JP3139690B2 - 発癌予防剤 - Google Patents

発癌予防剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は共役γ−ヒドロキシブテ
ノライド化合物を有効成分として含有する大腸癌発生抑
制剤に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、癌の治療法としては、一般的に外
科的療法、放射線療法、化学療法(薬剤投与)等が行わ
れている。これらのうちの化学療法としては、従来より
直接腫瘍細胞に作用して腫瘍細胞を死滅させる薬剤を投
与する治療法が広く適用されており、この種の治療に使
用する抗腫瘍剤についての提案は多い。
【0003】例えば、5−ヒドロキシ−4−[2−フェ
ニル−(E)−エテニル]−2(5H)−フラノンがマ
ウスの神経芽細胞腫N18TG−2細胞に対して殺細胞
活性を有していることは知られている[Int.J.C
ancer,33,677(1984)]。しかし、こ
の化合物のヒト腫瘍細胞に対する活性は知られていな
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】また、癌の治療のみな
らず発癌の過程についても研究が行われており、以下の
ような知見が得られている。化学発癌の過程にはイニシ
エーションおよびプロモーションと呼ばれる独立した2
つの過程が関与している。これは二段階発癌説と言わ
れ、ベレンブリューム(BERENBLUM)によって
提起されたものである[Cancer Res.,1.
807〜814(1941)]。ここでイニシエーショ
ンとはイニシエーターと呼ばれる化学物質によって生ず
るDNA変化で、可逆的な反応である。これに続いてプ
ロモーターと呼ばれる化学物質によって、細胞が最終的
に癌化に導かれる過程をプロモーションと呼ぶ。
【0005】最近では、生体成分である胆汁酸やホルモ
ンもプロモーターとなりうることが明らかにされ、また
食塩が癌におけるプロモーターとなりうることなど、き
わめて身近なものが発癌プロモーターとしての作用をも
つことが明らかにされつつある。さらに最近、大腸癌の
発生率は増加する傾向にある。
【0006】これらの観点から、大腸癌に対する発癌ブ
ロモーション抑制作用をもった化合物の開発が強く望ま
れている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは下記一般式
(I)で示される共役γ−ヒドロキシブテノライド化合
物に大腸癌に対する発癌プロモーション抑制作用がある
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
【化2】 (式中、nは1〜3の範囲の整数であり、R1 ,R2
3 ,R4 およびR5は同一であるかもしくは異なり、
水素原子、メトキシ基、ハロゲン原子または低級アルキ
ル基を表す。)上記一般式(I)において、低級アルキ
ル基は好ましくは炭素数1〜6の直鎖もしくは分枝アル
キル基、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、
イソプロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、イソ
アミル基、n−ヘキシル基などを包含し、また、ハロゲ
ン原子とはフッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ
素原子を包含し、好ましくは塩素原子である。
【0009】一般式(I)で示される共役γ−ヒドロキ
シブテノライド化合物はChem.Pharm.Bul
l.,34(10),4346(1986)に記載の方
法にしたがって製造することができる。
【0010】この反応は次式で示される。
【0011】
【化3】 すなわち、末端に置換または無置換のフェニル基を有す
る共役アルデヒドとピルビンアルデヒドジメチルアセタ
ールとをメタノールあるいはテトラヒドロフラン溶媒
中、塩基、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
水酸化バリウム等のアルカリ、またはピロリジン、ピペ
リジン、DBU(1,8−ジアザビシクロ[5.4.
0]ウンデ−7−セン)等の有機塩基の存在下、0℃〜
65℃(メタノール還流温度)で1〜10時間反応さ
せ、不飽和ケトンを合成する。精製は反応終了液を水に
あけ、酢酸エチルで抽出し、有機層を水洗した後溶媒を
溜去することにより行うことができる。ついでこの化合
物をEmmons−Horner反応によってホスホン
酸エステルと反応させて不飽和エステルを得る。この
際、反応条件はEmmons−Horner反応の通常
用いられる条件でよく、例えば、塩基としてn−BuL
i、NaH、NaOH、NaEt等を用い、溶媒として
は反応に不活性なベンゼン、トルエン、テトラヒドロフ
ラン等を用い室温付近で1〜24時間反応させる。精製
は反応終了液を水にあけ、酢酸エチルで抽出し、有機層
を水洗した後酢酸エチルを溜去することにより行うこと
ができる。
【0012】次にこのようにして得られた不飽和エステ
ルを20〜50%硫酸水溶液を用い、室温から90℃で
1〜10時間処理すると目的とする共役γ−ヒドロキシ
ブテノライド化合物が得られる。この反応の際に反応促
進剤としてヨウ素を反応液に対して0.01〜1.0重
量%添加してもよい。精製はカラムクロマトグラフィー
あるいは再結晶法により容易に行うことができる。
【0013】本発明において大腸癌発生抑制剤はそれ自
体または適宜製剤上の賦形剤、結合剤、希釈剤と混合し
てなるものであり、粉末、顆粒、錠剤、カプセル、シロ
