JP3147675B2 - 車両用レーダ装置 - Google Patents

車両用レーダ装置

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JP3147675B2
JP3147675B2 JP22153394A JP22153394A JP3147675B2 JP 3147675 B2 JP3147675 B2 JP 3147675B2 JP 22153394 A JP22153394 A JP 22153394A JP 22153394 A JP22153394 A JP 22153394A JP 3147675 B2 JP3147675 B2 JP 3147675B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、先行車の存在とその
先行車までの距離とを自動的に検出する車両用レーダ装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ある車両から前方にパルス状の信
号を放射し、その信号が前方の物標に反射して帰ってく
る方向からの信号を受信処理して先行車までの距離を自
動的に検出する車両用レーダ装置として、図16に示す
構成のものが知られている。この従来の車両用レーダ装
置は、電磁波、レーザ光などのパルス状の信号を周期的
に外部へ送出するパルス信号送出回路1と、このパルス
信号送出回路1が送出する信号が前方の物標に反射して
返って来る方向からの信号を連続的に受信してその信号
強度に応じて2値化する反射信号受信回路2とをレーダ
ヘッド3に備えている。また、レーダヘッド3の反射信
号受信回路2からの2値化信号を、パルス信号送出回路
1の信号送出タイミング後の複数の時間を異ならせたサ
ンプリング点毎にサンプリングするサンプリング回路4
と、このサンプリング回路4がサンプリングする各サン
プリング点毎のサンプリング値を所定回数だけ加算する
加算回路5と、この加算回路5が得た各サンプリング点
毎の加算値を所定の閾値と比較し、閾値を超える加算値
を示すサンプリング点を見い出すことによってそのサン
プリング点に対応する前方位置に先行車両が存在すると
判定し、その距離情報を出力する判定回路6と、これら
の各回路の動作を制御する制御回路7を備えている。
【0003】このような従来の車両用レーダ装置では、
パルス信号送出回路1によってパルス状の信号を周期的
に外部へ出力する。そして反射信号受信回路2が送出信
号が物標に反射して返って来る方向からの信号(この信
号には反射信号のみならず、その方向から入ってくる他
の雑音も多く含まれている)を連続的に受信し、一定の
信号レベルを超えるか超えないかによって2値化した信
号に変換して連続的に出力する。そしてサンプリング回
路4が、パルス信号送出回路1の送出タイミング後の複
数の時間を異ならせたサンプリング点毎に2値化信号を
サンプリングして0又は1のサンプリング値を得て加算
回路5に与え、加算回路5でサンプリング点毎に加算し
ていく。この加算回路5の各サンプリング点毎の加算回
数はパルス信号送出回路1により一定の周期で繰り返し
送出されるパルス状の信号の所定の送出回数分(通常、
8000回程度)であり、その所定回数分のサンプリン
グ加算処理が終了するとサンプリング点毎の加算値を判
定回路6に出力する。
【0004】そこで、判定回路6がサンプリング点毎の
加算値を所定の閾値と比較し、その大小に基づいて外部
の物標からの反射信号が存在するサンプリング点がある
か否かを判定し、物標からの反射信号が存在すると判定
する時にはさらに、パルス信号送出回路1による信号送
出後、所定の閾値よりも大きい加算値を示すサンプリン
グ点で受信されるまでの経過時間内に送出信号が伝播す
る距離を算出し、前方の反射物標までの距離を自動的に
算定して表示装置(図示せず)に表示することによって
運転者に知らせる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来の車両用レーダ装置では、次のような問題点があっ
た。すなわち図17に示すように、従来のレーダ装置8
では、自車走行レーン9の前方を走行する車両10のみ
を物標としてとらえる目的で、反射パルスの検出範囲1
1も自車走行レーン9に限定している。このために、図
18に示すように、隣の走行レーン12から近距離レン
ジに割込車13があった場合に信号検出範囲11から外
れているために検出が遅れる可能性がある。
【0006】そこで、従来から図19に示すように近距
離レンジにおいて反射パルスの検出範囲14を拡げるべ
く、レーダ装置8のパルス信号送出回路1に複数のパル
ス信号送出素子を用意し、遠距離レンジ用には強度が大
きく範囲が狭い特性のレーザー発光素子を用い、近距離
レンジ用には強度は小さいが範囲が広い特性のLED発
光素子を用いるようにしたものも提案されている。
【0007】しかしながら、このような提案されている
車両用レーダ装置8にあっても、図20に示すように反
射パルスの検出できない範囲15が中間レンジに発生
し、ここに隣のレーン12から割込車13が割り込むと
その検出がやはり遅れる可能性がある。
【0008】これらの問題点を解消するために、図21
に示すように検出範囲16を拡げると自車の走行レーン
9の車両10だけでなく、隣のレーン12の車両17を
も検出してしまうことになり、検出精度を悪くしてしま
う可能性がある。
【0009】この発明はこのような従来の問題点に鑑み
てなされたもので、本装置を搭載した車両の走行レーン
の前方に存在する物標を近距離から遠距離まで正確に検
出することができる車両用レーダ装置を提供することを
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の車両用
レーダ装置は、パルス状の信号を周期的に外部へ送出す
る送出手段と、送出手段が送出する信号が物標に反射し
て返って来る方向からの信号を連続的に受信する受信手
段と、受信手段が受信した信号を2値化し、送出手段の
信号送出タイミングからの経過時間を異ならせた複数の
サンプリング点毎にサンプリングするサンプリング手段
と、サンプリング手段のサンプリング値をサンプリング
点毎に所定の送出回数分ずつ加算する加算手段と、サン
プリング点毎に個別に閾値を設定する閾値設定手段と、
加算手段のサンプリング点毎の加算値を閾値設定手段が
与えるサンプリング点毎の閾値と比較し、閾値よりも大
きい加算値を与えるサンプリング点に対応する距離を物
標までの距離として算出する距離算定手段とを備えたも
