JP3138405B2 - フローティングキャリパ型のディスクブレーキ - Google Patents

フローティングキャリパ型のディスクブレーキ

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JP3138405B2
JP3138405B2 JP07109028A JP10902895A JP3138405B2 JP 3138405 B2 JP3138405 B2 JP 3138405B2 JP 07109028 A JP07109028 A JP 07109028A JP 10902895 A JP10902895 A JP 10902895A JP 3138405 B2 JP3138405 B2 JP 3138405B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フローティングキャリ
パ型のディスクブレーキに関するものである。
【0002】
【従来の技術及びその課題】フローティングキャリパ型
のディスクブレーキは、車両の非回転部に固定したサポ
ートと、サポートに摺動自在に支持したキャリパとを備
え、キャリパの後腕のシリンダ部に摺動自在に嵌合する
ピストンに当接するインナーパッドと、キャリパの前腕
に支持するアウターパッドとで、車輪と共に回転するデ
ィスクを挟圧し、制動トルクを生ずる。この種のディス
クブレーキにあつては、ディスクと各パッドとの制動解
除時の間隙は、次のようにして確保している。すなわ
ち、シリンダ部とピストンとの間にゴム質弾性体からな
るシールリングを介装させ、制動時のピストンの一方向
への突出移動は、シールリングの弾性変形によつて許容
させ、制動解除時には、シールリングの弾性的な復帰変
形によつてピストンを復帰移動させる。両パッドが摩耗
すれば、その摩耗量に応じてシールリングのピストンと
の係合位置が次第に変化し、ピストンが一方向へ次第に
突出移動する。これにより、ブレーキペダルの踏み込み
量、ひいてはブレーキ作動液量を一定に保つと共に、デ
ィスクとインナーパッドとの間に所定間隙を形成する。
制動解除時のディスクとアウターパッドとの間の間隙
は、回転するディスクにアウターパッドが蹴られること
によつて、アウターパッドが遠ざけられるようにキャリ
パと共に移動して形成される。その際、キャリパがサポ
ートに対して若干摺動する。
【0003】しかしながら、このような従来のフローテ
ィングキャリパ型のディスクブレーキにあつては、ディ
スクとインナーパッドとの間の所定間隙は、シールリン
グの弾性変形によつて確実に形成されるが、ディスクと
アウターパッドとの間の間隙は、確実には形成されない
傾向にある。このため、車両の走行時において、常時、
アウターパッドがディスクに摺動して引きずりトルクを
生ずることとなり、車両の燃費の悪化の原因になると共
に、摺動に伴う異音を生ずるという技術的課題がある。
このような不具合は、ディスクの製作及び取付け精度が
高まる程、顕在化する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような従
来の技術的課題に鑑みてなされたものであり、その構成
は、次の通りである。請求項1の発明の構成は、車両の
非回転部に固定するサポート4と、サポート4に移動自
在に支持するキャリパ5と、キャリパ5の後腕5aのシ
リンダ部6に摺動自在に嵌合するピストン8によつて押
し出されるインナーパッド10と、キャリパ5の前腕5
bに支持されるアウターパッド14と、シリンダ部6と
ピストン8との間に介装され、両パッド10,14の摩
耗量に応じて係合位置が次第に変化するシールリング1
2とを備え、制動時には、シールリング12を弾性変形
させながらピストン8を一方向に突出させ、キャリパ5
をサポート4に対して他方向に移動させて、インナーパ
ッド10とアウターパッド14とで車輪と共に回転する
ディスク1を挟圧し、制動トルクを生じさせ、制動解除
時には、シールリング12の弾性変形によつてピストン
8を第1長さL1 だけ他方向に復帰移動させ、ディスク
1とインナーパッド10との間に間隙を形成するフロー
ティングキャリパ型のディスクブレーキであつて、前記
サポート4とキャリパ5との間に、アウターパッド14
の摩耗量に応じて係合位置が次第に変化する弾性部材1
8を介在させ、制動時には、弾性部材18を弾性変形さ
せながらキャリパ5を他方向に移動させ、制動解除時に
は、弾性部材18の弾性的な復帰変形によつてキャリパ
5を前記第1長さL1 よりも短い第2長さL2 だけ一方
向に復帰移動させ、制動解除時に、ディスク1とインナ
ーパッド10との間に第1間隙Δを形成し、ディスク1
とアウターパッド14との間に第2間隙δを形成すると
共に、前記弾性部材18が、サポート4又はキャリパ5
の一方に固着される部材(30,40又は41)と、該
部材(30,40又は41)に接着される弾性材(3
1,42)とを有し、前記サポート4又はキャリパ5の
他方のピン16に所定の摩擦力を与えて摺動可能に密着
していることを特徴とするフローティングキャリパ型の
ディスクブレーキである。請求項2の発明の構成は、車
