JP3143587B2

JP3143587B2 - 混合器機能付き通信用保安器

Info

Publication number: JP3143587B2
Application number: JP08157607A
Authority: JP
Inventors: 忠芳三澤; 実露木; 実長久
Original assignee: 目黒電機製造株式会社
Priority date: 1996-05-29
Filing date: 1996-05-29
Publication date: 2001-03-07
Anticipated expiration: 2016-05-29
Also published as: JPH09322140A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、無線通信、電話あ
るいはＣＡＴＶ等の有線通信における受信設備に関し、
特に複数の受信設備からの信号を混合して端末器側に送
り出す混合器機能付き通信用保安器に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年の通信技術の発達、通信サービスの
普及により、各家庭内へ設置される通信端末（例えば、
電話、テレビ又はパーソナルコンピュータ等）に対する
通信方法が多様化している。例えば、テレビジョン放送
の配信においては、従来からのＶＨＦ及びＵＨＦの無線
通信に加え、静止衛星を利用した衛星通信やＣＡＴＶが
普及し、一つのテレビジョンに対する複数の通信方法に
よる映像配信が可能である。

【０００３】このような場合、一つの通信端末を複数の
受信設備、すなわち無線通信における受信アンテナや有
線通信における幹線ケーブルから分岐された引き込み線
路に接続するために、混合器が設置される。この混合器
は、複数の受信設備によりそれぞれ受信される信号のう
ち必要な周波数帯域の信号のみを通過させるフィルタを
備えており、一つの出力端子から通信端末側に干渉なく
これらの信号を出力するものである。

【０００４】一方、一般に上記受信アンテナや引き込み
線路と上記混合器との間には、通信用保安器が設置され
ている。通信用保安器は、落雷等によるサージ電圧や漏
電を防いで通信端末を保護するためのものである。そし
て従来、これら混合器と通信用保安器とは、互いに別個
のものとして、何ら関連なく別個に取り付けられてい
た。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の混
合器や通信用保安器は、互いに別個に取り付ける必要が
あったため、広い設置スペースを有する点や、両装置を
それぞれに取り付けなければならず作業性が悪いという
点が指摘されていた。

【０００６】そこで本発明の目的は、上記従来の課題を
解決するために、保安器に混合器の機能を組み込むこと
により装置の小型化を図り、また設置作業性を改善する
ことができる混合器機能付き通信用保安器を提供するこ
とである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明の混合器機能付き通信用保安器は、第１の入力側
端子と出力側端子との間に設けられた第１のフィルタ回
路と、第２の入力側端子と上記出力側端子との間に設け
られた第２のフィルタ回路と、上記第１の入力側端子と
上記出力側端子との間、又は上記第２の入力側端子と上
記出力側端子との間の少なくとも一方に設けられた避雷
回路とからなることを特徴として構成されている。

【０００８】また、請求項２記載の本発明は、請求項１
記載の発明において、上記第１の入力側端子と出力側端
子との間又は第２の入力側端子と出力側端子との間の少
なくとも一方に、上記出力側端子からの電源供給を可能
にする電流通過回路を備えたことを特徴として構成され
ている。

【０００９】さらに、請求項３記載の本発明は、請求項
１又は２記載の発明において、上記第２の入力側端子と
上記出力側端子をコンデンサを介して接地したことを特
徴として構成されている。

【００１０】さらにまた、請求項４記載の本発明は、請
求項１、２又は３記載の発明において、上記第１のフィ
ルタ回路及び上記第２のフィルタ回路をそれぞれユニッ
ト化し取り外し可能としたことを特徴として構成されて
いる。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の混合器機能付き通
信用保安器の一実施形態を図面に沿って説明する。な
お、本実施形態は、本発明をＣＡＴＶ及び衛星放送の受
信システムに用いられるＵＶ−ＢＳ混合器に適用したも
のであるが、本発明はこれ以外にも、ＵＨＦ−ＶＨＦ混
合器、ＵＶ−ＣＳ混合器、電話、テレビあるいはパーソ
ナルコンピュータ等の混合器として広く適用されてよい
ものである。

