JP3148843U - 手術用具及び手術システム - Google Patents

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勇 小山
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Abstract

【課題】高周波電流を流して各種手術を行う際に、切開、剥離、凝固等のいずれの施術も適切に行うことができるようにする。【解決手段】生体手術用に設定された高周波電流を供給する高周波電流供給装置の出力端子に接続され、生体組織に高周波電流を流して施術を行うように構成された手術用具10である。手術用具10は、出力端子に接続される本体部11と、本体部11に設けられ、生体組織の施術部位に高周波電流を流すための電極部13とを備えている。電極部13は、扁平形状とされている。電極部13の周縁部を利用して生体組織の切開又は剥離を行うことができる。電極部13の側面部を利用して生体組織の凝固を行うことができる。【選択図】図4

Description

本考案は、例えば人間の生体組織に、手術用に設定された高周波電流を流して生体組織の切開、剥離、凝固等の施術を行う際に用いられる手術用具及び手術システムに関する。
従来より、外科的手術時には、生体手術用に設定された高周波電流を生体組織に流して生体組織の切開、剥離、凝固等を行うように構成された電気メス装置が用いられている。切開、剥離及び凝固の全てが可能な電気メス装置としては、例えば特開平5−161661号公報に開示されているように、高周波電流供給装置と、対電極と、生体組織の施術部位に接触させる電極部を有するメスとを備えた、いわゆるモノポーラ型のものがある。このようなモノポーラ型の電気メスを用いることで、生体組織からの出血を抑えながら生体組織を切開したり、特定の生体組織を他の生体組織から剥離させることができ、さらに、生体組織を凝固させて出血を抑えることもできるので、現在では、その適用範囲が拡大している。
しかしながら、電気メス装置を使用する際、生体組織を切開するときや剥離するときには、電流を生体組織に局部的に流す必要があるので、電極部の生体組織への接触面積は狭い方がよく、一方、凝固時には、切開等に比べて広い範囲に電流を流す必要があるので、電極部の生体組織への接触面積は広い方がよい。
本考案は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、高周波電流を流して各種手術を行う際に、切開、剥離、凝固等のいずれの施術も適切に行うことができるようにすることにある。
上記の課題を解決するために第1の考案では、生体手術用に設定された高周波電流を供給するための高周波電流供給装置の出力端子に接続され、生体組織に高周波電流を流して施術を行うように構成された手術用具であって、上記出力端子に接続される本体部と、上記本体部に設けられ、生体組織の施術部位に高周波電流を流すための電極部とを備え、上記電極部は、扁平形状とされている構成とする。
上記扁平形状の電極部によれば、電極部の周縁部はシャープな形状となり、生体組織への接触面積が狭くなる一方、電極部の側面部は、周縁部に比べて生体組織への接触面積が広くなる。従って、電極部の周縁部を生体組織に接触させることで、切開や剥離を行い易くなり、また、電極部の側面部を生体組織に接触させることで、凝固を行い易くなる。
第2の考案では、第1の考案において、本体部には、電極部を冷却するための液体ないし電極部を洗浄するための液体が流通する液体流路が形成され、上記液体流路の下流端は、上記電極部近傍で開口している構成とする。
したがって、電極部の近傍には電極部を冷却する液体ないし電極部を洗浄する液体が供給されるので、電極部の温度が上昇しすぎるのを抑制することや、電極部に付着した血液等を流すことが可能になる。さらに、液体を供給しながら高周波電流を流すようにすれば、生体組織が電極部に密着したまま離れなくなってしまうのを抑制することが可能になる。
第3の考案では、第2の考案において、液体流路の下流端は、本体部の複数箇所に開口している構成とする。
この構成によれば、冷却ないし洗浄用の液体が電極部の広範囲に供給されることになる。
