JP3140567B2 - ポリオキシメチレン組成物 - Google Patents

ポリオキシメチレン組成物

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JP3140567B2 JP20137092A JP20137092A JP3140567B2 JP 3140567 B2 JP3140567 B2 JP 3140567B2 JP 20137092 A JP20137092 A JP 20137092A JP 20137092 A JP20137092 A JP 20137092A JP 3140567 B2 JP3140567 B2 JP 3140567B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属ワイヤーとの摺動
に代表されるような金属に対する良好な摺動性を保持し
ながら、金型付着物の発生や変色が改良されたポリオキ
シメチレン組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】周知の
如く、ポリオキシメチレン樹脂は、機械的性質、電気的
特性などの物理的特性、或いは耐薬品性、耐熱性などの
化学的特性が優れた代表的なエンジニアリング樹脂とし
て、近年極めて広汎な分野において利用されている。し
かしポリオキシメチレン樹脂の利用される分野の拡大に
伴い、その材料に要求される性質も多岐に細分化されて
きている。このような性質の一つとして摺動性が挙げら
れる。即ち、オーディオ、ビデオなどの家庭用電気製
品、テープカセットなどのソフト、自動車用動力伝達部
品などに用いられる各種ギヤ、カム、レバー、軸受けな
どの部品の分野においては、部品同士の摩擦発熱(温度
上昇)による伝達トルクの低下や熱変形、摩耗粉による
系内の汚染や誤動作の誘発、また、摩擦摩耗を原因とし
て発生する異音や振動を防止することが重要な問題の1
つといえる。従来、これらの問題は、例えば部品にグリ
ースを塗布することで回避するのが一般的であった。し
かし、近年省力化が進む中でグリース塗布の工程をなく
すため、より良い摺動性を持つポリオキシメチレン樹脂
が望まれるようになり、シリコーンオイル、パラフィン
オイル等各種オイルを配合することによって材料自身の
摺動性を改良するという提案・工夫が数多くなされてい
る。これらの従来から提案されている方法の中でも、特
に、金属ワイヤーとの摺動では、他の分野に比べて摩擦
抵抗が大きくなるため、材料の摺動性にとって最も厳し
い分野の一つであり、十分な摺動性をもつ材料が得られ
ておらず、その改善が強く望まれていた。又、一般にオ
イル等を含有する組成物は成形性、特にスクリューへの
食い込みが悪いため計量時間(成形サイクル)を長くす
るほか、ホルムアルデヒドガスの発生、安定剤や各種オ
イルの金型への移行によるモールドデポジット(MD)
の問題や押出、成形等の加工の際の変色の問題を有して
おり、併せてその改善が望まれていた。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、摺動剤お
よび安定剤に関する詳細な検討を行った結果、一般式
(I) で表されるような、炭素数8以上の脂肪族アルコー
ル同士のエーテル及び/又は一般式(II)で示すような炭
素数2〜12で2〜6個の水酸基を有する多価アルコール
と、炭素数8以上の高級脂肪族アルコール及び/又は高
級脂肪族エポキシドより合成されるエーテルを、酸化防
止剤、メラミン−ホルムアルデヒド重縮合物と共にポリ
オキシメチレン組成物に配合することにより、所期の目
的が達成されることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。即ち本発明は、全組成に対して、0.01〜5重量%の
ヒンダードフェノール系酸化防止剤と、0.05〜5重量%
の一般式(I) で表される脂肪族系エーテル及び/又は一
般式(II)で表される多価アルコール系脂肪族エーテル、
及び0.01〜10重量%のメラミン−ホルムアルデヒド重縮
合物を含有することを特徴とするポリオキシメチレン組
成物に関する。 (I) R1-O-R2 (II) (R1-O)n-X 〔ただし、R1 , R2は炭素数8以上の飽和或いは不飽和の
アルキル基であって、1〜3個の水素が水酸基で置換さ
れていても良く、R1=R2であっても良い。又、Xは炭素
数2〜12で2〜6個の水酸基を有する多価アルコールの
残基である。nは1〜6の整数である。〕以下、本発明
の組成物の構成成分について詳しく説明する。
【0004】本発明で使用される一般式(I) で表される
脂肪族系エーテルとは、8以上の炭素原子を含有する少
なくとも一種の飽和又は不飽和脂肪族アルコール又はエ
ポキシドから誘導されたものである。又、一般式(II)で
表わされる多価アルコール系脂肪族エーテルとは、8以
