本考案においては、底面部と、内側スリーブ状部を有する内箱部で、内側スリーブ状部の内側側面部の一部が分離部として他の部分と切目線を介して分離可能な内箱部と、内箱部を覆う外箱部で、内側スリーブ状部を構成する各内側側面部に対応して外側側面部を有する外側スリーブ状部と、蓋部とを有し、分離部が設けられた内側側面部に対応した外側側面部には、切目線により形成された片部が分離部と接着されている外箱部と、を有する包装箱において、包装箱に収納された商品がその陳列場所において陳列されていることをその商品の陳列場所(例えば、店舗)を訪れた者に強く知らせることができるとともに、商品の陳列をユーザに知らせるに際して、高さ方向における陳列場所に応じた対応が可能なものを提供するという目的を以下のようにして実現した。
本考案に基づく包装箱Aは、図1〜図8等に示すように構成され、図1〜図3、図14等に示すように、内箱部A1と、外箱部A2とを有していて、それぞれが1枚のシート状のブランク(具体的には、段ボール、厚紙等)により形成されている。
内箱部A1は、全体に上部が開口した容器状を呈し、図3、図6等に示すように、スリーブ状部(内側スリーブ状部)5と、底面部50とを有している。スリーブ状部5は、組立て状態では、底面部50の周囲から立設して形成され、正面部(内側正面部)10と、側面部(内側側面部)20と、側面部(内側側面部)30と、背面部(内側背面部)40と、糊代部42とを有していて、その展開状態は、図6に示すように形成されている。
ここで、正面部10は、正面本体部12と、正面本体部12の上端から連設された表示部14とを有し、表示部14は、正面本体部12から連設された正面側支持部14a、14bと、正面側支持部14a、14bから連設された表示部本体部14cと、表示部本体部14cから連設された背面側支持部14dとを有している。
そして、正面本体部12は、正面側支持部14a、14bに内側に隣接して片部12a、12bを有している。
また、正面側支持部14aは、正面側支持部構成部(第1正面側支持部)14a−1と正面側支持部構成部(第2支持側支持部)14a−2とを有し、正面側支持部14bは、正面側支持部構成部(第1正面側支持部)14b−1と正面側支持部構成部(第2支持側支持部)14b−2とを有している。
また、表示部本体部14cは、中央領域部14c−1と、端部領域部14c−2、14c−3とを有している。
正面部10の構成についてさらに詳しく説明すると、正面部10は、組立て前の状態では、図3、図6、図7、図14に示すように全体に平板状を呈し、横長の長方形状の上側に該長方形状よりも横方向の幅が小さい長方形を連設した全体に凸状を呈している。すなわち、正面部10は、その底面側は底面部50との直線状の境界線Q1により形成され、左側面側は側面部30との境界線Q2により形成され、右側面側は側面部20との境界線Q3により形成されている。さらに、正面部10の上面側は、境界線Q2の上端から水平方向(境界線Q1と水平な方向)に連設された辺部(第1辺部)10aと、辺部10aの内側の端部から垂直方向(境界線Q1に対して水平、境界線Q2、Q3に対して水平)に上方に連設された辺部(第2辺部)10bと、辺部10bの上端から水平方向に形成された辺部(第3辺部)10cと、辺部10cの他方の端部から垂直方向に下方に連設された辺部(第2辺部)10dと、辺部10dの下端から水平方向に連設されるとともに境界線Q3の上端に連設された辺部(第1辺部)10eにより囲まれた形状を呈している。
そして、辺部10bの延長線上に下方に切込み(第1切込み)K2が形成され、該切込みK2と平行に内側に切込み(第2切込み)K4が切込みK2と同じ長さで切込みK2と同じ高さの位置に形成されている。また、切込みK4の延長線上の上方にミシン目(第3切目線)K18が形成されている。そして、切込みK2の下端と切込みK4の下端を結んだ折れ線(第1折れ線)L2が水平方向に形成され、また、折れ線L2の上側で折れ線L2と平行に形成され、辺部10aの延長線上に形成された折れ線(第2折れ線)L4が形成され、さらに、ミシン目K18の上端から辺部10bに向けて水平方向に折れ線(第3折れ線)L6が形成されている。折れ線L2、L4、L6は、互いに平行で同じ長さを呈している。この切込みK2と折れ線L2と切込みK4と折れ線L4とで囲まれた領域が正面側支持部構成部14a−1となり、辺部10bと折れ線L4とミシン目K18と折れ線L6とで囲まれた領域が正面側支持部構成部14a−2となる。
