JP3138909B2 - 軟弱地盤の改良工法及びその改良施工装置 - Google Patents

軟弱地盤の改良工法及びその改良施工装置

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JP3138909B2
JP3138909B2 JP15571496A JP15571496A JP3138909B2 JP 3138909 B2 JP3138909 B2 JP 3138909B2 JP 15571496 A JP15571496 A JP 15571496A JP 15571496 A JP15571496 A JP 15571496A JP 3138909 B2 JP3138909 B2 JP 3138909B2
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  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は、土を入れ替えるこ
となく、軟弱地盤に含まれる水と空気とを排出すること
で、硬質地盤へと改良する軟弱地盤の改良工法及びその
改良施工装置に関する。詳細には軟弱地盤に含まれる水
と空気とを効率よく、しかも確実に排出することができ
る軟弱地盤の改良工法及びその改良施工装置に関する。
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
軟弱地盤の改良工法としては、サンドドレーン工法やペ
ーパードレーン工法が代表的なものとして挙げられるバ
ーチカルドレーン工法がある。サンドドレーン工法は、
軟弱地盤中に適当な間隔で鉛直方向に数多くのサンドパ
イル(人工的に設けた砂柱)を設置し、このサンドパイ
ルを通して地盤中の水を抜き取って地盤の圧密と強度増
加を促進し、硬質地盤へと改良する方法である。一方、
ペーパードレン工法は、軟弱な地盤の圧密を促進するた
めのものであり、厚さ3mm、幅100mm程度の帯状
原紙の中に縦方向に連続した通水孔を設けたカードボー
ドをマンドレルによって適当な間隔に打ち込み設置し、
このカードボードを通して地盤中の水を抜き取るように
したものである。ところが、これらサンドドレーン工法
やペーパードレーン工法などのバーチカルドレーン工法
にあっては、処理を開始した当初はよいが、水の抜き取
りが進行するにつれて地盤中の真空度が高まると、地盤
中に水の通路となるべき間隙がなくなり、遂には排水さ
れないという不具合が生じていた。そこで、排水効率を
さらに高める目的で提案されたのが図8に示す改良工法
である。この方法は、ペーパードレーンを造成した後、
カードボード1の上端部1aにこれと接触するように水
平状に真空ポンプ3に連結した有孔管2を配置し、これ
らカードボード1及び有孔管2を砂層4で覆うようにし
たものであり、真空ポンプ3に連結した有孔管2を通し
て地盤A上面を負圧とすることで、地盤Aとの圧力差を
大きくし、地盤A中の水をカードボード1及び有孔管2
を介して排水するようにしたものである。しかしなが
ら、真空ポンプ3に連結した有孔管2は砂層4で覆われ
ているだけであり、地盤A上面に十分な負圧環境を創り
出すことができない。また有孔管2の孔5が砂や地盤A
内からの土砂などで目詰まりを生じることもあり、地盤
Aの深部まで圧力差による水の吸い出し効果が得られな
いなどの不具合があり、十分な排水ができないことがあ
った。また、図面に示した改良工法の場合には、地盤A
上面に負圧環境を創り出すために強力な吸引力で吸引し
なければならず、しかも地盤A中の排水が完了するまで
の間中吸引しつづけることから、真空ポンプ3を作動さ
せるために消費される電力、軽油も多く、地盤上面に負
圧環境を創り出すために要する費用は莫大なものとなっ
ていた。本発明は、このような事情に鑑みなされたもの
であり、軟弱地盤に含まれる水と空気とを効率よく、し
かも確実に排出することができる軟弱地盤の改良工法及
