JP3143595U - 感染症防護服 - Google Patents

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Abstract

【課題】身体への装着又は脱衣が容易で、簡易的でありながら感染源からの感染を確実に防ぐと共に、廃棄時には表面に付着したウィルス等の汚染物質が周囲に飛散することを防いで確実に二次感染を防ぎ、しかも、広告や宣伝媒体としても活用でき得る感染症防護服を提供する。
【解決手段】防水性、非透過性などの特性を有する素材で形成したガウン形態の防護服本体1の内側前方位置に廃棄時の防護服本体1を収納するための収納袋部10を取付ける。この収納袋部10の内面と外面の双方に結束バンド13、14を取付けた感染症防護服である。
【選択図】図2

Description

本考案は、主に、患者などの感染源と直接接触することの少ない医療事務、清掃員などによって使用される新型インフルエンザ、鳥インフルエンザなどの感染症対策用防護服であって、特に、ウィルス、バクテリアなどの感染から人体を保護するためのディスポーザブルタイプの感染症防護服に関する。
一般に防護服には、化学薬品、粉塵や有害薬品などの環境下で装着するものと、インフルエンザなどの感染症対策用の防護服とがある。後者の感染症防護服は、ウィルスなどの感染から人体を守るための防護服であるため、ウィルス、バクテリアなどの微細病原菌からの二次感染を完全に防止し、汚染拡大防止のための防護服であることが必要である。
この場合、感染源と直接接触することのない、一般的にノンメディカルスタッフと呼ばれる医療事務、清掃員などための防護服として、着脱が容易で低コストの簡易的な感染症防護服がある。
従来より、提案されている一般的な防護服としては、例えば、特許文献1に示された防護服がある。同文献1は、農薬、粉塵または放射性物質などが存在する条件下で使用される防護服である。この防護服は、頭部収容部と上半身収容部と腕収容部とを有し、上方から上半身を覆うように着衣するものである。
また、特許文献2には、医療行為で着用される防護ガウンが開示されている。この防護ガウンは、前身頃と右側身頃とを有し、背開きになるように構成されたものである。着用者は、この防護ガウンを引張ることで脱衣し、その結果、感染患者や感染物に触れた後の手を顔に近づけることの無いようにしようとしたものである。
実開昭63−189266号公報 特許第3689864号公報
しかしながら、特許文献1は、頭部をはじめ人体を密封状態に被覆して、防護服内に浄化空気を供給するものであるため、感染症防護服には不適なものである。また、この防護服は、ディスポーザブルで簡易的なものでもなく、廃棄時において、生地表面にウィルスが付着した使い捨ての防護服に対して、感染の拡大を配慮したものではない。
また、特許文献2は、着用者への感染の危険性を避けるようとはしているものの、同文献1と同様に廃棄時のことが考慮されていない。この防護ガウンは、脱衣後にそのまま廃棄すると、生地表面のウィルス等が周囲に飛散して感染に至る危険性が極めて高くなっている。
本考案は、上記の実情に鑑みて、鋭意検討の結果、開発に至ったものであり、その目的とするところは、身体への装着又は脱衣が容易で、簡易的でありながら感染源からの感染を確実に防ぐと共に、廃棄時には表面に付着したウィルス等の汚染物質が周囲に飛散することを防いで確実に二次感染を防ぎ、しかも、広告や宣伝媒体としても活用でき得る感染症防護服を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に係る考案は、防水性、非透過性などの特性を有する素材で形成したガウン形態の防護服本体の内側位置に廃棄時の防護服本体を収納するための収納袋部を取付け、この収納袋部の内面と外面の双方に結束バンドを取付けた感染症防護服である。
請求項2に係る考案は、防護服本体1の首元位置の前方端部に両面接着テープを取付けた感染症防護服である。
請求項3に係る考案は、結束バンドは、環状のゴム紐であり、収納袋部の内面底部と外面底部に取付けた感染症防護服である。
請求項4に係る考案は、防護服本体の表面の適宜位置に、企業広告などを入れる広告・宣伝媒体を表示した表示部を施した感染症防護服である。
請求項1に係る考案によると、身体への装着又は脱衣が容易で、簡易的でありながら感染源からの感染を確実に防ぎ、廃棄時には表面に付着しているおそれのあるウィルス等の汚染物質を周囲に飛散することなく廃棄して二次感染による汚染の拡大を確実に防止できる感染症防護服である。
