JP3124184B2 - 光ファイバの温度分布測定方法 - Google Patents

光ファイバの温度分布測定方法

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JP3124184B2
JP3124184B2 JP06107191A JP10719194A JP3124184B2 JP 3124184 B2 JP3124184 B2 JP 3124184B2 JP 06107191 A JP06107191 A JP 06107191A JP 10719194 A JP10719194 A JP 10719194A JP 3124184 B2 JP3124184 B2 JP 3124184B2
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史生 和田
俊哉 佐藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ファイバの長手方向
の温度分布を求める際に用いて好適な光ファイバの温度
分布測定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、いわゆるOTDR(Optical Time
-Domain Reflectometry)技術を活用することにより、
光ファイバを用いて長距離に渡る温度分布を測定する方
法が知られている。図3は、従来の光ファイバの温度分
布を測定する分布型温度センサの一例を示す構成図であ
り、図において、1は励起光となる高出力パルス光源、
2は分光光学ユニット、3は被測定光ファイバ、4a,
4bは受光素子、5a,5bは増幅器、6は処理装置、
7はコンピュータである。処理装置6は、A/D変換器
11、加算平均化回路12、制御回路13から構成され
ている。また、受光素子4a,4bとしては、アバラン
シェフォトダイオード(APD)が好適に用いられる。
【0003】ここで、この分布型温度センサの原理につ
いて説明する。波長λPの光パルスを光ファイバに入射
させると、この光パルスは光ファイバ内で散乱光を発生
させながら該光ファイバ中を伝搬し、この散乱光のうち
一部は後方散乱光として該光ファイバの入射端に帰還す
る。後方散乱光は、大部分が入射光と同じ波長のレイリ
ー散乱光であるが、ごくわずかながらラマン散乱により
波長がシフトしたラマン散乱光が含まれている。ラマン
散乱光は、その強度が入射光の1〜10億分の1、レイ
リー散乱光の1万分の1と極めて微弱な光であり、入射
光に対して波長が長波長側にシフトしたストークス光
(波長:λS)と、短波長側にシフトした反ストークス
光(波長:λAS)とがある。
【0004】ここで、ストークス光の波長λS及び反ス
トークス光の波長λASと、入射する光パルスの波長λP
との関係は、光ファイバのラマンシフト量ΔνRを用い
て下記の様に表わされる。 1/λS =1/λP−ΔνR ……(1) 1/λAS=1/λP+ΔνR ……(2) このラマン散乱光は、光ファイバ中のフォノンとの相互
作用により発生するものであるから、光ファイバの温度
により強度が変化する。すなわち、ストークス光及び反
ストークス光の強度は絶対温度に依存する。したがっ
て、ストークス光と反ストークス光の強度の比を求めれ
ば、光ファイバの長手方向の温度分布を求めることがで
きる。
【0005】ここで、ストークス光の強度ISは、
【数1】 また、反ストークス光の強度IASは、
【数2】 で表わされるから、ストークス光の強度ISと反ストー
クス光の強度IASの比Rは、
【数3】 で表わされる。ただし、hはプランク定数、cは光速
度、kはボルツマン定数、Δνは光ファイバのラマンシ
フト量、Tは絶対温度(K)である。また、
【数4】 である。
【0006】次に、この分布型温度センサを用いて光フ
ァイバの長手方向の温度分布を測定する方法について説
明する。高出力パルス光源1は、制御回路13から出力
されるトリガ信号tに基づき波長λPの高出力パルス光
を出射する。この高出力パルス光は、分光光学ユニット
2を通過した後、被測定光ファイバ3の入射端3aに入
射する。該入射端3aから出射する後方散乱光は分光光
学ユニット2に入射し、ストークス光(波長:λS)と
反ストークス光(波長:λAS)とに分離されて出射す
る。ストークス光λSは、受光素子4aにより電気信号
に変換され、増幅器5aにより増幅され、A/D変換器
11によりデジタル信号に変換され、加算平均化回路1
2により加算平均化処理が施されノイズ成分が低減され
る。
【0007】一方、反ストークス光λASは、受光素子4
bにより電気信号に変換され、増幅器5bにより増幅さ
れ、A/D変換器11によりデジタル信号に変換され、
加算平均化回路12により加算平均化処理が施されノイ
ズ成分が低減される。入射端3aに高出力パルス光λP