上の炭素原子を含有する少なくとも一種の飽和又は不飽
和脂肪族アルコール又はエポキシドの中から選ばれた一
種以上と炭素数2〜12で2〜6個の水酸基を含有する多
価アルコールとから誘導されたものである。これらの脂
肪族系エーテル(I) 或いは多価アルコール系脂肪族エー
テル(II)を調製するのに使う炭素数8以上、好ましくは
炭素数32以下の高級脂肪族アルコールとしては、オクチ
ルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、
ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシ
ルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルア
ルコール、パルミチルアルコール、ヘプタデシルアルコ
ール、ステアリルアルコール、ノナデシルアルコール、
アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール、モンタニ
ルアルコール、リグノセリルアルコール、ミリストレイ
ルアルコール、パルミトレイルアルコール、オレイルア
ルコール、リノールアルコール、リノレニルアルコー
ル、リシノールアルコール、12ヒドロキシステアリルア
ルコールの中から選ばれた1種以上、及びかかる成分を
含有してなる天然に存在する脂肪族アルコール又はそれ
らの混合物である。更に、脂肪族エポキシドとしては、
オクチルエポキシド、ノニルエポキシド、デシルエポキ
シド、ウンデシルエポキシド、ラウリルエポキシド、ト
リデシルエポキシド、ミリスチルエポキシド、ペンタデ
シルエポキシド、パルミチルエポキシド、ヘプタデシル
エポキシド、ステアリルエポキシド、ノナデシルエポキ
シド、アラキジルエポキシド、ベヘニルエポキシドの中
から選ばれた1種以上又はそれらの混合物である。又、
多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオー
ル、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、グリセリ
ン、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリ
ン、トレイトール、エリスリトール、ペンタエリスリト
ール、ジペンタエリスリトール、アラビトール、リビト
ール、キシリトール、ソルバイト、ソルビタン、ソルビ
トール、マンニトールの中から選ばれた1種以上であ
る。これらの脂肪族エーテル化合物の内、好ましくは、
ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチ
ルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコ
ール、オクチルエポキシド、デシルエポキシド、ラウリ
ルエポキシド、ミリスチルエポキシド、パルミチルエポ
キシド、ステアリルエポキシドから選ばれた1種以上か
ら誘導されたエーテル化合物、或いは前記脂肪族アルコ
ール又は脂肪族エポキシドの1種以上とエチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン
から選ばれた多価アルコールとから誘導されたエーテル
化合物である。特に、好ましい化合物は、分子内に水酸
基を少なくとも1つ以上有するものであり、具体的には
グリセリンモノパルミチルエーテル、グリセリンジパル
ミチルエーテル、グリセリンモノステアリルエーテル、
グリセリンジステアリルエーテル、グリセリンモノベヘ
ニルエーテル、グリセリンジベヘニルエーテル、ジグリ
セリンモノパルミチルエーテル、ジグリセリンジパルミ
チルエーテル、ジグリセリンモノステアリルエーテル、
ジグリセリンジステアリルエーテル、ジグリセリンモノ
ベヘニルエーテル、ジグリセリンジベヘニルエーテル、
2−ヒドロキシデシルパルミチルエーテル、2−ヒドロ
キシパルミチルパルミチルエーテル、2−ヒドロキシデ
シルステアリルエーテル、2−ヒドロキシパルミチルス
テアリルエーテル、2−ヒドロキシステアリルステアリ
ルエーテル、エチレングリコールモノ2−ヒドロキシパ
ルミチルエーテル、エチレングリコールモノ2−ヒドロ
キシステアリルエーテル、ジエチレングリコールモノパ
ルミチルエーテル、ジエチレングリコールモノステアリ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノ2−ヒドロキシ
パルミチルエーテル、ジエチレングリコールモノ2−ヒ
ドロキシステアリルエーテル、トリエチレングリコール
モノパルミチルエーテル、トリエチレングリコールモノ
ステアリルエーテル、トリエチレングリコールモノ2−
ヒドロキシパルミチルエーテル、トリエチレングリコー
ルモノ2−ヒドロキシステアリルエーテル、プロピレン
グリコールモノ2−ヒドロキシパルミチルエーテル、プ