また、正面側支持部14bは、正面側支持部14aと線対称に形成され、正面側支持部構成部14b−1は正面側支持部構成部14a−1と線対称に形成され、正面側支持部構成部14b−2は正面側支持部構成部14a−2と線対称に形成されている。すなわち、辺部10dの延長線上に下方に切込みK6が形成され、該切込み(第1切込み)K6と平行に内側に切込み(第2切込み)K8が切込みK6と同じ長さで切込みK6と同じ高さの位置に形成されている。また、切込みK8の延長線上の上方にミシン目(第3切目線)K20が形成されている。そして、切込みK6の下端と切込みK8の下端を結んだ折れ線(第1折れ線)L12が水平方向に形成され、また、折れ線L12の上側で折れ線L12と平行に形成され、辺部10eの延長線上に形成された折れ線(第2折れ線)L14が形成され、さらに、ミシン目K20の上端から辺部10dに向けて水平方向に折れ線(第3折れ線)L16が形成されている。折れ線L12、L14、L16は、互いに平行で同じ長さを呈している。この切込みK6と折れ線L12と切込みK8と折れ線L14とで囲まれた領域が正面側支持部構成部14b−1となり、辺部10dと折れ線L14とミシン目K20と折れ線L16とで囲まれた領域が正面側支持部構成部14b−2となる。
また、切込みK4の上端と切込みK8の上端の間には、下向きに円弧状(又は楕円弧状)の切込み(第3切込み)K10が形成されている。つまり、切込みK10は下方に湾曲して形成されている。
また、切込みK4の内側には切込みK4に隣接して切込みK4に平行に切込み(第4切込み)K12が切込みK10から下方に形成され、該切込みK12の下端からは切込みK4に向けて水平に折れ線L8が形成されている。以上のようにして、切込みK4と切込みK10と切込みK12と折れ線L8で囲まれた片部12aが形成される。
また、切込みK8の内側には切込みK8に隣接して切込みK8に平行に切込み(第4切込み)K14が切込みK10から下方に形成され、該切込みK14の下端からは切込みK8に向けて水平に折れ線L18が形成されている。以上のようにして、切込みK8と切込みK10と切込みK14と折れ線L18で囲まれた片部12bが形成される。なお、切込みK12、K14は、上記第1係止部に当たる。
また、切込みK10の下側には、上向きに円弧状(又は楕円弧状)の切込み(第6切込み)K16が形成されている。この切込みK16は、折れ線L8、L18よりも下方に形成され、背面側支持部14dの一対の切欠部K24、K26間の片部14d−1を切込みK16に差し込むことにより背面側支持部14dを支持することができるようになっている。その際、背面側支持部14dを片部12a、12bの位置で支持する場合よりも下方の位置で背面側支持部14dを支持するようになっている。なお、切込みK10の水平方向の長さは、背面側支持部14dの片部14d−1を差し込むことができるように、一対の切欠部K24、K26間の長さ以上の長さに形成されている。
以上のように、正面本体部12の上端は、辺部10a、切込みK2、折れ線L2、切込みK4、切込みK10、切込みK8、折れ線L12、切込みK6、辺部10eにより形成されているといえる。
また、折れ線L6、L16よりも上方には、水平方向に折れ線(第4折れ線)K30が形成され、折れ線K30におけるミシン目K18の延長線上の点U1とミシン目K20の延長線上の点U2とを結ぶ上向きに円弧状(又は楕円弧状)の切込み(第5切込み)K22が形成されている。この切込みK22は、切込みK10と略線対称に形成され、上方に湾曲して形成されている。
以上のように、切込みK22と、折れ線K30における切込みK22の外側の部分と、辺部10bと、辺部10dと、折れ線L6と、ミシン目K18と、切込みK10と、ミシン目K20と、折れ線L16とで囲まれた領域が、表示部本体部14cとなり、表示部本体部14cにおいて、切込みK22と切込み10とミシン目K18及びその延長線とミシン目K20とその延長線により囲まれた領域が、中央領域部14c−1となり、その両側の領域が、端部領域部14c−2、14c−3となる。すなわち、中央領域部14c−1は、両端が欠切された略楕円状を呈し、端部領域部14c−2、14c−3は、長方形状を呈している。また、中央領域部14c−1における折れ線K30よりも上側の部分が上側領域部14c−1aとなる。
なお、表示部本体部14c(特に、中央領域部14c−1)の正面側には、商品の広告、商品の説明等が表示され、表示部本体部14c(特に、中央領域部14c−1)はPOP広告として使用できる。
