JP3116110B2 - 表面保護フィルム - Google Patents

表面保護フィルム

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JP3116110B2
JP3116110B2 JP07248393A JP24839395A JP3116110B2 JP 3116110 B2 JP3116110 B2 JP 3116110B2 JP 07248393 A JP07248393 A JP 07248393A JP 24839395 A JP24839395 A JP 24839395A JP 3116110 B2 JP3116110 B2 JP 3116110B2
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film
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山口康彦
岡田徳繁
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東レ合成フィルム株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は樹脂板、金属板など
の表面に仮着させて使用する表面保護フィルムに関す
る。特に高温度(例えば100〜160℃)加工や紫外
線キュア加工に供した時に粘着力が昂進したり、ないし
は粘着力の低下など粘着機能に変化が生ずることがな
く、また剥離する際に被着体を汚染せず、安定して被着
体を保護する特長を有する。また、凹凸面状の非平滑被
着体に対しても適度の粘着力を有すると共に汚染を生ず
ることがなく同様に安定して被着体を保護する特長を有
する。
【0002】表面保護フィルムは搬送、輸送上の表面保
護に止まらず、塗布加工や熱成型などの加工工程に追従
して様々な環境、条件にさらされる。中でも高温条件、
特に表面保護フィルムの融点以上の高温域になる場合も
多い。樹脂板などの基材に塗布などの表面加工を行い、
溶媒、分散剤を揮散させるために乾燥炉で処理する。こ
の際、塗布加工しない基板面は傷防止のため表面保護フ
ィルムを密着したまま処理される。また環境保全から紫
外線照射キュア型塗料が使用されている。本発明の表面
保護フィルムは加工時に受けるかかる負荷に耐えること
ができる。
【0003】また、樹脂板、金属板の表面がハンドリン
グ性、表面外観、光学的機能(散乱、透過)などから所
定の三次元形態を有する場合がある。表面保護フィルム
はかかる粗面、凹凸面への適用は非常に難しく、三次元
空間に追従するように粘着層の粘性、加塑性を上げると
粘着層の凝集力が低下し層破壊による汚染(糊残り)を
発生する。また、粘着層と基材層の滑りが低下したり、
ブロッキングを生じる。本発明の表面保護フィルムはか
かる非平滑被着体に対しても安定して密着すると共に汚
染や滑り低下、ブロッキングを生じない特長を有する。
【0004】
【従来の技術】表面保護フィルムは過酷な使用条件に耐
える粘着機能を保持しながら、表面保護機能を終えたな
らば容易に剥脱できる軽度の粘着力であることが要求さ
れる。しかも被着体を汚染してはならず、表面保護フィ
ルムの痕跡を板に残さないことが要求される。光学用に
供する場合は汚染しないことが厳しく要求される。汚染
は表面保護フィルムの材料転移(配合物転移、凝集破壊
転移を含む)が主たるものである。表面保護フィルムは
材料特性として活性と不活性な裏腹な機能を同時に満足
しなければならない。基材層、粘着層を押出プロセスに
より製造する場合、特に共押出プロセスは材料に制約が
あり高度の技術が必要である。矛盾した要求性能を全う
するために様々な工夫が必要である。また表面保護フィ
ルムは保護機能を全うするには被着体に緊密に密着する
事が必要であり、被着体に貼り付ける時には表面保護フ
ィルムの平面形状は変形していてはならず、フィルムを
ロ−ルに巻いた際の形状が歪まないようにまたロ−ルか
ら容易にフィルムが巻き戻すことができるよう粘着層と
