JP3113147B2 - フィルタ装置 - Google Patents

フィルタ装置

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JP3113147B2
JP3113147B2 JP06112457A JP11245794A JP3113147B2 JP 3113147 B2 JP3113147 B2 JP 3113147B2 JP 06112457 A JP06112457 A JP 06112457A JP 11245794 A JP11245794 A JP 11245794A JP 3113147 B2 JP3113147 B2 JP 3113147B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2つの特性の処理に切
り替え可能なフィルタ回路に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、テレビジョン方式の1つとし
てSECAM方式が知られており、フランス等において
使用されている。
【0003】このSECAM方式では、伝送されるテレ
ビ信号はその色信号の中間周波数をデエンファシスした
ものであり、ビデオテープに記録する場合、デエンファ
シスされた色信号をエンファシスしてフラットな信号に
戻し、信号処理を行わなければならない。また、これを
再生する場合には、信号処理された色信号をデエンファ
シスして出力しなければならない。
【0004】このために、エンファシス用およびデエン
ファシス用の2つのフィルタが必要となる。そして、こ
の2つのフィルタは、その特性が正確に相補的(利得が
反対)でなければならない。
【0005】一方、図3に示すように、1つのフィルタ
Aを非反転増幅器OPの帰還ループに挿入すれば、特性
が反転されたフィルタを得ることができ、またフィルタ
も1つで良い。そこで、従来より、フィルタA単独で用
いてデエンファシスフィルタとして利用し、このフィル
タAを非反転増幅器OPの帰還ループに挿入し、エンフ
ァシスフィルタ(フィルタB)として利用し、図4に示
すような特性を得ている。
【0006】特に、非反転増幅器の周波数特性が、フィ
ルタAの特性よりも広域まで確保されており、位相遅れ
がなければ、フィルタBからの出力は、正確に利得が反
転されたものになる。このため、このフィルタを利用し
て、エンファシス・デエンファシス処理を行うことがで
きる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、非反転増幅器
の周波数特性を必要とされるフィルタAの特性よりも高
域まで確保することは困難な場合も多い。このような場
合、非反転増幅器の出力(フィルタBの出力)に位相遅
れが生じてしまう。そして、位相遅れが生じた場合に
は、フィルタAとフィルタBとでピーク点の周波数(図
4におけるf0)が異なるものになってしまう。
【0008】SECAMのエンファシス・デエンファシ
スに用いるフィルタのように、ピーク点の周波数を重視
するフィルタの場合、このようなピーク点のずれを防止
しなければならない。このためには、上述のように位相
遅れを生じないように非反転増幅器の能力を十分なもの
にすればよい。しかし、このような非反転増幅器は回路
構成が複雑となり、消費電流も大幅に増加してしまうと
いう問題点があった。
【0009】本発明は、上記問題点を解決することを課
題としてなされたものであり、簡単な構成で利得を正確
に反転できるフィルタを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、定電流源から
の電流の供給を受け入力信号を増幅する電流出力型差動
増幅器とコンデンサとを含むフィルタ回路と、このフィ
ルタ回路が帰還ループに挿入可能な非反転増幅器と、入
力信号をそのままフィルタ回路に入力して処理を行う
か、またはフィルタ回路を非反転増幅器の帰還ループに
挿入して処理を行うかを切り替える切り替え手段と、上
記切り替え手段によりいずれの処理を行うように切り替
えたかによって、上記定電流源における定電流値を変更
する定電流変更手段と、を有することを特徴とする。
【0011】また、上記定電流源は、主定電流源と、副
定電流源からなり、定電流変更手段は、副定電流源から
の電流供給をオンオフすることを特徴とする。
【0012】
【作用】このように、本発明においては、定電流変更手
段を有している。そして、フィルタ回路をそのまま使用
する場合と、非反転増幅器の帰還ループに挿入して利用
する場合とで、電流出力型増幅器に供給する定電流を変
更する。これによって、非反転増幅器の特性に起因する
フィルタ特性の周波数ずれを補償して、正確に反転した
利得でのフィルタ処理を行うことができる。このため、
非反転増幅器の特性を十分なものとしなくてもSECA
Mのエンファシス・デエンファシス処理を周波数ずれな
く効果的に行うことができる。従って、非反転増幅器と
して構成の比較的簡単なものを利用することができ、回
路全体を簡単なものにできる。
【0013】特に、副電流源からの電流供給をオンオフ
することで、簡単な構成で、定電流の変更をすることが
できる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面に基づ
いて説明する。図1は、本発明の全体構成を示す図であ
り、所定の中間周波数の信号をトラップするデエンファ
シス用のフィルタAを有している。このフィルタAは、
入力されてくる信号を増幅する第1の電流出力型差動増
