JP3120744B2 - 窒化化合物半導体レーザー素子 - Google Patents

窒化化合物半導体レーザー素子

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JP3120744B2
JP3120744B2 JP34783696A JP34783696A JP3120744B2 JP 3120744 B2 JP3120744 B2 JP 3120744B2 JP 34783696 A JP34783696 A JP 34783696A JP 34783696 A JP34783696 A JP 34783696A JP 3120744 B2 JP3120744 B2 JP 3120744B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、III−V族化合物
半導体レーザー素子に関し、特にV族元素が窒素である
窒化化合物半導体層を有する窒化化合物半導体レーザー
素子に関する。
【0002】
【従来の技術】窒化ガリウム(GaN)や窒化アルミニ
ウム(AlN)は、バンドギャップが大きく、そのバン
ドギャップエネルギーは紫外光に対応する。これら窒化
ガリウムや窒化アルミニウムと窒化インジウム(In
N)との混晶である窒化インジウムガリウム(InGa
N)や窒化インジウムアルミニウム(InAlN)、窒
化インジウムガリウムアルミニウム(InGaAlN)
も、組成によって青色光や紫外光に対応するバンドギャ
ップをもつ。
【0003】このため、これらの窒素を含むIII−V族
化合物半導体(以下「窒化化合物半導体」という。)
は、青色光や紫外光の発光デバイスの材料として、また
高耐圧あるいは耐高温環境電子デバイスの材料として注
目されている。中村(S.Nakamura)他は、Jpn.J.Appl.P
hys.Vol.35,p.L74(1996)に、これらの化合物半導体を使
用した青色レーザー素子の作製について報告している。
図5はこのレーザー素子の断面図である。
【0004】図5に示すように、中村らによるレーザー
素子は、C面((0001)面)を表面とするサファイ
ア基板501上に厚さ30nmの窒化ガリウムバッファ
層102と、ケイ素(Si)が添加された厚さ3μmの
n型窒化ガリウム層103と、ケイ素が添加された厚さ
0.1μmのn型In0.1Ga0.9N層104と、ケイ素
が添加された厚さ0.4μmのn型Al0.15Ga0.85
層105と、ケイ素が添加された厚さ0.1μmのn型
窒化ガリウム層106と、厚さ2.5nmのIn0.2
0.8N量子井戸層と厚さ5nmのIn0.05Ga0.95
障壁層の26周期からなる多重量子井戸層107と、マ
グネシウム(Mg)が添加された厚さ20nmのp型A
0.2Ga0.8N層108と、マグネシウムが添加された
厚さ0.1μmのp型窒化ガリウム層109と、マグネ
シウムが添加された厚さ0.4μmのp型Al0.15Ga
0.85N層110と、マグネシウムが添加された厚さ0.
5μmのp型窒化ガリウム層111とを順次積層した構
造である。そして、最上層の窒化ガリウム層111上
に、ニッケル(Ni)と金(Au)の2層からなるp電
極112を設け、n型窒化ガリウム層103上に、チタ
ン(Ti)とアルミニウム(Al)の2層からなるn電
極113を設けている。レーザー素子のキャビティーミ
ラー面としては、反応性イオンエッチングによってエッ
チングした面を用いている。中村らによる青色レーザー
素子をはじめとして窒化ガリウムを用いた半導体レーザ
ー素子は、ほとんどがC面を表面とするサファイア基板
上に作製されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
のレーザー素子ではしきい値電流密度が高く、室温連続
発振の寿命が短く、実用化レベルには達していない。
【0006】半導体レーザー素子のしきい値電流密度
は、活性層の半導体の価電子帯頂上付近の状態密度に大
きく依存する。窒化ガリウム系化合物半導体はスピン軌
道***エネルギーが非常に小さいために、価電子帯頂上