びその改良施工装置を提供することを目的とするもので
ある。
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、ドレーン材を地盤中に所定
の間隔をおいて打設することにより、地盤中に鉛直排水
壁を造成する工程と、前記ドレーン材上端部と接触する
ように水平状に真空ポンプに連結した通水材を配置する
工程と、地盤上を前記ドレーン材上端部及び通水材とと
もに合成樹脂フィルムをラミネートした気密シートで覆
う工程と、前記真空ポンプを作動させて地盤上面に負圧
の状態を造り出す工程とからなる改良工法であって、
記真空ポンプを間欠的に作動させることで、地盤上面に
常圧及び負の状態を交互に造り出し、地盤上面が負圧の
状態から常圧の状態へと移行するときに、地盤上面に空
気を送り込むことを特徴とする軟弱地盤の改良工法をそ
の要旨とした。 請求項2記載の発明は、ドレーン材を地
盤中に所定の間隔をおいて打設するこ とにより、地盤中
に鉛直排水壁を造成する工程と、前記ドレーン材上端部
と接触するように水平状に真空ポンプに連結した通水材
を配置する工程と、地盤上を前記ドレーン材上端部及び
通水材とともに合成樹脂フィルムをラミネートした気密
シートで覆う工程と、前記真空ポンプを作動させて地盤
上面に負圧の状態を造り出す工程とからなる改良工法で
あって、前記ドレーン材を振動させるようにしたことを
特徴とする軟弱地盤の改良工法をその要旨とした。 請求
項3記載の発明は、地盤中に所定の間隔をおいて打設さ
れるドレーン材と、このドレーン材上端部と接触するよ
うに水平状に配置される通水材と、通水材に連結される
真空ポンプと、地盤上を前記ドレーン材上端部及び通水
材とともに覆う合成樹脂フィルムをラミネートした気密
シートとからなる軟弱地盤の改良施工装置であって、
記真空ポンプを間欠的に作動させることで、地盤上面に
常圧及び負の状態を交互に造り出し、地盤上面が負圧の
状態から常圧の状態へと移行するときに、地盤上面に空
気を送り込むパイプラインを設けたことを特徴とする軟
弱地盤の改良施工装置をその要旨とした。 請求項4記載
の発明は、地盤中に所定の間隔をおいて打設されるドレ
ーン材と、このドレーン材上端部と接触するように水平
状に配置される通水材と、通水材に連結される真空ポン
プと、地盤上を前記ドレーン材上端部及び通水材ととも
に覆う合成樹脂フィルムをラミネートした気密シートと
からなる軟弱地盤の改良施工装置であって、前記ドレー
ン材に振動発生装置を取り付けたことを特徴とする軟弱
地盤の改良施工装置をその要旨とした。
【発明の実施の形態】(作用)請求項1記載の軟弱地盤の改良工法にあっては、地盤上
面が、ドレーン材上端部及び通水材とともに合成樹脂フ
ィルムをラミネートした気密シートで覆われるととも
に、通水材に連結された真空ポンプが作動して真空引き
されることから、地盤上面は負圧の状態となり、地盤中
における間隙水圧との間には差が生じるようになる。そ
してこの圧力差によって、ドレーン材を地盤中に所定の
間隔をおいて打設することにより、地盤中に造成された
鉛直排水壁を通して地盤中の水と空 気が地盤表面へと吸
い出されるようになっている。地盤表面の水と空気は、
ドレーン材上端部と接触するように水平状に配された通
水材を通って(排水タンクへと)排出されるようになっ
ている。地盤表面が負圧の状態となり、その圧力差によ
って地盤中の水と空気が地盤表面へと吸い出されると、
地盤、特にドレーン材の周りは、地盤を構成する粒子間
隙が狭くなり、水と空気が通り難くなる。この結果、地
盤中に残存する水と空気は、圧力差によっても十分に吸
い出されなくなる。またこの改良工法にあっては、真空
ポンプを間欠的に作動させるようになっているので、地
盤上面は常圧及び負圧の状態が交互に造り出されること
になる。負圧の状態から常圧の状態へと変わるときに
は、その圧力差によって空気や水が一気に入り込むこと
になる。このため、地盤には空気が一気に入り込むこと
