JP3138044U - スピーカーボックス及びスピーカー装置 - Google Patents

スピーカーボックス及びスピーカー装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3138044U
JP3138044U JP2007006846U JP2007006846U JP3138044U JP 3138044 U JP3138044 U JP 3138044U JP 2007006846 U JP2007006846 U JP 2007006846U JP 2007006846 U JP2007006846 U JP 2007006846U JP 3138044 U JP3138044 U JP 3138044U
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
square
speaker
speaker box
adjacent
box
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007006846U
Other languages
English (en)
Inventor
正範 金子
Original Assignee
正範 金子
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 正範 金子 filed Critical 正範 金子
Priority to JP2007006846U priority Critical patent/JP3138044U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3138044U publication Critical patent/JP3138044U/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Details Of Audible-Bandwidth Transducers (AREA)

Abstract

【課題】ホーンの音道をスピーカーの周囲に形成するスピーカーボックス及びスピーカー装置において、スピーカーに対する音圧を低減するとともに、設計、製造を簡易にすることを課題とする。
【解決手段】スピーカーボックスの内壁を、フィボナッチ数列に従って辺の比が大きくなる正方形群を渦状に接触しながら配置した平面形状から、大きさが最も近い隣接する各正方形同士の間に形成される線分を削除した渦状の平面形状に沿って形成し、最小の正方形部分に、スピーカー面が平行に取り付けられるようにスピーカー取付口を形成するとともに、最大の正方形部分の一辺に揃う辺に前記平面形状に対してほぼ垂直に開口を形成する。
【選択図】 図5

Description

本考案はスピーカーボックス及びスピーカー装置に関し、特に、内部にホーン機能が形成されるスピーカーボックスとこれを用いたスピーカー装置に関する。
従来、スピーカーボックスの一種類として特許文献1に記載されるような、ボックス内にホーンを形成し、低音をより響かせるいわゆるバックロードホーン型のスピーカーボックスがある。このようなスピーカーボックスの厚さは、一般的に取り付けるスピーカーの外径により規定される。これに対して、長岡鉄男氏が図15に示すような内部構造を有するバックロードホーン型のスピーカーを発表している。このスピーカーは、音道lがスピーカー取付口O位置の周囲に形成されるので、スピーカーボックスの厚さが、取り付けるスピーカーの厚さにより規定されるので薄いスピーカーシステムを形成することが可能である。
特開2003−204586号公報
しかし、上記図15に示す構造を有するスピーカーボックスでは、スピーカー直後の音道lが狭くなる、いわゆるスロート部分を有することとなる。図16に、図15に示すスピーカーボックスを模式的に直線的に展開した図を示す。図に示すように、図15のスーカーボックスではスピーカーを囲む壁面から音道を構成するホーンに至る最初の音道は、スピーカーの外径よりも狭い音道を通り、さらに、その後もスピーカーの外径よりも狭い音道が続いている。これにより、図15に示すスピーカーボックスは、スピーカーに対する音圧が高くなるという問題がある。
また、図15に示すスピーカーは音道lの幅を対数関数により増大させるものであり、設計や製造が困難であるという問題もある。
本考案は、このような問題に鑑みて、ホーンの音道をスピーカーの周囲に形成するスピーカーボックス及びスピーカー装置において、スピーカーに対する音圧を低減するとともに、設計、製造を簡易にすることを課題とする。
上記課題を解決するために、本考案は次のような構成を有する。