ロピレングリコールモノ2−ヒドロキシステアリルエー
テル、ジプロピレングリコールモノパルミチルエーテ
ル、ジプロピレングリコールモノステアリルエーテル、
ジプロピレングリコールモノ2−ヒドロキシパルミチル
エーテルであるが、、これらの内から選ばれた二種以上
の混合物であってもよい。本発明のポリオキシメチレン
組成物におけるその量は、0.05〜5重量%、好ましくは
0.1 〜3重量%、特に0.15〜1重量%が好適である。こ
の配合量が0.05重量%未満では、摺動性の向上やモール
ドデポジットの低減効果は見られず、5重量%を越える
と成形加工時のスクリュー食い込み性を悪化させ、成形
サイクルの増加を招くなどの不具合を生じる。又、多価
アルコール中の水酸基の数が6を越えるとエーテル化合
物としての疎水性と親水性のバランスが親水性に傾くた
め、エーテル化合物の加水分解を起こしやすくなった
り、オイルとしての性能が悪化するため好ましくない。
【0005】かかる脂肪族エーテル化合物を配合するこ
とにより、金属ワイヤーとの摺動面でそれ自身が金属の
撚り線間に浸透することなく、又、広い温度湿度の範囲
で構造的に安定であるので、長期に渡って良好な摺動性
を持続させるものと推測される。更に、かかる脂肪族エ
ーテルをヒンダードフェノール系酸化防止剤やメラミン
−ホルムアルデヒド重縮合物と併用して配合することに
より、ポリオキシメチレンの分解を抑え又分解、発生し
たホルムアルデヒドを捕捉する効果を示す為、成形時の
分解ガスの発生が極力抑えられ、又、それ自身金属との
親和性に乏しく、殆ど分解性もないので、金型付着物を
殆ど生成させず、変色も殆ど起こさないものと推測され
る。
【0006】次に、本発明において使用されるヒンダー
ドフェノール系酸化防止剤としては、2,2'−メチレンビ
ス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,6 −
ヘキサンジオールビス〔3−(3,5 −ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ペンタエ
リスリトールテトラキス〔3−(3,5 −ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエ
チレングリコールビス〔3−(3−t−ブチル−5−メ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,
3,5 −トリメチル−2,4,6 −トリス(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、n−オクタ
デシル−3−(4’−ヒドロキシ−3',5' −ジ−t−ブ
チルフェノール)プロピオネート、4,4'−メチレンビス
(2,6 −ジ−t−ブチルフェノール)、4,4'−ブチリデ
ンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ジ
ステアリル−3,5 −ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベ
ンジルホスホネート、2−t−ブチル−6−(3−t−
ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−
メチルフェニルアクリレート、N,N'−ヘキサメチレンビ
ス(3,5 −ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシ
ンナマミドの少なくとも一種又は二種以上を使用するこ
とができる。これらの中でも1,6 −ヘキサンジオールビ
ス〔3−(3,5 −ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート〕、ペンタエリスリトールテトラ
キス〔3−(3,5 −ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコールビ
ス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート〕,N,N'−ヘキサメチレン
ビス(3,5 −ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロ
シンナマミド)は特に好ましい物質である。本発明にお
いて添加配合されるヒンダードフェノール系酸化防止剤
の量は、組成物中、0.01〜5重量%、好ましくは0.05〜
3重量%、特に0.10〜1重量%が好適である。この配合
量が0.01重量%未満では、ポリオキシメチレン樹脂組成
物の熱安定性を改善するに十分でなく、5重量%を越え
ると熱安定性の効果が飽和に達し、むしろ変色傾向が生
じ好ましくない。
【0007】次に、本発明で使用されるメラミン−ホル
ムアルデヒド重縮合物は、メラミン:ホルムアルデヒド
のモル比1:0.8 〜1:6.0 有利には1:1.0 〜1:3.
