JP3129080B2 - インク噴射装置の製造方法 - Google Patents

インク噴射装置の製造方法

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JP3129080B2
JP3129080B2 JP6740494A JP6740494A JP3129080B2 JP 3129080 B2 JP3129080 B2 JP 3129080B2 JP 6740494 A JP6740494 A JP 6740494A JP 6740494 A JP6740494 A JP 6740494A JP 3129080 B2 JP3129080 B2 JP 3129080B2
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nozzle plate
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ink liquid
liquid chamber
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    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2202/00Embodiments of or processes related to ink-jet or thermal heads
    • B41J2202/01Embodiments of or processes related to ink-jet heads
    • B41J2202/10Finger type piezoelectric elements

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インク噴射装置の製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】今日、これまでのインパクト方式の印字
装置にとってかわり、その市場を大きく拡大しつつある
ノンインパクト方式の印字装置のなかで、原理が最も単
純で、かつ多階調化やカラー化が容易であるものとし
て、インクジェット方式の印字装置が上げられる。なか
でも印字に使用するインク滴のみを噴射するドロップ・
オン・デマンド型が、噴射効率の良さ、ランニングコス
トの安さなどから急速に普及している。
【0003】ドロップ・オン・デマンド型として特公昭
53−12138号公報に開示されているカイザー型、
あるいは特公昭61−59914号公報に開示されてい
るサーマルジェット型がその代表的な方式としてある。
このうち、前者は小型化が難しく、後者は高熱をインク
に加えるためにインクの耐熱性に対する要求が必要とさ
れ、それぞれに非常に困難な問題を抱えている。
【0004】以上のような欠陥を同時に解決する新たな
方式として提案されたのが、特開昭63−247051
号公報、特開昭63−252750号公報及び特開平2
−150355号公報に開示されている圧電セラミック
スを利用したせん断モード型である。
【0005】以下、インク噴射装置のアクチュエータ部
の断面図を示す図6(a)によって、従来例の構成を具
体的に説明する。複数の溝15(図7)及び該溝15を
隔てる側壁11を有し、かつ矢印6の方向に分極処理を
施された圧電セラミックスプレート2と、セラミックス
材料からなるカバープレート3とを、エポキシ系接着剤
等からなる接合層4を介して接合することで、アクチュ
エータ部1が構成され、溝15(図7)は横方向に互い
に間隔を有する複数のインク液室12となる。インク液
室12は長方形断面の細長い形状であり、側壁11はイ
ンク液室12の全長にわたって伸びている。側壁11の
接着層4付近の側壁11上部から側壁11中央部までの
両表面には、駆動電界印加用の電極13が形成されてい
る。
【0006】次に、インク噴射装置のアクチュエータ部
1の断面図を示す図6(b)によって、従来例の動作を
説明する。該インク噴射装置において、所望の印字デー
タに従って例えばインク液室12bが選択されると、電
極13dと13eに正の駆動電圧が印加され、電極13
cと13fは接地される。これにより側壁11bには矢
印14bの方向の駆動電界が、側壁11cには矢印14
cの方向の駆動電界が作用する。このとき駆動電界方向
14b及び14cと分極方向6とが直交しているため、
側壁11b及び11cは、圧電すべり効果によってイン
ク液室12bの外部方向に変形する。この変形によって
