JP3134841B2 - 差動伝送線路用積層型ノイズフィルタ - Google Patents
差動伝送線路用積層型ノイズフィルタInfo
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Description
層型ノイズフィルタに関する。
ように、センサ1等で検出した微弱な検出信号を、差動
増幅器2により増幅している。ところで、センサ1と差
動増幅器2とを接続する信号線3a,3bが放射電磁界
(電波)に晒されると、該放射電磁界に伴うノイズが差
動増幅器2に侵入する。該ノイズは差動増幅器2で増幅
されて出力され、センサ1から出力される信号を制御信
号として使用している制御システム等を誤動作させると
いった問題が生じる。
器2の非反転入力端子と反転入力端子との間及び反転入
力端子とグランドとの間にそれぞれコンデンサC1及び
C2を接続し、差動増幅器2に侵入するノイズを除去し
ていた。コンデンサC1は、二本の信号線3a,3bを
流れるノーマルモードノイズ(矢印A1参照)を除去す
る。また、二本の信号線3a,3bを流れるコモンモー
ドノイズは、コンデンサC1,C2を介して矢印A2,
A3で示すようにグランドに流れる。これにより、電磁
界放射に伴うノイズは、差動増幅器2に入力する前に除
去される。コンデンサC1,C2としてはいずれも、従
来より、二端子コンデンサが使用されていた。
デンサは一般に、高い周波数領域では、図11に示すよ
うに、外部電極11a,11bにそれぞれ残留インダク
タンスLa及び残留抵抗Raが発生する。これら残留イ
ンダクタンスLa及び残留抵抗Raはコンデンサに対し
て直列に挿入される。このような等価回路を有する二端
子コンデンサ13を、図10の回路のコンデンサC1,
C2として使用すると、残留インダクタンスLa及び残
留抵抗Raは信号線3a,3b間及び信号線3bとグラ
ンド間に電気的に接続されるので、高い周波数領域では
二端子コンデンサ13の挿入損失が低下し、電磁界放射
に伴うノイズを十分に除去することができないという問
題があった。
去特性を有する差動伝送線路用積層型ノイズフィルタを
提供することにある。
するため、本発明に係る差動伝送線路用積層型ノイズフ
ィルタは、一対の貫通伝送線路と複数の絶縁層を積み重
ねて構成した積層体の内部に、前記一対の貫通伝送線路
の中央部が前記絶縁層を介して対向し、コンデンサを形
成するとともに、前記一対の貫通伝送線路のそれぞれの
両端部が前記絶縁層を介して対向しないように配置さ
れ、前記積層体の表面に設けられた四つの信号外部電極
にそれぞれ電気的に接続していることを特徴とする。
する貫通伝送線路間に静電容量が形成される。従って、
貫通伝送線路を流れるノーマルモードノイズは、この静
電容量によって除去される。そして、信号外部電極に発
生するインダクタンスや抵抗は信号線に対して直列に挿
入されるため、これらインダクタンスや抵抗は残留イン
ダクタンスや残留抵抗とはならず、チョークとして利用
される。
型ノイズフィルタは、絶縁層を間にして前記一対の貫通
伝送線路に対向するグランド電極を備え、該グランド電
極の両端部が前記積層体の表面に設けられたグランド外
部電極にそれぞれ電気的に接続していることを特徴とす
る。以上の構成により、絶縁層を間にして対向する貫通
伝送線路とグランド電極の間に静電容量が形成される。
従って、貫通伝送線路を流れるコモンモードノイズは、
この静電容量を介してグランドに流れる。
用積層型ノイズフィルタの実施の形態について添付の図
面を参照して詳細に説明する。
1実施形態の分解斜視図を図1に示す。該差動伝送線路
用積層型ノイズフィルタ20は、貫通伝送線路21,2
2をそれぞれ設けた絶縁性シート31,32と、これら
の絶縁性シート31,32を積み重ねた上側に配設され
たカバーシート33等にて構成されている。貫通伝送線
路21,22は、印刷、スパッタリング、蒸着等の方法
により絶縁性シート31,32の表面に形成されてい
る。貫通伝送線路21,22の材料としては、Ag,A
g−Pd,Cu,Ni等が使用される。シート31〜3
3の材料としては、SrTiO3等のセラミック誘電体
材料や絶縁体材料等が使用される。
シート31の奥側の左コーナ部に露出し、他端部21b
がシート31の奥側の右コーナ部に露出している。貫通
伝送線路22は、その一端部22aがシート32の手前
側の左コーナ部に露出し、他端部22bがシート32の
手前側の右コーナ部に露出している。貫通伝送線路21
と22は、その中央部が絶縁性シート31を間にして互
いに対向する。この対向部分に、その対向面積、間隔及
び絶縁性シート31が有している誘電率により決まる静
電容量C11が形成される。
られた後、一体的に焼成され、図2に示すように、積層
体34とされる。積層体34の四つのコーナ部には、信
