JP3138922U - 粘着テープ用シート - Google Patents

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Abstract

【課題】厚さが1mm以上のシート状繊維構造体を含む粘着テープ用シートであって、クッション性に優れかつ手切れ性のよい粘着テープ用シートを提供する。
【解決手段】厚さが1mm以上のシート状繊維構造体7を含む粘着テープ用シートであって、前記繊維構造体が、非弾性捲縮短繊維と、該非弾性捲縮短繊維を構成するポリマーよりも40℃以上低い融点を有するポリマーが、熱融着成分としてその表面に配された熱接着性複合短繊維とが重量比率で(非弾性捲縮短繊維/熱接着性複合短繊維)90/10〜0/100となるように混綿され、該熱接着性複合短繊維同士が交差した状態で熱融着された固着点および該熱接着性複合短繊維と前記非弾性捲縮短繊維とが交差した状態で熱融着された固着点とが散在する繊維構造体であり、かつ前記非弾性捲縮短繊維と熱接着性複合短繊維とが繊維構造体の厚さ方向に配列している繊維構造体であることを特徴とする粘着テープ用シート。
【選択図】図3

Description

本考案は、厚さが1mm以上のシート状繊維構造体を含む粘着テープ用シートであって、クッション性に優れかつ手切れ性のよい粘着テープ用シートに関する。
不織布などの繊維構造体に粘着層が積層された粘着テープは、風合いに優れ、緩衝性、断熱性に優れる特徴を有するが、不織布は、通常手切れ性(道具を使わず手だけで切断できる性能)が悪く、床、壁等に張設する場合、張設部分の寸法に合わせて直線的に裁断するためには、刃物、定規等の裁断用具を必要とし、裁断用具を用いて裁断するためには、手数を要し、張設作業の能率を阻害する問題があった。
その改良として、例えば特許文献1では、スパンボンド法により得られた低目付けの不織布を用いて粘着テープを構成することが提案されているが、クッション性の点で十分ではなかった。
また、特許文献2では、熱可塑性樹脂を一軸延伸して得られた線条体を交差して形成した布状体と熱可塑性樹脂製のフィルムとを積層した樹脂積層シートの片面に不織布を積層して不織布積層シートとした粘着テープが提案されているが、工程が複雑であり、かなり高価なものであった。
特開平6−49422号公報 特開2005−23237号公報
本考案は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、厚さが1mm以上のシート状繊維構造体を含む粘着テープ用シートであって、クッション性に優れかつ手切れ性のよい粘着テープ用シートを提供することにある。
本考案者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、繊維を厚み方向に配列させた繊維構造体を用いることにより、クッション性に優れかつ手切れ性のよい粘着テープ用シートが得られることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本考案に想到した。
かくして、本考案によれば「厚さが1mm以上のシート状繊維構造体を含む粘着テープ用シートであって、前記繊維構造体が、非弾性捲縮短繊維と、該非弾性捲縮短繊維を構成するポリマーよりも40℃以上低い融点を有するポリマーが、熱融着成分としてその表面に配された熱接着性複合短繊維とが重量比率で(非弾性捲縮短繊維/熱接着性複合短繊維)90/10〜0/100となるように混綿され、該熱接着性複合短繊維同士が交差した状態で熱融着された固着点および該熱接着性複合短繊維と前記非弾性捲縮短繊維とが交差した状態で熱融着された固着点とが散在する繊維構造体であり、かつ前記非弾性捲縮短繊維と熱接着性複合短繊維とが繊維構造体の厚さ方向に配列している繊維構造体であることを特徴とする粘着テープ用シート。」が提供される。