インク液室12bの容積が増加してインク液室12bの
インク圧力が減少し、インク供給口21(図7)からマ
ニホールド22(図7)を通してインク液室12b内に
インクが供給される。また、駆動電圧の印加を停止する
と、側壁11bおよび11cが変形前の位置(図6
(a)参照)に戻るためインク液室12b内のインク圧
力が急速に増加し、圧力波が発生して、インク液室12
bに連通するノズル32(図7)からインク液滴が噴射
される。
【0007】従来例では、隣接する2つのインク液室に
連通する2つのノズルから同時にインク液滴を噴射する
ことができないため、例えば、左端から奇数番目のイン
ク液室12に連通するノズル32(図7)からインク液
滴を噴射した後、偶数番目のインク液室12に連通する
ノズル32(図7)からインク液滴を噴射し、次に再び
奇数番目からインク液滴を噴射するというように、イン
ク液室12を複数のグループに分割してインク液滴の噴
射を行う。
【0008】次に、インク噴射装置の斜視図を示す図7
によって、従来例の構成及び製造法を説明する。分極処
理を施した圧電セラミックスプレート2に、薄い円盤状
のダイヤモンドブレードを使用した切削加工などによっ
て、前記の形状のインク液室12を形成する溝15を作
製する。溝15は圧電セラミックスプレート2のほぼ全
域で同じ深さの平行な溝であるが、端面17に近づくに
つれて徐々に浅くなり、端面17付近では浅く平行な浅
溝18となるように作製される。この溝15及び浅溝1
8の内面には、前記電極13がスパッタリング等によっ
て形成される。溝15の内面にはその側面の上半分のみ
に電極13が形成されるが、浅溝18の内面にはその側
面及び底面全体に電極13が形成される。また、セラミ
ックス材料からなるカバープレート3に、研削または切
削加工などによって、インク導入口21及びマニホール
ド22を作製する。
【0009】次に、圧電セラミックスプレート2の溝1
5加工側の面とカバープレート3のマニホールド22加
工側の面とを、エポキシ系接着剤等によって、各々の溝
15が前記インク液室12を形成するように接着し、ア
クチュエータ部1を作製する。次に、圧電セラミックス
プレート2及びカバープレート3の端面16に、各イン
ク液室12の位置に対応した位置にノズル32が設けら
れたノズルプレート31を接着する。また、圧電セラミ
ックスプレート2の溝15加工側と反対側の面には、各
インク液室12の位置に対応した位置に導電層のパター
ン42が設けられた基板41を、エポキシ系接着剤など
によって接着する。そして、浅溝18の底面の電極13
と導電層のパターン42とを、周知のワイヤボンディン
グ によって導線43で接続する。
【0010】次に、制御部のブロック図を示す図8によ
って、従来例の制御部の構成を説明する。基板41に設
けられた導電層のパターン42は各々個々にLSIチッ
プ51に接続され、クロックライン52、データライン
53、電圧ライン54及びアースライン55もLSIチ
ップ51に接続されている。LSIチップ51は、クロ
ックライン52から供給された連続するクロックパルス
に基づいて、データライン53上に現れるデータから、
どのノズル32からインク液滴の噴射を行うべきかを判
断する。そして、LSIチップ51は、駆動するインク
液室12内の電極13に導通する導電層のパターン42
に、電圧ライン54の電圧Vを印加し、前記インク液室
12以外の電極13に導通する導電層のパターン42に
アースライン55を接続して接地する。
【0011】次に、プリンタの斜視図を示す図9によっ
て、従来例の構成及び動作を説明する。アクチュエータ
部1及びノズルプレート31は、図6、図7で説明した
構成、動作をもつものである。アクチュエータ部1はキ
ャリッジ62上に固定され、インク供給チューブ63は
インク供給口21(図7)に連通し、LSIチップ51
(図8)はキャリッジ62に内蔵され、フレキシブルケ
ーブル64は図8に示したクロックライン52、データ
ライン53、電圧ライン54及びアースライン55に対
応している。キャリッジ62はスライダ66に沿って矢
印65方向に記録紙71の全幅にわたって往復運動し、
アクチュエータ部1はキャリッジ62が移動している時
にプラテンローラ72に保持された記録紙71に対し
て、ノズルプレート31に設けられたノズル32(図
7)からインク液滴を噴射し、記録紙71上にインク液
滴を付着させる。
【0012】また、記録紙71はアクチュエータ部1が
インク液滴を噴射しているときは静止しているが、キャ
リッジ62が往復動作の度に紙送りローラ73及び74
