JP3110332B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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JP3110332B2 JP08338481A JP33848196A JP3110332B2 JP 3110332 B2 JP3110332 B2 JP 3110332B2 JP 08338481 A JP08338481 A JP 08338481A JP 33848196 A JP33848196 A JP 33848196A JP 3110332 B2 JP3110332 B2 JP 3110332B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置の製造
方法に関し、特に、デバイス製造工程中に外部から混入
した重金属汚染物をデバイス活性領域から有効に除去す
る熱処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイスの高集積・微細化に伴な
い、デバイス活性領域中の不必要な金属不純物の除去・
低減は重要な技術課題となっている。ダイナミックメモ
リ(DRAM)における微小リーク電流の発生やバイポ
ーラトランジスタ(Bip Tr)における電流増幅率
(hFE)の低電流側の低下などは、半導体製造工程中に
混入する鉄、マンガン、クロムに代表される重金属不純
物に起因するためであり、これらの汚染不純物を除去す
るためにゲッタリング法が広く用いられている。
【0003】重金属不純物のゲッタリング方法として
は、半導体基板の裏面にArやOをイオン注入したり、
多結晶シリコン等を堆積したりして拡散層や格子欠陥を
含むゲッター層を形成する方法が用いられている。しか
し、これらの方法では、半導体装置の製造工程中の熱処
理によりゲッタリング能力が減少したり、ゲッタリング
された重金属が基板表面のデバイス活性領域にもどされ
たりする為、ゲッタリング効果は十分とは云えない。特
に鉄、マンガン、クロム等の拡散の遅い元素では、熱処
理後の冷却中の拡散が律速し、ゲッタリングが不十分と
なる。
【0004】この対策として、800℃からの冷却速度
を制御する方法が特開平7−335656号公報に開示
されている。このゲッタリング方法は、半導体デバイス
製造工程において、800℃以上の熱処理後、800℃
から750℃超790℃以下までの温度域を0.1℃/
分から1.0℃/分の冷却速度で冷却する熱処理、80
0℃から700℃超750℃以下の温度域までを0.1
℃/分から2.0℃/分の冷却速度で冷却する熱処理、
800℃から600℃超700℃以下の温度域までを
0.1℃/分から3.0℃/分の冷却速度で冷却するも
のである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】第1の問題点は従来の
技術において、処理温度が経験的に決定されていること
である。
【0006】その理由は、ゲッタリング機構が不純物
の、(1)デバイス活性領域からの放出、(2)ゲッタ
ー層への拡散、(3)ゲッター層での捕獲の三つの素過
程から成り立っていることが知られており、これら三つ
の素過程が有効に行われる処理温度として、半導体基板
中に存在する重金属不純物の量が最も重要な決定因子の
一つであるにもかかわらず、重金属不純物量との関係を
考慮することなく、経験的に処理温度を決定しているこ
とにある。更に、最近の半導体デバイス製造工程は、プ
ロセス温度の低温化やデバイスの開発期間の短縮が積極
的に実施されており、処理温度を経験的に決定すること
は、ゲッタリング能力の確保やデバイス開発の工数の面
でも困難を伴なっている。
【0007】特に、冷却速度を制御する方法では800
℃以上の熱処理後、冷却する際の初期温度が800℃に
限定され、処理温度に実用的な自由度がなく、プロセス
設計上の制約を強く受けている。
【0008】第2の問題点は従来技術は、800℃以上
の熱処理後、0.1℃/分以上の冷却速度で冷却する熱
処理であることである。
【0009】その理由は、上記のゲッタリング機構にお