【００１２】図１は本発明に係る混合器機能付き通信用
保安器を含むテレビジョン放送受信システムの全体構成
図を示している。図に示す受信システムは、１台のハイ
ビジョン受信機に対し、放送衛星を使った放送（ＢＳ放
送）及びＣＡＴＶ放送を配信するシステムである。本シ
ステムにおいて、ＣＡＴＶ分配器１５とＢＳアンテナ１
６からの信号は、宅外に設置された本発明に係る混合器
機能付き通信用保安器（以下、保安器１０）に入力され
る。保安器１０ではこれら信号が干渉し合わないように
混合され、室内ケーブル１７を介して宅内に送られる。
室内ケーブル１７からの混合された信号は、宅内に設置
された分波器１８で、それぞれの信号に分波される。Ｂ
Ｓ放送信号はＢＳ入力端子からハイビジョン受信機１９
へ入力され、ＣＡＴＶ放送信号はＣＡＴＶホームターミ
ナル２０でデコードされてからハイビジョン受信機１９
へ入力される。なお、図中２１は、ＢＳコンバータであ
り、ＢＳアンテナ１６により受信された信号を、１２Ｇ
Ｈｚ帯から１ＧＨｚ帯に変換し、保安器１０側へ出力す
るものである。なお、上記構成はハイビジョン以外の通
常のテレビ受信機においても同様であり、本発明に係る
混合器機能付き通信用保安器は、通常のテレビ受信機に
よる受信システムにおいても用いられる。

【００１３】図２は本発明に係る混合器機能付き通信用
保安器の第１の実施形態に係る回路構成図である。図に
おいて保安器１０は、２つの入力端子１、２及び１つの
出力端子３を有している。第１の入力端子１には、ＣＡ
ＴＶ分配器１５からの同軸ケーブルが接続され、第２の
入力端子２には、ＢＳアンテナ１６からの同軸ケーブル
が接続される。

【００１４】上記第１の入力端子１と出力端子３との間
の線路１１には、第１のフィルタ４が設けられている。
第１のフィルタ４は、ＣＡＴＶ放送の周波数帯域の信号
のみを通過させるものである。この場合に、約７０ＭＨ
ｚ〜７７０ＭＨｚの周波数帯域の信号のみを通過させる
ローパスフィルタによって、第１のフィルタ４を構成す
ることができる。第１のフィルタ４と第１の入力端子１
との間には、カップリングコンデンサＣ１が設けられて
いる。カップリングコンデンサＣ１は、第１の入力端子
１側からの高圧直流成分、すなわちノイズをカットし、
歪みの少ない出力波形を形成するためのものである。

【００１５】一方、第２の入力端子２と出力端子３との
間の線路１２には、第２のフィルタ５が設けられてい
る。第２のフィルタ５は、ＢＳ放送の周波数帯域の信号
のみを通過させるもので、この場合に約１０３５ＭＨｚ
〜１３３５ＭＨｚの周波数帯域の信号のみを通過させる
ハイパスフィルタによってこれを構成することができ
る。第２のフィルタ５と第２の入力端子との間には、信
号中のノイズをカットするためにカップリングコンデン
サＣ２が備えられている。

【００１６】上記第１のフィルタ４と第２のフィルタ５
の出力側は、カップリングコンデンサＣ３を介して出力
端子３に接続されている。したがって、第１のフィルタ
４を通過したＣＡＴＶ放送用の信号と、第２のフィルタ
５を通過したＢＳ放送用の信号は、重畳されて出力端子
３からハイビジョン受信機側に送られる。ここで、カッ
プリングコンデンサＣ３は、出力端子３側からの高圧直
流成分をカットするためのものである。