を入射する毎に、ストークス光λS及び反ストークス光
λAS各々の強度を測定し、ストークス光OTDR波形及
び反ストークス光OTDR波形を求め、これらのOTD
R波形の比から被測定光ファイバ3の長手方向の温度分
布を求めている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の分布
型温度センサでは、レイリー散乱光の1万分の1と極め
て微弱なラマン散乱光を用いなければならず、感度の高
い受光素子4a,4b及び増幅率の大きな増幅器5a,
5bが必要になるという問題点があった。しかもこのラ
マン散乱光は光ファイバの入射端から遠くへ離れれば離
れる程弱くなるので、ノイズが増加する分、温度分布の
測定精度が低下し、測定可能な距離が制限されるという
問題点があった。また、光パルスλP、ストークス光
λS、反ストークス光λAS各々の波長が異なるので、こ
の波長差による光ファイバの伝送損失を補正しなければ
ならないという問題点があった。この補正は、用いる光
ファイバが1種類であれば簡単であるが、光ファイバの
組成が異なった様な場合には困難である。
【0009】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、温度分布の測定精度が向上し、測定可
能な距離が制限されない光ファイバの温度分布測定方法
を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は次の様な光ファイバの温度分布測定方法を
採用した。すなわち、パルス光を被測定光ファイバに入
射し、該被測定光ファイバから出射する第1の後方レイ
リー散乱光を検知し、該第1の後方レイリー散乱光の強
度変化を求めて第1のOTDR波形とし、次いで、前記
パルス光と前記被測定光ファイバのラマンシフト量に相
当する波長差を有する励起光とを波長多重し、該波長多
重した合波光を前記被測定光ファイバに入射し、該被測
定光ファイバから出射する第2の後方レイリー散乱光を
検知し、該第2の後方レイリー散乱光の強度変化を求め
て第2のOTDR波形とし、該第2のOTDR波形と第
1のOTDR波形との差を求め、この差より被測定光フ
ァイバの長手方向のラマン増幅率分布を求め、該ラマン
増幅率分布に基づき被測定光ファイバの長手方向の温度
分布を求めることを特徴としている。
【0011】
【作用】本発明の光ファイバの温度分布測定方法では、
まず、パルス光を被測定光ファイバに入射させる。この
パルス光は該被測定光ファイバ内で散乱光を発生させな
がら伝搬し、この散乱光のうち一部はコヒーレンシーを
保持した第1の後方レイリー散乱光として入射端に帰還
する。そこで、該被測定光ファイバから出射する第1の
後方レイリー散乱光を検知し、該第1の後方レイリー散
乱光の強度変化を求めて線形ラマンにおける第1のOT
DR波形とする。
【0012】次いで、前記パルス光と前記被測定光ファ
イバのラマンシフト量に相当する波長差を有する高出力
の励起光とを波長多重し、該波長多重した合波光を前記
被測定光ファイバに入射させる。すると、前記被測定光
ファイバは励起されるから、前記パルス光はラマン増幅
されて強度が増加し、増加した強度に応じて後方レイリ
ー散乱光も増加し、光ファイバの入射端に帰還する。そ
こで、該被測定光ファイバから出射する第2の後方レイ
リー散乱光を検知し、該第2の後方レイリー散乱光の強
度変化を求めて非線形ラマンにおける第2のOTDR波
形とする。
【0013】次いで、該第2のOTDR波形と第1のO
TDR波形との差を求め、この差より被測定光ファイバ
の長手方向のラマン増幅率分布を求める。ラマン散乱は
物質中の原子の熱振動との相互作用により生じ、しかも
温度依存性があるから、ラマン増幅率は温度の関数とな
る。該ラマン増幅率分布に基づき被測定光ファイバの長
手方向の温度分布を求める。
【0014】この様に、上記の光ファイバの温度分布測
定方法では、レイリー散乱光を用いることにより、従来
のラマン散乱光を用いた場合と比べて光信号の強度が強
くなる。また、前記パルス光はラマン増幅されつつ被測
定光ファイバ中を伝搬する。したがって、高出力光源か
ら出射する光の強度を適当に設定すれば、入射端から遠
い位置でも散乱光強度が低下しない様に設定することが
可能になる。また、ラマン増幅の有無により同一波長で
OTDR波形を求めることにより、光ファイバの伝送損
失の波長依存性を考慮する必要がなくなる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の光ファイバの温度分布測定方
法の各実施例について説明する。 (実施例1)図1は、本発明の光ファイバの温度分布測
定方法を適用した分布型温度センサを示す構成図であ
る。図1において図4と同一の構成要素には同一の符号
を付してある。図において、21は狭線幅光源、22は