両の非回転部に固定するサポート4と、サポート4に移
動自在に支持するキャリパ5と、キャリパ5の後腕5a
のシリンダ部6に摺動自在に嵌合するピストン8によつ
て押し出されるインナーパッド10と、キャリパ5の前
腕5bに支持されるアウターパッド14と、シリンダ部
6とピストン8との間に介装され、両パッド10,14
の摩耗量に応じて係合位置が次第に変化するシールリン
グ12とを備え、制動時には、シールリング12を弾性
変形させながらピストン8を一方向に突出させ、キャリ
パ5をサポート4に対して他方向に移動させて、インナ
ーパッド10とアウターパッド14とで車輪と共に回転
するディスク1を挟圧し、制動トルクを生じさせ、制動
解除時には、シールリング12の弾性変形によつてピス
トン8を第1長さL1 だけ他方向に復帰移動させ、ディ
スク1とインナーパッド10との間に間隙を形成するフ
ローティングキャリパ型のディスクブレーキであつて、
前記サポート4とキャリパ5との間に、アウターパッド
14の摩耗量に応じて係合位置が次第に変化する弾性部
材18を介在させ、制動時には、弾性部材18を弾性変
形させながらキャリパ5を他方向に移動させ、制動解除
時には、弾性部材18の弾性的な復帰変形によつてキャ
リパ5を前記第1長さL1 よりも短い第2長さL2 だけ
一方向に復帰移動させ、制動解除時に、ディスク1とイ
ンナーパッド10との間に第1間隙Δを形成し、ディス
ク1とアウターパッド14との間に第2間隙δを形成す
ると共に、前記弾性部材18が、サポート4又はキャリ
パ5の一方に固着される部材(30,40又は41)
と、該部材(30,40又は41)に接着される弾性材
(31,42)とを有し、前記サポート4又はキャリパ
5の他方の穴部15aに所定の摩擦力を与えて摺動可能
に密着していることを特徴とするフローティングキャリ
パ型のディスクブレーキである。
【作用】
【0005】請求項1の発明によれば、弾性部材18
が、サポート4又はキャリパ5の一方に固着される部材
(30,40又は41)と、該部材(30,40又は4
1)に接着される弾性材(31,42)とを有し、サポ
ート4又はキャリパ5の他方のピン16に所定の摩擦力
を与えて摺動可能に密着しているので、制動作動に伴つ
て弾性部材18がこのサポート4又はキャリパ5の一方
に対して移動することはない。
【0006】そして、制動に際してサポート4に対して
キャリパ5が移動することにより、弾性部材18の弾性
材(31,42)が第2長さL2 だけ弾性変形する。
【0007】この第2長さL2 の弾性変形は、弾性部材
18とサポート4又はキャリパ5の他方のピン16との
間の摩擦力によつて与えられる。
【0008】アウターパッド14が所定量を越えて摩耗
している場合には、弾性部材18がピン16に対して移
動し、弾性部材18の密着係合位置がアウターパッド1
4の摩耗量に応じて次第に変化する。次いで、制動を解
除すれば、弾性部材18の弾性材(31,42)が弾性
的に復帰変形する。
【0009】これにより、キャリパ5を一方向に第2長
さL2 だけ復帰移動させ、アウターパッド14とディス
ク1との間に第2間隙δを形成する。
【0010】制動解除時にキャリパ5が一方向に復帰移
動する第2長さL2 は、アウターパッド14の摩耗量の
如何を問わず、第1長さL1 よりも小さく設定されてい
る。しかして、制動解除時に、アウターパッド14とデ
ィスク1との間に第2間隙δが形成された状態で、イン
ナーパッド10とディスク1との間に第1間隙Δが形成
され、ディスク1と両パッド10,14との引きずり
が、それぞれ防止される。
【0011】請求項2の発明によれば、弾性部材18
が、サポート4又はキャリパ5の一方に固着される部材
(30,40又は41)と、該部材(30,40又は4
1)に接着される弾性材(31,42)とを有し、前記
サポート4又はキャリパ5の他方の穴部15aに所定の
摩擦力を与えて摺動可能に密着している。
【0012】従つて、制動作動に伴つて弾性部材18が
このサポート4又はキャリパ5の一方に対して移動する
ことはない。
【0013】そして、制動に際してサポート4に対して
キャリパ5が移動することにより、弾性部材18の弾性
材(31,42)が第2長さL2 だけ弾性変形する。こ
の第2長さL2 の弾性変形は、弾性部材18とサポート
4又はキャリパ5の他方の穴部15aとの間の摩擦力に
よつて与えられる。
【0014】これにより、ディスク1と両パッド10,
14との引きずり防止に関し、請求項1の発明と同様の
作用が得られる。なお、ピン16及び穴部15aは、通
常、それぞれ一対形成されている。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。先ず、図1〜図6を参照して、本発明の1
実施例の基礎となるフローティングキャリパ型のディス
クブレーキに関する技術について説明する。なお、図1
及び図5,図6に示す弾性部材18は、特許請求の範囲
の請求項1,2に係る弾性部材18には含まれない。図
中において符号1は円板状のディスクを示し、車両の車
輪(図示せず)と一体に回転する部材、例えばホイー