基材層がブロツキングしないことや適度の滑り性を付与
する対策を取る。材料として活性な機能と不活性な機能
の両面を同時に満足するため表面保護フィルムはポリオ
レフィンを主体とする非極性材料を用いて安定した粘着
力を維持する工夫が重ねられている。
【0005】粗面、凹凸面への適用については粘着層に
各種のゴムあるいはエラストマ類が使用されており例え
ば天然ゴム、アクリル酸エステル共重合体、スチレンブ
タジエン共重合体(SBR、SBS、SEBSなど)、
エチレン共重合体(EPR、EBRなど)があるが、粘
着層の凝集破壊による被着体の汚染や粘着層/基材層間
のブロツキングや滑り低下の問題を抱えている。
【0006】表面保護フィルムの粘着層の機能改善のた
めエチレン−α−オレフィン共重合体(直鎖状低密度ポ
リエチレン)を使用することは従来から提案されてお
り、その例として特許公開公報:3−47886、4−
55488、5−229080、5−239420、5
−302068がある。これらに記載されているエチレ
ン−α−オレフィン共重合体の性状は密度、粘性(M
I,MFR)については規定されているものの本発明の
材料構成要件である融点、融解挙動について言及してい
るものは無い。また、従来、紹介されているエチレン−
α−オレフィン共重合体は本発明に用いる材料に比べ、
同一密度対比において融点が割高であり、また融解曲線
において複数ピ−クを示すなど構成要件が異なる。この
ため機能発現において限界があり、本発明が意図する特
長を達成することができない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】表面保護フィルムは相
反する機能を同時に満足するため一義的な材料構成では
要求機能を全うすることは難しい。従来技術は構成材料
の追究において一面的な範囲に止まっている。このため
要求機能の一部を達成したに過ぎず、達成した機能に相
反する機能は未完のままになっている。複数の交錯して
いる特性を同時に満足することができない。
【0008】表面保護フィルムは実用において多種多用
の使用条件があり、各々の実用条件において工業的に円
滑にかつ容易に取り扱うことができて初めて目的を達す
ることができる。そのためには粘着に係る機能に止まら
ず表面保護フィルムの取扱いに関する性能、例えば粘着
層と背面層間の相互関係、例えば滑り性、ブロッキング
性についても対策が必要である。しかし、えてして取扱
いに関する性能を向上しようとすると本来の粘着機能が
阻害される。特に高温加工条件下での機能、即ち汚染や
成型時の変形を防止する機能を満足させると、フィルム
の取り扱い特性、粘着層と背面層間の滑り性、ブロッキ
ング性とフィルムの形態保持、平面性保持を満足するこ
とができない。表面保護フィルムロ−ルに巻いた時に歪
みを生じてロ−ルの一部が変形し表面保護フィルムを変
形させたりロ−ルからフィルムを引き出す時に余分の力
を要しフィルムの変形を招く。
【0009】本発明の目的は、エチレン−α−オレフィ
ン共重合体からなる粘着層を有する表面保護フィルムの
構成要件を多局面から適正化して集約し、広範囲な使用
条件、例えば加熱加工、紫外線照射、熱成型において、
粘着力が昂進することがなくかつ被着体を汚染しない特
性を満足した上で、ハンドリングが容易でフィルムを歪
ませることがなくその持てる機能を最大限に活用した表
面保護フィルムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために、次のような手段を採用する。すなわ
ち、本発明の表面保護フィルムは、粘着層と基材層の複
合形態からなり、粘着層が密度0.860〜0.9
20、融点60〜115℃、示差走査熱量測定によって
得た融解曲線が単一ピ−クを示すエチレン−α−オレフ
ィン共重合体に、粘着付与剤を40wt%以下の範囲で
含有せしめた配合物で構成されていることを特徴とする
ものである。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明をさらに詳しく説明