また、背面側支持部14dは、切込みK22と、折れ線K30における切込みK22の外側の部分で形成される境界線よりも上方の領域であり、上端の辺部10cには、一対の切欠部K24、K26が形成されている。切欠部K24、K26は、V字状を呈し(すなわち逆三角形状を呈し)、その奥側から下方には、それぞれ切込みK25、K27が形成されている。この切込みK25、K27の位置は、左右方向には、切込みK12、K14の位置に対応している。
また、側面部20は、正面部10の正面視における右側の端部から折れ線を介して連設され、方形状における上側の一部を切り欠いた形状を呈し、その上端の縁部は、略円弧状に形成され、背面側の端部においては、背面部40の上端の縁部の高さと同じに形成されている。この側面部20は、本体部22と、分離部24とを有している。
ここで、本体部22の上端は、辺部10eから直線状に連設された辺部22aと円弧状の辺部22bとで構成されている。
また、分離部24は、側面部20の下端から形成された切目線(第1切目線)24aにより区画された領域であり、切目線24aは、垂直方向の一対のミシン目と該一対のミシン目の上端をつなぐ円弧状の切込みにより形成されている。つまり、側面部20の下辺と切目線24aにより囲まれた領域が分離部24となる。本体部22は、側面部20において分離部24を除いた領域である。
この分離部24の形成位置は、外箱部A2の片部122の裏側の領域であり、分離部24は片部122の裏側に接着され、片部122を外側に回動させることにより、分離部24も片部122の裏側に接着したまま切目線24aが破断されて、分離部24が本体部22から分離するように形成されている。分離部24は、図4に示すように、片部122よりも小さく形成されていて、分離部24の外形が片部122の外形よりもはみだすことがない。
また、側面部30は、正面部10の正面視における左側の端部から折れ線を介して連設され、方形状における上側の一部を切り欠いた形状を呈し、その上端の縁部は、略円弧状に形成され、背面側の端部においては、背面部40の上端の縁部の高さと同じに形成されている。この側面部30は、本体部32と、分離部34とを有している。
この側面部30の構成は、内箱部A1の組立て状態では、側面部20と前後方向に垂直な仮想的な平面である中心面を介して対称に形成されていて、本体部32は本体部22と対称(展開状態では線対称)に形成され、分離部34は分離部24と対称(展開状態では線対称)に形成されていることから詳しい説明を省略する。なお、分離部34は、側面部30の下端から形成された切目線(第1切目線)34aにより区画された領域である。
この分離部34の形成位置は、外箱部A2の片部132の裏側の領域であり、分離部34は片部132の裏側に接着され、片部132を外側に回動させることにより、分離部34も片部132の裏側に接着したまま切目線34aが破断されて、分離部34が本体部32から分離するように形成されている。分離部34は、片部132よりも小さく形成されていて、分離部34の外形が片部132の外形よりもはみだすことがない。
また、背面部40は、側面部30の左側面視における左端から折れ線を介して連設され、方形状(長方形状)を呈している。この背面部40の横幅は、正面部の横幅と同一に形成され、背面部40の縦幅は、側面部20、30の縦幅(最大縦幅)と同一に形成されている。なお、背面部40の下端には、本体部70の突状部70aが係止するための開口部40aが形成されている。
また、糊代部42は、背面部40の背面視における左端から折れ線を介して連設され、縦方向に細長の帯状台形形状を呈している。この糊代部42は、その外側の面が側面部20の内側の面に接着されている。
また、底面部50は、接続片部60と、本体部70と、副体部80と、接続片部90とを有し、包装箱Aの組立て状態においては、図5に示すように、略方形状を呈している。
ここで、接続片部60は、側面部30の下端から折れ線を介して連設され、先端側にいくほど幅狭となる略台形形状に形成されている。この接続片部60の側面部30との境界側には、分離部34の下位置に分離部34と略同幅の切欠部60aが形成されている。