ル、アクスルシャフトのフランジ部等にボルト・ナット
によつて固定され、車輪と共に回転する。
【0016】一方、車両の非回転部(図示せず)、例え
ばナツクル、車軸管等には、サポート4が堅固に固設さ
れている。このサポート4には、ディスク1を跨ぐキヤ
リパ5が一方向(ディスク1の回転軸線方向(図1上で
左右方向))に移動自在(フローティング自在)に支持
され、キヤリパ5の後腕5a(ディスク1の回転軸線方
向の一端部)には、一個のシリンダ部6が形成されてい
る。このキヤリパ5は、ディスク1の回転方向の両側部
に形成した耳部15,15の穴部15aに、サポート4
に平行に固設したピン16がそれぞれ移動自在に嵌合し
ているので、一対のピン16に案内されてディスク1の
回転軸線方向に移動する。
【0017】キヤリパ5の後腕5aに形成したシリンダ
部6には、図2〜図4に示すシールリング12を介装し
て、ピストン8を前記回転軸線方向の摺動自在に嵌合さ
せてあり、ピストン8には、インナーパツド10が押出
し可能に当接している。また、キヤリパ5の前腕5b
(前記回転軸線方向の他端部)には、アウターパッド1
4が当接支持されている。なお、このアウターパッド1
4は、着脱自在な結合手段、例えばボルトによつて前腕
5bに一体的に取付けることもできる。しかして、制動
時には、図4に示すようにシールリング12を弾性変形
させながらピストン8を一方向に突出させて、インナー
パッド10とアウターパッド14とでディスク1を挟圧
し、制動トルクを生じさせ、制動解除時には、シールリ
ング12の弾性的な復帰変形によつてピストン8を図4
に示す第1長さL1 だけ復帰移動させ、ディスク1とイ
ンナーパッド10との間に図2に示す第1間隙Δを形成
することができる。
【0018】サポート4に固設した一対のピン16は、
図1に示すようにそれぞれサポート4を貫通させた軸部
材16aと、軸部材16aに外嵌するブッシュ16bと
からなり、ブッシュ16bの外周面がキヤリパ5の穴部
15aに対して移動する。24は、ブッシュ16bと穴
部15aとの間の移動部に介在させた直動ベアリング
(リニアモーションベアリング)であり、サポート4に
対するキャリパ5の移動抵抗を軽減させて、キャリパ5
に円滑な移動を与える機能を有する。20,21は、そ
れぞれキヤリパ5の耳部15,15とブッシュ16bの
各端部との間を覆うシーリングブーツである。
【0019】そして、サポート4の各ピン16、具体的
には各ブッシュ16bとキヤリパ5の耳部15,15と
の間であつて、直動ベアリング24を避けた位置とし
て、図1,図5に示すように弾性部材18を介在させ
る。弾性部材18は、ゴム質弾性体(ゴム又はエラスト
マー)によつて環状に形成され、各ピン16にそれぞれ
複数個配置してあり、制動時には、弾性変形しながらキ
ャリパ5の他方向への移動を許容させ、制動解除時に、
キヤリパ5に一方向への復帰移動を与えるように機能す
る。すなわち、制動解除時には、図6に示す状態から弾
性部材18が弾性的に復帰変形し、キャリパ5を一方向
に第2長さL2 だけ移動させ、制動解除状態でディスク
1とアウターパッド14との間に図2に示す第2間隙δ
を形成する。一方、アウターパッド14が摩耗している
場合には、制動時に、アウターパッド14の摩耗量に応
じてキャリパ5が他方向に大きく移動し、弾性部材18
のピン16との密着係合位置が次第に変化する。
【0020】具体的には図1,図5に示すようにキヤリ
パ5の耳部15,15に複数個の環状溝22を形成し、
各環状溝22に弾性部材18の外周部を埋め込み、各弾
性部材18の内周面をピン16の外周面に弾性的に密着
させてある。図5に示すように環状溝22の内周部に
は、浅い環状溝部22aが形成され、浅い環状溝部22
a内で弾性部材18の弾性変形を許容すると共に、ピン
16による穴部15aの移動案内を緻密に行うようにな
つている。ここで、弾性部材18の弾性的な復帰変形
量、つまり制動解除時にキャリパ5を一方向に移動させ
る第2長さL2 は、シールリング12の弾性的な復帰変
形量である第1長さL1 よりも小さく設定され、第1長
さL1 の1/5〜4/5の範囲、好ましくは1/2に設
定する。各ピン16とキヤリパ5の耳部15,15との
間に、ディスク1の回転軸線方向に複数個の弾性部材1
8を配置するのは、キヤリパ5の重量に応じて大きな弾
性的復帰力を発生させるためであり、キヤリパ5を一方
向に復帰移動させることが可能であれば、各ピン16に
1個の弾性部材18のみを配置することもできる。
【0021】次に上記フローティングキャリパ型のディ
スクブレーキの作用について説明する。車両走行時に、
図外のブレーキペダルを踏み込んでシリンダ部6に圧液
(ブレーキ作動液)を供給すれば、ピストン8と共にイ
ンナーパッド10が一方向に押し出され、車輪と共に回
転するディスク1の一側面にインナーパッド10が押付
けられる。その際、シールリング12が第1長さL1
け弾性変形する。両パッド10,14が所定量を越えて
摩耗している場合は、その摩耗量に応じてピストン8が
シールリング12に対して移動する。従つて、ピストン
