JP3128979B2 - 複合発泡成形体及びその製造方法 - Google Patents

複合発泡成形体及びその製造方法

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JP3128979B2 JP04231134A JP23113492A JP3128979B2 JP 3128979 B2 JP3128979 B2 JP 3128979B2 JP 04231134 A JP04231134 A JP 04231134A JP 23113492 A JP23113492 A JP 23113492A JP 3128979 B2 JP3128979 B2 JP 3128979B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性エラストマー
パウダー組成物から形成された非発泡層と、発泡性パウ
ダー組成物から形成された発泡層とを一体化してなる複
合発泡成形体、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
自動車内装材等の表皮材においては、軽量で、かつソフ
ト感に優れ、しかも高級感のある皮しぼ模様やスティッ
チ模様等の複雑な模様を賦形したものが要求されてい
る。一方、クッション性表皮材の製法として、塩化ビニ
ル系樹脂組成物を粉末成形法により表皮材を成形した
後、従来の真空成形品と同様にウレタン原料を注入発泡
してウレタンが貼合された表皮材を製造する方法が知ら
れている。また、粉末成形法で塩化ビニル系樹脂からな
る非発泡層と塩化ビニル系樹脂からなる発泡層とを同時
一体成形する方法も提案されている。
【0003】しかしながら、これら方法では、複雑な模
様を賦形でき、得られた表皮材はソフト感に優れるもの
の、軽量性に劣るのみならず廃車時の焼却処分により酸
性物質を発生し、大気汚染、酸性雨等を惹起し、クリー
ン性に劣るという塩化ビニル由来の欠点があり、十分満
足し得るものではない。
【0004】
【課題を解決するための手段】かかる事情に鑑み、本発
明者らは、クリーン性に優れ、軽量でかつソフト感にも
優れ、しかも複雑な模様を賦形したクッション性表皮材
を製造すべく、粉末成形法について鋭意検討を重た結
果、非発泡層原料として特定の熱可塑性エラストマーパ
ウダー用いることにより、目的を達成し得ることを見出
すとともに更に種々の検討を加えて本発明を完成した。
【0005】すなわち本発明は、下記(A)の熱可塑性
エラストマーパウダー組成物から成形されてなる非発泡
層と、(B)ポリプロピレン系樹脂パウダーに(C)熱
分解型発泡剤または(C)熱分解型発泡剤と(D)液状
コーティング剤を配合した発泡性組成物から成形された
発泡層とを一体化してなる複合発泡成形体、その製造方
法を提供するものである。 (A)エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムとポリ
オレフィン系樹脂とのエラストマー組成物からなる熱可
塑性エラストマーパウダー、またはエチレン・α−オレ
フィン系共重合体ゴムとポリオレフィン系樹脂との部分
架橋型組成物からなる熱可塑性エラストマーパウダーで
あって、250 ℃における周波数1ラジアン/秒での複素
動的粘度η* (1) が1.5 ×105 ポイズ以下であり、上記
複素動的粘度η* (1) と周波数100 ラジアン/秒での複
素動的粘度η* (100)とを用いて次式で算出されるニュ
ートン粘性指数nが0.67以下である熱可塑性エラストマ
ーパウダー。 n={logη* (1) −logη* (100) }/2
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明
は、非発泡層原料として、エチレン・α−オレフィン系
共重合体ゴムとポリオレフィン系樹脂とのエラストマー
組成物からなる熱可塑性エラストマーパウダー、または
エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムとポリオレフ
ィン系樹脂との混合物を架橋剤の存在下で動的架橋して
なる部分架橋型エラストマー組成物からなる熱可塑性エ
ラストマーパウダーを用いることを特徴とするものであ
るが、エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムとして
は、例えば、エチレン・プロピレン共重合体ゴム、エチ
レン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴム等のオレ
フィンを主成分としたゴムが挙げられる。非共役ジエン
としては、例えばジシクロペンタジエン、エチリデンノ
ルボルネン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエ
ン、メチレンノルボルネン等が挙げられる。なかでも、
エチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネンゴム
(以下EPDMと称する)が好ましく、これを用いる
と、耐熱性、引張特性等に優れたエラストマーパウダー
が得られる。
【0007】エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム
のムーニー粘度(ASTM D-927-57Tに準じて100 ℃で測
定したムーニー粘度(ML1+4 100 ℃))は、通常130 以
上350 以下、好ましくは200 以上300 以下である。また
エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムにパラフィン
系プロセスオイル等の鉱物油系軟化剤を添加した油展オ
レフィン系共重合体ゴムを使用することも好ましく、こ
の場合には溶融流動性が向上するのみならず成形体の柔
軟性が向上する。鉱物油系軟化剤の含量は、エチレン・
α−オレフィン系共重合体ゴム 100重量部当たり、通常
30〜120 部である。
【0008】またポリオレフィン系樹脂としては、ポリ
プロピレン、プロピレンとエチレンの共重合体、プロピ
レンとプロピレン以外のα−オレフィンの共重合体が好
ましく用いられる。特に、プロピレンとブテンとの共重
合体樹脂を用いることにより、成形体の硬度を下げるこ
とも可能である。ポリオレフィン系樹脂のメルトフロー
レート(MFR、JIS K-7210に準拠し、230 ℃、2.16kg
荷重で測定)が、20g /10分未満の場合は、粉末成形時
にパウダー同士が溶融付着し難くなり成形体の強度が低
下するので、通常20g /10分以上のものが使用される。
好ましくは50g /10分以上である。
【0009】本発明で使用される熱可塑性エラストマー
は、上記のようなエチレン・α−オレフィン系共重合体
ゴムとポリオレフィン系樹脂との組成物、または該組成
物を動的架橋した部分架橋型組成物であるが、エチレン
・α−オレフィン系共重合体ゴムとオレフィン系樹脂の
比率は、重量比で通常5:95〜80:20であることが好ま
しい。
【0010】部分架橋型組成物を製造するに当たって
は、架橋剤として有機過酸化物が通常用いられる。有機
過酸化物としては、ジアルキルパーオキサイドが好まし
く用いられる。また、ビスマレイミド化合物などの架橋
助剤の存在下、ごく少量の有機過酸化物を用いて動的架
橋することが好ましく、この場合エチレン・α−オレフ
ィン系共重合体ゴムを適度に架橋し耐熱性を持たせると
同時に、高流動性を実現し得る。 架橋剤は、エチレン
・α−オレフィン系共重合体ゴムとポリオレフィン系樹
脂との組成物100 重量部あたり、1.5 重量部以下、好ま
しくは0.6 重量部以下用いられ、有機過酸化物は、0.2
重量部以下、好ましくは0.1 重量部以下、より好ましく
は0.07重量部以下用いられる。
【0011】動的架橋に使用する装置としては、一軸混
練押出機あるいは二軸混練押出機等の連続混練押出機が
好適に用いられる。二軸混練押出機を用いる場合は、剪
断速度<103sec-1で押出架橋を行なうとエチレン・α−
オレフィン系共重合体ゴムの分散粒子径が大きくなり本
発明の粘度条件を実現することが難しくなるので、剪断
速度≧103sec-1で連続押出架橋を行なうことが好まし
い。
【0012】本発明における熱可塑性エラストマーは、
250 ℃、周波数1ラジアン/秒で測定した複素動的粘度
η* (1) が1.5 ×105 ポイズ以下、好ましくは1.0 ×10
5 ポイズ以下である。1.5 ×105 ポイズを超えると該エ
ラストマーのパウダーは、金型面上で溶融流動しなくな
り、加工時の剪断速度が1sec -1以下の非常に低い粉末
成形法では成形ができなくなる。また、250 ℃、周波数
1ラジアン/秒で測定した複素動的粘度η* (1) と周波
数100 ラジアン/秒で測定した複素動的粘度η* (100)
とを用いて次式で算出されるニュートン粘性指数nが0.
67以下、好ましくは0.60以下である。 n={logη* (1) −logη* (100) )}/2 ニュートン粘性指数nが0.67を超えると、仮に周波数1
ラジアン/秒で測定した複素動的粘度η* (1) が1.5 ×
105 ポイズ以下であっても、複素動的粘度の周波数依存
性が大きくなり、粉末成形のように成形時の賦形圧力が
1kg/cm2 以下と非常に小さい成形法では溶融したエラ
ストマーパウダー粒子同士の熱融着が不完全になり機械
的物性の低い成形体しか得られない。
【0013】本発明に用いる熱可塑性エラストマー組成
物は、未架橋のエチレン−α−オレフィン共重合体ゴム
あるいはエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂を、エ
ラストマー100 重量部に対し50重量部以下ブレンドして
使用し、成形体の柔軟性をより向上させることもでき
る。この場合のα−オレフィンは、プロピレン及びブテ
ン等が単独または併用して用いられる。特にエチレン含
有量が40〜90重量%、好ましくは70〜85重量%のエチレ
ン−プロピレン共重合体ゴムでML1+4 100 ℃が50以下
のものが好ましい。
【0014】また本発明の熱可塑性エラストマーパウダ
ーは、上記のような熱可塑性エラストマー組成物を、ガ
ラス転移温度以下の低温で粉砕することにより通常製造
される。例えば液体窒素による冷凍粉砕法が好適に用い
られる。−70℃以下、好ましくは−90℃以下まで冷却し
たエラストマー組成物ペレットをボールミル等の衝撃式
粉砕機を用いた機械的粉砕法により得ることができる。
−70℃より高い温度で粉砕すると、粉砕したエラストマ