号外部電極41a,41b及び42a,42bがそれぞ
れ設けられている。信号外部電極41a,41bには貫
通伝送線路21の両端部21a,21bがそれぞれ接続
され、信号外部電極42a,42bには貫通伝送線路2
2の両端部22a,22bがそれぞれ接続されている。
これらの信号外部電極41a〜42bは、Ag,Ag−
Pd,Cu等の導電性ペーストを塗布焼付けしたり、あ
るいは、乾式めっきしたりすることによって形成され
る。図3は差動伝送線路用積層型ノイズフィルタ20の
電気等価回路図である。
20を、図4に示すように、センサ1と差動増幅器2を
接続する信号線3a,3b間に接続した場合を例にし
て、差動伝送線路用積層型ノイズフィルタ20の作用効
果を説明する。例えば、信号線3aを流れるノーマルモ
ードノイズ(矢印A1参照)が貫通伝送線路21に侵入
すると、ノーマルモードノイズは静電容量C11によっ
て除去される。これにより、ノーマルモードノイズが差
動増幅器2に侵入するのを防止することができる。そし
て、信号外部電極41a〜42bに発生するインダクタ
ンスや抵抗は信号線3a,3bに対して直列に挿入され
るため、これらインダクタンスや抵抗は残留インダクタ
ンスや残留抵抗とはならず、チョークとして利用するこ
とができ、高周波領域でのノイズ除去効果を従来よりア
ップさせることができる。
2実施形態の分解斜視図を図5に示す。該差動伝送線路
用積層型ノイズフィルタ50は、貫通伝送線路21,2
2をそれぞれ設けた絶縁性シート31,32と、グラン
ド電極23,24をそれぞれ設けた絶縁性シート35,
36と、これらの絶縁性シート31,32,35,36
を積み重ねた上側に配設されたカバーシート33等にて
構成されている。
シート31の奥側の左コーナ部に露出し、他端部21b
がシート31の奥側の右コーナ部に露出している。貫通
伝送線路22は、その一端部22aがシート32の手前
側の左コーナ部に露出し、他端部22bがシート32の
手前側の右コーナ部に露出している。貫通伝送線路21
と22は、その中央部が絶縁性シート31を間にして互
いに対向し、静電容量C11を形成する。
一端部23a,24aがシート35,36の奥側の辺の
中央部に露出し、他端部23b,24bがシート35,
36の手前側の辺の中央部に露出している。グランド電
極23は、絶縁性シート35を間にして貫通伝送線路2
1に対向し、静電容量C12を形成する。グランド電極
24は、絶縁性シート32を間にして貫通伝送線路22
に対向し、静電容量C13を形成する。
6は、積み重ねられた後、一体的に焼成され、図6に示
すように、積層体37とされる。積層体37の四つのコ
ーナ部には、信号外部電極41a,41b,42a,4
2bがそれぞれ設けられている。さらに、積層体37の
奥側及び手前側の側面には、グランド外部電極G1,G
2がそれぞれ設けられている。信号外部電極41a,4
1bには貫通伝送線路21の両端部21a,21bがそ
れぞれ接続され、信号外部電極42a,42bには伝送
線路22の両端部22a,22bがそれぞれ接続されて
いる。グランド外部電極G1には、グランド電極23,
24の端部23a,24aが接続され、グランド外部電
極G2にはグランド電極23,24の端部23b,24
bが接続されている。図7は差動伝送線路用積層型ノイ
ズフィルタ50の電気等価回路図である。
50を、図8に示すように、センサ1と差動増幅器2を
接続する信号線3a,3bに挿入した場合を例にして、
差動伝送線路用積層型ノイズフィルタ50の作用効果を
説明する。例えば、信号線3aを流れるノーマルモード
ノイズ(矢印A1参照)が貫通伝送線路21に侵入する
と、ノーマルモードノイズは静電容量C11によって除
去される。また、信号線3aを流れるコモンモードノイ
ズ(矢印A2参照)が貫通伝送線路21に侵入すると、
貫通伝送線路21とグランド電極23との間に形成され
る静電容量C12を介してグランドに流れる。同様に、
信号線3bを流れるコモンモードノイズ(矢印A3参
照)が貫通伝送線路22に侵入すると、貫通伝送線路2
2とグランド電極24との間に形成される静電容量C1
3を介してグランドに流れる。これにより、電磁界放射
に伴うノイズは、差動増幅器2に侵入する前に除去さ
れ、差動増幅器2に入力するのを防止することができ
る。しかも、一つの部品内に三つの静電容量C11,C
12,C13が形成されているので、従来の二端子コン
デンサを複数個組み合わせた場合より、プリント基板上
の実装面積が少なくてすむ。
伝送する際に、差動伝送方式が多く採用されるようにな
ってきた。このとき、送信側から送出されるデジタル信
号とともにノイズが信号線に侵入すると、該ノイズは信
号線から電磁干渉雑音(EMIノイズ)として空間に放
射される。この対策として、図9に示すように、第2実
施形態の差動伝送線路用積層型ノイズフィルタ50をデ