幅器(トランスコンダクタンスアンプ)10と、この出
力を安定させるバッファアンプ12と、このバッファア
ンプ12の出力を増幅する第2の電流出力型差動増幅器
14と、この出力を安定させるバッファアンプ16と、
第1、第2および第3のコンデンサ18、20、24か
らなっている。
【0015】そして、入力されてくる信号は電流出力型
差動増幅器10の非反転入力端子入力されると共に、バ
ッファアンプ16に第3のコンデンサ24を介し入力さ
れる。また、バッファアンプ16の出力は、電流出力型
差動増幅器10、14の反転入力端子に帰還されてい
る。さらに、電流出力型差動増幅器10の出力は、第1
のコンデンサ18を介し、その反転入力端子に接続され
ていると共に、第2のコンデンサ20を介しアースに接
続されている。そして、電流出力型差動増幅器10の非
反転入力端子は、第3のコンデンサ24を介しバッファ
アンプ16の入力側に接続されている。
【0016】従って、このフィルタAは、コンデンサ1
8、20、24の容量を所定値に設定することによっ
て、所定の中間周波数の信号をトラップするデエンファ
シス用フィルタとして動作する。すなわち、所定周波数
以上の信号は、コンデンサ24を介し出力されたり、所
定周波数の信号がコンデンサ20を介しアースに流れた
りすることによって、信号をトラップし、図4に示した
ようなフィルタAの特性を得ることができる。
【0017】フィルタAの信号入力端である電流出力型
差動増幅器10の非反転入力端子は、第1のスイッチ3
0を介し第1の入力端IN1に接続されており、フィル
タAの信号出力端であるバッファアンプ16の出力は第
2のスイッチ32を介し、第1の出力端OUT1に接続
されている。従って、このスイッチ30、32により、
フィルタAの信号入力端を第1の入力端IN1に接続す
ると共に、フィルタAの信号出力端を第1の出力端OU
T1に接続することによって、フィルタAによるフィル
タリング処理を行うことができる。
【0018】ここで、スイッチ32は、非反転増幅器4
0の反転入力端子に接続されており、この非反転増幅器
40の出力はスイッチ30および第2の出力端OUT2
に接続されている。また、非反転増幅器40の非反転入
力端子は第2の入力端IN2に接続されている。
【0019】そこで、スイッチ30、32を切り替える
ことによって、フィルタAを非反転増幅器40の帰還ル
ープに挿入することができる。すなわち、スイッチ32
によりフィルタAのバッファアンプ16の出力を非反転
増幅器40の反転入力端子に接続し、スイッチ30によ
り非反転増幅器40の出力をフィルタAの電流出力型差
動増幅器10の非反転入力端子に接続することによっ
て、フィルタAが非反転増幅器40の帰還ループに挿入
される。従って、第2の入力端IN2からの信号を非反
転増幅器40の非反転入力端子に入力し、非反転増幅器
40の出力を第2の出力端OUT2から取り出すことに
よって、この回路はエンファシス用のフィルタBとして
動作することになり、図4のフィルタBの特性を得るこ
とができる。
【0020】そして、この回路におけるフィルタAの電
流出力型差動増幅器10、14は、ダイオード接続され
たNPN型のトランジスタ50にベースが共通接続さ
れ、カレントミラーを構成するNPN型の定電流トラン
ジスタ52、54からの電流を受けて動作している。こ
のフィルタAは、この定電流トランジスタ52、54の
電流量を変更することによって、周波数特性が変化す
る。また、トランジスタ50は主電流源60に接続され
ると共に、スイッチ62を介し副電流源64に接続され
ている。そして、スイッチ62をオンすることによって
主電流源60および副電流源64からの電流が加算され
てトランジスタ50に流れ、スイッチ62をオフするこ
とによって主電流源60からの電流のみがトランジスタ
50に流れる。このため、スイッチ62のオンオフによ
って、トランジスタ50に流れる電流量が変化し、定電
流トランジスタ52、54の電流量が変化する。
【0021】本実施例では、主電流源の電流量が200
μA程度、副電流源64の電流量が2μA程度に設定さ
れている。そこで、スイッチ62のオンオフによって、
電流出力型差動増幅器10、14における電流量を1%
程度変更することができる。本回路において、電流出力
型差動増幅器10、14の電流量を一定にし、スイッチ
30、32により、フィルタAを非反転増幅器40の帰
還ループに挿入した場合に、フィルタBのピーク点がフ
ィルタAのピーク点に対し、若干ずれる。ところが、本
実施例ではフィルタBの時に、スイッチ62を自動的に
オンする。このため、フィルタAの時の電流出力型差動
増幅器10、14への定電流量は200μAであるが、
フィルタBの時の電流出力型差動増幅器10、14への
定電流量は202μAになる。このような動作によっ
て、本回路は、フィルタAとして動作するときと、フィ
ルタBとして動作するときとで、その特性が正確に反転
されたものになる。
【0022】従って、本フィルタを用いて、SECAM
のエンファシス・デエンファシスを効果的に行うことが
できる。すなわち、SECAMのエンファシス・デエン
ファシスのピーク点は、4.286MHzであり、電流
出力型差動増幅器10、14への定電流を変更しない
と、ピーク点が3%程度ずれるが、本回路によりずれを
1%以下にすることができた。
【0023】図2に、主電流源60、スイッチ62およ
び副電流源64の具体的構成を示す。200μAの定電
流源70にトランジスタ50が接続され、トランジスタ
50は定電流源70からの電流をそのまま流す。また、