ーパウダーの粒径が粗くなり、粉末成形性が低下するの
で好ましくない。粉砕操作中にポリマー温度がガラス転
移温度以上になるのを防ぐため、発熱が少なく、粉砕効
率の高い方法が好ましい。また、粉砕装置はそのものが
外部冷却によって冷却されていることが好ましい。
【0015】得られたエラストマーパウダーは、全重量
の95%以上がタイラー標準篩の32メッシュを通過する程
度にまで粉砕されていることが好ましい。32メッシュの
篩上累積率が5%を越えると、粉砕成形時に厚みムラが
生じる原因の1つとなり得る。この厚みムラは成形品の
柔軟性にムラを与え、折れジワを起こし易くなるなど成
形体の商品価値をそこなう要因となり得る。また本発明
に用いる熱可塑性エラストマーパウダー組成物を用いて
粉末成形を行なった場合、成形体を脱型する際に金型内
面との密着が強く、無理に脱型を試みると折れジワや白
化トラブルが発生することがある。これを防止するのた
め、一般的に用いられる離型剤、例えばジメチルポリシ
ロキサンのスプレー吹き付け等により成形前の金型内面
をコートすることもできる。
【0016】しかしながら、多数個を連続生産するに
は、数個成形の度に離型剤のコートが必要となり、成形
コストの上昇に結びつく。このような場合には金型材質
を改良しても良いが、パウダー組成物中に内部添加離型
剤としてメチルポリシロキサン化合物をを予め含有させ
ておくこともできる。この場合のメチルポリシロキサン
化合物としては、25℃における粘度が20センチストーク
ス以上であればよい。好ましい粘度範囲は50〜5000セン
チストークスである。粘度が大きくなりすぎると、離型
剤としての効果が減少する。その含有量は、パウダー組
成物100重量部あたり2重量部以下であり、2重量部
より多くなると、エラストマーパウダー間の熱融着を阻
害し、機械的物性に劣った成形体しか得られなくなる恐
れがあり、また金型表面に離型剤がブリードし、金型が
汚染され恐れもあり好ましくない。内部添加離型剤を含
有せしめるに当たっては、粉末化前後のいずれの時点で
実施することができる。
【0017】また、本発明に用いるパウダー組成物は、
フェノール系、サルファイト系、フェニルアルカン系、
フォスファイト系、アミン系またはアミド系安定剤のよ
うな公知の耐熱安定剤、老化防止剤、耐候安定剤、帯電
防止剤、金属石けん、ワックス等の滑剤、着色用顔料等
を必要量含有させることができる。含有させるにあたっ
ては、粉末化前後のいずれの時点で実施しても良い。
【0018】次に、発泡層に用いる発泡性組成物につい
て説明する。発泡性組成物に使用されるポリプロピレン
樹脂脂パウダーとしては、例えば、ホモポリプロピレ
ン、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレ
ン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−ブテンラ
ンダム共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン三元共
重合体等が挙げられる。これらを2種以上混合して使用
することもできる。ポリプロピレン系樹脂パウダーは、
メルトフローレート(MFR、JIS K-7210に準拠し、23
0 ℃、2.16kg荷重で測定)が、3g /10分以上であり、
全重量の95%以上がタイラー標準篩の32メッシュを通過
する粒径であることが好ましい。また熱可塑性合成樹脂
パウダーは2種以上混合して使用することもできる。
【0019】本発明の発泡性組成物に用いる(C)の熱
分解型発泡剤は、粉末成形での加熱溶融時に分解してガ
スを発生するものであれば特に制限はなく、一般の有機
系または無機系の化学発泡剤が使用できる。具体的に
は、アゾジカルボンアミド、2,2’−アゾビスイソブ
チロニトリル、アゾヘキサヒドロベンゾニトリル、ジア
ゾアミノベンゼン等のアゾ化合物、ベンゼンスルホニル
ヒドラジド、ベンゼン−1,3−スルホニルヒドラジ
ド、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホニルヒド
ラジド、ジフェニルオキシド−4,4’−ジスルホニル
ヒドラジド、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニ
ルヒドラジド)、パラトルエンスルホニルヒドラジド等
のスルホニルヒドラジド化合物、N,N’−ジニトロソ
ペンタメチレンテトラミン、N,N’−ジニトロソ−
N,N’−ジメチルテレフタルアミド等のニトロソ化合
物、テレフタルアジド、p−第3ブチルベンズアジド等
のアジド化合物、重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウ
ム、炭酸アンモニウム等の無機化合物が挙げられ、これ
らは混合して使用することもできる。この中でもアゾジ
カルボンアミド及び4,4’−オキシビス(ベンゼンス
ルホニルヒドラジド)が好ましい。本発明に用いる熱分
解型発泡剤は、その分解温度が通常120〜200℃で
あり、120〜180℃が好ましい。熱分解型発泡剤
は、ポリプロピレン系樹脂パウダー100重量部に対し
て、2〜11重量部配合され、好ましくは3〜7重量部
配合される。
【0020】また、熱分解型発泡剤の分解温度を低下さ
せる目的で発泡促進剤または発泡助剤を併用することも
