JP3114732B2 - ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物 - Google Patents

ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物

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JP3114732B2 JP27261390A JP27261390A JP3114732B2 JP 3114732 B2 JP3114732 B2 JP 3114732B2 JP 27261390 A JP27261390 A JP 27261390A JP 27261390 A JP27261390 A JP 27261390A JP 3114732 B2 JP3114732 B2 JP 3114732B2
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L81/00Compositions of macromolecular compounds obtained by reactions forming in the main chain of the macromolecule a linkage containing sulfur with or without nitrogen, oxygen or carbon only; Compositions of polysulfones; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L81/02Polythioethers; Polythioether-ethers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L51/00Compositions of graft polymers in which the grafted component is obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L51/04Compositions of graft polymers in which the grafted component is obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds; Compositions of derivatives of such polymers grafted on to rubbers

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は耐衝撃性の改善され、かつ、成形品の外観に
優れたポリアリーレンサルファイド樹脂組成物に関す
る。
[従来の技術] ポリアリーレンサルファイド樹脂の耐衝撃性を改善し
た組成物として特開昭56−118456号公報、特開昭58−15
4757号公報、特開昭59−207921号公報、特開昭61−2115
6号公報、特開昭62−151460号公報等にポリアリーレン
サルファイド樹脂にスチレン−ブタジエンブロック共重
合体、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、
エチレン−ブテン共重合体、EPラバー等各種のゴム成分
を配合した組成物が提案されている。
しかし、ポリアリーレンサルファイド樹脂の成形加工
温度は290℃以上と高く、このような温度領域では通常
のジエン系ゴム成分やオレフィンゴム成分等は熱による
劣化を生じ、耐衝撃性の改善に充分な効果を挙げ得ると
は言い難く、しかも成形品外観に劣ったものとなるとい
う問題があった。
上記のような欠点を改良しようとするものとして特開
昭60−120753号公報にポリアリーレンサルファイドにポ
リオルガノシロキサン系ゴムを添加したものが提案され
ている。しかし、これは架橋したシリコンゴムのクラム
をブレンドするものであり、シリコンゴムとポリアリー
レンサルファイド樹脂との相溶性不良のため充分な衝撃
強度の向上が図れないという問題があった。そこで、本
出願人は、先に、特願昭63−57039号及び特開平2−124
975号公報においてポリオルガノシロキサン系グラフト
共重合体を添加した組成物を、特開平2−124976号でポ
リオルガノシロキサン系ゴムと特定の有機シラン化合物
を配合した組成物を提案した。
[発明が解決しようとする課題] ポリアリーレンサルファイド樹脂にポリオルガノシロ
キサン系グラフト共重合体を添加した組成物は従来のジ
エン系やポリオレフィン系ゴムを配合したものに比べる
と格段に耐衝撃性が改善されているものの、更に高い衝
撃強度を要望される用途に関しては耐衝撃強度が必ずし
も充分でないという問題があり、ポリオルガノシロキサ
ン系ゴムと特定の有機シラン化合物を配合した組成物は
衝撃強度の発現性については満足できるレベルにあるも
のの、成形品の外観が不良であるという問題点を残して
いる。
[課題を解決するための手段] 本発明者らはこのような現状に鑑み、ポリアリーレン
サルファイド樹脂が本来有している耐熱性や機械的性質
をさほど損なうことなく耐衝撃性を改善し、かつ、成形
品の外観に優れた強度の向上したポリアリーレンサルフ
