セレノフォスフェート類、ホスフィンセレニド類、コロ
イド状金属セレンが挙げられる。
【0294】但し、本発明において、不安定型セレン化
合物は上述したような化合物に特に限定されるものでは
ない。当業者間において、写真乳剤の増感剤としての不
安定型セレン化合物は、セレンが不安定であればその化
合物の構造は重要ではなく、セレン増感剤分子中の有機
部分は、セレンを担持しそれを不安定な形で乳剤中に存
在せしめる以外の機能を持たないことが一般的に解され
ている。本発明においては、かかる広範囲の概念に基づ
いて種々の不安定型セレン化合物が使用され得る。
【0295】また、前記非不安定型セレン化合物として
は、例えば、特公昭46−4553号、特公昭52−3
4492号、特公昭52−34491号に記載の化合物
が使用され得る。該非不安定型セレン化合物の具体例と
しては、亜セレン酸、セレノシアン化カリウム、セレナ
ゾール類、セレナゾール類の四級塩、ジアリールセレニ
ド、ジアリールジセレニド、ジアルキルセレニド、ジア
ルキルジセレニド、2−セレナゾリジンジオン、2−セ
レノオキサゾリジンチオン、およびこれらの誘導体が挙
げられる。
【0296】以上のセレン化合物のうち、下記一般式
(I)の化合物および一般式(II)の化合物が好まし
い。
【0297】
【化93】
【0298】式中、Z3およびZ4は各々同じであっても
異なっていてもよく、アルキル基(例えば、メチル、エ
チル、t−ブチル、アダマンチル、t−オクチル)、ア
ルケニル基(例えば、ビニル、プロペニル)、アラルキ
ル基(例えば、ベンジル、フェネチル)、アリール基
(例えば、フェニル、ペンタフルオロフェニル、4−ク
ロロフェニル、3−ニトロフェニル、4−オクチルスル
ファモイルフェニル、α−ナフチル)、複素環基(例え
ば、ピリジル、チエニル、フリル、イミダゾリル)、−
NR3(R4)、−OR5または−SR6を表す。前記
3、R4、R5、およびR6は、各々同じであっても異な
っていてもよく、アルキル基、アラルキル基、アリール
基、または複素環基を表す。これらアルキル基、アラル
キル基、アリール基、および複素環基の具体例として
は、上述したZ3の場合と同様の基が挙げられる。この
他、前記R3、R4は、水素原子、またはアシル基(例え
ば、アセチル、プロパノイル、ベンゾイル、ヘプタフル
オロブタノイル、ジフルオロアセチル、4−ニトロベン
ゾイル、α−ナフトイル、4−トリフルオロメチルベン
ゾイル)であってもよい。
【0299】前記一般式(I)中、好ましくは、Z3
アルキル基、アリール基、または−NR3(R4)を表
し、Z4は−NR7(R8)を表す。但し、R3、R4
7、R8は、夫々同じであっても異なっていてもよく、
水素原子、アルキル基、アリール基、またはアシル基を
表す。
【0300】前記一般式(I)は、より好ましくは、
N,N−ジアルキルセレノ尿素、N,N,N′−トリア
ルキル−N′−アシルセレノ尿素、テトラアルキルセレ
ノ尿素、N,N−ジアルキル−アリールセレノアミノ
ド、N−アルキル−N−アリール−アリールセレノアミ
ドを表す。
【0301】
【化94】
【0302】式中、Z5、Z6、およびZ7は、夫々同じ
であっても異なっていてもよく、脂肪族基、芳香族基、
複素環基、−OR9、−OR10(R11)、−SR12、−
SeR13、X、水素原子を表す。前記R9、R12、およ
びR13は、脂肪族基、芳香族基、複素環基、水素原子、
またはカチオンを表し、前記R10およびR11は脂肪族
基、芳香族基、複素環基、または水素原子を表し、前記
Xはハロゲン原子を表す。
【0303】前記一般式(II)において、Z5、Z6、Z
7、R9、R10、R11、R12、およびR13で表される脂肪
族基としては、直鎖、分岐または環状のアルキル基、ア
ルケニル基、アルキニル基、アラルキル基(例えば、メ
チル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチ
ル、n−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキ
サデシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アリル、
2−ブテニル、3−ペンテニル、プロパルギル、3−ペ
ンチニル、ベンジル、フェネチル)が挙げられる。前記
一般式(II)において、Z5、Z6、Z7、R9、R10、R
11、R12、およびR13で表される芳香族基としては、単
環または縮環アリール基(例えば、フェニル、ペンタフ
ルオロフェニル、4−クロロフェニル、3−スルホフェ
ニル、α−ナフチル、4−メチルフェニル)が挙げられ
る。前記一般式(II)において、Z5、Z6、Z7、R9
10、R11、R12、およびR13で表される複素環基とし
ては、窒素原子または酸素原子のうち少なくとも一つを
含む3〜10員環の飽和もしくは不飽和の複素環基(例
えば、ピリジル、チエニル、フリル、チアゾリル、イミ
ダゾリル、ベンズイミダゾリル)が挙げられる。
【0304】前記一般式(II)において、R9、R12
およびR13で表されるカチオンとしては、アルカリ金属
原子、アンモニウムが挙げられ、またXで表されるハロ
ゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、沃素
が挙げられる。
【0305】前記一般式(II)中、好ましくは、Z5
6、およびZ7は、脂肪族基、芳香族基、または−OR
9を表し、R9は脂肪族基または芳香族基を表す。
【0306】前記一般式(II)は、より好ましくは、ト
リアルキルホスフィンセレニド、トリアリールホスフィ
ンセレニド、トリアルキルセレノホスフェート、または
トリアリールセレノホスフェートを表す。
【0307】前記一般式(I)および(II)で表される
セレン化合物の具体例1〜40を列挙するが、本発明に
使用されるセレン増感剤はこれらに限定されるものでは
ない。
【0308】
【化95】
【0309】
【化96】
【0310】
【化97】
【0311】
【化98】
【0312】
【化99】
【0313】上述したようなセレン増感剤は、水または
メタノール、エタノールのような有機溶媒の単独または
混合溶媒に溶解され、化学増感時のハロゲン化銀乳剤に
添加される。好ましくは、化学増感開始前に添加され
る。使用されるセレン増感剤は、一種に限定されず、上
記セレン化合物を2種以上併用してもよい。前記不安定
セレン化合物および非不安定セレン化合物の併用は好ま
しい。
【0314】本発明に使用されるセレン増感剤の添加量
は、例えば、用いるセレン増感剤の活性度、ハロゲン化
銀の種類や粒子の大きさ、熟成の温度および時間により
異なるが、好ましくは、ハロゲン化銀1モル当り1×1
-7モル以上5×10-5モル以下である。本発明におい
て、セレン増感剤を用いた場合の化学増感の温度は、好
ましくは45℃以上である。より好ましくは、50℃以
上、80℃以下である。pAgおよびpHは任意であ
り、例えば、pH4〜9の広範囲でセレン増感の効果を
得ることができる。
【0315】本発明では、前記セレン増感はハロゲン化
銀溶剤の存在下で行われることがよりよい効果的であ
る。
【0316】本発明で使用され得るハロゲン化銀溶剤と
しては、例えば、米国特許第3,271,157号、同
第3,531,289号、同第3,574,628号、
特開昭54−1019号、同54−158917号に記
載の(a)有機チオエーテル類、例えば、特開昭53−
82408号、同55−77737号、同55−298
2号に記載の(b)チオ尿素誘導体、特開昭53−14
4319号に記載の(c)酸素または硫黄原子と窒素原
子とに挾まれたチオカルボニル基を有するハロゲン化銀
溶剤、特開昭54−100717号に記載の(d)イミ
ダゾール類、(e)亜硫酸塩、(f)チオシアネートが
挙げられる。
【0317】特に好ましいハロゲン化銀溶剤としては、
チオシアネートおよびテトラメチルチオ尿素が挙げられ
る。また、用いられる溶剤の量は、種類によってる異な
るが、例えばチオシアネートの場合、好ましい量はハロ
ゲン化銀1モル当り1×10-4モル以上1×10-2以下
である。
【0318】本発明の感光材料における、平板状粒子を
含むハロゲン化銀乳剤は、その化学増感において硫黄増
感および金増感が併用されていてもよい。硫黄増感は、
通常、前記乳剤に硫黄増感剤を添加して、高温、好まし
