JP3114498B2 - 加熱炉の炉内ロールクラウン量調整方法 - Google Patents

加熱炉の炉内ロールクラウン量調整方法

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JP3114498B2 JP06137309A JP13730994A JP3114498B2 JP 3114498 B2 JP3114498 B2 JP 3114498B2 JP 06137309 A JP06137309 A JP 06137309A JP 13730994 A JP13730994 A JP 13730994A JP 3114498 B2 JP3114498 B2 JP 3114498B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は連続式熱処理炉における
炉内ロールのロールクラウン量の調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】連続式熱処理炉では鋼帯の進行方向に従
って、鋼帯の温度は常温から600〜900℃の再結晶
温度以上に、ロール周囲温度は上下部に設置されたロー
ル間の加熱装置からの影響により、鋼帯温度の−200
〜+800℃の間で変化する。鋼帯が巻き付いている部
分のロールの温度は鋼帯とロールの接触熱伝達率が高い
ためほぼ鋼帯温度となり、鋼帯が巻き付いている部分の
外側のロールの温度はロール周囲からの放射により周囲
に近い温度となる。このためロール軸方向に温度勾配を
生じ、それに基づきロールは熱変形する。鋼帯が炉内で
蛇行や座屈によるトラブルを起こさないように、ロール
には操業条件下において所定のクラウンとなるよう、前
記熱変形を相殺する以上の初期クラウンが付与される。
しかし、鋼帯の製品品質に基づき鋼帯処理温度が変更さ
れ、鋼帯のサイズも変更されるため炉内温度および鋼帯
の通板位置も変更される。このためロール周囲温度も変
化するので、蛇行や座屈によるトラブルを起こさないク
ラウンを常時維持するのは困難である。
【0003】このような問題点に対処するため、連続式
熱処理炉における炉内ロールのロールクラウン量の調整
装置として、以下に述べる様なものが開示されている。
【0004】特公昭57−23733号公報に記載され
ている技術は、炉内ロールの鋼帯との非接触部に面し
て、先端が閉鎖し内部に冷媒流路を形成させた冷却装置
をロールとは別個に配置し、前記流路を流れる冷却媒体
により前記非接触部を冷却することを特徴とした装置で
ある。
【0005】また、特開昭62−253734号公報、
及び「鉄と鋼 Vol.78(1992)T145-148 」に記載されてい
る技術は、鋼帯を支持するロールにおける鋼帯の接触し
ない部分にガスを吹き付けてロール軸方向に沿っての温
度差を減少させるガス吹き付け手段を設けてなることを
特徴とする装置である。
【0006】また、特公昭63−39648号公報に記
載されている技術は、炉内ロールの胴部に、軸方向に複
数区画された空洞部を周方向に設けると共に、各空洞部
ごとに流体循環回路と流体温度コントロール装置を設け
てなることを特徴とする装置である。
【0007】また、従来ロール周りの雰囲気温度と鋼帯
温度との差が大きくならないようにロール間に遮蔽板を
設置し、これによりロール間の加熱装置からロール周り
の炉壁、ロールへの放射を防止している。しかし、前記
の遮蔽は鋼帯との接触を避けるため、50〜150mm 間隔を
開ける必要があり、このため加熱装置側の高温のガスが
ロール室に流入し、十分な効果が得られなかった。この
ようなシール性の向上策として、特開平2−28243
1号公報には、スリット状の鋼帯通路部にノズルにより
帯状気体噴流を鋼帯の表裏面に形成してシール性を確保
する方法が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来技術には以下の様な問題点があった。