【００１７】さらに上記保安器１０は、線路１１におけ
る第１の入力端子１とカップリングコンデンサＣ１との
間に避雷回路６を有する。避雷回路６は、アレスタ６ａ
の一端を接地して構成され、落雷等のサージ電圧が保安
器１０に加わった場合に該電圧を遮断し接地に放流し
て、出力端子３側に接続された受信機を保護するもので
ある。本発明においては、上記アレスタ６ａと並列にチ
ョークコイルを備えて避雷回路を構成してもよく、また
アレスタ６ａに代えて、ヒューズを用いることもでき、
要するにサージ電圧を遮断するよう機能するあらゆる手
段を、避雷回路として設置することができる。

【００１８】上記実施形態においては、上記避雷回路６
をＣＡＴＶ信号を入力する第１の入力端子１側のみに設
け、ＢＳ信号を入力する第２の入力端子２側には設けて
いない。これは、ＣＡＴＶ側は有線経路が長く、サージ
電圧が該線路に乗り易いのに対して、ＢＳ側は有線経路
が短く、サージ電圧が問題になることは少ないからであ
る。もっとも、ＢＳ側、すなわち第２の入力端子２とカ
ップリングコンデンサＣ２との間にも、上記避雷回路を
設けて本発明を構成することもできる。

【００１９】次に本発明の第２の実施形態に係る混合器
機能付き通信用保安器について説明する。図３は第２の
実施形態における混合器機能付き通信用保安器の回路構
成図である。本実施形態における保安器は、先の実施形
態における保安器に、さらに電流通過回路７を付加して
構成されるものである。

【００２０】電流通過回路７は、第２のフィルタ５を設
けた線路１２と並列に、第２の入力端子２と出力端子３
との間に設けられている。電流通過回路７は、ＢＳアン
テナに接続されたＢＳコンバータ（図１における符号２
１）に、出力端子３側から電源を供給するためのもので
ある。本実施形態において、直列接続された２つのコイ
ルＬ１、Ｌ２、及び２つのコンデンサＣ４，Ｃ５により
電流通過回路７が構成され、出力端子３から１５Ｖの直
流電圧が第２の入力端子側に与えられる。

【００２１】本実施形態においては、避雷回路６を第１
の入力端子１側だけでなく、第２の入力端子２側にも設
けてある。この場合に、第２の入力端子側の避雷回路６
は、上記電流通過回路７を通して与えられる直流１５Ｖ
の電圧で遮断されないように、その遮断電圧を設定する
必要がある。本実施例では直流放電開始電圧９０Ｖ〜２
３０Ｖのアレスタを使用した。また、上記実施形態にお
いては第２の入力端子２側にのみ電源を供給可能なよう
に電流通過回路７を接続してあるが、第１の入力端子１
側に接続された機器に対しても出力端子３側からの給電
が可能となるように本発明を構成することもできる。こ
の場合は、上記電流通過回路７と同様のものを第１のフ
ィルタ４の設けられた線路１１と並列して、第１の入力
端子１と出力端子３との間に設ければよい。

【００２２】次に、図４は本発明の第３の実施形態に係
る混合器機能付き通信用保安器を示す回路構成図であ
る。本実施形態における保安器は、第２の実施形態にお
ける保安器に、さらに絶縁回路８を付加して構成された
ものである。絶縁回路８は、複数のバイパスコンデンサ
Ｃ６を並列に複数個設けてなるもので、第２の入力端子
２、出力端子３及び電流通過回路７は、この絶縁回路８
を介してアース側、すなわち装置筐体側に接地される。
絶縁回路８を設けることにより、回路の筐体に対する絶
縁が確実になり、ノイズ等の影響を受け難くなる。この
場合に第２の入力端子２及び出力端子３のみを絶縁回路
８によって絶縁すればよく、電流通過回路７は第２の実
施形態の場合のように、そのコンデンサＣ４及びＣ５を
直接接地させる構成とすることもできる。また、絶縁回
路８を構成するバイパスコンデンサＣ６の個数は、図に
示したものに限らず任意の個数とすることができる。バ
イパスコンデンサＣ６としては、ディスクタイプ及びリ
ングタイプ（貫通形）のどちらのタイプを用いてもよ
い。