0 を有するように製造されるものであり、更に、C1〜C4
−アルカノールで、メラミン:エーテル基のモル比が
1:6.0 以下、好ましくは1:1.0 以下であるように部
分エーテル化されていても良い。また、本発明で使用さ
れるメラミン−ホルムアルデヒド重縮合物は、公知の様
々な方法で製造することができる。例えば、pH8〜9に
調整されたホルムアルデヒド水溶液にメラミンを添加
し、温度を60〜90℃に保持して、攪拌しながら溶解、反
応させる。反応が進むと溶液が白濁してくるので、適当
な時間で冷却し縮合反応を停止させる。これを噴霧乾燥
等の方法で乾燥し、メラミン−ホルムアルデヒド重縮合
物の粉体を得る。本発明によるポリオキシメチレン組成
物におけるその量は、0.01〜10重量%、好ましくは0.05
〜3重量%、特に0.10〜1重量%が好適である。この配
合量が0.01重量%未満では、ポリオキシメチレン樹脂組
成物の熱安定性を改善するに十分ではなく、10重量%を
越えると材料としての機械的性質を著しく損ない脆弱な
ものになってしまう。
【0008】上記の如き添加剤が配合されるポリオキシ
メチレンとは、オキシメチレン基(-CH2O-)を主たる構
成単位とする高分子化合物で、ポリオキシメチレンホモ
ポリマー、オキシメチレン基以外に他の構成単位を少量
含有するコポリマー、ターポリマー、ブロックコポリマ
ーのいずれでもよく、又、分子が線状のみならず分岐、
架橋構造を有するものであってもよい。又、その重合度
等に関して特に制限は無い。
【0009】本発明の組成物は、必須ではないが、更に
その目的に応じ、本願の一般式(I)又は(II)に示す脂肪
族エーテル化合物以外に、従来公知の摺動剤であるパラ
フィンオイル、シリコーンオイル、脂肪族エステル系オ
イル、フッ素系オイル(PTFEオリゴマーに代表され
る)、ポリアルキレングリコール、鉱油を一種以上併用
することもできる。又、本願のメラミン−ホルムアルデ
ヒド重縮合物以外の含窒素化合物、アルカリ又はアルカ
リ土類金属又は亜鉛の酸化物、水酸化物、無機酸塩、カ
ルボン酸塩又はアルコキシド等の金属含有化合物を一種
以上併用することもできる。 ここで、含窒素化合物と
は、ナイロン12、ナイロン6・10 、ナイロン6・66・61
0 の如き単独又は共重合ポリアミド、メチロール基等を
有する置換ポリアミド、ナイロン塩、カプロラクタムと
から合成、またはカプロラクトン、カプロラクタムとの
組合せから合成されるポリエステルアミド等のポリアミ
ド類、ポリアミノトリアゾール、ジカルボン酸ジヒドラ
ジド、尿素から加熱により合成される加熱縮合体、尿素
およびジアミン類とから合成される含窒素縮合重合体、
尿素を加熱して合成される尿素加熱縮合体、シアノグア
ニジン類とホルムアルデヒドの重縮合物、グアナミン類
とホルムアルデヒドの重縮合物等が挙げられる。又、金
属含有化合物としては、ナトリウム、カリウム、マグネ
シウム、カルシウムもしくはバリウム等の水酸化物、炭
酸塩、リン酸塩、けい酸塩、ほう酸塩、しゅう酸塩、マ
ロン酸塩、こはく酸塩、アジピン酸塩、ステアリン酸の
如き高級(C1032) 脂肪酸及び水酸基等の置換基を有す
る置換高級脂肪酸の塩などを挙げることができる。更
に、同一内に少なくとも一つの三級窒素原子とカルボン
酸の金属を含む塩基性化合物、例えばN−メチルイミノ
2酢酸ナトリウム、ニトリロ3酢酸3ナトリウム、エチ
レンジアミン4酢酸4ナトリウム、エチレンジアミン4
酢酸4カリウム、エチレンジアミン4酢酸2カルシウ
ム、ジエチレントリアミン5酢酸5ナトリウム、ジエチ
レントリアミン5酢酸5カリウム、トリエチレンテトラ
ミン6酢酸6ナトリウム、エチレンジオキシビス(エチ
ルアミン)−N,N,N',N' −4酢酸4ナトリウム等が挙げ