8の復帰長さは、常にシールリング12の弾性的な復帰
変形量である第1長さL1 と一致することになる。
【0022】一方、インナーパッド10がディスク1に
押付けられれば、その反力によつてキャリパ5が他方向
に移動し、前腕5bに当接するアウターパッド14がデ
ィスク1の他側面に押付けられる。このキャリパ5の移
動に際しては、各ピン16に対して穴部15aが移動す
る。これにより、ディスク1ひいては車輪が制動を受け
る。両パッド10,14に生ずる制動トルクは、直接
(又はピン16及びキヤリパ5を介して)サポート4に
伝えられて支持されるようになつている。
【0023】そして、制動に際して各ピン16に対して
穴部15aが移動することにより、各弾性部材18が図
6に示すように第2長さL2 だけ弾性変形する。アウタ
ーパッド14が所定量を越えて摩耗している場合には、
ピン16と穴部15aとの相対的な移動量が所定範囲を
越えて大きくなるため、キャリパ5及び各弾性部材18
が各ピン16に対して他方向に移動し、各弾性部材18
の各ピン16との密着係合位置がアウターパッド14の
摩耗量に応じて次第に変化する。
【0024】次いで、シリンダ部6から圧液を排出させ
て制動を解除すれば、シールリング12が弾性的に復帰
変形し、ピストン8が第1長さL1 だけシリンダ部6内
に没入するように他方向に復帰移動し、インナーパッド
10とディスク1の一側面との間に間隙が形成される。
同時に、各弾性部材18が弾性的に復帰変形する。これ
により、キャリパ5を一方向に第2長さL2 だけ復帰移
動させ、アウターパッド14とディスク1との間に第2
間隙δを形成する。この第2間隙δは、弾性部材18の
弾性的な復帰変形量である第2長さL2 と一致してい
る。ブッシュ16bと穴部15aとの間の移動部に直動
ベアリング24を介在させたので、各弾性部材18の弾
性的な復帰変形に基づき、キャリパ5がサポート4に対
して円滑に移動することとなり、キャリパ5の一方向へ
の第2長さL2 の復帰移動が確実になされる。
【0025】そして、制動解除時にキャリパ5が一方向
に復帰移動する第2長さL2 は、第1長さL1 よりも小
さく設定されている。しかして、制動解除時に、アウタ
ーパッド14とディスク1との間に第2間隙δが形成さ
れた状態で、インナーパッド10とディスク1との間に
第1間隙Δが形成され、ディスク1と両パッド10,1
4との引きずりがそれぞれ防止される。第2長さL2
第1長さL1 の1/5〜4/5の範囲に設定すれば、第
1,第2間隙Δ,δが引きずりを防止する上で適当に形
成され、第2長さL2 を第1長さL1 の1/2に設定す
れば、第1,第2間隙Δ,δが同一に形成され、引きず
りが更に良好に防止される。なお、弾性部材18は、内
周部を各ピン16に固定し、外周部をキヤリパ5の穴部
15aに密着させても、同様の作用が得られる。
【0026】次に、図7,図8を参照して、本発明の1
実施例に係る弾性部材18の1構造例について説明す
る。この弾性部材18は、金属製の筒状部材である内筒
30と、内筒30の外周面に加硫接着させたゴム質弾性
体からなる弾性材31とを有する。内筒30は、円筒状
をなし、一部に、半径方向に延びる突出片部32,33
を形成し、この突出片部32,33の先端を穴部15a
の内面に臨ませる。具体的には、内筒30の中心軸線方
向の両端部にそれぞれ突出片部32,33を有する。一
端部の突出片部32は、内筒30の一端部を次第に拡径
させて形成したテーパー面部35の先に形成され、内筒
30の一端部に残した突出片を外径方向に折り曲げて形
成されている。この構造例では、一端部の突出片部32
は、周方向に等しい間隔で4個形成してある。
【0027】一方、内筒30の他端部の突出片部33
は、内筒30の他端部に残した突出片を外径方向に折り
曲げて形成されている。この構造例では、他端部の突出
片部33は、周方向に等しい間隔で4個形成してある。
なお、各突出片部32,33の側面は、弾性材31に加
硫接着させてもよいが、予め離型剤を塗布することによ
つて加硫接着を防止し、弾性材31と別個独立に弾性変
形するように構成してもよい。弾性材31と各突出片部
32,33との接着を防止すれば、弾性材31の弾性的
変形力が長期間に渡つて一定に維持される。
【0028】更に、弾性材31の弾性的密着面となる外
周面の表層部31aには、摩擦係数を調節する処理を施
すことができる。この処理としては、摩擦係数を低下さ
せる処理が一般的であり、例えば、弾性材31の表層を
加熱して熱劣化させることによつて表層部31aを硬化
させ、また、化学薬品を塗布することによつて劣化させ
て表層部31aを硬化させる等がある。
【0029】このような弾性部材18は、サポート4の
各ピン16、具体的には各ブッシュ16bとキヤリパ5
の耳部15,15との間であつて、直動ベアリング24
を避けた位置として介在させる。なお、弾性材31の表
層部31aとの間の摩擦係数を調節するために、各耳部
15,15の穴部15aに、筒状のブッシュをそれぞれ
取付け、各穴部15aの内周面をブッシュによつて形成
することもできる。その場合には、サポート4の各ピン
