JP3132890B2 - Abs樹脂組成物 - Google Patents

Abs樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フィルム、袋体などと
して包装材料や自動車部品等の材料に用いられる永久帯
電防止性に優れたABS(アクリロニトリル・ブタジエ
ン・スチレン)樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ABS
(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂は、
フィルム、袋体などとして包装材料や自動車部品等の材
料に従来から汎用されている。しかしながら、これらの
熱可塑性樹脂は一般に電気抵抗が大きく摩擦によって容
易に帯電し、塵などを吸引するという重大な欠点があっ
た。
【0003】そこで、近年、熱可塑性樹脂に帯電防止能
を付与する方法として、以下の方法が提案されている。
【0004】すなわち、(イ)帯電防止剤を樹脂表面に
塗布した後乾燥する方法、(ロ)内部添加型帯電防止剤
を樹脂中に練り込む方法、(ハ)シリコーン系化合物を
樹脂表面に塗布する方法、(ニ)樹脂自体を改質する方
法などが提案されている。
【0005】しかしながら、前記(イ)の方法では、帯
電防止剤として界面活性剤溶液が用いられており、この
ような帯電防止剤は洗浄により樹脂表面から容易に除去
されるため、恒久的な帯電防止能を付与することができ
なかった。
【0006】また、前記(ロ)の方法においては、内部
添加型帯電防止剤として、グリセリン脂肪酸エステル、
ソルビタン脂肪酸エステル、アルキルジエタノールアミ
ド、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキル
イミダゾールの4級塩などが用いられている。これらの
内部添加型帯電防止剤を用いた場合、樹脂表面の帯電防
止剤が洗浄により失われてもその内部から新たな帯電防
止剤が順次ブリードするため、帯電防止能が比較的長期
間永続した。
【0007】しかしながら、上記内部添加型帯電防止剤
を用いる方法では、樹脂表面を洗浄した後、帯電防止能
が回復するまでに長時間を要し、また、帯電防止剤が過
度にブリードした場合には、樹脂表面の粘着性が生じて
却って塵などが付着しやすくなるという問題があった。
さらに、これらの帯電防止剤は低分子量のものであるた
め高温での成形加工時の熱により揮散し、これにより、
必要以上の帯電防止剤を添加しなければならないという
経済的不利益や、帯電防止剤の有効量を調整することが
困難である等の問題があった。
【0008】上述した内部添加型帯電防止剤の欠点を解
消するものとして、近時、メトキシ基の20〜80モル
%がジエタノールアミン変性されたポリメチルメタクリ
レート(特開平1−170603号公報)、アルコキシ
ポリエチレングリコールメタクリレートのグラフト共重
合体(特公昭58−39860号公報)、スチレン−無
水マレイン酸共重合体をイミド変性した後4級化しカチ
オン化したポリマー(特公平1−29820号公報)、
末端がカルボキシル基のポリメチルメタクリレートをグ
リシジルメタクリレートで末端カルボキシル基をメタク
リロイル基に変換した高分子量単量体と、アミノアルキ
ルアクリル酸エステル又はアクリルアミドとのくし型共
重合体及びその4級化カチオン変性品(特開昭62−1
21717号公報)などの制電性官能基を有する高分子
化合物が、内部添加型帯電防止剤として提案されてい
る。
【0009】しかしながら、上記いずれの高分子化合物
を内部添加型帯電防止剤として用いても、透明性、強伸
度などの樹脂の物性の低下を生じ、しかも、樹脂の帯電
防止能及びその耐久性が不十分であるなどの問題があっ
た。
【0010】さらに、前記(ハ)の方法では、帯電防止
