JP3109380B2 - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

自動変速機の変速制御装置

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JP3109380B2 JP06103324A JP10332494A JP3109380B2 JP 3109380 B2 JP3109380 B2 JP 3109380B2 JP 06103324 A JP06103324 A JP 06103324A JP 10332494 A JP10332494 A JP 10332494A JP 3109380 B2 JP3109380 B2 JP 3109380B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、燃焼を行う気筒をバ
ンクごとに切り換えることのできるエンジンに連結した
自動変速機の変速を制御するための装置に関し、特に変
速制御のためのパラメータを学習制御により補正するこ
とのできる自動変速機の変速制御装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】周知のように車両用の自動変速機におけ
る変速は、クラッチやブレーキ等の摩擦係合装置の係合
・解放状態を切り換えて実行され、その際にエンジンを
含む回転要素の回転速度が変わるから、これを摩擦係合
装置によって吸収し、その結果、変速ショックの発生を
抑えている。したがって摩擦係合装置の係合・解放の切
り換えが所期どおりに行われない場合には、出力軸トル
クが急激に変化して変速ショックが大きくなったり、ま
たエンジンの吹き上がりが生じたりすることがある。
【0003】例えば2つの摩擦係合装置(クラッチもし
くはブレーキ)の一方を係合させるとともに他方を解放
させるいわゆるクラッチ・ツウ・クラッチ変速の場合、
アップシフトであれば、エンジンの吹き上がりを防止す
るために、これらの摩擦係合装置を共にある程度以上の
トルク容量に維持するオーバーラップ期間を設定し、ま
た反対にダウンシフトであれば、タイアップによるトル
クの落ち込みを防止するために、これらの摩擦係合装置
をほぼ解放した状態に維持するアンダーラップ期間を設
定している。これらのオーバーラップ期間やアンダーラ
ップ期間は、入力されるトルクに応じた適正な長さに設
定する必要があり、また制御油圧などに応じて変化する
ので、本出願人が既に提案した特開平5−98323号
の発明では、それらの変速の都度、エンジンの吹き上が
り状態を検出してこれを制御油圧に反映させる学習制御
を行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、クラ
ッチ・ツウ・クラッチ変速などの特殊な変速の場合には
変速の過渡的な制御が変速ショックやエンジンの吹き上
がりに大きく影響するが、変速の進行状態は入力トルク
やオイルの粘性などの様々な要因によって影響される。
したがって上述した学習制御を行っているとしても、エ
ンジンの運転状態の変更により入力トルクが従前とは変
化した場合には、変速が実行される状況が基本的に変わ
ってしまうので、それ以前の学習で得たデータが目標と
する変速を実行するためのデータとして利用できなくな
る。例えば、燃焼の休止制御をバンクごとあるいは気筒
群ごとに実行するエンジンでは、気筒数の相違による出
力トルクの特性の相違(たとえ出力トルクが同じであっ
ても全気筒での運転時と所定の気筒群での運転時とでは
異なる特性を有する)だけでなく、加工誤差や組付け誤
差などが気筒群ごとに微妙に相違していることによる気
筒群ごとの出力特性の相違があり、また変速時にエンジ
ンの出力トルクの低減制御を行う場合には、そのトルク
低減制御の方法によってもエンジンの出力トルクの特性
の相違がある。このようなエンジンの制御を変更するこ
とに起因する自動変速機への入力トルクの特性が、走行
中に変化した場合には、それ以前の学習で得たデータが
目標とする変速を実行するためのデータとして利用でき
なくなる。
【0005】この発明は上記の事情を背景としてなされ
たもので、エンジンの運転状態に応じて適正な学習制御
を行うことのできる変速制御装置を提供することを目的
とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は上記の目的を
達成するために、図1に示すように、気筒群100,1
01ごとに燃焼を実行・休止することのできるエンジン
102に連結された自動変速機103の変速制御装置で
あって、変速の制御のためのパラメータを学習する学習
手段104と、出力トルクの変化をもたらさないよう
