JP3145360B2 - 非塩素系フロン冷媒用冷凍機油 - Google Patents

非塩素系フロン冷媒用冷凍機油

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JP3145360B2
JP3145360B2 JP6519399A JP6519399A JP3145360B2 JP 3145360 B2 JP3145360 B2 JP 3145360B2 JP 6519399 A JP6519399 A JP 6519399A JP 6519399 A JP6519399 A JP 6519399A JP 3145360 B2 JP3145360 B2 JP 3145360B2
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梅吉 佐々木
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非塩素系フロン冷
媒用冷凍機油に関し、詳しくは、特定の構造を有するペ
ンタエリスリトールエステルを主成分とする、各種性能
に優れた非塩素系フロン冷媒用冷凍機油に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従来
から、冷凍機油としては、40℃における動粘度が10〜 2
00 cSt のナフテン系鉱油、パラフィン系鉱油、アルキ
ルベンゼン、ポリグリコール系油、エステル油およびこ
れらの混合物またはこれらの各種基油に添加剤を配合し
たものが一般的に使用されている。
【0003】一方、冷凍機に用いられるフロン系冷媒と
しては、CFC−11、CFC−12、CFC− 113、HC
FC−22等が使用されている。
【0004】これらのフロン系冷媒のうち、CFC−1
1、CFC−12、CFC−113 等の炭化水素の全ての水
素を塩素を含むハロゲンで置換した形のフロンは、オゾ
ン層破壊につながるとして規制の対象となっている。従
って、HFC−134aやHFC−152a等の非塩素系フロン
がCFCの代替として使用されつつあるが、特に、HF
C−134aは、従来から家庭用冷蔵庫、エアコン等の多く
の冷凍機に使用されているCFC−12と熱力学的物性が
類似しており、代替冷媒として有力である。
【0005】冷凍機油には種々の要求性能があるが、冷
媒との相溶性は、冷凍機の潤滑性およびシステム効率の
面から極めて重要である。しかしながら、ナフテン系鉱
油、パラフィン系鉱油、アルキルベンゼンおよび従来か
ら知られているエステル油等を基油とした冷凍機油はH
FC−134a等の非塩素系フロンとの相溶性がほとんどな
いため、HFC−134aとの組み合せで使用すると、常温
において二層分離を起こし、冷凍システム内で最も重要
な油戻り性が悪くなって冷凍効率の低下あるいは潤滑性
が不良となって圧縮機の焼付き発生等の実用上様々な不
都合が発生し使用に耐えない。またポリグリコール類も
高粘度指数を有する冷凍機油として知られており、例え
ば特公昭57-42119号公報、特公昭61-52880号公報、特開
昭57-51795号公報等に記載されている。しかるにこれら
先行技術に具体的に開示されているポリグリコール油で
はやはりHFC−134aとの相溶性が十分でないため上記
と同じ問題が生じて実用上使用できない。
【0006】また、米国特許 4,755,316号には、HFC
−134aと相溶性のあるポリグリコール系冷凍機油が開示
されている。また、本発明者等は、HFC−134aとの相
溶性が従来公知の冷凍機油と比較して大幅に優れている
ポリグリコール系冷凍機油を先に開発し、既に出願して
いる(特開平 1−256594号公報、同 1−271491号公報
等)。しかしながら、ポリグリコール系油は、水の溶解
性が高く、また電気絶縁性が劣るという問題を有するこ
とが判明した。
【0007】一方、家庭用冷蔵庫等の圧縮機に用いられ
る冷凍機油は、高い電気絶縁性が要求される。公知の冷
凍機油のうち、最も高い絶縁性を有するものはアルキル
ベンゼンや鉱油であるが、前述のようにアルキルベンゼ