第4の考案では、第1から3のいずれか1つの発明であって、本体部は棒状に形成され、電極部は上記本体部の先端に設けられ、上記本体部の電極部側は湾曲形成されている構成とする。
例えば体腔の深い部位を手術する場合があり、この場合に、本体部の電極部側が湾曲していることにより、手前にある生体組織を回避しながら、電極部を体腔の奥の方の所望位置まで持っていくことが可能になる。
第5の考案では、第1から4のいずれか1つの考案であって、電極部は多角形の板状をなしている構成とする。
したがって、電極部の周縁部には複数の辺部が形成されることになる。これにより、1つの片部に血液等が焼き付いた場合に、他の片部を利用して施術を続けることが可能になる。
第6の考案では、生体手術用に設定された高周波電流を供給する高周波電流供給装置の出力端子に接続され、生体組織に高周波電流を流すように構成された電極部を有する手術用具と、上記電極部を冷却する液体ないし上記電極部を洗浄する液体を供給する液体供給装置とを備えた手術システムであって、上記電極部は、扁平形状とされている構成とする。
この構成によれば、第1の考案と同様に、切開、剥離、凝固の各々を行い易くなる。
第7の考案では、第6の考案において、手術用具は、電極部が設けられた本体部を備え、上記本体部には、上記電極部を冷却する液体ないし電極部を洗浄する液体が流通する液体流路が形成され、上記液体流路の上流端に液体供給装置が接続され、上記液体流路の下流端は、上記電極部近傍で開口している構成とする。
したがって、電極部を冷却する液体ないし電極部を洗浄する液体が、液体供給装置により電極部の近傍に供給されるので、第2の考案と同様な作用が得られる。
第8の考案では、第7の考案において、液体供給装置は、液体を、1分間あたり0.5ml以上2.0ml以下の範囲で供給するように構成されているものとする。
すなわち、液体の供給量が1分間あたり0.5ml未満であると、液体の量が少なすぎて電極部の冷却効果及び洗浄効果が十分に得られなくなり、一方、供給量が1分間あたり2.0mlよりも多いと、電極部が冷えすぎたり、生体組織への施術が難しくなる。よって、上記範囲とすることで、施術に適した液体の供給量となる。
第9の考案では、第6から8のいずれか1つの考案において、液体供給装置は、液体を供給する供給状態と、供給を停止する停止状態とに切り替える切替部を備えている構成とする。
したがって、液体が必要なときに必要な時間だけ供給することが可能になる。
第10の考案では、第9の考案において、切替部は、術者による足踏み操作が可能な足踏み操作部を備え、該足踏み操作部の足踏み操作によって供給状態と、停止状態とに切り替える構成とする。
したがって、術者が術野から手を離すことなく、術者の思い通りに液体の供給が行えるようになる。
本考案によれば、電極部を扁平形状としたので、高周波電流を流して各種手術を行う際に、切開、剥離、凝固等のいずれの施術も適切に行うことができる。
また、電極部の近傍に電極部を冷却する液体ないし電極部を洗浄する液体を供給することで、電極部の温度を適切な範囲に保つことができ、さらに、電極部に付着した血液等を流して施術を確実に行うことができる。
また、本体部の電極部側を湾曲させることで、電極部を体腔の奥の方の所望位置に持っていくことができ、本手術用具の適用範囲をより一層拡大できる。
また、電極部を多角形の板状にすることで、電極部の周縁部には複数の辺部が形成されるので、ある片部が使用に適さなくなっても、他の片部を利用して施術を続けることができ、施術を早くかつ確実に終わらせることができる。
また、液体の供給量を、1分間あたり0.5ml以上2.0ml以下の範囲にすることで、施術に悪影響を与えることなく、電極部の冷却効果及び洗浄効果を十分に得ることができる。
また、足踏み操作によって液体の供給を開始したり、停止することができるので、術者が術野から手を離すことなく、術者の思い通りに液体の供給を行うことができ、利便性を向上させることができる。
以下、本考案の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本考案、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