【００２３】上記各実施形態において、第１のフィルタ
４及び第２のフィルタ５は、その通過させるべき周波数
帯域に応じてハイパスフィルタ、ローパスフィルタ及び
バンドパスフィルタを選択的に用いることができる。ま
た、これらのフィルタは、モールド封止されたディップ
タイプや、コイル及びコンデンサの部品組み合わせによ
るディスクリートタイプでもよく、さらにディスクリー
トタイプの場合に基板上パターンの幅やギャップによ
り、そのコイルの特性を得るようにしたものであっても
よい。また、図５に示すように第１のフィルタ４と第２
のフィルタ５の機能を一体化させた一つのフィルタ９を
用いて、本発明に係る保安器を構成することもできる。

【００２４】さらに、上記第１のフィルタ及び第２のフ
ィルタをユニット化し、保安器に対して取り外し可能に
構成することもできる。図６及び図７は、ユニット化さ
れた第１のフィルタ及び第２のフィルタを備えた本発明
の保安器の実施形態を示す図である。第１のフィルタ
（以下、第１フィルタユニット１３）及び第２のフィル
タ（第２フィルタユニット１４）は、そのフィルタとし
ての機能を内部に備えたユニットであり、保安器１０に
おける線路１１、１２に対し着脱・交換可能に接続され
る。

【００２５】すなわち図７に示すように、第１フィルタ
ユニット１３の下面には、接続端子１３ａ、１３ｂが備
えられている。一方、線路１１上には上記接続端子１３
ａ、１３ｂを挿入するための接続端子１１ａ、１１ｂが
備えられている。第１フィルタユニット１３は、その接
続端子１３ａ、１３ｂを接続端子１１ａ、１１ｂに挿入
してこれらを接続することにより、保安器１０内に設置
され使用可能となる。なお、第２フィルタユニット１４
も上記第１フィルタユニット１３の場合と同様にして、
線路１２上に着脱・交換可能に取り付けられる。この場
合に、両フィルタユニット及びその接続端子の規格を共
通化することが好ましく、これによって両フィルタユニ
ットの取付け位置を入れ替えることも可能となる。

【００２６】このようにフィルタをユニット化し、接続
端子によって保安器側に対して着脱自在に構成すること
により、該保安器が使用される受信システムに合わせ
て、上記フィルタを容易に交換することができ、また故
障等の際の部品交換も容易である。なお、保安器上の線
路に対する各フィルタユニットの取付け構造は、上記の
ものに限定されず、フィルタユニットを着脱可能にする
既存の種々の取付け形態が採用されるものである。

【００２７】以上、本発明混合器機能付き通信用保安器
のいくつかの実施形態を図面に沿って説明したが、本発
明は上記実施形態において示された保安器に限定されず
に、さらに種々の形態及び構造の保安器に適用しうるも
のである。例えば、上記第２の実施形態において示され
た電流通過回路を備えた保安器及び第３の実施形態に示
された絶縁回路を備えた保安器においても、第１及び第
２のフィルタをユニット化して保安器内に実装する構成
を取ることもできる。また、第３の実施形態において
は、電流通過回路を備えた保安器に対して絶縁回路を設
置しているが、電流通過回路を備えない保安器に対して
も本絶縁回路を設置することができる。さらに本発明
は、上記実施形態に示したテレビジョン受信システムに
おける保安器に限らず、複数の受信信号を重畳して一つ
の出力信号として与える保安器に広く適用し得るもので
ある。

【００２８】

【発明の効果】以上の如く本発明は、第１の入力側端子
と出力側端子との間に設けられた第１のフィルタ回路
と、第２の入力側端子と上記出力側端子との間に設けら
れた第２のフィルタ回路と、上記第１の入力側端子と上
記出力側端子との間、又は上記第２の入力側端子と上記
出力側端子との間の少なくとも一方に設けられた避雷回
路とで保安器を構成することにより、混合器と保安器と
を別途取り付ける必要がなくなり、設置作業が容易にな
ると共に、混合器と保安器とを設置するスペースが確保
できない環境においても、これを設置することができる
という効果がある。