ァイド樹脂組成物を得るべく鋭意検討した結果、ポリア
リーレンサルファイド樹脂に特定のポリオルガノシロキ
サン系グラフト共重合体と特定の官能基を有する有機シ
ラン化合物を配合することにより上記目的を達成しうる
ことを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明の要旨は (A)ポリアリーレンサルファイド樹脂60〜99重量部、 (B)ポリオルガノシロキサンゴム成分とポリアルキル
(メタ)アクリレートゴムとからなり、ポリオルガノシ
ロキサンゴム成分1〜99重量%とポリアルキル(メタ)
アクリレートゴム成分1〜99重量%とが分離できないよ
うに相互に絡み合った構造を有する平均粒径0.08〜0.6
μmの複合ゴムに1種以上のビニル系単量体がグラフト
重合されてなるポリオルガノシロキサン系グラフト共重
合体1〜40重量部、 及び (C)前記(A)成分並びに前記(B)成分の合計量10
0重量部に対しエポキシ基を有する有機シラン化合物0.0
1〜10重量部、 を主要樹脂成分とするものを溶融混合してなるポリアリ
ーレンサルファイド樹脂組成物にある。
本発明において(A)成分として用いられるポリアリ
ーレンサルファイド樹脂は一般式Ar−Sで示される
繰り返し単位{式中、Arは (但し、Xは−SO2−、 −O−又は低級アルキル側鎖を有していてもよい主鎖炭
素数1〜5のアルキレン基を示す。)及びこれらの芳香
環に1−8個のハロゲンやメチル基等の置換基を有する
ものから選ばれる1種以上である。}を主要構成単位と
して有する重合体であり、直鎖構造のみからなるもので
あっても分岐鎖を含むものであってもよく、溶融加工性
を有している限りは架橋構造をとっていてもよい。
本発明で用いるポリアリーレンサルファイド樹脂とし
てはポリフェニレンサルファイド樹脂が好ましい。
本発明で(B)成分として用いられるポリオルガノシ
ロキサン系グラフト共重合体はポリオルガノシロキサン
ゴム成分1〜99重量%とポリアルキル(メタ)アクリレ
ートゴム成分1〜99重量%(両ゴム成分の合計100重量
%)から構成され両ゴム成分が相互に絡み合って実質上
分離できない構造を有し、かつ、その平均粒径が0.08〜
0.6μmである複合ゴムに1種以上のビニル系単量体を
グラフト重合して得られる共重合体である。
上記複合ゴムの代わりにポリオルガノシロキサンゴム
成分及びポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分の
いずれか一方あるいはこれらの単純混合物をゴム源とし
て用いても本発明の樹脂組成物におけるような優れた性
能の組成物は得られず、ポリオルガノシロキサンゴム成
分とポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分とが相
互に絡み合い複合一体化されて初めて耐衝撃性に優れ、
かつ優れた外観を有する成形物を与える樹脂組成物とす
ることができる。
複合ゴムを構成するポリオルガノシロキサンゴム成分
が99重量%を超えると得られる樹脂組成物からの成形物
の外観が悪化し、1重量%未満であると得られる樹脂組
成物からの成形品の耐衝撃性が不充分なものとなる。こ
のため、複合ゴムを構成する2種のゴム成分はいずれも
1〜99重量%(両ゴム成分の合計100重量%)である必
要があり、更に5〜95重量%の範囲にあることがより好
ましい。
上記複合ゴムの平均粒径は0.08〜0.65μmの範囲にあ
ることが好ましい。平均粒径が0.08μm未満であると得
られる樹脂組成物からの成形品の耐衝撃性が不充分なも
のとなり、又、平均粒径が0.6μmを越えると成形品の
外観が悪化する。
このような平均粒径を有する複合ゴムを製造するには
乳化重合法を採用するのが好適であり、まずポリオルガ
ノシロキサンゴムラテックスを製造し、次にポリアルキ
ル(メタ)アクリレートゴムの合成用原料をこのラテッ
クス中に加えてこの原料でポリオルガノシロキサンゴム
粒子を膨潤させ、この状態でポリアルキル(メタ)アク
リレートゴムの合成用原料を重合する方法が好ましい。
本発明で用いる上記複合ゴムを構成するポリオルガノ
シロキサンゴム成分はオルガノシロキサンとポリオルガ
ノシロキサンゴム用架橋剤とから構成され、更にこれに
ポリオルガノシロキサンゴム用グラフト交叉剤を加えて
構成したものでもよい。ポリオルガノシロキサンゴムの
調製に用いるオルガノシロキサンとしては3員環以上の
環状体を挙げることができ、3〜6員環のものが好まし
く用いられる。このようなオルガノシロキサンの具体例
としてヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチ
ルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシ
ロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、トリ
メチルトリフェニルシクロトリシロキサン、テトラメチ
ルテトラフェニルシクロテトラシロキサン、オクタフェ
ニルシクロテトラシロキサン等を挙げることができ、こ
れらは単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いて