能が半永久的に持続するが、用いるシリコーン系化合物
が高価でありまた作業効率が悪いので、コスト面で大変
不利であった。
【0011】さらに、前記(ニ)の方法は、樹脂に親水
性基を導入するものであるが、十分な帯電防止能を付与
せしめるためにはかなりの量の親水性基を導入する必要
があり、このように親水性基を導入した場合には樹脂そ
のものの耐吸湿性の低下や機械的性質の低下を招くおそ
れがあった。
【0012】以上述べたように、従来の帯電防止性のA
BS樹脂組成物は、帯電防止能とその耐久性、樹脂の物
性等が未だ不十分なものであった。
【0013】帯電防止剤の練り込み若しくは塗布による
方法では、樹脂表面にブリードアウト若しくは付着した
帯電防止剤層により帯電防止効果を発現しているため、
その帯電防止剤層が摩擦、水洗等により脱落してしまう
と帯電防止効果を失ってしまうという問題があった。特
に、ABS樹脂に一般的によく使用されるアルキルジエ
タノールアミン等を練り込んだ系においては、樹脂の耐
摩擦性や耐水性が大きく低下した。
【0014】さらに、帯電防止剤を練り込む方法では、
帯電防止剤がしばしば過度にブリードアウトして、樹脂
表面に粘着性や粉ふきを生じたり樹脂表面の印刷特性が
悪化したり等の樹脂の表面状態の悪化の問題があった。
【0015】本発明は、上述した従来技術の課題に鑑み
発明されたものであって、その目的とするところは、永
久帯電防止性に優れ、樹脂自体の物性も良好なABS樹
脂組成物を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の樹脂組成物は、ABS(アクリロニトリル
・ブタジエン・スチレン)樹脂をマトリックス樹脂とし
て、これに以下のカチオン性共重合体を3〜30重量%
添加して得られる樹脂組成物である。
【0017】前記カチオン性共重合体は、分子内に、一
般式化4で表されるエチレン構造単位(I)65〜99
モル%と、一般式化5で表されるアクリルアミド構造単
位(III) 1〜35モル%とを含有し、重量平均分子量が
1,000〜50,000で線状の共重合体である。各
構造単位は規則的に配列していても不規則に配列してい
てもどちらでもよい。
【0018】
【化4】
【0019】
【化5】
【0020】また、前記カチオン性共重合体は、分子内
に、一般式化4で表されるエチレン構造単位(I)65
〜99モル%と、一般式化6で表されるアクリレート構
造単位 (II) 15モル%以下と、一般式化5で表される
アクリルアミド構造単位(III) 1〜35モル%とを含有
し、重量平均分子量が1,000〜50,000で線状
の共重合体である。各構造単位は規則的に配列していて
も不規則に配列していてもどちらでもよい。
【0021】
【化6】
【0022】本発明の樹脂組成物において用いられるカ
チオン性共重合体の構成について、以下にさらに詳しく
説明する。
【0023】本発明の樹脂組成物において用いるカチオ
ン性共重合体において、一般式化4で表されるエチレン
構造単位(I)は、分子内に65〜99モル%含有され
ているが、この含有割合が65モル%未満であればマト
リックス樹脂への相溶性が悪化し樹脂組成物の物性が著
しく低下する。また、含有割合が99モル%を超える場
合には十分な帯電防止能が得られない。相溶性と帯電防
止能との観点から、エチレン構造単位(I)の含有割合
は、80〜97モル%が好ましい。
【0024】また、本発明の樹脂組成物において用いる
カチオン性共重合体において、一般式化6で表されるア
クリレート構造単位 (II) は、分子内に0〜15モル%
含有されている。アクリレート構造単位 (II) が含有さ
れていることにより、カチオン性共重合体とマトリック
ス樹脂との相溶性が向上する。アクリレート構造単位(I
I) の含有割合が15モル%を超える場合には樹脂組成