のである。
【0011】そしてこの請求項1の発明のレーダ装置で
は、送出手段によってパルス状の信号を周期的に外部へ
出力し、この送出信号が物標に反射して返って来る方向
からの信号を受信手段によって連続的に受信する。この
受信手段が受信する信号をサンプリング手段によって一
定の信号レベルを超えるか超えないかによって2値化
し、送出手段の送出タイミング後の複数の時間を異なら
せたサンプリング点毎にこの2値化信号をサンプリング
して0又は1のサンプリング値を得、これを加算手段に
よってサンプリング点毎に所定のパルス信号送出回数分
ずつ加算する。
【0012】所定回数分の加算処理が終了すると、距離
算定手段が加算手段のサンプリング点毎の加算値を所定
の閾値と比較し、その大小に基づいて外部の物標からの
反射信号が存在するか否かを判定し、これに基づいて外
部の物標の有無を判定する。
【0013】ここで、外部の物標が存在せず、受信手段
が雑音のみを受信する場合、雑音の信号は信号レベルが
正負両側に均等に現れるために2値化信号として0が現
れる確率、また1が現れる確率が一定である。したがっ
て、あるサンプリング点での雑音のみを所定回数Na回
分加算した加算値をほぼ一定の値Na/2を示すことに
なる。
【0014】一方、パルス状の送出信号が外部の物標に
反射してくる反射信号は正負いずれかの方向に偏ってい
るので、その反射信号を受信して2値化した結果、0と
なる確率、また1となる確率も受信信号の波形によって
一定ではない。したがって、あるサンプリング点の2値
化信号に物標に反射してくる信号が存在していれば、そ
のサンプリング点の加算値は上記のバックグランド雑音
に対するものと異なった値を示すことになる。
【0015】そこで、閾値設定手段によってサンプリン
グ点毎に個別に閾値を設定しておき、距離算定手段によ
ってその閾値を超える加算値を示すサンプリング点を見
いだす場合にそのサンプリング点に対応する前方の位置
に物標が存在すると判定させることにより、物標の存在
とそれまでの距離を正確に検出する。
【0016】請求項2の発明は、請求項1の車両用レー
ダ装置において、閾値設定手段が設定するサンプリング
点毎の閾値として、当該サンプリング点毎に走行レーン
幅のどこにか物標が存在する場合に加算手段が得る加算
値の最低値を用いるものである。
【0017】したがって、当該レーダ装置を搭載してい
る車両が走行している走行レーンにおいてその前方のい
ずれの地点に物標が存在していても正確にその存在と距
離を検出することができ、特に隣の走行レーンからの割
込車の検出を精度良く行うことができるようになる。
【0018】請求項3の発明は、請求項2の車両用レー
ダ装置において、閾値設定手段が設定するサンプリング
点毎の閾値として、近距離レンジに対応するサンプリン
グ点毎に走行レーン幅よりも若干広い幅のどこかに物標
が存在する場合に加算手段が得る加算値の最低値を用い
るものである。
【0019】したがって、特に割込車の検出を迅速に行
う必要がある近距離レンジでの割込車の検出が精度良
く、かつ迅速に行えることになる。
【0020】請求項4の発明の車両用レーダ装置は、パ
ルス状の信号を周期的に外部へ送出する送出手段と、送
出手段が送出する信号が物標に反射して返って来る方向
からの信号を連続的に受信する受信手段と、受信手段が
受信した信号を2値化し、送出手段の信号送出タイミン
グからの経過時間を異ならせた複数のサンプリング期間
毎にサンプリングするサンプリング手段と、サンプリン
グ手段がサンプリングするサンプリング期間毎のサンプ
リング値を所定の送出回数分ずつ積分する積分手段と、
サンプリング期間毎に個別に閾値を設定する閾値設定手
段と、積分手段の各サンプリング期間の積分値を閾値設
定手段が与えるサンプリング期間毎の閾値と比較し、所
定の閾値よりも大きい積分値を与えるサンプリング期間
に対応する距離を物標までの距離として算出する距離算
定手段とを備えたものである。
【0021】そしてこの請求項4の発明の車両用レーダ
装置では、送出手段によってパルス状の信号を周期的に
外部へ出力し、この送出信号が物標に反射して返って来
る方向からの信号を受信手段によって連続的に受信す
る。そして、受信手段が受信する信号の瞬時値をサンプ
リング手段によって一定の信号レベルを超えるか超えな
いかによって2値化し、さらに送出手段の送出タイミン
グ後の複数の時間帯を異ならせたサンプリング期間毎に
2値化信号をサンプリングして0又は1のサンプリング
値を得て積分手段に与える。そこで、積分手段が送出手
段による信号の所定の送出回数分ずつこの2値化信号を
サンプリング期間毎に積分する。
【0022】所定回数分の積分処理が終了すると、距離
算定手段が積分手段が積分したサンプリング期間毎の積
分値を所定の閾値と比較し、その大小に基づいて外部の
物標からの反射信号が存在するか否かを判定し、これに
基づいて外部の物標の有無を判定すると共にそれまでの
距離を算定する。
【0023】ここで、外部の物標が存在せず、受信手段
が雑音のみを受信する場合、雑音の信号は信号レベルが
正負両側に均等に現れるために2値化信号として0が現
れる確率、また1が現れる確率が一定である。したがっ
て、あるサンプリング期間にその期間内に入力される雑
音の2値化信号のみを所定回数Na回分積分した積分値
をほぼ一定の値を示すことになる。
【0024】一方、パルス状の送出信号が外部の物標に
反射してくる反射信号は正負いずれかの方向に偏ってい
るので、その反射信号を受信して2値化した結果、0と
なる確率、また1となる確率も受信信号の波形によって
一定ではない。したがって、あるサンプリング期間の2
値化信号に物標に反射してくる信号が存在していれば、
そのサンプリング期間の積分値は上記のバックグランド
雑音に対するものと異なった大きな値を示すことにな
る。
【0025】そこで、閾値設定手段によってサンプリン
グ点毎に個別に閾値を設定しておき、距離算定手段によ
ってその閾値を超える積分値を示すサンプリング期間を
見いだす場合にそのサンプリング期間に対応する前方の
位置に物標が存在すると判定させることにより、物標の
存在とそれまでの距離を正確に検出する。
【0026】請求項5の発明は、請求項4の車両用レー
ダ装置において、閾値設定手段が設定するサンプリング
期間毎の閾値として、当該サンプリング期間毎に走行レ
ーン幅のどこにか物標が存在する場合に積分手段が得る
積分値の最低値を用いるものである。
【0027】したがって、当該レーダ装置を搭載してい