くは40℃以上で一定時間攪拌することにより行われ
る。また、金増感は、通常、前記乳剤に金増感剤を添加
して、高温、好ましくは40℃以上で一定時間攪拌する
ことにより行われる。
【0319】上記硫黄増感には、硫黄増感剤として公知
の化合物が使用され得る。具体的には、例えば、アリル
チオカルバミドチオ尿素、アリルイソチオシアネート、
シスチン、p−トルエンチオスルホン酸塩、ローダニン
が挙げられる。その他、米国特許第1,574,944
号、同第2,410,689号、同第2,278,94
7号、同第2,728,668号、同第3,501,3
13号、同第3,656,955号、ドイツ特許1,4
22,869号、特公昭56−24937号、特開昭5
5−45016号公報に記載の硫黄増感剤が使用され得
る。硫黄増感剤の添加量は、ハロゲン化銀乳剤の感度を
効果的に増大させるのに充分な量であればよい。この量
は、pH、温度、ハロゲン化銀粒子の大きさのような種
々の条件下において広範囲に亘って変化するが、ハロゲ
ン化銀1モル当り、1×10-7モル以上、5×10-5
ル以下が好ましい。
【0320】また、上記金増感に用いられる金増感剤に
は、金の酸化数が+1価または+3価でもよく、金増感
剤として通常使用される金化合物が適用され得る。その
代表例としては、塩化金酸塩、カリウムクロロオーレー
ト、オーリックトリクロライド、カリウムオーリックチ
オシアネート、カリウムヨードオーレート、テトラシア
ノオーリックアシド、アンモニウムオーロチオシアネー
ト、ピリジルトリクロロゴールドが挙げられる。前記金
増感剤の添加量は、種々の条件により異なるが、一般的
には、ハロゲン化銀1モル当り1×10-7モル以上、5
×10-5モル以下であることが好ましい。
【0321】本発明において、化学熟成に際し、ハロゲ
ン化銀溶剤、セレン増感剤、硫黄増感剤、および金増感
剤の添加時期および添加順序については、特に限定され
ない。例えば、化学熟成の好ましくは初期に、または化
学熟成進行中に上記化合物を同時にあるいは異なる時点
で添加してもよい。また、添加に関しては、上記化合物
を、水または水と混合し得る有機溶媒、例えば、メタノ
ール、エタノール、アセトンの単液あるいは混合液に溶
解させて添加すればよい。
【0322】本発明に用いられる写真乳剤には、感光材
料の製造工程、保存中あるいは写真処理中のカブリを防
止し、あるいは写真性能を安定化させる目的で、種々の
化合物を含有させることができる。即ち、アゾール類、
例えば、ベンゾチアゾリウム塩、ニトロインダゾール
類、トリアゾール類、ベンゾトリアゾール類、ベンズイ
ミダゾール類(特に、ニトロ−またはハロゲン置換
体);ヘテロ環メルカプト化合物類たとえばメルカプト
チアゾール類、メルカプトベンゾチアゾール類、メルカ
プトベンズイミダゾール類、メルカプトチアジアゾール
類、メルカプトテトラゾール類(特に、1−フェニル−
5−メルカプトテトラゾール)、メルカプトピリミジン
類;カルボキシル基やスルホン基などの水溶性基を有す
る上記のヘテロ環メルカプト化合物類;チオケト化合
物、例えば、オキサゾリンチオン;アザインデン類、例
えば、テトラアザインデン類(特に、4−ヒドロキシ置
換(1,3,3a,7)テトラアザイデン類);ベンゼ
ンチオスルホン酸類;ベンゼンスルフィン酸;のような
カブリ防止剤または安定剤として知られた多くの化合物
を加えることができる。これらカブリ防止剤または安定
剤の添加時期は通常、化学増感を施した後であるが、よ
り好ましくは、化学熟成の途中又は化学熟成の開始以前
の時期の中から選ぶことができる。即ち、ハロゲン化銀
乳剤粒子形成過程において、銀塩溶液の添加中でも、添
加後から化学熟成開始までの間でも、化学熟成の途中
(化学熟成時間中、好ましくは開始から50%までの時
間内に、より好ましくは20%までの時間内)でよい。
本発明において用いられる上記の化合物の添加量は、添
加方法やハロゲン化銀量によって一義的に決めることは
できないが、好ましくはハロゲン化銀1モルあたり10
-7モル〜10-2モル、より好ましくは10-5〜10-2
ルである。
【0323】本発明の写真乳剤に使用される保恒剤(結
合剤または保護コロイド)としては、ゼラチンを用いる
のが有利であるが、それ以外の親水性コロイドも用いる
ことができる。該親水性コロイドには、例えば、ゼラチ
ン誘導体、ゼラチンと他の高分子とのグラフトポリマ
ー、アルブミン、カゼインのような蛋白質;ヒドロキシ
エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、セル
ローズ硫酸エステル類の如きセルロース誘導体、アルギ
ン酸ソーダ、澱粉誘導体のような糖誘導体;例えば、ポ
リビニルアルコール、ポリビニルアルコール部分アセタ
ール、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリアクリル酸、
ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルイ
ミダゾール、ポリビニルピラゾールといった単一あるい
は共重合体の如き多種の合成親水性高分子物質を用いる
ことができる。前記ゼラチンとしては石灰処理ゼラチン
のほか酸処理ゼラチンや Bull. Soc.Sci. Phot. Japan,
No.16, 30頁(1966)に記載されたような酵素処理ゼラ
チンを用いてもよく、又ゼラチンの加水分解物や酵素分
解物も用いることができる。前記ゼラチン誘導体として
は、ゼラチンに例えば酸ハライド、酸無水物、イソシア
ナート類、ブロモ酢酸、アルカンサルトン類、ビニルス
ルホンアミド類、マレインイミド化合物類、ポリアルキ
レンオキシド類、エポキシ化合物類のような種々の化合
物を反応させて得られるものが用いられる。
【0324】本発明に用いられる分散媒は、具体的には
リサーチ・ディスクロージャー(RESEARCH DISCLOSURE、
以下R. D. と記す)第176巻、No. 17643(1978年12
月)のIX項に記載されている。
【0325】本発明の感光材料は、カラー写真感光材料
に用いることができる。該感光材料には、支持体上に青
感色性層、緑感色性層、赤感色性層のハロゲン化銀乳剤
層の少なくとも1層が設けられていればよく、ハロゲン
化銀乳剤層および非感光性層の層数および層順に特に制
限はない。典型的な例としては、支持体上に、実質的に
感色性は同じであるが感光度の異なる複数のハロゲン化
銀乳剤層から成る感光性層を少なくとも1つ有するハロ
ゲン化銀写真感光材料であり、該感光性層は青色光、緑
色光、および赤色光の何れかに感色性を有する単位感光
性層であり、多層ハロゲン化銀カラー写真感光材料にお
いては、一般に単位感光性層の配列が、支持体側から順
に赤感色性層、緑感色性層、青感色性層の順に設置され
る。しかし、目的に応じて上記設置順が逆であっても、
また同一感色性層中に異なる感光性層が挟まれたような
設置順をもとり得る。上記のハロゲン化銀感光性層の間
および最上層、最下層には各種の中間層等の非感光性層
を設けてもよい。該中間層には、特開昭61-43748号、同
59-113438号、同59-113440号、同61-20037号、同61-200
38号公報に記載されるようなカプラー、DIR化合物等
が含まれていてもよく、通常用いられるように混色防止
剤を含んでいてもよい。各単位感光性層を構成する複数
のハロゲン化銀乳剤層は、***特許第1,121,470号ある
いは英国特許第923,045号に記載されるように高感度乳
剤層、低感度乳剤層の2層構成を好ましく用いることが
できる。通常は、支持体に向かって順次感光度が低くな
る様に配列するのが好ましく、また各ハロゲン乳剤層の
間には非感光性層が設けられていてもよい。また、特開
昭57-112751号、同62-200350号、同62-206541号、同62-
206543号等に記載されているように支持体より離れた側
に低感度乳剤層、支持体に近い側に高感度乳剤層を設置
してもよい。具体例として支持体から最も遠い側から、
低感度青感光性層(BL)/高感度青感光性層(BH)/高
感度緑感光性層(GH)/低感度緑感光性層(GL)/高感
度赤感光性層(RH)/低感度赤感光性層(RL)の順、ま
たはBH/BL/GL/GH/RH/RLの順、またはBH/BL/GH/
GL/RL/RHの順等に設置することができる。また特公昭
55-34932号公報に記載されているように、支持体から最
