JP3126261B2 - プライマー組成物 - Google Patents

プライマー組成物

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JP3126261B2
JP3126261B2 JP05115739A JP11573993A JP3126261B2 JP 3126261 B2 JP3126261 B2 JP 3126261B2 JP 05115739 A JP05115739 A JP 05115739A JP 11573993 A JP11573993 A JP 11573993A JP 3126261 B2 JP3126261 B2 JP 3126261B2
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正 早川
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  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Sealing Material Composition (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、弾性シーラント等の
シーリング材と、ガラス,金属,コンクリート等の被接
着体との接着の際に使用されるプライマー組成物に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】ガラス,金属,コンクリート等の被接着
体に弾性シーラント等の各種シーリング材を接着させる
際に、被接着体表面および弾性シーラント表面を改質さ
せて接着強度および接着耐久性を向上させる目的でプラ
イマー処理が行われている。このプライマー処理は、被
接着体および弾性シーラント等のそれぞれの種類に応じ
たプライマー組成物を用いて行われている。例えば、多
孔質,アルカリ性環境被接着体であるコンクリートに対
しては、ポリイソシアネートと塩化ゴムからなるプライ
マー組成物が使用されている。このプライマー組成物
は、多孔質被接着体に対する浸透性や耐アルカリ性等の
特性に優れている。しかし、耐水性に劣るため、浸水に
より接着面が剥離するおそれがあるという問題を有す
る。一方、ガラスや金属等の被接着体に対しては、シラ
ン化合物および塩化ゴム等の樹脂からなるプライマー組
成物が使用されている。このプライマー組成物は、ガラ
ス等に対する接着性は優れるが、浸透性に劣るため多孔
質被接着体に対しては使用することができず、また耐ア
ルカリ性の特性にも劣る。このように、プライマー組成
物は、その種類に応じて適用される被接着体およびシー
リング材の種類が限定されており、一種類のプライマー
組成物を2種類以上の被接着体等に併用することは事実
上不可能である。しかしながら、近年の建築材料や建築
技術の多様化に伴い、建造物の可動目地や固定目地は、
各種材料が細かく組み合わされた構造をとるようになっ
てきた。このような構造をとる目地に対して、プライマ
ー処理を施す際に、被接着体およびシーリング材の種類
に応じて、プライマー組成物を塗り分けることは煩雑で
あり、作業性を著しく低下させる原因となっていた。こ
のような事情により、汎用性を有するプライマー組成物
の開発が強く望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記問題を解決するた
めに、塩素化重合体,ポリイソシアネート,変成ペンタ
ジエンを含有することを特徴とするプライマー組成物が
提案されている(特願昭53−67529号)。このプ
ライマー組成物は、ポリウレタン系およびチオコール系
の各弾性シーラントに対し適用することが可能であり、
かつ耐水性および耐アルカリ性の特性に優れるものであ
る。しかし、変成シリコーン系シーラントのようなシリ
ル基を分子末端に有するポリマーからなる弾性シーラン
トに対する接着性が悪いという問題を有する。また、作
業時および貯蔵時において不安定であるという問題も有
する。すなわち、上記ポリイソシアネート中のイソシア
ネート基が空気中あるいはプライマー組成物中の水分と
反応して多量化し、プライマー組成物が増粘,ゲル化等
するおそれがある。このため、プライマー組成物中に、
さらにゼオライト等の脱水剤を配合する必要があり、こ
のためコストが高くなる等の不都合があった。
【0004】一方、芳香族ポリイソシアネート,熱可塑
性ポリウレタン樹脂,塩素化ポリオレフィンおよび塩化