もよい。ポリオルガノシロキサンゴム成分合成に用いる
オルガノシロキサンの量はポリオルガノシロキサンゴム
成分中50重量%以上、好ましくは70重量%以上である。
ポリオルガノシロキサン用架橋剤とは低級アルコキシ
基を3又は4つ有するシラン化合物、即ちトリアルコキ
シアルキルシラン、トリアルコキシフェニルシラン又は
テトラアルコキシシランであり、その具体例としてはト
リメトキシメチルシラン、トリエトキシフェニルシラ
ン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テ
トラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等を例示
でき、これらの中ではテトラアルコキシシランが好まし
く、テトラエトキシシランが特に好ましい。ポリオルガ
ノシロキサン用架橋剤の使用量はポリオルガノシロキサ
ンゴム成分中0.1〜30重量%である。
ポリオルガノシロキサンゴム用グラフト交叉剤とはポ
リオルガノシロキサンゴムを調製する際には反応せず、
その後にグラフト重合あるいは複合ゴム調製のためのポ
リ(メタ)アクリレートゴム重合の際に反応する官能基
を有するシロキサンであり、その具体例として (各式中、R1はメチル基、エチル基、プロピル基又はフ
ェニル基、R2は水素原子又はメチル基、nは0、1又は
2、pは1〜6の整数を示す。)で表されるオルガノシ
ロキサン単位を形成しうる化合物を示すことができる。
これらの中では式(I)の単位を形成しうる(メタ)ア
クリロイルオキシ(アルキル)シロキサンはグラフト重
合時のグラフト効率が高いため有効なグラフト鎖を形成
することができ、このためこれを用いた本発明の組成物
の耐衝撃性がより優れたものとなるので好ましい。
式(I)の単位を形成しうるものとしてはメタクリロ
イルオキシアルキルモノ、ジ又はトリアルコキシシロキ
サンが好ましく、この具体例としてβ−メタクロイルオ
キシエチルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイ
ルオキシプロピルメトキシジメチルシラン、γ−メタク
リロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン、γ−
メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−メタクリロイルオキシプロピルエトキシジエチルシラ
ン、γ−メタクリロイルオキシプロピルジエトキシメチ
ルシラン、δ−メタクリロイルオキシブチルジエトキシ
メチルシラン等を挙げることができる。
式(II)の単位を形成しうるものの例としてはビニル
メチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等
を挙げることができ、式(III)の単位を形成しうるも
のの例としてはγ−メルカプトプロピルジメトキシメチ
ルシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルジエトキシエチルシラン等
を例示でき、式(IV)の単位を形成し得るものの例とし
てはp−ビニルフェニルジエトキシエチルシラン、p−
ビニルフェニルトリエトキシシラン等を例示できる。ポ
リオルガノシロキサンゴム用交叉剤の量はポリオルガノ
シロキサンゴム成分中0〜10重量%である。
ポリオルガノシロキサンゴムは例えば米国特許第2891
920号明細書、同第3294725号明細書に記載された方法を
用いて得ることができるが、オルガノシロキサンとポリ
オルガノシロキサンゴム用架橋剤及び所望によりポリオ
ルガノシロキサンゴム用グラフト交叉剤との混合液とを
アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸等の
スルホン酸系乳化剤の存在下で例えばホモジナイザー等
を用いて水と剪断混合する方法で製造することが好まし
い。スルホン酸系乳化剤としてはアルキルベンゼンスル
ホン酸がオルガノシロキサンの乳化剤として作用すると
同時に重合開始剤としても作用するので好ましく用いら
れる。この際、アルキルベンゼンスルホン酸金属塩、ア
ルキルスルホン酸金属塩等を併用するとグラフト重合を
行う際にポリマーの乳化状態を安定に維持するのに効果
があるので好ましい。
ポリオルガノシロキサンゴム成分とポリアルキル(メ
タ)アクリレートゴム成分とからなる複合ゴムは上述の
ポリオルガノシロキサンゴムラテックスにアルキル(メ
タ)アクリレート、ポリアルキル(メタ)アクリレート
ゴム用架橋剤及びポリアルキル(メタ)アクリレートゴ
ム用グラフト交叉剤を添加してポリオルガノシロキサン
ゴムにこれらの成分を含浸させてから重合させることに
より得られる。
複合ゴムの調製に用いられるアルキル(メタ)アクリ
レートとしてはアルキル基の炭素数1〜8の直鎖又は分
岐鎖アクリレート及びアルキル基の炭素数6〜12のアル
キルメタクリレートを示すことができ、これらの具体例
としてメチルアクリレート、エチルアクリレート、n−
プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n
−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、sec