【0009】特公昭57−23733号公報に記載され
ている技術の冷却チューブ方式では冷却壁面積が小さ
く、ロールクラウンの制御効果が小さい。この様な間接
(放射)冷却では直接(ガスジェット)冷却と比べ、熱
伝達率が低くロール下部に冷却壁を設置する場合、ロー
ルクラウンを調節するに充分な冷却壁面積は、ストリッ
プとの接触を避けた範囲で極力大きく取らなければなら
ない。また、チューブ本数を増すと炉壁と可動チューブ
の貫通箇所が増え、複雑となり設備費も増す。また、鋼
帯のサイズの変更や熱サイクルの変更時にはロールクラ
ウンの修正効果に遅れを生ずる。
【0010】特開昭62−253734号公報、及び
「鉄と鋼 Vol.78(1992)T145-148 」に記載されている直
接(ガスジェット)冷却方式による技術は、熱伝達率が
高く冷却効果が大きいものの、常に鋼帯の最小幅に合わ
せて多量の冷却を行うため、冷却ガスが炉雰囲気に混ざ
り炉温の低下を来し、炉の熱効率の低下をもたらす。
【0011】特公昭63−39648号公報に記載され
ている技術は、装置が複雑になり、ロールの製作コスト
が増す。
【0012】特開平2−282431号公報に記載され
ている、遮蔽板のシール性向上策のスリット状の鋼帯通
路部にノズルにより帯状気体噴流を鋼帯の表裏面に形成
してシール性を確保する方法は、多量のガスを昇圧する
必要があり、電力費が増大する。
【0013】また、従来炉内ロールの材質は、ロールの
使用温度におけるクリープ強度および鋼帯の張力とロー
ル自重により発生する応力から、高温強度の高いACI
規格のHK、HF等のオーステナイト系ステンレス鋼を
使用している。しかし、前記鋼種は高温強度が高い反
面、線膨張率が大きく、熱変形上不利である。
【0014】本発明は、ロール温度の均一化を図ること
により、常に最適なロールクラウンの制御を行い、また
熱遮蔽板のシール性を向上させて、熱効率の低下を防止
することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題は以下の手段に
より解決される。 炉内に設けられた複数のロールを介して金属帯を搬
送しながら連続的に熱処理する加熱炉のロールのクラウ
ン量を調整する方法であって、前記ロール内部の流体流
路を一又は複数の螺旋状の流路とし、前記ロール内部の
流路に流体を流し、前記ロール端部におけるロールの温
度を測定し、および前記ロールと接触する金属帯の温度
を測定又は計算により求め、前記ロール端部におけるロ
ールの温度と、前記ロールに接触する金属帯との温度差
が所定の範囲内となるよう、前記流体の温度又は流量を
調整することを特徴とする、加熱炉の炉内ロールクラウ
ン量調整方法。 炉内に設けられた複数のロールを介して金属帯を搬
送しながら連続的に熱処理する加熱炉のロールのクラウ
ン量を調整する方法であって、前記ロール内部の流体流
路を一又は複数の螺旋状の流路とし、前記ロール内部の
流路に流体を流し、前記ロールより流出あるいは前記ロ
ールへ流入する流体の温度を測定し、および前記ロール
と接触する金属帯の温度を測定又は計算により求め、前
記ロールより流出あるいは前記ロールへ流入する流体の
温度と、前記ロールに接触する金属帯との温度差が所定
の範囲内となるよう、前記流体の温度又は流量を調整す
ることを特徴とする、加熱炉の炉内ロールクラウン量調
整方法。 ロールが、線膨張率が小さい材料よりなることを特
徴とするまたはのいずれか一つに記載の加熱炉の炉
内ロールクラウン量調整方法。 金属帯の通過開口部を残して、前記ロールを金属帯
加熱装置から遮蔽する遮蔽板を設け、前記金属帯の通過
開口部に、気体の流通を妨げるシールロールを設けるこ
とを特徴とする、〜のいずれか一つに記載の加熱炉
の炉内ロールクラウン量調整方法。
【0016】
【作用】本発明の作用について鋼帯のケースを主体に説
明する。
【0017】本発明の方法によれば、ロール端部とロー
ル中央部の鋼帯の温度差を測定して、その温度差が所定
の範囲内に入るように、ロール内部を流れる流体(熱媒