できる。発泡促進剤または発泡助剤としては、例えば、
亜鉛華、硝酸亜鉛、フタル酸鉛、炭酸鉛、三塩化リン酸
塩、三塩基性硫酸鉛等の無機塩、亜鉛脂肪酸石けん、鉛
脂肪酸石けん、カドミウム脂肪酸石けん等の金属石け
ん、ホウ砂、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸等の酸
類、尿素、ビウレア、エタノールアミン、グルコース及
びグリセリン等が挙げられる。
【0021】一方、熱分解型発泡剤の分解温度を上げる
目的で発泡抑制剤を用いることもできる。発泡抑制剤と
しては、例えば、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、無
水マレイン酸、無水フタル酸等の有機酸、ステアロイル
クロリド、フタロイルクロリド等のハロゲン化有機酸、
ハイドロキノン等の多価アルコール、脂肪酸アミン、ア
ミド、オキシム、イソシアネート等の含有機窒素化合
物、メルカプタン、硫化物等の含有機イオウ化合物、亜
リン酸塩化物等のリン酸塩、ジブチルスズマレート、塩
化スズ、硫酸スズ等のスズ化合物、その他ヘキサクロロ
シクロペンタジエン等が挙げられる。
【0022】本発明は、上記熱分解型発泡剤とともに
(D)の液状コーティング剤を用いることにより、発泡
セルの安定性を向上せしめることもできる。液状コーテ
ィング剤としては、常温〜220℃で硬化するコーティ
ング剤が好ましく使用される。例えば、ポリシロキサ
ン、メラミン系、ウレタン系、含フッ素系等のプラスチ
ック等の表面を保護する熱硬化性コーティング剤、不飽
和ポリエステル、アルキッド、オイルフリーアルキッ
ド、線状ポリエステル樹脂等のポリエステル樹脂、メラ
ミン樹脂、変性メラミン樹脂等のアミノ樹脂、ノボラッ
ク型、β−メチルエピクロ型、環状脂肪族型、非環状脂
肪族型、エポキシ化脂肪酸エステル型、多価カルボン酸
エステル型、アミノグリシジル型、塩素化型、レゾルシ
ン型等のエポキシ樹脂、油変性、湿気硬化ブロック化ポ
リウレタン樹脂の一液型、触媒硬化ポリオール硬化ポリ
ウレタン樹脂の二液型等のポリウレタン樹脂、有機溶剤
型、水性型、無溶媒型等のアクリル酸エステル、メタク
リル酸エステルを主単量体とするアクリル樹脂が挙げら
れる。これらの液状コーティング剤のうちポリシロキサ
ン、非環状脂肪族型及び環状脂肪族型のエポキシ樹脂、
メタアクリル酸エステルのような無溶媒型のアクリル樹
脂が好ましく、その中でも、常温〜150℃で硬化する
環状脂肪族型のエポキシ樹脂、メタアクリル酸エステル
のような無溶媒型のアクリル樹脂が特に好ましい。液状
コーティング剤は、25℃で通常50〜50000cp
s程度の粘度を有するものが使用できるが、使用に際し
て溶剤で希釈することもできる。また、本発明は、液状
コーティング剤の硬化を促進する目的で、通常の硬化剤
を併用することもできる。
【0023】エポキシ樹脂の硬化剤としては、例えば、
ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テト
ラエチレンペンタミン、2,4,6−トリス(ジメチル
アミノメチル)フェノール、メタキシリレンジアミン等
のアミン系、無水フタル酸、無水ヘキサヒドロフタール
酸、無水メチルナジック酸、無水ピロメリット酸等の酸
無水物、ポリアミド樹脂およびこれら混合物等が挙げら
れる。またアクリル樹脂の硬化剤としては、例えば、ジ
クルミルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシ
ド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペル
オキシ)ヘキサン、ベンゾイルペルオキシド、ラウロク
ルペルオキシ等の有機ペルオキシドこれらの混合物が挙
げられる。
【0024】液状コーティング剤は、ポリプロピレン系
樹脂パウダー100重量部に対して、0.1〜8重量
部、好ましくは0.2〜5重量部配合され、併用する硬
化剤は、液状コーティング剤100重量部に対して、酸
無水物は通常100重量部以下、アミン系、ペルオキシ
ド系は3重量部配合される。上記のような薬剤を配合し
て発泡性組成物を製造するに当たっては、通常、(B)
のポリプロピレン系樹脂パウダーに熱分解型発泡剤を配
合し、次いで液状コーティング剤を配合する。
【0025】本発明の複合発泡成形体は、(A)の熱可
塑性エラストマーパウダー組成物から成形されてなる非
発泡層と、(B)ポリプロピレン系樹脂パウダーに
(C)熱分解型発泡剤または(C)熱分解型発泡剤と
(D)液状コーティング剤を配合した発泡性組成物から
成形された発泡層とを一体化して成形されるが、成形す
るに当たっては、粉末成形法が採用される。かかる粉末
成形法としては、流動浸漬法、粉末焼結法、静電塗装
法、粉末溶射法、粉末回転成形法、粉末スラッシュ成形
法( 特開昭58-132507 公報 )等が挙げられるが、特に粉
末スラッシュ成形法を採用することが好ましい。
【0026】粉末スラッシュ成形を採用した場合は、例
えば、 (1) (A)の熱可塑性エラストマーパウダーを必要量入
れた開口部を有する容器と、パウダーの溶融温度より充
分高温に加熱された開口部を有する金型とを、開口部を
合わせて固定するか、金型内中空部へ固定して一体化
