JP3128783B2 - 渦電流制動機の回転体温度推定方法および装置並びにこの装置を用いた渦電流制動機の作動制御装置 - Google Patents

渦電流制動機の回転体温度推定方法および装置並びにこの装置を用いた渦電流制動機の作動制御装置

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JP3128783B2
JP3128783B2 JP07285796A JP28579695A JP3128783B2 JP 3128783 B2 JP3128783 B2 JP 3128783B2 JP 07285796 A JP07285796 A JP 07285796A JP 28579695 A JP28579695 A JP 28579695A JP 3128783 B2 JP3128783 B2 JP 3128783B2
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coil
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光義 大場
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
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    • Y02T10/64Electric machine technologies in electromobility

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  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
  • Dynamo-Electric Clutches, Dynamo-Electric Brakes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば車両の制動に用
いられ、渦電流リターダ等とも称される電磁制動手段に
設けられている回転体の温度を推定する方法および装置
に関するとともに、この推定装置を用いて推定された回
転体の温度に基づいて作動制御を行う渦電流制動機の作
動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】渦電流制動機(渦電流リターダ)は従来
からよく知られており、これらは特にトラック等のよう
な大型車両に広く用いられている。この渦電流リターダ
は、例えば、長い下り坂を下る走行を行う場合に用いら
れ、サービスブレーキ(運転者がブレーキペダルを踏み
込んで操作するブレーキ)の使用頻度を低下させ、運転
者のブレーキ作動負担軽減、サービスブレーキの摩耗抑
制、寿命向上といった効果が得られるものである。
【0003】渦電流リターダは、変速機からアクスルシ
ャフトまでの動力伝達経路中に配設され、図2および図
3にその構成の一例を示すように、車体70に固定保持
される固定部と、出力軸およびプロペラシャフト45等
とともに回転する回転部とから構成されている。
【0004】固定部には、鉄等によって形成された芯部
材51b〜58bとこの芯部材に巻き付けられた渦電流
発生コイル51a〜58aとからなる電磁石10が放射
状に複数配設されている。回転部は、有底筒状に形成さ
れた回転ドラム(回転体)47を有しており、この回転
ドラム47における筒状部が電磁石10を覆って出力軸
等とともに回転するようになっている。
【0005】このように構成された渦電流リターダ40
においては、車両の走行中に運転者が作動状態とさせる
ことにより車両の制動がなされるが、この制動に伴って
回転ドラム47の温度が上昇する。回転ドラム47の温
度が600°C以上の高温となると、回転ドラム47に
悪影響を与えるおそれがあるとともに、渦電流リターダ
40の周辺に配設された機器へ悪影響を与えるおそれが
生じる。
【0006】そこで、回転ドラム47および渦電流発生
コイル51a〜58aに温度センサを取り付け、回転ド
ラム47の温度が所定温度(上限温度)になったときに
は、各温度センサの検出値に基づいてコントローラによ
り渦電流発生コイル51a〜58aへの通電を制御し、
回転ドラム47が高温にならないようにしていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、コント
ローラは車体70側に配設されているため、回転ドラム
47に取り付けられた温度センサの検出結果をコントロ
ーラに送信するためには、スリップリングやテレメータ
等が必要になり、製作コストが上昇するとともに、スリ
ップリングの摩耗等による検出値の精度低下を生じるお
それがあった。また、回転部に温度センサを配設すると
センサ自体の劣化が早くなり、特に先端の検出部がガラ
ス製のセンサを用いた場合には、劣化がより早くなると
いう問題があった。
【0008】そこで、本出願人は特開平3−23920
0号公報に開示するように、回転部には温度センサを設
けずに回転ドラムの近傍に温度センサを設け、回転ドラ
ム近傍の雰囲気温度を測定することにより回転ドラムの
温度を推定する方法を提案した。しかしながら、このよ
うな構成としても、回転ドラムの回転により生ずる風
や、回転ドラムを冷却するために冷却用エアを吹き付け
た場合にはこのエアの影響等によって温度センサにおけ
る計測誤差が大きくなるという問題を生じる。
【0009】本発明はこのような問題に鑑みてなされた