等)の温度又は流量を調整するので、ロール端部とロー
ル中央部における温度がほぼ等しくなり、これに伴うロ
ールの熱膨張量もほぼ等しくなって、ロールが軸方向に
均一に変形し、鋼帯の蛇行等の搬送時のトラブルを防止
することができる。
【0018】また、鋼帯の温度を測定又は計算により求
め、ロール内部を流れる流体の温度が所定の範囲内に入
るように、流体の温度を調整するので、ロールの軸方向
における温度がほぼ等しくなり、これに伴うロールの熱
膨張量もほぼ等しくなって、ロールが軸方向に均一に変
形し、鋼帯の蛇行等の搬送時のトラブルを防止すること
ができる。
【0019】また、従来用いられていた耐熱鋳鋼等の線
膨張率の大きい材質のロールでは、ロール端部とロール
中央部の温度差によるロールの変形量の差も大きいが、
本発明による、13Cr鋼等の線膨張率の小さい材質のロー
ルを用いることにより、ロール端部とロール中央部の温
度差によるロールの変形量の差がさらに小さくなり、ロ
ールの軸方向の均一な変形が保たれる。
【0020】一方、ロールの円周方向において、炉内の
雰囲気により、温度差が発生する場合があり、このよう
な周方向温度分布が大きいと、ロールの真円度や円筒度
を保てず異常に変形させ、また局部的に過大な熱応力を
発生し、ロール寿命を低下させるが、本発明により、ロ
ール内部の流体流路を螺旋状の流路とすることにより、
流体がロール表面下を円周方向にも流れるようになり、
ロールの円周方向のロールの温度差もほぼ等しくするこ
とが可能であり、安定的な鋼帯の搬送が維持される。
【0021】本発明におけるシールロールは、加熱装置
側からロール室への雰囲気ガスの流入が低減される様、
遮蔽板と鋼帯の隙間をふさいでおり、これによりロール
室内の雰囲気温度が安定し、ロール変形への悪影響が防
止される。
【0022】
【実施例】本発明の実施例を図面にもとづいて説明す
る。
【0023】図1は本発明の実施例を示したものであ
る。図1において、1は炉内ロール、2は鋼帯、3は熱
媒流路、4は熱媒温度計、5は熱媒温度調節計、6は流
量制御弁、7はポンプまたは送風機、8は放射温度計、
9は熱交換器である。図1において矢印は熱媒の流れる
方向を示している。放射温度計8により鋼帯2および炉
内ロール1の端部の温度が測定され、熱媒温度計4によ
り熱媒の炉内ロール出側の温度が測定される。これらの
温度に基づき熱媒温度調節装置5により、鋼帯2の温度
と、炉内ロール1の端部の温度の差が所定の範囲内(好
ましくは50〜100℃以内) に入るよう、熱媒温度を調節
すべく、流量制御弁6を調整する。炉内ロール1を出た
熱媒は熱媒温度計4を通過した後、熱交換器9を通過す
る流路と通過しない流路に分かれ、その各々の量は流量
制御弁6により調整される。各々の流路は再び合流し、
熱媒が流体の場合はポンプ(熱媒が気体の場合は送風
機)7により、炉内ロール1の入側に送られる。このよ
うにして、熱媒が循環しながら、最適な温度で炉内ロー
ル1の内部を通過するので、炉内ロールの温度分布をほ
ぼ均一に保持することが可能になる。
【0024】本発明に用いる熱媒は、ロール温度が250
〜300 ℃以下の場合は液体である高沸点熱媒を用い、ロ
ール温度が250 〜300 ℃以上の場合は気体である熱媒ガ
スを用いるのが好ましい。高沸点熱媒の方が対流熱伝達
に優れるが、安定使用できるのは上記範囲である。表1
に石油系の高沸点熱媒の物性の例を示す。
【0025】
【表1】
【0026】図2は本発明における、流体の温度と金属
帯との温度差が所定の範囲内となるようにする場合の実
施例を示した図である。以下の図において図1と同一部
分には同一符号を付し、説明を省略する。図2において
放射温度計8により鋼帯2の温度が測定され、熱媒温度
計4により、熱媒のロール出側の温度が測定される。こ
の鋼帯の温度と熱媒の温度の差が所定の範囲内(好まし
くは50℃以内)に入るよう、熱媒温度を調節すべく、流
量制御弁6を調整する。炉内ロール1を出た熱媒は熱媒