によって矢印75方向に一定量ずつ移送される。これに
よって、アクチュエータ部1は記録紙71の全面に所望
の文字や画像を形成することが可能となる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た構成のインク噴射装置では、ノズル32を形成したノ
ズルプレート31を、該ノズル32がインク液室12に
対応するようにアクチュエータ部1に接着剤で接着して
いるので、接着時に接着剤の余剰分がノズル32内に流
れ込んでしまって、インク液滴の飛翔方向に影響を与え
たり、ノズル32を塞いでしまってインク液滴が噴射さ
れなくなったりする危険性があった。また、ノズル32
やインク液室12の大きさ及びピッチは極めて小さいの
で、各ノズル32と各インク液室12とを対応させた位
置でノズルプレート31とアクチュエータ部1とを接着
するには、画像処理装置を有するカメラを備えた高価な
位置決め装置を必要とするのでコストが上がってしま
う。
【0014】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、製造コストを低減し、ノズルに
接着剤が流れ込むことがないインク噴射装置の製造方法
を提示することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の請求項1では、インクが充填される複数のイ
ンク液室と、前記インク液室に連通するノズルが形成さ
れるノズルプレートとを有するインク噴射装置の製造方
法において、前記複数のインク液室に連通する連通孔が
設けられたノズルプレート補助部材に、ノズルが形成さ
れていない前記ノズルプレートを接着する工程と、前記
ノズルプレート補助部材の連通孔を通して前記ノズルプ
レートにレーザ光を照射して、前記ノズルプレートにノ
ズルを加工する工程と、前記ノズルプレート補助部材の
連通孔と前記インク液室とが連通するように接合する工
程とからなることを特徴とする。
【0016】請求項2では、前記ノズルプレート補助部
材に形成された前記連通孔の前記インク液室側における
開口の大きさは、前記インク液室の大きさより小さいこ
とを特徴とする。
【0017】請求項3では、前記ノズルプレート補助部
材に形成された前記連通孔は、前記インク液室に連通す
る側の方が、前記ノズルに連通する側よりも大きく開口
していることを特徴とする。
【0018】請求項4では、前記ノズルプレート補助部
材が、レーザ光のマスクとなることを特徴とする。
【0019】請求項5では、インクが充填される複数の
インク液室が設けられたヘッド部と、前記ヘッド部の前
記インク液室に連通するノズルが形成されるノズルプレ
ートとを有するインク噴射装置の製造方法において、前
記ヘッド部の前記インク液室の開口面に、ノズルが形成
されていない前記ノズルプレートを接着する工程と、前
記ヘッド部の前記インク液室にほぼ直交するように切断
して、前記ノズルプレートが接着されたノズルプレート
補助部材と、インクを噴射するためのエネルギーを発生
するアクチュエータ部材とを加工する工程と、前記ノズ
ルプレート補助部材のインク液室を通して、前記ノズル
プレートにレーザ光を照射して、前記ノズルプレートに
ノズルを加工する工程と、前記ノズルプレート補助部材
の前記インク液室と、前記アクチュエータ部材のインク
液室とが連通するように接合する工程とからなることを
特徴とする。
【0020】
【作用】上記の構成を有する本発明の請求項1のインク
噴射装置の製造方法では、前記複数のインク液室に連通
する連通孔が設けられたノズルプレート補助部材に、ノ
ズルが形成されていない前記ノズルプレートが接着さ
れ、前記ノズルプレート補助部材の連通孔を通して前記
ノズルプレートにレーザ光が照射されて、前記ノズルプ
レートにノズルが加工された後、前記ノズルプレート補
助部材の連通孔と前記インク液室とが連通するように接
合されることによって、ノズルに接着剤が入り込んでい
ないインク噴射装置が製造される。
【0021】請求項5のインク噴射装置の製造方法で
は、前記ヘッド部の前記インク液室の開口面に、ノズル
が形成されていない前記ノズルプレートが接着され、前
記ヘッド部が前記インク液室にほぼ直交するように切断
されることによって、前記ノズルプレートが接着された
ノズルプレート補助部材と、インクを噴射するためのエ
ネルギーを発生するアクチュエータ部材とが加工され
る。そして、前記ノズルプレート補助部材のインク液室
を通して、前記ノズルプレートにレーザ光が照射され
て、前記ノズルプレートにノズルが加工された後、前記