その際、前記非弾性捲縮短繊維がポリエステル系繊維からなることが好ましい。また、前記熱融着成分が共重合ポリエステルからなることが好ましい。また、前記繊維構造体の平均密度が10〜100kg/mの範囲内であることが好ましい。また、前記繊維構造体の厚さが2〜20mmの範囲内であることが好ましい。また、前記繊維構造体の少なくとも片面が熱融着されていることが好ましい。また、前記繊維構造体の縦横強度比(横強度/縦強度)が10〜40の範囲であることが好ましい。ただし、縦強度(N/cm)は、JIS1913により測定した繊維構造体の長手方向(機械の巻取り方向)の引張り強度(N/cm)であり、横強度は、JIS1913により測定した繊維構造体の直向方向(巾方向)の引張り強度(N/cm)である。
本考案によれば、厚さが1mm以上のシート状繊維構造体を含む粘着テープ用シートであって、クッション性に優れかつ手切れ性のよい粘着テープ用シートが得られる。
以下、本考案の実施の形態について詳細に説明する。まず、本考案で使用する非弾性捲縮短繊維としては、ガラス繊維、アラミド繊維、カーボン繊維などの耐熱繊維も使用可能であるが、好ましくは、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリ−1,4−ジメチルシクロヘキサンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリピバロラクトン、ポリ乳酸(PLA)、ステレオコンプレックスポリ乳酸、ポリオレフィン、またはこれらの共重合体からなる短繊維ないしそれら短繊維の混綿体、または上記ポリマー成分のうちの2種類以上からなる複合短繊維等を挙げることができる。かかるポリマー中には、各種安定剤、紫外線吸収剤、増粘分岐剤、艶消し剤、その他各種の改良剤等も必要に応じて配合されていても良い。特に着色剤が含まれていることが好ましい。また、ミクロクリンプを有する繊維を用いることも均一性が向上し好ましい。たとえば、2種のポリエステルからなり、潜在捲縮が発現してなる30〜60個/25mmのミクロクリンプを発現するものである。これら短繊維のうち、繊維形成性等の観点からポリエチレンテレフタレートからなる短繊維が特に好ましい。
この場合の捲縮付与方法としては、熱収縮率の異なるポリマーをサイドバイサイド型に張り合わせた複合繊維を用いてスパイラル状捲縮を付与、異方冷却によりスパイラル状捲縮を付与、捲縮数が3〜40個/2.54cm(好ましくは7〜15個/2.54cm)となるように通常の押し込みクリンパー方式による機械捲縮を付与など、種々の方法を用いればよいが、嵩高性、製造コスト等の面から機械捲縮を付与するのが最適である。
ここで、前記非弾性捲縮短繊維において、単繊維径が7〜100μmの範囲内であることが好ましい。該単繊維径が7μmよりも小さいと充分な剛性が得られず取り扱いが難しくなるおそれがある。逆に該単繊維径100μmよりも大きいと十分な風合いが得られないおそれがある。ポリエチレンテレフタレートの場合、単糸繊度としては、1〜90dtexの範囲内であることが好ましい。
前記非弾性捲縮短繊維の単繊維横断面形状は、通常の丸断面でもよいし、三角、四角、扁平、中空などの異型断面であってもよい。なお、単繊維横断面形状が異型の場合、前記単繊維径はその外接円の直径を使用するものとする。さらに、丸中空断面の場合は外径寸法を測定するものとする。
前記非弾性捲縮短繊維の繊維長としては30〜100mmの範囲内であることが好ましい。該繊維長が30mmよりも小さいと充分な剛性が得られないおそれがある。逆に該繊維長が100mmよりも大きいと工程安定性が損われるおそれがある。
次に、熱接着性複合短繊維の熱融着成分は、上記の非弾性捲縮短繊維を構成するポリマー成分より、40℃以上低い融点を有することが必要である。この温度が40℃未満では接着が不十分となる上、腰のない取り扱いにくい繊維構造体となるおそれがある。また、熱処理温度の細かな制御が必要となり、生産性に劣るものとなる。