いて、(2)ゲッター層への拡散、(3)不純物のゲッ
ター層での捕獲の素過程に着目すれば、温度の冷却速度
に対して不純物の捕獲速度と捕獲量はリニアーな比例関
係になく、指数関数に従うことが知られており、効率の
良いゲッタリングを行なうためには、半導体基板中の重
金属不純物濃度によって決定される冷却速度にしてやる
必要があり、0.1℃/分以上に限定した冷却速度で
は、実際上、ゲッタリングサイトへの重金属の拡散が不
十分であり、有効なゲッタリング効果が期待できない場
合が生じる。
【0010】本発明の目的は、半導体デバイス製造工程
中に混入した重金属汚染の影響を十分に防止するため
に、半導体デバイスの活性領域内に残留する重金属不純
物を活性領域外に効率よくゲッタリングすることができ
る半導体装置の製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体装置の製
造方法は、半導体装置の製造工程において、あらかじめ
半導体基板中の重金属濃度を測定し、この重金属濃度を
固溶限界とする初期温度を求め、この初期温度から55
0℃以上の所定の温度までの温度域を、0.01〜1℃
/分の冷却速度で冷却する熱処理工程を有することを特
徴とするものである。
【0012】
【作用】不純物の捕獲機構として、(1)不純物が過飽
和になった場合に格子欠陥を核として、シリサイドが析
出するものと、(2)格子欠陥と不純物が結合すること
により、無欠陥層とゲッター層の間で不純物が再分布す
るものとに大別される。
【0013】上記(1)の機構は、不純物濃度Cが温度
で決定される固溶限界濃度Csolよりも低くなる高温
状態では、不純物シリサイドの析出が行われずゲッタリ
ングされないため、不純物は初期濃度Coで均一に分布
している。これを不純物濃度Cが固溶限界濃度Csol
よりも高くなる低温にすると、不純物は過飽和状態にな
りゲッター層で不純物の析出が始まる。析出反応は時間
の経過とともに不純物濃度Cが固溶限界濃度Csolに
達するまで進行する。
【0014】一方、上記(2)の機構は、格子欠陥と不
純物の結合エネルギーに依存するため、結合エネルギー
よりも熱的エネルギーが高くなる高温状態では、不純物
は初期濃度Coで均一に分布している。これを結合エネ
ルギーよりも熱的エネルギーが低くなる低温にすると、
未結合の不純物が格子欠陥と結合し不純物濃度Cが減少
する。反応は温度とゲッター層中の欠陥密度などで決定
される平衡濃度Ceqに達するまで進行する。
【0015】両機構の共通点は、格子欠陥と不純物の析
出反応・結合の速度が高温ほど早く、不純物濃度の低下
が低温ほど大きいことである。また、両機構の相違点
は、機構(1)が過飽和を必要とするのに対して、機構
(2)では過飽和を必要としないことである。
【0016】ゲッタリングを効果的に行なうためには、
まず格子欠陥から遠く離れた不純物や拡散速度の遅い不
純物を捕獲するため、不純物の拡散速度が早く析出しや
すい高温状態から、不純物濃度Cが固溶限界濃度Cso
lより大きくなる、または結合エネルギーが熱的エネル
ギーより大きくなる低温状態に、徐々に冷却し不純物濃
度Cを低減する熱処理が有効である。
【0017】具体的には、不純物の捕獲機構として上記
(1)の機構を考えた場合、ゲッター層中の不純物濃度
C(t)と析出の時定数τ(t)はそれぞれ式(1)、
式(2)で与えられ、不純物の固溶限界濃度Csol
(t)は式(3)で与えられるため、常に不純物濃度C
(t)が固溶限界濃度Csol(t)より高くなるよう
に維持しながら、温度T(t)を徐々に低下させる熱処
理シーケンスにすることがゲッタリングを効果的に行な
うための条件となる。ここで、固溶限界濃度Csolと
温度Tの関係は、図8のように表わされ、各金属で異な
る。
【0018】 C(t)=Co・exp{−t/τ(t)} ・・・(1) 1/τ(t)=4πD(t)nr ・・・(2) ここで、D(t)は不純物の拡散定数、nとrはそれぞ
れ析出物の密度と平均半径を表わす。
【0019】 Csol(t)=a・exp{−H/T(t)} ・・・(3) ここで、aとHは定数,T(t)は絶対温度を表わす。