物の物性が悪化し、相溶性の観点からアクリレート構造
単位 (II) の含有割合は3〜13モル%程度が好まし
い。
【0025】なお、アクリレート構造単位 (II) の一般
式化6に於いて、R1 はメチル基又はエチル基を表し、
1 は構造単位毎に同一であっても異なってもよい(す
なわち、メチル基とエチル基が1分子中に混在してもよ
い。)。
【0026】さらに、本発明の樹脂組成物において用い
るカチオン性共重合体において、一般式化5で表される
アクリルアミド構造単位(III) は、4級アンモニウム塩
の形にしたカチオン性のアクリルアミド構造単位であ
り、分子内に1〜35モル%含有されている。この含有
割合が1モル%未満の場合には樹脂組成物が帯電防止能
力に欠け、含有割合が35モル%を超える場合にはカチ
オン性共重合体のマトリックス樹脂への相溶性が悪化す
る。帯電防止能力と相溶性との観点から、アクリルアミ
ド構造単位(III) の含有割合は3〜15モル%が好まし
い。
【0027】なお、アクリルアミド構造単位(III) の一
般式化5に於いて、R2 は、エチレン基又はプロピレン
基を表しこれらは1分子中に混在してもよく、R3 及び
4は、メチル基を表し、R5 は、製造の容易さや良好
な帯電防止能が得られるといった観点から、メチル基、
エチル基等の低級直鎖状アルキル基又はベンジル基等の
アリールアルキル基を表す。さらに、X- は、Cl- ,
Br- , I- 等のハロゲン化物イオン、CH3 OSO3
- 又はCH3 CH2 OSO3 - を表す。
【0028】上述したカチオン性共重合体の重量平均分
子量の測定はゲルパーミュエーションクロマトグラフィ
ーで行い、ポリスチレン換算の重量平均分子量で超高温
GPC法(絹川,「高分子論文集第44巻2号」,13
9〜141頁,1987)に準じて測定できるが、その
重量平均分子量の範囲は1,000〜50,000であ
る。重量平均分子量が1,000未満の場合にはカチオ
ン性共重合体がワックス状となり、ハンドリング性が悪
化し、さらには過度のブリードアウトにより樹脂表面の
粘着性が増すという問題を生じ、重量平均分子量が5
0,000を超える場合には、マトリックス樹脂への相
溶性が悪化するという問題を生じる。カチオン性共重合
体の好ましい重量平均分子量は3,000〜30,00
0である。
【0029】本発明の樹脂組成物において用いるカチオ
ン性共重合体の製造方法としては、例えば、エチレンと
アクリル酸エステルとを高圧重合法により共重合させて
得られるエチレン−アクリル酸エステル共重合体を、特
開昭60−79008号公報に記載の方法により加水分
解と同時に熱減成して所望の分子量とし、さらに、得ら
れたエチレン−アクリル酸エステル−アクリル酸共重合
体をN,N−ジアルキルアミノアルキルアミンでアミド
化した後公知の4級化剤でカチオン変性し単離して上記
カチオン性共重合体を得るというものである。
【0030】本発明の樹脂組成物において、マトリック
ス樹脂に対する前述したカチオン性共重合体の添加量は
実用的には3〜30重量%であるが、この添加量が3重
量%未満の場合には要求される帯電防止性が得られず、
逆に添加量が30重量%を超える場合には樹脂の機械的
物性、特に衝撃強度が低下する。樹脂における帯電防止
性と機械的物性とのバランスから、マトリックス樹脂に
対するカチオン性共重合体の添加量は5〜20重量%が
特に好ましい。
【0031】本発明の樹脂組成物では、マトリックス樹
脂としてABS樹脂を用いるが、その種類は特に限定さ
れるものではない。ABS樹脂の具体例としては、ブタ
ジエン−アクリロニトリルゴムとスチレン−アクリロニ
トリル樹脂との物理的混合物(ブレンド)、ブタジエン
ゴム若しくはブタジエン−スチレンゴムへのアクリロニ
トリル及びスチレンのグラフト重合体、アクリロニトリ
ルとブタジエンとスチレンとの均質三元重合体などがあ
