JP3127220B2 - 測位方法 - Google Patents

測位方法

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JP3127220B2
JP3127220B2 JP09050470A JP5047097A JP3127220B2 JP 3127220 B2 JP3127220 B2 JP 3127220B2 JP 09050470 A JP09050470 A JP 09050470A JP 5047097 A JP5047097 A JP 5047097A JP 3127220 B2 JP3127220 B2 JP 3127220B2
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貞雄 諫山
益庸 田代
健二 井澗
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Furuno Electric Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、GPS衛星など
の測位用衛星から発信される信号を受信して測位を行う
測位方法に関する。
【0002】
【従来の技術】GPS衛星が発信するGPS信号を用い
た測位方法において、誤差要因としては、衛星の時計誤
差,衛星の軌道誤差,電離層・対流圏遅延誤差,受信機
雑音,マルチパス,選択利用性(SA),利用者等価距
離誤差,利用者位置精度などがある。2つの観測点で衛
星との距離の差を観測する相対測位を行うことによっ
て、このうち、衛星の時計誤差,衛星の軌道誤差などが
キャンセルされ、電離層・対流圏遅延誤差はL1帯,L
2帯を同時に観測することによって補正することができ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、マルチパスは、
GPS信号が何らかの山や海面などの遮蔽物に反射した
反射波が直接波と一緒に入信することによる誤差であ
り、これが大きいときには数メートルの誤差原因となる
場合があり、精度の高い観測を行うために障害になって
いた。しかし、マルチパスは、アンテナの位置が少しで
も変わるとその状況が全くことなるため、相対測位で2
点で観測を行って差し引きしてもこれを消去することが
できなかった。
【0004】マルチパスの影響を防止するためには、観
測位置の選択や観測する衛星を仰角の高いものに限定す
るなどの対策があるが、観測条件が必ずしもこれを満足
できる場合のみではないため、マルチパス誤差を少なく
するために長時間観測して衛星の位置を動かし、マルチ
パスの条件を変化させて平均化することによってキャン
セルしていた。しかし、この方法では観測に時間がかか
るという問題点があった。
【0005】また、GPS測位では観測点にアンテナを
設置することが条件であるが、急な斜面や樹木の間など
アンテナを設置することが不可能または困難な場所もあ
り、たとえば、樹木の間では極めて高い塔を立てて、そ
の上にアンテナを設置するなどの労力が払われていた。
【0006】この発明は、短時間の観測でマルチパスに
よる誤差を除去することができ、観測点にGPS受信機
を設置できない場合にも観測を可能にした測位方法を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この出願の請求項1の発
明は、第1の観測点から第2の観測点までの距離または
方位を測定する測位方法であって、前記第2の観測点近
傍に、該第2の観測点までの距離・方位を示す補助ベク
トルが既知の補助点を複数設定し、前記第1の観測点お
よび前記複数の補助点にそれぞれ測位用受信機を設け、
前記複数の測位用受信機を同じ時間帯に動作させてデー
タ収集し、前記第1の観測点で収集したデータと前記各
補助点で収集したデータを用いて前記第1の観測点と前
記各補助点の間の基線ベクトルを示す補助基線ベクトル
を求め、この補助基線ベクトルに前記補助ベクトルを加
算することによって第1の観測点から第2の観測点まで
の仮基線ベクトルを複数求め、このようにして求められ
た複数の仮基線ベクトルの全部または一部を平均化
て、前記第1の観測点から第2の観測点までの基線ベク
トルを決定することを特徴とする。
【0008】この出願の請求項2の発明は、観測点近傍