する。 (1)粘着層 (1)本発明が目的とする効果を発現するには、粘着層は
化学的および物理的に組み上った性能を集約して満足し
なければならない。粘着層の機能と材料特性との関係を
要約すると次のようになる。 a.被着体と粘着層の化学的相互作用(接着要素など)
をコントロ−ルするために、材料の化学的組成が規定さ
れる。本発明に用いるエチレン−α−オレフィン共重合
体は化学的に不活性であり被着体との接着昂進を生じ難
い。 b.被着体と粘着層との間では、適性な物理的相互作用
が存在し、所定の粘着力を保持しなければならぬ。粗面
状の被着体に対しては常温下でのポリマの塑的挙動が
重要である。
【0012】ポリマ物性は粘弾性、結晶性、熱力学特性
(実用条件の常温近傍における転移特性など)が関与す
るが、特にポリマの組成分布や分子量分布などの均一性
が重要であり本発明に用いるエチレン−α−オレフィン
共重合体は明確な単一融解ピ−クを示すことが重要であ
る。
【0013】エチレン−α−オレフィン共重合体におい
ては主鎖、側鎖の長さやその分布(短鎖、長鎖分岐種の
状況やそれらの分岐度)、組成分布などの分子構造(分
子量。分子量、組成の分布。)によりポリマの諸特性が
形成される。
【0014】本発明においてはエチレン−α−オレフィ
ン共重合体の好ましい物理的相互作用を規定するものと
して密度、融点、融解挙動が有効であることを見出し
た。融点は結晶性物質の融解点であるがエチレン−α−
オレフィン共重合体においては密度と融点を規定すれば
表面保護フィルムを使用する常温下でのポリマの挙動を
制御することができる。 (2)密度0.860〜0.920、融点が60〜115
℃、示差走査熱量測定によって得た融解曲線が単一ピ−
クを示すエチレン−α−オレフィン共重合体を粘着層に
用いると本発明が目的とする効果を得ることを見出した
が、該共重合体の密度、融点において、好ましい範囲の
下限を割ると被着体表面を汚染し、好ましい範囲の上限
を越えると被着体に対する密着力が低下したり、熱成型
への追従性が悪くなる。 (3)本発明に用いるエチレン−α−オレフィン共重合体
は表面保護フィルムの粘着層として従来、紹介されてい
るポリマに比べ、同一密度対比において融点が低い性状
のポリマである。密度(D)と融点(Tm)の関係が、
Tm≦400D−256を満足する密度0.860〜
0.920、融点が60〜112℃のポリマがより好ま
しく使用できる。
【0015】従来技術と密度と融点の関係を対比する場
合、従来技術のエチレン−α−オレフィン共重合体は複
数ピ−クの融点を有するので主ピ−クの内、最も高い融
点をその代表とする。 (4)本発明に用いる特性を有するエチレン−α−オレフ
ィン共重合体は単一の活性点を有するシングルサイト触
媒を使用することにより合成することができる。マルチ
サイト触媒でも合成は可能であるがシングルサイト触媒
の方がポリマ構造のコントロ−ルが容易である。
【0016】シングルサイト触媒の例としてメタロセン
がある。遷移金属をπ電子系の不飽和環状化合物で挟ん
だ構造の化合物であり、二塩化ジルコノセンとメチルア
ルミノキサンを組合せたもの(カミンスキ−触媒)など
がある。また助触媒としてホウ素化合物を使用する例も
ある。これに対しチ−グラ−触媒で代表されるマルチサ
イト触媒においては活性点がいくつも存在するためポリ
マ構造の分布、分散があり、本発明に規定したポリマ構
造のエチレン−α−オレフィン共重合体を得ることは難
しい。また、本触媒によって合成したポリマは一般に複
数の融点ピ−クを示す。チ−グラ−触媒とは周期律第
I,II, III 族(ホウ素を除く)金属有機化合物を一つ
の成分とし、第IV〜VIII族の金属化合物を他の成分とす
る系よりなる触媒であり、代表的なものはトリアルキル
アルミニュウムと塩化チタン(IV)よりなる系である。
【0017】本発明に用いるエチレン−α−オレフィン
共重合体はリニアリティの高い、均質のポリマ構造を有
し、分岐は均質の短鎖からなる。ただし、コントロ−ル
下においてリニア−構造に少量の長鎖分岐を導入したポ
リマは溶融流動性が優れ好ましく使用できる場合があ