し、これを回転および/または揺動させることによりパ
ウダーを容器から金型内各部へ迅速に供給し、付着、溶
融させ、余剰のパウダーを容器中へ排出する工程、
【0027】(2) 次いで、発泡性組成物を必要量入れた
開口部を有する容器と、該組成物の溶融温度より充分高
温に加熱された前記(1) 工程にて得られた非発泡層を有
する金型とを、開口部を合わせて固定するか、金型内中
空部へ固定して一体化し、回転および/または揺動させ
ることにより発泡性組成物を容器から非発泡層内の各部
へ迅速に供給し、付着、溶融させ、余剰のパウダー組成
物を容器中へ排出する工程、
【0028】(3) 次いで、(2) より得られた成形体を加
熱発泡させる工程により複合発泡成形体を製造すること
ができる。
【0029】粉末成形法に使用される金型加熱方式は、
特に制限されるものではなく、例えば、ガス加熱炉方
式、熱媒体油循環方式、熱媒体油または熱流動砂内への
浸漬方式あるいは高周波誘導加熱方式等が挙げられ、溶
融したパウダー組成物を発泡させる際にも、これらの加
熱源を利用することができる。本発明の非発泡層の成形
温度は、通常160〜300℃であり、好ましくは、1
80〜280℃である。成形時間は、特に制限されるも
のではなく、成形体の大きさ、成形体の厚み等により適
宜選択される。また本発明の発泡層を発泡させる温度
は、通常180〜280℃であり、好ましくは180〜
260℃である。発泡時間は、特に制限されるものでは
なく、発泡層の厚みや発泡倍率により適宜選択される。
【0030】
【発明の効果】かくして、複合発泡成形体が得られる
が、本発明によれば、複雑な形状が賦形された非発泡層
と、セルが均一でしかも高発泡倍率の発泡層とが一体化
された複合発泡成形体を製造し得、しかも大型で残留歪
みの小さい複合発泡成形体を製造し得る。加えて、軽量
性、クリーン性に優れた複合発泡成形体を提供できる。
本発明の複合発泡成形体は、上記のような優れた性質を
有するので、種々の分野において使用される。
【0031】例えば自動車分野では、インストルメント
パネル、コンソールボックス、アームレスト、ヘッドレ
スト、ドアトリム、リアパネル、ピラートリム、サンバ
イザー、トランクルームトリム、トランクリッドトリ
ム、エアーバック収納ボックス、シートバックル、ヘッ
ドライナー、グローブボックス、ステアリングホイール
カバー、天井材等の内装表皮材、キッキングプレート、
チェンジレバーブーツ、天井材等の内装成形体、スポイ
ラー、サイドモール、ナンバープレートハウジング、ミ
ラーハウジング、エアダムスカート、マッドガード等の
自動車外装部品に適する。
【0032】また、家電・OA機器分野においては、例
えば、テレビ、ビデオ、洗濯機、乾燥機、掃除機、クー
ラー、エアコン、リモコンケース、電子レンジ、トース
ター、コーヒーメーカー、ポット、ジャー、食器洗い
器、電気カミソリ、ヘアードライヤー、マイク、ヘッド
ホーン、ビューティー器具、CD・カセット収納箱、パ
ーソナルコンピューター、タイプライター、映写機、電
話、コピー機、ファクシミリ、テレックス等の表皮材及
びハウジングに適する。
【0033】スポーツ用品分野においては、例えば、ス
ポーツシューズ装飾部品、各種球技のラケット、スポー
ツ機器・用品のグリップ、自転車、二輪車、三輪車のサ
ドル表皮及びハンドルグリップ等に適する。
【0034】建築・住宅分野において、例えば、家具、
机、椅子等の表皮材、門、扉、塀等の表皮材、壁装飾材
料、天井装飾材料、カーテンウォールの表皮材、台所、
洗面所、トイレ等の屋内用床材、ベランダ、テラス、バ
ルコニー、カーポート等の屋外床材、玄関マット、テー
ブルクロス、コースター、灰皿敷等の敷物に適する。
【0035】工業用品分野においては、例えば、電動工
具類のグリップ、ホース及びその表皮材、パッキング材
料に適する。上記以外にも、例えば、かばん、ケース
類、ファイル、手帳、アルバム、文房具、カメラボディ
ー、人形やその他玩具等の表皮材、また時計バンド等の
成形体、額の外枠及びその表皮材に適する。
【0036】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。
【0037】なお、実施例、比較例における複合発泡成
形体の表皮側と発泡側の外観、複合発泡成形体の厚み、
発泡層セルの状態及び発泡層の発泡倍率は次のとおり評
価した。複合発泡成形体の表皮側の外観 表皮層を目視により観察し、下記のように評価した。 ○: 溶融性が良く、ピンホールが認められない。 ×: 溶融性が悪く、ピンホールが認められる。複合発泡成形体の発泡側の外観 発泡層を目視により観察し、下記のように評価した。 ○: 厚みのむらがなく、均一に発泡している。 △: 厚みのむらがあるが、ほぼ均一に発泡している。 ×: 厚みのむらが大きく、不均一に発泡している。 ××: ほとんど発泡していない。複合発泡成形体の厚み 非発泡層と発泡層の厚みを東洋精機製ダイヤルゲージに
より測定した。
【0038】発泡層セルの状態 発泡体断面を目視により観察し、下記のように評価し
た。 ○: セルが均一である。 △: セルがやや不均一である。 ×: セルが不均一である。発泡層の発泡倍率 発泡倍率は次式により算出した。 発泡倍率=非発泡層の密度/発泡層の密度 なお、発泡層の密度は東洋精機製作所製の密度計(Dens