(実施形態1)
図1は、本考案の実施形態1に係る手術用具10を備えた手術システム1を示すものである。手術システム1は、モノポーラ電極となる手術用具10の他に、生体手術用に設定された高周波電流を供給する高周波電流供給装置20と、手術用具10が接続されるハンドピース30と、対極板40と、バッグBに貯留された生理的食塩水を手術用具10の電極部13(後述する)近傍に供給する液体供給装置50とを備えている。ハンドピース30は、高周波電流供給装置20に接続線43により電気的に接続されている。対極板40も、高周波電流供給装置20に接続線44により電気的に接続されている。手術用具10、高周波電流供給装置20、ハンドピース30及び対極板40は、いわゆるモノポーラ型の電気メス装置を構成している。
手術システム1は、各種外科的手術の際に、生体組織A(図8及び図9に示す)を切開したり、特定の生体組織Aを他の生体組織Aから剥離させたり、止血のために生体組織Aを凝固させることができるものであり、例えば、人間の消化器官の手術、泌尿器科の手術、産婦人科の手術等の広い範囲で使用できるものである。
高周波電流供給装置20は、図示しないが、直流電源の出力電流を電流制限回路によって上限設定して、生体手術用の高周波電流を発生させるように構成されている。すなわち、直流電源には、該直流電源の出力電流を所定値に制限する電流制限回路が接続されている。電流制限回路には、該電流制限回路の出力が入力されて所定の一定電圧を出力する定電圧回路が接続されている。定電圧回路には、該定電圧回路の出力を電源として医療用に規定された周波数の高周波電流を生成する発振回路が接続されている。また、定電圧回路の出力電圧を電源として、切開モード、凝固モードのそれぞれに対応する各デューティ比を設定するデューティ比設定回路が定電圧回路に接続されている。定電圧回路及びデューティ比設定回路には、定電圧回路の出力電圧を電源として、デューティ比設定回路で設定されたデューティ比に基づいて発振回路の高周波電流出力を波形整形する波形整形回路が接続されている。電流制限回路には、電流制限回路により上限を規定された電流によって波形整形回路の出力に応じた高周波電流出力を発生させる出力回路が接続されている。
また、高周波電流供給装置20には、デューティ比設定回路の切開モード、凝固モードを切り替えるモード切替スイッチと、出力回路の電流出力値を調整する電流値調整回路と、切開モードの電流値を設定する切開用電流値設定スイッチと、凝固モードの電流値を設定する凝固用電流値設定スイッチと、電源スイッチとが設けられている。直流電源には充電池を用いることができる。
尚、人間の手術の際には、一般的に300KHz〜5MHz程度の周波数範囲にある高周波電流を使用する。
ハンドピース30には、スイッチ31が設けられている。このスイッチ31は高周波電流供給装置20に接続線43を介して接続されている。ハンドピース30のスイッチ31を操作することにより、高周波電流供給装置20から高周波電流が出力されるようになっている。また、対電極40は、導電材からなり、患者の体表面に接触するものである。
液体供給装置50は、バッグBに接続されるチューブ41と、開閉機構55とを備えている。開閉機構55は、下方に開放する鉤状部51aを有する固定部材51と、鉤状部51aの開放側に配置される押圧部52aを有する可動部材52とを備えている。可動部材52は上下方向に移動するように固定部材51に支持されている。チューブ41は、柔軟な材料で構成されており、鉤状部51aの内部に配置されている。鉤状部51aには、押圧部52aを上下方向に案内する縦長の案内孔51bが形成されている。可動部材52には、術者の足下に配置されるペダル53がワイヤー54を介して連結されている。
図3に示すように、ペダル53が踏み込まれると可動部材52が上方へ移動し、押圧部52aがチューブ41を鉤状部51aへ向けて押し付け、これにより、チューブ41が潰れて内部の流路R1(図2に示す)が閉塞されるようになっている。この状態で生理的食塩水の供給が停止される。