に、燃焼をおこなう気筒群が変更された場合に前記エン
ジン102がどの気筒群100,101で運転している
かを検出する運転状態検出手段105と、燃焼気筒群が
変更されるごとに前記学習手段104による学習値を変
更する学習制御変更手段106とを備えていることを特
徴とするものである。
【0007】
【作用】この発明は、気筒での燃焼休止の制御を気筒群
100,101ごとに実行することのできるエンジン1
02に連結された自動変速機103を対象としている。
この自動変速機103での変速制御のためのパラメータ
は、変速が実行される都度、学習手段104によって学
習されて変速制御に反映させられる。また一方、エンジ
ン102の運転状態、具体的には、全ての気筒群10
0,101で燃焼を行う運転状態か、いずれの気筒群1
00(もしくは101)での燃焼による運転状態かが、
運転状態検出手段105で検出される。検出された運転
状態が、それ以前の変速時の運転状態とは出力トルクの
変化をもたらさないように変更されていた場合には、学
習制御変更手段106による変更制御用の学習をその運
転状態に合わせて開始するようにする。したがって変速
制御はエンジン102の運転状態、すなわち自動変速機
103に対する入力トルクの特性に応じて常時実行され
ることになり、変速ショックやエンジン102の吹き上
がりなどが有効に防止される。
【0008】
【実施例】つぎにこの発明を実施例に基づいて詳細に説
明する。図2はこの発明の一実施例の基本的な構成を示
すブロック図であって、バンクごとに各気筒での燃焼状
態を変更することのできるエンジンEg に、走行状態に
基づいて摩擦係合装置の係合・解放状態を変更すること
により変速を実行する自動変速機At が連結されてい
る。
【0009】その自動変速機At の一例を図3にスケル
トン図として示してあり、これを簡単に説明すると、こ
の自動変速機At は、変速機構として、ロックアップク
ラッチ1を有するトルクコンバータ2と、一組の遊星歯
車機構を有する副変速部3と、二組の遊星歯車機構によ
って複数の前進段および後進段を設定する主変速部4と
を備えている。副変速部3は、ハイ・ローの二段の切換
えを行うものであって、その遊星歯車機構のキャリヤ5
がトルクコンバータ2のタービンランナ6に連結されて
おり、またこのキャリヤ5とサンギヤ7との間にはクラ
ッチC0 および一方向クラッチFo が相互に並列の関係
となるよう設けられ、さらにサンギヤ7とハウジングH
u との間にブレーキB0 が設けられている。
【0010】主変速部4の各遊星歯車機構におけるサン
ギヤ8,9は、共通のサンギヤ軸10に設けられてお
り、この主変速部4の図における左側(フロント側)の
遊星歯車機構におけるリングギヤ11と副変速部3にお
けるリングギヤ12との間に第1クラッチC1 が設けら
れ、また前記サンギヤ軸10と副変速部3のリングギヤ
12との間に第2クラッチC2 が設けられている。主変
速部4における図の左側の遊星歯車機構のキャリヤ13
と右側(リヤ側)の遊星歯車機構のリングギヤ14とが
一体的に連結されるとともに、これらのキャリヤ13と
リングギヤ14とに出力軸15が連結されている。
【0011】そしてバンドブレーキである第1ブレーキ
B1 がサンギヤ軸10の回転を止めるように設けられ、
より具体的には第2クラッチC2 のクラッチドラムの外
周側に設けられており、またリヤ側の遊星歯車機構にお
けるキャリヤ16とハウジングHu との間に一方向クラ
ッチF1 と第3ブレーキB3 とが並列に配置されてい
る。
【0012】そしてこの自動変速機At においては、各
摩擦係合装置を図4に示すように係合・解放することに
より前進5段・後進1段の変速段が設定される。なお、
図4において、○印は係合、×印は解放をそれぞれ示
す。
【0013】自動変速機At における各クラッチC0 ,
C1 ,C2 および各ブレーキB0 ,B1 ,B3 に油圧を
給排する油圧制御装置17は、第1速ないし第5速およ
び後進段を主に設定するための第1ないし第3のソレノ
イドバルブS1 ,S2 ,S3と、ロックアップクラッチ
1の制御およびブレーキB0 の供給圧の調圧を行うリニ
アソレノイドバルブSLUと、ライン油圧PL をスロット
ル開度に応じて制御するためのリニアソレノイドバルブ
SLTと、アキュームレータ背圧を制御するためのリニア
ソレノイドバルブSLNとを備えている。これらのソレノ
イドバルブを制御するための電子制御装置(T−EC
U)18が設けられており、これは中央演算処理装置
(CPU)および記憶素子(ROM,RAM)ならびに
入出力インターフェースを主体とするものであって、自
動変速機At への入力回転数センサーからの信号、車速