imeter-H)を用いて水中で測定した。
【0039】また、熱分解型発泡剤の分解温度は、次の
とおり測定した。毛細管に試料を入れ、融点測定装置
(柳本製作所MP型)で2℃/分で昇温し、試料が発泡
を開始する温度を分解温度として測定した。また、熱可
塑性エラストマー組成物の動的粘弾性は、次のとおり測
定した。レオメトリックス社製ダイナミックアナライザ
ー RDS−7700型を用いて、250 ℃における周波数1
ラジアン/秒および100 ラジアン/秒での動的粘弾性
を、平行平板モード、加歪み5%で測定し、複素動的粘
度η* (1) とη* (100) とを算出した。
【0040】実施例1 EPDM(ML1+4 100℃=242、プロピレン含量
=28重量%、ヨウ素価=12)100重量部あたり鉱
物油系軟化剤(出光興産製、登録商標ダイアナプロセス
PW─380)100重量部を添加した油展EPDM
(ML1+4 100℃=53)40重量部と、プロピレン
─エチレンランダム共重合体樹脂(エチレン含量=5重
量%、MFR=85g/10分)60重量部及び架橋助
剤(住友化学製、登録商標スミファインBM─ビスマレ
イミド化合物)0.4重量部をバンバリーミキサーを用
いて10分間混練した後、押出機を用いてペレット状の
架橋用のマスターバッチ(以下M.B.と称する)とし
た。このM.B.100重量部に対し、有機過酸化物
(三建化工製、登録商標サンペロックスAPO(2,5
−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)ヘ
キサン) 0.04重量部を添加し、2軸混練機(日本
製鋼所製、登録商標TEX─44)を用いて220℃で
動的架橋を行ない、エラストマー組成物ペレットを得
た。このペレットを液体窒素を用いて−100℃の温度
に冷却後、冷凍粉砕を行ない複素動的粘度η* (1)が
3.1×103 ポイズ、ニュートン粘性指数nが0.2
4である粉末成形用熱可塑性エラストマーパウダーを得
た。このパウダーの99重量%がタイラー標準篩の32
メッシュ篩を通過した。
【0041】300℃のギヤーオーブン中でニッケル製
平板シボ付金型(30cm×30cm)を加熱した。金型の
表面温度が220℃になった時、上記粉末成形用熱可塑
性エラストマーパウダーを5秒間ふりかけた。過剰のパ
ウダーを排出した後、直ちにプロピレン−ブテンランダ
ム共重合体樹脂パウダー(住友化学製 BH190G 、ブテン
含量24%、MFR 79.1g /10 分、平均粒径133 μm) 100重
量部に対して熱分解型発泡剤アゾ化合物 セルマイクC
AP−250(三協化成製、主成分:アゾジカルボンア
ミド、分解温度145℃)2.5 重量部配合してなる発泡
性樹脂パウダー組成物を20秒間ふりかけ、過剰のパウ
ダー組成物を排出した。さらに、この金型を雰囲気温度
220℃のギヤーオーブンに入れ、60秒間加熱し、組
成物を発泡させた。次に金型をギヤーオーブンから取り
出し、水冷して複合発泡成形体を金型から脱型させた。
複合発泡成形体の評価結果を表1に示す。
【0042】実施例2 実施例1において、発泡性樹脂パウダー組成物における
プロピレン−ブテンランダム共重合体樹脂パウダーの代
わりにプロピレン−エチレンランダム共重合体樹脂パウ
ダー(住友化学製 RW160、エチレン含量 5重量%、MFR
116.5g/10 分、平均粒径 138μm)を用いる以外は実施例
1に準拠して複合発泡成形体を製造した。評価結果を表
1に示す。
【0043】実施例3 実施例1において、発泡性樹脂パウダー組成物における
プロピレン−ブテンランダム共重合体樹脂パウダーの代
わりにプロピレン−エチレンランダム共重合体樹脂パウ
ダー(住友化学製 RW130、エチレン含量 3重量%、MFR
78g/10 分、平均粒径 168μm)を用いる以外は実施例1
に準拠して複合発泡成形体を製造した。評価結果を表1
に示す。
【0044】実施例4 実施例1において、発泡性樹脂パウダー組成物における
プロピレン−ブテンランダム共重合体樹脂パウダーの代
わりにホモポリプロピレンパウダー(住友化学製 FL801
3 、MFR 132.1g/10 分、平均粒径 137μm)を用いる以外
は実施例1に準拠して複合発泡成形体を製造した。評価
結果を表1に示す。
【0045】実施例5 プロピレン−ブテンランダム共重合体樹脂(ブテン含量
=24重量%、MFR=90g/10分)60重量部用
い、また実施例1における油展EPDMを40重量部用
いた以外は、実施例1と同一条件で、複素動的粘度η*
(1)が6.9×103 ポイズ、ニュートン粘性指数n
が0.39である粉末成形用熱可塑性エラストマーパウ
ダーを得た。このパウダーはタイラー標準篩の32メッ
シュ篩を99重量%通過した。このパウダーと同様のパ
ウダー100重量部に対して、実施例1と同様の熱分解
型発泡剤を5重量部配合して発泡性熱可塑性エラストマ
ーパウダー組成物を得た。以下、実施例1と同様の条件
で複合発泡成形体を製造し、複合発泡成形体の評価結果
を表1に示す。
【0046】実施例6 プロピレン−エチレンランダム共重合体樹脂(エチレン
含量=3重量%、MFR=60g/10分)50重量部
用い、また実施例1における油展EPDMを40重量部
を50重量部とする以外は、実施例1と同一条件で、複