請求項2に係る考案によると、防護服の首元部位を両面接着テープにより塞いだ状態で装着できるので、首元からのウィルスの侵入を確実に防ぐことが可能となり、着用者の身体にフィットした位置で装着でき、しかも首元が安定するため、着用時の装着感を高めることができる感染症防護服である。
請求項3に係る考案によると、防護服の裏側を表にしながら脱衣して、そのまま収納袋部に収納してゴムバンドで結束でき、ウィルスなどが付着したおそれのある表側に触れることなく廃棄することができ、廃棄時に極めて便利な感染症防護服である。
請求項4に係る考案によると、防護服に企業広告などを入れることで広告宣伝機能を発揮させることもできる感染症防護服である。
本考案における感染症防護服の好ましい実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、感染症防護服を着用者が装着した状態を示す概略正面図である。
図1において、防護服本体1は、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の適宜の合成樹脂で不織布状に成形され、ラミネート加工などを施して、防水性、非透過性並びに撥水性などの特性を有する素材で形成されている。
また、この防護服本体1は、胴部2と腕部3とを有するガウン形態を呈している。
胴部2は、背部4、右前部5、左前部6からなり、防護服本体1は、図2に示すように、背部4に対して右前部5と左前部6とが前開きの態様となっている。この胴部2には、首元部7から左前部6の端部6aにかけて縁取り部8が設けられている。この縁取り部8には着色するようにしてもよい。
また、胴部2において、防護服本体1の内側位置である右前部5の内側には、収納袋部10が取付けられている。
収納袋部10は、防護服本体1と同一材料により不織布状に形成され、かつ、同一の加工が施されている。図3に示すように、収納袋部10は、上方に開口部11を有し、この上方の一辺側が延長されて折返し片12が形成され、また、収納袋部10の内面側と外面側の双方には環状のゴム紐である結束バンド13、14が取付けられている。結束バンド13又は14は、収納袋部10の内面底部15と外面底部16の中央付近にそれぞれ設けられ、後述するように、防護服本体1を収納袋部10に収納した後に、収納袋部10の外周を結束できるようになっている。
収納袋部10は、折返し片12と対向する上方縁部位の固着部17において防護服本体1の内側に固着され、この固着部17の他方側である結束バンド13取付け側は自由な状態になっている。このため、収納袋部10は、内面底部15を折返しの中心として裏返しにでき、この場合にも袋状の状態を維持し、かつ、裏返しにより表面側に表れた外面底部16の中央付近に結束バンド14が露出した状態になる。
図2に示すように、右前部5の端部5a側には適宜の長さの前紐20が取付けられる。図において、前紐20は2本としているが、特にその数に拘ることはない。
一方、左前部6の内側には環状紐21が取付けられる。環状紐21は、右前部5を左前部6内に納めた状態で前紐20が対応する位置に設けられる。このため、前紐20は、環状紐21に結びつけることができるようになっている。
また、左前部6の端部6aの首元付近には、両面接着テープ22が取付けられている。左前部6は、この両面接着テープ22により、右前部5に接着可能になっている。
更に、左前部6の表面の適宜位置には、表示部23が設けられている。本実施形態において、表示部23は、左前部6の表面側に取付けたポケット部24の前面24aに施され、表示部23は、企業広告などを入れる広告・宣伝媒体を表示している。
一方、背部4においては、腰紐25が設けられる。腰紐25は、長尺状に設けられ、中央付近が背部4の所定位置に取付けられる。
左右の腕部3は、着用者が腕を装入可能に形成され、この腕部3の袖口はゴム付き袖口26となっている。また、前述した首元部7にはゴム付き締付け部27が設けられている。
図1において、キャップ30、ゴーグル31、マスク32、手袋33、シューズカバー34は、防護服本体1と共に身体に装着するための防護用品35である。図示しないが、手袋33は、インナー手袋とアウター手袋とからなり、また、シューズカバー34は、インナーシューズカバーとアウターシューズカバーとからなっている。
続いて、本考案における上記実施形態の感染症防護服の装着及び脱衣の一例について、防護用品の装着・脱衣と共に説明する。
先ず、着用者は、図示しないインナーとシューズとを適宜着用し、シューズの上からインナーシューズカバーを装着し、また、インナー手袋、マスク32、キャップ30、ゴーグル31を身体に装着する。