カプラ、23は光音響光学素子、24は無反射終端24
aを有するカプラ、25はカプラ24と被測定光ファイ
バ3との間に挿入されパルス光と励起光とを波長多重す
る光合分波器、26はカプラ、27はミキサ、28は周
波数f0のRF発振器、29はローパスフィルタ(LP
フィルタ)、30はモニタを含んだ演算処理装置であ
る。
【0016】狭線幅光源21は、スペクトル線幅の狭い
波長λ0の光を出射するもので、例えば、外部共振器付
き半導体レーザ、半導体レーザ励起固体レーザ等が好適
に用いられる。カプラ22,24,26は、方向性結合
器、光ミキサ等に置き換えることもできる。光音響光学
素子23は電気光結晶等からなるもので、超音波の回折
原理による光周波数シフタの機能を有し、カプラ22に
より分岐された一方の光をパルス化するとともにその周
波数をシフトさせ、該パルス光λfを被測定光ファイバ
3の入射端3aに入射するものである。
【0017】演算処理装置30は、A/D変換器11
と、受光器4から出力されるビート信号に二乗平均化処
理を施す二乗加算回路31と、2種類の後方散乱光各々
の強度変化を求め、これらの強度変化の差より被測定光
ファイバ3の長手方向のラマン増幅率の分布を求め、該
ラマン増幅率の分布より該光ファイバ3の長手方向の温
度分布を求めるコンピュータ7とから構成されている。
【0018】また、ここでは高出力光源としてインコヒ
ーレントな高出力パルス光源1を用いているが、該高出
力光源から出射する光は、パルス光または連続光のいず
れでもよい。ただし、パルス光の場合は前記パルス光λ
fと同期を取って被測定光ファイバ3に入射させる必要
がある。この分布型温度センサは、微弱信号を効果的に
受信するために光ヘテロダイン検波を行うもので、主と
してレイリー散乱光を選択する波長特性を有している。
【0019】次に、この分布型温度センサにより被測定
光ファイバ3の長手方向の温度分布を求める方法につい
て説明する。高出力パルス光源1から高出力パルス光λ
Pが出射されない状態で、コヒーレントな狭線幅光源2
1より出射されたスペクトル線幅の狭い波長λ0の光
は、カプラ22により2つに分岐される。この分岐され
た一方の光は光音響光学素子23によりパルス化され周
波数が該光音響光学素子23の駆動周波数f0だけシフ
トされたパルス光λfとなり被測定光ファイバ3の入射
端3aに入射される。このパルス光λfは、狭線幅の光
λ0、周波数f0及び光速度cを用いて c/λf =c/λ0+f0 ……(7) と表わされる。一方、分岐された他方の光はそのままの
状態で局発光λ0とされカプラ26に入射される。
【0020】被測定光ファイバ3に入射されたパルス光
λfは、該被測定光ファイバ3内で散乱光を発生させな
がら伝搬し、この散乱光のうちの一部がコヒーレンシー
を保持した後方レイリー散乱光となって入射端3aから
信号光λSとして出射され、カプラ26により局発光λ0
と合波される。受光素子4により該カプラ26から出射
する光を受光し信号光λSと局発光λ0との周波数差f0
に相当するビート信号を出力する。演算処理装置30で
は、該ビート信号に時間的な二乗平均化処理を施し、信
号光λSの強度変化、すなわちラマン増幅されない信号
光λSの第1のOTDR波形を求める。
【0021】次に、高出力パルス光源1から被測定光フ
ァイバ3のラマンシフト量ΔνRに相当する波長差を有
する高出力パルス光λPを励起光として出射させて、光
合分波器25によりパルス光λfと該高出力パルス光λP
とを合波し、該合波光を前記入射端3aに入射させる。
このラマンシフト量ΔνRは、高出力パルス光λPと狭線
幅の光λ0とを用いて、 ΔνR=|(1/λP)−(1/λ0)| ……(8) と、表わされる。
【0022】パルス光λfは被測定光ファイバ3内でラ
マン増幅されて強度が増加し、増加した強度に応じて後
方レイリー散乱光も増加する。この後方レイリー散乱光
は入射端3aから信号光λSSとして出射され、カプラ2
6により局発光λ0と合波される。該合波光は、受光素
子4により信号光λSSと局発光λ0との周波数差f0に相
当するビート信号を出力する。演算処理装置30では、
該ビート信号に二乗平均化処理を施し、信号光λSSの強
度変化、すなわちラマン増幅された信号光λSSの第2の
OTDR波形を求める。
【0023】次に、演算処理装置30により、ラマン増
幅されない信号光λSのOTDR波形とラマン増幅され
た信号光λSSのOTDR波形との強度差を求め、この差
より被測定光ファイバ3の長手方向のラマン増幅率(利
得)の分布を求める。このラマン増幅率は温度に依存す
るので、該ラマン増幅率の分布より光ファイバ3の長手
方向の温度分布を求めることができる。
【0024】以上説明した様に、この実施例1の分布型
温度センサは、狭線幅光源21と、カプラ22,24,