素動的粘度η*(1)が3.4×104 ポイズ、ニュー
トン粘性指数nが0.59である粉末成形用熱可塑性エ
ラストマーパウダーを得た。このパウダーはタイラー標
準篩の32メッシュ篩を99重量%通過した。このパウ
ダーと同様のパウダー100重量部に対して、実施例1
と同様の熱分解型発泡剤を5重量部配合して発泡性熱可
塑性エラストマーパウダー組成物を得た。以下、実施例
1と同様の条件で複合発泡成形体を製造し、複合発泡成
形体の評価結果を表1に示す。
【0047】比較例1 プロピレン−エチレンランダム共重合体樹脂(エチレン
含量=3重量%、MFR=10g/10分)50重量部
用い、また実施例1における油展EPDMを40重量部
を50重量部とする以外は、実施例1と同一条件で、複
素動的粘度η*(1)が2.3×105 ポイズ、ニュー
トン粘性指数nが0.76である熱可塑性エラストマー
パウダーを得た。このパウダーの99重量%がタイラー
標準篩の32メッシュ篩を通過した。以下、実施例1と
同様の条件で複合発泡成形体を製造し、複合発泡成形体
の評価結果を表1に示す。
【0048】比較例2 EPDM(ML1+4 100℃=86、プロピレン含量=
50重量%、ヨウ素価=8)60重量部とEPM(ML
1+4 100℃=143、プロピレン含量=53重量%)
20重量部とホモポリプロピレン(MFR=10g/10分)
20部とをバンバリーミキサーで混練した。このもの1
00重量部当たりサンペロックスAPO0.28重量部添加
して、2軸混練機で動的架橋してエラストマー組成物ペ
レットを得た。これを実施例1と同様にして粉砕するこ
とにより、複素動的粘度η* (1)が5.7×105
イズ、ニュートン粘性指数nが0.79である熱可塑性
エラストマーパウダーを得た。このパウダーの99重量
%がタイラー標準篩の32メッシュ篩を通過した。以
下、実施例1と同様の条件で複合発泡成形体を製造し
た。評価結果を表1に示す。
【0049】比較例3 EPDM(ML1+4 100℃=145、プロピレン含量
=36重量%、ヨウ素価=10)100重量部当たり鉱
物油系軟化剤(ダイアナプロセス PW-380)40重量部添
加した油展EPDM(ML1+4 100℃=78)52重
量部、ホモポリプロピレン(MFR=20g/10分)27 重量
部、プロピレン−ブテンランダム共重合体(ブテン含量
24%、MFR=4g/10分)21 重量部、架橋剤( スオファ
インBM)0.2 重量部をバンバリーミキサーで混練し
た。こののもの100 重量部当たり、有機過酸化物( 三建
化工製 サンペロックスTY−1,3)0.23重量部を添
加して、2軸混練機で動的架橋してエラストマー組成物
ペレットを得た。これを実施例1と同様にして粉砕する
ことにより、複素動的粘度η* (1)が1.9 ×105
イズ、ニュートン粘性指数nが0.83である熱可塑性
エラストマーパウダーを得た。このパウダーの99重量
%がタイラー標準篩の32メッシュ篩を通過した。以
下、実施例1と同様の条件で複合発泡成形体を製造し
た。評価結果を表1に示す。
【0050】比較例4 実施例1において、プロピレン−ブテンランダム共重合
体樹脂パウダーの代わりにポリプロピレン樹脂パウダー
(住友精化製 フローバック B-200、MFR 0.5g/10 分、
平均粒径 454μm)を用いる以外は実施例1に準拠して複
合発泡成形体を製造した。評価結果を表1に示す。
【0051】実施例7 実施例1において、熱分解型発泡剤 セルマイクCAP
−250の代わりに、セルマイクS(三協化成株式会社
製、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラ
ジド)を2.5 重量部用いる以外は、実施例1に準拠して
実施して複合発泡成形体をした。評価結果を表1に示し
た。
【0052】実施例8 実施例2において、発泡性樹脂パウダー組成物として、
実施例2で用いたと同じプロピレン−エチレンランダム
共重合体樹脂パウダー100重量部に対して、実施例2
で用いたと同じ熱分解型発泡剤 2.5量部、酢酸エチル2
0mlにて希釈した液状コーティング剤(大日本インキ化
学工業製、登録商標モノサイザーTD-1500 ;トリメチ
ロールプロパンメタアクリレート) 0.5重量部、ジク
ミルペルオキシド( 三建化工製、登録商標サンペロック
ス DC-98) 0.005 重量部をメチルエチルケトン 10ml に
溶解して配合した組成物を用いる以外は実施例2と同様
にして複合発泡成形体を製造した。 評価結果を表1に
示す。
【0053】実施例9 実施例2において、発泡性樹脂パウダー組成物として、
実施例2で用いたと同じプロピレン−エチレンランダム
共重合体樹脂パウダー100重量部に対して、実施例2
で用いたと同じ熱分解型発泡剤 2.5重量部、液状コーテ
ィング剤(住友化学工業株式会社製、登録商標スミエポ
キシ ELA115;エピクロヒドリンとビスフェノー
ルAから重合した環状脂肪族型エポキシ樹脂)0.5重
量部及び硬化剤トリエチレンテトラミン0.05重量部
配合した組成物を用いる以外は実施例2と同様にして複
合発泡成形体を製造した。 評価結果を表1に示す。
【0054】
【0055】
【0056】実施例10 実施例1と同様にして得られた熱可塑性エラストマーパ
ウダーに白色顔料(住化カラー製、White PV-742)1.