る。
【0032】本発明の樹脂組成物の製造方法としては、
公知の方法でABS樹脂に前記カチオン性共重合体を規
定量添加すればよく、例えば、二軸押出し機にて添加す
ればよい。
【0033】
【作用】従来の内部添加型帯電防止剤が樹脂表面にブリ
ードアウトして吸湿層を形成し、これにより発生した静
電気を漏洩するのに対し、本発明の樹脂組成物において
添加されるカチオン性共重合体は、マトリックス樹脂中
で連続層を形成し、共重合体分子中のカチオン基の対イ
オンの移動に伴う電荷の移動によって静電気の漏洩が起
こる。従って、本発明におけるカチオン性共重合体の方
が従来の内部添加型帯電防止剤よりも、静電気の漏洩そ
のものの速度が速い。
【0034】また、本発明の樹脂組成物では、カチオン
性共重合体が外的因子に左右され易い樹脂の表面付近に
高濃度に存在しないため、樹脂表面の摩擦、水洗等によ
る帯電防止効果の消失が起こらない。
【0035】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、カチオン性共重
合体が樹脂の表面付近に高濃度に存在しないため、以下
に記載の如く幾多の顕著な作用効果を奏するものであ
る。
【0036】(1)本発明の樹脂組成物は、樹脂表面の
摩擦、水洗等による帯電防止効果の消失を起こさず、耐
摩擦性や耐水性に優れた樹脂組成物である。また、通常
の帯電防止剤を用いた場合にはその効果が失活してしま
うような苛酷な条件下(高温での成形加工等)において
も、本発明の樹脂組成物は、高いレベルでの帯電防止能
を保持する。
【0037】(2)本発明の樹脂組成物では、従来の内
部添加型帯電防止剤を用いた場合のように過度なブリー
ドアウトにより樹脂表面に粘着性が生じて却って塵など
が付着しやすくなるという問題を生じない。
【0038】(3)本発明の樹脂組成物では、従来の帯
電防止性樹脂組成物のように樹脂の耐衝撃性、強伸度、
透明性等の物性の低下を招くことがない。
【0039】
【実施例】以下に、本発明の樹脂組成物において用いら
れるカチオン性共重合体の具体的な合成例A〜Cについ
て説明する。
【0040】カチオン性共重合体の具体的な合成例A 温度計、撹拌機、滴下ロート及びディーン・スターク分
水器を備えた1リットルの4つ口フラスコに、キシレン
400ml、エチレン・アクリル酸エチル・アクリル酸
共重合体(エチレン/エチル アクリレート/アクリル
酸=93/3/4) 150g及びパラトルエンスルホン
酸1.0gを仕込んだ。
【0041】次に、N,N−ジメチルアミノプロピルア
ミン21.1gを仕込み、オイルバスを用いて140℃
に加熱して生成した水をキシレンとの共沸により連続的
に除去し、さらに、140℃で17時間反応し、生成す
る水の共沸が認められなくなるまでアミド化反応を継続
した。
【0042】得られた反応物458gを80℃まで冷却
し、そこへ滴下ロートよりジエチル硫酸31.1gを1
時間かけて徐々に滴下した。この間、発熱が認められた
が、冷却することにより反応温度を90℃に維持し、滴
下終了後は100℃で4時間熟成反応を行った。
【0043】ここで得られた反応物を多量のメタノール
中へ投入し、生成した沈澱物を回収、乾燥してカチオン
性ポリマーAを得た。
【0044】ポリマーAの重量平均分子量を測定したと
ころ5,300であった。
【0045】カチオン性共重合体の具体的な合成例B 温度計、撹拌機、滴下ロート及びディーン・スターク分
水器を備えた1リットルの4つ口フラスコに、キシレン
400ml、エチレン・アクリル酸共重合体(エチレン
/アクリル酸=91/9) 150g及びパラトルエンス
ルホン酸1.0gを仕込んだ。
【0046】次に、N,N−ジメチルアミノエチルアミ
ン38.5gを仕込み、オイルバスを用いて140℃に
加熱して生成した水をキシレンとの共沸により連続的に