温度計4を通過した後、熱交換器9を通過する流路と通
過しない流路に分かれ、その各々の量は流量制御弁6に
より調整される。各々の流路は再び合流し、熱媒が流体
の場合はポンプ(熱媒が気体の場合は送風機)7によ
り、炉内ロール1の入側に送られる。このようにして、
熱媒が循環しながら、最適な温度で炉内ロール1の内部
を通過するので、炉内ロールの温度分布をほぼ均一に保
持することが可能になる。
【0027】また、本発明ではロール内の熱媒の流れを
片側通行としているが、ロール内に二以上の流路を設
け、互いに逆方向の流れをもった熱媒の流れとすること
により、ロールの熱変形の均一化を図ることも可能であ
る。
【0028】図3は本発明における、前記ロール内部の
熱媒流路を一または複数の螺旋状の流路とする方法の実
施例を示した図である。図3において、10は螺旋状の
流路であり、矢印は熱媒の流れる方向を示している。本
発明では、ロール胴部の軸方向温度差が大きくならない
ように、ロール内流路壁の熱媒の対流熱伝達率を維持
し、ロール内部を流れる熱媒の温度が入口側と出口側で
50℃以下とし、ロールの周方向の温度分布も大きくなら
ないように、ロール内部の熱媒流路を一又は複数の螺旋
状の流路10としている。本発明により、熱媒がロール
表面下をむらなく流れるので、ロールの軸方向のみなら
ず、円周方向の温度分布も均一化することができる。こ
こで、熱媒としてN2 ガスを使用する場合は、流速が10
〜20m/sec程度、高沸点の熱媒を使用する場合は 3〜4m/
sec程度とすることにより、対流熱伝達率はそれぞれ30
〜50kcal/m2h℃、2000〜3000kcal/m2h℃が得られる。こ
のように流路寸法と流路の本数を選定し、熱媒を流すこ
とにより、熱媒のロール入出口温度差は50℃以下とな
り、おのずとロールの軸方向温度が対称となる。
【0029】図4は本発明における熱遮蔽装置およびシ
ールロールの実施例を示した図である。図4において、
11は遮蔽板、12はシールロール、13は加熱装置、
14は搬送ロール間の遮蔽板である。遮蔽板11は炉内
上下部に複数設置された炉内ロール1の間に設けられて
いる加熱装置13と炉内ロール1の間を遮蔽、あるいは
ロール端部間を遮蔽している。あるいはその遮蔽範囲を
前記ロール冷却装置の移動に合わせて、ロール軸方向で
可変としてもよい。また炉内ロール間の遮蔽板14は炉
内ロール周りの炉温の維持に有効であり、搬送ロール1
〜3本毎に、通常は炉の上部が高温につき、上部に設け
るが、炉底部にも設けるとより有効となる。
【0030】図4(B) はシールロール部の詳細図であ
り、スリット状の鋼帯通路部に鋼帯を挟んで2本のシー
ルロール12を近接して設置し、鋼帯2の走行速度と同
期して回転する。鋼帯2とのスリップがないため、鋼帯
との間隔は30mm以下にできる。シールロールは軽いロー
ルで、ストリップ接触回転でも良いが、同期回転である
方が好ましい。
【0031】また図4(C) の様に、片方のロールを鋼帯
2の座屈を防止する位置まで鋼帯2に押しつけ、一方の
シールロール12を近接し、同様に鋼帯2と同期して回
転しても良い。これにより、鋼帯の面外変形および鋼帯
の幅方向圧縮応力を軽減でき、鋼帯の絞りを防止でき
る。
【0032】本発明のシールロールにより、加熱装置側
からロール室へのガスの流入量が減少し、雰囲気温度と
ロール室の温度差が低減できる。またロール室内の圧力
が加熱装置側の圧力より大きくなるようにロール室への
雰囲気ガスの送入量を調整することにより、ロール室へ
のガスの流入量はさらに低減可能である。
【0033】本発明における方法において、鋼帯の各炉
出口温度、鋼帯のサイズ、ラインスピードおよび各ゾー
ン炉内温度より各ロールを通過する鋼帯の温度を計算
し、あるいは各ロールにて鋼帯の温度を測定し、各ロー
ルの熱媒のロール出口温度を、各ロールにおける鋼帯温
度と所定の範囲内にはいるように調節することにより、
ロール胴部の軸方向温度分布を均一にすることも可能で