一方、図2に示すように、ペダル53から足を離すと、押圧部52aが下がり、チューブ41の形状が復元して内部の流路R1が開かれて生理的食塩水の供給が開始される。つまり、開閉機構50は、生理的食塩水を供給する供給状態と、生理的食塩水の供給を停止する停止状態とを切り替える切替部である。尚、ペダル53の踏み込み量によって生理的食塩水の流量をコントロールすることのできる。
図4〜図7に示すように、手術用具10は、円形断面を有する棒状の本体部11と、本体部11の長手方向中間部から分岐する分岐部12と、本体部11の先端部に設けられた電極部13とを備えている。本体部11、分岐部12及び電極部13は、導電材料で構成されており、この材料としては、例えばステンレス鋼等が挙げられるが、人体に影響を及ぼさない導電材料であれば特に限定されない。
本体部11は中空状に形成されており、その内部空間は、生理的食塩水が流れる流路R2となっている。本体部11の先端及び基端は閉塞されている。本体部11の長さは50mm以上150mm以下の範囲で設定するのが好ましい。
本体部11の基端側には、該本体部11の他の部位に比べて大径に形成された接続部11aが設けられている。接続部11aの長さは、20mm程度に設定されている。接続部11aがハンドピース30の先端部に差し込まれるようになっている。本体部11の接続部11aの外径は、4mmに設定されており、また、本体部11の中間部の外径は、2.5mmに設定され、内径である流路R1の径は、1.5mmに設定されている。本体部11の接続部11aの外径及び中間部の外径はこれに限られるものではない。また、流路R1の内径は、生理的食塩水の流通し易さを考慮して1.0mm以上確保されていればよく、上限は1.5mm以上であってもよい。
また、図5に示すように、本体部11の先端側である電極部13側は、径方向に潰されており、側面視で、先端部に近づくほど薄くなるように形成されている。本体部11の電極部13近傍の外周面には、流路R2の下流端が開口して4つの開口部11b,11b,…が形成されている。これら開口部11b,11b,…は本体部11の周方向に略等間隔に配置されている。周方向に隣り合う開口部11b,11bは本体部11の長手方向にも離れている。各開口部11bの径は0.5mm以上1.5mm以下の範囲で設定するのが好ましい。開口部11bと電極部13との離間寸法は、20mm以下に設定されている。開口部11bと電極部13との離間寸法を20mm以下とすることで、開口部11bから流出した生理的食塩水が電極部13に達し易くなる。尚、開口部11bの数は4つに限られるものではなく、例えば、1つであってもよい。また、開口部11b,11b,…の径は互いに異ならせてもよい。また、開口部11b,11b,…の形状は円形に限られるものではなく、スリット状であってもよい。
分岐部12は、図4に示すように、本体部11から突出する管状をなしており、その突出方向先端部に近づくほど本体部11の基端側に位置するように、本体部11の長手方向に対し傾斜している。分岐部12の内部には、本体部11の流路R2に連通する流路R3が形成されている。図7に示すように、この流路R3の上流端は、分岐部12の端部に開口している。分岐部12は、本体部11の基端部から先端側へ向けて約40mm離れて位置付けられている。また、分岐部12の外径は2.5mmに設定されている。分岐部12の端部には、液体供給装置50のチューブ41が接続されるようになっている。これにより、バッグB内の生理的食塩水が流路R3、R2を順に流れて開口部11bから電極部13の近傍に供給されることになる。
開口部11bの径及び開口部11bの個数により、電極部13近傍に供給される生理的食塩水の量が設定されるようになっている。具体的には、供給量が1分間あたり0.5ml以上2.0ml以下の範囲となるように設定されている。これは、供給量が1分間あたり0.5ml未満であると、少なすぎて生理的食塩水による電極部13の冷却効果及び洗浄効果が十分に得られなくなり、供給量が1分間あたり2.0mlよりも多いと、生理的食塩水によって電極部13が冷えすぎたり、生体組織への施術が難しくなるからである。尚、供給量は、チューブ41にオリフィス等を設けて上記範囲となるように調整してもよいし、本体部11の流路R2や分岐部12の流路R3にオリフィス等を設けて上記範囲となるように調整してもよい。また、生理的食塩水を加温してもよいし、冷却してもよい。