−ブチルアクリレート、2−メチルブチルアクリレー
ト、3−メチルブチルアクリレート、3−ペンチルアク
リレート、ヘキシルアクリレート、ヘプチルアクリレー
ト、2−ヘプチルアクリレート、オクチルアクリレー
ト、2−オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルア
クリレート、ヘキシルメタクリレート、オクチルメタク
リレート、デシルメタクリレート、ラウリルメタクリレ
ート、2−エチルヘキシルメタクリレート等を例示で
き、これらの中ではブチルアクリレートを好ましいもの
として例示できる。
ポリアルキル(メタ)アクリレートゴム用架橋剤とし
ては重合性不飽和結合を2つ以上有する(メタ)アクリ
レートが用いられ、その具体例としてエチレングリコー
ルジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリ
レート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、
1,4−ブチレングリコールジメタクリレート等を例示で
きる。
ポリアルキル(メタ)アクリレートゴム用グラフト交
叉剤はポリアルキル(メタ)アクリレートゴム重合時に
重合して該ゴム中に組み込まれるが少なくとも一部の重
合性不飽和基は重合せずに残存し、その後のグラフト重
合時にその残った不飽和基が反応してグラフト結合でき
る重合性不飽和結合を2つ以上有するモノマーであり、
このようなグラフト交叉剤の具体例としてトリアリルシ
アヌレート、トリアリルイソシアヌレート、アリルメタ
クリレート等を例示できる。アリルメタクリレートはポ
リアルキル(メタ)クリレートゴム重合時にその一部が
2つの重合性不飽和基の両方が反応して架橋構造を形成
し、かつ残りは不飽和基の一方のみが反応して他方の不
飽和結合はポリアルキル(メタ)アクリレートゴム重合
後も残存してその後のグラフト重合時にこの残った不飽
和結合が反応してグラフト結合を形成するので架橋剤と
してもグラフト交叉剤としても働く。
これらのポリアルキル(メタ)アクリレートゴム用架
橋剤及びポリアルキル(メタ)アクリレートゴム用グラ
フト交叉剤は各々単一成分のものを用いてもよく2種以
上の成分の併用であってもよい。アリルメタクリレート
を用いる場合はこれのみで架橋剤とグラフト交叉剤を兼
ねさせてもよい。
ポリアルキル(メタ)アクリレートゴム用架橋剤及び
ポリアルキル(メタ)アクリレートゴム用グラフト交叉
剤の使用量は各々ポリアルキル(メタ)アクリレートゴ
ム成分中0.1〜10重量%である。アリルメタクリレート
のみで架橋剤とグラフト交叉剤を兼ねさせた場合はポリ
アルキル(メタ)アクリレートゴム成分中0.2〜20重量
%用いればよい。
複合ゴムの調製は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、炭酸ナトリウム等のアルカリの水溶液を添加して中
和したポリオルガノシロキサンゴムラテックス中に上述
のアルキル(メタ)アクリレート、ポリアルキル(メ
タ)アクリレートゴム用架橋剤及びポリアルキル(メ
タ)アクリレートゴム用グラフト交叉剤を添加し、これ
らをポリオルガノシロキサンゴム粒子中に含浸させ、ポ
リオルガノシロキサンゴム粒子が膨潤した状態で、通常
のラジカル重合開始剤を作用させて重合を行えばよい。
こうすることにより、重合の進行と共にポリオルガノシ
ロキサンゴムの架橋網目に絡んだポリアルキル(メタ)
アクリレートゴムの架橋網目が両者の界面において形成
され、ポリオルガノシロキサンゴム成分とポリアルキル
(メタ)アクリレートゴム成分とが実質上分離できない
程度に相互に絡み合った複合ゴムが得られる。更にポリ
オルガノシロキサンゴムの合成にポリオルガノシロキサ
ンゴム用グラフト交叉剤を用いた複合はポリオルガノシ
ロキサンゴム成分とポリアルキル(メタ)アクリレート
ゴム成分の間に結合も生ずる。このようにして作成され
た複合ゴムはアセトン、トルエン等の通常の有機溶剤で
は抽出分離できないものとなっている。この複合ゴムと
してはトルエンで90℃で12時間抽出して測定したときの
ゲル含量が80%以上のものであることが好ましい。
複合ゴムとしては、ポリオルガノシロキサンゴム成分
の主骨格がジメチルシロキサンの繰り返し単位を有し、
ポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分の主骨格が
n−ブチルアクリレートに由来する繰り返し単位を有す
るものであるものが好ましい。
本発明で用いるポリオルガノシロキサン系グラフト共
重合体は上述の複合ゴムに1種以上のビニル系単量体を
グラフト重合させてなるものであるが、このビニル系単
量体としてはメチルメタクリレート、2−エチルヘキシ
ルメタクリレート等のメタクリル酸エステル、メチルア
クリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート
等のアクリル酸エステル、スチレン、ハロゲン置換スチ
レン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族
アルケニル化合物、アクリロニトリル、メタクリロニト
リル等のシアン化ビニル化合物等を例示でき、これらは