ンや鉱油はHFC−134a等の非塩素系フロンとの相溶性
がほとんどない。従って、HFC−134a等の非塩素系フ
ロンとの高い相溶性と、高い絶縁性とを兼ね備えた冷凍
機油は未だ出現していない。
【0008】本発明者等は、上記要求に応え得る冷凍機
油を開発すべく研究を重ねた結果、特定構造を有するエ
ステルがHFC−134a等の非塩素系フロンとの相溶性に
優れ、かつ高い電気絶縁性を有するものであり、さらに
優れた潤滑特性を有することを見出し、本発明を完成す
るに至った。
【0009】本発明は、特定構造を有するエステルを主
成分とするHFC−134a等の非塩素系フロンとの相溶性
に優れ、かつ高い電気絶縁性を有する非塩素系フロン冷
媒用潤滑油を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、ペ
ンタエリスリトールと 2−エチルヘキサン酸および 3,
5,5−トリメチルヘキサン酸の混合物からなるエステル
を主成分とすることを特徴とする非塩素系フロン冷媒用
冷凍機油(但し、フェニルグリシジルエーテル型エポキ
シ化合物、グリシジルエステル型エポキシ化合物、エポ
キシ化脂肪酸モノエステルおよびエポキシ化植物油から
なる群より選ばれる少なくとも1種のエポキシ化合物を
含有する場合を除く)。
【0011】以下、本発明の内容をより詳細に説明す
る。本発明に用いられるペンタエリスリトールエステル
は、ペンタエリスリトールとモノカルボン酸とのエステ
ルであって、通常、ペンタエリスリトールと、 2−エチ
ルヘキサン酸および 3,5,5−トリメチルヘキサン酸の混
合物とを反応させることにより得られる。得られた生成
物を精製して副生成物や未反応物を除去してもよいが、
少量の副生成物や未反応物は、本発明の冷凍機油の優れ
た性能に悪影響を及ぼさない限り、存在していても支障
はない。
【0012】本発明に用いられるペンタエリスリトール
と 2−エチルヘキサン酸および 3,5,5−トリメチルヘキ
サン酸の混合物からなるペンタエリスリトールエステル
は、動粘度は 100℃において 2〜 150 cSt 、好ましく
は 5〜 100 cSt であるのが望ましい。
【0013】本発明の冷凍機油は、上記ペンタエリスリ
トールエステルを単独で用いてもよいが、必要に応じて
他の冷凍機油基油を混合して使用することもできる。こ
の基油として好ましいものとしては、以下のものが例示
できる。 一般式
【0014】
【化1】 [式中、RおよびRは水素または炭素数1〜18の
アルキル基を示し、R は炭素数2〜4のアルキレン基
を示し、aは5〜70の整数を示す]で表されるポリオ
キシアルキレングリコールまたはそのエーテル。 一般式
【0015】
【化2】 [式中、R〜R10は水素または炭素数1〜18のア
ルキル基を示し、R 〜R13は炭素数2〜4のアル
キレン基を示し、b〜dは5〜7の整数を示す]で表さ
れるポリオキシアルキレングリコールグリセロールエー
テル。 一般式
【0016】
【化3】 示し、またR14およびR20は炭素数1〜8のアルキ
レン基、R15およびR 17は炭素数 2〜16のアル
キレン基、R16およびR21は炭素数1〜15のアル
キル基、R18およびR19は炭素数1〜14のアルキ
ル基をそれぞれ示し、さらにeおよびfは0または1の
数を、gは0〜30の整数をそれぞれ示す]で表される
エステル。 一般式
【0017】
【化4】 [式中、R22〜R27は炭素数3〜15のアルキル基
を、R28は炭素数1〜8の2価の炭化水素基を示し、
またhは1〜5の整数を示す]で表されるペンタエリス
リトールジカルボン酸エステル。
【0018】これらの油は単独でも数種類組み合わせて
用いてもよい。なお、パラフィン系およびナフテン系の
鉱油、ポリα−オレフィン、アルキルベンゼン等の油も
混合してよいが、この場合は非塩素系フロン溶媒との相
溶性が落ちる。
【0019】これら他の冷凍機油基油の配合量は、本発
明の冷凍機油の優れた性能を損なわない範囲であれば特
に限定されるものではないが、ペンタエリスリトールと
2−エチルヘキサン酸および3,5,5−トリメチルヘ