ここで、熱融着成分として配されるポリマーとしては、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、非弾性ポリエステル系ポリマー及びその共重合物、ポリオレフィン系ポリマー及びその共重合物、ポリビニルアルコ−ル系ポリマー等を挙げることができ、ポリウレタン系エラストマーとしては、分子量が500〜6000程度の低融点ポリオール、例えばジヒドロキシポリエーテル、ジヒドロキシポリエステル、ジヒドロキシポリカーボネート、ジヒドロキシポリエステルアミド等と、分子量500以下の有機ジイソシアネート、例えばp,p’−ジフェニールメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート水素化ジフェニールメタンイソシアネート、キシリレンイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプロエート、ヘキサメチレンジイソシアネート等と、分子量500以下の鎖伸長剤、例えばグリコールアミノアルコールあるいはトリオールとの反応により得られるポリマーである。
これらのポリマーのうちで、特に好ましいのはポリオールとしてはポリテトラメチレングリコール、またはポリ−ε−カプロラクタムあるいはポリブチレンアジペートを用いたポリウレタンである。この場合の有機ジイソシアネートとしてはp,p’−ビスヒドロキシエトキシベンゼンおよび1,4−ブタンジオールを挙げることができる。
また、ポリエステル系エラストマーとしては熱可塑性ポリエステルをハードセグメントとし、ポリ(アルキレンオキシド)グリコールをソフトセグメントとして共重合してなるポリエーテルエステル共重合体、より具体的にはテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸、コハク酸、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジ酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸またはこれらのエステル形成性誘導体などから選ばれたジカルボン酸の少なくとも1種と、1,4−ブタンジオール、エチレングリコールトリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコールネオペンチルグリコール、デカメチレングリコール等の脂肪族ジオールあるいは1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンメタノール等の脂環式ジオール、またはこれらのエステル形成性誘導体などから選ばれたジオール成分の少なくとも1種、および平均分子量が約400〜5000程度のポリエチレングリコール、ポリ(1,2−および1,3−ポリプロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体、エチレンオキシドとテトラヒドロフランとの共重合体等のポリ(アルキレンオキサイド)クリコールのうち少なくとも1種から構成される三元共重合体を挙げることができる。
特に、接着性や温度特性、強度の面からすればポリブチレン系テレフタレートをハード成分とし、ポリオキシブチレングリコールをソフトセグメントとするブロック共重合ポリエーテルエステルが好ましい。この場合、ハードセグメントを構成するポリエステル部分は、主たる酸成分がテレフタル酸、主たるジオール成分がブチレングリコール成分であるポリブチレンテレフタレートである。むろん、この酸成分の一部(通常30モル%以下)は他のジカルボン酸成分やオキシカルボン酸成分で置換されていても良く、同様にグリコール成分の一部(通常30モル%以下)はブチレングリコール成分以外のジオキシ成分で置換されていても良い。また、ソフトセグメントを構成するポリエーテル部分はブチレングリコール以外のジオキシ成分で置換されたポリエーテルであってよい。
共重合ポリエステル系ポリマーとしては、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸類および/またはヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂環式ジカルボン酸類と、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、パラキシレングリコールなどの脂肪族や脂環式ジオール類とを所定数含有し、所望に応じてパラヒドロキシ安息香酸などのオキシ酸類を添加した共重合エステル等を挙げることができ、例えばテレフタル酸とエチレングリコールとにおいてイソフタル酸および1,6−ヘキサンジオールを添加共重合させたポリエステル等が使用できる。