ノズルプレート補助部材の前記インク液室と、前記アク
チュエータ部材のインク液室とが連通するように接合さ
れることによって、ノズルに接着剤が入り込んでいない
インク噴射装置が製造される。
【0022】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図面を
参照して説明する。尚、従来例と同一の部材には同一の
符号を付し、その説明を省略する。
【0023】まず、インク噴射装置の斜視図を示す図1
によって、本発明の一実施例の構成を具体的に説明す
る。
【0024】図1に示すように、インク噴射装置のアク
チュエータ部101は、圧電セラミックスプレート10
2とカバープレート103とから構成されている。
【0025】その圧電セラミックスプレート102は、
チタン酸ジルコン酸鉛系(PZT)のセラミックス材料
で形成され、圧電セラミックスプレート102には、ダ
イヤモンドブレード等により切削加工され、複数の溝1
15が形成されている。また、その溝115の側面とな
る側壁111は矢印106の方向に分極されている。そ
れらの溝115は同じ深さであり、かつ平行である。そ
れら溝115の深さは、圧電セラミックスプレート10
2の一端面117に近づくにつれて徐々に浅くなって、
浅溝118が形成されている。そして、溝115の内面
には、その両側面の上半分に電極113がスパッタリン
グ等によって形成されている。また、浅溝118の内面
には、その側面及び底面に電極113がスパッタリング
等によって形成されている。これにより、溝115の両
側面に形成された電極113は浅溝118に形成された
電極113によって電気的に接続される。
【0026】次に、カバープレート103は、圧電セラ
ミックスプレート102と同種または異種のセラミック
ス材料で形成されている。そのカバープレート103に
は、マニホールド121とインク供給口121が形成さ
れている。
【0027】そして、圧電セラミックスプレート102
の溝115加工側の面とカバープレート103とがエポ
キシ系接着剤層104(図5)を介して接着され、溝1
15は横方向に互いに間隔を有する複数のインク液室1
12となる。
【0028】圧電セラミックスプレート102及びカバ
ープレート103の端面116には、各インク液室11
2の位置に対応した位置に連通孔153が設けられたノ
ズルプレート補助部材105が接合され、さらに、該ノ
ズルプレート補助部材105の前面には、各連通孔15
3に対応した位置にノズル132が設けられるノズルプ
レート131が図2(a)に示すように接合されてい
る。
【0029】このノズルプレート補助部材105は、セ
ラミックスまたは樹脂材料からなり、図3(a)に示す
ようにインク液室112に対応する同じ深さ、且つ同じ
幅の複数の溝を有する溝部品151とカバー部品152
とを接着剤によって接合し、図3(b)に示すように切
断面160にて所定の厚さ(例えば1mm)に切断して
なる。
【0030】前記ノズルプレート131は、ポリアルキ
レン(例えばエチレン)テレフタレート、ポリイミド、
ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテ
ルスルホン、ポリカーボネイト、酢酸セルロース等のプ
ラスチックからなり、ノズルが形成されていないノズル
プレート131を前記ノズルプレート補助部材105に
接着剤によって接着した後で、図3(c)に示すよう
に、マスク(図示せず)を通過し、かつ該ノズルプレー
ト補助部材105の連通孔153を通過したレーザビー
ム170により、ノズル132を形成する。
【0031】ノズルプレート131を接合し、ノズルプ
レート131にノズル132を形成した前記ノズルプレ
ート補助部材105を、圧電セラミックスプレート10
2及びカバープレート103の端面116に接合する。
従来、ノズルを形成したノズルプレートを、該ノズルが
インク液室に対応するようにアクチュエータ部に位置決
めして接合するときに、画像処理装置を有するカメラを
備えた高価な位置決め装置を必要としていたのに対し、
本実施例のインク噴射装置では、圧電セラミックスプレ
ート102とノズルプレート補助部材105の側面を共
通面に合わせた後、接合するなどの簡単な方法でノズル
132とインク液室112とが対応した位置に配置され
るので、生産性が高く、接合工程の低コスト化が図れ
る。また、ノズルプレート131をノズルプレート補助
部材105に接合した後でノズル132を形成するた
め、従来のようにノズル内に接着剤が流れ込んでノズル
が塞がる危険性が全くなく、歩留まりが向上する。