キサン酸の混合物からなるエステルの割合が、冷凍機油
全量に対し、通常50重量%超、好ましくは70重量%
以上になるように配合される。
【0020】また、本発明の冷凍機油において、その安
定性をさらに改良するために、フェニルグリシジルエー
テル型エポキシ化合物、グリシジルエステル型エポキシ
化合物、エポキシ化脂肪酸モノエステルおよびエポキシ
化植物油からなる群より選ばれる少なくとも1種のエポ
キシ化合物を配合することができる。ここでいうフェニ
ルグリシジルエーテル型エポキシ化合物としては、フェ
ニルグリシジルエーテルまたはアルキルフェニルグリシ
ジルエーテルが例示できる。ここでいうアルキルフェニ
ルグリシジルエーテルとは、炭素数1〜13のアルキル
基を1〜3個有するものであり、中でも炭素数4〜10
のアルキル基を1個有するもの、例えばブチルフェニル
グリシジルエーテル、ベンチルフェニルグリシジルエー
テル、ヘキシルフェニルグリシジルエーテル、ヘプチル
フェニルグリシジルエーテル、オクチルフェニルグリシ
ジルエーテル、ノニルフェニルグリシジルエーテル、デ
シルフェニルグリシジルエーテルが好ましい。グリシジ
ルエステル型エポキシ化合物としては、フェニルグリシ
ジルエステル、アルキルグリシジルエステル、アルケニ
ルグリシジルエステル等が挙げられ、好ましいものとし
ては、グリシジルベンゾエート、グリシジルアクリレー
ト、グリシジルメタクリレート等が例示できる。
【0021】またエポキシ化脂肪酸モノエステルとして
は、エポキシ化された炭素数12〜20の脂肪酸と炭素
数1〜8のアルコールまたはフェノール、アルキルフェ
ノールとのエステルが例示できる。特にエポキシステア
リン酸のブチル、ヘキシル、ベンジル、シクロヘキシ
ル、メトキシエチル、オクチル、フェニルおよびブチル
フェニルエステルが好ましく用いられる。またエポキシ
化植物油としては、大豆油、アマニ油、綿実油等の植物
油のエポキシ化合物が例示できる。
【0022】本発明の冷凍機油組成物において、その耐
摩耗性、耐荷重性をさらに改良するために、リン酸エス
テル、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステルのアミ
ン塩、塩素化リン酸エステルおよび亜リン酸エステルか
らなる群より選ばれる少なくとも1種のリン化合物を配
合することができる。これらのリン化合物は、リン酸ま
たは亜リン酸とアルカノール、ポリエーテル型アルコー
ルとのエステルあるいはこの誘導体である。具体的に
は、リン酸エステルとしては、トリブチルホスフェー
ト、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェ
ート等が挙げられる。酸性リン酸エステルとしては、ジ
テトラデシルアシッドホスフェート、ジペンタデシルア
シッドホスフェート、ジヘキサデシルアシッドホスフェ
ート、ジヘプタデシルアシッドホスフェート、ジオクタ
デシルアシッドホスフェート等が挙げられる。酸性リン
酸エステルのアミン塩としては、前記酸性リン酸エステ
ルのメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブ
チルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチ
ルアミン、オクチルアミン、ジメチルアミン、ジエチル
アミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチ
ルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオ
クチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、
トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチル
アミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、ト
リオクチルアミン等のアミンとの塩が挙げられる。塩素