また、ポリオレフィンポリマーとしては、例えば低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、さらにはそれらを変性した物等を挙げることができる。
上記の熱融着成分の中でも、共重合ポリエステル系ポリマーが特に好ましい。なお、上述のポリマー中には、各種安定剤、紫外線吸収剤、増粘分岐剤、艶消し剤、その他各種の改良剤等も必要に応じて配合されていても良い。
熱接着性複合短繊維において、熱融着成分の相手側成分としては前記のような非弾性のポリエステルが好ましく例示される。その際、熱融着成分が、少なくとも1/2の表面積を占めるものが好ましい。重量割合は、熱融着成分と相手側成分が、複合比率で10/90〜70/30の範囲にあるのが適当である。熱接着性複合短繊維の形態としては、特に限定されないが、熱融着成分と相手側成分とが、サイドバイサイド、芯鞘型であるのが好ましく、より好ましくは芯鞘型である。この芯鞘型の熱接着性複合短繊維では、熱融着成分が鞘部となり、相手側成分が芯部となるが、この芯部は同心円状、または偏心状にあってもよい。
かかる熱接着性複合短繊維において、単繊維径としては10〜70μmの範囲内であることが好ましい。単糸繊度としては、2〜40dtexの範囲内であることが好ましい。かかる熱接着性複合短繊維は、繊維長が3〜100mmに裁断されていることが好ましい。
本考案においては、上記非弾性捲縮短繊維と熱接着性複合短繊維を混綿させ、加熱処理することにより、該熱接着性複合短繊維同士が交差した状態で熱融着された固着点及び該熱接着性複合短繊維と該非弾性捲縮短繊維とが交差した状態で熱融着された固着点とが散在してなる繊維構造体が形成される。
この際、非弾性捲縮短繊維と熱接着複合短繊維との重量比率は(非弾性捲縮短繊維/熱接着複合短繊維)90/10〜0/100である必要がある。熱接着複合短繊維の比率がこの範囲より少ない場合は、固着点が極端に少なくなり、繊維構造体の腰がなく、且つ均一性が不十分で、表面の割れが発生し成形性が不良となる。一方、熱接着複合短繊維の比率がこの範囲より多い場合は、接着点が多くなり過ぎ、熱処理工程での取扱い性が低下する。
さらに、本考案の吸音材に含まれる繊維構造体において、前記熱接着性複合短繊維と前記非弾性捲縮短繊維とが繊維構造体の厚さ方向に配列していることが肝要である。ここで、「厚さ方向に配列している」とは、繊維構造体の厚さ方向に対して平行に配列されている繊維の総本数を(T)とし、繊維構造体の厚さ方向に対して垂直に配列されている繊維の総本数を(W)とするとき、T/Wが1.5以上であることである。
従来の吸音材においては、繊維が、吸音材を構成する繊維構造体の厚さ方向に対して垂直すなわち面方向に配列していた。これに対し、本考案においえは、繊維が構造体の厚さ方向に配列しているため、クッションだけでなく手切れ性にも優れる。さらには、実際に円筒状や複雑な形状の物に粘着テープとして貼り付けた場合、形状にうまく沿い、また、凸部での、厚みのヘタリが少なく、クッション感を維持することができる。一方、構成繊維が繊維構造体の面方向に配列している場合は、繊維構造体内において切断開始点を作ることが難しく手切れ性の悪いものである。また、粘着テープ用として使用した場合、凹部では座屈感があり、また、凸部では厚みのヘタリが生じやすい。
このような繊維構造体を製造する方法には特に限定はなく、従来公知の方法を任意に採用すれば良いが、例えば非弾性捲縮短繊維と熱接着性複合短繊維とを混綿し、ローラーカードにより均一なウェッブとして紡出した後、特開2007−025044号公報の図1に示すような熱処理機を用いて、ウェッブをアコーディオン状に折りたたみながら加熱処理し、熱融着による固着点を形成させる方法などが好ましく例示される。例えば特表2002−516932号公報に示された装置(市販のものでは、例えばStruto社製Struto設備など)などを使用するとよい。