も遠い側から青感光性層/GH/RH/GL/RLの順に配列す
ることもできる。また特開昭56-25738号、同62-63936号
公報に記載されているように、支持体から最も遠い側か
ら青感光性層/GL/RL/GH/RHの順に配列することもで
きる。また特公昭49-15495号公報に記載されているよう
に上層を最も感光度の高いハロゲン化銀乳剤層、中層を
それよりも低い感光度のハロゲン化銀乳剤層、下層を中
層よりも更に感光度の低いハロゲン化銀乳剤層を配置
し、支持体に向かって感光度が順次低められた感光度の
異なる3層から構成される配列が挙げられる。このよう
な感光度の異なる3層から構成される場合でも、特開昭
59-202464号公報に記載されているように、同一感色性
層中において支持体より離れた側から中感度乳剤層/高
感度乳剤層/低感度乳剤層の順に配置されてもよい。そ
の他、高感度乳剤層/低感度乳剤層/中感度乳剤層、あ
るいは低感度乳剤層/中感度乳剤層/高感度乳剤層など
の順に配置されていてもよい。また、4層以上の場合に
も、上記の如く配列を変えてよい。上記のように、それ
ぞれの感光材料の目的に応じて種々の層構成・配列を選
択することができる。
【0326】赤感性層および/または緑感性層、特に最
高感度層に好ましく用いられる平板状粒子について前述
したが、これらの層に併用されるもしくはその他の感光
性層に用いられるハロゲン化銀について、以下に述べ
る。本発明に用いるハロゲン化銀の粒径は、約0.2μm
以下の微粒子でも投影面積直径が約10μmに至るまでの
大サイズ粒子でもよく、多分散乳剤でも単分散乳剤でも
よい。本発明に使用できるハロゲン化銀写真乳剤は、例
えばリサーチ・ディスクロージャー(RD)No.17643(19
78年12月),22〜23頁, “I. 乳剤製造(Emulsion prepa
ration and types)”、及び同No.18716 (1979年11月),
648頁、同No.307105(1989年11月), 863〜865 頁、及び
グラフキデ著「写真の物理と化学」,ポールモンテル社
刊(P. Glafkides, Chimie et Physique Photographiqu
e, Paul Montel, 1967) 、ダフィン著「写真乳剤化
学」, フォーカルプレス社刊(G. F. Duffin, Photogra
phic Emulsion Chemistry (Focal Press, 1966))、ゼリ
クマンら著「写真乳剤の製造と塗布」、フォーカルプレ
ス社刊(V. L. Zelikman et al., Making and Coating
Photographic Emulsion, Focal Press, 1964) などに記
載された方法を用いて調製することができる。
【0327】この他、本発明に使用される乳剤として
は、米国特許第3,574,628号、同3,655,394号および英国
特許第1,413,748号などに記載された単分散乳剤も好ま
しい。また、アスペクト比が約3以上であるような平板
状粒子も本発明に使用できる。平板状粒子は、ガトフ
著、フォトグラフィック・サイエンス・アンド・エンジ
ニアリング(Gutoff, Photographic Science and Engin
eering)、第14巻 248〜257頁(1970年);米国特許第
4,434,226号、同4,414,310号、同4,433,048号、同4,43
9,520号および英国特許第2,112,157号などに記載の方法
により簡単に調製することができる。本発明におけるハ
ロゲン化銀粒子の結晶構造は一様なものでも、内部と外
部とが異質なハロゲン組成からなるものでもよく、層状
構造をなしていてもよい、また、エピタキシャル接合に
よって組成の異なるハロゲン化銀が接合されていてもよ
く、また例えばロダン銀、酸化鉛などのハロゲン化銀以
外の化合物と接合されていてもよい。また種々の結晶形
の粒子の混合物を用いてもよい。本発明における上記の
乳剤は潜像を主として表面に形成する表面潜像型でも、
粒子内部に形成する内部潜像型でも表面と内部のいずれ
にも潜像を有する型のいずれでもよいが、ネガ型の乳剤
であることが必要である。内部潜像型のうち、特開昭63
-264740号に記載のコア/シェル型内部潜像型乳剤であ
ってもよい。このコア/シェル型内部潜像型乳剤の調製
方法は、特開昭59-133542号に記載されている。この乳
剤のシェルの厚みは、現像処理等によって異なるが、3
〜40nmが好ましく、5〜20nmが特に好ましい。
【0328】本発明におけるハロゲン化銀乳剤は、通
常、物理熟成、化学熟成および分光増感を行ったものを
使用する。このような工程で使用される添加剤はリサー
チ・ディスクロージャーNo.17643、同No.18716および同
No.307105に記載されており、その該当箇所を後掲の表
にまとめた。本発明の感光材料には、感光性ハロゲン化
銀乳剤の粒子サイズ、粒子サイズ分布、ハロゲン組成、
粒子の形状、感度の少なくとも1つの特性の異なる2種
類以上の乳剤を、同一層中に混合して使用することがで
きる。米国特許第4,082,553号に記載の粒子表面をかぶ
らせたハロゲン化銀粒子、米国特許第4,626,498号、特
開昭59-214852号に記載の粒子内部をかぶらせたハロゲ
ン化銀粒子、コロイド銀を感光性ハロゲン化銀乳剤層お
よび/または実質的に非感光性の親水性コロイド層に好
ましく使用できる。粒子内部または表面をかぶらせたハ
ロゲン化銀粒子とは、感光材料の未露光部および露光部
を問わず、一様に(非像様に)現像が可能となるハロゲ
ン化銀粒子のことをいう。粒子内部または表面をかぶら
せたハロゲン化銀粒子の調製法は、米国特許第4,626,49
8号、特開昭59-214852号に記載されている。粒子内部が
かぶらされたコア/シェル型ハロゲン化銀粒子の内部核
を形成するハロゲン化銀は、同一のハロゲン組成をもつ
ものでも異なるハロゲン組成をもつものでもよい。粒子
内部または表面をかぶらせたハロゲン化銀としては、塩
化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀のいずれをも用
いることができる。これらのかぶらされたハロゲン化銀
粒子の粒子サイズには特別な限定はないが、平均粒子サ
イズとしては0.01〜0.75μm、特に0.05〜0.6μmが好
ましい。また、粒子形状については特に限定はなく、規
則的な粒子でもよく、また、多分散乳剤でもよいが、単
分散(ハロゲン化銀粒子の重量または粒子数の少なくと
も95%が平均粒子径の±40%以内の粒子径を有するも
の)であることが好ましい。
【0329】この他、本発明の感光材料には、非感光性
微粒子ハロゲン化銀を使用することが好ましい。非感光
性微粒子ハロゲン化銀とは、色素画像を得るための像様
露光時においては感光せずに、その現像処理において実
質的に現像されないハロゲン化銀微粒子であり、あらか
じめカブラされていないほうが好ましい。前記微粒子ハ
ロゲン化銀は、臭化銀の含有率が0〜100モル%であ
り、必要に応じて塩化銀および/または沃化銀を含有し
てもよい。好ましくは沃化銀を0.5〜10モル%含有する
ものである。前記微粒子ハロゲン化銀は、平均粒径(投
影面積の円相当直径の平均値)が0.01〜0.5μmが好ま
しく、0.02〜0.2μmがより好ましい。前記微粒子ハロ
ゲン化銀は、通常の感光性ハロゲン化銀と同様の方法で
調製できる。この場合、ハロゲン化銀粒子の表面は、化
学的に増感される必要はなく、また分光増感も不要であ
る。ただし、これを塗布液に添加するのに先立ち、あら
かじめトリアゾール系、アザインデン系、ベンゾチアゾ
リウム系、もしくはメルカプト系化合物または亜鉛化合
物などの公知の安定剤を添加しておくことが好ましい。
この微粒子ハロゲン化銀粒子含有層に、コロイド銀を好
ましく含有させることができる。本発明の感光材料の塗
布銀量は、8.0g/m2以下が好ましく、6.0g/m2以下が
最も好ましい。
【0330】本発明に使用できる公知の写真用添加剤も
上記の3つのリサーチ・ディスクロージャーに記載され