ある。これにより鋼帯の炉内での温度分布に合わせた熱
媒温度および、流量の調整がなされ、過剰な冷却による
炉雰囲気の低下を防止でき、加熱装置での入熱量を最小
限にできる。
【0034】図5は本発明による、鋼帯のサイズ、搬送
速度、各炉出口温度、および各ゾーン炉内温度より各ロ
ールを通過する鋼帯の温度を計算し、各ロールの熱媒の
ロール出口温度を、各ロールにおける鋼帯温度と所定の
範囲内にはいるように調節する方法の実施例を示したも
のである。図5において、nは炉内入側からの鋼帯パス
番号、Tsi(n) はn番目のパスにおける鋼帯の入側温
度、Tso(n) はn番目のパスにおける鋼帯の出側温度を
示している。
【0035】図5において、まず、鋼帯のサイズ、搬送
速度のデータが与えられ、1番目の炉内ロールについ
て、当該ゾーンの実測炉温のデータとともに、φCG法に
よる、(1) 式により、当該ロールにおける鋼帯の温度が
計算される。
【0036】
【数1】
【0037】ここで記号の意味は以下の通りである。 TS :鋼帯温度 Tf :炉温 σ :ステファン・ボルツマン定数 ρ :鋼帯の密度 Cp :鋼帯の比熱 h :板厚 v :搬送速度 A :定数 定常状態における、炉内各ロールと鋼帯の温度差を無視
できると仮定した場合は、(2) 、(3) 、(4) 式から、
(1) 式を各パス毎に解けば、各ロールにおける鋼帯温度
が推定される。
【0038】
【数2】
【0039】
【数3】
【0040】
【数4】
【0041】ここで記号の意味は以下の通りである。 TSi(n) :n番目パスにおける入側鋼帯温度 TSo(n) :n番目パスにおける出側鋼帯温度 TSin :炉入口における鋼帯温度(板温計による実測
値あるいは仮定した温度) ΔTS :式1から求めた加熱装置による鋼帯の温度変
化 更に、ロール温度と鋼帯温度の差を考慮した場合は、ロ
ールから鋼帯への熱伝達を考慮した、(5) 、(6) 、(7)
、(8) 式と、(1) 式から各ロール出口における鋼帯温
度が推定される。ここで、(6) 式はロールに巻き掛けら
れた鋼帯の伝熱モデルである。
【0042】
【数5】
【0043】
【数6】
【0044】
【数7】
【0045】
【数8】
【0046】ここで記号の意味は以下の通りである。 TR :ロール温度 α :鋼帯とロールの温度差 β :定数 Δt:ロールと鋼帯の接触時間 ρ :鋼帯の密度 hC :ロールと鋼帯の接触熱伝達率 TRSo :各ロール出口の鋼帯温度 TRSi :各ロール入口の鋼帯温度 ΔTRS:鋼帯がロールに接触したことによる温度変化 以上から求められた各鋼帯加熱パスにおける鋼帯の温度
から、各ロールでの熱媒目標温度を決めることにより、
ロール熱変形量を低減し、通板の安定性が確保される。
【0047】本発明の装置の冷却能力について、鋼帯温
度と炉温差が大きい部分の炉内ロールについてロール内
面を積極冷却した場合、及びロール材質を変更した場合
につき、温度分布、ロール変形量を有限要素法による熱
伝導解析および熱変形解析により検討した。
【0048】耐熱鋳鋼(HK)ロール内面を、本発明に
よる流体として、150 ℃のN2ガスで冷却した場合と、本
発明を用いない場合とを比較した結果が、表2である。
【0049】
【表2】
【0050】本発明による、150 ℃のN2ガスで冷却する
方法により、サーマルクラウンが低減している。
【0051】また、本発明による13Cr鋼製ロールで、流
体として、150 ℃のN2ガスで冷却した場合と、高沸点の
熱媒(300℃) を使用し、2800Kcal/m2h℃で冷却した場合
を、本発明を用いない場合と比較した結果が、表3であ
る。
【0052】
【表3】
【0053】本発明による13Cr鋼製ロールを用いること
により、さらにサーマルクラウンが低減され、高沸点の
熱媒(300℃) を使用し、2800Kcal/m2h℃で冷却すれば、
ロール端部の温度をロール中央部とほぼ同じにできる。
【0054】本発明は鋼帯以外の金属帯の熱処理炉に適
