本発明の自動車用フロアマットは多孔質体層のみから構成することによって、吸音性を阻害しないようにしている。本発明の自動車用フロアマットを構成する多孔質体層は多孔質である限り、特に限定するものではないが、例えば、カーペット、不織布、織物、編物、発泡体、開孔フィルム、微孔フィルム、クラッシュラバーを積層し接着剤により接着したクラッシュラバー積層体等を挙げることができる。
本発明の自動車用フロアマットは、自動車用フロアマットの吸音性能又は遮音性能(特に吸音性能)に悪影響を及ぼさない限り、多孔質体以外の材料を1つ以上含んでいることができる。このような材料として、例えば、滑り防止のための突起、自動車用フロアマットの周縁を覆うテープなどを挙げることができる。
これらの中でも、カーペット層は装飾性に優れているため、搭乗者に対して快適なドライブを提供することができる。そのため、このカーペット層は自動車用フロアマットの表面層を構成する多孔質体層として配置しているのが好ましい。このカーペットとしては、特に限定するものではないが、例えば、タフテッドカーペット、ニードルパンチカーペット、緞通、フックカーペット、ウィルトンカーペット、アキスミンスターカーペットなどを挙げることができる。
なお、カーペットを構成する繊維として、機能性繊維(例えば、消臭繊維、脱臭繊維、防菌防黴繊維など)を含み、カーペット層が自動車用フロアマットの表面層を構成していると、機能性繊維の機能を発揮することができる。
また、前記のような機能性繊維を含有する多孔質体層を表面層以外の層として含んでいる場合も、本発明の自動車用フロアマットは多孔質体層のみから構成されているため、その機能を発揮することができる。
更に、前記のような機能性繊維に替えて、又は加えて、自動車用フロアマットが機能性樹脂(例えば、消臭樹脂、脱臭樹脂、防菌防黴樹脂など)を含んでいる場合も、同様にその機能を発揮することができる。
本発明の自動車用フロアマットの多孔質体層として使用可能な前記カーペット層単独の通気性(JIS L 1096に規定されているフラジール法により測定)は、カーペット層よりも裏面側にある多孔質体層の吸音性能を利用することができるように、またカーペット層よりも裏面側にある多孔質体層を構成する各種機能材料の機能を発揮できるように、更にはフロアカーペットとの相互作用により吸音性能に優れるように、10cm3/cm2・s以上であるのが好ましく、より好ましくは15cm3/cm2・s以上であり、更に好ましくは20cm3/cm2・s以上である。カーペットの形態を維持することができれば良く、カーペット層単独の通気性の上限は特に限定するものではない。
本発明の自動車用フロアマットの多孔質体層として使用可能な前記カーペットは常法により製造することができる。
なお、自動車用フロアマットの「表面層」とは、自動車用フロアマットをフロアカーペット上に載置した際に目視により確認できる層をいう。
本発明の自動車用フロアマットを構成する多孔質体層として、繊維層を1層以上含んでいることができる。この繊維層は特に限定されるものではないが、例えば、織物、編物、不織布等が挙げられる。
この繊維層を構成する繊維の種類はどのような繊維成分から構成されていても良く、例えば、ナイロン系繊維、ビニロン系繊維、ビニリデン系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、ポリエステル系繊維、アクリル系繊維、ポリオレフィン系繊維、ポリウレタン系繊維、ガラス繊維などを挙げることができ、このような繊維1種類又は2種類以上から構成できる。
より具体的には、繊維層からなる多孔質体層として、繊維径が10μm以下の極細繊維を含む極細不織布層を1層以上含んでいることができる。なお、この極細不織布の通気性(JIS L 1096に規定されているフラジール法により測定)は10〜50cm3/cm2・sで、複合層の通気性に近いため、この極細不織布が複合層を構成する材料となり、樹脂などの第2材料と協働して通気性が0.1〜10cm3/cm2・sの複合層を形成しやすい。
また、繊維層からなる多孔質体層として、スプリット糸及び/又はフラットテープを使用した織物(例えば、平織物、綾織物)を1層以上含んでいることができる。なお、この織物は通気できる箇所が縦糸と横糸とによって囲まれた領域に限定され、通気性を低く抑えることができるため、この織物が複合層を構成する材料となり、樹脂などの第2材料と協働して通気性が0.1〜10cm3/cm2・sの複合層を形成しやすい。