ビニリデン共重合体の少なくとも一つ,分子末端にアル
コキシシランを有するポリウレタンの4成分と、これら
の成分を溶解する溶剤からなるプライマー組成物が提案
されている(特願昭51−97429号)。このプライ
マー組成物は、弾性シーラントおよび被接着体の種類を
問わず優れた性能を発揮する。しかし、上記プライマー
組成物と同様に、作業時および貯蔵時の安定性の問題を
有する。
【0005】この発明は、このような事情に鑑みなされ
たもので、汎用性を有し、貯蔵時および使用時の安定性
に優れ、かつ耐水性および耐アルカリ性の特性に優れた
プライマー組成物を提供することをその目的とする。
【0006】
【課題を解決する手段】上記目的を達成するために、こ
の発明は、下記の(A)〜(E)を含有し、かつ(B)
の配合割合が(A)100重量部に対して55〜75重
量部の範囲に設定され、(C)の配合割合が(A)10
0重量部に対して10〜25重量部の範囲に設定され、
(D)の配合割合が(A)100重量部に対して45〜
100重量部の範囲に設定され、(E)の配合割合が
(A)100重量部に対して700〜1000重量部の
範囲に設定されているという構成をとる。 (A)アルコキシ基を有するメルカプトシランにより、
分子中の66〜90%のイソシアネート基が反応された
ポリイソシアネート。 (B)1分子中に、イソシアヌレート環を1個以上有
し、かつイソシアネート基を2個以上有するポリイソシ
アネート。 (C)アルコキシシランおよびγ−クロロプロピルトリ
メトキシシランの少なくとも一つ。 (D)塩素化重合体。 (E)上記(A)〜(D)を溶解する不活性有機溶剤。
【0007】
【作用】すなわち、この発明者は上記課題を解決するた
めに、まずプライマー組成物の安定性について検討し
た。その結果、プライマー組成物に用いられるポリイソ
シアネートとして、イソシアネート基が所定の割合でア
ルコキシ基を有するメルカプトシランにより反応されて
いるものを用いると、イソシアネート基と水分との反応
が抑制され、プライマー組成物の増粘,ゲル化等が起こ
らないことを突き止めた。また、上記ポリイソシアネー
トとは別のポリイソシアネートとして、所定の割合でイ
ソシアヌレート環およびイソシアネート基を有するポリ
イソシアネートを使用し、併せて、特定のシランカップ
リング剤および塩素化重合体を用いると、形成される皮
膜の強度が高くなり、かつ耐水性および耐アルカリ性の
特性に優れ、さらに汎用性を備えたプライマー組成物を
得ることが可能であることを見出しこの発明に到達し
た。これにより、ガラス質,金属質,多孔質等の被接着
体の種類およびシーリング材の種類を問わず使用が可能
であり、貯蔵時および使用時の安定性に優れ、かつ耐水
性および耐アルカリ性の特性を備えたプライマー組成物
の提供が可能となる。
【0008】つぎに、この発明を詳しく説明する。
【0009】この発明のプライマー組成物は、下記の
(A)〜(D)成分を下記の(E)成分の不活性有機溶
剤に混合溶解させることにより得ることができる。 (A)アルコキシ基を有するメルカプトシランにより、
分子中の66〜90%のイソシアネート基が反応された
ポリイソシアネート。 (B)1分子中に、イソシアヌレート環を1個以上有
し、かつイソシアネート基を2個以上有するポリイソシ
アネート。 (C)アルコキシシランおよびγ−クロロプロピルトリ
メトキシシランの少なくとも一つ。 (D)塩素化重合体。 (E)上記(A)〜(D)を溶解する不活性有機溶剤。
【0010】上記(A)成分は、アルコキシ基を有する
メルカプトシランにより、イソシアネート基が、所定の
割合で反応されたポリイソシアネートである。
【0011】上記ポリイソシアネートとしては、脂肪族
ポリイソシアネート,脂環族ポリイソシアネート,脂肪
族基を有する芳香族ポリイソシアネート等があげられ
る。具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネートの三
量化物,トリレンジイソシアネートとヘキサメチレンジ
イソシアネートの反応物,ヘキサメチレンジイソシアネ
ートとトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアネート
の反応生成物等があげられる。このなかで、メルカプト
シランの反応により生成するチオウレタン化合物のゲル
化安定性の面から、脂肪族イソシアネートを用いること
が好ましい。
【0012】上記ポリイソシアネートは、アルコシ基を
有するメルカプトシランにより分子中のイソシアネート