本体部11の長手方向中間部と、分岐部12とは、絶縁体からなる被覆材14によって被覆されている。被覆材14は、開口部11b,11b,…を覆わないように形成されるとともに、接続部11aの一部を覆うように形成されている。この被覆材14は、例えばテフロンやシリコン等を用いることができる。
図4〜図6に示すように、電極部13は、扁平形状となっている。具体的には、電極部13は円板材で構成されており、その周縁部の一部が本体部11に固定されている。電極部13の厚みは、1.0mm以上2.0mm以下となるように設定されている。また、電極部13の径は、5.0mm以上10.0mm以下となるように設定されている。このような扁平形状とすることにより、電極部13の周縁部は、シャープな形状となる。また、電極部13は、その中心が本体部11の中心線上に位置するように配置されている。
次に、上記のように構成された手術システム1を使用する場合について説明する。まず、図1に示すように、ハンドピース30に手術用具10を接続する。すなわち、手術用具10の接続部11aをハンドピース30の先端部に差し込む。これにより、手術用具10がハンドピース30に保持される。
また、生理的食塩水が貯留されたバッグBを用意して上方に吊す。バッグBにはチューブ41の上流端部を接続する。チューブ41の下流端部は手術用具10の分岐部12に接続する。このとき、液体供給装置50のペダル53を踏み込んでチューブ41を閉塞しておく。また、患者の体表に対極板40を接触させておく。また、高周波電流供給装置20のモード切替や各種調整を行う。
そして、電極部13を生体組織Aに接触させてハンドピース30のスイッチ31を操作すると、電極部13から生体組織Aに電流が流れて切開、剥離、凝固を行うことができる。切開や剥離をするときには、図8に示すように、電極部13の周縁部を生体組織Aに接触させるようにすることで、生体組織Aへの接触面積が狭くなる。これにより、切開や剥離をしたい箇所に局部的に電流を流すことができるので、望み通りに適切に切開や剥離を行うことができる。
一方、凝固を行うときには、図9に示すように、電極部13の側面を生体組織Aに接触させるようにすることで、生体組織Aの広い範囲に電流を流して望み通りに適切に凝固させて止血を行うことができる。
電極部13の温度が適正範囲から上昇した場合には、術者はペダル53から足を離す。これにより、ことでチューブ41の流路R1が開放される。すると、バッグB内の生理的食塩水が、落差圧によってチューブ41の流路R1及び分岐管12の流路R2を順に流れて本体部11内の流路R3に流入し、開口部11b,11b,…から流出する。開口部11b,11b,…は、電極部13近傍にあるので、生理的食塩水は本体部11の外周面を伝って電極部13に達する。これにより、電極部13が冷却されて適正な温度となる。また、このようにして供給された生理的食塩水により電極部13を洗浄することも可能である。さらに、生理的食塩水を流しながら電流を流すことで、生体組織Aが電極部13に密着したまま離れなくなるのを抑制できる。
生理的食塩水の供給開始及び供給停止は、ペダル53の操作によって術者自身が適切なタイミングで行えるので、術者がストレスを感じることはなく、しかも、供給量を正確にコントロールできる。
また、このときの生理的食塩水の供給量を、1分間あたり0.5ml以上2.0ml以下の範囲にしているので、電極部13の冷却効果及び洗浄効果が十分に得ながら、電極部13が冷えすぎたり、生体組織への施術が難しくなるの回避することが可能である。供給流量は、実験の結果から導き出されたものであり、より好ましくは、1分間あたり1mlである。
また、本手術用具10は、電流を流さない状態でも使用可能である。すなわち、電極部13が扁平形状となっているので、電極部13の周縁部を、剥離したい生体組織に押し当てて鈍的な剥離具として使用できる。
以上説明したように、この実施形態によれば、手術用具10の電極部13を扁平形状としたので、高周波電流を流して各種手術を行う際に、切開、剥離、凝固等のいずれの施術も適切に行うことができる。