請求項1に記載の考案は、第1の正方形の辺と同じ長さ辺を持つ第2の正方形は、第1の正方形に辺が揃うように隣接し、第2の正方形の2倍の長さの辺を持つ第3の正方形は、第1の正方形と第2の正方形のいずれにも辺が揃うように接触し、Nを4からR(Rは4以上)の自然数としたときに、任意のNにおいて、第N−1の正方形の辺の長さと第N−2の正方形の長さを足した長さの辺を持つ第Nの正方形は、第N−1の正方形の第N−2の正方形に隣接している辺に対向する辺に揃い、かつ、第N−2の正方形に隣接しないように第N−1の正方形に接触することを満たす平面形状から、大きさが最も近い隣接する各正方形同士の間に形成される線分を削除した渦状の平面形状に沿って内壁が形成され、前記第1の正方形部分に、スピーカー面が平行に取り付けられるようにスピーカー取付口が形成されるとともに、第Rの正方形の第R−3の正方形の一辺に揃う辺に前記平面形状に対してほぼ垂直に開口が形成されるスピーカーボックスである。なお、本願における内壁は、スピーカーボックスの外形を構成する内壁の他、内部の仕切り板により形成される内壁が含まれる。なお、辺が揃うように隣接するとは、辺同士が同一直線状に存するように互いの辺同士が接触することを意味する。
請求項2に記載の考案は、第1の正方形の辺の(√5+1)/2倍の辺を持つ第2の正方形は、第1の正方形に辺が揃うように隣接し、Nを3からR(Rは3以上)の自然数としたときに、任意のNにおいて、第N−1の正方形の辺の(√5+1)/2倍の辺を持つ第Nの正方形は、第N−1の正方形の第N−2の正方形に隣接している辺に対向する辺に揃い、かつ、第N−2の正方形に隣接しないように第N−1の正方形に接触することを満たす平面形状から、大きさが最も近い隣接する各正方形同士の間に形成される線分を削除した渦状の平面形状に沿って内壁が形成され、前記第1の正方形部分にスピーカー面がほぼ平行に取り付けられるようにスピーカー取付口が形成されるとともに、第Rの正方形の第R−1の正方形の一辺が揃う辺に前記平面形状に対してほぼ垂直に開口が形成されるスピーカーボックスである。
請求項3に記載の考案は、前記スピーカーボックスにおいて、前記内壁の内側の角部分の少なくとも1つに反射板が設けられたものである。なお、内壁の内側の角部分は内壁が90度の角度を形成する部分である。
請求項4に記載の考案は、請求項3に記載のスピーカーボックスにおいて、前記反射板は、すべての内壁の角部分ごとに設けられるとともに、角部に向う凹面をもつ曲面に形成されるものである。
請求項5に記載の考案は、請求項1から3に記載のスピーカーボックスにおいて、前記渦状の平面形状に沿って設けられる内壁の少なくとも一部が、当該平面形状に内接する渦巻き状の平面曲線に沿って形成される内壁の一部に置き換えられた請求項1から3のいずれか1項に記載のスピーカーボックス。なお、当該平面形状に内接する渦巻き状の平面曲線とは、順次大きくなる各正方形同士の境目となる点に接触するように曲線を滑らかに繋いで形成される形状をいう。
請求項6に記載の考案は、前記スピーカーボックスにおいて、前記任意のNに対して、第Nの正方形部分の奥行きが第N−1の正方形部分の正方形部分の奥行き以上となるように形成されるものである。
請求項7に記載の考案は、前記スピーカーボックスの前記スピーカー取付口にスピーカーを背面が内部に向うように取り付けたスピーカー装置である。
請求項8に記載の考案は、前記スピーカーボックスの前記スピーカー取付口にスピーカーを前面が内部に向うように取り付けたスピーカー装置である。
請求項1に記載の考案は、スピーカーの内壁が沿う平面形状は、辺の長さがフィボナッチ数列(1,1,2,3,5,8,13,21・・・・)の順に各正方形を順次渦を巻くように組み合わせたもので、必ず、外周が長方形になる。この長方形は、大きくなるにつれて黄金比をもつ長方形状に近づく。この形状内の互いに隣接する正方形の仕切りを取り去ってできる形状に沿って設けられた内壁により形成される音道は最初の正方形から順次大きくなっていくので、スロートがなく、スピーカーに対する音圧を低くすることができる。
具体的には、本スピーカーボックスを模式的に直線的に展開すると図1のようになる。スピーカー取付口を囲む壁面から音道を構成するホーンに至る音道は、最初からスピーカーの外径よりも必ず大きくなりので、スピーカー背面の音道はスピーカーの外径よりも大きくなり、これによってスピーカー背面の音圧が低減されることとなる。
また、設計に際しても、正方形を組み合わせるので簡易であり、製造においても、例えば、フィボナッチ数列に従って辺が大きくなる正方形を平面形状とする適宜側面を開放した箱体を組み合わせるだけで形成できる。また、長方形内を平面形状とする箱体内に仕切りを形成するに際しても、上記渦状の平面形状は比較的簡易に描くことができ、この渦状の平面形状に沿って仕切りを設ければよいので、比較的簡易に製造することができる。