ており、下記の表に関連する記載箇所を示した。 添加剤の種類 RD17643 RD18716 RD307105 1. 化学増感剤 23頁 648頁右欄 866頁 2. 感度上昇剤 648頁右欄 3. 分光増感剤、 23〜24頁 648頁右欄 866〜868頁 強色増感剤 〜649頁右欄 4. 増 白 剤 24頁 647頁右欄 868頁 5. かぶり防止剤、 24〜25頁 649頁右欄 868〜870頁 安定剤 6. 光吸収剤、 25〜26頁 649頁右欄 873頁 フィルター染料、 〜650頁左欄 紫外線吸収剤 7. ステイン防止剤 25頁右欄 650頁左欄 872頁 〜右欄 8. 色素画像安定剤 25頁 650頁左欄 872頁 9. 硬 膜 剤 26頁 651頁左欄 874〜875頁 10. バインダー 26頁 651頁左欄 873〜874頁 11. 可塑剤、 27頁 650頁右欄 876頁 潤滑剤 12. 塗布助剤、 26〜27頁 650頁右欄 875〜876頁 表面活性剤 13. スタチツク防止剤 27頁 650頁右欄 876〜877頁 14. マツト剤 878〜879頁
【0331】また、本発明の感光材料には、ホルムアル
デヒドガスによる写真性能の劣化を防止するために、米
国特許4,411,987号や同4,435,503号に記載されたホルム
アルデヒドと反応して、固定化できる化合物を感光材料
に添加することが好ましい。本発明の感光材料に、米国
特許第4,740,454号、同4,788,132号、特開昭62-18539
号、特開平1-283551号に記載のメルカプト化合物を含有
させることが好ましい。本発明の感光材料に、特開平1-
106052号に記載の、現像処理によって生成した現像銀量
とは無関係にかぶらせ剤、現像促進剤、ハロゲン化銀溶
剤またはそれらの前駆体を放出する化合物を含有させる
ことが好ましい。本発明の感光材料に、国際公開WO88/0
4794号、特表平1-502912号に記載された方法で分散され
た染料または欧州特許第317,308A号、米国特許第4,420,
555号、特開平1-259358号に記載の染料を含有させるこ
とが好ましい。
【0332】本発明には、下記のような種々のカラーカ
プラーを使用することができ、その具体例は前出のリサ
ーチ・ディスクロージャーNo.17643 , VII−C〜G、及
び同No.307105, VII−C〜Gに記載された特許に記載さ
れている。イエローカプラーとしては、例えば米国特許
第3,933,501号、同4,022,620号、同4,326,024号、同4,4
01,752号、同4,248,961号、特公昭58-10739号、英国特
許第1,425,020号、同1,476,760号、米国特許第3,973,96
8号、同4,314,023号、同4,511,649 号、欧州特許第 24
9,473A 号、等に記載のものが好ましい。
【0333】マゼンタカプラーとしては5-ピラゾロン系
及びピラゾロアゾール系の化合物が好ましく、米国特許
第4,310,619号、同4,351,897号、欧州特許第73,636号、
米国特許第3,061,432号、同3,725,067号、リサーチ・デ
ィスクロージャーNo.24220(1984年6月)、特開昭60-3
3552号、リサーチ・ディスクロージャーNo.24230(1984
年6月)、特開昭60-43659号、同61-72238号、同60-357
30号、同55-118034号、同60-185951号、米国特許第4,50
0,630号、同4,540,654号、同4,556,630号、国際公開WO8
8/04795号等に記載のものが特に好ましい。シアンカプ
ラーとしては、フェノール系及びナフトール系カプラー
が挙げられ、米国特許第4,052,212号、同4,146,396号、
同4,228,233号、同4,296,200号、同2,369,929号、同2,8
01,171号、同2,772,162号、同2,895,826号、同3,772,00
2号、同3,758,308号、同4,334,011号、同4,327,173号、
***特許公開第3,329,729号、欧州特許第121,365A号、
同249,453A号、米国特許第3,446,622号、同4,333,999
号、同4,775,616号、同4,451,559号、同4,427,767号、
同4,690,889号、同4,254,212号、同4,296,199号、特開
昭61-42658号等に記載のものが好ましい。さらに、特開
昭64-553号、同64-554号、同64-555号、同64-556号に記
載のピラゾロアゾール系カプラーや、米国特許第4,818,
672号に記載のイミダゾール系カプラーも使用すること
ができる。ポリマー化された色素形成カプラーの典型例
は、米国特許第3,451,820号、同4,080,211号、同4,367,
282号、同4,409,320号、同4,576,910号、英国特許2,10
2,137号、欧州特許第341,188A号等に記載されている。
【0334】発色色素が適度な拡散性を有するカプラー
としては、米国特許第4,366,237号、英国特許第2,125,5
70号、欧州特許第96,570号、***特許(公開)第3,234,
533号に記載のものが好ましい。本発明に用いられる前
述のイエローカラードシアンカプラーとともに併用でき
る、発色色素の不要吸収を補正するためのカラード・カ
プラーは、リサーチ・ディスクロージャーNo.17643のVI
I−G項、同No.307105 のVII−G項、米国特許第4,163,
670号、特公昭57-39413号、米国特許第4,004,929号、同
4,138,258号、英国特許第1,146,368号に記載のものが好
ましい。また、米国特許第4,774,181号に記載のカップ
リング時に放出された蛍光色素により発色色素の不要吸
収を補正するカプラーや、米国特許第4,777,120号に記
載の現像主薬と反応して色素を形成しうる色素プレカー
サー基を離脱基として有するカプラーを用いることも好
ましい。カップリングに伴って写真的に有用な残基を放
出する化合物もまた本発明で好ましく使用できる。本発
明に用いられる前述のDIR化合物とともに併用でき
る、現像抑制剤を放出するDIRカプラーは、前述のR
D No.17643,VII−F項及び同No.307105,VII−F項に記
載された特許、特開昭57-151944号、同57-154234号、同
60-184248号、同63-37346号、同63-37350号、米国特許
第4,248,962号、同4,782,012号に記載されたものが好ま
しい。現像時に画像状に造核剤もしくは現像促進剤を放
出するカプラーとしては、英国特許第2,097,140号、同
2,131,188号、特開昭59-157638号、同59-170840号に記
載のものが好ましい。また、特開昭60-107029号、同60-
252340号、特開平1-44940号、同1-45687号に記載の現像
主薬の酸化体との酸化還元反応により、かぶらせ剤、現
像促進剤、ハロゲン化銀溶剤等を放出する化合物も好ま
しい。
【0335】その他、本発明の感光材料に用いることの
できる化合物としては、米国特許第4,130,427号等に記
載の競争カプラー、米国特許第4,283,472号、同4,338,3
93号、同4,310,618号等に記載の多当量カプラー、特開
昭60-185950号、特開昭62-24252号等に記載のDIRレ
ドックス化合物放出カプラー、DIRカプラー放出カプ
ラー、DIRカプラー放出レドックス化合物もしくはD
IRレドックス放出レドックス化合物、欧州特許第173,
302A号、同313,308A号に記載の離脱後復色する色素を放
出するカプラー、RD No.11449、同No.24241、特開昭6
1-201247号に記載の漂白促進剤放出カプラー、米国特許
第4,555,477号等に記載のリガンド放出カプラー、特開
昭63-75747号に記載のロイコ色素を放出するカプラー、
米国特許第4,774,181号に記載の蛍光色素を放出するカ
プラー等が挙げられる。
【0336】本発明に使用するカプラーは、種々の公知
分散方法、例えば、水中油滴分散法やラテックス分散法
により感光材料に導入できる。水中油滴分散法に用いら
れる高沸点溶媒の例は米国特許第2,322,027号などに記
載されている。水中油滴分散法に用いられる常圧での沸
点が175℃以上の高沸点有機溶剤の具体例としては、フ
タル酸エステル類(ジブチルフタレート、ジシクロヘキ
シルフタレート、ジ-2-エチルヘキシルフタレート、デ
シルフタレート、ビス(2,4-ジ-t-アミルフェニル)フ
タレート、ビス(2,4-ジ-t-アミルフェニル)イソフタ