による大きな衝撃力が作用して振動するので、地盤、特
にドレーン材周りの地盤を構成する粒子間隙は広がり、
水と空気は通り易くなる。さらにこの改良工法にあって
は、地盤上面が負圧の状態から常圧の状態へと移行する
ときに、その圧力差によって空気や水が入り込むだけで
はなく、積極的に空気を送り込むようにしたので、地盤
に作用する衝撃力もより大きくなり、地盤、特にドレー
ン材周りの地盤を構成する粒子間隙はより大きく広が
り、水と空気はより通り易くなる。この結果、より効果
的に地盤中の水と空気の吸い出しができると共に、地盤
上面をより速く常圧の状態へと戻すことができるように
なっている。請求項2記載の軟弱地盤の改良工法にあっ
ては、地盤上面が、ドレーン材上端部及び通水材ととも
に合成樹脂フィルムをラミネートした気密シートで覆わ
れるとともに、通水材に連結された真空ポンプが作動し
て真空引きされることから、地盤上面は負圧の状態とな
り、地盤中における間隙水圧との間には差が生じるよう
になる。そしてこの圧力差によって、ドレーン材を地盤
中に所定の間隔をおいて打設することにより、地盤中に
造成された鉛直排水壁を通して地盤中の水と空気が地盤
表面へと吸い出されるようになっている。地盤表面の水
と空気は、ドレーン材上端部と接触するように水平状に
配された通水材を通って(排水タンクへと)排出される
ようになっている。 またこの改良工法にあっては、ドレ
ーン材を振動させることにより、地盤、特にドレーン材
周りの地盤を構成する粒子間隙は広がり、水と空気は通
り易くなる。請求項3記載の軟弱地盤の改良施工装置に
あっては、地盤中に所定の間隔をおいてドレーン材を打
設し、このドレーン材上端部と接触するように水平状に
通水材を配し、この通水材に真空ポンプを連結する。更
に地盤上を前記ドレーン材上端部及び通水材とともに合
成樹脂フィルムをラミネートした気密シートで覆い、こ
の状態で真空ポンプを作動させると、地盤上面は負圧状
態となり、地盤中における間隙水圧との間には差が生じ
るようになる。そしてこの圧力差によって、地盤中に造
成された鉛直排水壁を通して地盤中の水と空気が地盤表
面へと吸い出され、地盤表面の水と空気は、ドレーン材
上端部と接触するように水平状に配された通水材を通っ
て(排水タンクへと)排出されるようになっている。ま
たこの改良施工装置にあっては、真空ポンプを間欠的に
作動させるようになっているので、地盤上面は常圧及び
負圧の状態が交互に造り出されることになる。負圧の状
態から常圧の状態へと変わるときには、その圧力差によ
って空気や水が一気に入り込むことになる。このため、
地盤には空気が一気に入り込むことによる大きな衝撃力
が作用して振動するので、地盤、特にドレーン材周りの
地盤を構成する粒子間隙は広がり、水と空気は通り易く
なる。さらにこの改良施工装置にあっては、地盤上面に
空気を送り込むパイプラインを設けたことから、地盤上
面が負圧の状態から常圧の状態へと移行するときに、そ
の圧力差によって空気や水が入り込むだけではなく、積
極的に空気を送り込むようにしたので、地盤に作用する
衝撃力もより大きくなり、地盤、特にドレーン材周りの
地盤を構成する粒子間隙はより大きく広がり、水と空気
はより通り易くなる。この結果、より効果的に地盤中の
水と空気の吸い出しができると共に、地盤上面をより速
く常圧の状態へと戻すことができる。請求項4記載の軟
弱地盤の改良施工装置にあっては、地盤中に所定の間隔
をおいてドレーン材を打設し、このドレーン材上端部と
接触するように水平状に通水材を配し、この通水材に真
空ポンプを連結する。更に地盤上を前記ドレーン材上
部及び通水材とともに合成樹脂フィルムをラミネートし
た気密シートで覆い、この状態で真空ポンプを作動させ
ると、地盤上面は負圧状態となり、地盤中における間隙
水圧との間には差が生じるようになる。そしてこの圧力
差によって、地盤中に造成された鉛直排水壁を通して地