また、電極部13の近傍に電極部13を冷却する液体ないし電極部13を洗浄するための生理的食塩水を供給するようにしたので、電極部13の温度を適切な範囲に保つことができ、さらに、電極部13に付着した血液等を流して施術を確実に行うことができる。
また、液体の供給量を、1分間あたり0.5ml以上2.0ml以下の範囲にすることで、施術に悪影響を与えることなく、電極部13の冷却効果及び洗浄効果を十分に得ることができる。
また、ペダル53の踏み操作によって生理的食塩水の供給を開始したり、停止することができるので、術者が術野から手を離すことなく、術者の思い通りに生理的食塩水の供給を行うことができ、利便性を向上させることができる。
また、泌尿器科や産婦人科の手術の際には、対象となる生体組織Aが体腔の深いところにあるので、手術用具10の本体部11の長さを100mm以上とするのが好ましいが、長すぎると取り回し難くなるので、150mm以下にするのが好ましい。
(実施形態2)
図10は、本発明の実施形態2に係る手術システム1を示すものである。この手術システム1は、生理的食塩水を供給するための液体供給装置50の構造が、実施形態1のものと異なっており、他の部分は同じであるため、以下、実施形態1と同じ部分には同じ符号を付けて説明を省略し、異なる部分について詳細に説明する。
すなわち、液体供給装置50は、ポンプ60と、バッグBに接続される上流側チューブ61と、手術用具10の分岐部12に接続される下流側チューブ62とを備えている。ポンプ60は、図示しないが、生理的食塩水を圧送するポンプ機構と、ポンプ機構を駆動する電動モーターとを備えている。これらポンプ機構及び電動モーターは、液体を圧送する際に用いられている従来周知のものである。
ポンプ機構による生理的食塩水の圧送量(供給量)は、任意の量に設定できるようになっている。この実施形態2では、生理的食塩水の供給量が、1分間あたり0.5ml以上2.0ml以下の範囲となるように設定されている。
ポンプ60は、生理的食塩水の流路(図示せず)を開閉する電磁弁(切替部)63と、電磁弁63を操作するためのフットスイッチ64とを備えている。フットスイッチ64を踏むと電磁弁63が閉じて生理的食塩水の供給が停止状態となり、一方、フットスイッチ64から足を離すと電磁弁63が開いて生理的食塩水が供給可能な状態となる。
したがって、この実施形態2によれば、実施形態1と同様な作用効果を得ることができる。
上記ポンプ60は、高周波電流供給装置20に内蔵するようにしてもよい。また、ポンプ60に調整ノブ等を設け、生理的食塩水の供給量を調整ノブの操作によって増減させるようにしてもよい。フットスイッチ64の操作によって生理的食塩水の供給量を増減させるようにしてもよい。
尚、電極部13の形状は、上記実施形態1、2のものに限られず、例えば、図11及び図12に示す変形例1のように、電極部13の先端に向かって薄くなるブレード形状にしてもよい。これにより、生体組織Aを剥離し易くなる。
また、電極部13の形状としては、図13に示す変形例2のように矢じり型にしてもよいし、図14に示す変形例3のように四角形の板状にしてもよい。これら変形例2、3のような形状にすることで、電極部13には複数の辺部13a、13aが形成されることになる。したがって、ある片部13aに血液等が焼き付いて固着しても、他の片部13aを利用いて施術を続けることが可能になるので、施術を早くかつ確実に終わらせることができる。電極部13は、五角形等の多角形の板状であってもよい。また、電極部13の厚みは部分的に異ならせてもよい。
また、図15に示す変形例4のように、手術用具10の本体部11の先端側を湾曲させてもよい。これにより、例えば体腔の深い部位を手術する場合に、本体部11の先端側が湾曲していることにより、手前にある生体組織Aを回避しながら、電極部13を体腔の奥の方の所望位置まで持っていくことが可能になる。よって、本手術用具10の適用範囲をより一層拡大できる。また、本体部11の先端側を術者自らが湾曲させるようにしてもよい。
また、上記実施形態2では、生理的食塩水をバッグBに貯留するようにしているが、これに限らず、ポンプ60や高周波電流供給装置20に内蔵されるタンクに貯留するようにしてもよい。
以上説明したように、本考案に係る手術用具及び手術システムは、例えば、人間の消化器官の手術、泌尿器科の手術、産婦人科の手術に用いることができる。
