JP3113964B2 - 一対の止め具 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は見本帳、アルバム等の開
帳止めバンド、カバンの開閉蓋等に使用される一対の止
め具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の前記用途に使用される止め具とし
ては、面ファスナー、ホック、マグネット等が使用さ
れ、特に面ファスナーは、他の止め具に比べコスト面に
おいて経済的であり、取り付けにおいて簡単であり又止
め外し操作においても便利であるということから多用さ
れている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、面ファスナー
は取り付けにおいて簡単とはいうものの、縫着手段によ
る場合には、加締固定等に比べると面倒なものであり、
しかも、縫着糸が露呈して体裁を悪くするだけでなく、
頻繁な脱着操作により糸切れが生じて外れるといった不
都合を招来する点に問題点があり、又接着手段による場
合には、夏場になると接着剤の可塑剤が遊離して接着力
を失ない、これが原因して面ファスナーが剥離された
り、位置ずれをする点に問題点があった。

【０００４】本発明は、面ファスナーを取り付け対象物
に直接固定するのではなく、扁平円筒台に固定した面フ
ァスナーを加締手段によって対象物に固定するようにし
て、取り付け作業性と耐久性の向上及び外観体裁を良好
にすることができる一対の止め具を提供することを目的
としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の一対の止め具
は、上記課題を解決し目的を達成するためになされたも
のであって、扁平円筒台(4) の中心に、底中心に鋲孔
(5) を穿設した鋲頭陥没凹部(6) を形成するとともに、
扁平円筒台(4) の外周縁に、鍔(7) を一体に延設した金
属材料からなる一対の止め具本体(1) と、前記鍔(7) で
巻込み固定できる直径であって前記底中心の鋲孔(5) と
一致する中心孔(8) を穿設した、雄側面ファスナーシー
ト及び雌側面ファスナーシートの二種類の止着シート
(2) と、前記鋲頭陥没凹部(6) に陥没する鋲頭(9) とし
た加締鋲(3) とからなり、一方の止め具本体(1) には前
記雄側面ファスナーシートからなる止着シート(2) を、
また他方の止め具本体(1) には前記雌側面ファスナーシ
ートからなる止着シート(2) を、それぞれ止着面を表面
とし且つ中心を一致させて扁平円筒台(4) 上を被覆する
ように重ね、中心孔(8) 、鋲孔(5) を貫通させて鋲頭を
鋲頭陥没凹部(6) に陥没させる加締鋲(3) による加締め
と、鍔(7) の巻込みとにより固定した構成である。

【０００６】

【作用】上記のように構成した一対の止め具は、雌側、
雄側面ファスナーシートを所定の直径に打ち抜いて製作
した二種類の止着シート(2) を、パンチとダイスで成形
した一対の止め具本体(1) 上に重ねて、それぞれの止着
シート(2) の周縁を一対 の止め具本体(1) の鍔(7) で固
定すると同時に、中心部へ加締鋲(3) を打ち込み支持さ
せることにより製作されるものであるから、量産に適し
て安価に提供できるようになるとともに、一対の止め具
の対象物への固定は、加締鋲(3) を、その鋲頭(9) が鋲
頭陥没凹部(6) に陥没した状態として加締筒(10)部を加
締止めする簡単な作業によって確実に行うことができ
る。

【０００７】

【実施例】図１、図２は本発明に係る一対の止め具の一
方を示すもので、図１は製作段階での分解断面図、図２
は完成品の断面図であり、金属材料からなる止め具本体
(1) と、雄側面ファスナーシートからなる止着シート
(2) と、加締鋲(3) とを結合したものであり、一対の止
め具の他方については、止着シート(2) が雌側面ファス
ナーシートとであるだけで他の構成は同一のため省略
し、図３の使用状態を示す図において一対の止め具(C
a) 、 (Cb) として示すに止める。

【０００８】前記止め具本体(1) は、扁平円筒台(4) の
中心に、底中心に鋲孔(5) を穿設した鋲頭陥没凹部(6)
が形成され、また扁平円筒台(4) の外周縁に鍔(7) を一
体に延設した構成である。

