JP3135553B2 - スピンドルモータ - Google Patents

スピンドルモータ

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Description

【発明の詳細な説明】 ［技術分野］ 本発明は、光・磁気ディスク装置等のディスク媒体を
回転駆動するために用いられるスピンドルモータに関す
る。
［従来技術］ 一般に、光・磁気ディスク等の駆動装置にあっては、
そのディスク媒体（以後、ディスクと呼ぶ）は、清浄な
空気で満たされた装置内、すなわちディスク室内に収容
されている。ディスクは、スピンドルモータのハブに１
枚乃至複数枚搭載され、所定の回転数にて回転駆動され
る。
スピンドルモータは、そのモータ内部に発塵する不浄
な空気や揮発性ガス、あるいは軸受のグリース等の飛散
により、ディスク室内への汚染を防止するために、ハブ
とハウジングの一部とをラビリンス構造にしたり、磁性
流体シールを装着する等して、この対応を図っている。
［発明が解決しようとする課題］ ところでディスクを搭載するハブは、例えばアルミニ
ウム等の鋼材を用いて略釣鐘形状に形成される。そして
ディスクが装着され、接触するハブ外形表面は、振動や
騒音或いは振れ回り等を避け、高い回転精度を維持する
ため、所定の寸法精度で仕上げられている。
通常、このハブは例えばアルミニウムの素材から切削
加工により形成する方法や、鋳造の後、仕上げ加工を行
ない所定の形状に形成する方法等がある。
ところが前者は加工工程が多く製造コストが高くつ
き、後者では量産性の向上と、製造コストの低減が図れ
るものの、一方で鋳造により発生する「巣」によって後
加工時に「巣」内部に滞留した油脂が浸出し、これが後
々になり装置組付け後のディスク室内を汚染する要因と
なる。
そしてこの結果、ディスクの読み／書きエラーを誘発
し、重大な問題を引き起こしかねない。
［発明の目的］ 本発明は、上記事項に鑑みなされたものであって、そ
の目的とするところは、製造コストの低減が図れ、量産
性に優れ、またディスク室内を汚染することのない信頼
性の高いスピンドルモータを提供することにある。
［課題を解決するための手段］ 上記の目的を達成するため、本発明は、固定部材に対
して軸受を介して回転自在に支持されたシャフトと、該
シャフトに固定され記録ディスクが装着される略釣鐘形
状のハブと、該ハブに装着されたロータマグネットと、
該ロータマグネットに対向して配設されたステータとを
具備し、該ロータマグネットと該ステータとの相対回転
により前記ハブが回転駆動されるスピンドルモータにお
いて、前記ハブは、金属材料の鍛造加工により、円形の
底板部と、該底板部の外周縁より垂下し外周が前記ディ
スクの中心孔に嵌合し内周に前記ロータマグネットが装
着されるた円筒部と、該円筒部の前記底板部との反対側
の端部より径方向外方に延出したディスク載置用の鍔部
とを形成して構成され、かつ、該鍛造加工時に、該底板
部の中央に該シャフトが固着される取付孔が同時に形成
されていることを特徴とするスピンドルモータが提供さ
れる。
［具体例］ 第１図は本発明の一具体例であるスピンドルモータの
断面図である。
１はハブ、２はブラケット（ハウジング）、３はシャ
フト、4,5はベアリング、６はステータ、７はロータマ
グネット、８は補助ヨーク、９は磁性流体シール、10は
ディスク、11はクランプ部材、12は取付ネジである。
第１図において、ブラケット２と一体に形成された円
筒部2aの内周面に一対のベアリング4,5を嵌挿し、この
ベアリング4,5を介してシャフト３が回転自在に支持さ
れている。
シャフト３と一体的に固定されたハブ１の内周面に
は、ロータマグネット７が補助ヨーク８と共に配設され
ている。
このロータマグネット７に対向して、ステータ６が前
記ブラケット２の円筒部2aの外周面に取付けられてい
る。そしてステータ６とロータマグネット７との相対回
転により、ハブ１がブラケット２に対して回転駆動され
る、いわゆるアウターロータ形式のブラシレスモータ構
成となっている。ロータマグネット７に隣接する補助ヨ
ーク８は、磁性材よりなり、ロータマグネット７の磁束
がハブ１の外側へ漏れることを防止するものである。
ディスク10の所定枚数がハブ１に搭載され、クランプ
部材11と取付ネジ12とにより、ハブ１と一体的に保持・
固定される。なお、13は隣り合うディスクの間に装着す
るスペーサである。
ブラケット２の円筒部2aの内周面において、上端部の
ハブ１側には磁性流体シールが設けられている。これに
よりベアリング4,5のグリース等やディスク室外15から
の不浄な空気やガスがディスク室内14へ侵入することを
防止する。
ハブ１は、例えば炭素鋼を用い、鍛造により形成され
たもので、その形成工程の一例を以下に説明する。
第２図は、ハブの鍛造による加工工程を表わす断面図
であり、このうち（１）乃至（４）はその工程を段階ご