次に、着用者は、防護服本体1の右前部5、左前部6を広げ、左右の腕部3に腕を通し、前紐20を環状紐21に結びつけて、右前部5の端部5a側を左前部6の内側に位置決めする。腕部3に腕を通したときには、着用者の袖口がゴム付き袖口26によって締付けられ、ウィルスの浸入が防がれる。次いで、首元部7の位置を着用者の首元に合わせ、両面接着テープ22により右前部5と左前部6の上部とを接着する。このとき、ゴム付き締付け部27により首元を締付けた状態にし、両面接着テープ22で接着していることで首元からのウィルスの浸入が防がれる。
着用者は、この状態で腰紐25を前方まで回し、この腰紐25同士を結びつける。最後にアウター手袋を装着し、また、必要に応じてアウターシューズカバーを装着する。
このように、防護服本体1がガウン形態であることにより、着用者は、衣類を脱ぐことなく簡単にこの防護服本体1を装着することができる。
一方、防護服本体1を脱衣する場合には、着用者は、先ず、防護服本体1、及び、防護用品35に対してアルコール液を噴霧して消毒をおこなった後に、アウター手袋、アウターシューズカバーを内側に丸め込むようにしながら外し、図示しない感染症廃棄物用のゴミ袋に廃棄する。
次いで、着用者は、両面接着テープ22を剥がして右前部5と左前部6との接着部分を離間させると共に、腰紐25を緩めるか、或は、図示しないはさみで切断して前面側を開放し、更に、前紐20を緩めるか、或は、はさみで切断して右前部5の端部5a側と左前部6の内側とを開放する。
着用者は、この状態で防護服本体1の外面に手が触れないように内側をつかみながら防護服本体1を裏返すようにして腕部3から片腕ずつ抜き、防護服本体1の内側を表面側にして外側を包み込むようにして脱ぐと共に、収納袋部10の内方側にこの包み込み状態の防護服本体1を収納する。
次に、折返し片12を折り返して収納袋部10の開口部分を覆った状態にして、結束バンド13によって収納袋部10の外方より結束し、図4の状態に包装する。
このとき、収納袋部10は、固着部17の他方側が自由な状態で取付けられていることにより、この収納袋部10を裏返して内部に防護服本体1を収納することもできる。すなわち、着用者は、防護服本体1を上記と同様にして脱いだ後、収納袋部10の内側に手を入れ、収納袋部10を裏返しながら小さく包み込んだ防護服本体1に被せることにより、防護服本体1を収納袋部10に押し込みながら収納する必要がなく、防護服本体1への手の接触を最小限に抑えながら収納できる。
しかも、結束バンド13、14を収納袋部10の内面底部15と外面底部16の双方に設けていることで、収納袋部10を裏返した場合であっても、それまで内面側にあった結束バンド14が外面側になり、更には、折返し片12を前記の場合と逆方向に折り返すことで開口部11分を覆った状態で結束バンド14で結束可能となる。このように、着用者は、収納時に収納袋部10の表面と裏面とを全く気にすることなくリバーシブルに利用でき、廃棄時の収納に極めて便利である。
上述したように、着用者は、防護服本体1の表面側に触れることなく脱衣できると共に、感染部分を内側に包み込んだ状態で収納袋部10に収納して結束バンド13又は14で固定しているので、周囲にウィルス等の汚染物質が飛散することが防がれ、二次感染が防止される。
なお、続いて、着用者は、防護服本体1の脱衣後に、インナー手袋、キャップ30、ゴーグル31、マスク32を外し、感染症廃棄物用のゴミ袋に廃棄すればよい。
本考案における感染症防護服の装着状態の一例を示した概略正面図である。 図1の感染症防護服の概略正面図である。 収納袋部10を示した概略図である。(a)は、収納袋部10の概略斜視図である。(b)は、収納袋部10の概略断面図である。(c)は、収納袋部10に防護服本体1を収納した状態を示した断面図である。 収納袋部10の拡大正面図である。
符号の説明
1 防護服本体
7 首元部
10 収納袋部
13、14 結束バンド
15 内面底部
16 外面底部
22 両面接着テープ
23 表示部

Claims (4)

  1. 防水性、非透過性などの特性を有する素材で形成したガウン形態の防護服本体の内側位置に廃棄時の防護服本体を収納するための収納袋部を取付け、この収納袋部の内面と外面の双方に結束バンドを取付けたことを特徴とする感染症防護服。
  2. 前記防護服本体の首元位置の前方端部に両面接着テープを取付けた請求項1又は2に記載の感染症防護服。
  3. 請求項1における結束バンドは、環状のゴム紐であり、前記収納袋部の内面底部と外面底部に取付けた感染症防護服。
  4. 前記防護服本体の表面の適宜位置に、企業広告などを入れる広告・宣伝媒体を表示した表示部を施した請求項1乃至3の何れか1項に記載の感染症防護服。
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