盤中の水と空気が地盤表面へと吸い出され、地盤表面の
水と空気は、ドレーン材上端部と接触するように水平状
に配された通水材を通って(排水タンクへと)排出され
るようになっている。またこの改良施工装置にあって
は、ドレーン材が振動発生装置によって振動することか
ら、地盤、特にドレーン材周りの地盤を構成する粒子間
隙は広がり、水と空気は通り易くなる。 以下、本発明の
軟弱地盤の改良工法及び軟弱地盤の改良施工装置を図面
に示した一実施例に従って詳細に説明する。以下、請求
項1及び2記載の軟弱地盤の改良工法について説明す
る。この説明の過程で請求項3及び4記載の軟弱地盤の
改良施工装置についての説明もおこなっていく。この改
良工法は、地盤中に鉛直排水壁を造成する工程と、前記
真空ポンプに連結した通水材を配置する工程と、鉛直排
水壁の造成地域に砂による圧密載荷重を上載する工程
と、地盤上を気密シートで覆う工程と、真空ポンプを作
動させて地盤上面に負圧の状態を造り出す工程とからな
る。地盤中に鉛直排水壁を造成する工程は、ドレーン材
を地盤中に所定の間隔をおいて打設することからなる。
ドレーン材としては、従来より使用されているドレーン
材を用いることができる。その中でもペーパードレーン
材は、図1に示すように、マンドレル12に内挿した状
態で地盤A中に貫入し、ペーパードレーン材11を地盤
Aに残したままマンドレル12を引き上げることで打設
することができ、打設作業の容易さ、目詰まりが生じ難
く、確実な透水材としての機能をもつことから好まし
く、本実施例では従来より使用されている帯状原紙の中
に縦方向に連続した通水孔を設けたペーパー ト゛ レーンを
採用した。このドレーン材11を地盤A中に所定の間隔
をおいて打設することで、地盤A中には所定の間隔をお
いて鉛直状の排水壁が造成されることになり、各排水壁
間の地盤中に含まれる水及び空気は、図1中矢印で示す
ようにドレーン材11よりなる排水壁を通して地盤A上
面へと吸い上げられ、ドレーン材上端部11aより 排出
されるようになる。次に、真空ポンプに連結した通水材
を配置する。図2に示すように、ドレーン材上端部11
aは地盤Aの上面に突出している。この突出部分に通水
材13を接触するように平行状に配置するのである。通
水材13は、前記ドレーン材11よりなる排水壁を通し
て地盤A上面へと吸い上げられた水及び空気を水平方向
に移動させて軟弱地盤外(あるいは改良区域外)へ排出
するための移動経路となるべきものである。この通水材
13としては、水及び空気が該通水材13の長手方向へ
と移動できる通路としての機能を持つものならば何でも
よいが、地盤側からの水及び空気が該通水材内部へ侵入
する口、例えば孔、スリットなどが、地盤中の砂や土砂
などによって閉塞してしまい、水及び空気の通水材内部
への侵入が困難となったり、同じく地盤中の砂や土砂な
どによって通路が閉塞して水及び空気が該通水材の長手
方向へ移動できなかったりすることが少ない構造のもの
が望ましい。図3に示す通水材13は、プラスチックネ
ット14とその両表面に積層した繊維シート15とから
なり、水及び空気が、プラスチックネット14と繊維シ
ート15との間隙、及び繊維シートを構成する繊維間隙
を通して侵入し、かつ移動するようにしたものを用いた
が、同じくプラスチックネットを用い、このプラスチッ
クネットの一方面側のみに繊維シートを積層したもの、
図3に示す場合、繊維シートは、不織布を採用したが、
その他に織物や編物を用いたものなどであってもよい。
またこの通水材13は、例えば1m〜2mの幅をなす長
尺状のものであって、運搬時などにはロール状に巻回し
ておき、ドレーン材上端部11a上に配置するときに
は、地盤A上面の一端側から他端側までロールから順次
巻出していき、地盤A上面全面を覆うようにすることも
できる。また通水材13はドレーン材上端部11a近傍
を覆うことができる幅を有する帯状をなしていて、これ
を地盤A上面のドレーン材上端部11aに沿って一端側