実施形態1に係る手術システムの構成を示す概略図である。 開状態にある液体供給装置の構造を説明する図である。 閉状態にある液体供給装置の図2相当図である。 手術用具の平面図である。 手術用具の側面図である。 手術用具を先端側から見た図である。 手術用具を基端側から見た図である。 電極部の周縁部を利用して切開又は剥離を行う場合の説明図である。 電極部の側面部を利用して凝固を行う場合の説明図である。 実施形態2に係る図1相当図である。 変形例1に係る図5相当図である。 変形例1に係る図6相当図である。 変形例2に係る図4相当図である。 変形例3に係る図4相当図である。 変形例4に係る図4相当図である。
符号の説明
1 手術システム
10 手術用具
11 本体部
11b 開口部
13 電極部
20 高周波電流供給部
50 液体供給装置
55 開閉機構(切替部)
53 ペダル(足踏み操作部)
60 ポンプ(液体供給装置)
63 電磁弁(切替部)
64 フットスイッチ(足踏み操作部)
A 生体組織
B バッグ
R1、R2、R3 流路

Claims (10)

  1. 生体手術用に設定された高周波電流を供給するための高周波電流供給装置の出力端子に接続され、生体組織に高周波電流を流して施術を行うように構成された手術用具であって、
    上記出力端子に接続される本体部と、
    上記本体部に設けられ、生体組織の施術部位に高周波電流を流すための電極部とを備え、
    上記電極部は、扁平形状とされていることを特徴とする手術用具。
  2. 請求項1に記載の手術用具において、
    本体部には、電極部を冷却するための液体ないし電極部を洗浄するための液体が流通する液体流路が形成され、
    上記液体流路の下流端は、上記電極部近傍で開口していることを特徴とする手術用具。
  3. 請求項2に記載の手術用具において、
    液体流路の下流端は、本体部の複数箇所に開口していることを特徴とする手術用具。
  4. 請求項1から3のいずれか1つに記載の手術用具において、
    本体部は棒状に形成され、
    電極部は上記本体部の先端に設けられ、
    上記本体部の電極部側は湾曲形成されていることを特徴とする手術用具。
  5. 請求項1から4のいずれか1つに記載の手術用具において、
    電極部は多角形の板状をなしていることを特徴とする手術用具。
  6. 生体手術用に設定された高周波電流を供給する高周波電流供給装置の出力端子に接続され、生体組織に高周波電流を流すように構成された電極部を有する手術用具と、
    上記電極部を冷却する液体ないし上記電極部を洗浄する液体を供給する液体供給装置とを備えた手術システムであって、
    上記電極部は、扁平形状とされていることを特徴とする手術システム。
  7. 請求項6に記載の手術システムにおいて、
    手術用具は、電極部が設けられた本体部を備え、
    上記本体部には、上記電極部を冷却する液体ないし電極部を洗浄する液体が流通する液体流路が形成され、
    上記液体流路の上流端に液体供給装置が接続され、
    上記液体流路の下流端は、上記電極部近傍で開口していることを特徴とする手術システム。
  8. 請求項7に記載の手術システムにおいて、
    液体供給装置は、液体を、1分間あたり0.5ml以上2.0ml以下の範囲で供給するように構成されていることを特徴とする手術システム。
  9. 請求項6から8のいずれか1つに記載の手術システムにおいて、
    液体供給装置は、液体を供給する供給状態と、供給を停止する停止状態とに切り替える切替部を備えていることを特徴とする手術システム。
  10. 請求項9に記載の手術システムにおいて、
    切替部は、術者による足踏み操作が可能な足踏み操作部を備え、該足踏み操作部の足踏み操作によって供給状態と、停止状態とに切り替えることを特徴とする手術システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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