また、本体部70は、正面部10の下端から折れ線を介して連設され、略長方形状に形成され、本体部70のその上面が内箱部A1の内底面を形成している。また、本体部70の角部(正面部10と側面部20の境界位置の角部)からは本体部70の正面部10との境界をなす辺部に対して斜めに所定間隔で切込みが形成された(つまり、折曲しやすいように切込みが形成されている)折れ線70−1(この折れ線70−1は、上面側が山折れ線となっている)が形成され、内箱部A1を折り畳む際に、容易に折り畳むことができるようになっている。本体部70は、折れ線70−1を介して本体部本体72と先端部74とに区画される。
また、副体部80は、背面部40の下端から折れ線を介して連設され、細長の長方形状の長手方向の一方の端部において背面部40との境界線とは反対側に略台形状に突出させた形状を呈し、副体部80の角部(背面部40と側面部30の境界位置の角部)からは副体部80の背面部40との境界をなす辺部に対して斜めに所定間隔で切込みが形成された(つまり、折曲しやすいように切込みが形成されている)折れ線80−1(この折れ線80−1は、上面側が山折れ線となっている)が形成され、この折れ線80−1を介して先端側が先端部84を構成し、折れ線80−1を介して基端側が基端部82を構成する。この先端部84は、図5に示すように、その上面側が、先端部84の辺部84aが側面部30と接続片部60の境界線に対して平行になるように、接続片部60の下面に接着されている。
また、接続片部90は、側面部20の下端から折れ線を介して連設され、略台形形状を呈し、この接続片部90の角部(正面部10と側面部20の境界位置の角部)からは接続片部90の側面部20との境界をなす辺部に対して斜めに所定間隔で切込みが形成された(つまり、折曲しやすいように切込みが形成されている)折れ線90−1(この折れ線90−1は、上面側が山折れ線となっている)が形成され、この折れ線90−1を介して先端側が先端部94を構成し、折れ線90−1を介して基端側が基端部92を構成する。この先端部94は、図5に示すように、その上面側が、先端部94の辺部94aが正面部10と本体部70の境界線に対して平行になるように、本体部70(特に、本体部本体72)の下面に接着されている。
内箱部A1を箱状に組み立てた状態(ただし、表示部14を組み立てる前の状態)では、正面部10と背面部40とが互いに平行になり、側面部20と側面部30とが互いに平行になり、底面部50を構成する各部材は、正面部10、側面部20、30、背面部40に対して略直角(直角でもよい)となる。また、スリーブ状部5を構成する各部材(正面部10、側面部20、30、背面部40)における隣接する部材は互いに直角となっている。また、内箱部A1は、平板状に折り畳むことができ、正面部10と側面部20との角度を小さくし、背面部40と側面部30との角度を小さくさせるとともに、本体部70を上方に回動させて本体部70が側面部20に対して略平行になるようにすることにより、図10に示すように、内箱部A1が全体に平板状に折り畳むことができる。また、内箱部A1を折り畳んだ状態では、底面部50を構成する各部は、スリーブ状部5内にスリーブ状部5を構成する正面部10、側面部20、30、背面部40に対して略平行な状態となる。
次に、外箱部A2は、内箱部A1を覆う箱体であり、図1〜図3、図8等に示すように、スリーブ状部(外側スリーブ状部)105と、上面部160、170、180、190とを有していて、その展開状態は、図8に示すように形成されている。
ここで、スリーブ状部105は、組み立てた状態では、四角形状の筒状を呈し、正面部(外側正面部)110と、側面部(外側側面部)120と、側面部(外側側面部)130と、背面部(外側背面部)140とを有している。
ここで、正面部110は、方形状(長方形状)の板状を呈している。この正面部110の横幅は、内箱部A1を外箱部A2内に収納することができるように、正面部10の横幅よりも若干大きく形成されている。
また、側面部120は、正面部110の正面視における右側の端部から折れ線K120を介して連設され、方形状を呈している。また、側面部120の下端からは、一対の略円弧状のミシン目122a、122bが縦方向に互いに対向して形成され、ミシン目122a、122bの上端を結ぶ折れ線122cが形成されていて、側面部120の下辺とミシン目122a、122bと折れ線122cにより囲まれた領域が片部122となる。つまり、片部122は、下端を外側に引き出すことによりミシン目122a、122bが破断して折れ線122cを中心に側面部120の他の部分(つまり、側面部120における片部122以外の部分)に対して回動するようになっている。