【0020】また、不純物の捕獲機構として、上記
(2)の機構を考えた場合、上記(1)の機構の固溶限
界濃度Csol(t)と同様に、熱平衡状態での不純物
濃度Ceq(t)は(4)式で表わされる。
【0021】 Ceq(t)=Co/[1+A{W2 /(W1 +W2 )}(ND /NSi) ・exp{E/kT(t)}] ・・・(4) ここで、W1 とW2 はそれぞれ無欠陥層とゲッター層の
厚さ、ND とNSiはそれぞれ欠陥とシリコンの密度、A
は定数である。
【0022】例えば、第1の例として半導体デバイス中
に不純物濃度Co=1×1012cm-3の鉄が残留してい
る場合に、800℃から600℃まで0.1℃/分の冷
却速度で冷却するゲッタリング熱処理を考える。不純物
の捕獲機構として上記(1)の機構が主なゲッタリング
機構であるナチュラルIG基板を考えた場合には、析出
の時定数τ(t)が700℃において5時間であるとす
ると(1)式は(5)式になる。また、鉄の固溶限界濃
度Csol(t)を(6)式で表わすと、(5)(6)
式から鉄の不純物濃度変化は図5のようになる。
【0023】 C(t)=1×1012exp[(−110t)exp{−1.01×104 / T(t)] ・・・(5) Csol(t)=4.3×1022exp{−2.44×104 /T(t)} ・・・(6) ここで、図5中の一点鎖線は固溶限界濃度曲線Csol
(t)を表わし、実線は鉄の不純物濃度曲線CFe(t)
を表わす。また、破線は(4)式から求められる鉄の不
純物濃度曲線C(t)を表わしている。
【0024】図5の鉄の不純物濃度曲線CFe(t)は
A,B,Cの3つの領域に分けられる。A領域は800
℃から723℃まで、B領域は723℃から628℃ま
で、C領域は628℃から600℃までの温度範囲を示
す。A領域は固溶限界濃度Csol(t)より鉄の不純
物濃度CFe(t)が低いため、析出が行われずゲッタリ
ングされない領域であり、無駄な熱処理部分である。B
領域は固溶限界濃度Csol(t)より不純物濃度C
(t)が低いため、析出は固溶限界濃度曲線Csol
(t)に沿って行われる領域である。C領域は不純物濃
度が固溶限界濃度Csol(t)より高くなるため、析
出は不純物濃度曲線C(t)で示される濃度まで低下す
る領域である。このため、実際上ゲッタリングが有効に
行われるのはB領域とC領域であり、A領域はゲッタリ
ングに寄与していない。
【0025】従って有効にゲッタリングを行う為の冷却
温度の下限は、元素により異なるC領域を30〜50℃
カバーする温度とするのがよい。すなわち、鉄の場合で
は下限温度は580〜600℃となる。600℃におけ
る鉄の濃度は3.1×1010cm-3、又安全をみて55
0℃迄冷却する場合、その時の鉄の濃度は5.7×10
9 cm-3となる。この程度の鉄の濃度であれば半導体装
置の特性に影響を及ぼすことはない。
【0026】従来技術(特開平7−335656号公
報)では初期温度を800℃に固定しているために、図
5のA領域が含まれており効率の良い熱処理方法とは言
えないことがわかる。また、最近の半導体デバイス製造
工程はプロセス温度の低温化が積極的に導入されてお
り、冷却する際の初期温度を800℃に限定すること
は、例えばバイポーラトランジスタの電流増幅率の変動
が生じるなどの、プロセス設計上の制約を強く受けてい
る。
【0027】ゲッタリングを効率良く行なうためには、
図5におけるA領域を除いてやればよい。すなわち、鉄
の不純物濃度が1×1012cm-3の場合、初期温度は8
00℃ではなく、初期不純物濃度Coに相当する固溶限
界濃度Csol(t)を示す温度である723℃にする
ことで同じ効果をあげることができる。これは、あらか
じめ半導体基板中の重金属不純物を全反射蛍光X線や原
子吸光分析などの手法を用いて測定しておけば、不純物
濃度が固溶限界濃度に等しいか、それよりやや高くなる
ように初期温度を決定してやればよいことを表わしてい
る。
【0028】図6は初期温度を723℃にして600℃
まで、0.1℃/分の冷却速度で冷却する熱処理(本発
明)を行なったときの、不純物濃度の時間依存性を示し
ている。比較のため、800℃から600℃まで、0.