渦状の平面形状が比較的簡易に描けることを、以下に具体的に説明する。図2(a)〜(j)に平面形状を描く過程を示す。最初に長辺と短辺の比がフィボナッチ数列になるよう形成された長方形状の板を用意する。まず、図2(a)に示すように長辺上に一端から短辺と同じ長さとなる点A1に印をつける。この作業には、紐と鉛筆などの筆記用具があれば足りる。そして、点A1から図2(b)に示すように直角に線分L1を引く。これは直角定規や差し金があれば足りる。次に、L1を長辺とする長方形が現れますので、図2(c)に示すようにL1の対辺上に一端からこの長方形の短辺と同じ長さとなる点A2に印をつける。そして、点A2から図2(d)に示すように直角に線分L2を引く。以下、同様の手順により、図2(e)〜図2(j)に示すように順次A3、A4、A5と印をつけ、線分L3、L4、L5と、最後に同じ大きさの正方形が並ぶようになるまで線分を引いて行く。以上で、仕切り板を配列する線分を描くことができる。即ち、最初の長方形状さえ描ければあとは、定規によって測定する作業を一切する必要がなく、特に一品製作で製造する場合に、製造作業を容易にして作業の効率化を図ることができる。
また、フィボナッチ数列に従って辺が大きくなる正方形を平面形状とする適宜側面を開放した箱体を組み合わせるだけで形成する場合についても具体的に以下に説明する。図3(a)〜(f)にこの場合の製造工程を順に示す。まず、1番目の箱体の正方形の背面板S1を用意する。予定するスピーカーが内部に収まる大きさであれば、正確な大きさの正方形である必要はない。次に、図3(a)に示すように2番目の箱体の正方形の背面板S2を用意する。これは、S1の一辺の長さを紐などにより写すことで簡単に得ることができる。それから図3(b)に示すように、S1とS2を連結して得られる長方形の長辺を一辺とする3番目の箱体の正方形の背面板S3を用意する。これも辺の長さを紐などで写すことで簡単に得ることができる。さらに、図3(c)に示すようにS1、S2を組み合わせた長方形をS3を連結して得られる長方形の長辺を一変とする4番目の箱体の正方形の背面板S4を用意する。以下、同様の手順で図3(d)〜図3(e)のような流れで背面板を用意していく。ここまでの手順で、やはり、定規により測定する作業や計算をする作業は必要ない。背面板が得られたら、これをもとに形を写して材料取りをすることでバッフル板を得ることは容易である。1番目の箱体のバッフル板にのみスピーカー取付穴を設けておく。そして、1番目の箱体のみ一側面以外に側板を設け、残りの箱体は隣接する2側面以外に側板を設ける。側板は幅は、背面板から紐などで写し取ればよく、高さは同じ高さにする場合、その高さを紐などで写していけばよいので、やはり側板も容易に得ることができる。最後に各箱体同士を連結すれば本願考案に係るスピーカーのスピーカーボックスが得られる。このように、箱体を組み合わせて形成する場合でも計算や定規で長さを測るといった作業は全く不要であり、やはり設計、製造は極めて容易に行うことができる。
請求項2に記載の考案は、スピーカーの内壁が沿う平面形状に関し、辺の長さが(√5+1)/2倍ずつ大きくなる正方形を順次渦を巻くように組み合わせることで、必ず、外周が黄金比を持つ長方形になる。この形状内の互いに隣接する正方形の仕切りを取り去ってできる形状に沿って設けられた内壁により形成される音道はやはり最初の正方形から順次大きくなっていくので、やはり図1に示すような形状に展開でき、スロートがなく、スピーカーに対する音圧を低くすることができる。
また、設計に際しても、正方形を組み合わせるので簡易であり、製造においても、例えば、(√5+1)/2倍ずつ大きくなる正方形を平面形状とする側面を適宜開放した箱体を組み合わせるだけで形成できる。また、黄金比を有する長方形内を平面形状とする箱体内に仕切りを形成するに際しても、上記渦状の平面形状は比較的簡易に描くことができ、この渦状の平面形状に沿って仕切りを設ければよいので、比較的簡易に製造することができる。
請求項2に記載の考案では、渦状の平面形状の描き方は、請求項1で説明したものと、最初に用意する長方形の板体が長辺と短辺の比が黄金比である点のみが相異し、あとの作業は同様にできるので、やはり、計算や長さを図る作業をほとんど要さず、また、正方形を平面形状とする適宜側面を開放した箱体を組み合わせるだけで形成する場合も、もっとも小さな部分が平面視短辺と長辺で黄金比を有する長方形により背面板、バッフル板が形成される点を除き、順次、平面視正方形状の背面板、バッフル板を有するは箱体を組み合わせることは、請求項1の考案と同様の方法により計算や測定を要することがないので、やはり、設計、製造を容易に行うことができる。