る。本発明に使用できるエチレン−α−オレフィン共重
合体の合成は各種プロセスが使用できるが、例えば公表
特許公報7−500622にその一例が示されている。
【0018】共重合体のコモノマ−であるα−オレフィ
ンの化学構造は特に限定するものではないがブテン−
1、ヘキセン−1、4−メチル・ペンテン−1、オクテ
ン−1などがある。
【0019】目的とするポリマの性状はコモノマ−の種
類、共重合量により調整することができる。例えばオク
テン−1の場合、共重合量7〜30wt%の範囲で目的
とする性状を得ることができる。 (5)本発明は、かかるエチレン−α−オレフィン共重合
に、粘着付与剤を含有させて組み合わせることが、被
着体の汚染防止性やフィルムロ−ルのブロッキング防止
性の上から重要である。かかる粘着付与剤としては、
ルペン化合物やロジン類が好ましく使用されるかかる
粘着付与剤のエチレン−α−オレフィン共重合体に対す
る配合量は被着体の汚染防止やフィルムロ−ルのブロ
ッキング防止の上から、好ましくは40wt%以内、更
くに好ましくは6〜40wt%がよいかかるテルペ
化合物としては、イソプレンのオリゴマでガラス転
移温度30〜100℃、軟化温度30〜150℃
ポリテルペンや、その水添化物(水添テルペン樹
脂)、さらに変成物として、テルペンスチレン樹脂、テ
ルペンフェノ−ル樹脂などを使用することができる。な
お、かかるポリテルペンの構造ユニットとしてはα−ピ
ネン、β−ピネン、ジペンテンなどがある
【0020】また、ロジン類としては、ロジン、重合ロ
ジン、水添ロジンや、その変成物、誘導体としてロジ
ンあるいは水添ロジンのグリセリンエステル、ペンタエ
リスリットエステルなどを使用することができる。 (6 )他の成分としては、次のエラストマ、擬似エラスト
マを含有していてもよい。たとえば、スチレン・ブタジ
エン・スチレン(SBS)、スチレン・イソプレン・ス
チレン(SIS)、スチレン・エチレン・ブチレンン・
スチレン(SEBS)などのスチレン系熱可塑性エラス
トマや、ブタジエンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、
1、2−ポリブタジエンなどのオレフインゴム、さら
に、エチレン−α−オレフィン共重合体、多元(三元な
ど)共重合体のエラストマ、擬似エラストマなどを含有
していてもよい。ここで、α−オレフィンとしては、例
えばエ チレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−
1、ヘキセン−1、オクテン−1などを使用することが
できる。また、共重合体の例としては、エチレン・プロ
ピレン(ランダム)共重合体、エチレン・ブテン−1
(ランダム)共重合体などを使用することができる。
【0021】さらに、かかる他の成分としては、他のポ
リオレフィン、オレフィン共重合体のポリマや脂肪族化
合物ないしは環式化合物を含んでもよい。
【0022】本発明のエチレン−α−オレフィン共重合
体において密度、融点が下限域の場合は他のポリオレフ
ィンやオレフィン共重合体を配合し、粘着力やロ−ルブ
ロッキングを調整することができる。粘着機能を維持す
るため相溶性がよく、またスウェル比が小さいものが好
ましく使用できる。 (7)低分子配合剤を使用する場合は必要最小限量に止め
る。必要以上に配合すると被着体汚染の原因となり好ま
しくない。押出加工のために配合する酸化防止剤は、本
発明に規定した表面形状を維持することを第一義とした
必要最小限量に止める。低密度ポリエチレンはポリマの
熱安定性が良く酸化防止剤の配合を必要としない場合が
多い。しかるにエチレン−α−オレフィン共重合体は剪
断負荷下での粘度減少が低い上に熱安定性が悪く酸化防
止剤を配合しなかったり配合量が適正値を割って押出加
工するとポリマが軽度に架橋し規定の表面形状以上に粗
くなる。安定剤配合量は酸化防止剤は500〜3,00
0ppmが好ましい。下限を割るとポリマ架橋により規
定の表面形状を維持できないし上限を越えると被着体を