除去し、さらに、140℃で17時間反応し、生成する
水の共沸が認められなくなるまでアミド化反応を継続し
た。
【0047】得られた反応物を80℃まで冷却し、そこ
へ沃化メチル72.0gを1時間かけて滴下した。この
間、発熱が認められたが、冷却することにより反応温度
を90℃に維持し、滴下終了後は100℃で4時間熟成
反応を行った。
【0048】ここで得られた反応物を多量のn−ヘキサ
ン中へ投入し、生成した沈澱物を回収、乾燥してカチオ
ン性ポリマーBを得た。
【0049】ポリマーBの重量平均分子量を測定したと
ころ6, 000であった。
【0050】カチオン性共重合体の具体的な合成例C 温度計、撹拌機、滴下ロート及びディーン・スターク分
水器を備えた1リットルの4つ口フラスコに、キシレン
400ml、エチレン・アクリル酸エチル・アクリル酸
共重合体(エチレン/エチル アクリレート/アクリル
酸=93/3/4) 150g及びパラトルエンスルホン
酸1.0gを仕込んだ。
【0051】次に、N,N−ジメチルアミノプロピルア
ミン21.1gを仕込み、オイルバスを用いて140℃
に加熱して生成した水をキシレンとの共沸により連続的
に除去し、さらに、140℃で17時間反応し、生成す
る水の共沸が認められなくなるまでアミド化反応を継続
した。
【0052】得られた反応物458gを80℃まで冷却
し、そこへ滴下ロートより塩化ベンジル25.5gを1
時間かけて徐々に滴下した。この間、発熱が認められた
が、冷却することにより反応温度を90℃に維持し、滴
下終了後は100℃で4時間熟成反応を行った。
【0053】ここで得られた反応物を多量のメタノール
中へ投入し、生成した沈澱物を回収、乾燥してカチオン
性ポリマーCを得た。
【0054】ポリマーCの重量平均分子量を測定したと
ころ5,500であった。
【0055】以下に、本発明の樹脂組成物の具体的な実
施例とそれと比較対照するための具体的な比較例につい
て説明するが、得られた樹脂組成物の各種物性について
は下記方法により測定した。
【0056】樹脂組成物の各種物性の評価方法 表面固有抵抗値 メガオームメーター(東亜電波社製)にて、樹脂組成物
の試験片に500Vの電圧をかけた場合の表面固有抵抗
値を測定した。
【0057】 帯電圧減衰速度 スタティックオネストメーター(宍戸商会社製)にて、
樹脂組成物の試験片に10,000V×30秒印加し
て、初期電圧の半分になるのに要した時間を秒数で示し
た。
【0058】 耐摩擦性 樹脂組成物の試験片を、水を浸したガーゼにより80回
摩擦した後乾燥して、と同様の方法で試験片の表面固
有抵抗値を測定した。
【0059】 耐水性 樹脂組成物の試験片を沸騰水中で2時間煮沸した後、乾
燥して、と同様の方法で試験片の表面固有抵抗値を測
定した。
【0060】 アイゾット衝撃強度 樹脂組成物の試験片のアイゾット衝撃強度をJIS K
−7110に従って測定した。
【0061】なお、上記〜の電気特性については、
温度20℃、相対湿度60%で24時間以上調湿した後
測定したものである。
【0062】ABS樹脂組成物について: 実施例1〜8 定量供給装置の付いた二軸押出し機にて、ABS樹脂
(サイコラックT,宇部サイコン社製)に前記合成例で
得られたカチオン性ポリマーA又はBを規定量添加し、
ペレット化した。
【0063】上記ペレットを射出成形機で成形して試験
片とし、各種物性を測定しその結果を表1に示した。
【0064】比較例1及び2 カチオン性ポリマーの代わりにラウリルジエタノールア
ミンを用いて実施例1〜8と同様の方法で樹脂組成物の
試験片を作製し、各種物性を測定してその結果を表1に
示した。
【0065】比較例3〜6 ABS樹脂(サイコラックT,宇部サイコン社製)に対
してカチオン性ポリマーA又はBを1.0重量%若しく
は40.0重量%添加して、実施例1〜8と同様の方法
