JP3122463B2 - 電気機械に通気する方法及び装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、電気機械に通気する方法及び装置に関し、
更に具体的に言えば、機械の両端に空気を吸い込むこと
により、電気機械を一層均一に冷却する方法及び装置に
関する。

牽引電動機のような電気機械が発生する熱は、電動機
の永久的な損傷を防止するために、効率よく取り除かな
ければならない。通常、内部ファンを用いて、電動機の
コイルの上に外部の空気を吸い込むことにより、機械を
冷却する。空気は電動機ハウジングの一方の端にある開
口を通して電動機の中に吸い込まれ、他方の端で電動機
から吹き出される。しかしながら、空気が通過せず、電
動機の一部を冷却空気から隔離しているような空間があ
る。このため、機械の内部の温度上昇が増加し、過熱及
び絶縁寿命の短縮の原因になることがあるが、その何れ
も望ましくない。この理由で、機械の本来ならば隔離さ
れている部分に冷却空気を供給する方法及び装置に対す
る要望がある。

従って、本発明の１つの目的は、回転電気機械に通気
する新規で改良された方法及び装置を提供することであ
る。

他の目的は、電気機械を更に均一に冷却する新規で改
良された方法及び装置を提供することである。

他の目的は、電気機械に通気する新規で改良された方
法及び装置であって、機械の隔離された部分の過熱を少
なくする方法及び装置を提供することである。

更に他の目的は、外部の空気を機械ハウジングの両端
を通じて吸い込むことにより、電気機械に通気する新規
で改良された方法及び装置を提供することである。

発明の要約 本発明の一面では、回転電気機械がハウジングと、ハ
ウジング内の不動の固定子と、固定子内でハウジングに
回転自在に固定されている内部回転子とを含んでいる。
回転子は中心軸に固着されており、ファンが回転子の一
端で軸に固着されている。

ハウジングは、一端に、冷却空気を機械内に取り込む
第１の入口と、他端に、軸受封じ（シール）の前後の圧
力を等化すると共に冷却空気を機械内に取り込む第２の
入口とを有している。ファンは、第１及び第２の入口を
通じてハウジング内に吸い込まれた空気を、ハウジング
内の１つの出口を介してハウジングの外へ強制的に押し
出す。

ファンは、ファン支持体に取り付けられている複数の
ブレードを有している。第２の入口を通じて吸い込まれ
た空気は、第１の入口を通じて入った空気から隔離され
ている回転子の部分にわたって、ファン支持体内の開口
を通り抜ける。ファン支持体内の開口を通り抜けた空気
は、ファンのブレードによって、第１の入口に入った空
気と同じ向きに吸い込まれる。

図面の簡単な説明 本発明の実施例の上述した特徴及びその他の特徴、並
びにそれらの特徴を達成するやり方は、以下に図面につ
いて説明するところから最もよく理解されよう。

第１図は本発明の原理に従って作成された回転電気機
械の断面図である。

第２図は第１図に示す装置のファンブレード支持体の
端面図である。

第３図は従来の回転電気機械の半分の断面図であっ
て、使用中の空気が機械を流れる様子を示す図である。

第４図は第１図に示す機械の半分の断面図であって、
使用中に空気が機械を流れる様子を示す図である。

詳細な説明 第１図に見られるように、牽引電動機等のような回転
電気機械10は、ハウジング12と、ハウジング12に固定さ
れている不動の固定子14とを含んでいる。中心軸16が、
ハウジング12の両端にある軸受18によって、ハウジング
12内に固定されており、回転子20が軸16に固着されてい
る。

ファン22が軸16によって回転させられる。ファン22
は、ファン支持体24に固定されており、このファン支持
体は軸16に固定されている。ファン22は、ハブ25と、複
数のブレード26と、シュラウド27とを含んでおり、この
シュラウドは密実であって、空気を通さない。ブレード
26は、ハウジング12内に冷却空気を通すような向きに向
いている。第２のシュラウド33を設けることが可能で、
ファン22は、各部分のアセンブリであってよいし、又は
１つの鋳物として作製されていてもよい。

ハウジング12は、一端29に第１の入口28を含んでいる
と共に、他端31に第２の入口30を含んでいる。１つの出
口32がハウジング12から空気を排出するように、他31の
近くに設けられている。シュラウド27はブレード26と共
に、空気を出口32に差向ける。しかしながら、シュラウ
ド27は、第１の入口28から入った空気は、第２の入口30
から入った空気から隔離している。希望によっては、フ
ァン20の設計を変えることにより、入口及び出口の作用
を反対にすることができる。

ファン支持体24（第２図）は、等間隔に隔設されてい
る複数のアンカ34を含んでおり、ブレードのアンカ34の
各々は、ファンのハブ25を支持体24に固着するためのね
じ孔36を有している。支持体24には更に、複数の開口37
が設けられている。入口30から吸い込まれた空気は、フ
ァンのシュラウド27とハウジング12との間に形成されて
いる入口流路39と、開口37とを通って、回転子20の一部
とファン22との間に形成されている内室38（第３図）を
通過する。空気は、固定子14及び回転子20から散逸され
た熱を室38内で吸収し、ファンのブレード26によって吸
い込まれて、出口32から強制的に出力される。開口37
は、ファン支持体24に沿って等間隔であることが好まし
い。第２図に示す12個の開口37を含めて、任意の適当な
数の開口37を設けることができる。

第２の入口30を有していない機械の内部を空気が循環
する様子が第３図に示されている。第１の入口28から入
った空気は、回転子及び固定子の上を通過するが、室38
内を循環しない。即ち、室38は、機械内を通過する冷却
空気の流れから隔離されている。