化リン酸エステルとしては、トリス・ジクロロプロピル
ホスフェート、トリス・クロロエチルホスフェート、ポ
リオキシアルキレン・ビス[ジ(クロロアルキル)]ホ
スフェート、トリス・クロロフェニルホスフェート等が
挙げられる。亜リン酸エステルとしては、ジブチルホス
ファイト、トリブチルホスファイト、ジペンチルホスフ
ァイト、トリペンチルホスファイト、ジヘキシルホスフ
ァイト、トリヘキシルホスファイト、ジヘプチルホスフ
ァイト、トリヘプチルホスファイト、ジオクチルホスフ
ァイト、トリオクチルホスファイト、ジノニルホスファ
イト、ジデシルホスファイト、ジウンデシルホスファイ
ト、トリウンデシルホスファイト、ジドデシルホスファ
イト、トリドデシルホスファイト、ジフェニルホスファ
イト、トリフェニルホスファイト、ジクレジルホスファ
イェート、トリス・クロロエチルホスフェート、ポリオ
キシアルキレン・ビス[ジ(クロロアルキル)]ホスフ
ェート、トリス・クロロフェニルホスフェート等が挙げ
られる。亜リン酸エステルとしては、ジブチルホスファ
イト、トリブチルホスファイト、ジペンチルホスファイ
ト、トリペンチルホスファイト、ジヘキシルホスファイ
ト、トリヘキシルホスファイト、ジヘプチルホスファイ
ト、トリヘプチルホスファイト、ジオクチルホスファイ
ト、トリオクチルホスファイト、ジノニルホスファイ
ト、ジデシルホスファイト、ジウンデシルホスファイ
ト、トリウンデシルホスファイト、ジドデシルホスファ
イト、トリドデシルホスファイト、ジフェニルホスファ
イト、トリフェニルホスファイト、ジクレジルホスファ
イト、トリクレジルホスファイト等が挙げられる。ま
た、これらの混合物も使用できる。これらのリン化合物
を配合する場合、冷凍機油全量に対し0.1〜5.0重
量%、好ましくは0.2〜2.0重量%の割合で含有せ
しめることが望ましい。
【0023】これらのエポキシ化合物の中でも好ましい
ものは、フェニルグリシジルエーテル型エポキシ化合物
およびエポキシ化脂肪酸モノエステルである。中でもフ
ェニルグリシジルエーテル型エポキシ化合物がより好ま
しく、フェニルグリシジルエーテル、ブチルフェニルグ
リシジルエーテルおよびこれらの混合物が特に好まし
い。これらのエポキシ化合物を配合する場合、冷凍機油
全量に対し0.1〜5.0重量%、好ましくは0.2〜
2.0重量%の割合で含有せしめることが望ましい。ま
た、上記エポキシ化合物とリン化合物を併用してもよい
ことは勿論である。
【0024】さらに本発明における冷凍機油に対して、
その性能をさらに向上させるため、必要に応じて従来よ
り公知の冷凍機油添加剤、例えば、ジ−tert−ブチ
ル−p−クレゾール、ビスフェノールA等のフェノール
系、フェニル−α−ナフチルアミン、N,N−ジ(2−
ナフチル)−p−フェニレンジアミン等のアミン系の酸
化防止剤、ジチオリン酸亜鉛等の摩耗防止剤、塩素化パ
ラフィン、硫黄化合物等の極圧剤、脂肪酸等の油性剤、
シリコーン系等の消泡剤、ベンゾトリアゾール等の金属
不活性化剤等の添加剤を単独で、または数種組み合わせ
て配合することも可能である。これらの添加剤の合計配
合量は、通常、冷凍機油全量に対し、10重量%以下、
好ましくは5重量%以下である。
【0025】本発明のペンタエリスリトールと2−エチ
ルヘキサン酸および3,5,5−トリメチルヘキサン酸
の混合物からなるエステルを主成分とする冷凍機油は、
通常、冷凍機油として使用されている程度の動粘度およ
び流動点を有していればよいが、低温時の冷凍機油の固
化を防ぐためには流動点が−10℃以下、好ましくは−20
℃〜−80℃であることが望ましい。また、圧縮機との密
封性を保つためには100℃における動粘度が 2 cSt 以
上、好ましくは 3 cSt 以上が望ましく、低温における
流動性および気化器における熱交換の効率を考慮する
と、 100℃における動粘度が 150 cSt 以下、好ましく
は 100 cSt 以下であるのが望ましい。
【0026】本発明の冷凍機油は、従来公知の冷凍機油
に比べて非塩素系フロンとの相溶性が大幅に優れてい