信号、ニュートラルスタートスイッチからの信号、油温
センサーからの信号、パターンセレクトスイッチからの
信号、トランスミッションコントロールスイッチからの
信号、ストップランプスイッチからの信号などが入力さ
れている。またこの電子制御装置18にはエンジン用電
子制御装置(E−ECU)19が相互にデータ通信可能
に接続されている。そしてこのエンジン用電子制御装置
19にはスロットルポジションセンサーからの信号や水
温センサーからの信号、排気浄化触媒の温度を示す信号
およびその他の信号が入力されている。
【0014】上記の自動変速機用の電子制御装置18
は、入力される各信号および予め記憶させられているマ
ップに基づいて、設定するべき変速段やロックアップク
ラッチ1の係合・解放を制御し、またエンジン用電子制
御装置19に変速の際のトルクダウン制御を実行するよ
う信号を出力するようになっている。
【0015】上記の自動変速機At を連結してあるエン
ジンEg は、所定数の気筒を一群として燃焼休止制御あ
るいは点火時期や燃料噴射量による燃焼状態の制御を行
うよう構成されたエンジンであり、その一例は、左右の
バンクのシリンダごとに上記の制御を行うV型エンジン
である。図5はこのエンジンEg を模式的に示す図であ
り、左バンク20と右バンク21とのそれぞれのシリン
ダ(図示せず)を一群として吸気管路22,23が設け
られており、各吸気管路22,23には電気的に開度が
制御される電子スロットルバルブ24,25が設けられ
ている。また左右のバンク20,21の各シリンダの排
気ポート(図示せず)には、エギゾーストマニホールド
26,27を介してエギゾーストパイプ28,29が接
続されている。そしてそれらの各エギゾーストパイプ2
8,29には、排気浄化触媒30,31が介装されてい
る。
【0016】さらに左右のバンク20,21におけるシ
リンダでの点火時期や燃料噴射量あるいはスロットル開
度は、互いに独立して制御できるように構成されてお
り、そのために、前記エンジン用電子制御装置19は、
左バンクコントロールエンジンコンピュータ32と右バ
ンクコントロールエンジンコンピュータ33とを備えて
いる。これらの各エンジンコンピュータ32,33は、
自動変速機用電子制御装置18にデータ通信可能に接続
されるとともに、対応する左右の各排気浄化触媒30,
31の温度がデータとして入力されている。またこれら
のエンジンコンピュータ32,33は、対応する左右の
各電子スロットルバルブ24,25および対応する左右
のバンク20,21のシリンダでの点火時期あるいは燃
料噴射量を制御するようになっている。
【0017】なお、上記のエンジンEg は、出力トルク
を低減するために片バンク運転を行うのではなく、それ
ぞれのバンク20,21に個別に吸排気系統が設けられ
ていることにより、摩擦などの機械的ロスを低減して燃
費を向上させるために片バンク運転を行うのであり、し
たがって図6に示すように、アクセル開度TA の比較的
小さい範囲TA1〜TA2でいずれか一方のバンク20,2
1で燃焼を行う片バンク運転を実行し、その場合の運転
される側のバンク20(もしくは21)についてのスロ
ットル開度θは、両バンク運転時のほぼ2倍程度に拡大
される。したがってエンジンEg としての出力トルク
、基本的には、燃焼をおこなうバンクの変更では変化
されず、出力要求であるアクセル開度に応じて滑らかに
変化する。またこのようにして片バンク運転を行った場
合、休止しているバンク側の排気浄化触媒30(もしく
は31)の温度が次第に低下するので、片バンク運転を
継続する場合には、排気浄化触媒の活性を維持するため
に、運転するバンクの切換えが行われる。また排気の循
環制御を行う場合には、その切換えも同時に行う。
【0018】ところで図4に示す係合作動表から知られ
るように上記の自動変速機At では、第3速と第4速と
の間での変速が、第2クラッチC2 と第1ブレーキB1
との係合・解放状態を切り換えるいわゆるクラッチ・ツ
ウ・クラッチ変速になる。この変速を実行する場合、ア
ップシフトであればエンジンの吹き上りを防止し、また
ダウンシフトであれば、変速ショックを防止するため
に、これら二つの摩擦係合装置を所定期間、オーバーラ
ップ状態に維持し、もしくはアンダーラップ状態に維持
する必要がある。このような制御を行うために上記の自
動変速機At には図7に示す油圧回路が備えられてい
る。
【0019】図7において符号40は 3-4タイミングバ
ルブを示し、この 3-4タイミングバルブ40には、 3-4
シフトバルブ41のドレン油路42に連通するインポー
ト43と、そのドレン油路42にオリフィス44を介し
