JP3146791B2 - 永久磁石型同期モータの駆動制御装置 - Google Patents

永久磁石型同期モータの駆動制御装置

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JP3146791B2 JP25415293A JP25415293A JP3146791B2 JP 3146791 B2 JP3146791 B2 JP 3146791B2 JP 25415293 A JP25415293 A JP 25415293A JP 25415293 A JP25415293 A JP 25415293A JP 3146791 B2 JP3146791 B2 JP 3146791B2
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  • Control Of Ac Motors In General (AREA)
  • Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電気自動車に搭載さ
れる永久磁石型同期モータの駆動を制御する制御装置に
関するものであり、特に、弱め界磁制御を行って永久磁
石型同期モータの駆動制御を行う制御装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】永久磁石型同期モータ(以下、「PMモ
ータ」又は単に「モータ」と呼ぶ)は、その運転により
逆起電圧ωE0 (E0 :界磁として使用される永久磁石
の起磁力(主磁束)、ω:モータの軸角速度)を発生さ
せる。従って、PMモータの1相当たり等価回路は、図
9(a)に示されるように表すことができる。この図に
おいて、RはPMモータの一相当たり一次抵抗、LはP
Mモータの一相当たりインダクタンス、IはPMモータ
の一次電流(相電流)、Vはモータに印加される端子電
圧である。PMモータをバッテリ及びインバータを用い
て駆動する場合には、バッテリ電圧にインバータの電圧
変換比を乗じた値が電圧Vとなる。
【0003】さらに、このモータの端子電圧Vをベクト
ル分解し、d軸電圧Vd 及びq軸電圧Vq を用いて表現
すると、次の式(1)及び(2)に示されるようにな
り、また、一次抵抗Rが十分小さいと考えて式(1)に
基づきベクトル図を描くと、図9(b)に示されるよう
になる。ただし、Ld はd軸インダクタンス、Lq はq
軸インダクタンス、Id はd軸電流(界磁電流)、Iq
はq軸電流(トルク電流)である。
【0004】
【数1】 V=(Vd 2 +Vq 2 1/2 … (2) これらの式は、モータのベクトル制御が可能であること
を示している。すなわち、界磁電流Id の指令値を一定
値(例えば0)に制御する一方で、モータから出力させ
るべきトルク(以下、「要求トルク」又は「トルク指
令」と呼ぶ)に基づきトルク電流Iq の指令値を変化さ
せる。これらの指令値に基づき、例えばモータに前置さ
れたインバータを制御すれば、次の式(3)により示さ
れる出力トルクTを得ることができる。
【0005】 T=E0 q +(Ld −Lq )Id q … (3) この式の第1項は、界磁たる永久磁石によって生じるト
ルク成分、すなわちマグネットトルクを示しており、第
2項は、PMモータの突極性によって生じるリラクタン
ストルクを示している。従って、PMモータが非突極機
である場合にはLd =Lq となり第1項のみとなり、突
極機である場合にはLd ≠Lq となり第2項が生じる。
【0006】また、モータの端子電圧Vは、 V=ωE0 +jωLq q +jωLd d … (4) となる。この式から、PMモータの回転数N、ひいては
モータの軸角速度ωが高くなると逆起電圧ωE0 がこれ
に比例して増加することになる。従って、逆起電圧ωE
0 の増加をそのまま許容すると、逆起電圧ωE0 の増加
によりモータの端子電圧Vが上昇し、モータの端子電圧
Vが許容電源電圧(バッテリ電圧)VB を越えてしまう
ことになる。モータの端子電圧Vが許容電源電圧VB
越えると、その差に相当する電圧がモータと電源の間に