なお、正面部110と側面部120の境界位置には、所定間隔で切込みが形成された(つまり、折曲しやすいように切込みが形成されている)直線状の折れ線K120が形成され、折れ線K120の下側には、縦長の切欠部K122が形成されている。
また、側面部130は、正面部110の正面視における左側の端部から折れ線K112を介して連設され、方形状を呈し、ミシン目132aとミシン目132bと折れ線132cとが形成され、側面部130の下辺とミシン目132a、132bと折れ線132cにより囲まれた領域が片部132となる。ミシン目122a、122b、132a、132bが上記第2切目線に当たる。
側面部130は、外箱部A2の組立て状態において、側面部120と前後方向に垂直な仮想的な平面である中心面を介して対称に形成されていて、ミシン目132aはミシン目122aと対称に形成され、ミシン目132bはミシン目122bと対称に形成され、折れ線132cは折れ線122cと対称に形成されている。
つまり、片部132は、下端を外側に引き出すことによりミシン目132a、132bが破断して折れ線132cを中心に側面部130の他の部分(つまり、側面部130における片部132以外の部分)に対して回動するようになっている。
なお、正面部110と側面部130の境界位置には、所定間隔で切込みが形成された(つまり、折曲しやすいように切込みが形成されている)直線状の折れ線K112が互いに平行に2本形成されている。また、側面部130と正面部110の間の位置における下側には、縦長の開口部K114が形成されている。
また、背面部140は、側面部130の左側面視における左端から折れ線K116を介して連設され、方形状を呈している。この背面部140の横幅は、内箱部A1を外箱部A2内に収納することができるように、背面部40の横幅よりも若干大きく形成されている。
なお、側面部120と背面部140の境界位置には、所定間隔で切込みが形成された(つまり、折曲しやすいように切込みが形成されている)直線状の折れ線K124が形成されている。
また、糊代部142は、側面部120の右側面視における右端から折れ線(所定間隔で切込みが形成された(つまり、折曲しやすいように切込みが形成されている)直線状の2本の互いに平行な折れ線K124)を介して連設され、縦方向に細長の帯状台形形状を呈している。この糊代部142は、図2に示すように、その内側の面が背面部140の外側の面に接着されている。
また、正面部110と側面部120、130と背面部140の縦幅は同一に形成されていて、内箱部A1の縦幅と同一又は若干大きく形成されている。
また、上面部160は、正面部110の上端から折れ線を介して連設され、方形状(長方形状)を呈している。また、上面部170は、側面部120の上端から折れ線を介して連設され、方形状(長方形状)を呈している。この上面部170と上面部160との間には隙間が形成されている。また、上面部180は、側面部130の上端から折れ線を介して連設され、方形状(長方形状)を呈している。この上面部180と上面部160との間には隙間が形成されている。また、上面部190は、背面部140の上端から折れ線を介して連設され、方形状(長方形状)を呈している。これら4つの上面部160〜190は、外箱部A2の上面を開閉するものであり、特に、上面部170と上面部180を閉状態とすることにより外箱部A2の上面が塞がれる。つまり、上面部160〜190は、蓋部を構成する。なお、上面部160〜190は、予め上方に立設した状態になっていて、外箱部A2の上方が開口した状態になっている。なお、外箱部A2の展開状態においては、図8に示すように、上面部160〜190における隣接した上面部においては、隙間K134、K136、K138が形成されている。なお、蓋部としての上面部160〜190はスリーブ状部105の上端の各辺から連設されているが、少なくとも1つの上面部から連設されていればよい。
外箱部A2を箱状に組み立てた状態では、正面部110と背面部140とが互いに平行になり、側面部120と側面部130とが互いに平行になる。また、スリーブ状部105を構成する各部材(正面部110、側面部120、130、背面部140)における隣接する部材は互いに直角となっている。