る。非塩素系フロンとしては、具体的には1,1,2,2 −テ
トラフルオロエタン(HFC− 134)、1,1,1,2 −テト
ラフルオロエタン(HFC−134a)、 1,1−ジフルオロ
エタン(HFC−152a)、トリフルオロメタン(HFC
−23)等が例示されるが、好ましいものはHFC−134a
である。また、本発明の冷凍機油は、非塩素系フロンと
の高い相溶性、高い電気絶縁性を有するだけでなく、潤
滑性が高く、吸湿性が低い優れた冷凍機油である。
【0027】本発明の冷凍機油は、往復動式や回転式の
圧縮機を有するエアコン、除湿機、冷蔵庫、冷凍庫、冷
凍冷蔵倉庫、自動販売機、ショーケース、化学プラント
等の冷却装置等に特に好ましく使用できるが、遠心式の
圧縮機を有するものにも好ましく使用できる。
【0028】
【実施例】以下、実施例および比較例によって、本発明
の内容を更に具体的に説明する。 実施例、参考例1〜6および比較例1〜6 本実施例、参考例および比較例に用いた冷凍機油を以下
に示す。実施例:ペンタエリスリトール(1mol)と
2−エチルヘキサン酸(2mol)および3,5,5−
トリメチルヘキサン酸(2mol)のテトラエステル。
【0029】参考例1:ペンタエリスリトール(1mol)
と 2−エチルヘキサン酸(4mol)のテトラエステル。
【0030】
【化5】
【0031】参考例2:ペンタエリスリトール( 1mol
)と 3,5,5−トリメチルヘキサン酸(4mol)のテトラ
エステル。
【0032】
【化6】
【0033】参考例3:ジペンタエリスリトール( 1mo
l )とn−ヘキサン酸( 3mol )および 2,4−ジメチル
ペンタン酸( 3mol )のヘキサエステル。
【0034】
【化7】
【0035】参考例4:ジペンタエリスリトール(1mo
l)、 3,5,5−トリメチルヘキサン酸(6mol)のヘキサ
エステル。
【0036】
【化8】
【0037】参考例5:実施例1のエステルを50重量
部、実施例5のエステルを50重量部混合したもの。 参考例6:実施例2のエステルを30重量部、実施例5の
エステルを40重量部および下記のトリペンタエリスリト
ール(1mol)、 3−メチルブタン酸(4mol)および 3−
メチルペンタン酸(4 mol )のオクタエステルを30重量
部混合したもの。
【0038】
【化9】
【0039】比較例1:ナフテン系鉱油( 100℃の動粘
度; 5.2 cSt )。 比較例2:分岐鎖型アルキルベンゼン( 100℃の動粘
度; 5.0 cSt )。 比較例3:ポリオキシプロピレングリコールモノブチル
エーテル( 100℃の動粘度; 5.4 cSt )。 比較例4:ポリオキシプロピレングリコールジメチルエ
ーテル( 100℃の動粘度; 9.5 cSt )。 比較例5:ペンタエリスリトール( 1mol )とn−ノナ
ン酸( 4mol )のテトラエステル。 比較例6:ペンタエリスリトール( 1mol )とヤシ油の
テトラエステル。
【0040】本発明に関わる実施例および参考例1〜6
の冷凍機油の基油の性能評価のためにHFC−134aとの
溶解性、絶縁特性およびファレックス摩耗試験を評価し
た。また、比較のために、従来から冷凍機油に使用され
ている鉱油、アルキルベンゼン、ポリプロピレングリコ
ールモノアルキルエーテルおよびポリプロピレングリコ
ールジアルキルエーテルの試験結果を表1に併記する。
【0041】(HFC−134aとの溶解性)内径 6mm長さ
220mmのガラス管に、実施例、参考例および比較例の試
料油を 0.2g採取し、さらに冷媒(HFC−134a) 1.8
gを採取してガラス管を封入する。このガラス管を所定
の温度の低温槽または高温槽に入れ、冷媒と試料油が相
互に溶解しあっているか、分離または白濁しているかを
観察する。 (絶縁特性)JIS C 2101 に準拠して25℃の試料油
の体積抵抗率を測定した。 (FALEX摩耗試験)ASTM D 2670 に準拠し
て、試料油の温度 100℃、 150lb荷重で、慣らし運転を
1分行なった後に、250lb の荷重の下に 2時間運転し、