ものであり、渦電流制動機における回転ドラム等の回転
体自体および回転体の近傍に温度センサを設けることな
く、回転体の温度を推定する方法および装置を提供する
とともに、この回転体の温度を推定する装置を用いた渦
電流制動機の作動制御装置を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段および作用】このような目
的達成のため、本発明に係る渦電流制動機の回転体温度
推定方法においては、電磁石のコイルの実コイル温度お
よび回転体の実回転数を検出し、渦電流制動機の作動状
態における電磁石のコイル温度と回転体の回転数とに応
じて予め設定された回転体の温度上昇率テーブルから実
コイル温度および実回転数に対応する現在の推定温度上
昇率を算出する。そして、現在の推定温度上昇率を用い
て回転体の推定温度を更新補正することにより回転体の
推定温度を求める。
【0011】このような回転体温度推定方法によれば、
実コイル温度が高いときは電磁石のコイルを流れる電流
値が下がるため、渦電流制動機が作動状態にあるときの
単位時間当りの回転体の発熱量(ジュール熱)が小さく
なる。また、回転体の回転数が高くなっても回転体の発
熱量が大きくなる。このため、電磁石のコイル温度と回
転体の回転数に応じて温度上昇率テーブルを予め設定し
ておけば、実コイル温度および実回転数から現在の推定
温度上昇率を算出することができ、この推定温度上昇率
を用いて更新補正することにより、回転体の実際の温度
を直接測定することなく回転体の温度(上昇時の温度)
を正確に推定することができる。
【0012】従って、温度上昇率テーブルの設定を電磁
石のコイルに流れるコイル電流値と回転体の回転数とに
応じて設定し、実コイル温度の検出に代えて電磁石のコ
イルに流れる実コイル電流値を検出することにより回転
体の温度を推定してもよい。
【0013】さらに、渦電流制動機の作動状態における
回転体の回転数に応じて予め設定された回転体の温度下
降率テーブルから実回転数に対応する現在の推定温度下
降率を算出し、現在の推定温度下降率を用いて回転体の
推定温度を更新補正することにより回転体の推定温度を
求めるようにしてもよい。
【0014】すなわち、回転体の回転数の上昇に伴って
回転体の熱伝達率が上昇するため、回転体の回転数が高
ければ単位時間当りの放熱量が多くなり、推定温度下降
率が上昇する。このため、回転体の回転数に応じて温度
下降率テーブルを予め設定しておけば、実回転数から現
在の推定温度下降率を算出することができ、この推定温
度下降率を用いて更新補正することにより、回転体の実
際の温度を直接測定することなく回転体の温度(下降時
の温度)を正確に推定することができる。
【0015】また、本発明に係る渦電流制動機の回転体
温度推定装置は、電磁石のコイルの実コイル温度を実コ
イル温度検出手段によって検出するとともに回転体の実
回転数を実回転数検出手段によって検出し、渦電流制動
機が作動状態にあるときの電磁石のコイルの温度と回転
体の回転数とに応じて予め設定された回転体の温度上昇
率テーブルを上昇率記憶手段に記憶させる。上昇率記憶
手段に記憶された温度上昇率テーブルに基づいて、実コ
イル温度検出手段の検出結果および実回転数検出手段の
検出結果から上昇率算出手段によって推定温度上昇率を
算出し、この推定温度上昇率を用いて回転体温度算出手
段により推定温度を更新補正して回転体の推定温度を求
める。
【0016】このように構成された回転体温度推定装置
によれば、記憶手段にはコイル温度の変動に伴って変化
するとともに回転数によっても変化する回転体の温度上
昇率テーブルが記憶されている。このため、実コイル温
度および実回転数を検出することにより、温度上昇率テ
ーブルに基づいて上昇率算出手段による推定温度上昇率
の算出を行うことができ、回転体温度算出手段によって
推定温度上昇率を用いて推定温度を更新補正すれば回転
体の温度を推定することができる。
【0017】なお、上記の回転体温度推定装置における
実コイル温度検出手段に代えて実コイル電流値検出手段
を設け、この実コイル電流値検出手段により検出された
電磁石のコイルに流れる実コイル電流値を用いて上昇率
算出手段による推定温度上昇率の算出を行うようにして
もよい。なお、この場合には、温度上昇率テーブルの設
定も電磁石のコイルに流れるコイル電流値に応じてなさ
れる。
【0018】さらに、渦電流制動機が作動停止状態にあ
るときの回転体の回転数に応じて回転体の温度下降率テ
ーブルを予め設定して下降率記憶手段に記憶させ、実回
転数検出手段の検出結果から温度下降率テーブルに基づ
いて下降率算出手段により推定温度下降率を算出するよ
うにし、回転体温度算出手段によって推定温度下降率を
用いて更新補正することにより回転体の推定温度を求め
るように回転体温度推定装置を構成してもよい。
【0019】このように構成された回転体温度推定装置
によれば、渦電流制動機が作動停止状態にあるときに
は、回転体は発熱せず冷却が行われるのみであり、回転
体はその回転数が高くなるほど温度下降率が高くなる。
このため、回転体の回転数に応じた温度下降率テーブル
を下降率記憶手段に記憶させておき、実回転数検出手段
の検出結果から下降率算出手段によって推定温度下降率
を算出し、回転体の推定温度を下降率算出手段により算
出した推定温度下降率を用いて回転体温度算出手段によ
って更新補正すれば回転体の推定温度を求めることがで
きる。
【0020】また、本発明に係る渦電流制動機の作動制
御装置は、前記の回転体温度推定装置のうちのいずれか