設けられたインバータや電源に印加され、これらに損傷
を与えてしまう。以下、電圧Vが許容電源電圧VB に至
る回転数をベース回転数と呼び、ベース回転数以上の回
転数領域を高回転域と呼ぶ。このような不具合に対処す
る方法としては、いわゆる弱め界磁制御がある。すなわ
ち、界磁電流Id を供給し、永久磁石の界磁起磁力を減
殺する界磁起磁力を発生させる制御を行うことにより、
高回転域における端子電圧Vを許容電源電圧VB 以下に
抑制することができる。このような性質を有する界磁電
流Id を、弱め界磁電流と呼ぶ。弱め界磁電流Id は、
弱め界磁制御のId マップ(図10)からも分かるよう
に、モータの回転数NとトルクTとから、予め決められ
ており、実際に制御を行う際には、トルク指令及び回転
数Nによりこのマップを参照して、弱め界磁電流Id
制御する。
【0007】なお、弱め界磁制御については、平成3年
電気学会産業応用部門全国大会「No.74,PMモー
タの弱め磁束制御を用いた速度制御システム」に開示さ
れている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述の許容電源電圧V
B は、もっぱらバッテリの電圧により定まる電圧であ
る。従って、バッテリの充電状態(SOC:State of C
harge )や負荷状態によって大きく変化する。従って、
PMモータの弱め界磁制御を行う場合、弱め界磁電流I
d が過多又は過少となり、効率が低下しあるいは要求ト
ルク(トルク指令)が正確に実現されないという問題が
生じる。
【0009】例えば、許容電源電圧VB が要求トルクか
ら見て高い場合には、必要以上に弱め界磁電流Id を流
すことになる。図9(b)に示されるベクトル図及び式
(4)から明らかなように、弱め界磁電流Id を流すこ
とにより端子電圧Vは低くなるが、トルク発生に寄与し
ない電流(Id )が生じることになるため、効率の低下
が発生する。
【0010】逆に、許容電源電圧VB が要求トルクから
見て低い場合には、端子電圧Vを許容電源電圧VB 以下
に抑えるのに十分な弱め界磁電流Id を流すことができ
ず、また、必要なトルクを得るためのトルク電流Iq
流せなくなる。
【0011】本発明は、このような問題点を解決するこ
とを課題としてなされたものであり、弱め界磁制御に当
たって付加的な情報を使用することにより、許容電源電
圧VB の変化に応じて弱め界磁電流Id を制御すること
ができるPMモータの駆動制御装置を提供することを目
的とするものである。また、発進加速性能を確保しつ
つ、SOCの劣化に伴う許容電源電圧VB の低下に起因
した効率の低下を防止することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明に係る永久磁石
型同期モータの駆動制御装置は、バッテリの電圧を逐次
検出する手段と、検出されたバッテリの電圧に基づきモ
ータに印加できる最大電圧値を算出する手段と、少なく
とも算出された最大電圧値及びモータに要求される要求
トルクに基づき、弱め界磁電流の値を算出する手段と、
算出された弱め界磁電流の値に基づきモータを駆動制御
する手段と、を有することを特徴とする。
【0013】また、インバータ装置を用いたPWM制御
によってモータの端子電圧を制御する際、最大電圧値の
算出を、検出されたバッテリの電圧及びインバータ装置
のPWM制御の変調率に基づき実行することを特徴とす
る。
【0014】さらに、バッテリの残存容量(SOCに相
当)を検出する手段と、検出される残存容量が所定値以
下となった場合に弱め界磁電流を制限する手段と、を有
することを特徴とする。
【0015】そして、上記弱め界磁電流の制限を指令に
応じて実行/停止することを特徴とする。
【0016】
【作用】本発明においては、バッテリの電圧が逐次検出
され、検出されたバッテリの電圧に基づき、モータに印
加できる最大電圧値が算出される。算出された最大電圧
値は、要求トルク(トルク指令)と共に、弱め界磁電流
の値算出に用いられる。モータは、算出された弱め界磁
電流の値に基づき駆動制御される。従って、バッテリの