単独で、又は2種以上組み合わせて用いられる。
これらのビニル単量体の中ではメチルメタクリレート
が好ましく用いられる。
上記ビニル系グラフト共重合体中、複合ゴム30〜95重
量%、ビニル系単量体5〜70重量%であることが好まし
く、複合ゴム70〜95重量%、ビニル系単量体5〜30重量
%であることがより好ましい。ビニル系単量体が5重量
%未満であると樹脂組成物中でのグラフト共重合体の分
散が不充分となる傾向にあり、70重量%を超えると衝撃
強度発現性が低下する傾向にある。
本発明で用いるグラフト共重合体は上述の複合ゴムの
ラテックス存在下で1種以上のビニル系単量体を一段あ
るいは多段でラジカル重合することにより得ることがで
きるが、グラフト重合においてはグラフト共重合体の枝
にあたる成分(ここでは1種以上のビニル系単量体に由
来する成分)が幹成分(ここでは複合ゴム)にグラフト
せずに枝成分だけで重合して得られる所謂フリーポリマ
ーも副生し、グラフト共重合体とフリーポリマーの混合
物として得られるが、本発明においてはこの両者を合わ
せてグラフト共重合体という。
このようにして得られた複合ゴム系グラフト共重合体
ラテックスは塩化カルシウム又は硫酸マグネシウム等の
金属塩を溶解した熱水中に該ラテックスを投入し、塩
析、凝固することにより複合ゴム系グラフト共重合体を
分離、回収することができる。
本発明において用いるエポキシ基を有する有機シラン
化合物としては次式(V)で表される化合物の1種又は
2種以上の混合物を用いることができる。
(式中、mは1〜3の整数、R3は単結合又は炭素数1〜
3のアルキレン基、R4はメチル基又はエチル基、Y及び
Zは各々下記の群から選ばれる基である。但しYがグリ
シジル基又は3,4−エポキシシクロヘキシル基の場合はR
3は単結合又は炭素数1〜5のアルキレン基である。
Z:−OR4、−OCOR4又は−Cl 但し、R5は炭素数1〜3のアルキレン基を、R4は前述
の意味を表す。) これらのエポキシ基を有する有機シラン化合物の具体
例としては(3−グリシジルオキシプロピル)トリメト
キシシラン、(3−グリシジルオキシプロピル)メチル
ジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシラン等を好ましいものの例と
して挙げることができる。
本発明のポリアリーレンサルファイド樹脂組成物は上
記(A)ポリアリーレンサルファイド樹脂が60〜99重量
部、(B)ポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体
が1〜40重量部及び上記(A)成分並びに(B)成分の
合計100重量部に対して(C)エポキシ基を有する有機
シラン化合物を0.01〜10重量部を配合してなるものであ
り、(A)成分が65〜95重量部、(B)成分が5〜35重
量部、及び(A)、(B)両成分の合計100重量部に対
して(C)成分が0.3〜6重量部であることが好まし
い。(A)、(B)両成分の合計100重量部に対し
(B)成分が1重量部未満ではポリアリーレンサルファ
イド樹脂の耐衝撃性の改善効果が乏しく、40重量部を超
えると組成物からの成形物の強度、剛性、耐熱性が損な
われる傾向にあるので好ましくない。更に(A)成分と
(B)成分の合計量100重量部に対する(C)成分の配
合量が0.01重量部未満では衝撃強度の発現性が不充分で
あり10重量部を超える場合には流動性等に悪影響を及ぼ
すため好ましくない。
本発明の組成物としては樹脂成分が上述のものである
限りは、組成物の耐熱性、機械的強度等をより向上させ
るためにこれに更に強化充填材を上記(A)成分、
(B)成分及び(C)成分の合計100重量部に対し300重
量部まで含有させることができる。
強化充填材としては繊維状、粒子状、粉体状等種々の
形状のものを用いることができ、充填材としてガラス繊
維、炭素繊維、アスベスト、セラミック繊維、金属繊
維、アラミド繊維、窒化珪素、チタン酸カリウム、炭化
珪素、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、珪酸カルシウ
ム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、三酸化アンチ
モン、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化
鉄、二硫化モリブデン、マイカ、タルク、カオリン、パ
イロフィライト、ベントナイト、セリサイト、ゼオライ
ト、ウオラストナイト、その他のクレー、フェライト、
黒鉛、石膏、ガラスビーズ、ガラスバルーン等を挙げる
ことができる。
充填材を用いる場合は樹脂成分100重量部に対して充
填材を10〜300重量部とするのが好ましい。10重量部未
満では充填材添加効果に乏しく、300重量部を超えて添
加すると組成物の溶融流動性が低下するので好ましくな
い。なお、これらの充填材を配合する場合は公知のシラ
ンカップリング剤を用いることができる。
又、本発明の樹脂組成物には本発明の目的を逸脱しな
い範囲で少量の離型剤、着色剤、熱安定剤、紫外線安定
剤、発泡剤、防錆剤、難燃剤、難燃助剤等を含有せしめ
ることができる。
本発明の組成物は少なくとも上記(A)成分、(B)