から他端側まで配置して、地盤A上面をストライプ状あ
るいは格子状に配置することもできる。この通水材13
の一端側には真空ポンプ16が連結されている。図2に
示した態様では真空ポンプ16は通水材13の一端側に
直接連結されず、排水タンク1 7を介している。つまり
真空ポンプ16からの負圧が排水タンク17を介して通
水材13へと伝達されるようになっている。そしてこの
作用により地盤中の水及び空気が ト゛ レーン材を介して通
水材13へと入り込み、同通水材13内を移動して排水
タンク17へと排出されるようになっているのである。
真空ポンプ16の性能、機種としては特に限定されず、
長期に渡って地盤A上面を負圧状態に維持できるもので
あれば何でもよい。尚、図面では真空ポンプ16を通水
材13の一端側のみに連結したが両端側に連結すること
もできる。次いで、図4に示すように、地盤A上を前記
ドレーン材上端部11a及び通水材13とともに気密シ
ート18で覆うのである。気密シート18は、合成樹脂
シート、繊維基材表面に合成樹脂フィルムをラミネート
して、空気が透過できない様にしたものである。この気
密シート18で地盤A上を覆い、この状態で真空ポンプ
16を作動させると、真空ポンプ16からの負圧が排水
タンク17を介して通水材13へと伝達され、地盤A上
面は負圧状態となり、地盤A中における間隙水圧との間
には差が生じるようになる。そしてこの圧力差によっ
て、地盤A中に造成された鉛直排水壁を通して地盤A中
の水と空気が、図4中矢印で示したように、地盤A表面
へと吸い出され、地盤表面の水と空気は、ドレーン材上
端部11aと接触するように水平状に配された通水材1
3を通って排水タンク17へと排出されるようになる。
尚、この気密シート18と前記通水材13とを一体に設
けることもできる。この場合、気密シート18を同気密
シート18と一体に設けられた通水材13を内側(地盤
側)として、ドレーン材上端部11aと接触するように
設置することで、気密シート18の設置と通水材13の
配置とを一度に行うことができ、運搬なども一つの物品
として取り扱うことができるようになる。真空ポンプ1
6は間欠的に作動させる。図5に示すように、地盤A表
面が負圧の状態となり、その圧力差によって地盤A中の
水と空気が地盤A表面へと吸い出されると、地盤、特に
ドレーン材11の周りは、地盤Aを構成する粒子間隙が
狭くなり、水と空気が通り難くなる。この結果、地盤A
中に残存する水と空気は、圧力差によっても十分に吸い
出されなくなる。真空ポンプを間欠的に作動させること
で、地盤A上面は常圧及び負圧の状態が 交互に造り出さ
れることになる。負圧の状態から常圧の状態へと変わる
ときには、空気が一気に入り込むことになる。このた
め、地盤Aにはその圧力差によって空気が一気に入り込
むことになり、このときの衝撃力が地盤Aに作用して地
盤Aを揺り動かし、この結果図6に示すように地盤A、
特にドレーン材11周りの地盤Aを構成する粒子間隙は
広がり、水と空気は通り易くなる。そこで、再び真空ポ
ンプ16を作動させることで、地盤A表面が常圧の状態
から負圧の状態へと変わることで、その圧力差によって
地盤A中の水と空気が吸い出されるようになる。このよ
うに真空ポンプを間欠的に作動させることで、地盤中の
水と空気はより効率的に吸い出されることになる。また
真空ポンプを間欠的に作動させることで、地盤A上面に
常圧及び負圧の状態を交互に造り出す場合、地盤上面に
空気を送り込むパイプラインを設け、地盤上面が負圧の
状態から常圧の状態へと変わるときに、圧力差によって
空気が一気に入り込むだけではなく、パイプラインを通
じて積極的に空気を送り込まれるようにする。この場合
には、地盤に作用する衝撃力もより大きくなり、地盤、
特にドレーン材周りの地盤を構成する粒子間隙はより大
きく広がり、水と空気はより通り易くなる。この結果、
より効果的に地盤中の水と空気の吸い出しができると共
に、地盤上面をより速く常圧の状態へと戻すことができ