0重量部配合した着色性の熱可塑性エラストマーパウダ
ー(樹脂粉末5000g)を容量20リットルのスーパ
ーミキサーに供給し、500rpmで10分間混合し、
粉末成形用熱可塑性エラストマーパウダー組成物(非発
泡層用)の白色物5050gを得た。
【0057】また、実施例1と同様にして得られた発泡
性樹脂パウダー組成物に顔料(住化カラー製、White PV
-742 0.7重量部、Black PV-817 0.3重量部を混
合)1.0重量部配合し、グレーに着色した発泡性樹脂
パウダー組成物5150gを得た。
【0058】図1〜図3に示すステンレス製の角型容器
(粉末供給ボックス)を2台用意し、1台に非発泡層用
の熱可塑性エラストマーパウダー組成物を、また他の1
台に発泡性樹脂パウダー組成物をそれぞれ4000g供
給した。この角型容器は600mm×220mmの長方形の
開口部1を有し、深さが210mmであり、一軸回転装置
3に取り付けたものである。
【0059】一方、図1に示す粉末供給ボックスの開口
部1と、同じ大きさの開口部4を有する、図4〜図6に
示すニッケル電鋳金型を300℃のガス炉中で予備加熱
した。この金型は、厚さ3mmであり、内面がなわ目模様
5及び皮しぼ模様6の施された複雑形状を有するもので
ある。金型の表面温度が250℃になった時点で、直ち
に加熱された金型をその開口部4(600mm×220m
m)が下向きになるように、上記非発泡層用の熱可塑性
エラストマーパウダー組成物を充填した粉末供給ボック
スの開口部1に合わせて置き、双方の開口部のまわりに
取り付けられている外枠を密着させ、クリップ2で固定
し一体化した。
【0060】金型の表面温度が220℃になった時、直
ちに非発泡層用の熱可塑性エラストマーパウダー組成物
を充填した粉末供給ボックスを180°回転し、金型に
パウダーを3秒間接触させて融着させた。直ちに粉末供
給ボックスを180°回転して元に戻し、複雑形状部に
付着した過剰のパウダーを粉末供給ボックスに払い落と
した。直ちに、非発泡層を形成した金型の開口部4が下
向きになるようにして、その金型の開口部4を、発泡性
熱可塑性エラストマーパウダー組成物の入った粉末供給
ボックスの開口部1に合わせて置き、双方の開口部のま
わりに取り付けられている外枠を密着させ、クリップ2
で固定し一体化した。この時の金型の表面温度は189
℃であった。
【0061】直ちに、発泡性熱可塑性エラストマーパウ
ダー組成物が入った粉末供給ボックスを180°回転
し、金型にパウダー組成物を15秒間接触させて融着さ
せた。次いで、粉末供給ボックスを180°回転して元
に戻し、複雑形状部に付着した過剰のパウダー組成物を
粉末供給ボックスに払い落とした。金型の開口部4が下
向きの状態で、粉末供給ボックスから金型を取外した。
引続き、200℃の加熱炉中で金型を1分間、後加熱し
たのち、直ちに水冷し成形体を脱型した。
【0062】得られた複合発泡成形体は、非発泡層が1
20g、厚み0.7mmであり、発泡層が110g、厚み
3.3mm、発泡倍率4.0倍であった。非発泡層は欠肉
やピンホールがなく、なわ目模様、皮しぼ模様が忠実に
再現されていた。また、発泡層は均一な発泡セルを有し
ていた。
【0063】
【図面の簡単な説明】
【図1】粉末供給ボックスの平面図である。
【図2】粉末供給ボックスの立面図である。
【図3】粉末供給ボックスの側面図である。
【図4】金型の平面図である。
【図5】金型の立面図である。
【図6】金型の側面図である。
【符号の説明】
1・・・開口部 2・・・クリップ 3・・・一軸回転装置(ハンドル) 4・・・開口部 5・・・金型内なわ目模様部 6・・・金型内皮しぼ模様部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B29L 31:58 (72)発明者 日笠 忠 千葉県市原市姉崎海岸5の1 住友化学 工業株式会社内 (72)発明者 妻鳥 浩昭 千葉県市原市姉崎海岸5の1 住友化学 工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−228947(JP,A) 特開 平5−473(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 B29C 41/00 - 41/52 B29C 44/00 - 44/60

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(A)の熱可塑性エラストマーパウダ
    ー組成物から成形されてなる非発泡層と、(B)ポリプ
    ロピレン系樹脂パウダーに(C)熱分解型発泡剤または
    (C)熱分解型発泡剤と(D)液状コーティング剤を配
    合した発泡性組成物から成形された発泡層とを一体化し
    てなる複合発泡成形体。(A)エチレン・α−オレフィ
    ン系共重合体ゴムとポリオレフィン系樹脂との組成物か
    らなる熱可塑性エラストマーのパウダーまたはエチレン
    ・α−オレフィン系共重合体ゴムとポリオレフィン系樹
    脂との部分架橋型組成物からなる熱可塑性エラストマー
    のパウダーであって、250℃における周波数1ラジア
    ン/秒での複素動的粘度η*(1)が1.5×105ポイ
    ズ以下であり、かつ上記複素動的粘度η*(1)と周波
    数100ラジアン/秒での複素動的粘度η*(100)と
    を用いて次式で算出されるニュートン粘性指数nが0.
    67以下である熱可塑性エラストマーパウダー。 n={logη*(1)−logη*(100)}/2
  2. 【請求項2】ポリプロピレン系樹脂パウダー(B)とし
    て、メルトフローレートが3g/10分以上のポリプロ
    ピレン系樹脂パウダーを用いた請求項1記載の成形体。
  3. 【請求項3】下記(A)の熱可塑性エラストマーパウダ
    ー組成物からなる非発泡層と、(B)ポリプロピレン系
    樹脂パウダーに(C)熱分解型発泡剤または(C)熱分
    解型発泡剤と(D)液状コーティング剤を配合した発泡
    性組成物からなる発泡層とを粉末成形法により一体成形
    した後、加熱することを特徴とする複合発泡成形体の製
    造方法。(A)エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴ
    ムとポリオレフィン系樹脂との組成物からなる熱可塑性
    エラストマーのパウダーまたはエチレン・α−オレフィ
    ン系共重合体ゴムとポリオレフィン系樹脂との部分架橋
    型組成物からなる熱可塑性エラストマーのパウダーであ
    って、250℃における周波数1ラジアン/秒での複素
    動的粘度η*(1)が1.5×105ポイズ以下であり、
    かつ上記複素動的粘度η*(1)と周波数100ラジア
    ン/秒での複素動的粘度η*(100) とを用いて次式
    で算出されるニュートン粘性指数nが0.67以下であ
    る熱可塑性エラストマーパウダー。 n={logη*(1)−logη*(100)}/2
  4. 【請求項4】ポリプロピレン系樹脂パウダー(B)とし
    て、メルトフローレートが3g/10分以上のポリプロ
    ピレン系樹脂パウダーを用いた請求項3記載の複合発泡
    成形体の製造方法。
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