レート、ビス(1,1-ジエチルプロピル)フタレートな
ど)、リン酸またはホスホン酸のエステル類(トリフェ
ニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、2-エチ
ルヘキシルジフェニルホスフェート、トリシクロヘキシ
ルホスフェート、トリ-2-エチルヘキシルホスフェー
ト、トリドデシルホスフェート、トリブトキシエチルホ
スフェート、トリクロロプロピルホスフェート、ジ-2-
エチルヘキシルフェニルホスホネートなど)、安息香酸
エステル類(2-エチルヘキシルベンゾエート、ドデシル
ベンゾエート、2-エチルヘキシル-p-ヒドロキシベンゾ
エートなど) 、アミド類(N,N-ジエチルドデカンアミ
ド、N,N-ジエチルラウリルアミド、N-テトラデシルピロ
リドンなど) 、アルコール類またはフェノール類(イソ
ステアリルアルコール、2,4-ジ-tert-アミルフェノール
など)、脂肪族カルボン酸エステル類(ビス(2-エチル
ヘキシル)セバケート、ジオクチルアゼレート、グリセ
ロールトリブチレート、イソステアリルラクテート、ト
リオクチルシトレートなど)、アニリン誘導体(N,N-ジ
ブチル-2-ブトキシ-5-tert-オクチルアニリンなど)、
炭化水素類(パラフィン、ドデシルベンゼン、ジイソプ
ロピルナフタレンなど)などが挙げられる。また補助溶
剤としては、沸点が約30℃以上、好ましくは50℃以上約
160℃以下の有機溶剤などが使用でき、典型例としては
酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、メチル
エチルケトン、シクロヘキサノン、2-エトキシエチルア
セテート、ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。ラ
テックス分散法の工程、効果および含浸用のラテックス
の具体例は、米国特許第4,199,363号、***特許出願(OL
S)第2,541,274号および同2,541,230号などに記載され
ている。
【0337】本発明のカラー感光材料中には、フェネチ
ルアルコールや特開昭63-257747号、同62-272248号、お
よび特開平1-80941号に記載の1,2-ベンズイソチアゾリ
ン-3-オン、n-ブチル-p-ヒドロキシベンゾエート、フェ
ノール、4-クロル-3,5-ジメチルフェノール、2-フェノ
キシエタノール、2-(4-チアゾリル)ベンズイミダゾー
ル等の各種の防腐剤もしくは防黴剤を添加することが好
ましい。本発明は種々のカラー感光材料に適用すること
ができる。一般用もしくは映画用のカラーネガフィル
ム、スライド用もしくはテレビ用のカラー反転フィル
ム、カラーペーパー、カラーポジフィルムおよびカラー
反転ペーパーなどを代表例として挙げることができる。
本発明に使用できる適当な支持体は、例えば、前述のR
D.No.17643の28頁、同No.18716の647頁右欄から648頁
左欄、および同No.307105の879頁に記載されている。本
発明の感光材料は、乳剤層を有する側の全親水性コロイ
ド層の膜厚の総和が28μm以下であることが好ましく、
23μm以下がより好ましく、18μm以下が更に好まし
く、16μm以下が特に好ましい。また膜膨潤速度T1/2
は30秒以下が好ましく、20秒以下がより好ましい。膜厚
は、25℃相対湿度55%調湿下(2日)で測定した膜厚を
意味し、膜膨潤速度T1/2は、当該技術分野において公
知の手法に従って測定することができる。例えば、エー
・グリーン(A.Green)らによりフォトグラフィック・サ
イエンス・アンド・エンジニアリング (Photogr. Sci.
&Eng.),19卷, 2号,124〜129頁に記載の型のスエロメ
ーター(膨潤計)を使用することにより、測定でき、T
1/2は発色現像液で30℃、3分15秒処理した時に到達す
る最大膨潤膜厚の90%を飽和膜厚とし、飽和膜厚の1/2
に到達するまでの時間と定義する。膜膨潤速度T
1/2は、バインダーとしてのゼラチンに硬膜剤を加える
こと、あるいは塗布後の経時条件を変えることによって
調整することができる。また、膨潤率は150〜400%が好
ましい。膨潤率とは、さきに述べた条件下での最大膨潤
膜厚から、式:(最大膨潤膜厚−膜厚)/膜厚 に従っ
て計算できる。本発明の感光材料は、乳剤層を有する側
の反対側に、乾燥膜厚の総和が2μm〜20μmの親水性
コロイド層(バック層と称す)を設けることが好まし
い。このバック層には、前述の光吸収剤、フィルター染
料、紫外線吸収剤、スタチック防止剤、硬膜剤、バイン
ダー、可塑剤、潤滑剤、塗布助剤、表面活性剤等を含有
させることが好ましい。このバック層の膨潤率は150〜5
00%が好ましい。
【0338】本発明に従ったカラー写真感光材料は、前
述のRD No.17643 の28〜29頁、同No.18716の651左欄
〜右欄、および同No.307105の880〜881頁に記載された
通常の方法によって現像処理することができる。本発明
の感光材料の現像処理に用いる発色現像液は、好ましく
は芳香族第一級アミン系発色現像主薬を主成分とするア
ルカリ性水溶液である。この発色現像主薬としては、ア
ミノフェノール系化合物も有用であるが、p-フェニレン
ジアミン系化合物が好ましく使用され、その代表例とし
ては3-メチル-4-アミノ-N,N-ジエチルアニリン、3-メチ
ル-4-アミノ-N-エチル-N-β-ヒドロキシエチルアニリ
ン、3-メチル-4-アミノ-N-エチル-N-β-メタンスルホン
アミドエチルアニリン、3-メチル-4-アミノ-N-エチル-
β-メトキシエチルアニリン、及びこれらの硫酸塩、塩
酸塩もしくはp-トルエンスルホン酸塩などが挙げられ
る。これらの中で、特に、3-メチル-4-アミノ-N-エチル
-N-β-ヒドロキシエチルアニリン硫酸塩が好ましい。こ
れらの化合物は目的に応じ2種以上併用することもでき
る。発色現像液は、アルカリ金属の炭酸塩、ホウ酸塩も
しくはリン酸塩のようなpH緩衝剤、塩化物塩、臭化物
塩、沃化物塩、ベンズイミダゾール類、ベンゾチアゾー
ル類もしくはメルカプト化合物のような現像抑制剤また
はカブリ防止剤などを含むのが一般的である。また必要
に応じて、ヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシル
アミン、亜硫酸塩、N,N-ビスカルボキシメチルヒドラジ
ンの如きヒドラジン類、フェニルセミカルバジド類、ト
リエタノールアミン、カテコールスルホン酸類の如き各
種保恒剤、エチレングリコール、ジエチレングリコール
のような有機溶剤、ベンジルアルコール、ポリエチレン
グリコール、四級アンモニウム塩、アミン類のような現
像促進剤、色素形成カプラー、競争カプラー、1-フェニ
ル-3-ピラゾリドンのような補助現像主薬、粘性付与
剤、アミノポリカルボン酸、アミノポリホスホン酸、ア
ルキルホスホン酸、ホスホノカルボン酸に代表されるよ
うな各種キレート剤、例えば、エチレンジアミン四酢
酸、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、シ
クロヘキサンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノ
ジ酢酸、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸、
ニトリロ-N,N,N-トリメチレンホスホン酸、エチレンジ
アミン-N,N,N,N-テトラメチレンホスホン酸、エチレン
ジアミン-ジ(o-ヒドロキシフェニル酢酸) 及びそれら
の塩を代表例として挙げることができる。
【0339】また反転処理を実施する場合は通常黒白現
像を行ってから発色現像する。この黒白現像液には、ハ
イドロキノンなどのジヒドロキシベンゼン類、1-フェニ
ル-3-ピラゾリドンなどの3-ピラゾリドン類またはN-メ
チル-p-アミノフェノールなどのアミノフェノール類な
ど公知の黒白現像主薬を単独であるいは組み合わせて用
いることができる。これらの発色現像液及び黒白現像液
のpHは9〜12であることが一般的である。またこれらの
現像液の補充量は、処理するカラー写真感光材料にもよ
るが、一般に感光材料1平方メートル当たり3リットル
以下であり、補充液中の臭化物イオン濃度を低減させて
おくことにより500 ml以下にすることもできる。補充量