1℃/分の冷却速度で冷却する熱処理を行なったときの
不純物濃度の時間依存性も合せて示している。初期温度
が723℃のときは初期温度が800℃のときよりも、
800分の時間が短縮できると同時に、同じ効果が得ら
れることがわかる。
【0029】第2の例として、鉄の不純物濃度がCo=
1×1012cm-3析出の時定数τ(t)が700℃にお
いて10時間である場合に、723℃から683℃まで
0.1℃/分の冷却速度で冷却したあと、683℃から
658℃まで0.03℃/分の冷却速度で冷却するゲッ
タリング熱処理を考える。このとき、不純物濃度曲線C
0.03(t)は第1の例と同様な計算により、図7のよう
に示される。図7には、比較のため0.1℃/分の冷却
速度で同じ時間、熱処理したときの不純物濃度曲線C
0.1 (t)も合せて示す。図7に示したように、冷却速
度を冷却の途中で変化させ、より小さい冷却速度にした
熱処理は、一定の冷却速度で冷却するよりも、不純物濃
度が低下することがわかる。
【0030】従来技術では冷却速度が0.1℃/分以上
とされているが、0.1℃/分以上というように冷却速
度を限定する必要はない。特に、最近の半導体デバイス
のように重金属不純物濃度が低くなるように注意深く設
計されたプロセスでは、ゲッタリングが起き始める温度
も低くなり、不純物の拡散速度の低下は免れない。この
ため、効率の良いゲッタリングを行なうためには、半導
体基板中の重金属不純物濃度によって決定される冷却速
度にしてやる必要があり、0.1℃/分以上に限定した
冷却速度では、実際上、重金属不純物が捕獲される結晶
欠陥などの核、すなわち、ゲッタリングサイトへの拡散
が不十分であり、有効なゲッタリング効果が期待できな
い場合が生じる。
【0031】半導体デバイス製造工程において、あから
じめ半導体基板中の重金属濃度を測定し、固溶限界濃度
から熱処理開始の初期温度を決定し、この初期温度から
550℃以上の任意の温度までの温度域を0.01℃/
分から1℃/分、好ましくは0.01℃/分から0.5
℃/分の冷却速度で冷却する熱処理を行なうことによ
り、鉄,マンガン,クロムに代表される重金属不純物の
ゲッタリングを効率よく行なうことができる。望ましく
は、これ以降の工程で熱処理温度が冷却の最終温度より
低い方が良い。これは、ゲッタリングされた不純物が内
部欠陥から再放出される可逆的反応を防止するためであ
る。
【0032】尚、この熱処理条件は圧力、雰囲気条件と
して、特に限定はない。圧力は常圧であっても、もしく
は加圧条件にしてもよい。また雰囲気は、例えば窒素,
アルゴン,ヘリウム,酸素,水素,水を含む窒素など、
または、それらの混合ガスでもよい。また、この熱処理
の前または後もしくは途中に一定温度の熱処理を追加し
て、ゲッタリング効率を高めてもよい。
【0033】更に重金属不純物は鉄(Fe)に限ったも
のではなく、Cu,Co,Znなどの金属でもよい。但
し、金属の違いにより、拡散定数Dや固溶限界濃度Cs
olが異なるため、各金属により最適な熱処理条件が存
在するが、半導体装置の特性に最も影響を与えゲッタリ
ングが困難な金属の熱処理条件を用いれば、他の金属に
ついては十分なゲッタリングが行われていると考えてよ
い。例えば、550℃迄冷却するゲッタリング方法を用
いれば、鉄の他銅やクロム等の重金属の影響を十分に除
去できる。尚、ゲッタリングの下限温度は常に550℃
とする必要はなく、要求される半導体装置の特性を考慮
した不純物濃度とする温度でよい。例えば、必要とする
特性を有する半導体装置を製造する場合、許容される不
純物濃度を求め、この不純物濃度より下限の冷却温度を
計算により求める。
【0034】本ゲッタリング処理は半導体デバイス製造
工程において用いられる窒化珪素膜堆積処理,熱酸化膜
形成処理,ポリシリコン膜堆積処理,ドーパントの拡散
および活性化処理において、同時に行なうことができ
る。また、従来良く知られている半導体基板の裏面に酸
化珪素砥粒などを用いたサンドブラスティングに代表さ
れる機械的ダメージ,リンの高濃度拡散,窒化珪素膜あ
るいはポリシリコン膜のCVD成長などのゲッタリング
処理や、熱処理で半導体基板内部に誘起されるバルク欠