16に弾性部材18を圧入固着することとも相まつて、
各ピン16の各ブッシュ16bは省略できる。
【0030】先ず、サポート4の各ピン16に弾性部材
18を圧入固着する。その際、弾性部材18は、内筒3
0の一端部側から各ピン16に圧入させる。内筒30の
一端部にはテーパー面部35が形成されているので、内
筒30の一端部にピン16を容易に受け入れて、圧入す
ることができる。また、内筒30の他端部には突出片部
33が形成されているので、この突出片部33に工具を
当てて容易に圧入させることができる。
【0031】サポート4の各ピン16の所定位置に弾性
部材18を圧入固着した状態で、各ピン16をキヤリパ
5の各穴部15aに弾性材31を若干圧縮させながら挿
入する。その際、キヤリパ5の穴部15aの挿入口側端
部に弾性材31の外周部が衝突し、弾性材31が損傷を
受ける恐れがある。そこで、各耳部15,15の穴部1
5aの挿入口側となる周縁に、図7に示すように面取り
部15bを予め形成しておく。これにより、弾性材31
は、その外周部が面取り部15bに案内されて次第に圧
縮を受けながら穴部15a内に挿入される。かくして、
弾性材31をほとんど損傷させることなく、所定量だけ
弾性的に圧縮させて、穴部15a内に組付けることがで
きる。
【0032】このようにして、弾性部材18をサポート
4の各ピン16とキヤリパ5の各穴部15aとの間に装
着した状態で、各ピン16に内筒30が圧入固着されて
いるので、制動作動に伴つて弾性部材18が各ピン16
に対して移動することはない。また、各突出片部32,
33は、各穴部15aの内面との間にわずかの間隙を形
成し、又は摺動自在に接触している。そして、制動に際
して各ピン16に対してキヤリパ5の穴部15aが移動
することにより、各弾性部材18の弾性材31が上記
礎となるフローティングキャリパ型のディスクブレーキ
と同様に図6に示す第2長さL2 だけ弾性変形する。こ
の第2長さL2 の弾性変形は、弾性材31と各穴部15
aの内面との摩擦力によつて与えられる。その際、突出
片部32,33も適宜に弾性変形する。
【0033】アウターパッド14が所定量を越えて摩耗
している場合には、キャリパ5が各弾性部材18に対し
て他方向に移動し、各弾性部材18の弾性材31の各穴
部15aの内面との密着係合位置がアウターパッド14
の摩耗量に応じて次第に変化する。その際に弾性材31
に与えられる第2長さL2 の弾性変形量は、弾性材31
の外周面の表層部31aの摩擦係数を調節するなどし
て、弾性材31と各穴部15aの内面との摩擦力を増減
調節することにより、正確に与えることができる。
【0034】次いで、制動を解除すれば、各弾性部材1
8の弾性材31及び突出片部32,33が弾性的に復帰
変形する。これにより、キャリパ5を一方向に第2長さ
2だけ復帰移動させ、アウターパッド14とディスク
1との間に第2間隙δを形成する。この第2間隙δは、
弾性部材18の弾性材31及び突出片部32,33(,
34)の弾性的な復帰変形量である第2長さL2 と一致
している。弾性材31の復帰変形力は、弾性材31の弾
性係数、硬度、中心軸線方向の長さ、径方向の厚さ等を
適宜に選定して、調節することができる。
【0035】また、内筒30の両端部の各突出片部3
2,33は、各穴部15aの内面との間にわずかの間隙
を形成し、又は摺動自在に接触している。従つて、車両
の走行時のバウンド・リバウンドに伴つてキャリパ5が
上下方向に大きく相対移動しようとする際、各突出片部
32,33が各穴部15aの内面に当接してキャリパ5
の相対移動を抑制する。これにより、弾性材31の一部
(主として車両への取付け状態での上端部)の径方向の
過大な変形が抑制され、弾性材31が早期に塑性変形す
ることが良好に抑制される。従つて、各突出片部32,
33は、弾性材31に塑性変形を受け易い箇所(車両へ
の取付け状態での上端部)にのみ形成することも可能で
ある。
【0036】このように、キャリパ5の第2長さL2
復帰移動が弾性材31によつて与えられ、弾性材31の
径方向の過大な変形が各突出片部32,33によつて抑
制されるので、直動ベアリング24は、省略することが
できる。なお、弾性部材18の内筒30に代えて金属製
の外筒とし、この外筒をキヤリパ5の穴部15aに圧入
固着し、外筒の内周面に加硫接着させたゴム質弾性体か
らなる弾性材の内周面を各ピン16に弾性的に密着させ
ても、同様の作用が得られる。
【0037】図9には、図7,図8に示す上記弾性部材
18の1構造例において、突出片部34を形成し、他端
部の突出片部33に湾曲変形部33aを形成した変形例
を示す。突出片部34は、内筒30の一部(中心軸線方
向の中間部)に切込み(例えばM字状、U字状、V字状
等の一直線を形成しない切込み)を形成し、この切込み
部分を外径方向に起立させて形成され、半径方向の高さ
は、両端部の突出片部32,33と同じに設定してあ
る。この突出片部34は、中心軸線方向又は周方向に複
数個形成することもできる。また、他端部の突出片部3
3の湾曲変形部33aは、突出片部33の外周部を弾性
材31に向けて湾曲変形させて形成され、弾性材31の