に、該観測点までの距離・方位を示す補助ベクトルが既
知の補助点を複数設定し、前記各補助点で同時に測位用
衛星による測位を行い、該測位結果から前記補助ベクト
ルを加算することによって前記観測点の位置の候補を複
数割り出し、これら候補の全部または一部を平均化して
前記観測点の位置を決定することを特徴とする。
【0009】請求項1の発明は、第1の観測点と第2の
観測点との間の相対測位に関するものであり、第1の観
測点に測位用受信機を設け、第2の観測点については、
その近傍に複数の補助点を設定してこの補助点に測位用
受信機を設ける。この補助点と第2の観測点との間の方
位・距離(補助ベクトル)は事前に測定されており既知
である。なお、この補助点に第2の観測点そのものが含
まれていてもよいものとする。いずれにしても第2の観
測点に関しては複数の測位用受信機が設けられる。これ
らの測位用受信機を同じ時間帯に同時に動作させてデー
タを収集する。そして、収集されたデータを用いて第1
の観測点と第2の観測点の補助点との基線ベクトル(補
助基線ベクトル)を求める。この補助基線ベクトルは従
来より一般的な相対測位の演算により行えばよい。この
補助基線ベクトルに前記補助ベクトルを加算して、取り
合えず第1の観測点と第2の観測点の基線ベクトルとし
て求められる仮基線ベクトルが求められる。この仮基線
ベクトルは第2の観測点に関して設定されている補助点
の数だけ求められる。これらの仮基線ベクトルは、それ
ぞれ対応する補助点に生じているマルチパスの影響を受
けた誤差を含んでいるが、補助点毎にマルチパスの状態
は全く異なると考えられ、これらを平均化することによ
って、この誤差をキャンセルすることができる。これに
より、長時間観測して測位用衛星が移動することによる
マルチパスの状態変化を待つ必要がなくなり、短時間の
観測で正確な相対測位を行うことができる。
【0010】また、第2の観測点に測位用受信機(アン
テナ)を設置することができない場合でも、その周辺の
設置可能な場所にアンテナを設置して観測することがで
き、複数の補助点に測位用受信機を設置することによ
り、観測点そのものに受信機を設置することができない
という誤差発生要因を補償することができる。
【0011】請求項2の発明は、単独測位,相対測位の
両方に適用可能なものであり、観測点の近傍に複数の補
助点を設定してこの補助点に測位用受信機を設ける。こ
の補助点と前記観測点との間の方位・距離(補助ベクト
ル)は事前に測定されており既知である。なお、この補
助点に観測点そのものが含まれていてもよいものとす
る。いずれにしても複数の地点に測位用受信機を設けて
測位を行う。これらの測位用受信機を同じ時間帯に同時
に動作させてデータを収集する。相対測位の場合には、
相手方の観測点の測位用受信機も同時に動作させてデー
タを収集する。
【0012】この収集されたデータに基づいて各補助点
の位置を決定し、この位置と前記補助ベクトルに基づい
て観測点の位置の候補を求める。この候補は補助点の数
だけ求められる。これらの候補は、それぞれ対応する補
助点に生じているマルチパスの影響を受けた誤差を含ん
でいるが、補助点毎にマルチパスの状態は全く異なると
考えられ、これらを平均化することによって、この誤差
をキャンセルすることができる。これにより、長時間観
測して測位用衛星が移動することによるマルチパスの状
態変化を待つ必要がなくなり、短時間の観測で正確な測
位を行うことができる。
【0013】なお、請求項1の発明と請求項2の発明を
総合すれば、相対測位の場面において、2つの観測点の
両方に補助点を設定することを含むものであり、その場
合に、求められる補助基線ベクトルの数は第1の補助点
の数×第2の補助点の数だけ求められる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、この発明の相対測位方法
を適用した測量場面におけるGPS受信機の設置形態を
示す図である。この図は、観測点A,観測点B間の基線
ベクトルを求める測量の場面を示している。観測点A,
観測点B間の基線ベクトルを求める場合、一般的には観
測点A,観測点BにGPS受信機を設置して相対測位を
行うが、観測点A,観測点Bが、たとえば、近傍に山な
どがありマルチパスの影響が大きい場合、これら観測点
の周辺の補助点に複数のGPS受信機を設置し、各補助