SOCやモータ負荷によりバッテリ電圧、従って許容電
源電圧が変動した場合にも、この変動に対応して、最適
な弱め界磁電流を算出し、最適な弱め界磁制御を行うこ
とが可能になる。これは、効率の確保及び要求トルクの
好適な実現につながる。
【0017】また、検出されたバッテリの電圧及びイン
バータ装置のPWM制御の変調率に基づき最大電圧値の
算出を実行することにより、インバータ装置を用いたP
WM制御(パルス幅変調信号によるインバータ構成素子
のスイッチング制御)によってモータの端子電圧を制御
する際、上記作用を好適に実現できる。
【0018】さらに、上述のように弱め界磁電流をバッ
テリの電圧に応じて算出設定した場合、例えばSOC低
下に起因したバッテリ電圧の低下に伴い弱め界磁電流値
が増大する。すると、弱め界磁電流増大により効率が低
下する。本発明においては、このような事態に対処すべ
く、バッテリの残存容量に応じた弱め界磁電流制限を行
っている。すなわち、バッテリの残存容量を検出し、検
出される残存容量が所定値以下となった場合に弱め界磁
電流を制限するよう構成した場合、残存容量の低下(相
対的残存容量たるSOCの低下)によってバッテリ電圧
の低下が生じていても、弱め界磁電流の増大が生じない
ため効率劣化が防止される。また、この場合にも、低回
転・高トルク域ではトルクが確保されるため、発進加速
性能が確保され、当該モータを電気自動車の駆動機構と
して用いた場合にはドライブフィーリングが好適に確保
される。
【0019】このような弱め界磁電流の制限は、反面
で、高回転域での出力トルクの不足を招く。従って、上
記弱め界磁電流の制限を、例えば使用者からの指令に応
じて実行/停止するようにすれば、使用者が必要に応じ
て効率重視の運転を行うのか、それとも出力重視の運転
を行うのかを、選択可能になり、使用者の要請により広
く対処可能になる。
【0020】
【実施例】以下、この発明の好適な実施例を図面を用い
て説明する。
【0021】図1には、本発明の第1実施例に係る駆動
制御装置を、電気自動車の駆動系の制御装置として用い
た構成が示されている。すなわち、この図に示される電
気自動車の駆動系は、PMモータ10をバッテリ16の
出力により駆動する構成を有している。バッテリ16の
端子電圧VB は、バッテリ16とモータ10との間に設
けられたインバータ14によって三相交流流電力に変換
され、モータ10に供給される。モータ10には、イン
バータ14から出力される電圧Vが印加される。
【0022】また、本実施例に係る駆動制御装置は、バ
ッテリ16に並列接続されたバッテリ電圧検出部18、
バッテリ電圧検出部18に接続された第1演算部20、
第1演算部20に接続された第2演算部22及び第2演
算部22とインバータ14との間に設けられたインバー
タコントローラ24を有している。
【0023】図3には、本実施例における第2演算部2
2の動作の流れが示されている。
【0024】第2演算部22は、PMモータ10に付設
されその回転子の回転位相θ及び回転数Nを検出する位
置検出器12から回転数Nを、図示しない装置からトル
ク指令Tref をそれぞれ入力する(100)。回転数N
がPMモータ10のベース回転数NB より低い場合には
(102)、第2演算部22は、前述の式(3)を制御
式として用い、界磁電流Id を0に設定するとともに、
図示しない回路において車両操縦者のアクセルやブレー
キ操作に応じて算出されたトルク指令Tref に基づき、
トルク電流Iq を算出する(104)。第2演算部22
は、界磁電流指令値Id * としては0を、トルク電流指
令値Iq * としては得られたトルク電流Iq を、それぞ
れ出力する(106)。インバータコントローラ24
は、得られた界磁電流指令値Id * (=0)及びトルク
電流指令値Iq * を用いて、インバータ14を制御する
ためのPWM信号を生成する。その際、位置検出器12
によって検出される回転位相θを用いて、座標変換等の
処理が行われる。
【0025】回転数NがPMモータ10のベース回転数
B 以上である場合(102)、第2演算部22は、ト