用可能である。
【0055】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、ロール
内部に熱媒を流して、ロール温度分布を均一にすること
により、常に最適なロールクラウンの制御が可能とな
り、金属帯の蛇行や座屈によるトラブルを防止すること
ができる。またシールロールにより、遮蔽板のシール性
を向上させて、熱効率の低下を防ぐ効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示した図。
【図2】本発明における図1とは異なる実施例を示した
図。
【図3】本発明におけるロール内部の熱媒流路を螺旋状
の流路とする実施例を示した図。
【図4】本発明におけるシールロールの実施例を示した
図。
【図5】本発明の熱媒の目標温度を設定する計算フロー
の例を示した図。
【符号の説明】
1 炉内ロール 2 鋼帯 3 熱媒流路 4 熱媒温度計 6 流量制御弁 9 熱交換器 10 螺旋状の流路 11 遮蔽板 12 シールロール
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−11341(JP,A) 特開 平6−145814(JP,A) 特開 平2−8331(JP,A) 特開 昭57−137431(JP,A) 実開 平2−90656(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21D 1/00,9/52 C21D 9/56,11/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炉内に設けられた複数のロールを介して
    金属帯を搬送しながら連続的に熱処理する加熱炉のロー
    ルのクラウン量を調整する方法であって、前記ロール内
    部の流体流路を一又は複数の螺旋状の流路とし、前記ロ
    ール内部の流路に流体を流し、前記ロール端部における
    ロールの温度を測定し、および前記ロールと接触する金
    属帯の温度を測定又は計算により求め、前記ロール端部
    におけるロールの温度と、前記ロールに接触する金属帯
    との温度差が所定の範囲内となるよう、前記流体の温度
    又は流量を調整することを特徴とする、加熱炉の炉内ロ
    ールクラウン量調整方法。
  2. 【請求項2】 炉内に設けられた複数のロールを介して
    金属帯を搬送しながら連続的に熱処理する加熱炉のロー
    ルのクラウン量を調整する方法であって、前記ロール内
    部の流体流路を一又は複数の螺旋状の流路とし、前記ロ
    ール内部の流路に流体を流し、前記ロールより流出ある
    いは前記ロールへ流入する流体の温度を測定し、および
    前記ロールと接触する金属帯の温度を測定又は計算によ
    り求め、前記ロールより流出あるいは前記ロールへ流入
    する流体の温度と、前記ロールに接触する金属帯との温
    度差が所定の範囲内となるよう、前記流体の温度又は流
    量を調整することを特徴とする、加熱炉の炉内ロールク
    ラウン量調整方法。
  3. 【請求項3】 ロールが、線膨張率が小さい材料よりな
    ることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか
    一項に記載の加熱炉の炉内ロールクラウン量調整方法。
  4. 【請求項4】 金属帯の通過開口部を残して、前記ロー
    ルを金属帯加熱装置から遮蔽する遮蔽板を設け、前記金
    属帯の通過開口部に、気体の流通を妨げるシールロール
    を設けることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいず
    れか一項に記載の加熱炉の炉内ロールクラウン量調整方
    法。
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