請求項3に記載の考案は、前記2つの内壁の内側の角部分の少なくとも1つに反射板が設けられることで、角部分の音圧が低減され、より滑らかに音を開口に至らせることができる。
請求項4に記載の考案は、前記反射板が、全ての内側の角部分ごとに設けられるとともに、角部に向う凹面をもつ曲面に形成されるので、音道の外方側が滑らかな渦曲線を描き、さらに、音を滑らかに開口に至らせることができる。
請求項5に記載の考案は、内壁自体を曲面により形成することで、やはり音道を滑らかにして、音を滑らかに外部に伝えることができる。
請求項6に記載の考案は、前記任意のNに対して、第Nの正方形部分の奥行きが第N−1の正方形部分の正方形部分の奥行き以上になるように形成され、奥行き側の幅も開口に近づくにつれて順次大きくなるように形成することができる。
請求項7に記載の考案は、前記スピーカーボックスの前記スピーカー取付口にスピーカーを背面が内部に向うように取り付けたスピーカー装置であり、やはり、スピーカー背面に対する音圧が小さく、かつ、設計、製造を容易にすることができる。
請求項8に記載の考案は、前記スピーカーボックスの前記スピーカー取付口にスピーカーを前面が内部に向うように取り付けたスピーカー装置であり、スピーカー前面に対する音圧を小さく、かつ、設計、製造を容易にすることができる。
以下、本考案の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施形態1)
図4に実施形態1に係るスピーカーボックスAを含むスピーカー装置Xの斜視図を示す。スピーカー装置XはスピーカーボックスAと配線を含むフルレンジのスピーカーSから構成される。スピーカーボックスAは、前面に形成されるバッフル板11、背面に形成される背面板12、側面、上底面を囲む、側板13、14、15、16、内部に形成される仕切り板17とから構成される。側板の奥行き方向の長さはスピーカーユニットの口径の1/2倍から2倍の間の値に設定される。図5(a)にスピーカーボックスAの横断面図を示す。スピーカーボックスAの内壁は、側板13、14、15、16、及び仕切り板17により構成されるが、これらは所定の大きさの正方形を所定の規則で並べた形状を基準に形成されている。
図5(b)に内壁の基準となる6つの正方形を示す。第1正方形Q1、第2正方形Q2は合同の正方形であり、一辺同士が完全に重なるように接触して配置される。これにより第1正方形Q1と第2正方形Q2の接触した辺に対して隣接する辺同士が揃うこととなる。第3正方形Q3は、第1正方形Q1の辺と第2正方形Q2の辺の長さを足した長さを一辺とする正方形であり、第1の正方形Q1及び第2の正方形Q2のそれぞれに均等に接触する。これにより、第3正方形Q3の対向する二辺が第1正方形Q1の一辺及び第2正方形Q2の一辺とそれぞれ揃う事となる。第4正方形Q4は第2正方形Q2の一辺と第3正方形Q3の一辺を足した長さを有する辺を持つ正方形であり、第3正方形Q3の第1正方形Q1及び第2正方形Q2に接触する辺に対抗する辺に揃い、かつ、第2正方形Q2に接触しない側で第3正方形Q3に隣接する。第5正方形Q5は第3正方形Q3の一辺と第4正方形Q4の一辺を足した長さを有する辺を持つ正方形であり、第4正方形Q4の第3正方形Q3に接触する辺に対抗する辺に揃い、かつ、第3正方形Q3に接触しない側で第4正方形Q4に隣接する。第6の正方形Q6は第4正方形Q4の一辺と第5正方形Q5の一辺を足した長さを有する辺を持つ正方形であり、第5正方形Q5の第4正方形Q4に接触する辺に対抗する辺に揃い、かつ、第4正方形Q4に接触しない側で第5正方形Q5に隣接する。
つまり、第1正方形Q1から第6正方形Q6は、辺の長さが、1,1,2,3,5,8と、3項目以降は、前2項の値を足した値となるいわゆるフィボナッチ数列を構成するものであり、第1の正方形Q1から第6の正方形Q6は、内側から外側に向う渦状に配置される。
そして、この形状から、大きさが最も近い隣接する各正方形同士の間に形成される線分(図において丸印で示される)を削除した渦状の図形に沿って側板13から16及び仕切り板17により内壁が形成されている。
スピーカーボックスAのバッフル板11の第1正方形Q1部分に対向する面には、スピーカーを取り付けるスピーカー取付口11aが設けられ、ここにスピーカーSが背面側がスピーカーボックス内を向くように取り付けられる。また、第6正方形Q6の第3正方形に揃う辺には、内壁が設けられないことにより開口14aが形成される。