るというメリットがある。また、地盤Aを揺り動かす別
の手段としては、ドレーン材11に振動を発生する装置
を取り付けて、ドレーン材11を振動させるという方法
がある。この場合も地盤、特にドレーン材周りの地盤を
構成する粒子間隙は広がり、水と空気は通り易くなる。
振動発生装置としては、例えばドレーン材11の厚み方
向表裏に鉄又はアルミニウム等の導電板よりなる電極
(図示しない)を取り付けて、これらに電流を流して磁
界を発生させ、ドレーン材11を介して電極が吸引、反
発を繰り返すことで、振動を引き起こすようにしたもの
などを挙げることができる。また、図7に示すように、
気密シート18上に盛土20を行うこともできる。図7
に示した態様は、地盤A上を前記ドレーン材上端部11
a及び通水材13とともに覆う気密シート18上に盛土
20を施したものであり、気密シート18上に施された
盛土20の圧密載荷重によって地盤Aの圧密脱水が行わ
れるようにな り、前述の圧力差による吸い出しと共働し
て、地盤A中の水及び空気の地盤上面への排出を促進す
るようになる。つまり、気密シート18上に盛土20を
行った場合、真空引き当初は地盤A中に水と空気とが存
在しているので、盛土20による圧密載荷重は、地盤A
の水に働きその間隙水圧を上げる、その比較的浅い部分
(L1)が盛土20の周辺部へ動くように働く。軟弱地
盤は改良面だけでなく、その周辺部も軟弱で強度が小さ
い。このことから、盛土20による圧密載加重の影響は
盛土20の周辺部にも及ぶのである。引き続く真空引き
により地盤A中の水と空気が吸い出されることで、地盤
A中は次第に減圧状態となっていく。それにつれて、地
盤Aの比較的浅い部分(L1)は、盛土20の周辺部か
ら内側への体積収縮を生じる。また、地盤Aの間隙水圧
が下がり(圧密が進み)、盛土20による盛土載加重
は、地盤Aの土粒子に働くようになり、地盤A深部(L
2)の土粒子にまで働くことになり、より効果的で確実
な水及び空気の排出、硬質地盤(安定した地盤)への改
良がなされるようになる。この場合において、地盤A中
における間隙水圧は、盛土20の圧密載荷重による圧力
で一旦は上昇する。しかしながら地盤A中のドレーン材
11内部は減圧されていることから、地盤A中の水及び
空気が速やかに地盤A表面へと吸い出され、間隙水圧の
上昇は直ちに解消されるようになっている。尚、上に示
したものは単なる説明例にすぎず、例えばドレーン材上
端部11aと通水材13との位置が施工時にズレてしま
わないように、これらに固定手段を設けたりするなど、
特許請求の範囲に記載された範囲で自由に変更すること
ができる。
【発明の効果】請求項1記載の軟弱地盤の改良工法、改
良施工装置にあっては、真空ポンプを間欠的に作動させ
ることで、地盤上面に常圧及び負圧の状態を交互に造り
出し、地盤上面が負圧の状態から常圧の状態へと移行す
るときに、その圧力差によって空気が入り込むだけでは
なく、地盤上面に設けたパイプラインによって積極的に
空気を送り込むようにしたので、地盤に作用する衝撃力
もより大きくなり、地盤 、特にドレーン材周りの地盤を
構成する粒子間隙はより大きく広がり、水と空気はより
通り易くなる。この結果、より効果的に地盤中の水と空
気の吸い出しができると共に、地盤上面をより速く常圧
の状態へと戻すことができる。請求項2記載の軟弱地盤
の改良工法、改良施工装置にあっては、ドレーン材を振
動させることにより、地盤、特にドレーン材周りの地盤
を構成する粒子間隙は広がり、水と空気は通り易くな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 地盤中にドレーン材を打設した状態を示す断
面図。
【図2】 ドレーン材上端部と接触するように平行状に
通水材を配置した状態を示す断面図。
【図3】 通水材を示す要部拡大断面図。
【図4】 地盤上を前記ドレーン材上端部及び通水材と
ともに気密シートで覆った状態を示す断面図。