ップ剤、注射剤など任意の剤型で経口的または非経口的
に投与することができる。
【0014】投与量は、年齢、体重、症状により適宜増
減するが、経口的には通常成人、1日、一般式(I)の
化合物として10mgないし10g程度であり、さらに
好ましくは50mgないし5gである。本発明による好
ましい具体例は、上記1日あたりの投与量を1回ないし
数回に分けて服用させるための単位投与形態のものであ
る。また、必要に応じて他の薬剤を調合させてもよいこ
とは、言うまでもない。
【0015】
【実施例】つぎに本発明の実施例、参考例を示す。 参考例 5−ヒドロキシ−4−[2−フェニル−(E)−エテニ
ル]−2(5H)−フラノン(化合物(1))の合成 水酸化ナトリウム3g(75mmole)をメタノール
1200gに加え溶解したのち、この溶液にベンズアル
デヒド159g(1.5mole)、ピルビンアルデヒ
ドジメチルアセタール354g(3mole)を仕込
み、室温で7時間撹拌した。
【0016】反応終了後水600gを加え、n−ヘキサ
ン2リットルで3回抽出した。n−ヘキサン層をエバポ
レータで濃縮し、残留物269gを得た。GLC分析の
結果、残留物中にE−1,1−ジメトキシ−4−フェニ
ル−3−ブテン−2−オン236.3gが含まれてい
た。
【0017】つぎに水素化ナトリウム30g(0.75
mole)をトルエン300gに加え氷冷し、内温を5
〜15℃に維持しながら、トリエチルホスホノアセテー
ト179g(0.8mole)をトルエン150gで希
釈した溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後室温ま
で昇温しさらに1時間撹拌した。つぎに先に得られたE
−1,1−ジメトキシ−4−フェニル−3−ブテン−2
−オン120g(0.58mole)をトルエン150
gで希釈した溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後
さらに1時間撹拌し、一夜放置した。
【0018】反応混合液に10%塩化アンモニウム溶液
500mlを加えたのちイソプロピルエーテル1リット
ルで2回抽出した。得られたイソプロピルエーテル層を
10%食塩水500mlで2回洗浄後、エバポレータで
イソプロピルエーテルを蒸発除去し残留物203gを得
た。この残留物はGLC分析の結果、3−ジメトキシメ
チル−5−フェニル−2,4−ペンタジエニルカルボン
酸エチルエステルを72.8%含有していた。
【0019】この残留物50gをジオキサン950ml
に溶かしこの溶液にヨウ素0.05gと30%硫酸水溶
液700mlを加え、4時間撹拌しながら加熱還流させ
た。反応終了後イソプロピルエーテル2リットルで2回
抽出した。得られたイソプロピルエーテル層は飽和食塩
水2リットルで洗浄したのち、イソプロピルエーテルを
エバポレータで蒸発除去した。得られた残留物を室温で
ベンゼン105ml、アセトン14mlに溶解したの
ち、n−ヘキサン35mlを加え一夜放置すると無色結
晶が析出した。つぎに濾過して減圧乾燥すると結晶35
gが得られた。
【0020】1H−NMRスペクトルによってこのもの
が5−ヒドロキシ−4−[2−フェニル−(E)−エテ
ニル]−2(5H)−フラノンであることを確認した。
【0021】H−NMR(270MHz,DMSO−
/TMS) δ: 6.20(1H,s,10−H),6.36(1H,
s,10′−H),7.12(1H,d,J=16H
z,8−H),7.28(1H,d,J=16Hz,7
−H),7.35〜7.65(5H,m,ArH),
7.80(1H,s,OH)。 IR(KBr):3220(OH),1730(α、β
−不飽和γ−ラクトン)、1630,1595(C=
C) m.p.:159〜160℃ 実施例1 発癌プロモーターによる大腸癌の発生に対する抑制効果 参考例で合成した5−ヒドロキシ−4−[2−フェニル
−(E)−エテニル]−2−(5H)−フラノン(化合
物(1))を用いて試験を行った。発癌プロモーターA
zomethane(AOM)による大腸癌の発生に及
ぼす作用を6週令の雄ラットF344ラットを用い、腸
管内に発生した腫瘍発生動物数の割合並びに1個体当た
りの腫瘍数の平均値を算出することによって検討した。
試験期間は1年間とした。その結果は表1に示す通りで
ある。
【0022】腸管腫瘍の発生は第1群及び第2群のみに
見られ、第1群の腸管腫瘍の発生は第2群に比べて低か
った。(P<0.02)。この結果は大腸癌の化学予防
剤として有望と考えられる。なお、これらの実験群間に
おいて体重及び肝臓重量に有意な差異は認められなかっ
た。
【0023】
【表1】 実施例2 急性毒性 ICR系雄性マウス(5週令)を用いて経口投与による
急性毒性試験を行った。化合物(1)のLD50値は20
00mg/kg以上であり、有効量に比べて高い安全性
が確認された。
【0024】
【発明の効果】一般式(I)の共役γ−ヒドロキシブテ
ノライド化合物は大腸癌に対して発癌抑制(抗発癌プロ
モーター)効果を有するものであり、本効果は、大腸癌
の予防および治療など、癌の総合的な治療分野におよぼ
すものである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式 【化1】 (式中、nは1〜3の範囲の整数であり、R1 ,R2
    3 ,R4 およびR5は同一であるかもしくは異なり、
    水素原子、メトキシ基、ハロゲン原子または低級アルキ
    ル基を表す。)で示される共役γ−ヒドロキシブテノラ
    イド化合物を有効成分として含有する発癌予防剤。
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