を低減する場合には処理槽の空気との接触面積を小さく
することによって液の蒸発、空気酸化を防止することが
好ましい。発色現像処理の時間は、通常2〜5分の間で
設定されるが、高温高pHとし、かつ発色現像主薬を高濃
度に使用することにより、更に処理時間の短縮を図るこ
ともできる。
【0340】発色現像後の写真乳剤層は通常漂白処理さ
れる。漂白処理は定着処理と同時に行なわれてもよいし
(漂白定着処理)、個別に行なわれてもよい。更に処理
の迅速化を図るため、漂白処理後漂白定着処理する処理
方法でもよい。さらに二槽の連続した漂白定着浴で処理
すること、漂白定着処理の前に定着処理すること、又は
漂白定着処理後漂白処理することも目的に応じ任意に実
施できる。漂白剤としては、例えば鉄(III)などの多価
金属の化合物、過酸類、キノン類、ニトロ化合物等が用
いられる。代表的漂白剤としては鉄(III)の有機錯塩、
例えばエチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン
五酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、メチルイミノ
二酢酸、1,3-ジアミノプロパン四酢酸、グリコールエー
テルジアミン四酢酸、などのアミノポリカルボン酸類も
しくはクエン酸、酒石酸、リンゴ酸などの錯塩などを用
いることができる。これらのうちエチレンジアミン四酢
酸鉄(III)錯塩、及び1,3-ジアミノプロパン四酢酸鉄(II
I)錯塩を始めとするアミノポリカルボン酸鉄(III)錯塩
は迅速処理と環境汚染防止の観点から好ましい。さらに
アミノポリカルボン酸鉄(III)錯塩は漂白液において
も、漂白定着液においても特に有用である。これらのア
ミノポリカルボン酸鉄(III)錯塩を用いた漂白液又は漂
白定着液のpHは通常4.0〜8であるが、処理の迅速化の
ためにさらに低いpHで処理することもできる。
【0341】漂白液、漂白定着液及びそれらの前浴に
は、必要に応じて漂白促進剤を使用することができる。
有用な漂白促進剤の具体例は、次の公報に記載されてい
る:米国特許第3,893,858号、***特許第1,290,812号、
同2,059,988号、特開昭53-32736号、同53-57831号、同5
3-37418号、同53-72623号、同53-95630号、同53-95631
号、同53-104232号、同53-124424号、同53-141623号、
同53-28426号、リサーチ・ディスクロージャーNo.17129
号(1978年7月)などに記載のメルカプト基またはジス
ルフィド基を有する化合物;特開昭50-140129号に記載
のチアゾリジン誘導体;特公昭45-8506号、特開昭52-20
832号、同53-32735号、米国特許第3,706,561号に記載の
チオ尿素誘導体;***特許第1,127,715号、特開昭58-16
235号に記載の沃化物塩;***特許第966,410号、同2,74
8,430号に記載のポリオキシエチレン化合物類;特公昭4
5-8836号記載のポリアミン化合物;その他特開昭49-409
43号、同49-59644号、同53-94927号、同54-35727号、同
55-26506号、同58-163940号記載の化合物;臭化物イオ
ン等が使用できる。なかでもメルカプト基またはジスル
フィド基を有する化合物が促進効果が大きい観点で好ま
しく、特に米国特許第3,893,858号、***特許第1,290,8
12号、特開昭53-95630号に記載の化合物が好ましい。更
に、米国特許第4,552,834号に記載の化合物も好まし
い。これらの漂白促進剤は感光材料中に添加してもよ
い。撮影用のカラー感光材料を漂白定着するときにこれ
らの漂白促進剤は特に有効である。漂白液や漂白定着液
には上記の化合物の他に、漂白ステインを防止する目的
で有機酸を含有させることが好ましい。特に好ましい有
機酸は、酸解離定数(pKa)が2〜5である化合物で、具
体的には酢酸、プロピオン酸、ヒドロキシ酢酸などが好
ましい。定着液や漂白定着液に用いられる定着剤として
はチオ硫酸塩、チオシアン酸塩、チオエーテル系化合
物、チオ尿素類、多量の沃化物塩等を挙げることができ
るが、チオ硫酸塩の使用が一般的であり、特にチオ硫酸
アンモニウムが最も広範に使用できる。また、チオ硫酸
塩とチオシアン酸塩、チオエーテル系化合物、チオ尿素
などの併用も好ましい。定着液や漂白定着液の保恒剤と
しては、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、カルボニル重亜硫酸付
加物あるいは欧州特許第294,769A号に記載のスルフィン
酸化合物が好ましい。更に、定着液や漂白定着液には液
の安定化の目的で、各種アミノポリカルボン酸類や有機
ホスホン酸類の添加が好ましい。本発明において、定着
液または漂白定着液には、pH調整のためにpKaが6.0〜9.
0の化合物、好ましくは、イミダゾール、1-メチルイミ
ダゾール、1-エチルイミダゾール、2-メチルイミダゾー
ルの如きイミダゾール類を0.1〜10モル/リットル添加
することが好ましい。
【0342】脱銀工程の時間の合計は、脱銀不良が生じ
ない範囲で短い方が好ましい。好ましい時間は1分〜3
分、更に好ましくは1分〜2分である。また、処理温度
は25℃〜50℃、好ましくは35℃〜45℃である。好ましい
温度範囲においては、脱銀速度が向上し、かつ処理後の
ステイン発生が有効に防止される。脱銀工程において
は、攪拌ができるだけ強化されていることが好ましい。
攪拌強化の具体的な方法としては、特開昭62-183460号
に記載の感光材料の乳剤面に処理液の噴流を衝突させる
方法や、特開昭62-183461号の回転手段を用いて攪拌効
果を上げる方法、更には液中に設けられたワイパーブレ
ードと乳剤面を接触させながら感光材料を移動させ、乳
剤表面を乱流化することによってより攪拌効果を向上さ
せる方法、処理液全体の循環流量を増加させる方法が挙
げられる。このような攪拌向上手段は、漂白液、漂白定
着液、定着液のいずれにおいても有効である。
【0343】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
は、脱銀処理後、水洗及び/又は安定工程を経るのが一
般的である。水洗工程での水洗水量は、感光材料の特性
(例えばカプラー等使用素材による)、用途、更には水
洗水温、水洗タンクの数(段数)、向流、順流等の補充
方式、その他種々の条件によって広範囲に設定し得る。
このうち、多段向流方式における水洗タンク数と水量の
関係はJournal of theSociety of Motion Picture and
Television Engineers, 第64巻, P.248〜253(1955年5
月号)に記載の方法で、求めることができる。前記文献
に記載の多段向流方式によれば、水洗水量を大幅に減少
し得るが、タンク内における水の滞留時間の増加によ
り、バクテリアが繁殖し、生成した浮遊物が感光材料に
付着する等の問題が生じる。本発明のカラー感光材料の
処理において、このような問題が解決策として、特開昭
62-288838号に記載のカルシウムイオン、マグネシウム
イオンを低減させる方法を極めて有効に用いることがで
きる。また、特開昭57-8542号に記載のイソチアゾロン
化合物やサイアベンダゾール類、塩素化イソシアヌール
酸ナトリウム等の塩素系殺菌剤、その他ベンゾトリアゾ
ール等、堀口博著「防菌防黴剤の化学」(1986年)三共
出版、衛生技術会編「微生物の滅菌、殺菌、防黴技術」
(1982年)工業技術会、日本防菌防黴学会編「防菌防黴
剤事典」(1986年)に記載の殺菌剤を用いることもでき
る。本発明の感光材料の処理における水洗水のpHは4〜
9であり、好ましくは5〜8である。水洗水温、水洗時
間も、感光材料の特性、用途等で種々設定し得るが、一
般には、15〜45℃で20秒〜10分、好ましくは25〜40℃で
30秒〜5分の範囲が選択される。更に、本発明の感光材
料は、上記水洗に代り、直接安定液によって処理するこ
ともできる。このような安定化処理においては、特開昭
57-8543号、同58-14834号、同60-220345号に記載の公知
の方法はすべて用いることができる。また、前記水洗処
理に続いて、更に安定化処理する場合もあり、その例と
して、撮影用カラー感光材料の最終浴として使用され