陥をゲッタリングシンクに利用するゲッタリング処理な
どと併用してもよい。
【0035】
【発明の実施の形態】次に本発明について図面を参照し
て説明する。図1は本発明の実施の形態を説明する為の
処理工程を示す図である。
【0036】図1を参照すると、本発明の最良の実施の
形態は、バイポーラトランジスタやMOS型トランジス
タなどの半導体デバイス製造工程において、主要な熱処
理工程が終了したあと(a点)、あらかじめ全反射蛍光
X線や原子吸光分析などの解析装置により、半導体基板
中の重金属濃度を測定し、この濃度から熱処理開始の初
期温度を決定し、好ましくは重金属不純物濃度のばらつ
きを考慮して、ばらつきの上限で決定される初期温度か
ら(b点)、窒素,水素,ヘリウムなどのガス中で、5
50℃以上の所定の温度、好ましくは650℃〜600
℃の温度まで(c点)の温度領域を、0.01℃/分〜
1℃/分、好ましくは0.01℃/分〜0.5℃/分の
任意の冷却速度で冷却する熱処理工程を行なうことによ
り、鉄,マンガン,クロムに代表される重金属不純物の
ゲッタリングを効率よく行なうことができる。望ましく
は、これ以降の低温熱処理工程は本熱処理の冷却の最終
温度より低い方が良い。
【0037】次に、本発明の実施の形態について、図面
を参照して具体的に説明する。図2は本発明の実施の形
態を説明するための半導体チップの断面図、図3は実施
の形態に用いる熱処理のシーケンスを示す図である。
【0038】まず、図2(a)に示すように、シリコン
基板裏面にサンドブラスティング処理を施した結晶方位
(111),抵抗率0.008〜0.018ΩcmのN
型シリコン基板1上に気相成長(CVD)法により、抵
抗率5.0〜8.0Ωcm,厚さ15.0〜20.0μ
mのN型エピタキシャル層2を形成する。
【0039】次に、シリコン熱酸化膜3を約300nm
形成したあと、フォトレジストをパターン形成し、フォ
トレジストをマスクにして、P型ベース領域4のシリコ
ン熱酸化膜3をエッチングし開孔する。続いて、850
〜920℃の処理温度において、選択拡散法を用いてP
型ベース拡散層5を形成し、1000〜1200℃の処
理温度で拡散層5のシート抵抗が220〜300Ω/□
になるようにP型不純物を押込むと同時に、開孔部に約
300nmのシリコン熱酸化膜3を形成する。
【0040】次に、図2(b)に示すように、フォトレ
ジストをパターン形成し、フォトレジストをマスクにし
て、N型エミッタ領域6のシリコン熱酸化膜3をエッチ
ングし開孔する。続いて、950〜1000℃の処理温
度において、選択拡散法を用いて拡散層のシート抵抗が
5.5〜7.5Ω/□になるようにN型エミッタ拡散層
7を形成し、そのあと850〜950℃の酸化温度で開
孔部に約300nmのシリコン熱酸化膜3を形成する。
【0041】次に全反射蛍光X線分析法により基板表面
の鉄の濃度を測定した結果、1×1012cm-3の値が得
られた。この為、図3に示す熱処理シーケンスで、本発
明のゲッタリング熱処理を行なう。750℃で2時間の
熱処理に続いて、750℃の初期温度から600℃の最
終温度までの温度域を0.3℃/分の冷却速度で冷却す
る熱処理を行ない、続いて、600℃で2時間の熱処理
を行なうことにより、鉄,マンガン,クロムに代表され
る重金属不純物のゲッタリングを行なう。
【0042】次に、図2(c)に示すように、フォトレ
ジストをパターン形成し、フォトレジストをマスクにし
て、N型エミッタ領域6およびP型ベース領域4のシリ
コン熱酸化膜3をエッチングし開孔する。続いて、1%
程度のシリコンを含むアルミを被着し、所望のパターン
に従って不要部分を除去し、エミッタ電極8,ベース電
極9を形成する。そのあと、処理温度400℃で30分
のアルミアロイを行ない、本発明に係る半導体装置を完
成させる。尚、これらの電極は他の金属や多結晶シリコ
ン等を用いてもよい。
【0043】次に、本発明がいかにして不純物のゲッタ
リングに効果があるかについて説明する。本発明はデバ
イス活性領域中の重金属不純物を効率よく除去する熱処
理方法であるため、バイポーラトランジスタの電流増幅
率に影響を与えるエミッタ・ベース接合の空間電荷領域
内における再結合電流を著しく低下させることができ