る車両が走行している走行レーンにおいてその前方のい
ずれの地点に物標が存在していても正確にその存在と距
離を検出することができ、特に隣の走行レーンからの割
込車の検出を精度良く行うことができるようになる。
【0028】請求項6の発明は、請求項4の車両用レー
ダ装置において、閾値設定手段が設定するサンプリング
期間毎の閾値として、近距離レンジに対応するサンプリ
ング期間毎に走行レーン幅よりも若干広い幅のどこかに
物標が存在する場合に積分手段が得る積分値の最低値を
用いるものである。
【0029】したがって、特に割込車の検出を迅速に行
う必要がある近距離レンジでの割込車の検出が精度良
く、かつ迅速に行えることになる。
【0030】
【実施例】以下、この発明の実施例を図に基づいて詳説
する。図1は請求項1及び請求項2の発明の共通する実
施例の回路構成を示している。レーダヘッド21は、パ
ルス信号を送出するパルス信号送出回路22及び反射パ
ルスを受信する反射信号受信回路23を備えている。サ
ンプリング加算部24は、大別して反射信号受信回路2
3の受信する信号をサンプリングするサンプリング回路
25及びサンプリング結果を各サンプリング点毎に順次
加算する加算回路26を備えている。演算回路27は、
主に加算回路26のデータから反射パルスの有無を判定
し、同時に反射物標までの距離を算定する機能を備えて
おり、ここにピーク検出を実行するピーク検出回路28
及び反射パルスの有無の判定基準となる閾値を各サンプ
リング点毎に個別に設定する閾値設定回路29が接続さ
れ、また距離算定結果を表示する表示装置30が接続さ
れている。
【0031】制御回路31は、レーダ装置全般、すなわ
ちパルス信号送出回路22の駆動を制御する機能、サン
プリング加算部24のサンプリング回路25及び加算回
路26の起動を制御する機能、さらに演算回路27の起
動を制御する機能を備えている。
【0032】前述のパルス信号送出回路22は、制御回
路31から出力されるトリガ信号に応じて駆動する近距
離レンジ用の第1の駆動回路22a−1と遠距離レンジ
用の第2の駆動回路22a−2と、これらの駆動回路2
2a−1,22a−2の駆動に応じて発光する近距離レ
ンジ用のLED発光素子22b−1と遠距離レンジ用の
レーザダイオード発光素子22b−2、これらの発光素
子22b−1,22b−2それぞれの発光を所定の照射
範囲に向けて集光するレンズ22c−1,22c−2か
ら構成されている。そして、これらの近距離レンジ用の
第1の駆動回路22a−1と遠距離レンジ用の第2の駆
動回路22a−2が共に駆動され、発光素子22b−
1,22b−2が共に発光するとき、図3に示すように
当該レーダ装置20が搭載されている自動車が走行して
いる走行レーン9に対してその近距離レンジから遠距離
レンジまでその全面を余裕を持ってカバーする送光範囲
32を持つよう設定にしてある。
【0033】また、反射信号受信回路23は、外部から
の入射光(この中に前方の物標から反射して返って来る
する反射光が含まれる)を内部(すなわちフォトダイオ
ード等の受光面)へ向けて焦点を結びつつ集光するレン
ズ23a、レンズ23aを透過して集光される光を電気
信号に変換するフォトダイオードのような受光素子23
b、受光素子23bが出力する電気信号を適宜増幅する
リミッタアンプ23c及びこのリミッタアンプ23cの
出力を正負に対応して2値化し、ロジックレベル(例え
ば5Vと0V)に変換して2値化信号にして出力するゼ
ロクロスコンパレータ23dから構成されている。
【0034】図2は各種信号のタイミングチャートであ
り、送出パルス(1)は制御回路31から駆動回路22
a−1,22a−2に所定間隔毎、例えば4μs毎に所
定回数Na、例えば8000回繰り返し入力されるパル
ス信号であり、このパルス信号の入力の度に駆動回路2
2a−1,22a−2それぞれは発光素子22b−1,
22b−2それぞれを発光させて送光パルス信号を前方
に図3に示す送光範囲32をカバーするように所定回数
繰り返し送出する。
【0035】図2における受信信号(2)はレンズ23
a及び受光素子23bを経てリミッタアンプ23cに受
信される瞬時信号であり、この受信信号(2)はゼロク
ロスコンパレータ23dによって信号の正負に対応して
2値化され、その2値化信号がサンプリング回路25に
出力される。この受信信号(2)には雑音信号と共に、
送出パルス(1)の送出タイミング毎に、その送出タイ
ミングから前方の反射物標に送光パルス信号が当たって
反射して帰ってくるまでの距離に比例した遅延時間Td
分だけ遅れた位置に反射パルスRfが現れる。
【0036】サンプリングパルス(3)は、送出パルス
(1)の出力毎に制御回路31からサンプリング回路2
5に与えられる信号であり、その周期は△t(例えば、
66.7nsとすることができる)である。そしてこの
各サンプリングパルス(3)のオンタイミング毎、つま
りサンプリング点毎に受信信号(2)の2値化瞬時値が
加算回路26に与えられ、加算回路26で各サンプリン
グ点毎に一度の測距動作処理の間、所定回数Naだけ繰
り返し加算される。
【0037】前述の加算回路26は、サンプリングパル
ス1〜n(例えば、n=14)の各々に対応するn個の
メモリM1 〜Mn を備えており、メモリM1 は第1のサ
ンプリング点においてサンプリングした値が“1”であ
ればそれをそれまでの記憶値に加算し、メモリM2 は第
2のサンプリング点においてサンプリングした値が
“1”であればそれまでの記憶値に1を加算し、この処
理を第nのサンプリングパルスに対応するメモリMn ま
で続けて行い、以上の加算、記憶処理を所定回数Naだ
け繰り返し行うのである。
【0038】演算回路27は、1回の測距動作として所
定回数Naの加算処理が終了すると、加算回路26のメ
モリM1 〜Mn 各々の加算値を読取り、受信信号(2)
の中に送光パルス信号に対する反射パルスRfが含まれ
ていないかどうかを判定すると共に、反射パルスが検出
されたサンプリング点までの送出パルスタイミングから
の時間遅れをサンプリングパルス周期△tをもとにして
計測する。すなわち、反射パルスが検出されるまでの時
間Td=m・△t(m番目のサンプリング点に反射パル
スが検出された場合)を算出する。ここで、サンプリン
グ回路25がサンプリングする2値化データは、物標が
なく受信信号に雑音だけが含まれる場合にはその信号波
はランダムなものであるために“1”と“0”の出現確
率はNaの1/2(加算値を加算回数Naで割って正規
化した値では0.5)となり、物標がある場合には受信