【００２９】また、電流通過回路を備えた混合器機能付
き通信用保安器においては、上記効果に加えて、出力側
端子から入力側端子への電源供給が可能となり、ＢＳコ
ンバータ等の電源を必要とする機器を含む受信システム
において、本保安器を利用することができる。

【００３０】さらに、第２の入力側端子と上記出力側端
子をコンデンサを介して接地した混合器機能付き通信用
保安器においては、さらに、回路の絶縁が確実になり、
ノイズ等の影響を受け難くなるという効果がある。

【００３１】さらに、第１のフィルタ回路及び第２のフ
ィルタ回路をそれぞれユニット化し取り外し可能とした
ことにより、該保安器が使用される受信システムに合わ
せて、該フィルタを容易に交換することができ、また故
障等の際の部品交換も容易となるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る混合器機能付き通信用保安器を含
むテレビジョン放送受信システムの全体構成図である。

【図２】本発明に係る混合器機能付き通信用保安器の第
１の実施形態に係る回路構成図である。

【図３】電流通過回路を備えた第２の実施形態における
混合器機能付き通信用保安器の回路構成図である。

【図４】絶縁回路を備えた本発明の第３の実施形態に係
る混合器機能付き通信用保安器を示す回路構成図であ
る。

【図５】一体化されたフィルタを用いた場合の第１の実
施形態に対応する回路構成図である。

【図６】ユニット化された第１のフィルタ及び第２のフ
ィルタを備えた本発明の実施形態を示す回路構成図であ
る。

【図７】フィルタユニットと接続端子との接続構造を示
す分解斜視図である。

【符号の説明】

１第１の入力端子２第２の入力端子３出力端子４第１のフィルタ５第２のフィルタ６避雷回路６ａアレスタ７電流通過回路８絶縁回路９フィルタ１０混合器機能付き通信用保安器１１第１の入力側線路１１ａ、１１ｂ接続端子１２第２の入力側線路１３第１フィルタユニット１３ａ、１３ｂ接続端子１４第２フィルタユニット１５ＣＡＴＶ幹線１６ＢＳアンテナ１７同軸ケーブル１８分波器１９ハイビジョン受信機２０ＣＡＴＶホームターミナル２１ＢＳコンバータ

フロントページの続き (56)参考文献特開平７−107057（ＪＰ，Ａ) 特開平６−120852（ＪＰ，Ａ) 特開平７−131386（ＪＰ，Ａ) 実開平５−18179（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) H04N 7/10 H04N 7/14 - 7/173 H04N 7/20 - 7/22

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】第１の入力側端子と出力側端子との間に
設けられた第１のフィルタ回路と、第２の入力側端子と
上記出力側端子との間に設けられた第２のフィルタ回路
と、上記第１の入力側端子と上記出力側端子との間、又
は上記第２の入力側端子と上記出力側端子との間の少な
くとも一方に設けられた避雷回路とからなることを特徴
とする混合器機能付き通信用保安器。
【請求項２】上記第１の入力側端子と出力側端子との
間又は第２の入力側端子と出力側端子との間の少なくと
も一方に、上記出力側端子からの電源供給を可能にする
電流通過回路を備えたことを特徴とする請求項１記載の
混合器機能付き通信用保安器。
【請求項３】上記第２の入力側端子と上記出力側端子
をコンデンサを介して接地したことを特徴とする請求項
１又は２記載の混合器機能付き通信用保安器。
【請求項４】上記第１のフィルタ回路及び上記第２の
フィルタ回路をそれぞれユニット化し取り外し可能とし
たことを特徴とする請求項１、２又は３記載の混合器機
能付き通信用保安器。