【０００９】また止着シート(2) は、雄側面ファスナー
シートから、止め具本体(1) の扁平円筒台(4) を被覆し
てその周縁部が鍔(7) で固定される大きさの直径であっ
て中心には中心孔(8) を有する形状に、打ち抜き形成さ
れたものである。

【００１０】さらに加締鋲(3) は、鋲頭(9) の下に加締
筒(10)を形成した通常の鋲である。

【００１１】上記のように構成した一対の止め具は、表
面が雄面、雌面の面ファスナーシートを所定の直径に打
ち抜いて製作した二種類の止着シート(2) を、パンチと
ダイスで成形した止め具本体(1) の扁平円筒台(4) 上に
重ねて、止着シート(2) の周縁を止め具本体(1) の鍔
(7) で固定すると同時に、中心部の中心孔(8) と鋲孔
(5) へ加締鋲(3) の加締筒(10)を打ち込み鋲頭陥没凹部
(6) に支持させることにより、雄側の止め具(Ca)と雌側
の止め具(Cb)を製作する。

【００１２】そして図３に示すように、一対のうちの一
方の止め具(Ca)を、見本帳、アルバム、カバン等の取り
付け対象物(A) に加締固定するとともに、取り付け対象
物(A) と固定若しくは一体であって、前記固定した一方
の止め具(Ca)上に重なるバンド若しくはカバン蓋等の止
着片(B) の自由端部内面に、他方の止め具(Cb)を固定し
て、相互が着脱自在となるように使用される。

【００１３】

【発明の効果】以上説明した構成の一対の止め具によれ
ば、面ファスナーを取り付け対象物に直接固定するので
はなく、扁平円筒台に固定した面ファスナーを加締手段
によって対象物に固定するから、体裁良く確実且つ簡単
に対象物に固定でき、従来の縫着手段による場合に生じ
ていた縫着手間が解消されるとともに、縫着糸が露呈し
て体裁が悪くなったり、頻繁な脱着操作により糸切れが
生じて外れるといった不都合が解消され、また接着手段
による場合に生じていた面ファスナーの剥離、位置ずれ
が解消され、取り付け作業性と耐久性の向上及び外観体
裁を良好にすることができる一対の止め具を提供するこ
とができる。

【００１４】また、面ファスナーシートを所定の直径に
打ち抜いて製作した二種類の止着シートを、パンチとダ
イスで成形した一対の止め具本体のそれぞれに対応させ
て被覆するように重ねて、止着シートの周縁を止め具本
体の鍔で固定すると同時に、中心部へ加締鋲を打ち込み
支持させることにより製作されるものであるから、量産
に適し、安価に提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る一対の止め具の一方の製作段階で
の分解断面図である。

【図２】本発明に係る一対の止め具の一方の完成品の断
面図である。

【図３】本発明に係る一対の止め具を使用した見本帳の
斜視図である。

【符号の説明】

(1) 止め具本体 (2) 止着シート (3) 加締鋲 (4) 扁平円筒台 (5) 鋲孔 (6) 鋲頭陥没凹部 (7) 鍔 (8) 中心孔 (9) 鋲頭 (10) 加締筒

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A44B 18/00

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 扁平円筒台(4) の中心に、底中心に鋲孔
   (5) を穿設した鋲頭陥没凹部(6) を形成するとともに、
   扁平円筒台(4) の外周縁に、鍔(7) を一体に延設した金
   属材料からなる一対の止め具本体(1) と、前記鍔(7) で
   巻込み固定できる直径であって前記底中心の鋲孔(5) と
   一致する中心孔(8) を穿設した、雄側面ファスナーシー
   ト及び雌側面ファスナーシートの二種類の止着シート
   (2) と、前記鋲頭陥没凹部(6) に陥没する鋲頭(9) とし
   た加締鋲(3) とからなり、一方の止め具本体(1) には前
   記雄側面ファスナーシートからなる止着シート(2) を、
   また他方の止め具本体(1) には前記雌側面ファスナーシ
   ートからなる止着シート(2) を、それぞれ止着面を表面
   とし且つ中心を一致させて扁平円筒台(4) 上を被覆する
   ように重ね、中心孔(8) 、鋲孔(5) を貫通させて鋲頭を
   鋲頭陥没凹部(6) に陥没させる加締鋲(3) による加締め
   と、鍔(7) の巻込みとによって固定した一対の止め具。