付近に3本ものバンドがあり、状態密度が大きく、これ
が窒化ガリウム系化合物半導体レーザーでしきい値電流
密度を高くする一因になっている。
【0007】そこで本発明は、このような従来技術の有
する問題点に対処してなされたものであって、しきい値
電流密度の低い窒化化合物半導体レーザー素子を提供す
ることを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的
を達成するために種々の検討を重ねた結果、本発明を完
成した。
【0009】第1の発明は、窒化ガリウム、窒化アルミ
ニウム及び窒化インジウムの中から選ばれた1種の層、
或いはこれらの中から選ばれた2種以上による混晶の層
からなる窒化化合物半導体層を少なくとも1層有する窒
化化合物半導体レーザー素子において、熱膨張係数に異
方性のある物質からなる基板であって、基板面内に熱膨
張係数の異方性が現れるような基板面方位を有する基板
(サファイアM面((1,0,−1,0)面)基板を除
く)を用い、窒化化合物の結晶構造がウルツ鉱構造であ
り、そのc軸が基板面に垂直であることを特徴とする窒
化化合物半導体レーザー素子に関する。
【0010】
【0011】第2の発明は、サファイアからなる基板で
あって、基板面方位がC面((0001)面)以外の面
方位である基板を用いた第1の発明の窒化化合物半導体
レーザー素子に関する。
【0012】
【0013】第3の発明は、サファイアR面((1,−
1,0,2)面)基板を用いた第1の発明の窒化化合物
半導体レーザー素子に関する。
【0014】第4の発明は、六方晶炭化ケイ素からなる
基板であって、基板面方位が(0001)面以外の面方
位である基板を用いた第1の発明の窒化化合物半導体レ
ーザー素子に関する。
【0015】第5の発明は、六方晶炭化ケイ素(1,−
1,0,0)面基板を用いた第1の発明の窒化化合物半
導体レーザー素子に関する。
【0016】第6の発明は、六方晶炭化ケイ素(1,
1,−2,0)面基板を用いた第1の発明の窒化化合物
半導体レーザー素子に関する。
【0017】第7の発明は、6Hタイプ炭化ケイ素から
なる基板であって、基板面方位が(0001)面以外の
面方位である基板を用いた第1の発明の窒化化合物半導
体レーザー素子に関する。
【0018】第8の発明は、6Hタイプ炭化ケイ素
(1,−1,0,0)面基板を用いた第1の発明の窒化
化合物半導体レーザー素子に関する。
【0019】第9の発明は、6Hタイプ炭化ケイ素
(1,1,−2,0)面基板を用いた第1の発明の窒化
化合物半導体レーザー素子に関する。
【0020】
【発明の実施の形態】まず、本発明の窒化化合物半導体
レーザー素子が、しきい値電流密度の低いレーザー素子
となることを説明する。
【0021】窒化化合物半導体を基板上に成長すると、
成長温度(通常は1000℃程度)において安定な格子
定数をもつ結晶が成長する。その後、室温まで冷却する
際に、基板結晶もエピ成長した窒化化合物半導体結晶も
熱膨張係数の効果により収縮する。一般に、基板とエピ
成長層では熱膨張係数に差があるため、室温まで冷却し
た状態ではエピ成長層に歪みが入ることになる。このメ
カニズムによりレーザー素子の活性層に導入された歪み
は、活性層の窒化化合物半導体の価電子帯構造を変化さ
せるため、レーザー素子の特性にも変化を引き起こす。
【0022】半導体レーザー素子のしきい値電流密度を
低減するためには、価電子帯頂上付近にほとんど縮退し
ている2つのバンド(一般にAバンド、Bバンドと呼ば
れる)を***させるように歪みを導入するのが最も効果
的であると考えられる。通常、窒化化合物半導体はウル
ツ鉱結晶構造をとり、そのc軸は基板面に垂直な方向を
向いている。従来作製されているサファイアC面基板上
の窒化ガリウム系化合物半導体レーザー素子の構造で
も、c軸が基板に垂直な方向に向いたウルツ鉱構造の窒
化ガリウム系半導体が成長している。そのため、サファ
イアのa軸方向の熱膨張係数と窒化ガリウム系化合物半
導体のa軸方向の熱膨張係数の差により2軸性の応力に
よる歪みが導入されている。そして、この場合サファイ