点に生じるそれぞれ異なるマルチパスを合成・平均化す
ることによって、これをキャンセルするようにしてい
る。また、観測点A,観測点Bが高い樹木に覆われた場
所、急な斜面などGPS受信機を設置することが不可能
または極めて困難な場所である場合、このように観測点
から外れた場所に補助点を設定してGPS受信機を設置
することによって、測量を可能にしている。なお、いず
れの場合でも観測点と補助点との方位・距離(補助ベク
トル)は事前に計測されており、既知であるものとす
る。
【0015】この図では、観測点A側に補助点A1,A
2,A3が設けられ、観測点B側に補助点B1,B2,
B3が設けられており、それぞれGPS受信機が設置さ
れている。観測点Aと補助点A1,A2,A3との間の
距離・方位(補助ベクトル)、および、観測点Bと補助
点B1,B2,B3との間の距離・方位(補助ベクト
ル)はそれぞれ事前に計測されているものとし、これら
をそれぞれ補助ベクトルa1,a2,a3,b1,b
2,b3とする。観測点と補助点との距離は、数メート
ルから100メートル程度の範囲であるため、この計測
は巻き尺や一般的な光学測量で行えばよい。なお、この
図では、観測点A,観測点BにGPS受信機を設けてい
ないが、設置が不可能または困難でなければ観測点上に
GPS受信機を設置しても何ら差し支えない。
【0016】図2は上記補助点に設置されるGPS受信
機の機能ブロック図である。上記測量場面では、全ての
GPS受信機が同じ時間帯にGPS信号を受信して搬送
波移相値の積算を行う必要があるため、以下のような構
成をしている。GPS受信機1はGPS信号を受信する
アンテナ2、アンテナから入力される信号を解析してG
PS信号を取り出すGPS受信部3、GPS受信部3が
取り出したGPS信号を記録するデータ記録部4、GP
S衛星の信号状態や配置などのデータ収集条件に応じて
GPS受信部3やデータ記録部4を制御する記録制御部
5、および、記録制御部5にデータ記録部4に対してG
PSデータを記録するために必要な衛星の条件(データ
収集条件)を設定する操作部6からなっている。
【0017】GPS受信部3は8チャンネル〜16チャ
ンネルの受信チャンネルを有しており、このチャンネル
と同数のGPS信号を同時に捕捉・信号を受信すること
ができる。操作部6は記録制御部5に対して以下のデー
タ収集条件を設定することができる。なお、各条件の右
欄に記載した内容は当該条件の標準的な値である。
【0018】衛星の仰角 …… 15度以上 必要な衛星の数 …… 5個以上 PDOP …… 6 以下 上記条件の継続時間 …… 30分以上 装置設置時間帯 …… 9時0分〜18時0分 衛星の仰角は、マルチパスなどの誤差要因の少ない良質
の信号を受信するために最低限必要な衛星の仰角であ
る。必要な衛星の数は、相対測位における位置決定とそ
の確認のために最小限必要な受信衛星の個数である。P
DOP(Position Dilution Of
Precision)は、3次元測位を行ううえでの精
度の低下率であり、上記5個以上の衛星の位置関係によ
り決定される。また、上記条件の継続時間は、誤差の平
均化および衛星の移動による整数値バイアスの除去のた
めに最低限必要な継続受信時間である。なお、この継続
時間とは、同一の衛星の組み合わせで上記条件を満たす
ことができる時間を意味する。装置設置時間帯は、複数
の補助点に設置される全てのGPS受信機が動作可能な
時間帯である。これは、GPS受信機が設置され電源が
オンされている時間帯は各補助点毎にずれがあるが、同
じ記憶容量のデータ記憶部4に同じ時間帯のデータを記
録するために、全てのGPS受信機で動作時間をそろえ
る必要があるからである。
【0019】データ記録部4は、テープ記録装置や半導
体メモリにデータを記録すればよい。半導体メモリとし
ては、内蔵メモリや着脱自在のICカードなどを用いる
ことができる。同図では記録媒体として着脱自在のIC
カード7を用いている。ICカードであれば、解析装置
のICカードスロットにこれを挿入することによって記
録したデータの転送を行うことができる。
【0020】上記装置を図1の補助点に設置する場合、
各装置に対して以下の作業を行う。まず、操作部6を操
作して記録制御部5にデータ収集条件を設定する。この
条件は上述したような内容のものであり、各装置に同一