ルク指令Tref の他、最大モータ印加電圧VMAX を入力
して(108)、弱め界磁電流指令値Id * を算出する
(110)。そのため、バッテリ電圧検出部18は、バ
ッテリ16の端子電圧VB を検出し、第1演算部20に
出力する。第1演算部20は、インバータコントローラ
24におけるPWM変調度を100%とした場合の電圧
Vの最大値、すなわちバッテリ16によりインバータ1
4が出し得る最大モータ印加電圧V MAX を算出する。な
お、インバータコントローラ24において、搬送波とし
て三角波を用い、インバータ14を構成する各スイッチ
ング素子に対する指令を示す正弦波信号とこの搬送波を
比較することによりPWM信号を生成する場合、第1演
算部20における演算内容は、 VMAX =(√3/2√2)VB となる。
【0026】第2演算部22における弱め界磁電流指令
値Id * の算出(110)は、前述の式(1)〜(3)
中のトルクTにトルク指令Tref を、端子電圧Vに最大
モータ印加電圧VMAX を、それぞれ代入し、界磁電流I
d 及びトルク電流Iq を求めるという手順で行われる。
無論、マップをあらかじめ作成しておいて、これを参照
するといった手順でも構わない。得られた界磁電流Id
及びトルク電流Iq は、界磁電流指令値Id * 及びトル
ク電流指令値Iq * としてインバータコントローラ24
に出力する(112)。インバータコントローラ24
は、これらの指令値に応じ、また位相θを用いてPWM
信号を生成する。なお、式(1)におけるωは、回転数
Nから得られる(ω=2πN)。また、モータ10が突
極機である場合、式(3)の第2項の演算の必要がある
から、Ld −Lq とTの関係を、マップ化して第2演算
部22に記憶させておくのが好ましい。
【0027】本実施例の特徴は、回転数Nがベース回転
数NB 以上となる高回転域での界磁電流制御、すなわち
弱め界磁制御を、最大モータ印加電圧VMAX を用いて行
っていることにある。すなわち、バッテリ16のSOC
やモータ10の負荷によりバッテリ電圧VB が変動した
場合に、この変動に対応して最適な弱め界磁電流Id
供給し、最適な弱め界磁制御を行うようにした点にあ
る。
【0028】図2に示されるように、弱め界磁電流Id
を大きくしていくと、端子電圧Vが低下するとともに、
効率ηも低下する。すなわち、前述したように、弱め界
磁電流Id の増加によってモータ10の一次電流I=
(Id 2 +Iq 2 1/2 が増加し、この電流Iの増加に
より銅損が増加して効率ηが低下する。また、図2によ
ると、端子電圧Vが最大モータ印加電圧VMAX 以下で効
率ηが最も良好になるのは、V=VMAX とした場合の弱
め界磁電流Id を指令値Id * とした場合である。従っ
て、バッテリ電圧VB に基づき最大モータ印加電圧V
MAX を算出し、これを用いて界磁電流指令Id * を定め
るようにした場合、必要以上に弱め界磁電流Id を流す
ことによる効率ηの低下や、弱め界磁電流Id の不足に
よる出力不足が生じない。
【0029】図4には、本発明の第2実施例に係る装置
の構成が示されている。この実施例では、さらに、バッ
テリ16のSOCを検出するSOCセンサ26が設けら
れている。SOCセンサ26により検出されるバッテリ
16のSOCは、第2演算部22に入力される。第2演
算部22には、さらに、車両操縦者によって操作される
スイッチ(図示せず)等から、モード指令が入力され
る。
【0030】図5には、この実施例における第2演算部
22の動作の流れが示されている。この実施例は、ステ
ップ110実行後にステップ114〜118を実行する
ことを特徴としている。
【0031】すなわち、回転数Nがベース回転数NB
上である場合には、Id 及びIq の算出後、モード指令
が出力モードを指令する内容かそれとも効率モードを指
令する内容かが判定される(114)。この判定の結
果、出力モードとされた場合にはステップ112にただ
ちに移行し、効率モードとされた場合にはステップ11
6に移行する。ステップ116においては、SOCセン
サ26により検出されるSOCが所定値SOC0 以下で