を用いて構成し、さらには、上限温度到達検出手段によ
って回転体温度算出手段により推定された回転体の温度
が予め設定された上限温度に達したか否かを検出すると
ともに、上限温度到達検出手段により上限温度に達した
ことが検出されたときに通電制御手段によって電磁石の
コイルへの通電を制御するようにしている。
【0021】このように構成された渦電流制動機の作動
制御装置によれば、上限温度に達した後は、コイルへの
通電を制御することにより、回転体における発熱量を抑
えることができ、回転体の温度が上限温度以上に上昇し
ないようにすることができる。このため、渦電流制動機
自体や渦電流制動機の周辺機器への熱による悪影響を与
えなくすることができる。
【0022】また、上記のように構成された渦電流制動
機の作動制御装置のいずれかにおいて、回転体の推定温
度が上限温度に達したときは、通電制御手段が回転体の
温度を上限温度で保持するに適した通電制御を行うよう
に構成してもよい。なお、この通電制御の内容は、回転
体の回転数およびコイル温度もしくはコイル電流値に応
じて予め定められている。そして、この定められた制御
内容で、通電時間の制御(デューティー比制御)や、電
流、電圧等の制御がなされる。
【0023】このような構成とすることにより、回転体
の推定温度が上限温度に達したときに推定温度と回転体
の実際の温度との間に差がある場合であっても、所定時
間後には回転体の実際の温度を上限温度に保持すること
ができる。
【0024】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の好ましい実施
例について説明する。下記の実施例においては、渦電流
制動機は、車両の動力伝達経路中(例えば、変速機から
アクスルシャフトまでの動力伝達経路)に配設されるも
のであり、いわゆる渦電流リターダと称される。従っ
て、渦電流リターダにおける回転ドラムが請求の範囲に
記載の「回転体」を構成し、本発明に係る回転体温度推
定方法により回転ドラムの温度を推定し、本発明に係る
回転体温度推定装置を用いた渦電流制動機の作動制御装
置(渦電流リターダ作動制御装置)により回転ドラムの
温度を推定して渦電流リターダの作動制御を行うもので
ある。
【0025】渦電流リターダ作動制御装置は図1に示す
ように構成される。この装置が搭載される車両には、運
転者が足で踏み込んで操作するフートブレーキ(サービ
スブレーキ)に加えて、動力伝達経路中に配設される渦
電流リターダ40が備えられている。
【0026】渦電流リターダ40の作動制御はコントロ
ーラ20により行われる。この作動制御を行うため、コ
ントローラ20には、(1)回転ドラム47の回転数を
検出するために車両の走行速度を検出する車速センサ1
0からの検出信号、(2)渦電流リターダ40を作動状
態(制動状態)とさせるか作動停止状態とさせるか否か
の切換を行うリターダ作動スイッチ30からの検出信
号、(3)渦電流発生コイル51a〜58aの温度を検
出するコイル温度センサ59からの検出信号が入力され
る。コントローラ20は上記各入力信号に基づいて、渦
電流リターダ40の作動制御を行う。
【0027】渦電流リターダ40は、図2および図3に
示すように構成され、変速機の出力軸上もしくはこれに
繋がるプロペラシャフト上に配設され、ここを介して伝
達される駆動を制動する。この渦電流リターダ40は、
車体70に固定保持される固定ハウジング41、これに
結合されたブラケット42、このブラケット42に取り
付けられた複数の電磁石51〜58等からなる固定部
と、固定ハウジング41にベアリング44a,44bを
介して回転自在に保持されたシャフト45、このシャフ
ト45の両端に連結されたフランジカップリング46
a,46b、フランジカップリング46aに結合された
回転ドラム47等からなる回転部とから構成される。
【0028】固定部を構成するブラケット42は円筒部
を有し、この円筒部の外周面上にほぼ等間隔で放射状に
8個の電磁石51〜58がボルト51c〜58cにより
取り付けられている。各電磁石51〜58は、それぞれ
鉄等の強磁性材料から作られた芯部材51b〜58b
と、この芯部材51b〜58bに巻き付けられた渦電流
発生コイル51a〜58aとから構成される。
【0029】一方、回転部を構成するシャフト45の両
端には、これと同芯にスプラインによりフランジカップ
リング46a,46bが連結されており、回転ドラム4
7の内周端部がフランジカップリング46aにボルト結
合されている。回転ドラム47の円筒状部が電磁石10
を覆っており、この状態で、芯部材51b〜58bの外
周側端面は、回転ドラム47の内周面に近接対向して位
置する。なお、回転ドラム47の円筒状部外周には複数
の放熱フィン47aが形成され、さらに、この円筒状部
の中央には径方向に貫通して、内部の高温空気を排出す
るための複数の放熱孔47bが形成されている。
【0030】以上の構成の渦電流リターダにおいて、フ
ランジカップリング46a,46bは変速機出力軸もし
くはこれに繋がるプロペラシャフトに連結され、回転部
はこれら出力軸およびプロペラシャフトとともに回転す
る。この状態で、電磁石51〜58の渦電流発生コイル
51a〜58aが通電されると芯部材51b〜58b内
にその軸方向(渦電流リターダの半径方向)に磁束が発
生し、この磁束はその延長方向に流れて回転ドラム47
の円筒状部を横切る。このため、回転ドラム47の円筒
状部に渦電流が発生し、この渦電流の作用により回転ド