基を反応させる必要がある。この反応に用いられるメル
カプトシランとしては、下記の一般式(1)に表される
ものであり、例えば、γ−メルカプトプロピルトリメト
キシシラン,β−メルカプトエチルトリエトキシシラン
等があげられる。
【0013】
【化1】
【0014】上記反応は、ポリイソシアネート分子中の
66〜90%のイソシアネート基が反応するように行う
必要がある。すなわち、反応割合が66%未満である
と、ポリイシシアネート分子中のシリル基が少なくな
り、アルキル基およびアルコキシ基等で置換されたシリ
ル基を分子末端に有するポリマーを主成分とするシーリ
ング材や、ガラスや上薬処理されたレンガ等のガラス質
の被接着体への接着性が低下する傾向がみられるからで
ある。また、未反応のイソシアネート基が過剰となり、
貯蔵時や使用時に、イソシアネート基と水分とが反応す
るおそれがあり、安定性が悪くなるからである。これと
は逆に、90%を超えると、シラン含有率が高くなりす
ぎて金属体への接着性が低下し、耐水性および耐アルカ
リ性に劣る傾向がみられるからである。上記反応割合で
あれば、このポリイソシアネートを含有するプライマー
組成物は、石材,コンクリート材,ガラス,金属等に対
する接着性が向上するようになる。また、分子中のイソ
シアネート基の反応活性が低下するため、空気中の水分
等の反応が抑制され、プライマー組成物の安定性に優れ
るようになる。これが、この発明の特徴のひとつであ
る。
【0015】上記(B)成分は、1分子中に、イソシア
ヌレート環を1個以上有し、かつイソシアネート基を2
個以上有するポリイソシアネートである。このようなも
のとしては、例えば、下記の一般式(2)および一般式
(3)で表されるトリレンジイソシアネートとヘキサメ
チレンジイソシアネートの反応生成物があげられる。
【0016】
【化2】
【0017】
【化3】
【0018】また、ヘキサメチレンジイソシアネートと
キシレンジイソシアネートの反応生成物があげられる。
【0019】このなかでも、適度な反応性を有し、石
材,コンクリート,金属等との接着性に優れ、形成され
る皮膜の構造強度を高める作用に優れたトリレンジイソ
シアネートとヘキサメチレンジイソシアネートの反応生
成物を用いることが好ましい。
【0020】この(B)成分の配合割合は、(A)成分
100重量部(以下「部」と略す)に対して、55〜7
5部の範囲に設定する必要がある。55部未満である
と、各種シーリング材との接着性が劣るようになり、さ
らに貯蔵時において接着力が低下する傾向がみられるか
らである。逆に、75部を超えると、貯蔵時および作業
時において増粘,ゲル化が起こりやすくなり、安定性が
低下するようになる。
【0021】上記(C)成分は、特定のシランカップリ
ング剤であり、アルコキシシランおよびγ−クロロプロ
ピルトリメトキシシランの両者、あるいはこれらのどち
らか一方からなるものである。
【0022】上記アルコキシシランおよびγ−クロロプ
ロピルトリメトキシシランは、下記の一般式(4)で表
され、アルコキシシランとしては、メチルトリメトキシ
シラン,メチルトリエトキシシラン等があげられる。
【0023】
【化4】
【0024】上記(C)成分である特定のシランカップ
リング剤は、水との反応性が高いため、プライマー組成
物中において脱水作用を奏し、貯蔵安定性に寄与する。
また、この特定のシランカップリング剤を含有すること
により、従来プライマーと親和性が低かったシーリング
材およびガラス等の被接着体に対し優れた接着性を付与
することが可能となる。
【0025】上記(C)成分の配合割合は、(A)成分
100部に対し10〜25部の範囲に設定する必要があ
る。すなわち、10部未満であると、接着力および脱水
作用が不充分となり、逆に25部を超えると耐候接着性
が低下する傾向がみられるからである。また、このシラ
ンカップリング剤は高価であるため、必要以上の配合は
コストを高めるからである。
【0026】上記(D)成分である塩素化重合体として
は、天然ゴムの塩素化物、イソプレン系合成ゴムの塩素
化物、エチレン,プロピレン等のオレフィンの単独重合
体または共重合体の塩素化物、ブタジエン,スチレン等
の単独重合体または共重合体等の塩素化物、塩素化パラ
フィン、クロロプレンゴムの塩素化物等があげられる。
このなかで、塩素含有量が全体の50〜70%のものが
好ましい。この塩素化重合体は、プライマー組成物の凝
集力を向上させる作用を有し、その結果、プライマー組
成物の接着性が優れるようになる。また、(D)成分の