信号のSN比に対応してNa/2からNaの間(正規化
した値では0.5から1の間)の加算値が得られる。
【0039】そこで反射パルスRfの有無は、次のよう
にして判定する。加算回路26から図2(4)に示すよ
うな各サンプリング点毎の加算データを読み出してきて
加算回数Naである8000で除して正規化値を求め、
これを閾値設定回路29によってサンプリング点1〜n
各々にあらかじめ設定されている閾値TH1 〜THnと
比較し、どのサンプリング点iの正規化加算値が閾値T
Hiを超えているかを判定する。(各サンプリング点毎
の閾値の設定方法はこの発明の特徴点であり、後で説明
する。) 次に、演算回路26の各サンプリング点毎の閾値と加算
値との比較結果をピーク検出回路28に出力し、ここで
ピーク位置の検出を行う。ピーク位置の検出処理は、図
2(5)に示すように、サンプリング加算出力の最大値
とその次に大きい値を示すサンプリング点を見出し、そ
れらのピーク点とその前後のサンプリング点の加算値そ
れぞれとを直線で結び、両直線の交点を求め、その交点
の時間的な位置を割り出し、距離に換算するのである。
ここで、受光信号のピークが急峻で、1カ所にしか閾値
を超えるサンプリング点がなければそのサンプリング点
をピークの時間的な位置データとして出力する。
【0040】演算回路27はピーク検出回路28から与
えられるピークの時間的な位置データを、発光素子22
b−1,22b−2から送光パルス信号が発射され、物
標に反射して戻ってくるまでにかかる時間と光信号速度
との関係から物標までの空間的な距離に換算し、その距
離データを表示装置30に出力して表示させ、運転者に
知らせる。
【0041】この距離算定結果の出力と共に、演算回路
27は制御回路31に測距処理完了信号を与え、制御回
路31は新たな測距動作を開始する。
【0042】次に、このような測距処理において、演算
回路27が反射パルスRfの有無の判定に使用するサン
プリング点毎の閾値を個別に設定する閾値設定回路29
の働きについて説明する。図3に示すようにレーダヘッ
ド21の発光素子22b−1,22b−2によって照射
される範囲32は集光レンズ22c−1,22c−2の
調整によって当該レーダ装置20が搭載されている自動
車が走行する走行レーン9の一車線幅よりもやや広く設
定しておく。
【0043】このとき、あるサンプリング点(図3では
レーダ装置20からある距離だけ離れた位置を示してい
るが、これは、1〜nの時間の異なる各サンプリング点
が物標までの距離と1:1に対応するからである)にお
けるA−O−B方向(走行レーン9を横切る方向)の各
点に小さな反射物標を置いて測距したときのその加算値
の分布状態は図4に示すようになる。つまり、走行レー
ン32の中央点Oに反射物標を置いた場合の加算値が一
番大きく、外側A,B方向にずらすにしたがって加算値
は減少していく。
【0044】図5はその実験結果をプロットしたグラフ
であり、前方30m点、40m点、50m点、60m点
それぞれにおいて走行レーンの中心点、0.5mずれた
点、1.0mずれた点、1.5mずれた点、2.0mず
れた点それぞれに反射物標を置き、レーダ装置によって
一度の測距処理で8000回の加算処理を繰り返す測距
を行った結果のグラフである。このとき使用した発光素
子はLEDで150mW出力であり、集光レンズには直
径2cm、焦点距離2.5cmを用いて送光した。
【0045】この実験結果から分かるように、走行レー
ン幅を中心Oから片側1.5m、全幅で3.0mとする
と、特に急な割込がある場合に危険となる0〜60mま
での近距離レンジで走行レーン32内に進入してくる物
標を正確に検出するためには、図6に示すように0〜4
0m点では加算値として5000程度(正規化値で0.
63程度)、50m点では4900程度(正規化値で
0.61)、そして60mではそれよりも低い4700
程度(正規化値で0.59程度)、そしてそれ以上にな
れば4500〜4200程度(正規化値で0.55〜
0.52程度)に閾値を設定することにより、図7に示
すようにレーダ装置20の走行レーン9の一車線幅の上
に存在する物標だけを検出するように検出範囲33を設
定することができるようになる。
【0046】つまり、図3に示したように各サンプリン
グ点毎に閾値を変えず一律に設定する場合には検出範囲
が符号32に示すような範囲となり、遠距離レンジの先
行車34や前方の割込車35を検出するだけでなく、隣
接レーン12の走行車両36まで検出していたものが、
図7に示すように隣接レーン12の走行車両36を誤検
出しなくなり、自車両の走行レーン9の前方に割り込ん
でくる車両だけを正確に峻別して検出することができる
ようになるのである。
【0047】次に、上記演算回路27における距離算定
処理を図8のフローチャートに基づいて説明する。まず
閾値設定回路29にはあらかじめ、上述したサンプリン
グ点毎の閾値TH1〜THnが設定されているものとす
る。この閾値は車両により、また発光素子やレンズの個
体差によって微妙に異なるので製造段階でメーカー側で
調整、設定される。しかしながら、必要に応じて設定変
更できるようにもしておく。
【0048】そこで、1度の測距処理で所定回数Na回
のサンプリングが終了すると演算回路27が加算回路2
6のサンプリング点毎の加算値データを読み出し、あら
かじめ設定されている一律の予備判定用閾値(これはN
aを8000回とするとき4100程度、正規化値では
0.51程度とする)と比較する(ステップS1,S
2)。この予備判定は、特に反射物標が全く存在しない
場合に以下の処理を実行するのではその処理が無駄にな
り、物標なしの判定が遅くなるので、それを回避するた
めである。したがって、この予備判定によって物標なし
の判定が迅速に行えることになる。
【0049】予備判定で物標がありそうであれば(ステ
ップS3)、予備判定用閾値を超えるサンプリング点毎
の正規の閾値を閾値設定回路29から読み出し(ステッ
プS4)、それらの閾値と比較する(ステップS5)。
【0050】ここで、正規の閾値を超える加算値がなけ
れば、物標なしと判定して測距処理を終了する(ステッ
プS9)。このように予備判定用の閾値を超えるが、正
規の閾値を超えることがないような加算値を示すサンプ
リング点があるということは、そのサンプリング点に対
応する距離位置で隣接レーンを走行している車両を検出
している可能性があるが、そのような車両については論
理処理によって検出しないことにして、自走行レーン上
の車両のみを正確に検出するのである。