他端外周部に形成したテーパー面部31bに弾性的に押
し付けてある。
【0038】この湾曲変形部33aを形成した突出片部
33によれば、キヤリパ5への組付時に、穴部15aの
挿入口側端部の周縁に、先ず、湾曲変形部33aが接触
し、各突出片部33及びテーパー面部31bを弾性的に
縮径変形させながら、穴部15a内に弾性材31が挿入
される。かくして、弾性材31をほとんど損傷させるこ
となく、所定量だけ弾性的に圧縮させながら、穴部15
a内に弾性材31を挿入することができる。従つて、図
7に示す各耳部15,15の面取り部15bを省略する
ことも可能である。また、内筒30の中心軸線方向の中
間部に形成した突出片部34は、内筒30の両端部の各
突出片部32,33と同様に機能する。
【0039】図10,図11には、本発明の1実施例に
係る弾性部材18の他の構造例を示す。この弾性部材1
8は、金属製の内筒40と、金属製の外筒41と、内筒
40の外周面と外筒41の内周面との間に加硫接着させ
たゴム質弾性体からなる内部弾性材である主弾性材42
と、外筒41の外周に加硫接着させたゴム質弾性体から
なる副弾性材43とを有する。なお、加硫後の収縮によ
つて主弾性材42の内部に大きな残留応力が生じて接着
力が弱まることを防止するために、加硫後に外筒41を
絞り、又は内筒40を拡げることができる。また、内・
外筒40,41の少なくとも一方を非接着として、主弾
性材42を圧入することもできる。
【0040】主弾性材42は、制動に際して第2長さL
2 だけ弾性変形し、制動の解除時にキャリパ5を一方向
に第2長さL2 だけ復帰移動させる機能を主として有す
る。この主弾性材42の機能を確保するために、主弾性
材42の弾性係数、硬度、中心軸線方向の長さ、径方向
の厚さ等を適宜に選定して、主弾性材42の復帰変形力
を調節することができる。
【0041】副弾性材43は、各耳部15,15の穴部
15aの内周面と所定の摩擦力で接触し、制動に際して
主弾性材42を第2長さL2 だけ弾性変形させる機能を
主として有する。しかして、副弾性材43は、薄く(外
筒41に1mm以下の厚さ)形成し、キヤリパ5の各穴
部15aの内面との摩擦力が適正に与えられるように、
所定の硬度のゴム質弾性体によつて形成されている。
【0042】この弾性部材18は、サポート4の各ピン
16に内筒40を圧入固着し、副弾性材43を各耳部1
5,15の穴部15aの内周面に弾性的に密着させて組
付けられる。各ピン16への内筒40の圧入作業を容易
にするために、内筒40の一端部に上記1構造例のテー
パー面部35と同様のテーパー面部を形成することがで
きる。また、弾性部材18を取付けた各ピン16をキヤ
リパ5の各穴部15aに挿入する作業を容易にするため
に、キヤリパ5の穴部15aの挿入口側端部に1構造例
と同様のテーパー面部15bを形成することができる。
弾性部材18をキヤリパ5の穴部15aに挿入すること
により、内・外筒40,41の間に介在する主弾性材4
2は変形せず、副弾性材43のみが圧縮を受ける。
【0043】このようにして、内筒40がサポート4の
各ピン16に圧入固着されているので、制動作動に伴つ
て各弾性部材18が各ピン16に対して移動することは
ない。また、副弾性材43がキヤリパ5の穴部15aの
内面に弾性的に密着している。
【0044】そして、制動に際して各ピン16に対して
キヤリパ5の穴部15aが移動することにより、副弾性
材43と各穴部15aの内面との摩擦力により、主とし
て主弾性材42が図6に示す第2長さL2 だけ弾性変形
する。副弾性材43は、薄肉であるので、ほとんど中心
軸線方向には変形しない。従つて、副弾性材43(又は
穴部15aの内周に取付けられ、副弾性材43が弾性的
に密着するブッシュ)の摩擦係数を増減調節することに
より、主弾性材42に第2長さL2 の弾性変形量を正確
に与えることができる。このように、副弾性材43は、
穴部15aの内周面に接触させて適正な摩擦力を与える
機能を主として有するため、主弾性材42とは別個に所
定の硬度のゴム質弾性体で形成して、適正な摩擦力を与
えることが容易にできる。従つて、弾性部材18に任意
の中心軸線方向の長さを与え、かつ、金属製のキヤリパ
5の穴部15aの内面に直接に副弾性材43を接触させ
ることが可能となる。副弾性材43と各穴部15aの内
面との間の摩擦係数を増減調節するために、キヤリパ5
の穴部15aの内面に軸受合金をメッキによつて付着さ
せることもできる。
【0045】このように、主弾性材42及び副弾性材4
3をそれぞれの機能に好適な別個の材質として、制動に
際して、副弾性材43と各穴部15aの内面との摩擦力
により、主弾性材42に図6に示す第2長さL2 の弾性
変形を与えることができる。そして、アウターパッド1
4が所定量を越えて摩耗している場合には、主弾性材4
2の第2長さL2 の弾性変形量を維持させたままで、各
穴部15aの内面に対して副弾性材43を摺動させ、副
弾性材43の各穴部15aの内面との密着係合位置をア
ウターパッド14の摩耗量に応じて次第に変化させるこ
とができる。また、制動の解除に伴つて、主弾性材42