このような構成により、音道が順次大きくなる正方形を含む渦状に形成されたバックロードホーン型のスピーカー装置Xが形成される。このスピーカー装置Xは、順次大きくなう正方形を渦状の配列したものを基本に音道が形成されるので、スロートがなく、スピーカー背面側の音圧も小さなものとなる。また、音道を形成する第1正方形Q1〜第6正方形Q6は、背面板12上に容易に描くことができ、ここに側板13から16と仕切り板17を配すればよいので、製造も比較的簡単に行うことができる。
なお、上記スピーカーボックスは、正面視正方形状の箱体を組み合わせることにより形成することもできる。図6にこのような正面視正方形状の箱体を組み合わせて形成されるスピーカーボックスA2の分解斜視図を示し、図7にスピーカーボックスA2の斜視図を示す。スピーカーボックスA2は、上述した、第1正方形Q1〜第6正方形Q6のそれぞれをバッフル板及び背面板とする第1箱体21、第2箱体22、第3箱体23、第4箱体24、第5箱体25、第6箱体26から形成される。第1箱体21のバッフル板にはスピーカー取り付け穴21aが設けられるとともに、1側面が開放されている。残りの第2箱体22〜第6箱体26は、隣接する2側面が開放されている。そして、第1箱体21の周りを巻くように、第1箱体21から第6箱体26を互いに開放面同士を連結させながら、組み合わせることで、図7に示すように、スピーカーボックスA2を得ることができる。スピーカーボックスA2の製造も、正面視正方形状の箱体を適宜組み合わせて得ることができるので、比較的容易である。
また、上記のスピーカーボックス内に形成される音道の内側の角部分には、反射板を設けるようにすることもできる。図8(a)に内側の角部分に平らな板状の反射板18を設けた図を示し、図8(b)に、内側の角部分に角部に向かう凹面を持つ曲面を有する反射板19を設けた図を示す。このように反射板18、反射板19を設けることで、より滑らかな音道が得られる。この音道は対数螺旋曲線に近似する。なお、図8(b)のように、反射板18が、内壁をほぼ塞いでしまうような場合には、図9に示すように、反射板19Xのみを内壁として構成することも可能である。
さらに、本実施形態においては、バッフル板11と背面板12とは平面状の板体により形成されているが、奥行きを変更してもよい。図10に、バッフル板11を下にしたスピーカーボックスA3の斜視図を示す。このスピーカーボックスはA3は、第5正方形Q5、及び第6正方形Q6部分の奥行きL1、L2を大きくしたものである。このようにすることで、開口14aaの縦横比を1:1に近づけることができる。なお、奥行きを広げた部分は、元の状態と容積を変化させないようにバッフル板11及び背面板12の面積を小さくするようにしてもよい。
そして、本実施形態においては、内壁の元となる渦状の図形を描く6つの正方形により形成しているが、正方形の数は適宜選択することができ、正方形の数を増やしてもやはり、設計、製造は比較的容易に行うことができる。
(実施形態2)
図11(a)に実施形態2に係るスピーカーボックスBを含むスピーカー装置Yの横断面図を示す。スピーカーボックスBは、実施形態1に係るスピーカーボックスAとほぼ同じ構成であり、前面に形成される図示しないバッフル板、背面に形成される背面板32、側面、上底面を囲む、側板33、34、35、36、内部に形成される仕切り板37とから構成される。側板の奥行き方向の長さはやはりスピーカーユニットの口径の1/2倍から2倍の間の値に設定される。スピーカーボックスBがスピーカーボックスAと相違するのは、内壁の元となる渦状の図形は、辺の長さが(√5+1)/2倍ずつ大きくなる正方形を渦状に配列した図形が元となる点である。
図11(b)に内壁の基準となる5つの正方形を示す。まず、全体を構成する長方形Kは長辺と短辺の比が(√5+1)/2:1のいわゆる黄金比であり、第5正方形P5は、長方形Kの短辺を含む正方形であり、長方形Kから第5正方形P5を除いた部分も黄金比を持つ長方形の性質から再び黄金比を持つ長方形となる。以下、第4正方形P4、第3正方形P3、第2正方形P2、第1正方形P1は、渦を描くように順次黄金比を持つ長方形から正方形部分を切り出した図形である。第1正方形P1を切り出した後に、さらに黄金比を持つ長方形が残るが、ここでは、これは利用しない。第1正方形P1から見ると、第2正方形P2は第1正方形P1の辺の(√5+1)/2倍の辺を持ち、第1正方形P1に辺が揃うように隣接する。第3正方形P3は、第2正方形P2の辺の(√5+1)/2倍の辺を持ち、第2正方形P2の第1正方形P1に隣接している辺に対向する辺に揃い、かつ、第1正方形P1に隣接しないように第2正方形P2に接触する。第4正方形P4は、第3正方形P3の辺の(√5+1)/2倍の辺を持ち、第3正方形P3の第2正方形P2に隣接している辺に対向する辺に揃い、かつ、第2正方形P2に隣接しないように第3正方形P3に接触する。第5正方形P5は、第4正方形P4の辺の(√5+1)/2倍の辺を持ち、第4正方形P4の第3正方形P3に隣接している辺に対向する辺に揃い、かつ、第3正方形P3に隣接しないように第4正方形P4に接触する。