【0051】ステップS5の正規の閾値と比較において
物標ありと判定されれば(ステップS6)、そのような
閾値を超える点が複数点あれば上述したピーク検出回路
28によってピーク点を割り出し、1点だけが閾値を超
えるのであればその点を割り出し、それらを対応する距
離に換算し、表示装置30に表示させる(ステップS
7,S8)。
【0052】このようにして、この実施例の車両用レー
ダ装置では、物標の有無判定用の閾値をサンプリング点
毎に個別に設定し、各サンプリング点毎の加算値と比較
して物標の有無を判定し、距離算定を行うようにしてい
るので、従来のようにレーダヘッド側で自車の走行レー
ンの前方にのみ送光パルス信号が届くように正確に発光
素子や集光レンズの調整を行わなくても、サンプリング
点毎の閾値の個別設定によって正確に自車の走行レーン
内の物標のみを判定することができるようになり、送光
パルス信号の届く範囲は隣接レーンに少しはみだす程度
の広さにしても、閾値側で自車レーンに検出範囲を絞る
ことができるようになり、死角のない物標検出、測距が
可能となる。
【0053】なお、請求項1及び請求項3の発明の共通
する実施例として、図9に示すように、送光パルス信号
の届く範囲32は図3に示した第1の実施例と同じに設
定し、特に自車を後から追い越してすぐ前方に割り込み
危険な割込車をいっそう迅速に検出することを目的とし
て、例えば、20m〜40mのレンジで隣接レーン12
まで少し広く検出できるようにサンプリング点毎の閾値
を低めに設定し、検出範囲37を斜線で示したように設
定することができる。つまり、図5に示した実験例で
は、レーン中心Oから2.0m外側まで検出できるよう
な閾値を設定するのであり、それには正規化値として、
第1の実施例では0.6程度であったものを0.55程
度に低くするのである。
【0054】次に、請求項4及び請求項5の発明の共通
する実施例について、図10〜図16に基づいて説明す
る。請求項4及び請求項5の発明の特徴は、第1の実施
例におけるサンプリング加算部24に代えてサンプリン
グ積分部41を備え、またこのサンプリング積分部41
によって得られた各サンプリング期間(以下、レンジブ
ロックという)毎の積分データを閾値と比較して反射物
標の存在する位置を算定する演算回路44と、ピーク検
出を行うピーク検出回路45と、各レンジブロック毎に
物標の有無を判定する閾値を個別に設定する閾値設定回
路46を備えており、その他の構成部分は第1の実施例
と共通し、同一の符号を付すことによって詳しい説明は
省略する。
【0055】この第2の実施例の特徴部分であるサンプ
リング積分部41は、レーダヘッド21の受信回路23
から出力されてくる2値化瞬時値をサンプリングパルス
周期Δt毎に積分レンジブロックを1つずつ切替えるス
イッチング回路42と、各サンプリングパルス毎に積分
レンジブロックを切り換えて2値化瞬時値をサンプリン
グパルス周期Δtの間ずつ積分し、この積分処理を1度
の測距処理で4μs毎にNa回(=8000回)繰り返
す積分回路43から構成されている。
【0056】スイッチング回路42は制御回路31から
周期Δtのサンプリングパルス信号を受けて、各サンプ
リングパルス周期Δtの間ずつオン信号を積分回路43
の各レンジブロックに順次与える処理と、Na回のサン
プリングが繰り返されて1度の測距処理が完了した際に
制御回路31から測距処理終了を示すエンドパルスを受
けることによって、積分回路43の各レンジブロックに
その積分データを出力させるためのスイッチング信号を
与える処理を行う。
【0057】積分回路43は図11に示す内部構成であ
り、複数nのレンジブロック(サンプリング期間)毎に
Na回繰り返して2値化瞬時値信号をレンジブロックの
時間幅Δt(=サンプリングパルス周期の間、つまりサ
ンプリング期間)ずつ積分するために、前述のスイッチ
ング回路42によってスイッチング切替制御されるn個
の入力アナログスイッチ43a−1〜43a−nと、こ
れらの入力アナログスイッチ43a−1〜43a−n各
々からそれらのオンタイムに入力される2値化信号を積
分するn個のRC積分器43b−1〜43b−nと、前
述のスイッチング回路42によって制御され、これらの
積分器43b−1〜43b−n各々の積分値を出力する
n個の出力アナログスイッチ43c−1〜43c−nか
ら構成されている。
【0058】図12に示すように、入力アナログスイッ
チ43a−1〜43a−n各々はスイッチング回路42
からの入力スイッチング信号47によってΔtの時間幅
でオン/オフがレンジブロック#1〜#n毎に順次切替
えられ、また出力アナログスイッチ43c−1〜43c
−nはスイッチング回路42からの出力スイッチング信
号48によってオン/オフが順次切替えられるようにな
っている。つまり、積分回路43の入力アナログスイッ
チ43a−1〜43a−n各々が、入力スイッチング信
号47によって自スイッチに対応する信号が“H”信号
の時にオン動作し、“L”に切り替わるとオフ動作し
て、オン状態の間、2値化瞬時値信号を積分器43b−
1〜43b−nのうちの対応するレンジブロックの積分
器に出力し、キャパシタによって充電することによって
2値化信号をサンプリング期間Δtずつ積分する。そし
てn個の入力アナログスイッチ43a−1〜43a−n
について1度ずつオン/オフ動作を行い、1回の積分動
作が完了すると、次の送出パルスと同期して次回の積分
動作を繰り返し、以上の積分動作を送出パルスが繰り返
し出力される所定回数Na回繰り返す。
【0059】積分回路43の出力アナログスイッチ43
c−1〜43−n各々は、出力タイミング信号48のう
ち自スイッチに対応する信号が“H”になった時にオン
動作し、“L”に切り替わるとオフ動作して、オン状態
の間に自スイッチに接続されている積分器43b−1〜
43b−nそれぞれの積分値を演算回路44に順繰りに
出力していく。
【0060】そして演算回路44では、n個のすべての
積分器43b−1〜43b−nの積分値を受け取ると、
これを正規化した後、雑音レベルと識別するために各レ
ンジブロック毎に閾値設定回路46によって個別に設定
されている閾値TH1〜THn各々を超えるレンジブロ
ックがないかどうか走査する。
【0061】なお、この積分値における正規化値は、一
例として次の手順によって算出することができる。ある
1つの積分レンジブロックにおいて、1つのサンプリン
グ期間Δtの間、入力される2値化瞬時値信号が常に
‘1’であった場合に、それをNa回(この実施例で
は、8000回)積分を繰り返した場合に得られる積分