次に、内箱部A1と外箱部A2とは、分離部24、34の箇所で互いに接着されている。つまり、分離部24の外側の面と側面部120の内側の面とが接着剤その他の接着手段により接着されるとともに、分離部34の外側の面と側面部130の内側の面とが接着剤その他の接着手段により接着されることにより、包装箱Aが全体に一体に形成される。つまり、分離部24の外側の面の全部又は一部の領域と側面部120(特に、片部122)の内側の面の間には接着剤層(図示せず)が設けられていて、同様に、分離部34の外側の面の全部又は一部の領域と側面部130(特に、片部132)の内側の面の間には接着剤層(図示せず)が設けられている。これにより、外箱部A2のスリーブ状部105は、内箱部A1におけるスリーブ状部5の外側の面に沿って設けられ、例えば、正面部10の外側の面に沿って正面部110が設けられ、側面部20の外側の面に沿って側面部120が設けられ、側面部30の外側の面に沿って側面部130が設けられ、背面部40の外側の面に沿って背面部140が設けられている。該接着剤層の接着力は、外箱部A2の片部122を外側に回動させた際に、同時に分離部24の周囲の切目線24aが破れて、分離部24が内箱部A1から分離し、回動させた片部122に接着した状態で片部126に従動するように設定されていて、同様に、外箱部A2の片部132を外側に回動させた際に、同時に分離部34の下側の切目線34aが破れて、分離部34が内箱部A1から分離し、回動させた片部132に接着した状態で片部132に従動するように設定されている。
また、内箱部A1と外箱部A2とが接着された状態では、内箱部A1の下端と外箱部A2の下端とが同じ高さになるように形成されている。なお、内箱部A1と外箱部A2とは、分離部24、34の箇所以外は互いに接着されていない。以上のように、内箱部A1は外箱部A2の内側に収納した状態となっていて、内箱部A1の底面部50以外は外箱部A2に被覆された状態となっている。つまり、外箱部A2の下端の高さ方向の位置は、内箱部A1の下端の高さ方向の位置と略同一であり、上面部160〜190を封止した状態では内箱部においては底面部50のみが露出している。
なお、上記構成の包装箱Aは、内箱部A1が上記のように折り畳むことができ、また、外箱部A2がスリーブ状部105を有し、全体に略スリーブ状を呈しているので、包装箱Aの状態においても平板状に折り畳むことができ、正面部110を側面部130に対して略平行になるようにし、かつ、側面部120を背面部140に対して略平行になるようにすることにより、図9に示すように平板状に折り畳むことができる。
上記構成の包装箱Aの使用状態について説明する。上記構成の包装箱Aの使用状態について説明する。包装箱Aを使用しない状況では、上記のように包装箱Aは平板状に折り畳むことができるので、折り畳んで保管しておく。
そして、包装箱Aを使用する際に、包装箱Aを組み立てる。すなわち、外箱部A2における正面部110と背面部140とが互いに平行になり、側面部120と側面部130とが互いに平行になるようにするとともに、内箱部A1における正面部10と背面部40とが互いに平行になり、側面部20と側面部30とが互いに平行になるようにし、底面部50がスリーブ状部5、105に直角になるようにすることにより包装箱Aが立体状に組み立てられる。
そして、図11に示すように、包装箱Aの上方から複数の被収納物(商品)Gを内箱部A1内に収納する。図11は、箱状の商品である例を示しているが、他の被収納物であってもよい。なお、上面部160〜190は、予め上方に立設した状態になっていて、外箱部A2の上方が開口した状態になっているので、被収納物Gはそのまま包装箱Aの上方から収納すればよい。その後、上面部160〜190を閉状態にして、接着テープTを外箱部A2の側面部120から上面を経て側面部130側にまで接着させることにより、図12に示すように、上面部160〜190を封止する。
以上のようにして、被収納物を包装箱Aに包装したら、被収納物Gを収納した包装箱Aを被収納物Gを陳列する場所に搬送する。
その後、被収納物を陳列する場合には、外箱部A2を内箱部A1から分離する。すなわち、図13に示すように、外箱部A2の片部122を外側に引き出してミシン目122a、122bを破断して折れ線122cを中心に回動させることにより、分離部24も片部122の裏側に接着したまま切目線24aが破断されて、分離部24が本体部22から分離する。同様に、片部132を外側に引き出してミシン目132a、132bを破断して折れ線132cを中心に回動させることにより、分離部34も片部132の裏側に接着したまま切目線34aが破断されて、分離部34が本体部32から分離する。
