JP3131666B2 - 金属材の高周波誘導加熱によるろう付け方法 - Google Patents

金属材の高周波誘導加熱によるろう付け方法

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JP3131666B2 JP25835692A JP25835692A JP3131666B2 JP 3131666 B2 JP3131666 B2 JP 3131666B2 JP 25835692 A JP25835692 A JP 25835692A JP 25835692 A JP25835692 A JP 25835692A JP 3131666 B2 JP3131666 B2 JP 3131666B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属材の高周波誘導加
熱によるろう付け方法に関し、さらに詳しくは、熱交換
器とその出入口パイプとの高周波誘導加熱によるろう付
け方法に関する。
【0002】この明細書において、「アルミニウム」と
いう語には、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を
含むものとする。また、この明細書において、「不活性
ガス」という語には、アルゴン、ヘリウム、クリプト
ン、キセノンなどの周期律表の不活性ガスの他に、窒素
ガスなどのアルミニウムに対して不活性なガス、および
これらの混合ガスも含むものとする。
【0003】
【従来の技術】2つのアルミニウム材を、フラックスを
使用して所謂、置きろう方式によりろう付けするのに、
従来は、大気中でのトーチろう付け、炉中ろう付けによ
り行っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】例えば、自動車用のエ
バポレータでは、その構造上、アルミニウム製の熱交換
器本体にヘッダパイプと出入口パイプをろう付けする場
合、熱交換器本体と接近してこれらパイプをろう付けす
る必要があるため、トーチろう付けであれば、ろう付け
作業が難しく、パイプの接合不良が生じやすいという問
題があった。また、上記いずれのろう付けによる場合で
も、アルミニウムと大気中の水分との反応によってろう
付過程中に酸化皮膜が生成し易くなるので、使用するフ
ラックスの量を多くしなければならない。
【0005】上記フラックスとしては、一般に塩化物系
フラックスや、弗化物系フラックスが用いられるが、塩
化物系フラックスを大量に用いた場合、ろう付治具の傷
みが激しくなり、また炉中ろう付の場合には炉の傷みも
激しくなるという問題があった。さらに、フラックスの
残渣によりアルミニウム材が腐食するので、これを防止
するために、ろう付後のフラックス残渣を洗浄により除
去しなければならず、その作業が面倒であるという問題
があった。
【0006】弗化物系フラックスを大量に用いた場合、
ろう付治具や炉の傷みを防止できるとともに、ろう付後
のアルミニウム製品の腐食も防止できるが、大量に用い
るためにコストが高くなるという問題があった。また、
フラックスの残渣によりアルミニウム製品の外観が悪く
なるという問題があった。しかも、ろう付後アルミニウ
ム製品に塗装や、たとえばクロメート皮膜処理のような
化成皮膜処理等の表面処理を施す必要がある場合に、得
られた塗膜や皮膜にむらが生じるという問題があった。
したがって、弗化物系フラックスの場合にもその残渣を
除去するための洗浄処理を施す必要があった。
【0007】また、上記従来のトーチろう付けに代えて
またはこれと併用して高周波誘導加熱によってろう付け
する方法も考えられる。しかしながら、高周波誘導加熱
によれば、上述したようなトーチろう付けが難しい箇所
でも容易にろう付けができるものの、やはりフラックス
を大量に用いるため、ろう付治具の傷み、あるいはろう
付後のフラックス残渣の洗浄やコスト高といった問題が
なお解決できなかった。
【0008】本発明の目的は、自動車用のエバポレータ
におけるパイプろう付けのように、トーチ法によるろう
付けが難しい場合でも、確実なろう付けが行え、しかも