また、本考案において、かかる繊維構造体を、厚み方向に対してほぼ垂直(例えば図2の切断面6でスライス)、または、必要に応じてやや斜めにスライサー設備等によりスライスし、スライスされた切断面を使用することは好ましいことである。
かくして得られた繊維構造体において、その厚さとしては1mm以上であればその制限はないが、2〜20mmの範囲内であることが好ましい。厚さが20mmを越えると取扱い性が劣るおそれがある。
また、かかる繊維構造体の平均密度は10〜100kg/mの範囲にあることが好ましい。該密度が10kg/m未満では充分な剛性が得られず取扱いが難しくなるおそれがある。逆に該密度が100kg/mを越えると板状となり、いろいろな形状への追従が難しくなるおそれがある。なお、密度は、アコーディオン状に折りたたみ加熱処理するときに調整しても良いし、別工程で熱プレスすることで密度を調整することも可能である。
また、かかる繊維構造体には、染色加工、撥水加工、防炎加工、難燃加工、マイナスイオン発生加工など公知の機能加工が付加されていてもさしつかえない。
かくして得られた繊維構造体において、繊維構造体の縦横強度比(横強度/縦強度)が10〜40の範囲であることが手切れ性の点で好ましい。縦横強度比が10よりも低い場合は、道具を使わず手だけで切断開始点を作ることが難しくなるおそれがある。逆に、縦横強度比が40を越える場合は、取り扱いが難しくなるおそれがある。ただし、縦強度(N/cm)は、JIS1913により測定した繊維構造体の長手方向(機械の巻取り方向)の引張り強度(N/cm)であり、横強度は、JIS1913により測定した繊維構造体の直向方向(巾方向)の引張り強度(N/cm)である。
なお、縦横強度比を当該範囲内とするには、ウェッブを長手方向にアコーディオン状に折りたたみながら加熱処理し、熱融着による固着点を形成させて繊維構造体を製造すると、折りたたんだ方向の引張り強度(縦強度)は、1枚のウエブを切ることになり切れ易く、巾方向の引張り強度(横強度)は、ウエブが数十枚重なっているため切れ難い。
かかる繊維構造体において、手切れ性を大きく低下させない範囲で片面または両面に紙、不織布、織編物等のシート状物を貼り合わせたり、片面又は両面を加熱処理することでその表面を融着処理する事も問題ない。そして、片面または両面にさらに粘着剤を塗布することで、粘着テープとして使用可能となる。その際、使用する粘着剤としては、粘着テープ用の粘着剤として一般的に用いられるものを使用することができる。例えば、アクリル樹脂系粘着剤、天然ゴムや合成ゴム等のゴム系粘着剤、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体やスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体並びにこれらの水素添加物等のブロック共重合体系粘着剤、エチレン−酢酸ビニル共重合体系粘着剤、ポリビニルエーテル樹脂系粘着剤、シリコーン樹脂系粘着剤等が挙げられるが、なかでも耐久性や耐候性に優れ、取扱い時の汚れも少ないアクリル樹脂系粘着剤が好適に用いられる。これらの粘着剤は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。
これらの粘着剤の形態は、特に限定されるものではなく、例えば、溶液型粘着剤、エマルジョン型粘着剤、ホットメルト型粘着剤、反応型粘着剤、光重合可能なモノマー型粘着剤等のいずれの形態であってもよい。
また、これらの粘着剤には、本考案の課題達成を阻害しない範囲で必要に応じて、ポリイソシアネート系化合物やアジリジン系化合物、金属キレート系化合物等の架橋剤や、粘着性付与剤、カップリング剤、充填剤、軟化剤、可塑剤、界面活性剤、酸化防止剤(老化防止剤)、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、着色剤、消泡剤、難燃剤、帯電防止剤等の各種添加剤の1種もしくは2種以上が添加されていてもよい。