ラム47の回転方向とは逆の制動トルクが発生して、回
転が制動される。
【0031】渦電流リターダ40を作動させて回転ドラ
ム47の制動を行うと吸収エネルギWiが回転ドラム4
7に蓄積され、回転ドラム47の温度が上昇する。ここ
で、ドラム温度が上昇すると前述のような不具合が生じ
るため、下記の方法で回転ドラム47の温度を推定し、
ドラム推定温度Tdが所定温度以上とならないように制
御する。
【0032】吸収エネルギWiは、(1)式より求めら
れる。
【0033】
【式1】 Wi=N・E・n・k・τ/Rto(1+a(tc−to))…(1)
【0034】ここで、N=回転ドラムの回転数、E=電
圧、n=渦電流発生コイルのコイル巻数、k=係数、τ
=渦電流リターダの作動時間、Rto=20°Cのときの
渦電流発生コイルのコイル抵抗値、a=係数、tc=渦
電流発生コイルのコイル温度(°C)、to=20°C
である。
【0035】また、リターダ40がオフ状態となると、
放出エネルギWoによりドラム温度が降下する。なお、
放出エネルギWoは、(2)式により求められる。
【0036】
【式2】Wo=A・h(To−Ta)・T…(2)
【0037】ここで、A=回転ドラム47の表面積、h
=熱伝達率、To=雰囲気温度、Ta=実際のドラム温
度、T=経過時間 である。なお、熱伝達率hは、回転
ドラム47の回転数の関数である。
【0038】回転ドラム47の温度上昇率は、Wi+W
oで決まり、回転ドラム47の温度下降率は、Woのみ
で決まる。なお、Woは通常−(マイナス)の値とな
る。従って、回転ドラム47の温度上昇率を求めるに
は、ドラム回転数とコイル温度の組合せ毎に、単位時間
あたりの回転ドラム47の推定温度上昇率ΔTを入力デ
ータとして予め取得しておき、実際のドラム回転数(以
下「実回転数」と称する)Nと、実際にドラム温度の推
定を行う渦電流リターダに設けられた渦電流発生コイル
51a〜58aのコイル温度(以下「実コイル温度」と
称する)Tc((1)式におけるtcに相当)とから推
定温度上昇率ΔTを求め、この推定温度上昇率ΔTを単
位時間毎に初期値T0もしくは直前のドラム推定温度T
d′に加算(更新補正)することにより上昇時のドラム
温度を推定する(ドラム推定温度Tdを求める)ことが
できる。なお、ここで初期値T0とは、渦電流リターダ
40の作動開始時の回転ドラム47の温度で雰囲気温度
に対応して決まる温度である。
【0039】実コイル温度Tcの検出は渦電流リターダ
40における回転ドラム47の温度上昇率の変化率を得
るためになされる。すなわち、渦電流発生コイル51a
〜58aの温度が上昇すると、各コイル51a〜58a
の抵抗値が増加する。抵抗値が増加すると各コイル51
a〜58aに流れる電流値が小さくなるため、発熱量も
少なくなり、回転ドラム47の温度上昇率が小さくな
る。したがって、実コイル温度Tcの検出に代えて渦電
流発生コイル51a〜58aに流れる電流値を検出する
ようにしてもよい。
【0040】また、回転ドラム47の温度下降率を求め
るには、単位時間当りの回転ドラム47の推定温度下降
率−ΔTをデータとして予め取得しておき、実際回転数
Nから推定温度下降率−ΔTを求め、この下降率−ΔT
を直前のドラム推定温度Td′から減算(更新補正)す
ることにより冷却時のドラム温度を推定することができ
る。
【0041】すなわち、図4に示すように、渦電流リタ
ーダ40が作動(ON)状態にあるとき、直前のドラム
推定温度Td′が初期値T0であるとすると、所定時間
経過後の推定温度上昇率ΔTを加算することにより、時
間t1における回転ドラム47の推定温度は、T1である
と求められる。従って、時間t3経過時における推定温
度T3は、T3=T0+ΔT1+ΔT2+ΔT3と求められ
る。
【0042】また、渦電流リターダ40が作動停止(O
FF)状態にあるとき、直前のドラム推定温度Td′が
T3であるとすると、所定時間経過後の推定温度下降率
ΔTを減算することにより、t4における回転ドラム4
7の推定温度は、T1′であると求められる。従って、
時間t6経過時における推定温度T3′は、T3′=T3−
ΔT1′−ΔT2′−ΔT3′となる。
【0043】次ぎに、この推定方法を実行する一例であ
る渦電流制動機の回転体温度推定装置によりドラム推定
温度Tdを求め、この求められた結果に基づいてリター
ダ40の作動制御を行う場合について説明する。リター
ダ40の作動制御は、図5および図6に示すフローチャ
ートに基づいて行われる。
【0044】この制御ではまず、ステップS2において
初期ドラム温度T0が設定される。ここで、初期ドラム
温度T0は、50°Cに設定される。なお、初期ドラム
温度T0は、前述のように雰囲気温度に対応するもので
あり、雰囲気温度に応じて適宜変更するほうが好まし
い。
【0045】次いで、ステップS4に進み、リターダ作
動スイッチ30がオンか否かの判断がなされる。このス
イッチ30がオフのときにはステップS16に進んで、
このモードの下での作動制御がなされる。この作動制御
については後述する。
【0046】スイッチ30がオンのときにはステップS
6に進んで、リターダ40の作動に伴うドラム推定温度
Tdの更新を行う。このステップS6における制御は、
上述のドラム温度推定方法による温度の推定を行うもの
であり、その構成は本発明に係る回転体温度推定装置に
係るものである。ステップS6における制御は図5に示
すフローチャートに基づいて行われる。
【0047】ステップS6では、まずステップS62に
おいてコイル温度センサ59による渦電流発生コイル5