フラックス量を大幅に軽減することができるろう付け方
法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、中空状の金属
材の開口部に他の中空状の金属材をフラックスを用いて
大気雰囲気中で高周波誘導加熱によりろう付けするにあ
たり、中空状の金属材の端部に拡管部を形成し、次い
で、他の中空状の金属材の周囲にリング状ろう材を嵌め
被せるとともに、該他の中空状の金属材の先端部分を拡
管部に嵌め入れて、拡管部の端面上に上記リング状ろう
材を配し、両金属材の継手部分およびリング状ろう材に
フラックスを塗布した後、継手部分の周囲に高周波誘導
加熱装置の誘導コイルを配置するとともに、継手部分に
向かって不活性ガスのノズルを配置し、中空状の金属材
および他の中空状の金属材内を真空状態とし、この状態
でノズルから不活性ガスを継手部分に吹き付けるととも
に、高周波誘導加熱装置の誘導コイルで高周波加熱を行
うことを特徴としている。
【0010】さらに本発明は、上記真空状態とした中空
状の金属材内に不活性ガスを送り込むものである。
【0011】
【作用】本発明の方法によれば、中空状の金属材の端部
に拡管部を形成し、次いで、他 の中空状の金属材の周囲
にリング状ろう材を嵌め被せるとともに、該他の中空状
の金属材の先端部分を拡管部に嵌め入れて、拡管部の端
面上に上記リング状ろう材を配し、両金属材の継手部分
およびリング状ろう材にフラックスを塗布した後、継手
部分の周囲に高周波誘導加熱装置の誘導コイルを配置す
るとともに、継手部分に向かって不活性ガスのノズルを
配置し、中空状の金属材および他の中空状の金属材内を
真空状態とし、この状態でノズルから不活性ガスを継手
部分に吹き付けるもので、外方からの不活性ガスの吹き
付けにより部分的な不活性雰囲気が形成される。そのた
め、アルミニウム材ではその表面の酸化皮膜の生成が抑
制される。また、中空状の金属材内を真空状態とするこ
とにより、金属材内が負圧となるため、ろう付けの接合
面において、溶融したろう材がより内方へ進入する。
【0012】真空状態とした中空状の金属材内に不活性
ガスを送り込む場合には、中空状の金属材は内外両側に
おいて完全な不活性雰囲気となり、ろう付け時の酸化物
の生成が大幅に抑制される。
【0013】
【実施例】以下、カーエアコン用のアルミニウム製エバ
ポレータにアルミニウムパイプをフラックスを用いて大
気雰囲気中で高周波誘導加熱によりろう付けする場合の
実施例について述べる。
【0014】実施例1 図1に示すように、エバポレータ本体(1) の一側に設け
られたヘッダ(2) の端部に拡管部(2a)を形成しておく。
次いで、アルミニウムパイプ(3) の周囲にリング状ろう
材(4) を嵌め被せるとともに、このアルミニウムパイプ
(3) の先端部分を拡管部(2a)に嵌め入れて、拡管部(2a)
の端面上に上記リング状ろう材(4) を配し、両管の継手
部分(7) およびリング状ろう材(4a)に弗化物系フラック
スを塗布する。しかる後、継手部分(7) の周囲に所謂、
割型の高周波誘導加熱装置の誘導コイル(5) を配置する
ともに、継手部分(7) に向かって不活性ガスのノズル
(6) を配置する。また、φ15.8mmのアルミニウム
パイプ(3) の基端側からは真空ポンプ(図示せず)で
0.1〜20torrまで真空引きを行い、ヘッダ(2)
およびアルミニウムパイプ(3) 内を真空状態とする。
【0015】この状態でノズル(6) から不活性ガスを継
手部分(7) に吹き付けるとともに、高周波誘導加熱装置
の誘導コイル(5) で高周波加熱を行う。加熱されたリン
グ状ろう材(4a)は、溶融して継手部分(7) に流入する
が、この際、継手部分(7) の内部が真空状態であるた
め、溶融したろう材は継手部分の内方へ容易に進入する
こととなる。
【0016】本実施例によるろう付け方法を複数回行っ
た結果、フラックス量は従来0.05〜0.1g必要で
あったのが、本実施例によれば、0.01〜0.03g
で済み、およそ20〜30%の減率となった。一方、ろ
う付けの接合強度は充分であった。
【0017】なお、本実施例の方法は、ろう付けする管