配合割合は、(A)成分100部に対し、45〜100
部の範囲に設定する必要がある。すなわち、45部未満
であると、浸透性が低下するため、多孔質,アルカリ性
環境基材等の被接着体への接着性に劣るようになるから
である。逆に、100部を超えると、プライマー組成物
の粘性が上昇するため作業性が悪るくなる傾向がみられ
る。
【0027】上記(E)成分は、上記(A)〜(D)成
分を溶解し、かつイソシアネート基,各種のアルコキシ
シランおよびγ−クロロプロピルトリメトキシシランに
対して不活性な有機溶剤である。このようなものとして
は、例えば、トルエン,キシレン,メチルエチルケト
ン,塩化メチレン,酢酸メチル,酢酸ブチル等があげら
れ、単独でもしくは併用される。この配合割合は、
(A)成分100部に対し、700〜1000部の範囲
に設定する必要がある。すなわち、700部未満である
と、プライマー組成物の濃度が高くなりすぎ、貯蔵安定
性が悪くなる傾向がみられ、逆に1000部を超える
と、濃度が低くなりすぎプライマー組成物を塗布した後
の乾燥に長時間を要するようになり、作業性が低下する
からである。
【0028】この発明のプライマー組成物は、上記
(A)〜(E)成分の他に、変成ペンタジエン(F)成
分を配合することができる。これを配合することによ
り、さらに耐水性および耐アルカリ性が向上するように
なる。この変成ペンタジエンとしては、例えばヨウ素価
200〜500,平均分子量350〜10000の1,
3−ペンタジエンの単独重合体またはこの共重合体にエ
ポキシ基およびヒドロキシ基を導入したものがあげられ
る。また、これにさらにシランカップリング剤を反応さ
せたものを用いても良い。この(F)成分の配合割合
は、(A)成分100部に対し、40〜100部の範囲
に設定することが好ましい。すなわち、40部未満であ
ると、耐水性および耐アルカリ性の特性をプライマー組
成物に充分に付与することができなくなり、逆に100
部を超えると耐候接着性が低下し、またコスト的に高く
なるからである。
【0029】この発明のプライマー組成物は、上記原料
を用いて、例えば、つぎのようにして作製することがで
きる。
【0030】(A)成分の調製は以下のようにして行わ
れる。すなわち、まず、反応槽で窒素気流下、不活性有
機溶媒70〜150部に、アルコキシ基を有するメルカ
プトシラン10〜90部および触媒0.1〜1.2部を
混合溶解させる。他方、不活性有機溶媒5〜40部にポ
リイソシアネート10〜90部を混合溶解させる。そし
て、上記反応槽のメルカプトシラン混合物に、上記ポリ
イソシアネート混合物を時間60〜90分、温度20〜
50℃の条件で滴下混合しポリイソシアネート中のイソ
シアネート基とメルカプト基を66〜90%の範囲で反
応させる。この反応割合は、メルカプトシラン量により
調節することが可能である。また、上記触媒は、オクチ
ル酸第一錫,ジブチル錫ジラウレート等があげられ、メ
ルカプトシランおよびポリイソシアネートの種類等に応
じて適宜選択して使用される。そして、上記それぞれの
混合割合は、特に制限されるものではなく、目的とする
プライマー組成物の用途等に応じて適宜選択して決定さ
れる。
【0031】つぎに、上記(A)成分に対し、ポリイソ
シアネート(B)成分,シランカップリング剤(C)成
分,塩素化重合体(D)成分,不活性有機溶媒(E)成
分および必要に応じて変成ペンタジエン(F)成分をそ
れぞれ所定割合で配合して混合溶解することにより、プ
ライマー組成物を得ることができる。この時の、混合溶
解温度は、20〜40℃の範囲に設定される。
【0032】
【発明の効果】以上のように、この発明は、イソシアネ
ート基がアルコキシ基を有するメルカプトシランにより
所定の割合で反応されているポリイソシアネート(A)
成分と、イソシアヌレート環およびイソシアネート基を
それぞれ所定の割合で有するポリイソシアネート(B)
成分と、特定のシランカップリング剤(C)成分と、塩
素化重合物(D)成分とを不活性有機溶媒(E)に混合
溶解して作製されたプライマー組成物である。したがっ
て、イソシアネート基と水分との反応が抑制されるた
め、貯蔵時および使用時において、プライマー組成物の
増粘あるいはゲル化等が起こることがなくなり、良好な
はけ塗り性を維持することができるようになる。また、
この発明のプライマー組成物は、被接着体およびシーリ
ング材の種類を問うことなく使用することができるた
め、コンクリート,ガラス質,金属質等の被接着体や弾
性シーラント等の各種材料が細かく組み合わされた構造