更に、繊維層からなる多孔質体層として、嵩高不織布を1層以上含んでいることができる。この嵩高不織布を含み、複合層よりも表面層側に位置していると、自動車用フロアマット表面から複合層までの距離を稼ぐことにより吸音性能を向上させることができる。また、この嵩高不織布が複合層を構成する材料となり、樹脂などの第2材料と協働して通気性が0.1〜10cm3/cm2・sの複合層を形成しやすい。
なお、本明細書において「嵩高不織布層」とは、層厚が1mm以上の不織布層を意味し、この場合の層厚は1cm2あたり10g荷重時の値をいう。嵩高不織布層の厚さは厚ければ厚いほど吸音性能に優れているが、自動車用フロアマット実用上、15mm以下であるのが好ましい。
このような嵩高不織布層の目付は、自動車用フロアマットを軽量化できるように、50〜1500g/m2であるのが好ましく、70〜1000g/m2であるのがより好ましい。また、嵩高不織布の見掛密度(=目付/厚さ)は0.02〜0.3g/cm3であるのが好ましく、0.035〜0.25g/cm3であるのがより好ましい。
このような嵩高不織布は、例えば、(1)乾式法により繊維ウエブを形成した後、ニードルパンチをすることによって、(2)熱融着性繊維を含む繊維ウエブを乾式法により形成した後、無圧下又は厚さを調整する程度の弱い圧力下で熱を作用させて前記熱融着性繊維を融着させることによって、或いは(3)繊度6.6dtex以上のメルトブロー不織布を積層することによって、製造することができる。
繊維層からなる多孔質体層として、上述のような極細不織布層、スプリット糸及び/又はフラットテープを使用した織物(例えば、平織物、綾織物)層、或いは嵩高不織布層以外に、融着不織布、水流絡合不織布、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布、或いはくずフェルトなども使用することができる。
本発明の自動車用フロアマットは、樹脂からなる多孔質体層として、発泡体層を1層以上含んでいることができる。この発泡体層を含んでいると、自動車用フロアマットにクッション性などの各種機能を付加することができる。この発泡体層は吸音性能が低下しないように、連続気泡であるのが好ましい。このように連続気泡である発泡体層は、自動車用フロアマットが機能性物質(例えば、消臭剤、芳香剤、或いは抗菌防黴剤など)を含んでいる場合には、その機能を阻害しない。
この発泡体層を構成する樹脂は特に限定するものではないが、例えば、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリル−ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ニトリルゴム、或いは天然ゴムなどを挙げることができる。これらの樹脂又はゴムは単独で又は混合して使用することができる。
なお、発泡体層を構成する発泡体の発泡倍率(発泡前の密度/発泡後の密度)は特に限定するものではないが、発泡倍率が大きければ大きい程、踏み込んだ場合のクッション性が向上するが、長期間の使用においてヘタリが発生しやすいため、発泡倍率は1.2〜20倍であるのが好ましく、2〜10倍であることがより好ましい。
このような発泡体層の目付は、自動車用フロアマットを軽量化できるように、200〜1000g/m2であるのが好ましく、300〜800g/m2であるのがより好ましい。また、発泡体層の厚さ(発泡体が凹凸構造を有する場合には凸部の厚さ)は1〜7mm程度が適当であり、見掛密度(=目付/厚さ)は0.03〜1g/cm3であるのが好ましく、0.04〜0.5g/cm3であるのがより好ましい。
このような発泡体層を構成する発泡体は常法により得ることができる。
このような発泡体層はどこに位置していても良いが、自動車用フロアマットが前述のようなカーペット層と繊維層とを備えている場合には、カーペット層と繊維層との間に発泡体層を備えているのが好ましい。このように配置していることによって、カーペット層と繊維層との接着性を向上させ、自動車用フロアマットの使用中における、カーペット層と繊維層との剥離を回避することができる。また、このような発泡体層が自動車用フロアマットの裏面層を構成していると、自動車用フロアマットの滑りを防止することができるため好適である。このように発泡体層が自動車用フロアマットの裏面層を構成している場合、発泡体層の露出表面側に凹凸構造を有すると、更に効果的に自動車用フロアマットの滑りを防止することができる。
本発明における「裏面層」とは、フロアカーペットと直接接触する層をいう。