なお、片部122、132が回動する際の回動軸となる折れ線122c、132cの箇所には折れ線として罫線を形成しておくのが好ましいが、罫線を形成しておかなくても片部122、132を回動させることにより自然と折れ線が形成されるが、予め該折れ線の箇所に罫線を形成しておいてもよい。
以上のように、外箱部A2の片部122を上側に回動させた際に、同時に分離部24の周囲の切目線24aが破れて、分離部24が内箱部A1から分離し、回動させた片部122に接着した状態で片部122に従動し、同様に、外箱部A2の片部132を上側に回動させた際に、同時に分離部34の周囲の切目線34aが破れて、分離部34が内箱部A1から分離し、回動させた片部132に接着した状態で片部132に従動する。
そして、図14に示すように、外箱部A2を上方に引き上げることにより、被収納物を収納した状態で、かつ、分離部24、34が分離した状態の内箱部A1が残る。なお、外箱部A2には、切欠部K122や開口部K114が設けられているので、外箱部A2を内箱部A1に対して容易に引き上げることができる。
その後、正面部10における表示部14を組み立てる。なお、表示部14の組立てに当たっては、表示部本体部14cの角度を2つの状態のいずれかにすることができ、水平方向に対する表示部本体部14cの正面側の面の方向の角度が小さい「第1状態」と、水平方向に対する表示部本体部14cの正面側の面の方向の角度が大きい「第2状態」のいずれかとすることができる。つまり、第2状態の場合には、第1状態に比べて表示部本体部14cの正面側の面は上向きとなる。従って、棚等において、商品を収納した内箱部A1を高い位置に陳列する場合には、第1状態とするのが好ましく、低い位置に陳列する場合には、第2状態とするのが好ましい。
まず、第1状態とする場合について説明する。正面本体部12と正面側支持部構成部14a−1間の折れ線L2と正面本体部12と正面側支持部構成部14b−1間の折れ線L12とを正面側から見て谷折りして、表示部14を正面側に傾斜させておき、その後、折れ線L8、L18を正面側から見て谷折りして片部12a、片部12bを正面側に傾斜させておく。
その後、折れ線L4、L14を正面側から見て山折りして折れ線L4、L14よりも上側の部分を背面側に傾斜させて正面側支持部構成部14a−1、14b−1に対して折り曲げた状態とする。その際、ミシン目K18、K20は破断しない。
その後、折れ線K30を正面側から見て山折りとして、背面側支持部14dを表示部本体部14cに対して折り曲げて表示部本体部14cの背面側に位置させ、その後、背面側支持部14dの切欠部K24、K26を切込みK12、K14に差し込む。つまり、背面側支持部14dの先端領域における一対の切欠部K24と切欠部K26間の片部14d−1(図7参照)が正面本体部12の上端の正面側に当接し、該先端領域における切欠部K24よりも正面視左側の片部14d−2が片部12aの背面側に当接し、該先端領域における切欠部K26よりも正面視右側の片部14d−3が片部12bの背面側に当接するようにする。片部12a、12bを予め正面側に折り曲げておくのは、背面側支持部14dの切欠部K24、K26を切込みK12、K14に差し込みやすくするためである。
以上のようにして、第1状態を構成することができ、この第1状態においては、表示部14は図15に示すように組み立てられる。この第1状態では、折れ線L6、L16は折曲されていないとともに、ミシン目K18、K20は破断されておらず、表示部本体部14cと正面側支持部構成部14a−2、14b−2とは全体に平板状に面一となっている。なお、表示部本体部14cは、その上端側が背面側に傾斜することになるので、中央領域部14c−1の上端が商品に接触する場合には、中央領域部14c−1における上側領域部14c−1aを折れ線K30を介して正面側に折り曲げてもよい。
次に、第2状態とする場合について説明する。正面本体部12と正面側支持部構成部14a−1間の折れ線L2と正面本体部12と正面側支持部構成部14b−1間の折れ線L12とを正面側から見て谷折りして、表示部14を正面側に傾斜させておき、その後、折れ線L4、L14を正面側から見て山折りして折れ線L4、L14よりも上側の部分を背面側に傾斜させて正面側支持部構成部14a−1、14b−1に対して折り曲げた状態とする。
その後、ミシン目K18、K20を破断するとともに、折れ線L6、L16を正面側から見て山折りとし、表示部本体部14cを正面側支持部構成部14a−2、14b−2に対して折り曲げた状態とする。