て連通するドレン圧入力ポート45と、 3-4シフトバル
ブ41から第2クラッチC2 に至る供給油路46にオリ
フィス47を介して連通する入力ポート48と、ロック
アップクラッチ用のリニアソレノイドバルブSLUからの
信号圧を入力される信号ポート49と、ドレンポート5
0とが設けられている。またこの 3-4タイミングバルブ
40のスプール51には、その一端に位置しかつドレン
ポート50を開閉するランド52と、中間に位置すると
ともにドレン圧入力ポート45とインポート43との間
を仕切りかつドレン圧入力ポート45側にドレン圧の受
圧面を形成しているランド53と、他端に位置するとと
もに供給圧の受圧面を形成しかつ入力ポート48とドレ
ン圧入力ポート45とを仕切る小径のランド54とを備
えている。そしてその一端側のランド52はスプリング
55を介して受圧ピストン56に当接し、また受圧ピス
トン56は信号ポート49からの信号圧の受圧面を形成
している。
【0020】第1ブレーキB1 用のアキュームレータ5
7は、第1ブレーキB1 に至る油路58に、オリフィス
59を介して接続されており、このアキュームレータ5
7は、前記リニアソレノイドバルブSLNによって制御さ
れるアキュームレータコントロールバルブからの油圧に
よって背圧が変えられて第1ブレーキB1 の係合圧を制
御する。また第2クラッチC2 用のアキュームレータ6
0も同様に、リニアソレノイドバルブSLNによって制御
されるアキュームレータコントロールバルブからの油圧
によって背圧を変えられて第2クラッチC2 の係合圧を
制御する。
【0021】また図7において符号61は、第2クラッ
チC2 に対するファーストフィル手段を構成する C-2オ
リフィスコントロールバルブであって、スプール62を
その軸線方向に押圧するスプリング63を設けた端部と
は反対側の端部に制御ポート64が形成され、この制御
ポート64は、オリフィス65を介して第2クラッチC
2 に連通されている。また中間部には、前記供給油路4
6を接続した入力ポート66と、この入力ポート66に
対してスプール62により連通・遮断されかつ第2クラ
ッチC2 が接続された第2クラッチポート67とが形成
されている。さらに後述する B-1コントロールバルブ6
8を介して第1ブレーキB1 に接続された第1ブレーキ
ポート69と、この第1ブレーキポート69に対してス
プール62により連通・遮断されるドレンポート70と
が形成されている。そしてスプリング63を配置してあ
る端部には第3ソレノイドバルブS3 からの信号圧を入
力する信号ポート71が形成されている。
【0022】B-1コントロールバルブ68について説明
すると、これは、第1ブレーキB1の油圧の給排速度を
制御するためのバルブであり、第1ブレーキB1 の油圧
を信号圧として作用させるために油路58を接続した信
号ポート72と、 3-4シフトバルブ41にオリフィス7
3を介して接続したDポート74と、このDポート74
に対して連通・遮断されかつ油路58が接続されたブレ
ーキポート75と、このブレーキポート75に対して連
通・遮断されかつ前記の C-2オリフィスコントロールバ
ルブ61における第1ブレーキポート69に接続された
ブレーキポート76とが形成されている。これらのポー
トの開閉を行うスプール77の一端部はスプリング78
を介してピストン79に当接させられている。このスプ
ール77とピストン79との間に開口しかつ第4速圧が
供給される制御ポート80と、ピストン79に対してロ
ックアップクラッチ用リニアソレノイドバルブSLUの信
号圧を作用される信号圧ポート81とが形成されてい
る。なお、図7において符号82は 2-3シフトバルブで
あり、また符号83はドレン油路44に設けたオリフィ
スである。
【0023】すなわち 3-4タイミングバルブ40が図7
の上半分に示す位置から下半分に示す位置に切り替わる
ことにより、インポート43がドレンポート50に連通
して第1ブレーキB1 からの排圧速度を速くするので、
第3速から第4速へのアップシフトの際に、リニアソレ
ノイドバルブSLUによって制御ポート49に供給する油
圧を制御することにより、第2クラッチC2 と第1ブレ
ーキB1 とのオーバーラップ期間を適宜に制御するよう
になっている。具体的には、リニアソレノイドバルブS
LUから出力される油圧が低ければ、制御ポート49の油
圧が低いことにより 3-4シフトバルブ40が図7の下半
分に示す状態に迅速に切り替わり、第1ブレーキB1 の
解放が早くなる。すなわちオーバーラップ期間が短くな
る。これとは反対にリニアソレノイドバルブSLUの出力
油圧が高い場合には、オーバーラップ期間が長くなる。
【0024】また第4速から第3速へのダウンシフトの