本発明の自動車用フロアマットは、複合層に隣接する多孔質体層を構成する材料以外の少なくとも1つの材料を含む、2つ以上の材料を含む複合層を1層以上備えている。ここで、「複合層に隣接する多孔質体層を構成する材料以外の材料」とは、(1)複合層がその両面に2つの多孔質体層と接触している場合、つまり、2つの隣接する多孔質体層がある場合には、2つの多孔質体層のうちの1つの多孔質体層を構成する材料以外の材料を意味し、(2)複合層がその片面のみに1つの多孔質体層と接触している場合、つまり、1つの隣接する多孔質体層がある場合には、その多孔質体層を構成する材料以外の材料を意味する。
例えば、1つの隣接する多孔質体層がある場合(例えば、隣接する多孔質体層が材料Aからなる場合)、複合層は(1)材料Aと1種類以上の他の材料との組合せ、又は(2)材料A以外の2種類以上の材料の組合せ、からなる。また、2つの隣接する多孔質体層がある場合(例えば、一方の隣接する多孔質体層が材料Aからなり、他方の隣接する多孔質体層が材料Bからなる場合)、これら多孔質体層の間に位置する複合層は、(1)材料Aと材料Bとの組合せ、(2)材料Aと、材料Aと材料Bのいずれでもない1種類以上の材料との組合せ、(3)材料Bと、材料Aと材料Bのいずれでもない1種類以上の材料との組合せ、或いは(4)材料Aと材料Bのいずれでもない2種類以上の材料の組合せ、からなる。
本発明の自動車用フロアマットは前述のような多孔質体層のみからなるため、吸音性能に優れている。なお、複合層は通気性があることからもわかるように、多孔質体層の一態様である。また、複合層は主として遮音性能を発揮するため、吸音性能を発揮する多孔質体層が必要であるため、本発明の自動車用フロアマットは2層以上からなる。特に、カーペット層以外に多孔質体層を2層以上備えていると、複合層を表面層から遠い位置に配置させることができるため、複合層よりも表面側で吸音性を高め、複合層の裏面側で遮音性を高めることができ、吸音性と遮音性の両立をしやすいため好適である。例えば、カーペット層以外の多孔質体層間に複合層を配置したり、裏面層として複合層を配置して、前記効果を得ることができる。
本発明の自動車用フロアマットは前述のように、多孔質体層のみから構成することによって、吸音性を付与していることに加えて、通気性が0.1〜10cm3/cm2・sの複合層を備えていることによって、遮音性を付与している。複合層の通気性が0.1cm3/cm2・s未満であると、音が反射しやすくなるため吸音性能が悪くなる傾向があり、通気性が10cm3/cm2・sを越えると、音を反射できなくなるため遮音性能が悪くなる傾向があるためで、好ましい通気性は0.1〜7cm3/cm2・sであり、より好ましい通気性は0.1〜5cm3/cm2・sであり、更に好ましい通気性は0.1〜4cm3/cm2・sである。
本発明の「複合層の通気性」は、複合層を自動車用フロアマットから採取し、JIS L 1096に規定されているフラジール法により測定した値をいう。なお、複合層が隣接する多孔質体層を構成する材料を含んでいる場合には、複合層のみを採取することが困難な場合がある。この場合は、隣接する多孔質体層と複合層とが一体化したサンプルを採取し、サンプルの通気性を測定し、その通気性を複合層の通気性とみなす。つまり、複合層のみを採取できないのは、複合層が隣接する多孔質体層構成材料を含んでいるためであり、また、複合層は隣接する多孔質体層構成材料以外の材料(第2材料)と複合しているため、複合層における圧力損失が多孔質体層と複合層とが一体化したサンプルの通気性に多大な影響を及ぼすことから、多孔質体層と複合層とが一体化したサンプルを採取して通気性を測定し、その通気性を複合層の通気性とみなす。
本発明の複合層は1層である必要はなく、2層以上存在していても良い。なお、2層以上存在している場合は、自動車用フロアマットの表面から裏面に向かって順に通気性の値が小さい複合層が配置しているのが好ましい。吸音性を損なわないようにするためである。また、複合層はどこに位置していても良い。例えば、多孔質体層間、裏面層などを挙げることができる。
本発明の複合層は隣接する多孔質体層を構成する材料以外の材料を含む2種類以上の材料からなるため、前述のような通気性とすることが容易である。この複合層は隣接する多孔質体層を構成する材料を含んでいても含んでいなくても良いが、含んでいると隣接する多孔質体層と複合層との接着性に優れ、これら層間で剥離が生じにくいため好適である。
隣接する多孔質体層を構成する材料以外の材料としては、例えば、多孔質体層を構成できる多孔質体と同様のカーペット、不織布(極細不織布、嵩高不織布、融着不織布、水流絡合不織布、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布、くずフェルトなど)、織物(スプリット糸及び/又はフラットテープを使用した織物(例えば、平織物、綾織物)など)、編物、発泡体、開孔フィルム、微孔フィルム、クラッシュラバーを積層し接着剤により接着したクラッシュラバー積層体、或いは繊維(繊維層構成繊維と同様の繊維)や発泡又は未発泡樹脂を挙げることができる。