成分及び(C)成分を溶融混合して得られるものであれ
ばどのような手段で溶融混合してもよいが、(A)成
分、(B)成分、(C)成分と必要に応じて強化充填材
とを押出機内でポリアリーレンサルファイド樹脂の融点
以上の温度で溶融混練後、ペレット化するのが好まし
い。なお、溶融混練温度は290〜340℃であることが好ま
しく、290℃未満ではポリアリーレンサルファイド樹脂
の溶融が不充分となることがあり、340℃より高い温度
になるとポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体が
熱劣化し、ゲル化することがあるので注意を要する。
[実施例] 以下に実施例を用いて本発明を更に説明する。
なお、実施例、参考例中、「部」は別途規定しない限
り重量部を表す。
又、アイゾット衝撃強度の測定はASTM D256(1/8″ノ
ッチ付き)の方法により、HDT(熱変形温度)の測定はA
STM D648(18.56kg荷重)の方法により行った。
又、外観評価は射出成形により100mm×100mm×3mmの
平板を成形し、充填材を含有しない系では目視によりパ
ール光沢の有無を、充填材を含有する系ではスガ試験機
社製変角光沢計(UGV−4D)により表面光沢(60゜)を
測定し、 パール光沢の認められるものを×、 パール光沢の認められないものを○とした。
なお、変角光沢計による測定値は数値の高いほど表面
が平滑で良好な外観を有していることを示す。
参考例1 ポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体S−1の製
造 テトラエトキシシラン2部、γ−メタクリロイルオキ
シプロピルジメトキシメチルシラン0.5部及びオクタメ
チルシクロテトラシロキサン97.5部を混合してシロキサ
ン混合物100部を得た。
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム及びドデシル
ベンゼンスルホン酸各々1部を溶解した蒸留水200部を
上記シロキサン混合物100部に加え、ホモミキサーを用
いて10,000rpmで予備撹拌した後ホモジナイザーにより3
00kg/cm2の圧力で乳化してオルガノシロキサンラテック
スを得た。このラテックスをコンデンサー及び撹拌翼を
備えたセパラブルフラスコに仕込み、これを撹拌混合し
ながら80℃で5時間加熱した後20℃で放置し、48時間後
に水酸化ナトリウム水溶液でこのラテックスのpHを6.9
に中和することにより重合を完結させポリオルガノシロ
キサンゴムラテックスを得た。ポリオルガノシロキサン
ゴムへの転化率は89.7%であり、ポリオルガノシロキサ
ンゴムの数平均粒径は0.16μmであった。
このポリオルガノシロキサンゴムラテックスを33部
(ポリオルガノシロキサンゴム10部)採取して撹拌翼を
備えたセパラブルフラスコに入れ、蒸留水267部をこれ
に加え、窒素置換してから50℃に昇温し、n−ブチルア
クリレート80部、アリルメタクリレート1.6部及びtert
−ブチルハイドロパーオキサイド0.192部の混合液を更
に加えてこの混合液をポリオルガノシロキサンゴム粒子
中に浸透させ、次いでこれに硫酸第1鉄0.001部、エチ
レンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.003部、ロンガリ
ット0.24部及び蒸留水10部の混合液を添加し、内温70℃
で2時間保持してラジカル重合を行わせ、ポリオルガノ
シロキサン系複合ゴムラテックスを得た。このラテック
スにメチルメタクリレート10部とtert−ブチルハイドロ
パーオキサイド0.024部の混合液を加え、内温70℃で4
時間保持することにより複合ゴムへのグラフト重合を行
い、ポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体(以下
S−1という)を得た。メチルメタクリレートの重合率
は97.5%であり、グラフト共重合体ラテックスの平均粒
径は0.20μmであった。このラテックスを塩化カルシウ
ムを1.5重量%含有する熱水600重量部中に滴下し、凝固
物を濾別し、水による洗浄を繰り返した後80℃で24時間
乾燥してS−1の乾粉を97.7重量部得た。
参考例2 ポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体S−2〜7
の製造 複合ゴム製造において、参考例1と同様にして得たポ
リオルガノシロキサンゴムラテックスの採取量、これに
加えた蒸留水の量、n−ブチルアクリレート及びアリル
メタクリレートの量を第1表に示す量とし、複合ゴムへ
のグラフト重合におけるメチルメタクリレートの添加量
を第1表に示したものとした以外は参考例1と同様にし
て複合ゴムの重合及びそれらの複合ゴムへのグラフト重
合を行った。メチルメタクリレートの重合率、得られた
ポリオルガノシロキサン系共重合体ラテックスの平均粒
径、同共重合体乾粉の収量を第1表に示す。
参考例3 ポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体S−8の製
造 参考例1でのポリオルガノシロキサン系グラフト共重
合体の製造過程で得たポリオルガノシロキサンゴムラテ
ックスを300部(ポリオルガノシロキサンゴム90部)採