あるか否か、すなわちSOCの低下が生じているか否か
が判定される。SOCの低下が生じていないと判定され
た場合にはただちにステップ112に移行し、生じてい
ると判定された場合にはId が所定値Id0に制限され
(118)、その後ステップ112に移る。
【0032】このようにした場合、車両操縦者の好みに
応じ、ある場合には出力を、他の場合には効率を、それ
ぞれ重視した運転が可能になる。すなわち、車両操縦者
は、効率モードを示すモード指令を第2演算部22に与
えることにより、SOCの低下に応じてId 、ひいては
その指令値Id * を所定値Id0に制限できる。すなわ
ち、図2に示されるようにSOCの低下に応じてバッテ
リ電圧VB が低下すると、ステップ108において算出
される最大モータ印加電圧VMAX が増加し、これに応じ
て算出されるId の値も増大する。増大した値のId
そのまま指令値Id * として出力すると、トルク発生に
寄与しない電流成分(Id )の増加によって効率が低下
する。本実施例においては、SOCの低下に応じて指令
値Id * を所定値Id0に制限できるため、SOCの低下
に伴うバッテリ電圧VB の低下に起因した効率低下を防
止できる。
【0033】また、車両操縦者は、出力モードを示すモ
ード指令を第2演算部22に与えることにより、SOC
の低下如何にかかわらず、Id0による制限のないモータ
出力を高回転域で得ることができる。すなわち、上述の
界磁電流制限を行うと、図7に示されるように、トルク
Tの出力範囲が低トルク側に狭まり、結果として出力制
限が生じる。そこで、この実施例では、ステップ116
及び118を省略する出力モードを設け、出力トルクT
を確保可能にしている。
【0034】さらに、界磁電流制限により生じる出力制
限は、例えば特開平5−38003号に記載されるよう
な不具合を発生させない。この公報等においては、図8
に示されるように、SOCの低下に応じてモータの出力
トルクTが制限されている。この図においては、T−N
マップにおける最大出力トルクが等パワーライン(出力
トルクTと回転数Nの積たるモータ出力パワーが一定の
ライン)により定まる高回転域で、SOCの低下に応
じ、当該等パワーラインがより低パワーのラインに切り
替えられる。
【0035】このような出力制限では、高回転域であっ
てもトルク指令Tref が低ければ、出力トルクTは制限
を受けないが、その場合も、弱め界磁制御が行われるた
め損失が発生する。また、ベース回転数NB 近傍の中回
転域は、よい効率が得られる領域であるにもかかわら
ず、出力が制限されるため、車両走行上好ましくない。
本実施例においては、SOC低下に伴い実行される界磁
電流制限により生じる出力制限が、図7に示されるよう
に、高回転・低トルク域でも機能するため、SOCの低
下に伴い生じるId の増大に起因した効率低下が抑制さ
れることになる。加えて、発進加速性能が確保され、ド
ライブフィーリングが好適に確保される。また、ベース
回転数NB 近傍の中回転域では出力制限が施されないた
め、この面からも、良好な効率が得られる。
【0036】なお、上記各実施例においては、バッテリ
電圧検出部18がバッテリ16の端子電圧VB を検出し
ているが、SOCや車両負荷等の車両状態によりバッテ
リ電圧VB を推定するようにしてもよい。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
許容電源電圧の変化に応じて弱め界磁電流を制御するよ
うにしたため、SOCの変動やモータ負荷の変動によら
ず、最適な弱め界磁電流を得ることができる。例えば許
容電源電圧が高い場合には必要以上に弱め界磁電流を流
すことなく所定の効率を保つことができ、逆に許容電源
電圧が低下した場合には必要なトルクを得るための電流
を流すことができる。
【0038】また、検出されたバッテリの電圧及びイン
バータ装置のPWM制御の変調率に基づき最大電圧値の
算出を実行するようにしたため、インバータ装置を用い
たPWM制御によってモータの端子電圧を制御する際、
上記効果を好適に得ることができる。