また、繊維構造体の片面または両面に積層される粘着剤層は、特に限定されるものではないが、その厚みが10μm〜0.5mmであることが好ましい。
以下、実施例をあげて本考案を詳細に説明するが、本考案はこれらによって何ら限定されるものではない。
(1)融点
Du Pont社製 熱示差分析計990型を使用し、昇温20℃/分で測定し、融解ピークをもとめた。融解温度が明確に観測されない場合には、微量融点測定装置(柳本製作所製)を用い、ポリマーが軟化して流動を始めた温度(軟化点)を融点とする。なお、n数5でその平均値を求めた。
(2)T/W
繊維構造体を厚さ方向に切断し、その断面において、厚さ方向に対して平行に配列されている、非弾性捲縮短繊維と熱接着性複合短繊維(図1において0°≦θ≦45°)の総本数を(T)とし、繊維構造体の厚さ方向に対して垂直に配列されている非弾性捲縮短繊維と熱接着性複合短繊維(図1において45°<θ≦90°)の総本数をWとしてT/Wを算出した。なお、本数の測定は、任意の10ヶ所について各々30本の繊維を透過型光学顕微鏡で観察し、その数を数えた。
(3)厚さ、目付、密度
JIS K6400により測定した。
(4)縦横強度比
JIS1913により繊維構造体の長手方向(機械の巻取り方向)の引張り強度(N/cm)を測定し縦強度(N/cm)とした。同様に、JIS1913により繊維構造体の直向方向(巾方向)の引張り強度(N/cm)を測定し横強度(N/cm)とした。そして、横強度/縦強度を求め縦横強度比とした。
[実施例1]
融点が110℃の共重合ポリエステルを鞘成分に配し、融点が256℃のポリエチレンテレフタレートを芯成分に配した、単糸繊度4.4dtex、繊維長51mmの芯鞘型熱接着性複合短繊維(芯成分:鞘成分が重量比で50:50、)30重量%と、機械捲縮(捲縮数9ケ/2.54cm)を付与した、融点が256℃のポリエチレンテレフタレートからなる、単糸繊度6.6dtex、繊維長51mmのポリエチレンテレフタレート短繊維(非弾性捲縮短繊維)70重量%とを用いてブレンド、カーデイング、クロスレイアー、カーデイングし、次いでStruto社製Struto設備(特表2002−516932号公報に示された装置と同様のもの)を使用し、駆動ローラ(表面速度2.5m/分)により、温度が200℃に設定された熱風サクション式熱処理機内へ押し込むことでアコーデオン状に折り畳み繊維を厚さ方向に配列させ、170℃で加熱処理を施し、目付け600gr/m、厚さ13mm、平均密度31Kg/mの繊維構造体を得た。該繊維構造体において、T/Wが4.7であり、熱接着性複合短繊維と非弾性捲縮短繊維とが繊維構造体の厚さ方向に配列していた。また、熱接着性複合短繊維の単繊維径は21μm、非弾性捲縮短繊維の単繊維径は26μmであった。
次いで、該繊維構造体の表面および裏面を、厚さ方向と垂直方向にスライスして、目付け270gr/m、厚さ6mmの繊維構造体を得て粘着テープ用シートとした。該繊維構造体において、縦強度が0.3N/cm、横強度が9.4N/cm、縦横強度比が31.3であった。また、この繊維構造体をヒダ折り方向に長さ300mm巾10mmに裁断し、ヒダ折方向に垂直に手切れ性を確認したところ手だけで簡単に引裂くことができた。
次いで、該繊維構造体の片面に公知のアクリル樹脂系粘着剤を塗布して粘着テープを得て使用したところ、クッション性と手切れ性に優れるだけでなく、風合いに優れ、緩衝性を有し、また、曲面に対して柔軟に対応できる、機器、建造物等の保護、断熱、防振等にも適したものであった。
[実施例2]
実施例1において、実施例1と同じ繊維配合で、目付け470gr/m、厚さ15mm、T/Wが4.7の繊維構造体を得たのち、該繊維構造体の表面および裏面を、厚さ方向と垂直方向にスライスして、目付け189gr/m、厚さ6mmの繊維構造体を得て粘着テープ用シートとした。該繊維構造体において、縦強度が0.2N/cm、横強度が6.0N/cm、縦横強度比が30.0であった。また、この繊維構造体をヒダ折り方向に長さ300mm巾10mmに裁断し、ヒダ折方向に垂直に手切れ性を確認したところ手だけで簡単に引裂くことができた。