取し、撹拌翼を備えたセパラブルフラスコに入れ、蒸留
水80部をこれに加え、次いでこれに硫酸第1鉄0.001
部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.003部、
ロンガリット0.24部及び蒸留水10部の混合液を添加し、
窒素置換してから60℃に昇温し、これにメチルメタクリ
レート10部とtert−ブチルハイドロパーオキサイド0.02
4部の混合液を加え、この混合液をポリオルガノシロキ
サンゴム粒子中に浸透させ、内温70℃で2時間保持する
ことによりポリオルガノシロキサンゴムへのグラフト重
合を行わせ、ポリオルガノシロキサン系グラフト共重合
体(以下S−8という)を得た。メチルメタクリレート
の重合率は96.9%であり、グラフト共重合体ラテックス
の平均粒径は0.17μmであった。このラテックスを塩化
カルシウムを1.5重量%含有する熱水600重量部中に滴下
し、凝固物を濾別し、水による洗浄を繰り返した後80℃
で24時間乾燥してS−8の乾粉を98.2重量部得た。
参考例4 ポリブチルアクリレートゴム系グラフト共重合体S−9
の製造 撹拌翼を備えたセパラブルフラスコに蒸留水200重量
部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1重量部を
入れ、窒素置換の後、n−ブチルアクリレート88.2重量
部、アリルメタクリレート1.8重量部及びtert−ブチル
ハイドロパーオキサイド0.2部を仕込んだ。次いで内温
を50℃に昇温し、硫酸第一鉄0.001重量部、エチレンジ
アミン四酢酸二ナトリウム0.003重量部、ロンガリット
0.24重量部及び蒸留水10重量部の混合液を添加し、ラジ
カル重合を行なわせ、その後内温70℃で1時間保持した
後、メチルメタクリレート10重量部、及びtert−ブチル
ハイドロパーオキサイド0.24部の混合液を添加し、内温
70℃で3時間保持することによりポリブチルアクリレー
トゴムへのグラフト重合を行い、ポリブチルアクリレー
ト系グラフト共重合体(以下S−9という)を得た。こ
れを参考例1と同様にして凝固、乾燥し、グラフト共重
合体乾粉97.9重量部を得た。
実施例1 ポリアリーレンサルファイド樹脂としてポリフェニレ
ンサルファイド樹脂(東レフィリップス社製、ライトン
M2588)を用い、ポリフェニレンサルファイド80部と参
考例1で得たポリオルガノシロキサン系グラフト共重合
体S−120部との混合物100部に(3−グリシジルオキシ
プロピル)トリメトキシシラン(信越化学工業(株)
製、KBM403)1部をヘンシェルミキサーでブレンドし、
得られた混合物を二軸押出機(東芝機械(株)製、TEM3
5B)を用いバレル温度300℃で押し出してペレット化し
た。得られたペレットを射出成形機(住友ネスタール社
製、プロマット射出成形機)を用い、シリンダー温度30
0℃、金型温度140℃で各種物性測定用試験片を成形し
た。得られた試験片を用いて各種物性を評価した結果を
第2表に示す。
実施例2〜7 ポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体S−1の
代わりにポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体S
−2〜S−7の乾粉を用いた以外は実施例1と同様にし
て試験片を成形、物性を評価した。それらの結果を第2
表に併せて示す。
実施例8〜10 (3−グリシジルオキシプロピル)トリメトキシシラン
の量を第2表に示す量にした以外は実施例1と同様にし
て試験片を作成し、評価した。その結果を合わせて第2
表に示す。
実施例11〜19 ポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体S−1と
ライトンM2588を第2表に示す量用い、エポキシ基を有
する有機シラン化合物として第2表に記載したの量用い
た以外は実施例1と同様にしてペレットを得、これらの
ペレットと第2表に示した強化充填材(GF:ガラス繊
維、CF:炭素繊維)とを混合したものを用いた以外は実
施例1と同様にして物性評価用試験片を作成した。これ
らの試験片を用いて物性を測定した結果を第2表に併せ
て示す。
実施例20 ポリアリーレンサルファイド樹脂としてライトンM258
8の代わりに同量のトープレンT−4(商品名、トープ
レン社製のポリフェニレンサルファイド)を用いた以外
は実施例11と同様にしてペレット化、試験片を射出成形
し、物性を評価した。その結果を第2表に示す。
比較例1〜7 比較のため、ライトンM2588を単独で(比較例1)あ
るいはこれにガラス繊維を配合したもの(比較例2〜
4)、更に有機シラン化合物をも配合したもの(比較例
7)、ライトンM2588とポリオルガノシロキサン系グラ
フト共重合体(比較例5)あるいは更にガラス繊維を配
合したもの(比較例6)を成形、評価した。その結果を
第3表に示す。
比較例8 (3−グリシジルオキシプロピル)トリメトキシシラ
ンの使用量を20部とした以外は実施例1と同様にしてペ
レット化しようとしたところ、粘度が高く、押し出し不
能であった。
比較例9、10 (3−グリシジルオキシプロピル)トリメトキシシラ