【図5】 水と空気が吸い出された後のドレーン材周り
の地盤を示す模式図。
【図6】 負圧状態から常圧の状態へ戻すことにより、
ドレーン材周りの地盤を構成する粒子間隙を広げた状態
を示す模式図。
【図7】 気密シート上に盛土を設けた状態を示す断面
図。
【図8】 従来の軟弱地盤の改良施工装置を示す断面
図。
【符号の説明】 11・・・ドレーン材 13・・・通水材 14・・・ネット 15・・・繊維シート 16・・・真空ポンプ 18・・・気密シート 19・・・砂 20・・・盛土
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−7309(JP,A) 特開 昭64−14415(JP,A) 特開 平1−105813(JP,A) 特開 平6−299535(JP,A) 特開 昭50−88810(JP,A) 特開 昭58−62211(JP,A) 特公 昭46−7348(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02D 3/10 E02D 3/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ドレーン材を地盤中に所定の間隔をおいて
    打設することにより、地盤中に鉛直排水壁を造成する工
    程と、前記ドレーン材上端部と接触するように水平状に
    真空ポンプに連結した通水材を配置する工程と、地盤上
    を前記ドレーン材上端部及び通水材とともに合成樹脂フ
    ィルムをラミネートした気密シートで覆う工程と、前記
    真空ポンプを作動させて地盤上面に負圧の状態を造り出
    す工程とからなる改良工法であって、 前記真空ポンプを間欠的に作動させることで、地盤上面
    に常圧及び負の状態を交互に造り出し、地盤上面が負圧
    の状態から常圧の状態へと移行するときに、地盤上面に
    空気を送り込むことを特徴とする軟弱地盤の改良工法。
  2. 【請求項2】ドレーン材を地盤中に所定の間隔をおいて
    打設することにより、地盤中に鉛直排水壁を造成する工
    程と、前記ドレーン材上端部と接触するように水平状に
    真空ポンプに連結した通水材を配置する工程と、地盤上
    を前記ドレーン材上端部及び通水材とともに合成樹脂フ
    ィルムをラミネートした気密シートで覆う工程と、前記
    真空ポンプを作動させて地盤上面に負圧の状態を造り出
    す工程とからなる改良工法であって、前記ドレーン材を
    振動させるようにしたことを特徴とする軟弱地盤の改良
    工法。
  3. 【請求項3】地盤中に所定の間隔をおいて打設されるド
    レーン材と、このドレーン材上端部と接触するように水
    平状に配置される通水材と、通水材に連結される真空ポ
    ンプと、地盤上を前記ドレーン材上端部及び通水材とと
    もに覆う合成樹脂フィルムをラミネートした気密シート
    とからなる軟弱地盤の改良施工装置であって、 前記真空ポンプを間欠的に作動させることで、地盤上面
    に常圧及び負の状態を交互に造り出し、地盤上面が負圧
    の状態から常圧の状態へと移行するときに、地盤上面に
    空気を送り込むパイプラインを設けたことを特徴とする
    軟弱地盤の改良施工装置。
  4. 【請求項4】地盤中に所定の間隔をおいて打設されるド
    レーン材と、このドレーン材上端部と接触するように水
    平状に配置される通水材と、通水材に連結される真空ポ
    ンプと、地盤上を前記ドレーン材上端部及び通水材とと
    もに覆う合成樹脂フィルムをラミネートした気密シート
    とからなる軟弱地盤の改良施工装置であって、前記ドレ
    ーン材に振動発生装置を取り付けたことを特徴とする軟
    弱地盤の改良施工装置。
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