26と、光音響光学素子23と、光合分波器25と、高
出力パルス光源1と、受光素子4と、演算処理装置30
とを備え、光ヘテロダイン検波を行うので、レイリー散
乱光を波形測定に用いることができ、従来のラマン散乱
光を用いた場合と比べて強い光信号を得ることができ
る。また、パルス光λfはラマン増幅されつつ被測定光
ファイバ3中を伝搬するので、高出力パルス光源1から
出射する高出力パルス光λPの強度を調整し、ラマン増
幅率を適当に設定すれば、入射端3aから遠い位置でも
散乱光強度が低下しない様に設定することができる。ま
た、ラマン増幅の有無により同一波長でOTDR波形を
求めることができるので、光ファイバ3の伝送損失の波
長依存性を考慮する必要がない等の優れた効果を奏する
ことができる。
【0025】(実施例2)図2は、本発明の光ファイバ
の温度分布測定方法を適用した分布型温度センサの他の
一例を示す概略構成図である。この分布型温度センサの
特徴は、励起用光源に連続光を出力する光源を用いたこ
とである。また、図2において図1及び図4と同一の構
成要素には同一の符号を付してある。図において、41
は波長λpのパルス光を出射するパルス光源(該パルス
光源の詳細は第1実施例に従う)、42は光カプラ、光
スイッチ等からなる光方向性結合器、43は波長λCW
連続光を出射する励起用光源である。励起用光源43
は、波長λCWの連続光を出射するもので、例えば、分布
帰還型半導体レーザ等が好適に用いられる。
【0026】次に、この分布型温度センサにより被測定
光ファイバ3の長手方向の温度分布を求める方法につい
て説明する。パルス光源41より出射された波長λP
パルス光は、光方向性結合器42を経由して被測定光フ
ァイバ3の入射端3aに入射される。被測定光ファイバ
3に入射されたパルス光λPは、該被測定光ファイバ3
内で散乱光を発生させながら伝搬し、この散乱光のうち
の一部がコヒーレンシーを保持した後方レイリー散乱光
となって入射端3aから信号光λSとして出射され、光
方向性結合器42を経由して受光素子4により受光され
電気信号に変換される。該電気信号は増幅器5で増幅さ
れた後に、加算平均化回路12で時間的な単純加算処理
が施され、信号光λSの強度変化、すなわちラマン増幅
されない信号光λSのOTDR波形を求める。
【0027】次に、励起用光源43から被測定光ファイ
バ3のラマンシフト量ΔνRに相当する波長差を有する
高強度の連続光λCWを出射させて、光合分波器25によ
り前記パルス光λPと該連続光λCWとを合波し、該合波
光を前記入射端3aに入射させる。このラマンシフト量
ΔνRは、パルス光λPと連続光λCWとを用いて、 ΔνR=|(1/λP)−(1/λCW)| ……(9) と表わされる。被測定光ファイバ3は励起されているか
ら、前記パルス光λPは該被測定光ファイバ3内でラマ
ン増幅されて強度が増加し、増加した強度に応じて後方
レイリー散乱光も増加する。この後方レイリー散乱光は
入射端3aから信号光λSSとして出射され、光合分波器
25、光方向性結合器42を経由して受光素子4により
受光され電気信号に変換される。加算平均化回路12で
は、該電気信号に単純加算処理を施し、信号光λSSの強
度変化、すなわちラマン増幅された信号光λSSのOTD
R波形を求める。上記光学系が主としてレイリー散乱光
の選択性を有することは勿論である。
【0028】次に、演算処理装置30により、ラマン増
幅されない信号光λSのOTDR波形とラマン増幅され
た信号光λSSのOTDR波形との差を求め、この差より
被測定光ファイバ3の長手方向のラマン増幅率の分布を
求める。このラマン増幅率は温度に依存するので、該ラ
マン増幅率の分布より光ファイバ3の長手方向の温度分
布を求めることができる。
【0029】この実施例2の分布型温度センサにおいて
も、上記実施例1の分布型温度センサと同様の作用・効
果を奏することができる。また、上記実施例1の分布型
温度センサでは、高出力パルス光源1と狭線幅光源21
とをタイミング同期し、ラマン増幅した後方レイリー散
乱光と励起パルス光により発生するラマン散乱光とを区
別する必要があるが、この実施例2の分布型温度センサ
では、パルス光λPがコヒーレント光であり、連続光λ
CWがインコヒーレント光であるから、受光素子4でコヒ
ーレント検波(光ヘテロダイン)を行うことにより両者
を区別することができる。また、レイリー散乱光は強度
が比較的強いために、微弱信号を対象とした光ヘテロダ
イン検波を用いずに、本実施例2の直接検波によっても
良好な信頼度を得ることが出来るものである。
【0030】なお、現在、一般的にはGeがドープされ
た石英光ファイバが用いられており、この光ファイバの
ラマンシフト量(ΔνR)は420cm-1である。ここ
で、励起用光源として、Erドープ光ファイバアンプ
(EDFA)を用いた場合では、励起用光源波長は1.
