JP3131553U - カーマット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】カーマット10は、表皮材11と裏材12とを、所定の間隔をあけて並列する筋状の熱接着性樹脂13により接着一体化することで形成される。この裏材12は、モノフィラメントとステープルの混合編物であって、その外側表面から、モノフィラメントのパイル12aが多数突出するように編成されている。これを車内フロアカーペットの上に置くと、パイル12aが食い込むことで良好な防滑性能を発揮する。また、裏材12のステープルは素材として吸音性が高く、さらに、表皮材11と裏材12とは、筋状の熱接着性樹脂13で部分的にしか接着されておらず通気性も高いので、カーマット10は吸音性能にも非常に優れている。
【選択図】図1
Description
詳しくは、車内の騒音を吸収低減する吸音性能と、足元でのずれ動きを防止する防滑性能を高いレベルで併せ持ったカーマットに関する。
そのため、カーマットの空気の通過量が増え、結果、通過中に吸収する音の量が増えることにより、吸音性能が向上する。
なお、このカーマットの裏材には、固綿、不織布など繊維密度が比較的大きく、吸音性の高い素材が用いられ、吸音性能の更なる向上が図られている(特許文献1、段落[0020]、[0021]等参照)。
このようなカーマットを、車内床のフロアカーペット上に置くと、マットから突出するモノフィラメントがフロアカーペットのパイル生地に深く食い込むため、良好な滑り止め作用を発揮する。
しかも、編物中のステープル(短繊維)は、繊維密度がモノフィラメントよりも格段に大きいことなどから、素材としてよく音を吸収し、かつ、表皮材と裏材とが、筋状の熱接着性樹脂によって部分的にしか接着されていないため、全面にわたって熱接着性樹脂で接着されている通気性の悪い場合に比べると、通気性が改善されており、その結果、このカーマットは、吸音性にも非常に優れている。
また、モノフィラメント単体から編物を形成する場合に比べて、ステープルが混合されている分、クッション性が増しており、足腰への負担が軽減される。
さらに、別途吸音のために不織布を積層するなどしなくてもよいため、カーマットの厚みを小さくでき、その軽量化が図られる。
しかも不織布は編物よりも良く音を吸収する素材であり、かつ、表皮材と裏材とが、筋状の熱接着性樹脂によって部分的にしか接着されていないため、通気性が高く、その結果、このカーマットは、吸音性にも非常に優れている。
また、裏材をモノフィラメントの編物単体とする場合などに比べて、不織布を積層している分、クッション性が増しており、足腰に優しい。
さらに、裏材は、モノフィラメントの編物と不織布とを積層するだけであるから、種々の繊維から編物を編成するなどの面倒な工程を要さず、製造が容易である。
しかも不織布はモノフィラメントの編物等に比べて吸音性が良好な素材であり、かつ表皮材と裏材とが、筋状の熱接着性樹脂によって部分的にしか接着されていないため、通気性が高く、その結果、このカーマットは、吸音性にも非常に優れる。
また、裏材を不織布単体から形成しているため、モノフィラメントやステープルを用いた混合編物や、モノフィラメントの編物と不織布の積層体と比べて、編み工程や積層工程がない分、製造が容易であり、その製造コストを抑えることができる。
なお、ポリオレフィン系のホットメルト樹脂は、固化した後には、粘着性が少ないため、カーマットへの塵埃等の付着が防止され、その防滑性能が持続し、汚れが少なく見た目もよい。
まず、裏表面を上向きにして図中矢印で示す方向に送られる表皮材11の上に、表皮材11の送り方向とほぼ直交する向きにノズルが並列するダイDから、溶融させた熱接着性樹脂を押し出す。
そして、押し出された熱接着性樹脂が付着した表皮材11が順次送られてゆくことにより、間隔をあけて並列する筋状の熱接着性樹脂13が形成される。
つぎにこの上に、表皮材11と送り方向を同じくする(図中矢印で示す)裏材12を、裏表面を上向きにした状態で載せ、これらを加圧ロールRに通すことにより接着一体化させる。
ここで、熱接着性樹脂は、ポリオレフィン系のホットメルト樹脂を用いると、環境にもやさしく、接着性等も良好である。
また、基布11aの裏側の表面には、表パイル11bの抜け止めのための抜け止め層(図示省略)が設けられている。