電圧値を1とし、外部雑音ばかりである時に同じサンプ
リング期間ΔtずつNa回積分を繰り返した場合に得ら
れる積分電圧値を0.5とし、各レンジブロックで得ら
れた積分電圧値をこれらの基準値間に比例配分した場合
の値である。つまり、全期間‘1’の積分電圧値がS
1、雑音レベル積分電圧値がS2とし、求める積分電圧
値Sの正規化積分値sは、次の式で与えられる。
【0062】s=0.5S/(S1−S2) こうして正規化することによって、雑音のみの場合は
0.5となり、物標による反射パルスが含まれていれば
そのSN比に応じて0.5〜1の間に分布することにな
る。そこで、図13に示すように、閾値を超える正規化
積分値を示すレンジブロック、例えば#iのレンジブロ
ックが検出されれば、演算回44が送信タイミングから
そのレンジブロックで反射パルスを検出するまでの時間
遅れτをτ=Δt×iによって求め、また1レンジブロ
ック当たりに対応する距離、例えば10m刻みであれば
10mをiにかけることによって物標までの距離を算定
し、その距離データを表示装置30に出力して表示させ
る。
【0063】なお、図13において正規化積分値を各レ
ンジブロックの中央位置に対応させてプロットしている
が、これは各レンジブロックとの対応で積分値を図示す
るために便宜的に中央位置にプロットして示しているの
であって、実際に各レンジブロック毎の中間位置の積分
値を示しているものではない。つまり、#1レンジブロ
ックは0m、#2レンジブロックは10m、#3レンジ
ブロックは20m、…、#iレンジブロックは(i−
1)×10m、…のそれぞれの位置に対応するサンプリ
ング期間を示しているのである。
【0064】次に、演算回路44は各レンジブロック毎
の閾値と比較において閾値を超えるレンジブロックが複
数点にあれば、これをピーク検出回路45に出力し、こ
こでピーク位置の検出を行う。ピーク位置の検出処理
は、図14に示すように、積分出力の最大値a1とその
次に大きい値a2を示すレンジブロック#i+2 ,#i+1
を見出し、それらの点とその前後のレンジブロックの積
分値それぞれとを直線A1,A2で結び、両直線の交点
aを求め、その交点の時間的な位置を比例計算によって
割り出して演算回路44に出力し、演算回路44がピー
ク点aの時間位置を距離換算し、表示装置30に出力す
る。
【0065】この距離算定結果の出力と共に、演算回路
44は制御回路31に新たにスタート指令を出力し、次
の測距処理を開始させるようにする。
【0066】次に、閾値設定回路46における各レンジ
ブロック毎の閾値の個別設定方法について説明する。こ
の第2の実施例の車両用レーダ装置でも、第1の実施例
と同じように図3に示す照射範囲32に走行パルス信号
を照射できるようにパルス信号送出回路22を調整し、
各サンプリング点毎にA−O−B方向(走行レーン9を
横切る方向)の各点に小さな反射物標を置いて測距した
ときのその積分値の分布状態を調べ、一車線幅の境界点
に物標をおいて測定した場合に対応するレンジブロック
で得られる積分値と、その外側に物標をおいて測距した
ときの対応するレンジブロックの積分値と比較し、それ
らの積分値を識別できるような積分値を当該レンジブロ
ックにおける閾値として設定する。つまり、各サンプリ
ング点の中心Oから1.5m外側の位置に物標を置いた
場合の対応するレンジブロックの積分値がs1であり、
それよりも外側の位置に物標を置いた場合の対応するレ
ンジブロックの積分値がs2であったとすれば、閾値を
s2よりも小さくならない範囲でs1よりもやや小さめ
に設定するのである。
【0067】この第2の実施例における各レンジブロッ
ク毎の閾値は、図6に示した場合とほぼ同じように設定
され、つまり、図13に示すように、0〜40m点では
正規化値で0.63程度、50m点では正規化値で0.
61、そして60mではそれよりも低い0.59程度、
そしてそれ以上になれば0.55〜0.52程度に閾値
を設定することにより、図7に示すようにレーダ装置2
0の走行レーン9の一車線幅の上に存在する物標だけを
検出するように検出範囲33を設定することができるよ
うになる。
【0068】こうして、この第2の実施例によっても図
7に示した第1の実施例と同じように、従来であれば各
レンジブロック毎(サンプリング期間毎)に閾値を変え
ず一律に設定していたために検出範囲が符号32に示す
ような範囲となり、遠距離レンジの先行車34や前方の
割込車35を検出するだけでなく、隣接レーン12の走
行車両36まで検出していたものが、隣接レーン12の
走行車両36を誤検出しなくなり、自車両の走行レーン
9の前方に割り込んでくる車両だけを正確に峻別して検
出することができるようになるのである。
【0069】次に、演算回路44による距離算定処理を
図15のフローチャートに基づいて説明する。まず閾値
設定回路46にはあらかじめ、上述したレンジブロック
毎の閾値TH1〜THnが設定されているものとする。
この閾値は車両により、また発光素子やレンズの個体差
によって微妙に異なるので製造段階でメーカー側で調
整、設定される。しかしながら、必要に応じて設定変更
できるようにもしておく。
【0070】そこで、1度の測距処理で所定回数Na回
のサンプリングが終了すると演算回路44が積分回路4
3のレンジブロック毎の積分値データを読み出し、その
正規化積分値をあらかじめ設定されている一律の予備判
定用閾値(これは正規化値では0.51程度とする)と
比較する(ステップS11,S12)。この予備判定
は、特に反射物標が全く存在しない場合に以下の処理を
実行するのではその処理が無駄になり、物標なしの判定
が遅くなるので、それを回避するためである。したがっ
て、この予備判定によって物標なしの判定が迅速に行え
ることになる。
【0071】予備判定で物標がありそうであれば(ステ
ップS13)、予備判定用閾値を超えるレンジブロック
毎の正規の閾値を閾値設定回路46から読み出し(ステ
ップS14)、それらの閾値と比較する(ステップS1
5)。
【0072】ここで、正規の閾値を超える正規化積分値
がなければ、物標なしと判定して測距処理を終了する
(ステップS19)。このように予備判定用の閾値を超
えるが、正規の閾値を超えることがないような積分値を
示すレンジブロックがあるということは、そのレンジブ
ロックに対応する距離位置で隣接レーンを走行している
車両を検出している可能性があるが、そのような車両に
ついては論理処理によって検出しないことにして、自走
行レーン上の車両のみを正確に検出するのである。