をとる可動目地や固定目地に対して、プライマー組成物
を塗り分ける必要がなくなるようになる。すなわち、こ
の発明のプライマー組成物を使用すれば、作業性が向上
するようになる。そして、この発明のプライマー組成物
は、形成される皮膜の強度が高く、耐水性および耐アル
カリ性に優れるため、これを用いることによりコンクリ
ート等の被接着体と弾性シーラントとを強く接着させる
ことができ、またその接着耐久性も優れたものとするこ
とが可能となる。したがって、この発明のプライマー組
成物を用いれば優れた強度および耐久性を有する構造物
を得ることが可能となる。
【0033】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0034】
【実施例1】窒素気流下、反応槽で脱水酢酸エチル95
部に、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(ユ
ニオンカーバイド社製,AZ−6129)52部および
オクチル酸第一錫0.5部を混合溶解した。他方、ヘキ
サメチレンジイソシアネート誘導体(住友バイエルウレ
タン社製,スミジュールN75,固形分75%)67部
を脱水酢酸エチル13部に混合溶解した。そして、上記
反応槽のメルカプトシラン混合物に、上記ポリイソシア
ネート混合物を1時間30分,30℃の条件で滴下混合
しポリイソシアネートのイソシアネート基とメルカプト
基を反応させることにより(A)成分を調製した。この
ときの反応率は、80%であった。つぎに、塩化ゴム
(D)成分(旭電化工業社製,CR−20,塩素含有量
65%以上)68部,トリレンジイソシアネートとヘキ
サメチレンジイソシアネートの反応生成物(B)成分
(住友バイエルウレタン社製,デスモジュールHL.固
形分60%)115部,脱水酢酸エチル700部および
脱水酢酸ブチル42部の(E)成分,変成ポリペンタジ
エン重合体(F)成分(旭電化工業社製,プライオール
538,固形分70%)81部,メチルトリメトキシシ
ラン(C)成分11部を配合して30℃で混合溶解させ
て、目的とするプライマー組成物を作製した。
【0035】
【実施例2〜4】(A)成分を、下記の表1に示すポリ
イソシアネートの種類および配合量により調製した。ま
た、触媒として、オクチル酸第一錫(日東化成社製,ネ
スタンU28)を0.5部配合した。それ以外は、実施
例1と同様の操作を行い、プライマー組成物を作製し
た。
【0036】
【表1】
【0037】
【実施例5〜16】下記の表2〜表3に示す配合割合お
よび(A)成分のイソシアネート基の反応率にしたがっ
た。それ以外は、実施例1と同様の操作を行い、プライ
マー組成物を作製した。
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】
【0040】
【比較例】(A)成分の調製において、イソシアネート
基の反応を行わなかった。それ以外は、実施例1と同様
の操作を行い、プライマー組成物を作製した。
【0041】このようにして得られた、実施例品1〜1
6,比較例品のプライマー組成物をを用いて種々の接着
体および弾性シーラントを接着したときの耐水性,耐ア
ルカリ性,耐候性および貯蔵安定性について調べた。そ
の結果を下記の表4〜表18に示す。なお、表4〜表7
は、弾性シーラントとして、ポリウレタン系2液型シー
ラントを、表8〜表11は、弾性シーラントとしてポリ
サルファイド系2液型シーラントを、表12〜表15
は、弾性シーラントとして変成シリコン系2液型シーラ
ントを使用した時のそれぞれの結果を示す。また、上記
特性は、下記に示す方法により調べた。
【0042】〔被接着体と弾性シーラントとの接着〕J
IS R5201に準じて、モルタル板(多孔質),ア
ルミニウム板およびガラス板を作製した。これらの板の
表面に、プライマー組成物をはけで2度塗りして、1時
間風乾後、JIS A5758に準じて、上記3種類の
シーリング材を充填し、初期養生を行った。このように
して得られた接着体を引張接着力用試験片とした。な
お、上記初期養生は、20℃で7日間の後さらに50℃
で7日間の条件で行った。
【0043】〔耐水性〕上記試験片の初期養生直後およ
び50℃の温水中に7日間浸漬後の接着強度(kg/c
2 )および伸び(%)を測定した。また、その時の破
壊状態を調べ、凝集破壊率が70%以上のものを○、7
0%未満のものを×として表した。
【0044】〔耐アルカリ性〕上記試験片の初期養生直
後および3%水酸化ナトリウム溶液に7日間浸漬後の接