本発明の複合層は上述のような材料2種類以上から構成されているが、好ましい組合せとして、(1)カーペット、不織布(極細不織布、嵩高不織布、融着不織布、水流絡合不織布、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布、くずフェルトなど)、織物(スプリット糸及び/又はフラットテープを使用した織物(例えば、平織物、綾織物)など)、編物などの繊維集合体と樹脂との組合せ、(2)組成の異なる2種類以上の樹脂の組合せ、を挙げることができる。特に、複合層の構成材料が、複合層に隣接する多孔質体層の構成材料(特に繊維又は繊維集合体)と発泡体樹脂であると、前記通気性としやすく、しかも隣接する多孔質体層と複合層との接着性に優れ、これら層の境界で剥離が生じにくいため好適な複合層である。
なお、複合層を構成できる樹脂としては、例えば、イソブチレン−無水マレイン酸コポリマー、アクリロニトリル−スチレン−アクリルゴム共重合体、アクリロニトリル−エチレン−スチレン共重合体、アクリル樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ニトリル−ブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ニトリルゴム、或いは天然ゴムなどを挙げることができる。
このような複合層は、例えば、多孔質体間を接着させる際に、水系接着剤(例えば、エマルジョン型接着剤、ディスパージョン型接着剤など)、溶剤系接着剤、或いはホットメルト接着剤などを多孔質体間に介在させ、これら接着剤を少なくとも一方の多孔質体へ進入させることによって形成することができる。なお、接着剤量、押圧の程度、接着剤の粘度、接着剤と多孔質体との相溶性、多孔質体の毛管現象による吸い上げなどを、適宜調節することにより、前記通気性を有する複合層とすることができる。
また、隣接する多孔質体層が発泡体層である場合には、発泡させたラテックスを多孔質体に塗布し、発泡体樹脂の一部を多孔質体に進入させて、複合層を形成すると同時に発泡体層を形成することもできる。この際に、押圧の程度、発泡させたラテックスの粘度、或いは発泡体樹脂を多孔質体に塗布してから押圧までの時間などを適宜調節することにより、前記のような通気性をもつ複合層とすることができる。
本発明の自動車用フロアマットにおいては、前記複合層の裏面側表面が、(自動車用フロアマットの裏面)から(自動車用フロアマットの裏面から、カーペット層を除いた厚さの3分の2(好ましくは2分の1)の距離の位置)までの範囲内に位置しているのが好ましい。この範囲内に位置していると、前記複合層よりも表面層側の多孔質体層による吸音性を有効に利用することによって、車室内の音を効率的に吸音できると同時に、前記複合層の裏面側で車室外からの音を効率的に遮音できるためである。
なお、自動車用フロアマットの裏面が露出表面に突起を有するなど凹凸構造を有する場合、凸部を除いた平面部(凹部)を自動車用フロアマットの裏面と考える。なお、「カーペット層を除いた厚さ」は、表面に対して垂直に切断した自動車用フロアマットに50g/cm2の荷重をかけ、10秒経過後に、自動車用フロアマット表面と平行な方向から切断面を観察した時の、自動車用フロアマットの裏面からカーペットの一次基布(裏面側表面)までの厚さをいう。
このような位置に複合層を備えている自動車用フロアマットは、例えば、カーペット層以外に多孔質体層を2層以上積層し、カーペット層以外の多孔質体層間に樹脂を供給し、供給した樹脂の一部又は全部を多孔質体へ進入させることにより複合層を形成することによって製造できるし、カーペット層以外の多孔質体層の裏面側面に樹脂を供給し、供給した樹脂の一部又は全部を多孔質体へ進入させることにより複合層を形成することによって製造できる。
本発明の自動車用フロアマットにおいては、上述のような通気性をもつ複合層は主として遮音性に寄与するため、この複合層よりも表面層側の多孔質体層として通気性(JIS L 1096に規定されているフラジール法により測定した値)が15cm3/cm2・s以上の多孔質体層(カーペット層を除く)を備えて、車室内の音の吸音性に優れるようにするのが好ましい。より好ましくは20cm3/cm2・s以上であり、更に好ましくは25cm3/cm2・s以上であり、上限は特に限定するものではない。