内を真空状態とする関係上、継手部分(7) における接合
面のクリアランスが小さい場合に有効である。
【0018】実施例2 真空状態としたヘッダ(2) およびアルミニウムパイプ
(3) 内に不活性ガスを送り込んだ以外は、上記実施例1
と同様のろう付け操作を実施した。
【0019】本実施例によっても、上記実施例1と同様
に従来方法に比べて少ないフラックス量で十分な接合強
度のろう付けが行えた。そして、特に継手部分の内部に
も不活性ガスを送り込んだことにより、ヘッダ(2) とア
ルミニウムパイプ(3) 両管の内面側における酸化皮膜の
生成が抑制された。
【0020】なお、本実施例の方法は、ろう付けする管
内にも不活性ガスを送り込むものであるため、継手部分
(7) における接合面のクリアランスが大きく、内部を上
記実施例1のような真空状態に維持することが困難な場
合に有効である。
【0021】
【発明の効果】本発明の高周波誘導加熱によるろう付け
方法によれば、大気雰囲気でアルミニウム材のろう付け
をする場合でも、接合部分における酸化皮膜の生成が抑
制され、しかもろう材の良好な濡れ性が得られるため、
強固なろう付けが可能となるものである。しかも、フラ
ックス量は従来方法に比べて大幅に少なくて済み、経済
的である他、ろう付け後の多量のフラックス残渣による
表面処理への悪影響という問題も解消される。
【0022】そして、とくに請求項1記載の発明によれ
ば、加熱されたリング状ろう材は、溶融して継手部分に
流入するが、この際、継手部分の内部が真空状態である
ため、溶融したろう材は継手部分の内方へ容易に進入す
ることとなる。 また、請求項2記載の発明によれば、ろ
う付けする中空状の金属材内にも不活性ガスを送り込む
ものであるため、継手部分における接合面のクリアラン
スが大きく、内部を真空状態に維持することが困難な場
合に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 エバポレータ本体 2 ヘッダ(中空状の金属材) 2a 拡管部 3 アルミニウムパイプ(他の中空状の金属材) 4 リング状ろう材 5 高周波誘導加熱装置の誘導コイル 6 ノズル 7 継手部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−15969(JP,A) 特開 平3−180266(JP,A) 特開 平3−180265(JP,A) 特開 平3−267692(JP,A) 特開 昭54−35152(JP,A) 特公 昭46−9928(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 1/00 - 1/20 B23K 13/01

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空状の金属材の開口部に他の中空状の
    金属材をフラックスを用いて大気雰囲気中で高周波誘導
    加熱によりろう付けするにあたり、中空状の金属材の端
    部に拡管部を形成し、次いで、他の中空状の金属材の周
    囲にリング状ろう材を嵌め被せるとともに、該他の中空
    状の金属材の先端部分を拡管部に嵌め入れて、拡管部の
    端面上に上記リング状ろう材を配し、両金属材の継手部
    分およびリング状ろう材にフラックスを塗布した後、継
    手部分の周囲に高周波誘導加熱装置の誘導コイルを配置
    するとともに、継手部分に向かって不活性ガスのノズル
    を配置し、中空状の金属材および他の中空状の金属材内
    を真空状態とし、この状態でノズルから不活性ガスを継
    手部分に吹き付けるとともに、高周波誘導加熱装置の誘
    導コイルで高周波加熱を行うことを特徴とする、金属材
    の高周波誘導加熱によるろう付け方法。
  2. 【請求項2】 真空状態とした中空状の金属材内に不活
    性ガスを送り込むことを特徴とする請求項1記載の金属
    材の高周波誘導加熱によるろう付け方法。
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