ンの代わりに(3−メルカプトプロピル)トリメトキシ
シラン(信越化学工業(株)製“KBM803")(比較例
9)及び(3−アミノプロピル)トリエトキシシラン
(信越化学工業(株)製、“KBE903")(比較例10)を
用いた以外は実施例1と同様にしてペレット化、試験片
を射出成形し、物性を評価した。それらの結果を第3表
に示す。
比較例11、12 ポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体S−8と
して参考例3で得たポリオルガノシロキサン系グラフト
共重合体S−8を用いた以外は実施例1(比較例11)あ
るいは実施例11(比較例12)と同様にしてペレット化、
試験片を射出成形し、物性を評価した。その結果を第3
表に示す。なお、第2表及び第3表中のエポキシ基を有
する有機シラン化合物は次の通りである。
(a):3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン (信越化学工業(株)製 “KBM403") (b):3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン (信越化学工業(株)製 “KBM803") (c):3−アミノプロピルトリメトキシシラン (信越化学工業(株)製 “KBM903") またGFはガラス繊維を、CFは炭素繊維を夫々示す。
比較例13 ポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体S−1の
代わりに同量の参考例4で得たポリブチルアクリレート
ゴム系グラフト共重合体S−9を用いた以外は実施例1
と同様にして試験片を作成し、Izod衝撃強度を測定した
ところ、7kg・cm/cmと低い値しか示さなかった。
[発明の効果] 本発明の組成物は強化充填材が添加されたものも添加
されていないものもポリアリーレンサルファイド樹脂と
ポリオルガノシロキサン系グラフト共重合体との相溶性
に優れ、この組成物を通常の成形条件で押出成形、射出
成形しても相分離を生ずることなく分散混合されてお
り、このため、ポリアリーレンサルファイド樹脂が本来
有している優れた性質をさほど損なわずに衝撃強度も付
与され、更に、強化充填材が充填されていないものの場
合、ポリアリーレンサルファイドと他の樹脂成分とを混
合すると現れ易いパール光沢が発現せず、強化充填材を
混合した場合にも表面平滑度に優れという優れた性能を
有するものである。
なお、本発明の好ましい態様は以下のとおりである。
1)ポリアリーレンサルファイド樹脂がポリフェニレン
サルファイド樹脂である請求項1記載のポリアリーレン
サルファイド樹脂組成物。
2)エポキシ基を有する有機シラン化合物が次式で表さ
れるものの1種以上である請求項1記載のポリアリーレ
ンサルファイド樹脂組成物。
(式中、mは1〜3の整数、R3は単結合又は炭素数1〜
3のアルキレン基、R4はメチル基又はエチル基、Y及び
Zは各々下記の群から選ばれる基である。但しYがグリ
シジル基又は3,4−エポキシシクロヘキシル基の場合はR
3は単結合又は炭素数1〜5のアルキレン基である。
Z:−OR4、−OCOR4又は−Cl 但し、R5は炭素数1〜3のアルキレン基を、R4は前述
の意味を表す。) 3)エポキシ基を有する有機シラン化合物が(3−グリ
シジルオキシプロピル)トリメトキシシラン、(3−グ
リシジルオキシプロピル)メチルジエトキシシラン及び
2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメト
キシシランから選ばれる1種以上である請求項1記載の
ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物。
4)ポリオルガノシロクサン共重合体に用いられる複合
ゴムのポリオルガノシロキサンゴム成分の主骨格がジメ
チルシロキサンの繰り返し単位を有するものである請求
項1記載のポリアリーレンサルファイド樹脂組成物。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 81/00 - 81/02 C08L 51/08 C08K 5/5435

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリアリーレンサルファイド樹脂60
    〜99重量部、 (B)ポリオルガノシロキサンゴム成分とポリアルキル
    (メタ)アクリレートゴムとからなり、ポリオルガノシ
    ロキサンゴム成分1〜99重量%とポリアルキル(メタ)
    アクリレートゴム成分1〜99重量%とが分離できないよ
    うに相互に絡み合った構造を有する平均粒径0.08〜0.6
    μmの複合ゴムに1種以上のビニル系単量体がグラフト
    重合されてなるポリオルガノシロキサン系グラフト共重
    合体1〜40重量部、 及び (C)前記(A)成分並びに前記(B)成分の合計量10
    0重量部に対しエポキシ基を有する有機シラン化合物0.0
    1〜10重量部 を主要樹脂成分とするものを溶融混合してなるポリアリ
    ーレンサルファイド樹脂組成物。
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