1a〜58aの実コイル温度Tcの検出がなされるとと
もに、車速センサ10による車速Vの検出がなされる。
なお、回転ドラム47の回転数Nは車速Vの関数である
ため、車速Vを検出することにより(1)式におけるN
を求めることができる。
【0048】ステップS62において推定温度上昇率Δ
Tが求められた後は、ステップS64に進んでドラム推
定温度Tdを求める。ドラム温度の推定は、直前のドラ
ム推定温度Td′に推定温度上昇率ΔTを加えることに
よってなされる。その後ステップS66において1秒待
って終了し、ステップS8に進む。
【0049】ここで、コイル温度センサ59および車速
センサ10の検出値に基づくドラム温度変化率ΔTの求
め方について説明する。ドラム温度変化率ΔTは、図7
に示すように所定のコイル温度tcおよび車速Vにおい
て予め設定された温度上昇率テーブル1〜12に基づ
き、図8に示す各テーブルにおける直前のドラム推定温
度(更新前のドラム温度)Td′から求められる。この
温度上昇率テーブルは、コントローラ20内の上昇率記
憶手段に記憶されている。
【0050】本実施例においては、車速Vが100,8
0,60,50km/hであるときに、コイル温度tc
が50,100,150°Cであるときの計12の組合
せのテーブル1〜12を設定している。
【0051】そして、テーブル1においては、実際のド
ラム温度TDが320,475,575°Cのときの推
定温度上昇率ΔTを18.0,10.3,6.7°Cと
し、テーブル2においては、ドラム温度TDが280,
400,480°Cのときの推定温度上昇率ΔTを1
5.3,8.0,5.3°Cとし、テーブル3において
は、ドラム温度TDが280,400,480°Cのと
きの推定温度上昇率ΔTを15.3,8.0,5.3°C
とし、テーブル4においては、ドラム温度TDが28
0,400,460°Cのときの推定温度上昇率ΔTを
15.3,8.0,4.0°Cとしている。
【0052】なお、上記の各推定温度上昇率ΔTは、ド
ラム温度50〜550°Cまで、15秒ごとの1秒間あ
たりの推定温度上昇率を、ドラム回転数Nを変化させる
とともにコイル温度tcを測定して実際に求めたもので
ある。
【0053】ここで、更新前のドラム推定温度Td′、
実コイル温度Tcおよび車速Vが図6および図7に示す
値と異なる値である場合の推定温度上昇率ΔTの算出方
法について説明する。このような場合の推定温度上昇率
ΔTの算出は、コイル温度tcや車速Vの近いデータか
ら補間して、コントローラ20内に設けられた上昇率算
出手段により求める。例えば、更新前のドラム推定温度
Td′=300°C、実コイル温度Tc=75°C、車
速V=90km/hである場合について説明する。
【0054】まず、次式に示すようにテーブル1および
2からコイル温度tcによる補間を行う。なお、下記の
各式における各々の単位の記載は省略する。
【0055】
【式3】(18.0−8.0)×(75−50)/(10
0−50)+8.0=13.0
【0056】次いで、同様に次式に示すようにテーブル
4および5からコイル温度tcによる補間を行う。
【0057】
【式4】(8.0−8.0)×(75−50)/(100
−50)+8.0=8.0
【0058】さらに上記の結果に基づいて、次式のよう
に車速Vによる補間を行う。
【0059】
【式5】(13.0−8.0)×(90−80)/(10
0−80)+8.0=10.5
【0060】従って、推定温度上昇率ΔTは10.5°
Cと算出される。次いで、コントローラ20内に設けら
れた回転体温度算出手段により、更新前のドラム推定温
度Td′=300°Cに推定温度上昇率ΔT=10.5
°Cを加算(更新補正)すれば、更新後のドラム温度T
dは、300+10.5=310.5°Cと求められる。
【0061】このようにしてステップS6においてドラ
ム推定温度Tdが求められた後は、ステップS8に進ん
でドラム推定温度Tdが予め定められた目標温度(上限
温度)に達したか否かが判断される。なお、本実施例に
おいては、目標温度は550°Cに設定される。
【0062】ドラム推定温度Tdが550°C未満の場
合には、ステップS4に戻ってリターダ40の作動に伴
うドラム推定温度Tdの更新を行う。そして、ドラム推
定温度Tdが550°Cに達したと判断された場合に
は、ステップS10に進んで、コントローラ20に設け
られた通電制御手段によりリターダ40の通電を制御
し、ドラム推定温度Tdを550°Cに保持する制御が
なされる。
【0063】この制御は、渦電流発生コイル51a〜5
8aへの通電を、予め求めておいた制御率(回転ドラム
47の温度を550°Cに保持するために要求される制
御率)でデューティー比制御することによりなされる。
なお、このデューティー比制御に際しては、実コイル温
度Tcが参酌される。すなわち、実コイル温度Tcが高
くなると渦電流発生コイルに流れる電流値が少なくなる
ため、回転ドラム47の温度上昇率が少なくなる。従っ
て、実コイル温度Tcが高いときには、低いときに比べ
て通電時間が長くなるような制御を行う。
【0064】このような制御を行うことにより、渦電流
リターダ40においては回転ドラム47の温度を550
°Cにすることができ、且つ、この状態において最も大
きい制動トルクを得ることができる。
【0065】ステップS10においてリターダ40のデ
ューティー比制御がなされた場合には、ステップS12
に進んで、リターダ作動スイッチ30がオンか否かの判
断がなされる。スイッチ30がオンのときには再度ステ