の条件を設定する。各装置を各補助点に搬送して設置
し、電源をオンする。観測の時間が終了したのち、これ
を撤収し、各装置が記録したデータを解析装置8に転送
する。解析装置8は、通常は、解析プログラムが動作す
るパーソナルコンピュータである。
【0021】補助点に設置され電源がオンされたGPS
受信機は、以下のように動作する。まず、GPS受信部
3が受信可能な任意のGPS信号を捕捉し、この信号か
ら航法メッセージを読み出して記録制御部5に入力す
る。記録制御部5はこの航法メッセージにもとづいて各
GPS衛星の軌道を計算するとともに健康状態などを判
断し、さらに、単独測位によって自己の概略位置を割り
出す。これら各GPS衛星の起動,健康状態,自己の位
置に基づいて、上記設定されたデータ収集条件を満たす
「データ記録時間帯」を割り出して観測スケジュールを
作成する。そして、最初のデータ記録時間帯が到来する
までGPS受信部3およびデータ記録部4を休止状態に
して電源消費を最小限に抑える。そして、データ記録時
間帯毎にGPS受信部3およびデータ記録部4を起動し
て所定のGPS衛星から受信するGPSデータ(搬送波
の積算値)をデータ記録部4に記録する。この場合にお
いて、GPS受信部3が記録対象でない(たとえば仰角
が15度未満の)衛星の信号を捕捉・受信する場合があ
るが、記録制御部5はこのような衛星のデータはデータ
記録部4に記録しないように指示する。
【0022】また、データ記録時間帯であっても、記録
対象の衛星が故障している場合など、航法メッセージに
よる事前の情報では予測できないアクシデントによりデ
ータ収集条件を満たさなくなる場合もある。記録制御部
5は、常時GPS受信部3が受信している信号を監視し
ており、データ記録時間帯であってもアクシデントによ
りデータ収集条件が満たされなくなった場合にはデータ
の記録を中止する。データ記録時間帯の途中に衛星の状
態が悪化してデータ収集条件を満たさなくなった場合に
は、それまでデータを記録していた時間を判断し、それ
が30分以上であれはそのデータはそのまま生かすよう
にし、記録時間が30分未満の場合にはそのデータは利
用できないため破棄する。
【0023】各GPS受信機は、補助ベクトルや基線ベ
クトルの距離だけ離れて設置されているが、約2000
0キロメートル上空のGPS衛星に対する条件は殆ど同
じであるため、各GPS受信機に対して同じデータ収集
条件を設定しておけば、同じ判断に基づいて同じデータ
の記録を実行する。したがって、相互の連絡を取らなく
ても同じデータ収集条件で決定された好条件のデータを
収集することができる。
【0024】また、解析装置8は、以下のように動作す
る。補助点に設置されていた複数のGPS受信機から収
集されたデータを取り込み、観測点A側の補助点A1,
A2,A3と観測点B側の補助点B1,B2,B3とを
組み合わせて、9本の補助基線ベクトルを割り出す。こ
の補助基線ベクトルの割り出しは、従来より一般的な相
対測位の解析手法を用いればよい。解析手法は、たとえ
ば、受信機間位相差と衛星間位相差を合成して二重位相
差を求め、複数の二重位相差を組み合わせてできる格子
点のうち、真の観測点座標以外は時間経過によって変形
してゆくことに基づいて整数値バイアスを除去する、な
どの手法である。このように、同時にGPSデータを収
集したことにより、6か所のデータに基づいて9本の補
助基線ベクトルを割り出すことができる。このような手
法により9本の補助基線ベクトル(A1→B1)〜(A
3→B3)を求める。この9本の補助基線ベクトルに、
事前に計測されている補助ベクトルa1,a2,a3,
b1,b2,b3をそれぞれ加算して、観測点Aと観測
点Bとの仮基線ベクトルV11,V12,V13,V2
1,V22,V23,V31,V32,V33を求め
る。そしてこれら仮基線ベクトルV11〜V33を平均
化することによって、マルチパスなどの誤差をキャンセ
ルした真の基線ベクトルVを決定する。
【0025】なお、上記平均化処理において、9本の仮
基線ベクトルを比較して、他のものと大きく外れている
ものを除外して真値に近いもののみを平均するようにし
てもよい。
【0026】図3は前記GPS受信機の詳細なブロック
図である。装置全体の動作を制御するCPU11に、R
OM12,RAM13,内部インタフェース15,時計