で樹脂組成物の試験片を作製した。各試験片の各種物性
を測定して、その結果を表1に示した。
【0066】実施例9〜12 実施例1〜8において、カチオン性ポリマーとして前記
合成例で得られたポリマーCを用いて樹脂組成物の試験
片を作製し、各種物性を測定してその結果を表1に示し
た。
【0067】
【表1】
【0068】表1より、カチオン性ポリマーA,B又は
Cを5.0〜30.0重量%の範囲で樹脂に添加する
と、帯電防止性、耐摩擦性、耐水性、さらに耐衝撃性に
優れたABS樹脂組成物が得られた。
【0069】カチオン性ポリマーA,B及びCの代わり
にラウリルジエタノールアミンを樹脂に添加すると、樹
脂の表面固有抵抗値はほぼ同等の値だが、耐摩擦性や耐
水性が大きく低下した。
【0070】また、カチオン性ポリマーの添加量を1.
0重量%とした場合には、帯電圧減衰速度が大幅に落ち
込み表面固有抵抗値が大きかった。
【0071】カチオン性ポリマーの添加量を40.0重
量%とした場合には、樹脂の帯電防止性は良好だが、ア
イゾット衝撃強度が大きく低下した。また、耐水性の試
験を行うと樹脂が変形することもあった。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−194760(JP,A) 特開 平2−229862(JP,A) 特開 昭63−54467(JP,A) 特開 昭63−54466(JP,A) 特開 昭54−66386(JP,A) 特開 昭62−121717(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 55/02 C08L 23/08

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子内に、一般式化1で表されるエチレ
    ン構造単位(I)65〜99モル%と、 一般式化2で表されるアクリルアミド構造単位(III) 1
    〜35モル%とを含有し、重量平均分子量が1,000
    〜50,000で線状のカチオン性共重合体を、 ABS樹脂に添加して得られることを特徴とするABS
    樹脂組成物。 【化1】 【化2】 (ただし、化2に於いて、R2 はエチレン基又はプロピ
    レン基を表し、R3 及びR4 はメチル基を表し、R5
    メチル基、エチル基等の低級直鎖状アルキル基又はベン
    ジル基等のアリールアルキル基を表し、さらに、X-
    ハロゲン化物イオン、CH3 OSO3 - 又はCH3 CH
    2 OSO3 - を表す。なお、R2 は、構造単位毎に同一
    であっても異なってもよい。)
  2. 【請求項2】 分子内に、 一般式化1で表されるエチレン構造単位(I)65〜9
    9モル%と、 一般式化3で表されるアクリレート構造単位 (II) 15
    モル%以下と、 一般式化2で表されるアクリルアミド構造単位(III) 1
    〜35モル%とを含有し、重量平均分子量が1,000
    〜50,000で線状のカチオン性共重合体を、 ABS樹脂に添加して得られることを特徴とするABS
    樹脂組成物。 【化3】 (ただし、化3に於いて、R1 はメチル基又はエチル基
    を表し、R1 は構造単位毎に同一であっても異なっても
    よい。)
  3. 【請求項3】 前記ABS樹脂に対し、前記カチオン性
    共重合体を3〜30重量%添加して得られることを特徴
    とする請求項1若しくは2に記載のABS樹脂組成物。
JP10694092A 1992-04-24 1992-04-24 Abs樹脂組成物 Expired - Fee Related JP3132890B2 (ja)

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