る、色素安定化剤と界面活性剤を含有する安定浴を挙げ
ることができる。色素安定化剤としては、ホルマリンや
グルタルアルデヒドなどのアルデヒド類、N-メチロール
化合物、ヘキサメチレンテトラミンあるいはアルデヒド
亜硫酸付加物などを挙げることができる。この安定浴に
も各種キレート剤や防黴剤を加えることもできる。
【0344】上記水洗及び/又は安定液の補充に伴うオ
ーバーフロー液は脱銀工程等他の工程において再利用す
ることもできる。自動現像機などを用いた処理におい
て、上記の各処理液が蒸発により濃縮化する場合には、
水を加えて濃縮補正することが好ましい。本発明におけ
る各種処理液は10℃〜50℃において使用される。通常は
33℃〜38℃の温度が標準的であるが、より高温にして処
理を促進し処理時間を短縮したり、逆により低温にして
画質の向上や処理液の安定性の改良を達成することがで
きる。
【0345】
【実施例】以下に、本発明を実施例により、更に詳細に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0346】実施例1 下塗りを施した三酢酸セルロースフィルム支持体上に、
下記に示すような組成の各層を重層塗布し、多層カラー
感光材料である試料101を作製した。 (感光層組成)各層に使用する素材の主なものは下記の
ように分類されている; ExC:シアンカプラー UV :紫外線吸収
剤 ExM:マゼンタカプラー HBS:高沸点有機
溶剤 ExY:イエローカプラー H :ゼラチン硬
化剤 ExS:増感色素 各成分に対応する数字は、g/m2単位で表した塗布量を
示し、ハロゲン化銀については、銀換算の塗布量を示
す。ただし増感色素については、同一層のハロゲン化銀
1モルに対する塗布量をモル単位で示す。
【0347】(試料101) 第1層(ハレーション防止層) 黒色コロイド銀 銀 0.18 ゼラチン 1.60 ExM−1 0.11 ExF−1 3.4×10-3 HBS−1 0.16
【0348】第2層(中間層) ExC−2 0.055 UV−1 0.011 UV−2 0.030 UV−3 0.053 HBS−1 0.05 HBS−2 0.020 ポリエチルアクリレートラテックス 8.1×10-2 ゼラチン 0.75
【0349】第3層(低感度赤感乳剤層) 乳剤A 銀 0.46 ExS−1 5.0×10-4 ExS−2 1.8×10-5 ExS−3 5.0×10-4 ExC−1 0.11 ExC−3 0.045 ExC−4 0.07 ExC−5 0.0050 ExC−7 0.001 ExC−8 0.010 Cpd−2 0.005 HBS−1 0.090 ゼラチン 0.87
【0350】第4層(中感度赤感乳剤層) 乳剤D 銀 0.70 ExS−1 3.0×10-4 ExS−2 1.2×10-5 ExS−3 4.0×10-4 ExC−1 0.13 ExC−2 0.055 ExC−4 0.085 ExC−5 0.007 ExC−8 0.009 Cpd−2 0.036 HBS−1 0.11 ゼラチン 0.70
【0351】第5層(高感度赤感乳剤層) 乳剤E 銀 1.62 ExS−1 2.0×10-4 ExS−2 1.0×10-5 ExS−3 3.0×10-4 ExC−1 0.125 ExC−3 0.040 ExC−6 0.010 ExC−8 0.014 Cpd−2 0.050 HBS−1 0.22 HBS−2 0.10 ゼラチン 1.60
【0352】第6層(中間層) Cpd−1 0.07 HBS−1 0.04 ポリエチルアクリレートラテックス 0.19 ゼラチン 1.30
【0353】第7層(低感度緑感乳剤層) 乳剤A 銀 0.24 乳剤B 銀 0.10 乳剤C 銀 0.14 ExS−4 4.0×10-5 ExS−5 1.8×10-4 ExS−6 6.5×10-4 ExM−1 0.005 ExM−2 0.30 ExM−3 0.09 ExY−1 0.015 HBS−1 0.26 HBS−3 0.006 ゼラチン 0.80
【0354】第8層(中感度緑感乳剤層) 乳剤D 銀 0.94 ExS−4 2.0×10-5 ExS−5 1.4×10-4 ExS−6 5.4×10-4 ExM−2 0.16 ExM−3 0.045 ExY−1 0.008 ExY−5 0.030 HBS−1 0.14 HBS−3 8.0×10-3 ゼラチン 0.90
【0355】第9層(高感度緑感乳剤層) 乳剤E 銀 1.29 ExS−4 3.7×10-5 ExS−5 8.1×10-5 ExS−6 3.2×10-4 ExC−1 0.011 ExM−1 0.016 ExM−4 0.046 ExM−5 0.023 Cpd−3 0.050 HBS−1 0.20 HBS−2 0.08 ポリエチルアクリレートラテックス 0.26 ゼラチン 1.57
【0356】第10層(イエローフィルター層) 黄色コロイド銀 銀 0.010 Cpd−1 0.10 HBS−1 0.055 ゼラチン 0.70
【0357】第11層(低感度青感乳剤層) 乳剤A 銀 0.25 乳剤C 銀 0.25 乳剤D 銀 0.10 ExS−7 8.0×10-4 ExY−1 0.010 ExY−2 0.70 ExY−3 0.055 ExY−4 0.006 ExY−6 0.075 ExC−7 0.040 HBS−1 0.25 ゼラチン 1.60
【0358】第12層(高感度青感乳剤層) 乳剤F 銀 1.30 ExS−7 3.0×10-4 ExY−2 0.15 ExY−3 0.06 HBS−1 0.070 ゼラチン 1.13
【0359】第13層(第1保護層) UV−2 0.08 UV−3 0.11 UV−4 0.26 HBS−1 0.09 ゼラチン 2.40
【0360】第14層(第2保護層) 乳剤G 銀 0.10 H−1 0.37 B−1(直径 1.7 μm) 5.0×10-2 B−2(直径 1.7 μm) 0.10 B−3 0.10 S−1 0.20 ゼラチン 0.75
【0361】更に、各層に適宜、保存性、処理性、圧力
耐性、防黴・防菌性、帯電防止性及び塗布性をよくする
ために W−1ないしW−3、B−4ないしB−6、F
−1ないしF−17及び、鉄塩、鉛塩、金塩、白金塩、
イリジウム塩、パラジウム塩、ロジウム塩が含有されて
いる。
【0362】
【表1】
【0363】表−Aにおいて、 (1)乳剤A〜Fは特開平2-191938号の実施例に従い、
二酸化チオ尿素とチオスルフォン酸を用いて粒子調製時
に還元増感されている。 (2)乳剤A〜Fは特開平3-237450号の実施例に従い、
各感光層に記載の分光増感色素とチオシアン酸ナトリウ
ムの存在下に金増感、硫黄増感とセレン増感が施されて
いる。 (3)平板状粒子の調製には特開平1-158426号の実施例
に従い、低分子量ゼラチンを使用している。 (4)平板状粒子には特開平3-237450号に記載されてい
るような転位線が高圧電子顕微鏡を用いて観察されてい
る。
【0364】
【化100】
【0365】
【化101】
【0366】
【化102】
【0367】
【化103】
【0368】
【化104】
【0369】
【化105】
【0370】
【化106】
【0371】
【化107】
【0372】
【化108】
【0373】
【化109】
【0374】
【化110】
【0375】
【化111】
【0376】
【化112】
【0377】
【化113】
【0378】
【化114】
【0379】
【化115】
【0380】
【化116】
【0381】試料102の作成 試料101に対して下記の変更を行った試料を作成し
た。 ・第3層乳剤Aのヨード含有量を2モル%から3.5モ
ル%に変更した。 ・第4層乳剤Dのヨード含量量を4.1モル%から7.
15モル%に変更した。 ・第5層乳剤Eのヨード含有量を3.4モル%から5.
93モル%に変更した。 ・第7層乳剤Aのヨード含量量を2モル%から3.5モ
ル%に、乳剤Cのヨード含量有を3.0モル%から5.
3モル%に変更した。 ・第8層乳剤Dのヨード含有量を4.1モル%から7.
15モル%に変更した。 ・第9層乳剤Eのヨード含有量を3.4モル%から5.
93モル%に変更した。 ・第3、4、5、7、8、9層の乳剤塗布銀量をそれぞ
れ1.2倍とした。
【0382】試料103の作成 試料101に対して下記の変更を行った試料を作成し
た。 ・第3層乳剤Aのヨード含有量を2モル%から4.7モ
ル%に変更した。 ・第4層乳剤Dのヨード含量量を4.1モル%から9.