とに示してある。なお、プレス装置は省略してある。
第２図（１）において、素材となるペレット（ブラン
ク）ａは、例えばS20C及至S45C等の炭素鋼を用いる。b1
0はメス型、c10はオス型の前後方押し出し加工による鍛
造型であり、冷間鍛造方式である。ペレットａは予め、
焼鈍、潤滑処理工程を経て鍛造型に装着されており、図
の矢印のようにオス型c10によりプレス装置にて押圧さ
れる。
第２図（２）は、ペレットａが押圧された状態を示
す。（この後、ペレットａはハブａと呼ぶ。）第２図
（３）は、鍛造型を取り替えて、ハブａを装着した状態
を示す。メス型b20には、ハブａのクランプ部材を取付
けるための取付ネジ用案内溝を形成する突部b21が複数
箇所設けられている。オス型20には、ハブａにシャフト
を嵌着するための貫通孔を形成用の円筒突部c21が設け
られている。またハブａの鍔部a10の寸法を規定し、せ
ん断するため、メス型b20には突部b23が、またオス型c2
0には突部c22が設けられている。プレス装置による２度
目の押圧の前に、ハブａを必要に応じて焼鈍、潤滑処理
を行なう。次に図の矢印のようにオス型c20をプレス装
置により押圧することにより、ハブａは第２図（４）の
形状となる。その後、ハブａは熱処理による調質、すな
わち組成の均質化と硬度を調整し、トリクレンやフロン
等の洗浄工程、又は潤滑剤を取り除く処理（荷性処理）
を経て終る。
ハブａはシャフト圧入され、所定の追加工を施し、ス
ピンドルモータとして組み込まれる。磁気ディスク装置
に用いられるスピンドルモータのハブ外形寸法は、使用
されるディスク径により異なるが、直径10mm乃至40mm程
度、ハブ高さ寸法は数mm乃至80mm程度である。スピンド
ルモータの小型化、薄型化が進みつつある中で、ハブの
機械的強度も、小型状に対応してそれ程要求されない。
従って、ハブ形状に対応して、鍛造加工すなわち、熱
間、温間、冷間の各鍛造法を問わず、また非鉄金属であ
るアルミニウム等の柔らかい鋼種を選択することも自由
にできる。さらにハブの形状により、１回のプレスで形
成することも可能である。また材料と加工後の製品の体
積（または重量）変化がないため、無駄のないように容
易に体積（または重量）計算し、予め材料を用意でき
る。こうして、量産化に対応し、製造コストが低減でき
る。また、鋳造によるハブに比べて「巣」等発生せず、
加工による油脂の浸出し等がないため、スピンドルモー
タとしてディスク室内を汚染することがない。
以上、本発明のスピンドルモータの一具体例について
説明したが、上述の具体例に限定されず、本発明の要旨
を逸脱しない範囲で設計変更自由である。
例えば、ステータとロータマグネットとが軸線方向に
対向し、相対回転するアキシアルギャップ型スピンドル
モータでもよい。ハブ形状は限定されることなく、ディ
スクのクランプ方法も自由であり、螺着や磁気吸引の方
法等任意である。ハブに用いられる鋼種は、炭素鋼やア
ルミニウムの他、展伸性と成形性を考慮し、ハブ形状に
対応して選定自由である。
［発明の効果］ 本発明は、上述の如く構成されるので、次の効果を奏
する。
ハブが金属材料を圧縮加工により形成されたため、製
造コストの低減が図れ、量産性に優れ、またディスク室
内を汚染することのない信頼性の高いスピンドルモータ
が得られる。
【図面の簡単な説明】
第１図は、本発明の一具体例であるスピンドルモータの
断面図。第２図は、第１図に用いたハブの加工工程を表
わす断面図。 １……ハブ ２……ブラケット ３……シャフト ４、５……ベアリング ６……ステータ ７……ロータマグネット ９……磁性流体シール 10……ディスク 11……クランプ部材 12……取付けネジ 13……スペーサ b10,b20……メス型 c10,c20……オス型

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】固定部材に対して軸受を介して回転自在に
    支持されたシャフトと、該シャフトに固定され記録ディ
    スクが装着される略釣鐘形状のハブと、該ハブに装着さ
    れたロータマグネットと、該ロータマグネットに対向し
    て配設されたステータとを具備し、該ロータマグネット
    と該ステータとの相対回転により前記ハブが回転駆動さ
    れるスピンドルモータにおいて、 前記ハブは、金属材料の鍛造加工により、円形の底板部
    と、該底板部の外周縁より垂下し外周が前記ディスクの
    中心孔に嵌合し内周に前記ロータマグネットが装着され
    る円筒部と、該円筒部の前記底板部との反対側の端部よ
    り径方向外方に延出したディスク載置用の鍔部とを形成
    して構成され、かつ、該鍛造加工時に、該底板部の中央
    に該シャフトが固着される取付孔が同時に形成されてい
    ることを特徴とするスピンドルモータ。
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