本発明の自動車用フロアマットの好ましい多孔質体層の具体的な組合せとしては、表面層から裏面層にかけて順に、(1)カーペット層−パイルと発泡体樹脂の複合層−発泡体層−繊維層構成材料と発泡体樹脂の複合層−繊維層(不織布層)、(2)カーペット層−パイルと発泡体樹脂の複合層−発泡体層−繊維シートと発泡体樹脂との複合層−発泡体層、(3)カーペット層−パイルと発泡体樹脂の複合層−発泡体層−繊維層構成材料と発泡体樹脂との複合層−繊維層−繊維層構成材料と発泡体樹脂との複合層−発泡体層、(4)カーペット層−パイルと発泡体樹脂の複合層−発泡体層−2種類の発泡体樹脂の複合層−発泡体層、(5)カーペット層−パイルと接着剤樹脂と繊維層構成材料との複合層−繊維層−繊維層と接着剤樹脂との複合層−繊維層、(6)カーペット層−パイルと発泡体樹脂の複合層−発泡体層−繊維層構成材料と発泡体樹脂の複合層、(7)カーペット層−パイルと発泡体樹脂の複合層−発泡体層−繊維シートと発泡体樹脂との複合層、(8)カーペット層−パイルと発泡体樹脂の複合層−発泡体層−繊維層構成材料と発泡体樹脂との複合層−繊維層−繊維層構成材料と発泡体樹脂との複合層、(9)カーペット層−パイルと発泡体樹脂の複合層−発泡体層−2種類の発泡体樹脂の複合層、(10)カーペット層−パイルと接着剤樹脂と繊維層構成材料との複合層−繊維層−繊維層と接着剤樹脂との複合層、などを挙げることができる。
本発明の自動車用フロアマット全体の通気性(JIS L 1096:1999 8.27.1 A法(フラジール法)によって得られる値)が0.1cm3/cm2・s以上であると、フロアカーペットとの相互作用によって吸音性に優れている。また、自動車用フロアマット中に機能性繊維(例えば、消臭繊維、脱臭繊維、抗菌防黴繊維など)や機能性樹脂(例えば、消臭剤、脱臭剤、芳香剤、抗菌防黴剤など)が存在している場合は、これら機能を効率的に発揮できる。自動車用フロアマット全体の通気性は、複合層の通気性に大きく依存するため、自動車用フロアマット全体の通気性は0.1〜7cm3/cm2・sであるのが好ましく、より好ましい通気性は0.1〜5cm3/cm2・sであり、更に好ましい通気性は0.1〜4cm3/cm2・sである。
また、裏面層の露出表面が凹凸構造を有すると、この凹凸構造がフロアカーペットに喰い込み、自動車用フロアマットのずれ防止性を高めることができるため好適である。
このような本発明の自動車用フロアマットは多孔質体層のみからなるため、従来のようにゴムや熱可塑性エラストマーなどを使用した自動車用フロアマットよりも軽量である。つまり、本発明の自動車用フロアマットのカーペット層以外の多孔質体層の目付の合計は、400〜1350g/m2程度であり、従来のゴムや熱可塑性エラストマーなどを使用した自動車用フロアマットのカーペット層以外の層の目付の合計は1700〜2400g/m2程度であるため、従来よりも軽量である。
本発明の自動車用フロアマットの製造方法は特に限定するものではないが、例えば、各多孔質体層を構成する多孔質体を用意した後、(1)多孔質体間に、多孔質体に悪影響を及ぼさない温度で溶融できる多孔質シート(例えば、不織布、ネットなど)を配置した後、前記多孔質シートを溶融できる温度で溶融させ、少なくとも一方の多孔質体内部へ多孔質シート溶融物を進入させて複合層を形成すると同時に一体化する方法、(2)多孔質体間にホットメルト樹脂溶融物を供給し、圧力を加え、少なくとも一方の多孔質体内部へホットメルト樹脂溶融物を進入させて複合層を形成すると同時に一体化する方法、(3)1つ又は2つ以上の多孔質体を構成する樹脂を溶融させ、少なくとも一方の多孔質体内部へ前記溶融物を進入させて複合層を形成すると同時に一体化する方法、(4)多孔質体間に水系接着剤や溶剤系接着剤を供給し、これら接着剤を少なくとも一方の多孔質体内部へ進入させて複合層を形成すると同時に一体化する方法、(5)多孔質体として発泡体を含む場合には、ラテックスを発泡させた後に多孔質体に塗布し、一部を多孔質体内部へ進入させて複合層を形成すると同時に発泡体層を形成する方法、などにより製造することができる。なお、この多孔質体を一体化する際に、溶融温度、加圧の程度、接着剤量、接着剤の粘度、接着剤と多孔質体の相溶性、多孔質体の毛管現象による吸い上げ、などを適宜調節することによって、通気性が0.1〜10cm3/cm2・sの複合層を形成することができる。
なお、上述のように多孔質体同士を一体化する際に複合層を形成するのではなく、予め多孔質体に別の材料を複合させた複合材料を用意し、この複合材料を一体化することによっても本発明の自動車用フロアマットを製造することができる。例えば、繊維集合体(不織布、織物など)を発泡体樹脂中に浸漬することによって、繊維集合体と発泡体樹脂とからなる複合材料を形成した後、この複合材料を上述の多孔質体として使用することにより一体化して、又は前記複合材料を他の多孔質体と積層した後に周囲などを縫合一体化して製造することができる。
なお、自動車用フロアマットの端部が見苦しかったり、多孔質体層として繊維層を備えているために繊維が脱落する恐れがある場合には、オーバーロック加工により自動車用フロアマットの周囲を糸により覆い隠したり、テープ加工により自動車用フロアマットの周囲を覆い隠したり、自動車用フロアマットの周囲を熱溶融させたり、或いは樹脂で自動車用フロアマットの周囲を覆うのが好ましい。
本発明の自動車用フロアマットについて理解しやすいように、自動車用フロアマットの模式的断面図の一例である図1をもとに説明する。
図1に示す自動車用フロアマット20は、表面層から裏面層に向かって順に、カーペット層21、パイルと発泡体からなる第1複合層22、第1発泡体層23、不織布と発泡体との第2複合層24、第2発泡体層25を備えている。前記カーペット層21はパイル層21aと一次基布層21bとから構成されている。第1発泡体層23は、カーペット層21に発泡体を塗布することにより形成されている。なお、第1発泡体層23を構成する発泡体樹脂をカーペットに塗布した際に、その一部がパイルへ進入して、第1複合層22が形成されている。前記第2複合層24は第1発泡体層23を構成する発泡体樹脂を塗布し、乾燥させる前に不織布を積層することによって、発泡体樹脂の一部を不織布内部に進入させること、及び不織布上に第2発泡体層25を構成する発泡体樹脂を塗布することによって、発泡体の一部を不織布内部に進入させることにより形成されている。したがって、第2複合層24は不織布と第1発泡体層23を構成する発泡体と第2発泡体層25を構成する発泡体の3種類の材料が混在した状態にある。このように、第2複合層24は不織布の内部に発泡体が進入した状態にあるため、第1発泡体層23と第2複合層24、及び第2複合層24と第2発泡体層25との接着性に優れ、これら層間での剥離が生じにくい。なお、裏面層を構成する第2発泡体層25は前述のように不織布に発泡体を塗布することにより形成され、乾燥する前又は後に型押しすることにより、露出表面に凹凸構造が形成されている。この凹凸構造によって自動車用フロアマット20の滑り防止性が向上している。なお、第2複合層24の裏面側表面Sは(自動車用フロアマットの裏面R)から(自動車用フロアマットの裏面Rから、カーペット層を除いた厚さDの3分の2の距離の位置)までの範囲内に位置しており、しかも第1発泡体層23は通気性が15cm3/cm2・s以上であるため、第2複合層24の裏面側で遮音できるとともに、第2複合層24よりも表面側の多孔質体層(特に第1発泡体層23)による吸音性に優れている。また、この自動車用フロアマット20はカーペット層21を備えているため装飾性に優れている。なお、第1発泡体層23及び第2発泡体層25を備えているためクッション性が付与されている。更に、第1発泡体層23によって、カーペットの一次基布21b側のパイルによる凹凸構造を緩和して、カーペットが第2複合層24と密着できるため、カーペット層21と第2複合層24とが剥離しにくい。
本発明の自動車用フロアマットは、自動車のフロアカーペット上に載置して使用するものであるが、自動車のフロアカーペットが吸音性に優れるものであると、本発明の自動車用フロアマットとの相乗効果によって、更に吸音性に優れている。例えば、WO98/18657号に開示されているような、部分的に空気層を形成できるように表面が凹凸を有するポーラスなクッション層と、軽量かつ硬質であり更に微小ポーラスを有する硬質層(500〜2500Nsm−3の空気流に対する総抵抗を有し、300〜2000g/m2の目付を有し、0.005〜10.5Nmという硬さを有する)とカーペット層とを有し、クッション層の凹凸が車体と当接するように配置されたフロアカーペット上に、本発明の自動車用フロアマットを載置すると吸音性に特に優れている。
以下に、本発明の実施例を記載するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
目付が500g/m2のポリプロピレン繊維からなるパイル層、及び前記パイル層を支持する目付が120g/m2のポリエステル繊維製スパンボンド不織布(一次基布)とからなり、一次基布の裏面にスチレン−ブタジエンゴムを主成分とするラテックスを塗布(乾燥重量:240g/m2)した、タフテッドカーペット(通気性:55cm3/cm2・s)、及び目付が25g/m2の積層延展法長繊維不織布(帝人(株)製、ユニセル、通気性:215cm3/cm2・s)を用意した。
次いで、スチレン−ブタジエンゴムラテックスと天然ゴムラテックスとを30:70の重量比率で混合し、機械発泡により泡立てた混合ゴムラテックスを、目付(乾燥時)が700g/m2となるように、前記タフテッドカーペットの裏面に塗布した。この混合ゴムラテックスを乾燥する前に、前記積層延展法長繊維不織布を重ね合わせ、1分間放置して混合ゴムラテックスを積層延展法長繊維不織布内部へ進入させた後に、ドライヤーに投入して、タフテッドカーペットと混合ゴム第1発泡体(連続気泡、発泡倍率:3倍、厚さ:3mm、見掛密度:0.23g/cm3)と積層延展法長繊維不織布とを一体化して前駆複合体を製造した。
次いで、前駆複合体の積層延展法長繊維不織布の面に、スチレン−ブタジエンゴムラテックスと天然ゴムラテックスとを30:70の比率で混合し、機械発泡により泡立てた混合ゴムラテックスを、目付(乾燥時)が540g/m2となるように塗布して、混合ゴムラテックスの一部を積層延展法長繊維不織布内部へ進入させた後に乾燥し、前駆複合体と混合ゴム第2発泡体(連続気泡、発泡倍率:2.5倍、凸部の厚さ:2mm、見掛密度:0.27g/cm3)とを一体化して自動車用フロアマットを製造した。なお、乾燥が完了する前に、混合ゴム第2発泡体に対して型押しして、露出表面にワッフル状(格子状)の凹凸構造を形成した。
この自動車用フロアマットは、図1のように、表面層から順にタフテッドカーペット層、パイルと混合ゴム発泡体からなる第1複合層、混合ゴム第1発泡体層(通気性:57cm3/cm2・s)、積層延展法長繊維不織布に第1及び第2混合ゴム発泡体層を構成する発泡体と同じ発泡体が進入して複合一体化した第2複合層、露出表面に凹凸構造を有する混合ゴム第2発泡体層(通気性:45cm3/cm2・s)を備えていた。なお、自動車用フロアマット全体の通気性は0.15cm3/cm2・sであった。また、タフテッドカーペット層を除いた自動車用フロアマットの厚さは5mmで、通気性が0.2cm3/cm2・sであり、目付は1265g/m2であった。更に、第2複合層の裏面側表面は自動車用フロアマットの裏面から2mmの位置にあり、第2複合層の通気性は0.2cm3/cm2・sであり、第1複合層の裏面側表面は自動車用フロアマットの裏面から5mmの位置にあり、第1複合層の通気性は15cm3/cm2・sであった。
(実施例2)
実施例1と同じタフテッドカーペット、及び繊度が7.8dtexで繊維長が76mmのポリエステル繊維70mass%と繊度が3.3dtexで繊維長が51mmのポリエステル繊維30mass%からなるニードルパンチ不織布(目付:70g/m2、厚さ:0.4mm、見掛密度:0.18g/cm3)、通気性:400cm3/cm2・s)を用意した。
次いで、タフテッドカーペット裏面に実施例1と同じ泡立てた混合ゴムラテックスを目付(乾燥時)が700g/m2となるように塗布し、この混合ゴムラテックスを乾燥する前に、前記ニードルパンチ不織布を重ね合わせ、1分間放置して混合ゴムラテックスをニードルパンチ不織布内部へ進入させた後に、ドライヤーに投入して、タフテッドカーペットと混合ゴム第1発泡体(連続気泡、発泡倍率:3倍、厚さ:3mm、見掛密度:0.23g/cm3)とニードルパンチ不織布とを一体化して前駆複合体を製造した。
次いで、前駆複合体のニードルパンチ不織布の面に、実施例1と同じ泡立てた混合ゴムラテックスを、目付(乾燥時)が540g/m2となるように塗布して、混合ゴムラテックスの一部をニードルパンチ不織布内部へ進入させた後に乾燥し、前駆複合体と混合ゴム第2発泡体(連続気泡、発泡倍率:2.5倍、凸部の厚さ:2mm、見掛密度:0.27g/cm3)とを一体化して自動車用フロアマットを製造した。なお、乾燥が完了する前に、混合ゴム第2発泡体に対して型押しして、露出表面にワッフル状(格子状)の凹凸構造を形成した。
この自動車用フロアマットは、図1のように、表面層から順にタフテッドカーペット層、パイルと混合ゴム発泡体からなる第1複合層、混合ゴム第1発泡体層(通気性:57cm3/cm2・s)、ニードルパンチ不織布に第1及び第2混合ゴム発泡体層を構成する発泡体と同じ発泡体が進入して複合一体化した第2複合層、露出表面に凹凸構造を有する混合ゴム第2発泡体層(通気性:45cm3/cm2・s)を備えていた。なお、自動車用フロアマット全体の通気性は2.2cm3/cm2・sであった。また、タフテッドカーペット層を除いた自動車用フロアマットの厚さは5mmで、通気性が2.8cm3/cm2・sであり、目付は1265g/m2であった。更に、第2複合層の裏面側表面は自動車用フロアマットの裏面から2mmの位置にあり、第2複合層の通気性は3.8cm3/cm2・sであり、第1複合層の裏面側表面は自動車用フロアマットの裏面から5mmの位置にあり、第1複合層の通気性は15cm3/cm2・sであった。
(比較例1)
実施例1と同様のタフテッドカーペットと、スチレン−ブタジエン−スチレンエラストマーシート(目付:1350g/m2)を用意した。
次いで、このタフテッドカーペットとスチレン−ブタジエン−スチレンエラストマーシートとを、タフテッドカーペットの一次基布側がスチレン−ブタジエン−スチレンエラストマーシートと当接するように積層した後、ニブ形成用の溝を有するプレス板を用いて、タフテッドカーペットとスチレン−ブタジエン−スチレンエラストマーシートを加熱した後にプレスして一体化及びニブの形成を実施し、表面層から順にタフテッドカーペット層、カーペット−エラストマー複合層、エラストマー層を備えた自動車用フロアマット(通気性:0cm3/cm2・s、目付:2210g/m2)を製造した。なお、カーペット−エラストマー複合層の通気性は0cm3/cm2・sであった。
(比較例2)
実施例1と同じタフテッドカーペット、及び実施例2と同じニードルパンチ不織布を用意した。
次いで、タフテッドカーペット裏面に実施例1と同じ泡立てた混合ゴムラテックスを目付(乾燥時)が700g/m2となるように塗布し、この混合ゴムラテックスを乾燥する前に、前記ニードルパンチ不織布を重ね合わせ、直ちにドライヤーに投入して、タフテッドカーペットと混合ゴム第1発泡体(連続気泡、発泡倍率:3倍、厚さ:3mm、見掛密度:0.23g/cm3)とニードルパンチ不織布とを一体化して前駆複合体を製造した。なお、ニードルパンチ不織布には混合ゴム第1発泡体が一部進入しており、ニードルパンチ不織布のみからなる層とニードルパンチ不織布と混合ゴム第1発泡体とが複合一体化した複合層を形成していた。
次いで、前駆複合体のニードルパンチ不織布の面に、実施例1と同じ泡立てた混合ゴムラテックスを、目付(乾燥時)が540g/m2となるように塗布して、混合ゴムラテックスの一部をニードルパンチ不織布内部へ進入させた後に乾燥し、前駆複合体と混合ゴム第2発泡体(連続気泡、発泡倍率:2.5倍、凸部の厚さ:2mm、見掛密度:0.27g/cm3)とを一体化して自動車用フロアマットを製造した。なお、乾燥が完了する前に、混合ゴム第2発泡体に対して型押しして、露出表面にワッフル状(格子状)の凹凸構造を形成した。
この自動車用フロアマットは、図1のように、表面層から順にタフテッドカーペット層、パイルと混合ゴム発泡体からなる第1複合層、混合ゴム第1発泡体層(通気性:57cm3/cm2・s)、ニードルパンチ不織布に第1及び第2混合ゴム発泡体層を構成する発泡体と同じ発泡体が進入して複合一体化した第2複合層、露出表面に凹凸構造を有する混合ゴム第2発泡体層(通気性:45cm3/cm2・s)を備えていた。なお、自動車用フロアマット全体の通気性は7cm3/cm2・sであった。また、タフテッドカーペット層を除いた自動車用フロアマットの厚さは5mmで、通気性が8.3cm3/cm2・sであり、目付は1265g/m2であった。更に、第2複合層の裏面側表面は自動車用フロアマットの裏面から2mmの位置にあり、第2複合層の通気性は11.0cm3/cm2・sであり、第1複合層の裏面側表面は自動車用フロアマットの裏面から5mmの位置にあり、第1複合層の通気性は15cm3/cm2・sであった。
(遮音性能の評価)
JIS A1416(実験室における音響透過損失測定法)に準じて、実施例1〜2及び比較例1〜2の自動車用フロアマットの音響透過損失を測定した。この結果は図2に示す通りであった。なお、音響透過損失の差が5dB以上あると、その差は通常の人間が区別できるレベルにあるといわれている。
(吸音性能の評価)
ブリューエル・ケアー社の測定器を用いて、ISO 10534−2“Acoustics−Determination of sound absorption coefficient and impedance in impedance tubes−,Part2:transfur−Function method”に準じて、実施例1〜2及び比較例1〜2の自動車用フロアマットの吸音率を測定した。この結果は図3に示す通りであった。
図2と図3の結果から明らかなように、本願発明の自動車用フロアマットは遮音性能と吸音性能のいずれにも優れているものであった。これに対して、比較例1の自動車用フロアマットは遮音性能には優れているものの、吸音性能の悪いものであり、比較例2の自動車用フロアマットは吸音性能には優れているものの、遮音性能の悪いものであった。また、実施例1と比較例1との比較から、通気性が0.1cm3/cm2・s以上の複合層であることによって吸音性能に優れ、実施例2と比較例2との比較から、通気性が10cm3/cm2・s以下の複合層であることによって遮音性にも優れることが確認された。