ジタル信号の送信アンプ51の出力に接続すれば、信号
線3a,3bを通してデジタル信号とともに送信側52
から受信側53の差動増幅器2に送り出されるノイズ
が、信号線3a,3bに送り出される前に除去すること
ができ、電磁干渉雑音に伴う問題を解消することができ
る。
く、その要旨の範囲内で種々に変更することができる。
例えば第2実施形態において、図5のグランド電極23
が形成された絶縁性シート35又はグランド電極24が
形成された絶縁性シート36のいずれか一方を省略する
こともできる。
タを製造する場合、信号線路を表面に設けた絶縁性シー
ト等を積み重ねた後、一体的に焼成する工法に必ずしも
限定されない。絶縁性シートは予め焼成されたものを用
いてもよい。また、以下に説明する工法によって差動伝
送線路用積層型ノイズフィルタを製造してもよい。すな
わち、印刷等の手段によりペースト状の絶縁性シート材
料にて絶縁層を形成した後、その絶縁層の表面にペース
ト状の導電性材料を塗布して信号線路を形成する。次
に、ペースト状の絶縁性材料を前記信号線路の上から塗
布して信号線路が内蔵された絶縁層とする。同様にし
て、順に重ね塗りをしながら、信号線路の必要な箇所の
電気接続を行うにより、積層構造を有する差動伝送線路
用積層型ノイズフィルタが得られる。
によれば、絶縁層を間にして対向する伝送線路間に形成
された静電容量によって、貫通伝送線路を流れるノーマ
ルモードノイズを除去することができる。さらに、信号
外部電極に発生するインダクタンスや抵抗は信号線に対
して直列に挿入されるため、チョークとして利用するこ
とができ、挿入損失特性の優れた差動伝送線路用積層型
ノイズフィルタを得ることができる。
向するグランド電極を設けることにより、貫通伝送線路
とグランド電極との間に静電容量が形成され、貫通伝送
線路を流れるコモンモードノイズはこの静電容量を介し
てグランドに流すことができ、挿入損失特性がより優れ
た差動伝送線路用積層型ノイズフィルタを得ることがで
きる。しかも、一つの部品内に複数の静電容量を形成す
ることができるので、従来の二端子コンデンサを複数個
組み合わせた場合より、プリント基板上の実装面積が少
なくてすむ。
ルタの第1実施形態の構成を示す分解斜視図。
ルタの外観を示す斜視図。
ルタの電気等価回路図。
ルタのノイズ除去作用の説明図。
ルタの第2実施形態の構成を示す分解斜視図。
ルタの外観を示す斜視図。
ルタの電気等価回路図。
ルタのノイズ除去作用の説明図。
ルタをデジタル信号のノイズ除去に適用した説明図。
説明図。
等価回路図。
Claims (3)
- 【請求項1】 一対の貫通伝送線路と複数の絶縁層を積
み重ねて構成した積層体の内部に、前記一対の貫通伝送
線路の中央部が前記絶縁層を介して対向し、コンデンサ
を形成するとともに、前記一対の貫通伝送線路のそれぞ
れの両端部が前記絶縁層を介して対向しないように配置
され、前記積層体の表面に設けられた四つの信号外部電
極にそれぞれ電気的に接続していることを特徴とする差
動伝送線路用積層型ノイズフィルタ。 - 【請求項2】 前記絶縁層を間にして前記一対の貫通伝
送線路に対向するグランド電極を備え、該グランド電極
の両端部が前記積層体の表面に設けられたグランド外部
電極にそれぞれ電気的に接続していることを特徴とする
請求項1記載の差動伝送線路用積層型ノイズフィルタ。 - 【請求項3】 前記一対の貫通伝送線路の中央部が直線
状であって、前記絶縁層を介して対向し、前記一対の貫
通伝送線路が互いに線対称形状でかつ等しい長さを有し
ていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の差
動伝送線路用積層型ノイズフィルタ。
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JP10117365A JP3134841B2 (ja) | 1998-04-27 | 1998-04-27 | 差動伝送線路用積層型ノイズフィルタ |
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JP10117365A Expired - Fee Related JP3134841B2 (ja) | 1998-04-27 | 1998-04-27 | 差動伝送線路用積層型ノイズフィルタ |
Country Status (1)
Country | Link |
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-
1998
- 1998-04-27 JP JP10117365A patent/JP3134841B2/ja not_active Expired - Fee Related
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