アも工ピ層も基板面内に熱膨張係数の異方性がないた
め、活性層に導入される歪みはC面内の等方的な歪みと
なる。堂免 他が第43回応用物理学会関係連合講演会
予稿集No.1,p.336(1996)の中で報告し
ているように、C面内の等方的な歪みでは、価電子帯の
AバンドとBバンドの***を大きくすることはほとんど
できない。AバンドとBバンドの***を大きくして、レ
ーザー素子のしきい値電流密度を低減するためには、C
面内に異方的な歪みを活性層に導入することが必要であ
る。
【0023】本発明の半導体レーザー素子、すなわち、
熱膨張係数に異方性のある物質からなる基板であって、
基板面内に熱膨張係数の異方性が現れるような基板面方
位を有する基板を用いたことを特徴とする窒化化合物半
導体レーザー素子では、成長後の冷却によって活性層を
構成するウルツ鉱構造の窒化化合物半導体のC面内に異
方的な歪みが導入されるため、価電子帯頂上付近のAバ
ンドとBバンドの***を大きくすることができ、レーザ
ー素子のしきい値電流密度を低減することができる。上
記基板の代表的な例としては、サファイアM面基板、サ
ファイアR面基板および六方晶炭化ケイ素の(1,−
1,0,0)基板、(1,1,−2,0)基板などが挙
げられる。
【0024】以下、具体例を挙げて図面を参照して説明
する。
【0025】参考例 図1は、サファイアM面基板上に形成した参考例として
窒化化合物半導体レーザー素子の概略断面図である。
図1において、レーザー素子は、サファイアM面を表面
とするサファイア基板101上に、厚さ30nmの窒化
ガリウムバッファ層102と、ケイ素(Si)が添加さ
れた厚さ3μmのn型窒化ガリウム層103と、ケイ素
が添加された厚さ0.1μmのn型In0.1Ga0.9N層
104と、ケイ素が添加された厚さ0.4μmのn型A
0.15Ga0.85N層105と、ケイ素が添加された厚さ
0.1μmのn型窒化ガリウム層106と、厚さ2.5
nmのIn0.2Ga0.8N量子井戸層と厚さ5nmのIn
0.05Ga0.95N障壁層の26周期からなる多重量子井戸
層107と、マグネシウム(Mg)が添加された厚さ2
0nmのp型Al0.2Ga0.8N層108と、マグネシウ
ムが添加された厚さ0.1μmのp型窒化ガリウム層1
09と、マグネシウムが添加された厚さ0.4μmのp
型Al0.15Ga0.85N層110と、マグネシウムが添加
された厚さ0.5μmのp型窒化ガリウム層111とを
順次積層した構造である。そして、これらの各層はc軸
が基板面に垂直に向くウルツ鉱構造の結晶からなる。さ
らに、最上層の窒化ガリウム層111上にはニッケル
(Ni)と金(Au)の2層からなるp電極112を設
け、n型窒化ガリウム層103上にはチタン(Ti)と
アルミニウム(Al)の2層からなるn電極113を設
けている。レーザー素子のキャビティーミラー面として
は、反応性イオンエッチングによってエッチングした面
を用いている。半導体結晶層102、103、104、
105、106、107、108、109、110、1
11の形成は有機金属化学気相成長法によって行った。
【0026】
【0027】上記の参考例は、図1に示される構造の半
導体層のみに限定されるものではなく、窒化インジウ
ム、窒化アルミニウム、窒化ガリウムの任意の組成の混
晶を成長層に含む場合にも適用される。
【0028】第1の実施の形態 図2は、サファイアR面基板上に形成した本発明の窒化
化合物半導体レーザー素子の概略断面図である。図2に
おいて、レーザー素子は、サファイアR面を表面とする
サファイア基板201上に、厚さ30nmの窒化ガリウ
ムバッファ層102と、ケイ素(Si)が添加された厚
さ3μmのn型窒化ガリウム層103と、ケイ素が添加
された厚さ0.1μmのn型In0.1Ga0.9N層104
と、ケイ素が添加された厚さ0.4μmのn型Al0.15
Ga0.85N層105と、ケイ素が添加された厚さ0.1
μmのn型窒化ガリウム層106と、厚さ2.5nmの
In0.2Ga0.8N量子井戸層と厚さ5nmのIn0.05
0.95N障壁層の26周期からなる多重量子井戸層10