ップS10に戻って、リターダ40のデューティー比制
御を行いドラム推定温度Tdを550°Cに維持する制
御を繰り返す。
【0066】ここで、ドラム推定温度Tdを550°C
に維持する制御としては、上記のようなデューティー比
制御(通電時間の制御)に限られるものではなく、電流
や電圧等の制御でもよい。さらには、通電時間や電流等
の一の要件のみを制御してもよいが、複数の要件を併せ
て制御してもよい。
【0067】このような制御を行うことにより、ドラム
推定温度Tdが550°Cに達したと判断された直後
は、ドラム推定温度Tdの演算中での累積誤差により実
際のドラム温度とドラム推定温度Tdとの間に差が生じ
た場合(実際のドラム温度の方が高いかもしくは低くな
った場合)であっても、ドラム推定温度Tdを550°
Cに維持する通電制御を行うので、実際のドラム温度も
550°Cにすることができる。
【0068】このようにしてデューティー比制御がなさ
れている状態において、スイッチ30がオフされたとき
にはステップS14に進んで、目標温度をドラム推定温
度Tdに設定する。すなわち、デューティー比制御がな
されている状態からスイッチ30がオフされた場合に
は、目標温度(すなわち、冷却時の基準となる直前のド
ラム推定温度Td′)は550°Cとなる。
【0069】このとき、上述のように実際の回転ドラム
47の温度を550°Cにするデューティー比制御が行
われているので、以下の冷却状態における温度推定時に
おいて正しい初期値を用いることができる。
【0070】そして、ステップS4に戻ってリターダ作
動スイッチ30がオンか否かの判断がなされ、スイッチ
30がオンのときにはステップS6に進んで、前記の制
御を行う。また、スイッチ30がオフのときにはステッ
プS16に進んで、冷却状態におけるドラム推定温度T
dの更新がなされる。
【0071】これにより、渦電流リターダ40およびそ
の周辺機器に悪影響を与えるような回転ドラム47の温
度上昇を防止することができるとともに、冷却時のドラ
ム温度の推定を行う場合に、基準となる直前のドラム推
定温度Td′と実際のドラム温度との間に誤差が無いた
め、正確なドラム推定温度Tdを求めることができる。
【0072】ステップS16における冷却状態における
ドラム推定温度Tdの更新は、温度下降率テーブルが記
憶された温度下降率記憶手段、下降率算出手段および回
転体温度算出手段によってなされる。これらの各手段
は、コントローラ20に設けられている。そして、温度
下降率テーブルに基づいて車速Vから推定温度降下率−
ΔTを算出し、直前の推定温度Td′から推定温度降下
率−ΔTを減算する(回転体温度算出手段による更新補
正をする)ことにより、冷却時のドラム推定温度Tdを
求める。
【0073】ドラム推定温度Tdが求められたら、ステ
ップS18に進み、ドラム推定温度Tdが初期ドラム温
度(下限温度)T0に達したか否かの判断がなされる。
なお、ここで初期ドラム温度T0は前記のように50°
Cに設定されている。初期ドラム温度T0に達したと判
断された場合には、これ以上のドラム推定温度Tdの更
新は行われず、すなわち、ドラム推定温度として初期ド
ラム温度T0を保持し、ステップS2に戻って前記の制
御が繰り返される。また、初期ドラム温度T0に達して
いないと判断された場合には、ステップS4に戻って初
期ドラム温度T0になるまでドラム推定温度Tdの更新
がなされる。
【0074】次いで、図9を参照して上記フローチャー
トに基づく実行例について説明する。この例は、本発明
に係る渦電流リターダ作動制御装置により作動制御され
るリターダ40を設けた車両が、(d)に示すように標
高200mの地点から標高0mの地点まで坂を下る場合
において、車両の運転者が坂道において(c)に示すよ
うにリターダ作動スイッチ30をオン作動させて、80
km/hの車速Vを維持して車両を走行させる場合の例
である。なお、各グラフにおける横軸は、車両の走行時
間(走行距離)である。
【0075】標高200mの地点を80km/hで走行
してきた車両が30秒間で高低差40mの坂を下る場
合、運転者によりリターダ作動スイッチ30がオン作動
されると、ステップS2〜ステップS8までの制御を繰
り返すことにより、(a)において実線で示すようにド
ラム推定温度Tdの更新を行う((b)におけるAゾー
ンの制御)。なお、初期ドラム温度T0が50°Cであ
る状態から80km/hに相当するドラム回転数Nで3
0秒間リターダ40による制動を行った場合、ドラム推
定温度Tdは400°Cとなる。
【0076】その後、標高160mの地点で道路が水平
になった場合、リターダ作動スイッチ30をオフ作動す
ると、ステップS4,ステップS16,ステップS18
の制御を、リターダ作動スイッチ30がオン作動される
まで繰り返し、冷却状態におけるドラム推定温度Tdの
更新を行う((b)におけるB1ゾーンの制御)。そし
て、リターダ40による制動を行わずに1分間80km
/hで走行した場合には、ドラム推定温度Tdは200
°Cと求められる。
【0077】次いで、Aゾーンにおける制御と同様に、
C1ゾーンにおいて80km/hに相当するドラム回転
数Nで30秒間リターダ40による制動を行った場合、
直前のドラム推定温度Td′は200°Cであるため、
ドラム推定温度Tdは450°Cとなる。
【0078】さらに、B1ゾーンにおける制御と同様
に、1分間の冷却をB2ゾーンにおいて行う。この場
合、直前のドラム推定温度Td′が高い分だけ冷却時の
温度も高くなるため、ドラム推定温度Tdは240°C