の弾性的復帰変形により、キャリパ5を一方向に第2長
さL2 だけ復帰移動させ、アウターパッド14とディス
ク1との間に第2間隙δを形成することができる。
【0046】また、車両の走行時のバウンド・リバウン
ドに伴つてキャリパ5が上下方向に大きく相対移動しよ
うとする際、内・外筒40,41の間隔が変動する。し
かしながら、内・外筒40,41の間に主弾性材42が
圧縮されて挿入されているので、中心軸線方向のばね定
数と比較して中心軸線と直角方向のばね定数が大きくな
り、内・外筒40,41の間隔の変動が主弾性材42の
全体的な伸縮変形として良好に抑制される。これによ
り、主弾性材42の一部(主として車両への取付け状態
での上端部)の径方向の過大な変形が抑制され、主弾性
材42が早期に塑性変形することが良好に抑制される。
なお、副弾性材43は、所定の硬度を有すると共に薄肉
であるので、一部(主として車両への取付け状態での上
端部)にへたりを生じた場合であつても、キヤリパ5の
穴部15aの内面との弾性的な密着関係が全体としては
良好に維持される。
【0047】このようにして、キャリパ5の第2長さL
2 の復帰移動が主弾性材42によつて良好に与えられ、
主弾性材42の径方向の過大な変形が内・外筒40,4
1の作用によつて抑制されるので、ブッシュ16bと穴
部15aとの間の移動部に介在させた直動ベアリング2
4は、省略することができる。なお、穴部15aに所定
の摩擦係数を有するブッシュを取付け、このブッシュに
外筒41を所定の摩擦力を与えて摺動可能に係合させれ
ば、副弾性材43を省略することも可能である。また、
副弾性材43図10,図11に示す外筒41の外
周ではなく内筒40の内周に加硫接着させ、(図10,
図11に示す副弾性材43を取り除いた)外筒41をキ
ャリパ5の穴部15aに圧入固着させ、この内筒40に
加硫接着させた副弾性材43を各ピン16に弾性的
に密着させても、同様の作用が得られる。
【0048】ところで、上記実施例にあつては、各弾性
部材18をサポート4の各ピン16とキヤリパ5の耳部
15,15との間に配設したが、サポート4とキャリパ
5との間にピン16及び耳部15,15に代えて専用の
別部材を配設し、この別部材の間に各弾性部材18を介
装して、上記実施例と同様の作用を得ることも可能であ
る。また、本発明は、キヤリパ5がサポート4の溝部に
対して移動する形式のフローティングキャリパ型のディ
スクブレーキに対しても、同様に適用が可能である。こ
れらの場合には、弾性部材18の形状は環状に限定され
ず、矩形その他の形状を与えることも可能である。
【0049】また、上記弾性部材18の1構造例にあつ
ては、弾性部材18をサポート4の各ピン16とキヤリ
パ5の各穴部15aとの間に装着したが、筒状部材30
を、キャリパ5と一体のピン又はサポート4の穴部の一
方に圧入固着し、弾性材31を、キャリパ5と一体のピ
ン又はサポート4の穴部の他方に所定の摩擦力を与えて
摺動可能に密着させても、同様の作用が得られる。更
に、上記弾性部材18の他の構造例にあつては、弾性部
材18をサポート4と一体の各ピン16とキャリパ5の
穴部15aとの間に装着したが、キャリパ5と一体のピ
ンとサポート4の穴部との間に装着しても、同様の作用
が得られる。
【0050】
【発明の効果】以上の説明によつて理解されるように、
本発明に係るフローティングキャリパ型のディスクブレ
ーキによれば、制動解除時に、ディスクと両パッドとの
間にそれぞれ間隙が確実に形成される。その結果、車両
の走行時において、特にアウターパッドがディスクに常
時摺動して引きずりトルクを生ずることが防止され、車
両の燃費が向上すると共に、摺動に伴う異音が解消する
ので、ディスクブレーキとしての商品価値が著しく向上
する。上記効果は、ディスクの製作及び取付け精度が高
まり、回転するディスクにアウターパッドが蹴られ難く
なる程、良好に得られるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の1実施例の基礎となるフローティン
グキャリパ型のディスクブレーキを一部切開して示す
図。
【図2】 同じく断面図。
【図3】 同じくシールリングを示す断面図。
【図4】 同じくシールリングの作用説明図。
【図5】 同じく弾性部材を示す断面図。
【図6】 同じく弾性部材の作用説明図。
【図7】 本発明の1実施例に係る弾性部材の1構造例
を示す断面図。
【図8】 同じく弾性部材を示す図。
【図9】 同じく弾性部材の変形例の半部を示す断面
図。
【図10】 本発明の1実施例に係る弾性部材の他の
造例を示す断面図。
【図11】 同じく弾性部材を示す図。
【符号の説明】
1:ディスク、4:サポート、5:キャリパ、5a:後
腕、5b:前腕、6:シリンダ部、8:ピストン、1
0:インナーパッド、12:シールリング、14:アウ
ターパッド、15:耳部、15a:穴部、16:ピン、
18:弾性部材、24:直動ベアリング、30:内筒
(筒状部材)、31:弾性材、32,33,34:突出
片部、40:内筒、41:外筒、42:主弾性材(内部
弾性材)、43:副弾性材、L1 :第1長さ、L2 :第