汚染する。また触媒残渣を含有するため中和剤の配合を
要すが、その量は1,000ppm以下が好ましい。酸
化防止剤はラジカル捕捉や過酸化物分解などの作用をす
るが、その構造はフェノ−ル系、芳香族アミン系、チオ
エ−テル系、リン系などがあり少量配合で効果を高める
ため二種以上のものを併用する場合がある。例えばフェ
ノ−ル系とリン系の併用がある。 (8)粘着層へのいわゆる有機系滑剤の配合は被着体に対
する密着を不安定にしたり汚染から好ましくない。かか
る観点から合成触媒残渣の中和剤についても注意を要
す。中和剤は一般にカルシュウムステアレ−トが使用さ
れるが被着体汚染の源となりやすい。塩化マグネシュウ
ム・アルミニュゥムハイドロカ−ボネ−ト(ハイドロタ
ルサイト)が好ましい。 (9)粘着層は機能を有効に発現するために、その表面形
状は中心線平均粗さが.10ミクロン以下で、かつ最
大粗さが0.50ミクロン以下が好ましい。 (2)基材層 (1)基材層の材料は特に規定するものではないが、ポリ
エチレン及び又はエチレン−α−オレフィン共重合体が
好ましく使用できる。エチレン−α−オレフィン共重合
体を用いる場合は粘着層に使用するものに比べコモノマ
−量が少なく、密度はより高いものの方が好ましい。粘
着層に用いたエチレン−α−オレフィン共重合体と同一
物を配合することもできるが配合量は滑りなどの表面特
性から30重量%以内であることが好ましい。エチレン
−α−オレフィン共重合体の配合は押出し時の流動性の
改善やスティフネスの調整などに有効である。 (2)基材層は2種以上の材料を配合して機能を調整する
ことが好ましい。その構成成分の一つとして密度:0.
930以下、スウェル比:1.6以上のポリエチレンを
配合すると基材層表面が適度な粗面形状となりブロッキ
ングや滑りに対し好ましい。スウェル比は一定径のノズ
ルからポリマを溶融状態で一定圧力下で押し出して冷却
固化した時のノズル径に対する押出し物の径の比であ
る。スウェル比はポリマの分子量分布や分岐の状態など
によって決まり、例えば長鎖分岐が多く、分子量分布が
広い場合に大きいスウェル比が得られる。ポリエチレン
の製造プロセスにおいてオ−トクレ−ブ法高圧条件など
によりかかる特性のポリマを得ることができる。スウェ
ル比は製膜時にフィルム物性に関与(ドラフト配向な
ど)したり、フィルム溶融時の挙動(メルトテンション
など)に影響するので、選定されたスウェル比のポリマ
を制御して使用するとよい。 (3)基材層への有機系低分子配合剤は必要最小限量に止
めることが重要である。必要以上に配合すると被着体の
汚染の原因になる。滑りやブロッキングに関与する表面
状態はポリマ構成要件により大勢が決まる。微調整用に
好ましく使用できる配合剤として無機化合物の微粒子が
あり、例えば二酸化ケイ素、炭酸カルシュウム、ゼオラ
イトなどがある。工業的に得られるかかる粒子はその大
きさが分散状態にあるが最大径が10μ以下、平均径が
2〜5μが好ましい。 (4)基材層が中心線平均粗さ0.02〜0.30μで、
かつ最大粗さ0.30〜1.50μの表面形状を充足す
る場合は優れたフィルムのハンドリング機能やブロッキ
ングの抑制から好ましい。 (5)本発明においては基材層の諸機能は基材層単独の効
果として発現するものではなく、粘着層の機能との関与
において発現するものである。 (3)ポリマの粘度 本発明に用いるポリマの粘度は特に限定しないが、メル
トインデックス(MI)あるいはメルトフロ−レ−ト
(MFR)にて1ないし20の範囲にあることが好まし
い。 (4)製膜方法 本発明の製膜方法は特に規定するものではないが、押出
法(単層押出、複層押出)および押出ラミネ−ト法など
が採用できるが、複層押出法が好ましい。また押出法は
Tダイ法、インフレ−ション法があるが表面形状の制御
からTダイ法が好ましい。
【0023】Tダイ法の場合、エア−ナイフやエア−チ
ャンバ−のキャステイング方法を採用する時は次の条件
を調整することにより規定の表面形状を達成することが
できる。 イ、押出温度/押出量/引取速度の最適組合せ ロ、キャスティングドラム温度 ハ、口金とキャスティングドラム間の距離/ドラフトパ