と求められる。
【0079】その後、C2およびB3ゾーンにおいて、リ
ターダ40のオン作動およびオフ作動を行うことによ
り、ドラム推定温度Tdは450°Cまで上昇して24
0°Cまで下降したと推定される。
【0080】この状態(標高80mの位置にある状態)
から、1分間で高低差80mの坂を下る場合、Dゾーン
に示すように、45秒間リターダ40を作動させた状態
において、ドラム推定温度Tdが550°Cとなり、目
標温度(上限温度)に達することとなる。従って、Eゾ
ーンに示すようにフローチャートのテップS10におけ
るリターダ40のデュティー比制御がなされ、ドラム推
定温度Tdを550°Cに保持する。
【0081】なお、上記のようにリターダ40がデュテ
ィー比制御されている状態では、車両の制動トルクが減
少する。このため、Eゾーンにおける制御時において
は、必要に応じてサービスブレーキ(フットブレーキ)
も併用し((c)において斜線で示す部分)、車速Vを
80km/hに維持させるための制動力を確保する。
【0082】そして、坂を下り終わって平地走行に移っ
た場合には、リターダ作動スイッチ30をオフ作動さ
せ、B1〜B3ゾーンにおける制御と同様の冷却状態にお
けるドラム推定温度Tdの推定制御をFゾーンにおいて
繰り返し行う。なお、ドラム推定温度Tdが初期ドラム
温度T0(50°C)と等しいか、もしくは初期ドラム
温度T0よりも低くなったときは、ドラム推定温度Td
を50°Cに設定する。
【0083】ここで、初期温度を50°Cと設定したの
は、便宜上設定したわけであるが、実際の雰囲気温度も
50°Cから大きく変化することはない。しかしなが
ら、ドラム推定温度Tdをより正確に求める場合には、
実際の雰囲気温度を測定してその測定結果を初期温度と
すればよい。
【0084】以上のような制御を行うことにより、
(a)において実線で示すようにドラム推定温度Tdの
更新がなされる。このときの実際の回転ドラム47の温
度は破線で示すように、若干の誤差があってもドラム推
定温度Tdの変化に沿って同じ傾向で変化する。なお、
この誤差のためにデューティー比制御がなされる直前に
おいて、図示のように実際のドラム温度が600°Cま
で上昇しているような場合でも、デューティー比制御は
ドラム温度を550°Cに設定する制御であるため、実
際の制御もデューティー比制御中に550°Cまで下降
して維持され、リターダ40およびその周辺機器に悪影
響を与えるおそれがない。
【0085】なお、図7においてテーブル1〜12を求
めるために定めたコイル温度tcおよび車速Vは、必ず
しも図に表した条件に限られるものではなく、リターダ
40が配設される車両の種類や電磁石の構成等の変化に
よって適宜変更されるものである。従って、テーブルの
数も必ずしも12に限られるものではない。また、図8
(a)〜(d)に示す各テーブルにおけるドラム推定温
度Tdおよびこれらのドラム推定温度Tdに対応する推
定温度上昇率ΔTも、図示されている値以外に設定して
ももちろんよい。
【0086】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の渦電流制
動機の回転体温度推定方法によれば、電磁石のコイルの
実コイル温度もしくはコイルの実電流値と回転体の回転
数とから、回転体の温度を推定することができるため、
回転体の温度を直接測る必要がなく、回転体の温度を正
確に把握することができる。
【0087】また、本発明の渦電流制動機の回転体温度
推定装置によれば、回転体の温度を直接測る温度検出手
段が不要であるため、回転体から車体等の固定部側に検
出温度情報を伝達するためのスリップリング等の温度情
報伝達手段も不要となり、安価に回転体の温度を知るこ
とができる。さらに、温度検出手段により検出を行うの
は電磁石のコイルの温度であるため、温度検出に際して
風等の影響を受けることが少なく、推定温度の誤差を少
なくすることができる。なお、回転体の周囲の温度を測
る必要もないため、この点からも回転体温度推定装置を
安価に製作することができる。
【0088】また、上記の渦電流制動機の回転体温度推
定装置を用いて、上限温度に達したときにコントローラ
により電磁石のコイルへの通電を制御するように渦電流
制動機の作動制御装置を構成してもよく、このように構
成した場合には、安価に且つ正確に回転体の上限温度以
上の温度上昇を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る渦電流リターダ作動制御装置の構
成を示すブロック図である。
【図2】この制御装置により制御される渦電流リターダ
を示す正面図である。
【図3】この制御装置により制御される渦電流リターダ
を示す断面図である。
【図4】本発明に係る回転体温度推定方法の概念を示す
温度変化のグラフである。
【図5】この制御装置による作動制御の内容を示すフロ
ーチャートである。
【図6】この制御装置による作動制御の内容を示すフロ
ーチャートである。
【図7】この制御装置における温度上昇率テーブルを示
す。
【図8】前記温度上昇率テーブルの各テーブルにおける
推定温度上昇率を示す。
【図9】本発明に係る渦電流リターダ作動制御装置によ
る実行例を示すグラフである。
【符号の説明】
20 コントローラ 40 渦電流リターダ 47 回転ドラム 51〜58 電磁石 51a〜58a 渦電流発生コイル

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強磁性材料で形成した回転体および電磁