2長さ、Δ:第1間隙、δ:第2間隙。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の非回転部に固定するサポート
    (4)と、サポート(4)に移動自在に支持するキャリ
    パ(5)と、キャリパ(5)の後腕(5a)のシリンダ
    部(6)に摺動自在に嵌合するピストン(8)によつて
    押し出されるインナーパッド(10)と、キャリパ
    (5)の前腕(5b)に支持されるアウターパッド(1
    4)と、シリンダ部(6)とピストン(8)との間に介
    装され、両パッド(10,14)の摩耗量に応じて係合
    位置が次第に変化するシールリング(12)とを備え、
    制動時には、シールリング(12)を弾性変形させなが
    らピストン(8)を一方向に突出させ、キャリパ(5)
    をサポート(4)に対して他方向に移動させて、インナ
    ーパッド(10)とアウターパッド(14)とで車輪と
    共に回転するディスク(1)を挟圧し、制動トルクを生
    じさせ、制動解除時には、シールリング(12)の弾性
    変形によつてピストン(8)を第1長さ(L1 )だけ他
    方向に復帰移動させ、ディスク(1)とインナーパッド
    (10)との間に間隙を形成するフローティングキャリ
    パ型のディスクブレーキであつて、前記サポート(4)
    とキャリパ(5)との間に、アウターパッド(14)の
    摩耗量に応じて係合位置が次第に変化する弾性部材(1
    8)を介在させ、制動時には、弾性部材(18)を弾性
    変形させながらキャリパ(5)を他方向に移動させ、制
    動解除時には、弾性部材(18)の弾性的な復帰変形に
    よつてキャリパ(5)を前記第1長さ(L1 )よりも短
    い第2長さ(L2 )だけ一方向に復帰移動させ、制動解
    除時に、ディスク(1)とインナーパッド(10)との
    間に第1間隙(Δ)を形成し、ディスク(1)とアウタ
    ーパッド(14)との間に第2間隙(δ)を形成すると
    共に、 前記弾性部材(18)が、サポート(4)又はキャリパ
    (5)の一方に固着される部材(30,40又は41)
    と、該部材(30,40又は41)に接着される弾性材
    (31,42)とを有し、前記サポート(4)又はキャ
    リパ(5)の他方のピン(16)に所定の摩擦力を与え
    て摺動可能に密着していることを特徴とするフローティ
    ングキャリパ型のディスクブレーキ。
  2. 【請求項2】 車両の非回転部に固定するサポート
    (4)と、サポート(4)に移動自在に支持するキャリ
    パ(5)と、キャリパ(5)の後腕(5a)のシリンダ
    部(6)に摺動自在に嵌合するピストン(8)によつて
    押し出されるインナーパッド(10)と、キャリパ
    (5)の前腕(5b)に支持されるアウターパッド(1
    4)と、シリンダ部(6)とピストン(8)との間に介
    装され、両パッド(10,14)の摩耗量に応じて係合
    位置が次第に変化するシールリング(12)とを備え、
    制動時には、シールリング(12)を弾性変形させなが
    らピストン(8)を一方向に突出させ、キャリパ(5)
    をサポート(4)に対して他方向に移動させて、インナ
    ーパッド(10)とアウターパッド(14)とで車輪と
    共に回転するディスク(1)を挟圧し、制動トルクを生
    じさせ、制動解除時には、シールリング(12)の弾性
    変形によつてピストン(8)を第1長さ(L1 )だけ他
    方向に復帰移動させ、ディスク(1)とインナーパッド
    (10)との間に間隙を形成するフローティングキャリ
    パ型のディスクブレーキであつて、前記サポート(4)
    とキャリパ(5)との間に、アウターパッド(14)の
    摩耗量に応じて係合位置が次第に変化する弾性部材(1
    8)を介在させ、制動時には、弾性部材(18)を弾性
    変形させながらキャリパ(5)を他方向に移動させ、制
    動解除時には、弾性部材(18)の弾性的な復帰変形に
    よつてキャリパ(5)を前記第1長さ(L1 )よりも短
    い第2長さ(L2 )だけ一方向に復帰移動させ、制動解
    除時に、ディスク(1)とインナーパッド(10)との
    間に第1間隙(Δ)を形成し、ディスク(1)とアウタ
    ーパッド(14)との間に第2間隙(δ)を形成すると
    共に、 前記弾性部材(18)が、サポート(4)又はキャリパ
    (5)の一方に固着される部材(30,40又は41)
    と、該部材(30,40又は41)に接着される弾性材
    (31,42)とを有し、前記サポート(4)又はキャ
    リパ(5)の他方の穴部(15a)に所定の摩擦力を与
    えて摺動可能に密着していることを特徴とするフローテ
    ィングキャリパ型のディスクブレーキ。
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