スの雰囲気温度 ニ、エア−温度/風量/風速 ホ、キャスティングドラムの表面形状(平滑、粗面) (5)材料特性および表面保護フィルム特性の測定、評
価方法 (1)エチレン−α−オレフィン共重合体の融解曲線 示差走査熱量計(島津製作所製、熱分析装置・DT−4
0型)により次の条件で測定する。融解ピ−クは第2ス
テ−ジの測定を採用する。 第1ステ−ジ:10℃/分の昇温速度で150℃まで昇
温する。その後、測定室の室温(23℃)下で25℃ま
で空冷する。 第2ステ−ジ:10℃/分の昇温速度で150℃まで昇
温し融解曲線を測定する。記録のAMP−RANGEは
10mj/sとする。 (2)試料フィルムの貼り付け プラスチック板に試料フィルムをゴムロ−ル(3Kg/
50mm)を用いて貼り付ける。貼り付けた後でフィル
ムは板と同寸法となるように裁断する。
【0024】23℃の恒温室に24時間放置した後、各
測定と評価に用いる。 (3)粘着特性 プラスチック板は鏡面板は厚さ0.5mmのポリカ−ボ
ネ−ト板(Ra:0.03μ、Rt:0.36μ)を使
用した。粗面板はRa:0.9μ、Rt:2.2μのポ
リカ−ボネ−ト板を用いた。 A、粘着力 常温条件は上記の方法で作製した試料を引張試験機を用
いて引張速度300m/分で180度剥離を行い剥離力
を求め粘着力とする。高温特性は上記の方法で作製した
試料を120℃に設定したオ−ブン内に一端をクリップ
止めして吊し、30分間放置した後取り出し同様に剥離
試験を行う。単位はg/50mm。 B、密着性 上記の方法で作製した試料について、23℃条件と12
0℃設定オ−ブン内に放置した条件について次の観察を
行い評価する。
【0025】プラスチック板とフィルムの密着状態を肉
眼観察し次の判定を行う。 ○:完全に密着している △:ごく一部が密着不良でフ
ィルムが一部(面積比、30%以内)浮いている ×:
70%以上の部分でフィルムが浮いている。 (4)熱加工モデル試験 A、被着体の汚染観察 試料フィルムを貼り付けた試験片を120℃下に30
分、放置した後で試料フィルムを剥がす。暗室内で被着
体表面にスポット光を当て、表面の汚染状態を肉眼観察
する。 判定 ○:汚染無し、 △:軽度の汚染がある、 ×:
汚染している B、熱成型 厚さ2mmのアクリル板を用いて上記の方法でフィルム
を貼り付ける。
【0026】作製した試料を140℃に設定したオ−ブ
ン内に一端をクリップ止めして吊し、5分間放置した後
取り出し。試料フィルムを剥がした後、暗室内で被着体
表面に光を当てて板の変形状態(凹みなど)を45度の
角度で肉眼観察する。 判定 ○:変形無し、 △:軽度の変形がある、 ×:
変形している C、ブロッキング特性 試料フィルム2枚を基材層と粘着層を重ね合せ42g/
cm↑2 ↑の荷重を掛け、温度40℃相対湿度84%の
条件下に24時間、放置した後取り出し、引張試験機に
より引張速度300mm/minで剥離する。単位はg
/12cm↑2↑。 剥離力の値により次の判定を行
う。 判定 ○:剥離力 300以下、△:300〜700、
×:700以上 ただし、剥離力が○あるいは△の各判定値内であっても
基材層や粘着層が凝集破壊などにより損傷する場合は×
とする。 (5)表面粗さ 表面形状を三次元的に表すものであり、通常に用いられ
ている表面形状測定機により測定した粗さプロフィル
(粗さ曲線)を解析し求めることができる。
【0027】中心線平均粗さ:粗さ曲線からその中心線
の方向に測定長さlの部分を抜き取(Ra) りこ
の抜き取り部分の中心線をX軸、縦倍率の方向をY軸と
し粗さ曲線をY=f(x)で表した時、数式1で与えら
れるRaをミクロン単位で表したものである。
【0028】
【数1】
【0029】最大粗さ :粗さ曲線の測定長さ内に
おける最大の山と最深の谷の距離を(Rt) ミク
ロン単位で表したものである。 (6)被着体被着体としては、 樹脂板、金属板などの広範囲な材料
使用することができる。 ここで、本発明でいう鏡面板
とは中心線平均粗さ0.1μ未満で、かつ最大粗さ0.