【0032】圧電セラミックスプレート102の溝11
5加工側の裏側には、パターン42が形成された基板4
1が接着されており、パターン42は導線43によって
浅溝118の電極113に接続されている。
【0033】次に制御部のブロック図を示す図8をもち
いて制御部の構成を説明する。基板41に設けられた導
電層のパターン42は各々個々にLSIチップ51に接
続され、クロックライン52、データライン53、電圧
ライン54及びアースライン55もLSIチップ51に
接続されている。LSIチップ51は、クロックライン
52から供給された連続するクロックパルスに基づい
て、データライン53上に現れるデータから、どのノズ
ル132からインク液滴の噴射を行うべきかを判断し、
駆動するインク液室112内の電極113に導通する導
電層のパターン42に、電圧ライン54の電圧Vを印加
する。また、駆動するインク液室112以外の電極11
3に導通する導電層のパターン42をアースライン55
に接続する。
【0034】次に、本実施例のインク噴射装置のアクチ
ュエータ部101の動作を説明する。図5(b)のイン
ク液室112bからインク液滴を噴射するために、当該
インク液室112bに対し電圧パルスを与える(ここ
で、あるインク液室112bに対して電圧を与えること
は、そのインク液室112bに面する電極113d、1
13eに電圧を印加し、指示しないインク液室112に
面する電極113を接地することを言う)。すると、側
壁111bには矢印114b方向の電界が発生し、側壁
111cには矢印114c方向の電界が発生し、側壁1
11bと111cとが圧電厚みすべり効果により、互い
に離れるように動く。インク液室112bの容積が増え
て、ノズル132付近を含むインク液室112b内の圧
力が減少する。この状態をL/aで示される時間だけ維
持する。すると、その間図示しないインク供給源からマ
ニホールド121を介してインクが供給される。
【0035】なお、上記L/aは、インク液室112内
の圧力波が、インク液室112の長手方向(マニホール
ド121からノズルプレート131まで、またはその
逆)に対して、片道伝播するに必要な時間であり、イン
ク液室112の長さLとインク中での音速aによって決
まる。
【0036】圧力波の伝播理論によると、前記の立ち上
げからちょうどL/aの時間経つとインク液室112b
内の圧力が逆転し、正の圧力に転じるが、このタイミン
グに合わせてインク液室112bに印加されている電圧
を0Vに戻す。すると、側壁111bと111cは変形
前の状態(図5(a))に戻り、インクに圧力が加えら
れる。その時、前記正に転じた圧力と、側壁111b、
111cが変形前の状態に戻って発生した圧力とが足し
合わされ、比較的高い圧力がインク液室112b内のイ
ンクに与えられて、インク液滴がノズル132から噴出
される。
【0037】前記実施例においては、まず駆動電圧をイ
ンク液室112bの容積が増加する方向に印加し、次に
駆動電圧の印加を停止しインク液室112bの容積を自
然状態に減少してインク液室112bからインク液滴を
噴射していたが、まず駆動電圧をインク液室112bの
容積が減少するように印加してインク液室112bから
インク液滴を噴射し、次に駆動電圧の印加を停止してイ
ンク液室112bの容積を前記減少状態から自然状態へ
と増加させてインク室112b内にインクを供給しても
よい。
【0038】尚、前記実施例ではインク液室112と同
じ溝深さの連通孔153を有するノズルプレート補助部
材105を用いたが、図2(b)に示すようにインク液
室112よりも溝深さの浅い溝を有する溝部品154と
カバー部品155とを接合して、インク液室112より
も溝深さの浅い連通孔156を構成してもよく、このよ
うにすればインクのノズルプレート131面での抵抗を
緩和できる。
【0039】また、図2(c)に示すように前記ノズル
プレート補助部材105に形成された連通孔159の前
記インク液室112側における開口部が、前記ノズルプ
レート131側における開口部よりも広くなるように構
成しても、インクのノズルプレート131面での抵抗を
さらに緩和できる。このとき図4(a)に示すように、
深さが傾斜した溝部品157とカバー部品158とを接
合して連通孔159を形成し、その連通孔159の開口
の小さい方の面に、ノズルが形成されていないノズルプ
レート131を接合した後、図4(b)に示すように前
記連通孔159の開口の大きい方の面からレーザビーム
170をマスクを介さずに直接照射すると、ノズルプレ
ート補助部材105がレーザビーム170のマスクとし