このように形成される平面形状から、大きさが最も近い隣接する各正方形同士の間に形成される線分(図において丸印で示される)を削除した渦状の図形に沿って内壁が形成されている。なお、第1正方形P1に隣接する黄金比をもつ長方形部分は仕切り板37を厚くした部分37aで覆うようにしているが、長方形部分に沿って仕切り板37を囲むように設けてもよい。また、スピーカーボックスBの図示しないバッフル板の第1正方形P1部分に対向する面には、スピーカーを取り付けるスピーカー取付口が設けられ、ここにスピーカーが背面側がスピーカーボックス内を向くように取り付けられる。また、第5正方形P5の第2正方形に揃う辺には、内壁が設けられないことにより開口34aが形成される。
このような構成を持つスピーカーボックスBを含むスピーカー装置Yも、音道が順次大きくなる正方形を含む渦状に形成されたバックロードホーンには、スロートがなく、スピーカー背面側の音圧も小さなものとなる。また、音道を形成する第1正方形P1〜第5正方形P5は、背面板2上に容易に描くことができ、ここに仕切り板17を配すればよいので、製造も比較的簡単に行うことができる。
また、実施形態2に係るスピーカーボックスBも、実施形態1に係るスピーカーボックスAと同様に、正面視正方形状の箱体を組み合わせることにより容易に形成することができる。また、音道の内側の角部分には適切な反射板を設けることができ、反射板のみを内壁として構成することもできる。さらに、スピーカーボックスBの奥行きも適宜変更することができる。さらに、本実施形態2においても、内壁の元となる渦状の図形を描く正方形の数は適宜選択することができ、正方形の数を増やしてもやはり、設計、製造は比較的容易に行うことができる。
(応用例)
上記のような構成を有するスピーカー装置は薄型にできることから、種々の応用が可能である。例えば、本に近い形状としたスピーカー装置Zは、図12(a)に示すように、本棚Bsに収納し、使用時にスピーカーが表出するように引き出して使用したり、図12(b1)、(b2)に示すように、使用時に本棚の前面に載置するようにして使用することができる。また、図13(a)に示すように、映画館やホームシアターの音響用スピーカー装置Vとして使用すれば、スピーカーが突出しないので、圧迫感を低減することができる。さらに、図13(b)に示すように、自動車のドア内部の内蔵スピーカーWや、図13(c)に示すように携帯電話などの小型機器の内蔵スピーカーUすることで、薄型でありながら従来よりも低音を響かせることが可能となる。
また、上記実施形態では、バックロードホーンスピーカー装置を構成しているが、図14に示すように、スピーカーボックスCのスピーカー取付口にスピーカーSa1の前面を取り付けてスピーカーボックスCをフロントホーンとして使用することも可能である。なお、図14では、スピーカーボックスCに取り付けるスピーカーSa1を比較的小型の6000Hz程度をカバーできるウーハーとし、これに、高音帯域用スピーカーSa2としてツィーターを上部に載置した2ウエイ型のスピーカー装置として構成している。
さらに、上記スピーカーボックスにおいて、開口部を塞ぐとともに、最も大きな正方形部分のバッフル板にスピーカー取付口を設けてスピーカーを取り付け、本来のスピーカー取付口を開放口とすることで、逆バックロードホーンスピーカーを形成することも可能である。
請求項1に係るスピーカーボックスを模式的に直線的に展開した状態を示す図である。 (a)〜(j)は請求項1に係るスピーカーボックスを作成するための平面形状を描く過程を示す図である。 (a)〜(f)は請求項1に係るスピーカーボックスを作成するために正方形を平面形状とする適宜側面を開放した箱体を組み合わせる工程を示す図である。 実施形態1に係るスピーカーボックスを含むスピーカー装置の斜視図である。 (a)は実施形態1に係るスピーカーボックスの横断面図であり、(b)は実施形態1に係るスピーカーボックスの内壁の基準となる正方形群を示す図である。 実施形態1に係る正面視正方形の箱体を組み合わせたスピーカーボックスの分解斜視図である。 実施形態1に係る正面視正方形の箱体を組み合わせたスピーカーボックスの斜視図である。 (a)(b)は実施形態1に係る内壁の内側の角部に反射板を設けた状態を示す実施形態1に係るスピーカーボックスの横断面図である。 