テストジャーナルの摩耗量を測定した。 (吸湿性)試料油30gを 300mlビーカーに採り、60℃、
30%湿度に保たれた恒温恒湿槽に7日間静置した後、カ
ールフィッシャー法により水分を測定した。
【0042】
【表1】 表1の実施例が示すとおり、本発明による冷凍機油は、
比較例1〜2および5〜6に比べHFC−134aに対する
冷媒溶解性が非常に優れている。
【0043】比較例5のように酸側のアルキル基がすべ
て直鎖であると溶解性は悪い。また、比較例6のような
従来から潤滑油、冷凍機油等に使用されているペンタエ
リスリトールと天然油脂とのテトラエステルも冷媒の溶
解性が悪い。
【0044】比較例3〜4に示すようにポリアルキレン
グリコールは冷媒溶解性は優れているものの絶縁特性が
悪く密閉型のコンプレッサーには使用できない。また、
比較例3〜4に示すアルキレングリコール類は、実施例
の 5〜10倍の水分吸湿量があり、電気絶縁性、アイスチ
ョーク、耐摩耗性、安定性等の点で実施例よりも劣る。
【0045】また、ファレックスによる摩耗試験におい
ても実施例は、比較例3〜4に比べて同等ないしはそれ
以上であることがわかる。
【0046】
【発明の効果】以上の説明と実施例によって明らかなよ
うに、この発明の冷凍機油は、水素含有フロン用冷凍機
における使用に適当するものであり、密閉型コンプレッ
サーに不可欠な電気絶縁性に優れていると共に耐摩耗
性、非吸湿性も優れた冷凍機油である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 達之 神奈川県横浜市中区千鳥町8番地日本石 油株式会社中央技術研究所内 (56)参考文献 特開 平3−200895(JP,A) 特開 平11−315293(JP,A) 特開 平3−227397(JP,A) 特開 平3−88892(JP,A) 特開 平3−128992(JP,A) 特開 昭54−64264(JP,A) 特開 昭56−131548(JP,A) 特表 平3−505602(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C10M 105/32 C10N 40:30 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ペンタエリスリトールと 2−エチルヘキ
    サン酸および 3,5,5−トリメチルヘキサン酸の混合物か
    らなるエステルを主成分とすることを特徴とする非塩素
    系フロン冷媒用冷凍機油(但し、フェニルグリシジルエ
    ーテル型エポキシ化合物、グリシジルエステル型エポキ
    シ化合物、エポキシ化脂肪酸モノエステルおよびエポキ
    シ化植物油からなる群より選ばれる少なくとも1種のエ
    ポキシ化合物を含有する場合を除く)。
  2. 【請求項2】 前記ペンタエリスリトールと 2−エチル
    ヘキサン酸および3,5,5−トリメチルヘキサン酸の混合
    物からなるエステルを基油とする請求項1に記載の非塩
    素系フロン冷媒用冷凍機油。
  3. 【請求項3】 冷凍機油全量に対し、リン酸エステル、
    酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステルのアミン塩、
    塩素化リン酸エステルおよび亜リン酸エステルからなる
    群より選ばれる少なくとも 1種のリン化合物 0.1〜 5.0
    重量%を必須成分として含有する請求項1または2に記
    載の非塩素系フロン冷媒用冷凍機油。
  4. 【請求項4】 前記エステルの 100℃における動粘度が
    2〜 150 cSt であることを特徴とする請求項1〜3の
    いずれか1項に記載の非塩素系フロン冷媒用冷凍機油
  5. 【請求項5】 前記エステルの25℃における体積抵抗
    率が4x10 14 Ωcm以上であることを特徴とする請求項
    1〜4のいずれか1項に記載の非塩素系フロン冷媒用冷
    凍機油
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