て機能し、ノズル132が加工される。このため、レー
ザ加工時のレーザビームを加工する所望の大きさにする
ためのマスクが不要となるので、マスクの位置決めが不
要となり、生産性が向上する。
【0040】また、アクチュエータ部101の圧電セラ
ミックスプレート102及びカバープレート103の端
面116に、ノズルが形成されていないノズルプレート
131を接着剤によって接着した後、そのアクチュエー
タ部101をインク液室112とほぼ直交するように切
断して、ノズルプレート131が接着された部分と、他
の部分とを形成し、ノズルプレート131が接着された
部分のインク液室を通してノズルプレート131にレー
ザビームを照射してノズル132を加工して、ノズル1
32が加工されたノズルプレート131が接着された部
分と、前記他の部分とのインク液室が連通するようにそ
れらを接合させてもよい。このようにすれば、アクチュ
エータ部101の切断によってノズルプレート131が
接着された部分と、他の部分とが形成されるので、それ
ら2つの部材の接合時に行なう、互いのインク液室を連
通させるための位置決めが、側面を揃えるなどによって
行えるためきわめて容易である。
【0041】また、前記実施例においては、全ての溝1
15をインク液室112としていたため、隣り合うイン
ク液室を同時に噴射することができなかったが、インク
噴射をしない空気室(図示しない)とインク液室115
とを交互に設けて、隣り合うのインク液室が同時に噴射
できるようにしても良い。さらに前記実施例ではインク
に圧力を与える手段として、圧電すべり効果を用いてい
たが、圧電縦効果、圧電横効果など他の圧電モードを用
いてもよく、圧電効果に限らず、電気熱変換素子による
バブルジェット方式などの他の圧力発生方法を用いた噴
射装置で構成してもよい。
【0042】また、前記実施例では圧電セラミックスプ
レート102の片側の面に溝115を加工していたが、
圧電セラミックスプレートの厚さを厚くして、両側の面
に溝を形成して、インク液室列を上下に2列設けてもよ
い。
【0043】さらに前記実施例では、側壁111の上半
分に電極113を形成して、側壁111の上半分の圧電
厚みすべり変形によって、側壁111の下半分を駆動し
ていたが、分極方向が互いに反対方向であるプレートに
溝を形成し、その溝の側面全面に電極を形成して、側壁
の上部及び下部に圧電厚みすべり変形させて、インクを
噴射してもよい。
【0044】
【発明の効果】以上説明したことから明かなように、本
発明の請求項1のインク噴射装置の製造方法によれば、
前記複数のインク液室に連通する連通孔が設けられたノ
ズルプレート補助部材に、ノズルが形成されていない前
記ノズルプレートを接着し、前記ノズルプレート補助部
材の連通孔を通して前記ノズルプレートにレーザ光を照
射して、前記ノズルプレートにノズルを加工した後、前
記ノズルプレート補助部材の連通孔と前記インク液室と
が連通するように接合するので、従来のようにノズル内
に接着剤が流れ込んでノズルが塞がる危険性が全くな
く、歩留まりが向上する。また、ノズルプレートの接着
時には、ノズルが形成されていないので、その接着の位
置決めが容易に行え、更にインク噴射装置本体とノズル
プレート補助部材の側面を共通面に合わせて接合するな
どの、簡単な方法でノズルプレート補助部材の連通孔と
インク液室との位置決め接合ができ、かつ生産性も高い
ため接合工程の低コスト化が図れる。
【0045】請求項5のインク噴射装置の製造方法によ
れば、前記ヘッド部の前記インク液室の開口面に、ノズ
ルが形成されていない前記ノズルプレートを接着し、前
記ヘッド部を前記インク液室にほぼ直交するように切断
することによって、前記ノズルプレートが接着されたノ
ズルプレート補助部材と、インクを噴射するためのエネ
ルギーを発生するアクチュエータ部材とを加工し、前記
ノズルプレート補助部材のインク液室を通して、前記ノ
ズルプレートにレーザ光を照射して、前記ノズルプレー
トにノズルを加工した後、前記ノズルプレート補助部材
の前記インク液室と、前記アクチュエータ部材のインク
液室とが連通するように接合するので、従来のようにノ
ズル内に接着剤が流れ込んでノズルが塞がる危険性が全
くなく、歩留まりが向上する。また、ノズルプレートの
接着時には、ノズルが形成されていないので、その接着
の位置決めが容易に行え、更にヘッド部材を切断するこ
とによって、ノズルプレート補助部材とアクチュエータ
部材とを形成しているので、ノズルプレート補助部材と
アクチュエータ部材との側面を共通面に合わせて接合す