7と、マグネシウム(Mg)が添加された厚さ20nm
のp型Al0.2Ga0.8N層108と、マグネシウムが添
加された厚さ0.1μmのp型窒化ガリウム層109
と、マグネシウムが添加された厚さ0.4μmのp型A
0.15Ga0.85N層110と、マグネシウムが添加され
た厚さ0.5μmのp型窒化ガリウム層111とを順次
積層した構造である。そして、これらの各層はc軸が基
板面に垂直に向くウルツ鉱構造の結晶からなる。さら
に、最上層の窒化ガリウム層111上にはニッケル(N
i)と金(Au)の2層からなるp電極112を設け、
n型窒化ガリウム層103上にはチタン(Ti)とアル
ミニウム(Al)の2層からなるn電極113を設けて
いる。レーザー素子のキャビティーミラー面としては、
反応性イオンエッチングによってエッチングした面を用
いている。半導体結晶層102、103、104、10
5、106、107、108、109、110、111
の形成は有機金属化学気相成長法によって行った。
【0029】このレーザー素子において、窒化化合物半
導体層はC面を表面とするウルツ鉱構造(六方晶)とな
った。77Kでのレーザー素子の発振しきい値電流密度
は、従来のサファイアC面基板上に形成したレーザー素
子よりも低い値を示した。
【0030】第1の実施の形態は、図2に示される構造
の半導体層のみに限定されるものではなく、窒化インジ
ウム、窒化アルミニウム、窒化ガリウムの任意の組成の
混晶を成長層に含む場合にも適用される。
【0031】第2の実施の形態 図3は、6Hタイプ炭化ケイ素(1,−1,0,0)面
基板上に形成した本発明の窒化化合物半導体レーザー素
子の概略断面図である。図3において、レーザー素子
は、(1,−1,0,0)面を表面とする6Hタイプ炭
化ケイ素基板301上に、厚さ30nmの窒化ガリウム
バッファ層102と、ケイ素(Si)が添加された厚さ
3μmのn型窒化ガリウム層103と、ケイ素が添加さ
れた厚さ0.1μmのn型In0.1Ga0.9N層104
と、ケイ素が添加された厚さ0.4μmのn型Al0.15
Ga0.85N層105と、ケイ素が添加された厚さ0.1
μmのn型窒化ガリウム層106と、厚さ2.5nmの
In0.2Ga0.8N量子井戸層と厚さ5nmのIn0.05
0.95N障壁層の26周期からなる多重量子井戸層10
7と、マグネシウム(Mg)が添加された厚さ20nm
のp型Al0.2Ga0.8N層108と、マグネシウムが添
加された厚さ0.1μmのp型窒化ガリウム層109
と、マグネシウムが添加された厚さ0.4μmのp型A
0.15Ga0.85N層110と、マグネシウムが添加され
た厚さ0.5μmのp型窒化ガリウム層111とを順次
積層した構造である。そして、これらの各層はc軸が基
板面に垂直に向くウルツ鉱構造の結晶からなる。さら
に、最上層の窒化ガリウム層111上にはニッケル(N
i)と金(Au)の2層からなるp電極112を設け、
n型窒化ガリウム層103上にはチタン(Ti)とアル
ミニウム(Al)の2層からなるn電極113を設けて
いる。レーザー素子のキャビティーミラー面としては、
反応性イオンエッチングによってエッチングした面を用
いている。半導体結晶層102、103、104、10
5、106、107、108、109、110、111
の形成は有機金属化学気相成長法によって行った。
【0032】このレーザー素子において、窒化化合物半
導体層はC面を表面とするウルツ鉱構造(六方晶)とな
った。77Kでのレーザー素子の発振しきい値電流密度
は、従来のサファイアC面基板上に形成したレーザー素
子よりも低い値を示した。
【0033】第2の実施の形態は、図3に示される構造
の半導体層のみに限定されるものではなく、窒化インジ
ウム、窒化アルミニウム、窒化ガリウムの任意の組成の
混晶を成長層に含む場合にも適用される。
【0034】第3の実施の形態 図4は、6Hタイプ炭化ケイ素(1,1,−2,0)面
基板上に形成した本発明の窒化ガリウム系化合物半導体
レーザー素子の概略断面図である。図4において、レー
ザー素子は、(1,1,−2,0)面を表面とする6H