回路16,パネルインタフェース18およびICカード
インタフェース19が接続されている。内部インタフェ
ース15にはGPS信号受信モジュール14が接続され
ている。また、パネルインタフェース18には操作パネ
ルのキースイッチや表示器などが接続されている。IC
カードインタフェース19にはデータ記録用のICカー
ド7が接続されている。
【0027】GPS信号受信モジュール14はGPSア
ンテナ2が受けたGPS衛星からの信号を中間周波変換
し、この信号から各GPS衛星のC/Aコードパターン
の同期をとることによってGPS信号を捕捉する。この
GPS信号を捕捉するチャンネルは8〜16チャンネル
並列に設けられており、8〜16個のGPS信号を同時
に捕捉することができる。GPS信号受信モジュール1
4は、内部インタフェース15を介して、C/Aコード
の同期を取った信号をCPU11に送る。
【0028】CPU11は、C/Aコード位相の同期を
取った信号から航法メッセージデータを読み取り、各G
PS衛星の衛星の軌道情報を割り出す。また、4個以上
のC/Aコード同期が取れたGPS信号に基づいて精度
30メートル程度の単独測位を行うこともできる。ま
た、データ記録時間帯には、記録対象のGPS信号の搬
送波の位相値を積算して、一定時間毎にICカード7に
書き込む。
【0029】ROM12にはCPU11の上記動作およ
び図4のフローチャートに示す動作を制御するためのプ
ログラムが書き込まれている。RAM13は上記GPS
信号の受信時やデータの記録時にワークエリアとして用
いられるとともに、上述したデータ収集条件を記憶する
エリアも設定されている。時計回路16は基準発振器を
備え、その基準発振信号を分周してクロック信号を生成
するとともに、GPS信号に含まれる航法メッセージに
基づく誤差補正を行って正確な現在時刻を計時する。こ
の時計回路が計時する時刻によって、GPSデータ収集
のスケジュールが進行する。操作パネル17には上述の
データ収集条件を設定するためのキースイッチが設けら
れている。またICカードインタフェース19に接続さ
れているICカード7は、約1MBの記憶容量を有し、
記録可能時間帯の有効なデータを記憶する。なお、この
装置は内蔵または外付けのバッテリで駆動されるものと
する。
【0030】図4は同GPS受信機の動作を示すフロー
チャートである。このフローチャートは観測点に設置さ
れた装置のデータ収集動作を示している。この動作が実
行される以前に、操作パネル17を操作してRAM13
にデータ収集条件が設定されているものとする。係員が
観測点に装置を設置して電源スイッチをオンする。
【0031】電源スイッチがオンされる(s1)と、ま
ずそのとき受信可能なGPS衛星の信号を受信して(s
2)、受信できた信号から航法メッセージを読み取って
衛星の軌道を計算するとともに、単独測位を行う(s
3)。この単独測位は視野内の衛星および仰角15度以
上の衛星を割り出すために用いるのみであるため、10
0m程度の精度で十分である。この単独測位で割り出さ
れた自己の位置および航法メッセージによって割り出さ
れた衛星の軌道に基づいて、上記設定されたデータ収集
条件を満たす時間帯(データ記録時間帯)を割り出す。
このデータ記録時間帯は装置設置時間帯内に1回とは限
らず、データ収集に適さない時間帯を挟んで複数回設定
されることが多く、このデータ記録時間帯を配列したス
ケジュールを作成する(s5)。こののち、データ記録
時間帯が近づくまでGPS信号受信モジュール14を休
止させるとともに、ディジタル回路部も必要最小限の機
能だけ残してスリープ状態に設定する(s6)。これに
より、電池の消耗を最小限に止めることができる。
【0032】データ記録時間帯の開始5分前までこのス
リープ状態を継続し、5分前になると(s7)、このG
PS受信機の全体機能を起動する(s10)。起動と同
時にGPS信号受信モジュール14は、可能なかぎりの
GPS信号を捕捉する。この状態で記録開始時刻になる
まで待機し(s11)、記録開始時刻になれば、予測外
の状況(たとえば衛星の故障など)で信号の状態が悪化
しないかぎり、選択されている衛星の信号(搬送波位
相)をICカード7に書き込んでゆく(s13)。そし
て、記録可能時間帯が終了するか、ICカード7のメモ
リが一杯になるまで(s14)これを継続する。データ