第４図は、本発明の機械10内で空気が循環する様子を
示す。第１の入口を通過した周囲の空気は、ハウジング
12と、固定子14と、回転子20とによって形成されている
通路41にわたって吸い込まれる。第２の入口30に吸い込
まれた周囲空気は、室38を通過し、機械のうち、室38に
隣接している部分を冷却する。更に、第２の入口30から
入った空気は、第１の入口28から入った空気と同じ向き
に、ファンのブレード26及び出口32を通過する。

実際に組み立てて試験した機械では、室38内の温度上
昇は、開口36を追加したときに、約160℃から約120℃に
下がった。このように温度上昇が減少したのは、余分の
周囲空気が第２の入口30を介して吸い込まれているため
であると共に、その空気が、第１の入口28から入って、
既に機械のコイルの上を通過して、熱を吸収した空気よ
りも、実質的に一層低温であるためである。

従って、本発明の多くの利点は明白である。機械は一
層均一に冷却され、過熱が少なくなり、機械の性能及び
寿命が高くなり且つ長くなる。

本発明の原理を特定の装置及び用途について説明した
が、この説明は例に過ぎず、本発明の要旨を制約するも
のと解してはならない。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 オズボーン，ゴードン・アレン アメリカ合衆国、16509、ペンシルバニ ア州、エリー、ウエスト・フォーティー フォース・ストリート、1448番 (56)参考文献 特開 昭62−250842（ＪＰ，Ａ) 実開 昭61−169451（ＪＰ，Ｕ) 英国公開341164（ＧＢ，Ａ) 独国公開2910845（ＤＥ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) H02K 9/06

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】回転電気機械（10）において、 一端（29）にあって、第１の冷却空気を吸い込む第１の
   空気入口（28）と、他端（31）にあって、第２の冷却空
   気を吸い込む第２の空気入口（30）と、前記第１および
   第２の冷却空気を当該機械から排出する出口（32）とを
   有しているハウジング（12）と、 前記ハウジング内に作動的に配置されている固定子（1
   4）と、 前記ハウジング内に作動的に配置されていると共に、軸
   （16）に固定されている回転子（20）と、 前記第１および第２の入口の間に作動的に配置されてい
   て、前記第２の入口から前記第２の冷却空気を隔離室
   （38）へ吸い込むファン手段（22）であって、シュラウ
   ド（27）及び複数のオリフィス（37）を含んでいるファ
   ン手段（22）とを備えており、 前記ハウジング、固定子及び回転子は、前記第１の冷却
   空気が前記第１の入口から前記出口まで通過する通路
   （41）を当該機械内に形成しており、 前記回転子及びハウジングは、前記第１の冷却空気が前
   記隔離室に幾らか入るにしても殆ど入らないような前記
   隔離室（38）を形成していて、前記第２の冷却空気が前
   記隔離室のみに入り、次いで前記隔離室から前記第１の
   冷却空気と同じ方向に前記第１の冷却空気の前記通路の
   中へ入り込んで、前記出口を介して当該機械から出て行
   くようになっていること、を特徴とする回転電気機械。
2. 【請求項２】前記ファン手段は、 前記軸に作動的に配置されているファン支持体（24）
   と、 それぞれが該ファン支持体から外向きに伸びている複数
   のファンブレード（26）と、 前記第２の冷却空気を前記出口から隔離している前記シ
   ュラウド（27）と、 前記ファン支持体内に作動的に配置されている前記複数
   のオリフィス（37）であって、前記第２の入口からの前
   記第２の冷却空気を前記隔離室のみに送り込んで、前記
   第２の冷却空気を、前記第１の入口から前記固定子と前
   記回転子との間の空隙を通った前記第１の冷却空気のう
   ちの、前記隔離室の上側部分に接近している小部分の冷
   却空気と混合させる前記複数のオリフィス（37）と、 を含んでいる請求項１記載の回転電気機械。
3. 【請求項３】第１の端（29）にある第１の空気入口（2
   8）と、前記第１の端とは反対の第２の端（31）にある
   第２の空気入口（30）と、空気出口（32）とを有してい
   るハウジング（12）と、 前記第１および第２の入口の間に作動的に配置されてい
   て、前記第１の入口から周囲空気を前記ハウジング内に
   吸い込むと共に、前記第２の入口から周囲空気を隔離室
   （38）へ吸い込むファン手段（22）であって、シュラウ
   ド（27）及び複数のオリフィス（37）を含んでいるファ
   ン手段（22）と、を備えている回転電気機械（10）を冷
   却する方法において、 前記第１の入口を介して周囲から第１の冷却空気を前記
   ハウジング内に吸い込み、 前記第２の入口を介して周囲から第２の冷却空気を前記
   ハウジング内に吸い込み、 前記第２の冷却空気を前記ファン手段により前記隔離室
   のみに送り込み、 次いで前記第２の冷却空気を、前記隔離室から前記第１
   の冷却空気と同じ方向に前記第１の冷却空気の通路の中
   へ入り込ませ、 次いで、前記第１および第２の冷却空気の両方を、前記
   出口を介して当該機械から出て行くように差し向ける工
   程を含み、もって、空気が前記隔離室内へ入り、その中
   を通って、そこから出て行くようにしたことを特徴とす
   る回転電気機械の冷却方法。
4. 【請求項４】前記第２の冷却空気を前記ファン手段によ
   り前記隔離室のみに送り込む工程が、前記ファン手段の
   前記複数のオリフィスを介して前記第２の冷却空気を前
   記隔離室のみに送り込むことからなる請求項３記載の冷
   却方法。