その後、折れ線K30を正面側から見て山折りとして、背面側支持部14dを表示部本体部14cに対して折り曲げて表示部本体部14cの背面側に位置させ、その後、背面側支持部14dの切欠部K24と切欠部K26間の片部14d−1を切込みK16に正面本体部12の背面側から差し込んで係止する。
以上のようにして、第2状態を構成することができ、この第2状態においては、表示部14は図16に示すように組み立てられる。この第2状態では、第1状態と異なり折れ線L6、L16が折曲されており、背面側支持部14dの先端は第1状態よりも低い位置で係止されるので、表示部本体部14cは、第1状態よりも垂直方向に対して大きく傾斜していることになる。なお、表示部本体部14cは、その上端側が背面側に大きく傾斜することになるので、中央領域部14c−1における上側領域部14c−1aを折れ線K30を介して正面側に折り曲げるのが好ましい。
なお、上記の表示部14の組立てに際して、収納されている商品が邪魔になる場合には、一旦内箱部A1から取り出して表示部14の組立てを行い、表示部14の組立てを行った後に商品を再度収納してもよい。
本実施例の包装箱Aによれば、図1や図2に示すように、上方が開口した包装箱Aに対して上方から被収納物である商品を収納して、上面部160〜190を閉じて1つの接着テープTにより封止するのみであるので、容易に被収納物(商品)の梱包作業を行うことができる。
また、本実施例の包装箱Aによれば、片部122、132を外側に回動させて、分離部24、34を内箱部A1から分離して外箱部A2を上方に引き上げるのみで陳列することができるので、陳列作業を容易に行なうことができる。
また、特に、内箱部A1には、表示部14が設けられ、表示部本体部14cに広告等を表示することにより表示部本体部14cをPOP広告として使用することができる。さらには、表示部本体部14cの角度を二段階に調整できるので、棚等において、商品を収納した内箱部A1を高い位置に陳列する場合には、第1状態として表示部本体部14cの垂直方向に対する傾斜の度合いを小さくし、一方、低い位置に陳列する場合には、第2状態として表示部本体部14cの垂直方向に対する傾斜の度合いを大きくすることにより、顧客に表示部本体部14cを見やすくすることができ、高さ方向における陳列場所に応じた対応が可能なる。よって、販促効果を高めることができる。
また、正面部10においては、上記のように、略凸状のブランクに各切込みと折れ線と切欠部を設けることにより形成することができ、容易に内側正面部を形成することができる。
なお、上記の説明において、外箱部A2においては、スリーブ状部105を構成する正面部110と側面部120の境界位置に切欠部K122が設けられ、正面部110と側面部130の境界位置に開口部K114が設けられているとして説明したが、切欠部K122を開口部K114のような開口部としてもよく、また、開口部K114を切欠部K122のような切欠部としてもよい。
また、切欠部K122のような切欠部又は開口部K114のような開口部を側面部120と背面部140の境界位置や側面部130と背面部140の境界位置に設けるようにしてもよい。
また、内箱部A1の底面部50において、接続片部60が側面部30から連設され、接続片部90が側面部20から連設され、本体部70が正面部10から連設され、副体部80が背面部40から連設されているとしたが、接続片部60が側面部20から連設され、接続片部90が側面部30から連設され、本体部70が背面部40から連設され、副体部80が正面部10から連設されたものとしてもよい。
なお、上記の説明においては、内箱部A1や外箱部A2が4つの側面部を有するもの、つまり、平面視が四角形の形状のものとして説明したが、平面視が他の多角形のものでもよい。例えば、内箱部や外箱部における側面部が6つや8つのものでもよく、このように側面部の数が偶数の場合には、内箱部における2つの分離部は相対する側面部に設ける。例えば、平面視が六角形の場合には、互いに平行な側面部に2つの分離部を設ける。また、側面部の数が奇数の場合には、一方の分離部が設けられた側面部と平行な対向する側面部がある場合には、その側面部に他の分離部を設け、平行な側面部がない場合には、一方の分離部が設けられた側面部と最も平行に近い(つまり、該側面部となす角度が最も小さい)側面部に他の分離部を設ければよい。