タイプ炭化ケイ素基板401上に、厚さ30nmの窒化
ガリウムバッファ層102と、ケイ素(Si)が添加さ
れた厚さ3μmのn型窒化ガリウム層103と、ケイ素
が添加された厚さ0.1μmのn型In0.1Ga0.9N層
104と、ケイ素が添加された厚さ0.4μmのn型A
0.15Ga0.85N層105と、ケイ素が添加された厚さ
0.1μmのn型窒化ガリウム層106と、厚さ2.5
nmのIn0.2Ga0.8N量子井戸層と厚さ5nmのIn
0.05Ga0.95N障壁層の26周期からなる多重量子井戸
層107と、マグネシウム(Mg)が添加された厚さ2
0nmのp型Al0.2Ga0.8N層108と、マグネシウ
ムが添加された厚さ0.1μmのp型窒化ガリウム層1
09と、マグネシウムが添加された厚さ0.4μmのp
型Al0.15Ga0.85N層110と、マグネシウムが添加
された厚さ0.5μmのp型窒化ガリウム層111とを
順次積層した構造である。そして、これらの各層はc軸
が基板面に垂直に向くウルツ鉱構造の結晶からなる。さ
らに、最上層の窒化ガリウム層111上にはニッケル
(Ni)と金(Au)の2層からなるp電極112を設
け、n型窒化ガリウム層103上にはチタン(Ti)と
アルミニウム(Al)の2層からなるn電極113を設
けている。レーザー素子のキャビティーミラー面として
は、反応性イオンエッチングによってエッチングした面
を用いている。半導体結晶層102、103、104、
105、106、107、108、109、110、1
11の形成は有機金属化学気相成長法によって行った。
【0035】このレーザー素子において、窒化化合物半
導体層はC面を表面とするウルツ鉱構造(六方晶)とな
った。77Kでのレーザー素子の発振しきい値電流密度
は、従来のサファイアC面基板上に形成したレーザー素
子よりも低い値を示した。
【0036】第3の実施の形態は、図4に示される構造
の半導体層のみに限定されるものではなく、窒化インジ
ウム、窒化アルミニウム、窒化ガリウムの任意の組成の
混晶を成長層に含む場合にも適用される。
【0037】その他の実施の形態 上述の4つの実施の形態は、M面またはR面を表面とす
るサファイア基板、及び(1,−1,0,0)面または
(1,1,−2,0)面を表面とする6Hタイプ炭化ケ
イ素基板のみに限定されるものではなく、基板面内に熱
膨張係数の異方性がある基板で窒化化合物半導体を成長
できるという条件を満たすすべての基板に適用される。
【0038】たとえば、基板面方位がC面以外の任意の
面方位であるサファイア基板や、基板面方位が(000
1)面以外の任意の面方位である6Hタイプ、2Hタイ
プ、4Hタイプ等の六方晶炭化ケイ素基板上のレーザー
素子においても、活性層の窒化化合物半導体のC面内に
異方的な歪みが入るために、価電子帯の状態密度が低減
され、発振しきい値電流密度が下がる。
【0039】また、上述の4つの実施の形態では、c軸
が基板面に垂直な方向を向く窒化化合物を有している
が、c軸が基板面に対して垂直でない方向を向いていて
も、基板面内の熱膨張係数の異方性は、窒化化合物のc
面内に異方的な歪みを作るので、発振しきい値電流密度
を下げる効果は同様に期待できる。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の窒化化合
物半導体レーザー素子は、基板面内に熱膨張係数の異方
性のある基板を用いることにより、しきい値電流密度を
低減できる。これによって、室温連続発振が容易となっ
たり、消費電力や発熱が低減できたりする等、種々の素
子特性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】サファイアM面基板上に形成した参考例の窒化
化合物半導体レーザー素子の概略断面図である。
【図2】サファイアR面基板上に形成した本発明の窒化
化合物半導体レーザー素子の概略断面図である。
【図3】6Hタイプ炭化ケイ素(1,−1,0,0)面
基板上に形成した本発明の窒化化合物半導体レーザー素
子の概略断面図である。
【図4】6Hタイプ炭化ケイ素(1,1,−2,0)面