【0039】さらに、弱め界磁電流をバッテリの電圧に
応じて算出設定する際、バッテリの残存容量に応じた弱
め界磁電流制限を行うようにしたため、残存容量の低下
に伴うバッテリ電圧の低下が弱め界磁電流の増大制御に
つながらないため、効率劣化を防止できる。また、この
場合にも、低回転高トルク域ではトルクが確保されるた
め、発進加速性能を確保でき、当該モータを電気自動車
の駆動機構として用いた場合にはドライブフィーリング
を好適に確保できる。
【0040】そして、上記弱め界磁電流の制限を、例え
ば使用者からの指令に応じて実行/停止するようにした
ため、使用者が必要に応じて効率重視の運転を行うの
か、それとも出力重視の運転を行うのかを選択可能にな
り、使用者の要請により広く対処可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る永久磁石型同期モー
タの駆動制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】弱め界磁電流と端子電圧及び効率の関係を示す
図である。
【図3】この実施例における第2演算部の動作の流れを
示すフローチャートである。
【図4】本発明の第2実施例に係る永久磁石型同期モー
タの駆動制御装置の構成を示すブロック図である。
【図5】この実施例における第2演算部の動作の流れを
示すフローチャートである。
【図6】この実施例における界磁電流制限を示す図であ
る。
【図7】この実施例における出力制限を示す図である。
【図8】従来公知の出力制限を示す図である。
【図9】(a)は永久磁石型同期モータの1相当り等価
回路を示す回路図であり、(b)は永久磁石型同期モー
タのベクトル図である。
【図10】弱め界磁制御を行った場合のモータ回転数と
トルクの関係を示す図である。
【符号の説明】
10 モータ 12 位置検出器 14 インバータ 16 バッテリ 18 バッテリ電圧検出部 20 第1演算部 22 第2演算部 24 インバータコントローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02P 6/08 H02P 5/408

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バッテリから電力供給を受ける永久磁石
    型同期モータに対し、所定条件が成立した場合に弱め界
    磁電流を与えることにより、弱め界磁制御を行う永久磁
    石型同期モータの駆動制御装置において、 バッテリの電圧を逐次検出する手段と、 検出されたバッテリの電圧に基づきモータに印加できる
    最大電圧値を算出する手段と、 少なくとも算出された最大電圧値及びモータに要求され
    る要求トルクに基づき、弱め界磁電流の値を算出する手
    段と、 算出された弱め界磁電流の値に基づきモータを駆動制御
    する手段と、 を有することを特徴とする永久磁石型同期モータの駆動
    制御装置。
  2. 【請求項2】 インバータ装置を用いたPWM制御によ
    ってモータの端子電圧を制御する際、上記最大電圧値の
    算出を、検出されたバッテリの電圧及びインバータ装置
    のPWM制御の変調率に基づき実行することを特徴とす
    る請求項1に記載の永久磁石型同期モータの駆動制御装
    置。
  3. 【請求項3】 バッテリの残存容量を検出する手段と、 検出される残存容量が所定値以下となった場合に弱め界
    磁電流を制限する手段と、 を有することを特徴とする請求項1に記載の永久磁石型
    同期モータの駆動制御装置。
  4. 【請求項4】 上記弱め界磁電流の制限を指令に応じて
    実行/停止することを特徴とする請求項3に記載の永久
    磁石型同期モータの駆動制御装置。
JP25415293A 1993-08-10 1993-10-12 永久磁石型同期モータの駆動制御装置 Expired - Fee Related JP3146791B2 (ja)

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