記録時間帯が終了すると、次のデータ記録時間帯が到来
するまでスリープ状態で待機する(s6)。
【0033】一方、データの記録途中で予測できない原
因によって信号状態が悪くなりデータ収集条件が満たさ
れなくなった場合には、今回のデータ記録時間帯におけ
るこの中断までのデータの記録が30分以上継続してい
るか否かを判断する(s16)。30以上継続していれ
ば、このデータを解析に使用することができるため、そ
のままにし、30分未満であれば、このデータを解析に
使用することができないためこれを廃棄する(s1
7)。そして、今回の(現在中断している)データ記録
時間帯の残時間が30分未満になるまでは(s18)、
信号状態が回復するまで待機する(s12)。この中断
したデータ記録時間帯の残時間が30分未満である場合
には、s6に戻って装置をスリープ状態にする。
【0034】そして、ICカード7のメモリが一杯にな
るか(s14)、スケジュール(全ての記録可能時間
帯)が終了すれば(s8)動作を終える。
【0035】図5は前記データ解析装置8の動作を示す
フローチャートである。データ収集を終えたGPS受信
機からICカード7が取り出され、データ収集装置8に
順次セットされる。データ解析装置8は収集されたデー
タを取り込んでメモリに蓄積する(s21)。こののち
観測点から補助点までの補助ベクトルa1,a2,a
3,b1,b2,b3を入力する(s22)。この補助
ベクトルの入力は、キーボードなどから入力してもよく
ICカード7から読み込んでもよい。また、事前にデー
タ解析装置8のメモリに入力しておくようにしてもよ
い。そして観測点A側の補助点を指定するポインタiお
よび観測点B側の補助点を指定するポインタjに1をセ
ットし(s23,s24)、上述した解析手法で補助基
線ベクトル(Ai→Bj)を割り出す(s25)。そし
てこの補助基線ベクトル(Ai→Bj)に補助ベクトル
ai,bjを加算して仮基線ベクトルVijを算出する
(s26)。以上の動作をi,jが最大値(図1の例で
はi=3,j=3)になるまで繰り返し実行する(s2
7〜s29)。全ての仮基線ベクトルを算出したのち、
これらの仮基線ベクトルを平均化して真の基線ベクトル
Vを算出する(s31)。
【0036】このように複数の補助点をもとにして求め
られた仮基線ベクトルを平均化することにより、GPS
信号にマルチパスが生じていても、全く状態の異なるマ
ルチパス誤差が平均化されるためこれがキャンセルさ
れ、正確な基線ベクトルを算出することができる。
【0037】また、観測点がGPS受信機(アンテナ)
の設置が困難な場所であっても、その近傍の設置可能な
場所にGPS受信機を設置してデータを収集することに
より、観測点についての測量(測位)が可能になり、観
測点そのものにGPS受信機を設置しないことによる誤
差の可能性を複数の補助点でデータを収集することによ
って解消することができる。
【0038】なお、この発明は、相対測位のみならず、
単独測位に適用することもできる。たとえば、船舶の場
合、海面反射によるマルチパスが問題となるが、ブリッ
ジに加えて、船首,船尾にも受信アンテナを設けて、並
行して測位を行うことにより、マルチパスを除去するこ
とが可能になる。
【0039】また、相対測位であっても、測量のような
定点観測の場合のみならず、キネマティック測位のよう
に移動しながら測位する場面に適用することもできる。
この場合に、各GPS受信機に通信手段を設けることに
よって、ほぼリアルタイムの測位をすることも可能であ
る。
【0040】また、上記実施形態では観測点A,観測点
Bともに補助点を設定しているが、補助点をいずれか一
方のみに設定し、他方は観測点上にGPS受信機を設置
するようにしてもよい。
【0041】また、上記実施形態では、1つの観測点に
ついて複数の補助点を設定して同時に観測する例を示し
たが、3地点以上を同時に観測する方式はこれ以外にも
以下のような場面に適用することができる。すなわち、
土地測量は、土地の境界線を測量して輪郭を求めるが、
従来の光学測量では、境界線の角毎に1本ずつ境界線の
測量を行って一周して輪郭を求めていた。この発明の3
点以上の同時観測を適用することにより、土地の境界線
の全ての角にGPS受信機を設置して、図2〜図4に示
すように同時間帯に同時に観測を行い。この測定結果を