    石を有し、前記電磁石から発生する磁束を横切るように
    前記回転体を配設し、前記回転体内に発生する渦電流に
    より前記回転体の回転を制動するように構成した渦電流
    制動機において、 前記電磁石のコイルの実コイル温度を検出し、 前記回転体の実回転数を検出し、 前記渦電流制動機が作動状態にあるときに、前記渦電流
    制動機の作動状態における前記電磁石のコイル温度と前
    記回転体の回転数とに応じて予め設定された前記回転体
    の温度上昇率テーブルから前記実コイル温度および前記
    実回転数に対応する現在の推定温度上昇率を算出し、 前記回転体の推定温度を前記現在の推定温度上昇率を用
    いて更新補正することにより前記回転体の推定温度を求
    めることを特徴とする渦電流制動機の回転体温度推定方
    法。
  2. 【請求項2】 前記実コイル温度に代えて前記電磁石の
    コイルに流れる実コイル電流値を検出し、 前記渦電流制動機が作動状態にあるときに、前記渦電流
    制動機の作動状態における前記電磁石のコイルに流れる
    コイル電流値と前記回転体の回転数とに応じて予め設定
    された前記回転体の温度上昇率テーブルから前記実コイ
    ル電流値および前記実回転数に対応する現在の推定温度
    上昇率を算出することを特徴とする請求項1に記載の渦
    電流制動機の回転体温度推定方法。
  3. 【請求項3】 前記渦電流制動機が作動停止状態にある
    ときに、前記渦電流制動機の作動停止状態における前記
    回転体の回転数に応じて予め設定された前記回転体の温
    度下降率テーブルから前記実回転数に対応する現在の推
    定温度下降率を算出し、 前記回転体の推定温度を前記現在の推定温度下降率を用
    いて更新補正することにより前記回転体の推定温度を求
    めることを特徴とする請求項1もしくは請求項2に記載
    の渦電流制動機の回転体温度推定方法。
  4. 【請求項4】 強磁性材料で形成した回転体および電磁
    石を有し、前記電磁石から発生する磁束を横切るように
    前記回転体を配設し、前記回転体内に発生する渦電流に
    より前記回転体の回転を制動するように構成した渦電流
    制動機において、 前記電磁石のコイルの実コイル温度を検出する実コイル
    温度検出手段と、 前記回転体の実回転数を検出する実回転数検出手段と、 前記渦電流制動機が作動状態にあるときの前記電磁石の
    コイルの温度と前記回転体の回転数とに応じて予め設定
    された前記回転体の温度上昇率テーブルを記憶した上昇
    率記憶手段と、 この上昇率記憶手段に記憶された前記温度上昇率テーブ
    ルに基づいて、前記実コイル温度検出手段の検出結果お
    よび前記実回転数検出手段の検出結果から推定温度上昇
    率を算出する上昇率算出手段と、 前記回転体の推定温度を前記上昇率算出手段により算出
    した推定温度上昇率を用いて更新補正することにより前
    記回転体の推定温度を求める回転体温度算出手段とから
    なることを特徴とする渦電流制動機の回転体温度推定装
    置。
  5. 【請求項5】 前記実コイル温度検出手段に代えて前記
    電磁石のコイルに流れる実コイル電流値を検出する実コ
    イル電流値検出手段を有し、 前記上昇率記憶手段に記憶させる温度上昇率テーブルを
    前記電磁石のコイル温度に代えて前記電磁石のコイルに
    流れるコイル電流値に応じて予め設定された温度上昇率
    テーブルとし、 前記実コイル温度検出手段の検出結果に代えて前記実コ
    イル電流値検出手段の検出結果から前記上昇率算出手段
    により推定温度上昇率の算出を行うことを特徴とする請
    求項4に記載の渦電流制動機の回転体温度推定装置。
  6. 【請求項6】 前記渦電流制動機が作動停止状態にある
    ときの前記回転体の回転数に応じて予め設定された前記
    回転体の温度下降率テーブルを記憶した下降率記憶手段
    と、 この下降率記憶手段により記憶された温度下降率テーブ
    ルに基づいて、前記実回転数検出手段の検出結果から推
    定温度下降率を算出する下降率算出手段とを有し、 前記回転体温度算出手段が、前記回転体の推定温度を前
    記下降率算出手段により算出した推定温度下降率を用い
    て更新補正することにより前記回転体の推定温度を求め
    ることを特徴とする請求項4もしくは請求項5に記載の
    渦電流制動機の回転体温度推定装置。
  7. 【請求項7】 前記回転体温度算出手段によって推定さ
    れた前記回転体の温度が予め設定された上限温度に達し
    たか否かを検出する上限温度到達検出手段と、 この上限温度到達検出手段により上限温度に達したこと
    が検出されたときに前記電磁石のコイルへの通電を制御
    する通電制御手段とを有していることを特徴とする請求
    項4から請求項6のいずれかに記載の回転体温度推定装
    置を用いた渦電流制動機の作動制御装置。
  8. 【請求項8】 前記回転体の推定温度が前記上限温度に
    達したときは、前記通電制御手段が、前記回転体の温度
    を上限温度で保持するに適した通電制御を行うことを特
    徴とする請求項7に記載の渦電流制動機の作動制御装
    置。
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