55μm、パルス光源波長は1.66μmとなり、LD
励起固体レーザ(Nd:YLF等)を用いた場合では、
励起用光源波長は1.32μm、パルス光源波長は1.
40μmとなる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光ファイ
バの温度分布測定方法によれば、パルス光を被測定光フ
ァイバに入射し、該被測定光ファイバから出射する第1
の後方レイリー散乱光を検知し、該第1の後方レイリー
散乱光の強度変化を求めて第1のOTDR波形とし、次
いで、前記パルス光と前記被測定光ファイバのラマンシ
フト量に相当する波長差を有する励起光とを波長多重
し、該波長多重した合波光を前記被測定光ファイバに入
射し、該被測定光ファイバから出射する第2の後方レイ
リー散乱光を検知し、該第2の後方レイリー散乱光の強
度変化を求めて第2のOTDR波形とし、該第2のOT
DR波形と第1のOTDR波形との差を求め、この差よ
り被測定光ファイバの長手方向のラマン増幅率分布を求
め、該ラマン増幅率分布に基づき被測定光ファイバの長
手方向の温度分布を求めることとしたので、レイリー散
乱光を用いることができ、従来のラマン散乱光を用いた
場合と比べて強い光信号を得ることができる。
【0032】また、パルス光はラマン増幅されつつ被測
定光ファイバ中を伝搬するので、高出力光源から出射す
る高出力光の強度を適当に設定すれば、入射端から遠い
被測定光ファイバ中の位置でも散乱光強度が低下しない
様に設定することができる。また、ラマン増幅の有無に
より同一波長でOTDR波形を求めることができるの
で、光ファイバの伝送損失の波長依存性を考慮する必要
がない等の優れた効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1に係る光ファイバの温度分
布測定方法を適用した分布型温度センサを示す構成図で
ある。
【図2】 本発明の実施例2に係る光ファイバの温度分
布測定方法を適用した分布型温度センサを示す構成図で
ある。
【図3】 従来の分布型温度センサを示す構成図であ
る。
【符号の説明】
1…高出力パルス光源、3…被測定光ファイバ、4…受
光素子、5…増幅器、21…狭線幅光源、22…カプラ
(光分岐手段)、23…光音響光学素子、24…カプ
ラ、25…光合分波器(波長多重合波手段)、26…カ
プラ(光結合手段)、27…ミキサ、28…RF発振
器、29…ローパスフィルタ(LPフィルタ)、30…
演算処理装置、31…二乗加算回路、41…パルス光
源、42…光方向性結合器、43…励起用光源。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀口 常雄 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−123661(JP,A) 特開 平6−180256(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01K 11/12

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パルス光を被測定光ファイバに入射し、
    該被測定光ファイバから出射する第1の後方レイリー散
    乱光を検知し、該第1の後方レイリー散乱光の強度変化
    を求めて第1のOTDR波形とし、 次いで、前記パルス光と前記被測定光ファイバのラマン
    シフト量に相当する波長差を有する励起光とを波長多重
    し、該波長多重した合波光を前記被測定光ファイバに入
    射し、該被測定光ファイバから出射する第2の後方レイ
    リー散乱光を検知し、該第2の後方レイリー散乱光の強
    度変化を求めて第2のOTDR波形とし、 該第2のOTDR波形と第1のOTDR波形との差を求
    め、この差より被測定光ファイバの長手方向のラマン増
    幅率分布を求め、該ラマン増幅率分布に基づき被測定光
    ファイバの長手方向の温度分布を求めることを特徴とす
    る光ファイバの温度分布測定方法。
JP06107191A 1994-05-20 1994-05-20 光ファイバの温度分布測定方法 Expired - Fee Related JP3124184B2 (ja)

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