反射板のみを内壁とした実施形態1に係るスピーカーボックスを示す横断面図である。 奥行きの長さを順次変更した実施形態1に係るスピーカーボックスを示す斜視図である。 (a)は実施形態2に係るスピーカーボックスの横断面図であり、(b)は実施形態2に係るスピーカーボックスの内壁の基準となる正方形群を示す図である。 (a)は本の大きさ形状としたスピーカー装置を本棚にセットした状態を示す斜視図であり、(b1)、(b2)は本の大きさ形状としたスピーカー装置を本棚にセットした状態を示す正面図である。 (a)は映画館等の音響用スピーカー装置として応用した状態を示す正面図であり、(b)は自動車用スピーカー装置として応用した状態を示す正面図であり、(c)は小型機器の内蔵スピーカー装置として応用した状態を示す正面図である。 スピーカーボックスをフロントホーンとして用いたスピーカー装置を示す斜視図である。 従来のバックロードホーン型のスピーカー装置の内部構造を示す横断面図である。 図15に示すスピーカーボックスを模式的に直線的に展開した図である。
符号の説明
X、Y、Z、W、U スピーカー装置
A、A2、A3、B、C スピーカーボックス
S、Sa1 スピーカー
11、31 バッフル板
12、32 背面板
13、14、15、16、33、34、35、36 側板
17、37 仕切り板
18、19、19X 反射板

Claims (8)

  1. 第1の正方形の辺と同じ長さ辺を持つ第2の正方形は、第1の正方形に辺が揃うように隣接し、第2の正方形の2倍の長さの辺を持つ第3の正方形は、第1の正方形と第2の正方形のいずれにも辺が揃うように接触し、Nを4からR(Rは4以上)の自然数としたときに、任意のNにおいて、第N−1の正方形の辺の長さと第N−2の正方形の長さを足した長さの辺を持つ第Nの正方形は、第N−1の正方形の第N−2の正方形に隣接している辺に対向する辺に揃い、かつ、第N−2の正方形に隣接しないように第N−1の正方形に接触することを満たす平面形状から、大きさが最も近い隣接する各正方形同士の間に形成される線分を削除した渦状の平面形状に沿って内壁が形成され、前記第1の正方形部分に、スピーカー面が平行に取り付けられるようにスピーカー取付口が形成されるとともに、第Rの正方形の第R−3の正方形の一辺に揃う辺に前記平面形状に対してほぼ垂直に開口が形成されるスピーカーボックス。
  2. 請求項2に記載の発明は、第1の正方形の辺の(√5+1)/2倍の辺を持つ第2の正方形は、第1の正方形に辺が揃うように隣接し、Nを3からR(Rは3以上)の自然数としたときに、任意のNにおいて、第N−1の正方形の辺の(√5+1)/2倍の辺を持つ第Nの正方形は、第N−1の正方形の第N−2の正方形に隣接している辺に対向する辺に揃い、かつ、第N−2の正方形に隣接しないように第N−1の正方形に接触することを満たす平面形状から、大きさが最も近い隣接する各正方形同士の間に形成される線分を削除した渦状の平面形状に沿って内壁が形成され、前記第1の正方形部分にスピーカー面がほぼ平行に取り付けられるようにスピーカー取付口が形成されるとともに、第Rの正方形の第R−1の正方形の一辺が揃う辺に前記平面形状に対してほぼ垂直に開口が形成されるスピーカーボックス。
  3. 前記内壁の内側の角部分の少なくとも1つに反射板が設けられた請求項1又は2に記載のスピーカーボックス。
  4. 前記反射板は、すべての内壁の角部分ごとに設けられるとともに、角部に向う凹面をもつ曲面状に形成される請求項3に記載のスピーカーボックス。
  5. 前記渦状の平面形状に沿って設けられる前記内壁の少なくとも一部が、当該渦状の平面形状に内接する渦巻き状の平面曲線に沿って形成される内壁の一部に置き換えられた請求項1から3のいずれか1項に記載のスピーカーボックス。
  6. 前記任意のNに対して、第Nの正方形部分に対応する奥行きが第N−1の正方形部分に対応する奥行き以上になるように形成される請求項1から5のいずれか1項に記載のスピーカーボックス。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載のスピーカーボックスの前記スピーカー取付口にスピーカーを背面が内部に向うように取り付けたスピーカー装置。
  8. 請求項1から6のいずれか1項に記載のスピーカーボックスの前記スピーカー取付口にスピーカーを前面が内部に向うように取り付けたスピーカー装置。