5μ未満の表面形状の被着体を示し、粗面板とは中心線
平均粗さ0.1μ以上で、かつ最大粗さ0.5μ以上の
表面形状の被着体を示す。
【0030】本発明において粘着力と剥離力のバランス
から鏡面板には度0.860〜0.920、融点6
0〜115℃のエチレン−α−オレフィン共重合体から
なる粘着層が好ましく使用され、特に好ましくは密
.880〜0.920、融点65〜115℃のエチレ
ン−α−オレフィン共重合体からなる粘着層が使用され
【0031】粗面板には度0.860〜0.92
0、融点60〜115℃のエチレン−α−オレフィン共
重合体と粘着付与剤からなる粘着層が好ましく使用さ
、軽度の粗面板に対しては度0.880〜0.9
20、融点65〜115℃のエチレン−α−オレフィン
共重合体と粘着付与剤との配合になる粘着層が特に好ま
く使用される
【0032】
【実施例】次に、実施例を比較例とともに述べるが、本
発明はこれらに限定されるものではない。実施例1〜2、比較例1〜6 粘着層原料を口径35mmの押出機から、基材層原料を
口径40mmの押出機から押出して短管内ピノ−ルを用
いて共押出しにより複合して粘着層厚さ15μ/背面層
厚さ35μの構成で総厚さが50μのフィルムを得た。
押出温度条件は表1の通りである。
【0033】
【表1】
【0034】粘着層および基材層の材料構成、配合組成
は表2および表3に記載の通りである。粘着層主剤の融
解曲線は図1、2の通りである。
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】得られた表面保護フィルムの特性は表4お
よび表5に記載の通りである。表4および5から明らか
な通り、本発明になる表面保護フィルムは粘着力、密着
性、熱加工適性(特に非汚染性)、ブロッキング性の何
れの機能をも満足している。また鏡面板に対しても、粗
面板に対しても諸機能を満足することができる。
【0038】
【表4】
【0039】
【表5】
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、粘着力、密着性、汚染
を発生することなく加工できる熱加工性、表面特性(ブ
ロッキング)のいずれをも満足し、かつ粗面板にも採用
できる表面保護フィルムを提供することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】:実施例の主材の融解曲線を示す。
【図2】:比較例の主材の融解曲線を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂本宇太郎 大阪府高槻市桜町1番5号 東レ合成フ イルム株式会社高槻工場内 (56)参考文献 特開 平8−157791(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 C09J 7/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粘着層と基材層の複合形態からなり、
    着層が密度0.860〜0.920、融点60〜11
    5℃、示差走査熱量測定によって得た融解曲線が単一ピ
    −クを示すエチレン−α−オレフィン共重合体に、粘着
    付与剤を40wt%以下の範囲で含有せしめた配合物で
    構成されていることを特徴とする表面保護フィルム。
  2. 【請求項2】該粘着付与剤が、テルペン化合物およびロ
    ジンから選ばれた少なくとも1種である請求項1記載の
    表面保護フィルム。
  3. 【請求項3】エチレン−α−オレフィン共重合体が、
    密度(D)と融点(Tm)の関係において、Tm≦40
    0D−256を満足していることを特徴とする請求項1
    または2記載の表面保護フィルム。
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