[比較例1]
実施例1において、クロスレイ後のシートを重ね合わせ、170℃加熱処理を施し、目付け615g/m、厚さ14mmの不織布繊維構造体を得た後、表面および裏面を、厚さ方向と垂直方向にスライスして、目付け264gr/m、厚さ6mmの繊維構造体(T/Wが0.9)を得て粘着テープ用シートとした。該繊維構造体において、縦強度が11.1N/cm、横強度が27.0N/cm、縦横強度比が2.4であった。実施例1と同様に手切れ性を確認したところ、手だけで引裂く事はできなかった。
[比較例2]
実施例2において、クロスレイ後のシートを重ね合わせ、170℃加熱処理を施し、目付け475g/m、厚さ14mmの不織布繊維構造体を得た後、表面および裏面を、厚さ方向と垂直方向にスライスして、目付け190gr/m、厚さ6mmの繊維構造体(T/Wが0.9)を得て粘着テープ用シートとした。該繊維構造体において、縦強度が7.8N/cm、横強度が19.0N/cm、縦横強度比が2.4であった。実施例1と同様に手切れ性を確認したところ、手だけで引裂く事はできなかった。
本考案によれば、厚さが1mm以上のシート状繊維構造体を含む粘着テープ用シートであって、クッション性に優れかつ手切れ性のよい粘着テープ用シートが提供され、その工業的価値は極めて大である。
T/Wの測定方法を説明するための模式図である。 繊維構造体の切断面を示す図である。 本考案の粘着テープ用シートの一例を模式的に示す図(縦断面図)である。 本考案の粘着テープ用シートの一例を模式的に示す図(縦断面図)である。
符号の説明
1:熱接着性複合短繊維または非弾性捲縮短繊維
2:繊維構造体の厚さ方向
3:熱接着性複合短繊維または非弾性捲縮短繊維の配列方向
4:繊維構造体
5:ウエブの山
6:スライスされる面
7:繊維構造体
8:繊維構造体
9:粘着層
10:離型紙

Claims (7)

  1. 厚さが1mm以上のシート状繊維構造体を含む粘着テープ用シートであって、前記繊維構造体が、
    非弾性捲縮短繊維と、該非弾性捲縮短繊維を構成するポリマーよりも40℃以上低い融点を有するポリマーが、熱融着成分としてその表面に配された熱接着性複合短繊維とが重量比率で(非弾性捲縮短繊維/熱接着性複合短繊維)90/10〜0/100となるように混綿され、該熱接着性複合短繊維同士が交差した状態で熱融着された固着点および該熱接着性複合短繊維と前記非弾性捲縮短繊維とが交差した状態で熱融着された固着点とが散在する繊維構造体であり、かつ前記非弾性捲縮短繊維と熱接着性複合短繊維とが繊維構造体の厚さ方向に配列している繊維構造体であることを特徴とする粘着テープ用シート。
  2. 前記非弾性捲縮短繊維がポリエステル系繊維からなる、請求項1に記載の粘着テープ用シート。
  3. 前記熱融着成分が共重合ポリエステルからなる、請求項1または請求項2に記載の粘着テープ用シート。
  4. 前記繊維構造体の平均密度が10〜100kg/mの範囲内である、請求項1〜3のいずれかに記載の粘着テープ用シート。
  5. 前記繊維構造体の厚さが2〜20mmの範囲内である、請求項1〜4のいずれかに記載の粘着テープ用シート。
  6. 前記繊維構造体の少なくとも片面が熱融着されている、請求項1〜5のいずれかに記載の粘着テープ用シート。
  7. 前記繊維構造体の縦横強度比(横強度/縦強度)が10〜40の範囲である、請求項1〜6のいずれかに記載の粘着テープ用シート。
    ただし、縦強度(N/cm)は、JIS1913により測定した繊維構造体の長手方向(機械の巻取り方向)の引張り強度(N/cm)であり、横強度は、JIS1913により測定した繊維構造体の直向方向(巾方向)の引張り強度(N/cm)である。
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JPWO2013069784A1 (ja) * 2011-11-10 2015-04-02 カモ井加工紙株式会社 粘着テープ及びマスカー

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