るなどの、簡単な方法でノズルプレート補助部材のイン
ク液室とアクチュエータ部材のインク液室との正確な位
置決め接合ができ、かつ生産性も高いため接合工程の低
コスト化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のインク噴射装置を示す斜視
図である。
【図2】本発明の前記実施例のインク噴射装置の断面図
である。
【図3】本発明に前記実施例のノズルプレート補助部材
及びノズルの形成工程を示す説明図である。
【図4】本発明の他の実施例のノズルの形成工程を示す
説明図である。
【図5】本発明の前記実施例のインク噴射装置の動作を
示す断面図である。
【図6】従来のインク噴射装置の動作を示す断面図であ
る。
【図7】従来のインク噴射装置を示す斜視図である。
【図8】従来及び本発明の前記実施例のインク噴射装置
の制御部を示すブロック図である。
【図9】従来のプリンタの構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
101 アクチュエータ部 105 ノズルプレート補助部材 112 インク液室 131 ノズルプレート 132 ノズル 151 溝部品 152 カバー部品 153 連通孔 154 溝部品 155 カバー部品 156 連通孔 157 溝部品 158 カバー部品 159 連通孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/16 B41J 2/045 B41J 2/055 B41J 2/135

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクが充填される複数のインク液室
    と、前記インク液室に連通するノズルが形成されるノズ
    ルプレートとを有するインク噴射装置の製造方法におい
    て、 前記複数のインク液室に連通する連通孔が設けられたノ
    ズルプレート補助部材に、ノズルが形成されていない前
    記ノズルプレートを接着する工程と、 前記ノズルプレート補助部材の連通孔を通して前記ノズ
    ルプレートにレーザ光を照射して、前記ノズルプレート
    にノズルを加工する工程と、 前記ノズルプレート補助部材の連通孔と前記インク液室
    とが連通するように接合する工程とからなることを特徴
    とするインク噴射装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記ノズルプレート補助部材に形成され
    た前記連通孔の前記インク液室側における開口の大きさ
    は、前記インク液室の大きさより小さいことを特徴とす
    る請求項1記載のインク噴射装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ノズルプレート補助部材に形成され
    た前記連通孔は、前記インク液室に連通する側の方が、
    前記ノズルに連通する側よりも大きく開口していること
    を特徴とする請求項1記載のインク噴射装置の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記ノズルプレート補助部材が、レーザ
    光のマスクとなることを特徴とする請求項1記載のイン
    ク噴射装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 インクが充填される複数のインク液室が
    設けられたヘッド部と、前記ヘッド部の前記インク液室
    に連通するノズルが形成されるノズルプレートとを有す
    るインク噴射装置の製造方法において、 前記ヘッド部の前記インク液室の開口面に、ノズルが形
    成されていない前記ノズルプレートを接着する工程と、 前記ヘッド部の前記インク液室にほぼ直交するように切
    断して、前記ノズルプレートが接着されたノズルプレー
    ト補助部材と、インクを噴射するためのエネルギーを発
    生するアクチュエータ部材とを加工する工程と、 前記ノズルプレート補助部材のインク液室を通して、前
    記ノズルプレートにレーザ光を照射して、前記ノズルプ
    レートにノズルを加工する工程と、 前記ノズルプレート補助部材の前記インク液室と、前記
    アクチュエータ部材のインク液室とが連通するように接
    合する工程とからなることを特徴とするインク噴射装置
    の製造方法。
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