る。このため、トランジスタの電流増幅動作が可能な最
低電流を、低電流まで動作可能にすることができる。こ
れは、電流増幅率のリニアリティーを測定することでゲ
ッタリング熱処理の効果をデバイス特性の視点から観察
することができる。
【0044】図4は上述したゲッタリング熱処理を行な
ったときと、行なわなかったときの特にリニアリティが
要求されるバイポーラトランジスタの電流増幅率のリニ
アリティー比較を示している。図4から容易に判断でき
るように、ゲッタリング熱処理を行なうと、電流増幅率
のリニアリティーは大幅に良化しており、低電流までト
ランジスタ動作が維持でき、重金属不純物のゲッタリン
グに対する本発明の効果を示している。
【0045】本発明は、上記した実施の形態に何ら限定
されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で
適宜変更して実施することができる。例えば、上記実施
の形態ではNPN型バイポーラトランジスタの場合につ
いて述べたが、PNP型バイポーラトランジスタの場合
や、MOS型トランジスタの場合でも同様である。ま
た、ゲッタリングのための熱処理は、任意の製造工程で
用いてもよく、基本的な機能・性能を阻害するものでは
ない。
【0046】
【発明の効果】主な効果は半導体装置の製造工程におい
て、鉄,マンガン,クロムに代表される重金属不純物を
効率よくゲッタリングできるということである。これに
より、大幅な処理時間の短縮が可能になると同時に、熱
履歴に伴なう半導体デバイスの特性変動を最小限にで
き、また、PN接合における再結合を防止できるため、
バイポーラトランジスタの電流増幅率の最低動作電流に
対して有利になるといった、実用的な自由度を大きくで
きるようになることである。
【0047】その理由は、半導体装置の製造工程におい
て、熱処理工程終了後、半導体基板中の重金属濃度を測
定し、この重金属濃度を固溶限界とする初期温度を求
め、この初期温度から550℃以上の所定の温度までの
温度域を0.01〜1℃/分、好ましくは0.01〜
0.5℃/分の冷却速度で冷却する熱処理を行なうこと
により、鉄,マンガン,クロムに代表される重金属不純
物を有効にゲッタリングできるからである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を説明する為の処理工程を
示す図。
【図2】本発明の実施の形態を説明する為の半導体チッ
プの断面図。
【図3】実施の形態に用いる熱処理シーケンスを示す
図。
【図4】実施の形態の効果を説明する為のコレクタ電流
と電流増幅率との関係を示す図。
【図5】従来技術を説明する為の不純物濃度曲線を示す
図。
【図6】従来技術を説明する為の不純物濃度曲線を示す
図。
【図7】本発明を説明する為の不純物濃度曲線を示す
図。
【図8】本発明を説明する為の固溶限界濃度と温度との
関係を示す図。
【符号の説明】
1 N型シリコン基板 2 エピタキシャル層 3 酸化膜 4 ベース領域 5 P型ベース拡散層 6 エミッタ領域 7 N型エミッタ拡散層 8 エミッタ電極 9 ベース電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/26 - 21/268 H01L 21/322 - 21/326 H01L 21/64 H01L 21/66

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体装置の製造工程において、あらか
    じめ半導体基板中の重金属濃度を測定し、この重金属濃
    度を固溶限界とする初期温度を求め、この初期温度から
    550℃以上の所定の温度までの温度域を、0.01〜
    1℃/分の冷却速度で冷却する熱処理工程を有すること
    を特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 全反射蛍光X線分析法又は原子吸光分析
    法により重金属濃度を測定する請求項1記載の半導体装
    置の製造方法。
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