抜け止め層は、主としてスチレンブタジエンゴム(SBR)などの合成樹脂から形成され、これにパラフィン樹脂が3〜15重量%添加されている。
このように、抜け止め層に適量のパラフィンが添加されているため、表皮材は、通気性は損なわれないままで、雨水等が裏材12まで浸透しにくいものとなっている。
なお、表皮材11は、このほかにも、たとえば、不織布や編物から形成しても良い。
太さが150デニール未満であると折れ曲がりやすく、1000デニールを超えると太く硬くなりすぎ、ともに、フロアカーペットに対する食い込みが不十分となるからである。
ステープルの太さをこの範囲とすると、吸音性に優れ、混合編物を編成した際の風合いも良好である。
さらに、このカーペット10は、表皮材11と裏材12とが、筋状の熱接着性樹脂13によって部分的にしか接着されていないため、全面にわたって通気性の悪い熱接着性樹脂で接着されている場合に比べ、通気性が非常に高い。
そのため、このカーマット10は、吸音性にも非常に優れている。
その製法は、第一の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
また、表皮材21の材質等も、第一の実施形態と同様である。
この編物22aは、不織布22bと積層されない側の表面(外側の表面)から、モノフィラメントのパイル22c(裏パイル)が多数突出するように編成されている。
このモノフィラメントの材質、太さ等は、第一の実施形態と同様である。
また、その繊維の太さを1〜15デニールとし、ニードルパンチ法により製造するのが、同様の理由からより好ましい。
その製法は、第一および第二の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
また、表皮材31の材質等も、第一および第二の実施形態と同様である。
ここで、ポリオレフィン系ホットメルト樹脂の塗布量は、不織布32aに対し50〜150g/m2であって、塗布量をこの範囲に調節すると、乾燥後の滑り止め層32bは多孔質状に形成されるため、その通気性は良好なものとなっている。
なお、この不織布32aの素材は、第二の実施形態と同様である。
11 表皮材(パイル織物)
11a 基布
11b 表パイル
12 裏材(混合編物)
12a モノフィラメントのパイル(裏パイル)
20 第二の実施形態のカーマット
21 表皮材(パイル織物)
21a 基布
21b 表パイル
22 裏材(積層体)
22a モノフィラメントの編物
22b 不織布
22c モノフィラメントのパイル(裏パイル)
30 第三の実施形態のカーマット
31 表皮材(パイル織物)
31a 基布
31b 表パイル
32 裏材
32a 不織布
32b 滑り止め層
D ダイ
R 加圧ロール
Claims (8)
- モノフィラメントとステープルの混合編物からなる裏材と、表皮材とを、所定の間隔をあけて並列する筋状の熱接着性樹脂で接着一体化し、
この裏材の外側の表面から、モノフィラメントのパイルが多数突出するように形成したカーマット。 - 上記混合編物100重量%中のステープルの割合を、70〜92重量%とし、その余をモノフィラメントとした請求項1に記載のカーマット。
- 上記ステープル単糸の太さは、1デニール以上15デニール以下である請求項1または2に記載のカーマット。
- モノフィラメントの編物と不織布の積層体からなる裏材と、表皮材とを、裏材の不織布を表皮材側にして、所定の間隔をあけて並列する筋状の熱接着性樹脂で接着一体化し、
この裏材の外側の表面から、モノフィラメントのパイルが多数突出するように形成したカーマット。 - 上記モノフィラメントの太さは、150デニール以上1000デニール以下である請求項1から4のいずれかに記載のカーマット。
- 不織布からなる裏材と、表皮材とを、所定の間隔をあけて並列する筋状の熱接着性樹脂で接着一体化し、
この裏材の外側の表面に、ポリオレフィン系ホットメルト樹脂を塗布して滑り止め層を形成したカーマット。 - 上記ポリオレフィン系ホットメルト樹脂からなる滑り止め層を、多孔質層とした請求項6に記載のカーマット。
- 上記表皮材は、基布にパイルを植設し、その裏側表面にパイルの抜け止め層を形成したパイル織物であり、
この抜け止め層を構成する合成樹脂100重量%中、3〜15重量%をパラフィン樹脂とした請求項1から7のいずれかに記載のカーマット。
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