着強度(kg/cm2 )および伸び(%)を測定した。
また、その時の破壊状態を調べ、上記耐水性と同様にし
て評価した。
【0045】〔耐侯性〕上記試験片の初期養生直後およ
びサンシャインウェザオメータ試験機で1000時間照
射後の接着強度(kg/cm2 )および伸び(%)を測
定した。また、その時の破壊状態を調べ、上記耐水性と
同様にして評価した。
【0046】〔貯蔵安定性〕プライマー組成物に、水お
よび3%水酸化ナトリウム溶液を1000ppm,20
00ppm,3000ppmの割合で強制的に添加し
て、50℃で4日間保存した。そして、このような処理
を施したプライマー組成物を用いてのはけ塗りが可能か
否かを粘度〔粘度計:トキメック社製,BH型粘度計
(10rpm,ローター:NO1)〕を測定して調べ
た。そして、粘度の変化がないものを◎、僅かに変化が
認められたものを○、増粘したものを△、ゲル化し粘度
の測定が不可能のものを×で表した。また、水を100
0ppm添加したプライマー組成物を用いて、被接着体
としてアルミニウム板を、シーリング材として変成シリ
コーン系2液型シーラントを用いて上記方法に従い引張
接着試験片を作製し、初期養生後の接着力を測定した。
【0047】
【表4】
【0048】
【表5】
【0049】
【表6】
【0050】
【表7】
【0051】
【表8】
【0052】
【表9】
【0053】
【表10】
【0054】
【表11】
【0055】
【表12】
【0056】
【表13】
【0057】
【表14】
【0058】
【表15】
【0059】
【表16】
【0060】
【表17】
【0061】
【表18】
【0062】上記表4〜表18より、実施例品のプライ
マー組成物は、被接着体および弾性シーラントの種類を
問わず、優れた接着力を有し、耐水性、耐アルカリ性お
よび耐侯性の特性を備えることがわかる。また、実施例
品のプライマー組成物は、貯蔵安定性に優れ、水やアル
カリ水が混入しても、増粘,ゲル化が起こらず、はけ塗
りが可能である。そして、水を1000ppm添加して
4日間貯蔵しても、接着力に変化は認められなかった。
それに対し、比較例品のプライマー組成物は、接着力に
劣り、耐水性,耐アルカリ性および耐侯性の特性も悪か
った。また、水やアルカリ水を添加したことによりゲル
化し、はけ塗りができなくなった。そして、水を100
0ppm添加して4日間貯蔵したものは、接着力が、著
しく劣っていた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C09J 175/04 C09J 175/04 201/02 201/02 // C09K 3/10 C09K 3/10 D (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 1/00 - 101/16 C08K 3/00 - 13/08 C09D 5/00 - 201/10 C09J 5/00 - 201/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の(A)〜(E)を含有し、かつ
    (B)の配合割合が(A)100重量部に対して55〜
    75重量部の範囲に設定され、(C)の配合割合が
    (A)100重量部に対して10〜25重量部の範囲に
    設定され、(D)の配合割合が(A)100重量部に対
    して45〜100重量部の範囲に設定され、(E)の配
    合割合が(A)100重量部に対して700〜1000
    重量部の範囲に設定されていることを特徴とするプライ
    マー組成物。 (A)アルコキシ基を有するメルカプトシランにより、
    分子中の66〜90%のイソシアネート基が反応された
    ポリイソシアネート。 (B)1分子中に、イソシアヌレート環を1個以上有
    し、かつイソシアネート基を2個以上有するポリイソシ
    アネート。 (C)アルコキシシランおよびγ−クロロプロピルトリ
    メトキシシランの少なくとも一つ。 (D)塩素化重合体。 (E)上記(A)〜(D)を溶解する不活性有機溶剤。
  2. 【請求項2】 下記の(F)を含有し、かつ(F)の配
    合割合が(A)100重量部に対して40〜100重量
    部の範囲に設定されている請求項1記載のプライマー組
    成物。 (F)変成ペンタジエン重合体。
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