基板上に形成した本発明の窒化化合物半導体レーザー素
子の概略断面図である。
【図5】従来技術によってサファイアC面基板上に作製
したレーザー素子の断面の概略図
【符号の説明】
101 M面を表面とするサファイア基板 102 窒化ガリウムバッファ層 103 ケイ素が添加されたn型窒化ガリウム層 104 ケイ素が添加されたn型In0.1Ga0.9N層 105 ケイ素が添加されたAl0.15Ga0.85N層 106 ケイ素が添加されたn型窒化ガリウム層 107 In0.2Ga0.8N量子井戸層とIn0.05Ga
0.95N障壁層の26周期からなる多重量子井戸層 108 マグネシウムが添加されたp型Al0.2Ga0.8
N層 109 マグネシウムが添加されたp型窒化ガリウム層 110 マグネシウムが添加されたのp型Al0.15Ga
0.85N層 111 マグネシウムが添加されたのp型窒化ガリウム
層 112 ニッケルと金の2層からなるp電極 113 チタンとアルミニウムの2層からなるn電極 201 R面を表面とするサファイア基板 301 (1,−1,0,0)面を表面とする6Hタイ
プ炭化ケイ素基板 401 (1,1,−2,0)面を表面とする6Hタイ
プ炭化ケイ素基板 501 C面を表面とするサファイア基板
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01S 5/00 - 5/50 H01L 33/00

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒化ガリウム、窒化アルミニウム及び窒
    化インジウムの中から選ばれた1種の層、或いはこれら
    の中から選ばれた2種以上による混晶の層からなる窒化
    化合物半導体層を少なくとも1層有する窒化化合物半導
    体レーザー素子において、 熱膨張係数に異方性のある物質からなる基板であって、
    基板面内に熱膨張係数の異方性が現れるような基板面方
    位を有する基板(サファイアM面((1,0,−1,
    0)面)基板を除く)を用い、 窒化化合物の結晶構造がウルツ鉱構造であり、そのc軸
    が基板面に垂直であることを特徴とする窒化化合物半導
    体レーザー素子。
  2. 【請求項2】 サファイアからなる基板であって、基板
    面方位がC面((0001)面)以外の面方位である基
    板を用いた請求項1記載の窒化化合物半導体レーザー素
    子。
  3. 【請求項3】 サファイアR面((1,−1,0,2)
    面)基板を用いた請求項1記載の窒化化合物半導体レー
    ザー素子。
  4. 【請求項4】 六方晶炭化ケイ素からなる基板であっ
    て、基板面方位が(0001)面以外の面方位である基
    板を用いた請求項1記載の窒化化合物半導体レーザー素
    子。
  5. 【請求項5】 六方晶炭化ケイ素(1,−1,0,0)
    面基板を用いた請求項1記載の窒化化合物半導体レーザ
    ー素子。
  6. 【請求項6】 六方晶炭化ケイ素(1,1,−2,0)
    面基板を用いた請求項1記載の窒化化合物半導体レーザ
    ー素子。
  7. 【請求項7】 6Hタイプ炭化ケイ素からなる基板であ
    って、基板面方位が(0001)面以外の面方位である
    基板を用いた請求項1記載の窒化化合物半導体レーザー
    素子。
  8. 【請求項8】 6Hタイプ炭化ケイ素(1,−1,0,
    0)面基板を用いた請求項1記載の窒化化合物半導体レ
    ーザー素子。
  9. 【請求項9】 6Hタイプ炭化ケイ素(1,1,−2,
    0)面基板を用いた請求項1記載の窒化化合物半導体レ
    ーザー素子。
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1996年(平成8年)春季第43回応用物理学関係連合講演会予稿集 第3分冊 26a−ZB−9 p.190

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