JP2007006846U 2007-09-04 2007-09-04 スピーカーボックス及びスピーカー装置 Expired - Fee Related JP3138044U (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007006846U JP3138044U (ja) 2007-09-04 2007-09-04 スピーカーボックス及びスピーカー装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007006846U JP3138044U (ja) 2007-09-04 2007-09-04 スピーカーボックス及びスピーカー装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP3138044U true JP3138044U (ja) 2007-12-20

Family

ID=43288369

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007006846U Expired - Fee Related JP3138044U (ja) 2007-09-04 2007-09-04 スピーカーボックス及びスピーカー装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3138044U (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014074909A (ja) * 2012-09-17 2014-04-24 Masahiko Morimoto 音響装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014074909A (ja) * 2012-09-17 2014-04-24 Masahiko Morimoto 音響装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Bucciarelli et al. A multilayer microperforated panel prototype for broadband sound absorption at low frequencies
CN108702563B (zh) 用于信号处理的装置
CN110248293A (zh) 利用多个谐振腔阻抑的声学腔,以及相关***和方法
Poletti et al. An approach to generating two zones of silence with application to personal sound systems
JP6687756B2 (ja) ポート付変換器筐体のための音響抵抗要素
JP5259591B2 (ja) 電気音響的トランスデューサー
CA2710025A1 (en) Waveguide electroacoustical transducing
TWM446529U (zh) 手機套擴音裝置
US8284976B2 (en) Sound reproduction with improved performance characteristics
US20090323995A1 (en) Miniature Planar Acoustic Networks
JP3138044U (ja) スピーカーボックス及びスピーカー装置
WO2020054692A1 (ja) スピーカキャビネット、および板材
CN103002377B (zh) 音频设备
CN108781325A (zh) 声管和声再现装置
JP6914004B2 (ja) 騒音低減装置
WO2016101620A1 (zh) 发声装置
CN206908842U (zh) 发声装置
Reinhardt et al. TriVoc: Robotic Manufacturing for Affecting Sound Through Complex Curved Geometries
JP2010001709A (ja) 音響を考慮した居室構造
JP2005348190A5 (ja)
JP7439909B2 (ja) スピーカアレイ
JP2019191343A (ja) 騒音低減構造
CN2504863Y (zh) 音箱结构
JP7246053B1 (ja) 吸音パネル及び吸音壁
US3168934A (en) Acoustic apparatus

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071019

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101128

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees