JP3129685U - 炭酸ガス吸収包装袋 - Google Patents

Abstract

【課題】 炭酸ガス吸収速度が低下するのを防止し、活魚の活力低下や斃死を防止するために有効な炭酸ガス吸収剤を提供する。
【解決手段】 アルカリ土類金属水酸化物を収納した通気性包装袋を、更に、常圧で水を通さない気体透過性材料からなる包装袋に収納した、活魚輸送時の炭酸ガス吸収包装袋。活魚の輸送においては、プラスチックフィルム袋の中に水と活魚を入れ、更に上記炭酸ガス吸収包装袋を投入した後、酸素ガスを注入し、輪ゴム等で縛って密封したものを段ボールに入れる。
【選択図】 図１

Description

本考案は、活魚の輸送時に用いる、炭酸ガス吸収剤包装袋に関するものである。詳しくは、水と活魚をプラスチックフィルム袋に入れ、酸素ガスを注入して輸送する際に、輸送助剤として用いる炭酸ガス吸収剤包装袋に関するものである。

鯉、金魚、鰻等の活魚は、プラスチック袋に水と活魚を入れ、酸素ガスを注入したものを段ボールに詰めて、トラックや航空機で運搬されることが多い。このようないわゆるプラスチック輸送は、簡便で低コストな方法であるが、活魚の呼吸により、袋内の酸素が消費され炭酸ガスが発生するため、通常１日以上の輸送は困難であり、輸送可能な活魚収納数も限定されている。初期に酸素ガスを封入するために、２日後でも酸素は充分にあるが、炭酸ガスの濃度が１０％以上に上昇する。炭酸ガス濃度が上昇すると、活魚の酸素摂取が妨げられ、活力低下や斃死に至る。

これに対して、活魚の輸送等に利用するための、炭酸ガス吸収剤を使用する方法が提案されている。例えば、特開平１０−２８６４５７では、アルカリ土類金属水酸化物を常圧で水を通さない気体透過性材料により包装した炭酸ガス吸収剤をプラスチック袋のヘッドスペース部に固定することにより、活魚の放出する炭酸ガスを逐次吸収する方法を提案している。これによって目的は達せられるが、実際の作業においては、プラスチック袋の壁面に予め貼付ける手間が掛かる。活魚を扱うこの作業はすばやく行う必要があり、出来る限り簡便な方法が求められる。炭酸ガス吸収剤を投込むことが出来ればより好ましい。この炭酸ガス吸収剤は耐水性があり、水面に浮かせることも出来るが、この場合、包材表面の水濡れにより、炭酸ガスの包材透過速度と内在するアルカリ土類金属水酸化物の炭酸ガス吸収速度差から、内容物と包材が密着して炭酸ガス吸収速度が低下し、目的を達成出来ない場合がある。

特開平１０−２８６４５７

本考案の目的は、上記の問題を解決し、活魚のプラスチック輸送において、活魚の活力低下や斃死を防止するために有効な炭酸ガス吸収剤を提供することにある。

本考案の構成は、アルカリ土類金属水酸化物を収納した通気性包装袋を、更に、常圧で水を通さない気体透過性材料からなる包装袋に収納した、活魚輸送時の炭酸ガス吸収包装袋にある。活魚の輸送においては、プラスチックフィルム袋の中に水と活魚を入れ、更に上記の二重包装の炭酸ガス吸収包装袋を投入した後、酸素ガスを注入し、輪ゴム等で縛って密封したものを段ボールに入れる。

本考案の炭酸ガス吸収包装袋を活魚のプラスチック輸送に用いれば、活魚と共にプラスチック袋内の水面に投込むことにより、気体透過性包装袋とアルカリ土類水酸化物が密着することなく、常に炭酸ガスの透過面が確保され、良好な炭酸ガス吸収性能を保持しつつ、活魚を輸送することが出来る。

本考案で用いるアルカリ土類金属水酸化物としては、水酸化カルシウム又は水酸化マグネシウムが用いられる。水酸化カルシウムが炭酸ガス吸収性能面で優れている。アルカリ土類金属水酸化物を収納する通気性包装袋の材質としては、ガーレ式透気度（JIS P8117）が、５００秒／空気１００ｍｌ以下のヒートシールの出来る包装材料で、紙や不織布に孔の開いたポリエチレンをラミネートしたものや、紙や不織布にポレエチレン等の低軟化点繊維を混合したもの等が好適に用いられる。これらの包装材料を袋状に製袋して用いる。
この通気性包装袋は、更に、常圧で水を通さない気体透過性材料からなる包装袋に収納される。

この気体透過性材料としては、ポリオレフィン製のマイクロポーラスフィルムやポリオレフィンの繊維を交錯分散後熱プレスして接合した不織布等が用いられる。そのまま用いても良いが、補強やシール性改善の為に他のフィルムをラミネートしても良い。この気体透過性材料に、撥水撥油剤を塗布含浸することにより、異物の表面付着を防ぎ、通気性の妨害を除くことも本考案の目的達成にとって好ましい。本考案の気体透過性材料の透気度はガーレ式透気度が０.１〜３０００秒／空気１００ｍｌ、好ましくは、１〜１０００秒／空気１００ｍｌのものが用いられる。

本考案を実施するための最良の形態としては、水酸化カルシウムを炭酸ガス吸収剤として、ガーレ式透気度が、１００〜２００秒／空気１００ｍｌの不織布に孔の開いたポリエチレンをラミネートした通気性包装袋に収納しヒートシールする。この通気性包装袋の内袋は、更に、常圧で水を通さないポリプロピレン系不織布の内層に多孔性ポリプロピレンをサンドイッチしたガーレ式透気度が５０〜１３００秒／空気１００ｍｌの気体透過性の三層フィルムからなる包装袋の外袋に収納し、ヒートシールすることで本考案の活魚輸送助剤が製作される。

以下本考案の実施例を図面に基づき説明する。
図１は、本考案の活魚輸送助剤の断面図、図２は、本考案の活魚輸送助剤の使用例を示す活魚輸送容器の断面図である。
図１で、アルカリ土類金属水酸化物１を収納した通気性包装袋２を、更に、常圧で水を通さない気体透過性材料からなる包装袋３に収納した、本考案の活魚輸送助剤である炭酸ガス吸収包装袋を示す。
図２で、活魚輸送時の本考案の活魚輸送助剤の使用例として、プラスチックフィルム袋４の中に水５と活魚６を入れ、更に上記炭酸ガス吸収包装袋７を投入した後、酸素ガス８を注入し、輪ゴム９等で縛って密封したものを段ボール１０に入れて輸送する活魚輸送容器を示す。

本考案の活魚輸送助剤の断面図である。 本考案の活魚輸送助剤の使用例を示す活魚輸送容器の断面図である。

符号の説明

１： アルカリ土類金属水酸化物
２： 通気性包装袋
３： 気体透過性材料からなる包装袋
４： プラスチックフィルム
５： 水
６： 活魚
７： 炭酸ガス吸収包装袋
８： 酸素ガス
９： 輪ゴム
１０： 段ボール１０

Claims (1)

1. アルカリ土類金属水酸化物を収納した通気性包装袋を、更に、常圧で水を通さない気体透過性材料からなる包装袋に収納してなる活魚輸送時の炭酸ガス吸収剤包装袋。

Images