データ解析装置8に入力して解析することによって、全
ての境界線の基線ベクトルを同時に求めることができ、
土地の境界線を一度の観測で求めることができる。
【0042】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明によれば、
第2の観測点に複数の補助点を設定して、複数の仮基線
ベクトルを求め、これを平均化した基線ベクトルを決定
することにより、それぞれ状態の異なるマルチパスが平
均化することによってキャンセルされ、短時間で正確な
測位を行うことが可能になる。
【0043】また、請求項2の発明によれば、観測点の
近傍に複数の補助点を設定して各補助点の位置を決定
し、この位置と前記補助ベクトルに基づいて観測点の位
置の候補を求め、これらを平均化して前記観測点の位置
を決定したことにより、マルチパスをキャンセルして短
時間で正確な測位を行うことが可能になる。
【0044】なお、請求項1の発明、請求項2の発明と
も、観測点上に測位用受信機を設置できない地点の測位
に適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の測位方法が適用される測量の場面を
示す図
【図2】上記測量場面で使用されるGPS受信機の機能
ブロック図
【図3】同GPS受信機のブロック図
【図4】同GPS受信機の動作を示すフローチャート
【図5】この発明の測位方法に使用されるデータ解析装
置の動作を示すフローチャート
【符号の説明】
A,B…観測点、A1,A2,A3,B1,B2,B3
…補助点 3…GPS受信部、4…データ記録部、5…記録制御部 6…操作部、7…(記録手段としての)ICカード 8…データ解析装置、 11…CPU、12…ROM、13…RAM 14…GPS信号受信モジュール、17…操作パネル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田代 益庸 山口県下関市東大和町二丁目29−1 運 輸省第四港湾建設局下関機械整備事務所 内 (72)発明者 井澗 健二 兵庫県西宮市芦原町9番52号 古野電気 株式会社内 (72)発明者 林 忠夫 兵庫県西宮市芦原町9番52号 古野電気 株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−175606(JP,A) 特開 平8−145668(JP,A) 特開 平8−166240(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01C 3/00 - 3/32 G01C 15/00 - 15/14 G01S 5/00 - 5/14 JICSTファイル(JOIS)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の観測点から第2の観測点までの距
    離または方位を測定する測位方法であって、 前記第2の観測点近傍に、該第2の観測点までの距離・
    方位を示す補助ベクトルが既知の補助点を複数設定し、 前記第1の観測点および前記複数の補助点にそれぞれ測
    位用受信機を設け、 前記複数の測位用受信機を同じ時間帯に動作させてデー
    タ収集し、 前記第1の観測点で収集したデータと前記各補助点で収
    集したデータを用いて前記第1の観測点と前記各補助点
    の間の基線ベクトルを示す補助基線ベクトルを求め、 この補助基線ベクトルに前記補助ベクトルを加算するこ
    とによって第1の観測点から第2の観測点までの仮基線
    ベクトルを複数求め、 このようにして求められた複数の仮基線ベクトルの全部
    または一部を平均化して、前記第1の観測点から第2の
    観測点までの基線ベクトルを決定することを特徴とする
    測位方法。
  2. 【請求項2】 観測点近傍に、該観測点までの距離・方
    を示す補助ベクトルが既知の補助点を複数設定し、 前記各補助点で同時に測位用衛星による測位を行い、該
    測位結果から前記補助ベクトルを加算することによって
    前記観測点の位置の候補を複数割り出し、これら候補
    全部または一部を平均化して前記観測点の位置を決定す
    ることを特徴とする測位方法。
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