られる。又、本発明組成物には更にその目的に応じ所望
の特性を付与するため、従来公知の添加物、例えば滑
剤、核剤、離型剤、帯電防止剤、その他の界面活性剤、
或いは有機の繊維状、粉粒状、板状の充填剤等を一種又
は二種以上添加含有させることも可能である。
【0010】本発明の組成物の調製法は特に制限はな
く、従来の樹脂組成物調製法として一般に用いられてい
る公知の設備と方法により容易に調製される。例えば、
i)各成分を混合した後、押出機により練込押出してペレ
ットを調製し、しかる後成形する方法、ii) 一旦組成の
異なるペレットを所定量混合して成形に供し成形後に目
的組成の成形品を得る方法、iii)成形機に各成分の一又
は二以上を直接仕込む方法等、いずれも使用できる。ま
た、樹脂成分の一部を細かい粉体としてこれ以外の成分
と混合し添加することは、これらの成分の均一配合を行
う上で好ましい方法である。
【0011】
【実施例】以下本発明の実施例について説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、
以下の例に示した評価方法は次の通りである。 1)摺動性 試料ペレットより成形した半径1mmの半円形の溝が付い
た円板(半径10mm、厚さ4mm)に、ロープ径1mmの拠り
線(7×7)ワイヤーを円板の円周の1/4と接するよ
うに掛ける。拠り線の両端から交互に一定の荷重で引
き、ワイヤーと試料サンプルを6時間摺動させる。その
後、一方から引っ張ったときに他方に掛かる荷重をロー
ドセルで検出し、それがワイヤーを引いた荷重の何%に
なるかを算出し摩擦特性を評価した。 2)熱安定性 サンプルペレットを 235℃に45分間放置したときの減少
重量を測定し、その時点における重量減少率を算出し
た。 3)成形性 金型付着物の量 試料ポリオキシメチレン組成物を射出成形機を用いて下
記条件で特定の成形品を連続成形(約24Hr)し、金型付
着物の量を評価した。即ち、連続成形を行った時の金型
の汚れを目視観察にて5段階で評価した。 (成形条件) 射出成形機;日精ps20E(日精樹脂工業(株)製) シリンダー温度;200℃ 射出圧力;750kg/cm2 射出時間;4sec 冷却時間;4sec 金型温度;30℃ ペレット食い込み性 東芝IS22EPNを用いて以下の条件で、計量位置2
から4cmの2cm間で計量に要する時間を計測し、単位ス
クリュー移動距離の計量時間を求めた。 測定条件 : シリンダー温度設定 190℃ スクリュー回転数 80rpm 実施例1〜8 ポリオキシメチレン共重合体(ポリプラスチックス
(株)製、ジュラコン)に、表1に示したヒンダードフ
ェノール系酸化防止剤、脂肪族エーテル化合物、メラミ
ン−ホルムアルデヒド重縮合物を表1に示した割合で添
加混合し押出機にてペレット状の組成物を得て上記評価
を行った。結果を表1に示す。
【0012】比較例1〜9 表2に示すようにメラミン−ホルムアルデヒド重縮合物
を配合しない場合、脂肪族エーテル化合物の配合量が本
発明の範囲を外れる場合、メラミン−ホルムアルデヒド
重縮合物の代わりにシアノグアニジン又は12−ナイロン
を配合した場合、脂肪族エーテル化合物の代わりに各種
摺動剤を配合した場合について、実施例1〜8と同様に
してペレット状組成物を得て上記評価を行った。結果を
表2に示す。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】注−1 酸化防止剤 a-1 :トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−
ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート〕 a-2 :ペンタエリスリトールテトラキス〔3−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート〕 注−2 脂肪族エーテル b-1 :グリセリンモノステアリルエーテル b-2 :グリセリンモノ(2−ヒドロキシデシル)エーテ
ル b-3 :トリエチレングリコールドデシルエーテル b-4 :ジステアリルエーテル 注−3 その他のオイル b'-1:シリコーンオイル b'-2:トリエチレングリコール b'-3:ステアリルアルコール b'-4:ステアリルステアレート 注−4 メラミン−ホルムアルデヒド重縮合物 c-1 :ホルムアルデヒド/メラミンの比率が1/1の仕
込み組成で調製されたメラミン−ホルムアルデヒド重縮
合物 c-1 :ホルムアルデヒド/メラミンの比率が2/1の仕
込み組成で調製されたメラミン−ホルムアルデヒド重縮
合物 注−5 その他の窒素含有化合物 c'-1:シアノグアニジン c'-2:12−ナイロン
【0016】
【発明の効果】以上の説明及び実施例にて明らかなごと
く、本発明のポリオキシメチレン組成物は、金属ワイヤ
ーとの摺動に代表されるような金属に対する摺動性が極
めて良好であり、加えて熱安定性が従来に比して著しく
改良されている。また、その成形性に関しては、長時間
の連続成形に対しても金型の汚れが少なく、しかも、成
形加工時のスクリュー食い込みが、従来に比して著しく
良好である。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全組成に対して、0.01〜5重量%のヒン
    ダードフェノール系酸化防止剤と、0.05〜5重量%の一
    般式(I) で表される脂肪族系エーテル及び/又は一般式
    (II)で表される多価アルコール系脂肪族エーテル、及び
    0.01〜10重量%のメラミン−ホルムアルデヒド重縮合物
    を含有することを特徴とするポリオキシメチレン組成
    物。 (I) R1-O-R2 (II) (R1-O)n-X 〔ただし、R1 , R2は炭素数8以上の飽和或いは不飽和の
    アルキル基であって、1〜3個の水素が水酸基で置換さ
    れていても良く、R1=R2であっても良い。又、Xは炭素
    数2〜12で2〜6個の水酸基を有する多価アルコールの
    残基である。nは1〜6の整数である。〕
  2. 【請求項2】 一般式(I) 又は(II)で表される脂肪族エ
    ーテルが、少なくとも一つ以上の水酸基を有するもので
    ある請求項1記載のポリオキシメチレン組成物。
  3. 【請求項3】 一般式(II)で表される多価アルコール系
    脂肪族エーテルの構成成分である多価アルコールが、エ
    チレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン
    又はそれらの2〜4量体である請求項1又は2記載のポ
    リオキシメチレン組成物。
  4. 【請求項4】 メラミン−ホルムアルデヒド重縮合物
    が、メラミン:ホルムアルデヒドのモル比1:0.8 〜
    1:6.0 を有するように製造されたメラミン−ホルムア
    ルデヒド重縮合物である請求項1〜3の何れか1項記載
    のポリオキシメチレン組成物。
  5. 【請求項5】 メラミン−ホルムアルデヒド重縮合物の
    モノマーであるメラミンが、C1〜C4−アルカノールで、
    メラミン:エーテル基のモル比が1:0.01〜1:6.0 で
    あるように部分エーテル化されている請求項1〜4の何
    れか1項記載のポリオキシメチレン組成物。
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