【0073】ステップS15の正規の閾値と比較におい
て物標ありと判定されれば(ステップS16)、そのよ
うな閾値を超える点が複数点あれば上述したピーク検出
回路45によってピーク点を割り出し、1点だけが閾値
を超えるのであればその点を割り出し、それらを対応す
る距離に換算し、表示装置30に表示させる(ステップ
S17,S18)。
【0074】このようにして、この実施例の車両用レー
ダ装置では、物標の有無判定用の閾値をレンジブロック
毎に個別に設定し、各レンジブロック毎の正規化積分値
と比較して物標の有無を判定し、距離算定を行うように
しているので、従来のようにレーダヘッド側で自車の走
行レーンの前方にのみ送光パルス信号が届くように正確
に発光素子や集光レンズの調整を行わなくても、レンジ
ブロック毎の閾値の個別設定によって正確に自車の走行
レーン内の物標のみを判定することができるようにな
り、送光パルス信号の届く範囲は隣接レーンに少しはみ
だす程度の広さにしても、閾値側で自車レーンに検出範
囲を絞ることができるようになり、死角のない物標検
出、測距が可能となる。
【0075】なお、請求項4及び請求項6の発明の共通
する実施例として、第1の実施例の変形例として図9に
示したの同じように、送光パルス信号の届く範囲32は
第1、第2の実施例と同じに設定し、特に自車を後から
追い越してすぐ前方に割り込み危険な割込車をいっそう
迅速に検出することを目的として、例えば、20m〜4
0mのレンジで隣接レーン12まで少し広く検出できる
ようにレンジブロック毎の閾値を低めに設定し、検出範
囲37を斜線で示したように設定することができる。そ
してこの場合にも、レーン中心Oから2.0m外側まで
検出できるような閾値を設定するのであり、それには正
規化値として、第2の実施例では0.6程度であったも
のを0.55程度に低くするのである。
【0076】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明によれば、
パルス状の信号を周期的に外部へ出力し、この送出信号
が物標に反射して返って来る方向からの信号を連続的に
受信し、この受信信号を一定の信号レベルを超えるか超
えないかによって2値化し、送出信号の送出タイミング
後の複数の時間帯を異ならせたサンプリング点毎にこの
2値化信号をサンプリングして0又は1のサンプリング
値を得、これをサンプリング点毎に所定の送出回数分ず
つ加算し、所定回数分の加算処理が終了すると、サンプ
リング点毎の加算値を所定の閾値と比較し、その大小に
基づいて外部の物標からの反射信号が存在するか否かを
判定し、これに基づいて外部の物標の有無の判定と物標
までの距離の測定を行うのであるが、この測距処理に際
して、当該レーダ装置を搭載している車両が走行してい
る走行レーン上に存在する物標だけを検出するようにサ
ンプリング点毎に個別に個別に閾値を設定しておき、そ
の閾値を超える加算値を示すサンプリング点を見いだす
場合にそのサンプリング点に対応する前方の位置に物標
が存在すると判定し、物標までの距離を算定するように
しているので、パルス信号の送出回路で自車の走行レー
ンのみに照射するように信号送出系を調整する従来の方
法ではなくすことができなかった死角をも容易にカバー
することができ、物標の存在とその物標までの距離を正
確に検出することができる。
【0077】請求項2の発明によれば、請求項1の車両
用レーダ装置において、閾値設定手段が設定するサンプ
リング点毎の閾値として、当該サンプリング点毎に走行
レーン幅のどこにか物標が存在する場合に加算手段が得
る加算値の最低値を用いるので、当該レーダ装置を搭載
している車両が走行している走行レーンにおいてその前
方のいずれの地点に物標が存在していても正確にその存
在と距離を検出することができ、特に隣の走行レーンか
らの割込車の検出を精度良く行うことができる。
【0078】請求項3の発明によれば、請求項2の車両
用レーダ装置において、閾値設定手段が設定するサンプ
リング点毎の閾値として、近距離レンジに対応するサン
プリング点毎に走行レーン幅よりも若干広い幅のどこか
に物標が存在する場合に加算手段が得る加算値の最低値
を用いるので、特に割込車の検出を迅速に行う必要があ
る近距離レンジでの割込車の検出が精度良く、かつ迅速
に行える。
【0079】請求項4の発明によれば、パルス状の信号
を周期的に外部へ出力し、この送出信号が物標に反射し
て返って来る方向からの信号を連続的に受信し、この受
信信号の瞬時値を一定の信号レベルを超えるか超えない
かによって2値化し、さらに送出信号の送出タイミング
後の一定の複数の時間帯を異ならせたサンプリング期間
毎に2値化信号を積分し、この積分を送出信号の所定の
送出回数分繰り返し、所定回数分の積分処理が終了する
と、各サンプリング期間毎の積分値をサンプリング期間
毎に個別に設定した所定の閾値と比較し、その大小に基
づいて外部の物標からの反射信号が存在するか否かを判
定し、物標までの距離を算定するようにしているので、
パルス信号の送出回路で自車の走行レーンのみに照射す
るように信号送出系を調整する従来の方法ではなくすこ
とができなかった死角をも容易にカバーすることがで
き、物標の存在とその物標までの距離を正確に検出する
ことができる。
【0080】請求項5の発明によれば、請求項4の車両
用レーダ装置において、閾値設定手段が設定するサンプ
リング期間毎の閾値として、当該サンプリング期間毎に
走行レーン幅のどこにか物標が存在する場合に積分手段
が得る積分値の最低値を用いるので、当該レーダ装置を
搭載している車両が走行している走行レーンにおいてそ
の前方のいずれの地点に物標が存在していても正確にそ
の存在と距離を検出することができ、特に隣の走行レー
ンからの割込車の検出を精度良く行うことができる。
【0081】請求項6の発明によれば、請求項5の車両
用レーダ装置において、閾値設定手段が設定するサンプ
リング期間毎の閾値として、近距離レンジに対応するサ
ンプリング期間毎に走行レーン幅よりも若干広い幅のど
こかに物標が存在する場合に積分手段が得る積分値の最
低値を用いるので、特に割込車の検出を迅速に行う必要
がある近距離レンジでの割込車の検出が精度良く、かつ
迅速に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1及び請求項2の発明の共通する実施例
の回路ブロック図。
【図2】上記実施例の各部の信号波形を示すタイミング
チャート。
【図3】上記実施例の送光パルス信号のカバーする照射
範囲を示す説明図。