200μAの定電流源72からの電流は、10:1のN
PN型のカレントミラー74の入力側トランジスタ74
aにそのまま流れ、出力側トランジスタ74bには、2
0μAの電流が流れる。この出力側トランジスタ74b
には、同じく10:1のPNP型のカレントミラー76
が接続されており、出力側トランジスタ74bに流れる
20μAの電流は入力側トランジスタ76aにそのまま
流れ、出力側トランジスタ76bには、2μAの電流が
流れる。
【0024】ここで、カレントミラー76の出力側トラ
ンジスタ76bには、NPN型のスイッチングトランジ
スタ78が設けられており、このトランジスタ78にベ
ースは、直列接続された抵抗80、82の中間点が接続
されている。そして、抵抗80、82の一端はスイッチ
信号の入力端になっており、他端はアースに接続されて
いる。従って、スイッチ信号として高レベルの信号が入
力されたときにスイッチングトランジスタ78がオン
し、低レベルの時スイッチングトランジスタ78がオフ
する。
【0025】そして、カレントミラー76の出力側トラ
ンジスタ76bとスイッチングトランジスタ78の接続
点と、定電流源70とトランジスタ50の接続点の間に
は、電流をトランジスタ50に向けて流すダイオード8
4が設けられている。
【0026】従って、スイッチ信号が高レベルの場合に
は、トランジスタ78がオンになり、出力側トランジス
タ76bの2μAの電流がトランジスタ78を介しアー
スに流れるが、スイッチ信号がオフの時には、出力側ト
ランジスタ76bの2μAの電流がダイオード84を介
しトランジスタ50に流れる。そこで、トランジスタ5
0に流れる電流は、スイッチ信号が高レベルの時に20
0μA、低レベルの時に202μAになり、上述した副
電流源64からの電流のオンオフを制御することができ
る。
【0027】このように、本実施例によれば、比較的簡
単な回路によって、正確に反対の特性を有するフィルタ
を得ることができる。なお、上述の実施例においては、
エンファシス・デエンファシス回路についてのみ説明し
たが、電流出力型増幅器およびコンデンサを用いる回路
により、各種フィルタを構成することができ、このよう
な場合にも好適に利用することができる。
【0028】なお、SECAM方式の場合、特にビデオ
テープに記録する場合に、エンファシス回路が必要であ
り、再生する場合にデエンファシス回路が、必要であ
る。このため、ビデオデッキにおいて、記録モードであ
ることの信号を受け図1のスイッチ30、32、62を
操作して、回路をフィルタとして動作するように接続
(図における接点に接続:スイッチ62はオン)し、
再生モードの場合にフィルタとして動作するように図
における接点(スイッチ62はオフ)接続するように
制御する。このような制御は、図示しない制御回路によ
って行う。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のフィルタ
装置は定電流変更手段を有している。そこで、フィルタ
回路をそのまま使用する場合と、非反転増幅器の帰還ル
ープに挿入して利用する場合とで、電流出力型増幅器に
供給する定電流を変更する。従って、非反転増幅器の特
性に起因するフィルタ特性の周波数ずれを補償して、正
確に反転したの利得でのフィルタ処理を行うことができ
る。このため、非反転増幅器の特性を十分なものとしな
くてもSECAMのエンファシス・デエンファシス処理
を周波数ずれなく効果的に行うことができる。従って、
非反転増幅器として構成の比較的簡単なものを利用する
ことができ、回路全体を簡単なものにできる。
【0030】特に、副電流源からの電流供給をオンオフ
することで、簡単な構成で、定電流の変更をすることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の全体構成を示す図である。
【図2】定電流のための構成を示す回路図である。
【図3】従来例の構成を示す図である。
【図4】フィルタの特性を示す図である。
【符号の説明】
10、14 電流出力型差動増幅器 18、20、24 コンデンサ 30、32、62 スイッチ 40 非反転増幅器 52、54 定電流トランジスタ 60 主電流源 64 副電流源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03H 11/04 H03H 11/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 定電流源からの電流の供給を受け入力信
    号を増幅する電流出力型差動増幅器とコンデンサとを含
    むフィルタ回路と、 このフィルタ回路が帰還ループに挿入可能な非反転増幅
    器と、 入力信号をそのままフィルタ回路に入力して処理を行う
    か、またはフィルタ回路を非反転増幅器の帰還ループに
    挿入して処理を行うかを切り替える切り替え手段と、 上記切り替え手段によりいずれの処理を行うように切り
    替えたかによって、上記定電流源における定電流値を変
    更する定電流変更手段と、 を有することを特徴とするフィルタ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のフィルタ装置におい
    て、 上記定電流源は、 主定電流源と、副定電流源からなり、定電流変更手段
    は、副定電流源からの電流供給をオンオフすることを特
    徴とするフィルタ装置。
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