6モル%に変更した。 ・第5層乳剤Eのヨード含有量を3.4モル%から8.
01モル%に変更した。 ・第7層乳剤Aのヨード含量量を2モル%から4.7モ
ル%に、乳剤Cのヨード含量有を3.0モル%から7.
06モル%に変更した。 ・第8層乳剤Dのヨード含有量を4.1モル%から9.
60モル%に変更した。 ・第9層乳剤Eのヨード含有量を3.4モル%から8.
01モル%に変更した。 ・第3、4、5、7、8、9層の乳剤塗布銀量をそれぞ
れ1.35倍とした。
【0383】試料104の作成 試料101に対して下記の変更を行った試料を作成し
た。 ・第3層乳剤Aのヨード含有量を2モル%から0.87
モル%に変更した。 ・第4層乳剤Dのヨード含量量を4.1モル%から1.
79モル%に変更した。 ・第5層乳剤Eのヨード含有量を3.4モル%から1.
49モル%に変更した。 ・第7層乳剤Aのヨード含量量を2モル%から0.87
モル%に、乳剤Cのヨード含量有を3.0モル%から
1.31モル%に変更した。 ・第8層乳剤Dのヨード含有量を4.1モル%から1.
79モル%に変更した。 ・第9層乳剤Eのヨード含有量を3.4モル%から1.
49モル%に変更した。 ・第3、4、5、7、8、9層の乳剤塗布銀量をそれぞ
れ0.85倍とした。
【0384】試料105の作成 試料101に対して下記の変更を行った試料を作成し
た。 ・第5、9、12層の乳剤、素材塗布量をそれぞれ0.
45倍とした。
【0385】試料106の作成 試料101に対して下記の変更を行った試料を作成し
た。 ・第3、4層のExC−5(イエローカラードシアンカ
プラー)を等モルのExC−3に変更した。 ・第3、4、5層のExC−8を等モルのExC−9に
変更した。 ・第11層の全ての素材塗布量をそれぞれ0.85倍と
した。
【0386】試料107の作成 試料101に対して下記の変更を行った試料を作成し
た。 ・第3、4層のExC−5(イエローカラードシアンカ
プラー)を等モルのExC−3に変更した。 ・第11層の全ての素材塗布量をそれぞれ0.92倍と
した。
【0387】試料108の作成 試料101に対して下記の変更を行った試料を作成し
た。 ・第3、4、5層のExC−8を等モルのExC−9に
変更した。 ・第11層の全ての素材塗布量をそれぞれ0.92倍と
した。
【0388】試料109の作成 試料101に対して下記の変更を行った試料を作成し
た。 ・第5、9、12層の乳剤量を2.5倍にした上で、第
5、9、12層の素材塗布量をそれぞれ2倍とした。
【0389】・レンズ付きフィルムの作成 以上のように作成した試料101から109を135フ
ォーマットに加工し、富士フイルム社製「写るんですエ
コノショトFLASH」に装填しなおし、撮影可能な状
態にした。
【0390】・撮 影 以上の様に作成したレンズ付きフィルムを用いて以下の
撮影を行った。 1)色彩度、粒状性評価用資料作成のため、日中晴天下
(LV値約13)にてマクベス社のカラーレンデイショ
ンチャートを撮影した。 2)暗部描写力、色彩度評価のため、曇天下やや暗い条
件(LV値約10)で女性にマクベス社のカラーレンデ
イションチャートを持たせて撮影した。 3)暗部描写力、色彩度評価のため、夜間室内にてスト
ロボを使用し、撮影距離を1m、3m、4m、5mと変
更し、女性にマクベス社のカラーレンデイションチャー
トを持たせて撮影した。
【0391】・現像、プリント 撮影済みのフィルムを富士フイルム社製ミニラボ用自動
現像機FP−560Bにて現像した。次いで、富士フイ
ルム社製ミニラボ用プリンタープロセッサーPP−12
5OV(愛称ロッキー)にてLサイズプリントを作成し
た。
【0392】・プリントの評価 以上の様にして作成したLサイズプリントについて、暗
部描写力、色彩度、粒状性についての評価、および前記
3点を含む総合的な満足度を評価した。結果を表−Bに
示す。また、層間抑制効果、特定写真感度の評価結果も
あわせて表−Bに示す。
【0393】
【表2】
【0394】
【表3】
【0395】表−Bから明らかな様に、本発明の層間抑
制効果の条件、および特定写真感度を満たす試料10
1、107、108は非常に満足度の高い結果が得ら
れ、本発明の効果が確認された。
【0396】実施例2 試料101の第3層、第4層のイエローカラードシアン
カプラーExC−5を、等モルのイエローカラードシア
ンカプラーYC−24に、第3層、第4層、第5層の一
般式(2)に属するExC−7をCB−25に変更した
試料を作成し、これを試料201とした。この試料20
1に対し実施例1で行ったのと同様な比較試料202か
ら209を作成し、試料201から209について実施
例2と同様な評価を行った。その結果、実施例1と同様
に本発明の層間抑制効果の条件、および特定写真感度を
満たす試料は非常に満足度の高い結果が得られ、本発明
の効果が再確認された。
【0397】
【発明の効果】本発明による層間抑制効果の条件および
特定写真感度を満たすハロゲン化銀カラー写真感光材料
では、暗部描写力、色彩度、粒状性を含む総合的な評価
の優れたカラー画像が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】層間抑制効果の大きさIE(X/Y)を求める
ための特性曲線である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G03C 7/305 G03C 7/305 7/333 7/333 (72)発明者 豊田 雅義 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写 真フイルム株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−182847(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03C 7/20

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に赤感性、緑感性、青感性ハロ
    ゲン化銀乳剤層をそれぞれ少なくとも一層有するカラー
    写真感光材料であって、層間抑制効果の大きさIE(X
    /Y)が、 0.15<IE(R/G), −0.05<IE(R/
    B) 0.10<IE(G/R), 0.15<IE(G/
    B) 0.03<IE(B/G), 0.03<IE(B/
    R) であり、かつ特性写真感度が640以上2000以下で
    あることを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材
    料。
  2. 【請求項2】 下記一般式(1)および/または一般式
    (2)で示される化合物を含有することを特徴とする請
    求項1に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。 一般式(1) A−(L1j−(L2m−[(L3n−PUG]s 式中、Aはカプラー残基または酸化還元基を表し、L1
    およびL3は2価のタイミング基を表し、L2は3価もし
    くはそれ以上の結合手を有するタイミング基を表し、P
    UGは写真性有用基を表す。jとnはそれぞれ独立に
    0、1または2を表し、mは1または2を表し、sはL
    2の価数から1を引いた数であり2以上の整数を表す。
    またL1、L2もしくはL3は、分子内に複数個存在する
    とき、それらは全て同じであっても異なっていても良
    い。また複数個存在するPUGは、全て同じであっても
    異なっていても良い。 一般式(2) A−L4−L5−PUG 式中、AとPUGは一般式(1)と同義である。L4
    −OCO−基、−OSO−基、−OSO2−基、−OC
    S−基、−SCO−基、−SCS−基または−WCR11
    12−基を表す。ここで、Wは酸素原子、硫黄原子また
    は3級アミノ基(−NR13−)を表し、R11およびR12
    はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、R13
    置換基を表す。またR11、R12、およびR13の任意の2
    つが2価基を表し、連結して環状構造を形成する場合も
    含む。L5は共役系に沿った電子移動によりPUGを放
    出する基もしくはL4で定義される基を表す。
  3. 【請求項3】 イエローカラードシアンカプラーを含有
    することを特徴とする請求項1または2に記載のハロゲ
    ン化銀カラー写真感光材料。
  4. 【請求項4】 全赤感性層および/または全緑感性層の
    ハロゲン化銀粒子の平均ヨード含有量が、2〜5モル%
    であるハロゲン化銀粒子を含有することを特徴とする請
    求項1ないし3のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カ
    ラー写真感光材料。
  5. 【請求項5】 赤感性層、および緑感性層の最高感度層
    に、全投影面積の50%以上がアスペクト比3以上の転
    位線を有しかつセレン増感された平板状ハロゲン化銀乳
    剤を含有することを特徴とする請求項1ないし4のいず
    れか1項に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
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