【図4】図3におけるあるサンプリング点のA−O−B
方向の加算値分布を示すグラフ。
【図5】上記実施例の各サンプリング点における横方向
各点での加算値分布を示すグラフ。
【図6】上記実施例の各サンプリング点の閾値設定例を
示すタイミングチャート。
【図7】上記実施例における閾値設定に基づく物標検出
範囲の説明図。
【図8】上記実施例の測距処理を示すフローチャート。
【図9】請求項1及び請求項3の発明の共通する実施例
における閾値設定に基づく物標検出範囲を説明図。
【図10】請求項4及び請求項5の発明の共通する実施
例の回路ブロック図。
【図11】上記実施例における積分回路の回路図。
【図12】上記実施例における積分回路の各レンジブロ
ック毎の積分タイミングを示すタイミングチャート。
【図13】上記実施例における各レンジブロックの閾値
設定例を示すタイミングチャート。
【図14】上記実施例におけるピーク検出処理を示すタ
イミングチャート。
【図15】上記実施例の測距処理を示すフローチャー
ト。
【図16】従来例の回路ブロック図。
【図17】従来例の送光パルス信号の照射範囲を示す説
明図。
【図18】従来例の物標検出動作を示す説明図。
【図19】他の従来例の送光パルス信号の照射範囲を示
す説明図。
【図20】上記の他の従来例の動作特性を示す説明図。
【図21】さらに他の従来例の送光パルス信号の照射範
囲を示す説明図。
【符号の説明】
9 走行レーン 20 レーダ装置 21 レーダヘッド 22 パルス信号送出回路 22a−1 第1の駆動回路 22a−2 第2の駆動回路 22b−1 第1の発光素子 22b−2 第2の発光素子 22c−1 第1の集光レンズ 22c−2 第2の集光レンズ 23 反射信号受信回路 23a レンズ 23b 受光素子 23c リミッタアンプ 23d ゼロクロスコンパレータ 24 サンプリング加算部 25 サンプリング回路 26 加算回路 27 演算回路 28 ピーク検出回路 29 閾値設定回路 30 表示装置 31 制御回路 32 照射範囲 33 検出範囲 37 検出範囲 41 サンプリング積分部 42 スイッチング回路 43 積分回路 43a−1〜43a−n 入力アナログスイッチ 43b−1〜43b−n 積分器 43c−1〜43c−n 出力アナログスイッチ 44 演算回路 45 ピーク検出回路 46 閾値設定回路 47 入力スイッチング信号 48 出力スイッチング信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01S 7/00 - 7/51 G01S 17/00 - 17/95 G01S 13/00 - 13/95

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パルス状の信号を周期的に外部へ送出す
    る送出手段と、 前記送出手段が送出する信号が物標に反射して返って来
    る方向からの信号を連続的に受信する受信手段と、 前記受信手段が受信した信号を2値化し、前記送出手段
    の信号送出タイミングからの経過時間を異ならせた複数
    のサンプリング点毎にサンプリングするサンプリング手
    段と、 前記サンプリング手段のサンプリング値をサンプリング
    点毎に所定の送出回数分ずつ加算する加算手段と、 前記サンプリング点毎に個別に閾値を設定する閾値設定
    手段と、 前記加算手段の前記サンプリング点毎の加算値を前記閾
    値設定手段が与えるサンプリング点毎の閾値と比較し、
    前記閾値よりも大きい加算値を与えるサンプリング点に
    対応する距離を物標までの距離として算出する距離算定
    手段とを備えて成る車両用レーダ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の車両用レーダ装置におい
    て、前記閾値設定手段が設定するサンプリング点毎の閾
    値として、当該サンプリング点毎に走行レーン幅のどこ
    にか物標が存在する場合に前記加算手段が得る加算値の
    最低値を用いることを特徴とする車両用レーダ装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の車両用レーダ装置におい
    て、前記閾値設定手段が設定するサンプリング点毎の閾
    値として、近距離レンジに対応するサンプリング点毎に
    走行レーン幅よりも若干広い幅のどこかに物標が存在す
    る場合に前記加算手段が得る加算値の最低値を用いるこ
    とを特徴とする車両用レーダ装置。
  4. 【請求項4】 パルス状の信号を周期的に外部へ送出す
    る送出手段と、 前記送出手段が送出する信号が物標に反射して返って来
    る方向からの信号を連続的に受信する受信手段と、 前記受信手段が受信した信号を2値化し、前記送出手段
    の信号送出タイミングからの経過時間を異ならせた複数
    のサンプリング期間毎にサンプリングするサンプリング
    手段と、 前記サンプリング手段のサンプリング値をサンプリング
    期間毎に所定の送出回数分ずつ積分する積分手段と、 前記サンプリング期間毎に個別に閾値を設定する閾値設
    定手段と、 前記積分手段の前記各サンプリング期間の積分値を前記
    閾値設定手段が与えるサンプリング期間毎の閾値と比較
    し、前記所定の閾値よりも大きい積分値を与えるサンプ
    リング期間に対応する距離を物標までの距離として算出
    する距離算定手段とを備えて成る車両用レーダ装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の車両用レーダ装置におい
    て、前記閾値設定手段が設定するサンプリング期間毎の
    閾値として、当該サンプリング期間毎に走行レーン幅の
    どこにか物標が存在する場合に前記積分手段が得る積分
    値の最低値を用いることを特徴とする車両用レーダ装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の車両用レーダ装置におい
    て、前記閾値設定手段が設定するサンプリング期間毎の
    閾値として、近距離レンジに対応するサンプリング期間
    毎に走行レーン幅よりも若干広い幅のどこかに物標が存
    在する場合に前記積分手段が得る積分値の最低値を用い
    ることを特徴とする車両用レーダ装置。
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