際には、 B-1コントロールバルブ68の制御ポート81
に供給する油圧をリニアソレノイドバルブSLUによって
制御してこの B-1コントロールバルブ68が図7の上半
分に示す位置に切り替わるタイミングを制御することに
より、第1ブレーキB1 に対する油圧の供給タイミング
を制御して第2クラッチC2 と第1ブレーキB1 のアン
ダーラップ期間を適宜にするように制御するようになっ
ている。具体的には、リニアソレノイドバルブSLUによ
って制御ポート81に供給する油圧を高くすれば、 B-1
コントロールバルブ68が図7の上半分に示す状態に切
り替わるタイミングが早くなるので、第1ブレーキB1
の係合が早くなり、アンダーラップ期間が短くなる。
【0025】このようにリニアソレノイドバルブSLUを
電気的に制御することにより、オーバーラップ期間およ
びアンダーラップ期間を適宜に制御でき、その制御パラ
メータは変速の進行状態を検出して、目標とする変速状
況を実現するように変更され、かつそれをつぎの変速の
際のデータとして使用するようになっている。すなわち
リニアソレノイドバルブSLUの制御パラメータを学習制
御するようになっている。しかしながらその学習制御
は、入力トルクの特性が一定であることを前提とするも
のであるから、前述したエンジンEg の運転状態を切り
換えた場合、すなわち両バンク運転から片バンク運転に
切り換えた場合や片バンク運転でのバンクの変更を行っ
た場合には、自動変速機At への入力トルクの特性が変
化する。そこでこのようなエンジンEg での運転状態の
変更があった場合には、上記の学習制御を以下に述べる
ように変更する。
【0026】図8および図9はその制御ルーチンを示す
フローチャートであって、入力信号の処理(ステップ
1)を行った後に、上述した各センサが正常か否かを判
断する(ステップ2)。センサに異常があれば、本来の
制御を行うことが困難なので、特に制御を行うことなく
リータンし、また全てのセンサが正常に機能していれ
ば、自動変速機At のオイル(フルード)の温度(油
温)Toil が所定の温度α(例えば10℃)以上か否か
を判断する(ステップ3)。油温Toil が低い場合に
は、シフトバルブやリニアソレノイドバルブなどが正常
に動作しない場合があるので、特に制御を行うことなく
リターンし、これとは反対に油温Toil が所定温度α以
上であれば、そのような不都合がないので、つぎのステ
ップ4に進み、エンジン水温Tw が所定の基準温度β
(例えば60℃)以上か否かを判断する。すなわちエン
ジンの暖機が完了しているか否かを判断し、完了してい
ない場合には、エンジンEg の運転が安定していないこ
とになるので、特に制御を行うことなくリターンし、ま
た充分暖機されている場合には、つぎのステップ5に進
む。
【0027】ステップ5では、選択されている走行レン
ジがドライブ(D)レンジか否かを判断する。リニアソ
レノイドバルブSLUの制御パラメータの学習制御は、D
レンジにおいて行い、他のSレンジやLレンジでは行わ
ないことにしているからであり、したがってDレンジで
なければ、特に制御を行うことなくリターンする。Dレ
ンジが選択されていた場合には、エンジンEg が両バン
ク運転されているか否かを判断し(ステップ6)、両バ
ンク運転状態であれば、そのことを示すようにフラグF
E を“1”にセットし(ステップ7)、また片バンク運
転状態であれば、フラグFE を“0”にセットする(ス
テップ8)。なお、片バンク運転は、右バンクで燃焼を
行う運転状態と左バンクで燃焼を行う運転状態との二種
類があり、一例として排気浄化触媒30,31の温度に
基づいてバンクの切り換えが行われる。したがって、よ
り精度の良い制御を行う場合には、これらの片バンク運
転状態をフラグで判別するようにしてもよい。
【0028】フラグFE を上記のようにいずれかに設定
した後、第3速と第4速との間の変速が生じたか否かを
判断する(ステップ9)。この変速は前述したように第
2クラッチC2 と第1ブレーキB1 との係合・解放状態
を共に変化させるクラッチ・ツウ・クラッチ変速であ
り、したがってこの変速を実行する場合には、先ず、タ
イアップが生じた否かを判断する(ステップ10)。こ
れは変速に関与する第2クラッチC2 と第2ブレーキB
1 とが共に所定以上の伝達トルク容量をもつことになり
ロック状態に近い状態になることであり、したがってエ
ンジン回転数やタービン回転数の低下度合いを検出して
判断するなど既に知られている方法で判断することがで
きる。
【0029】タイアップが生じていた場合にはフラグF
T を“1”にセットし(ステップ11)、タイアップが
生じていなければ、エンジンの吹き上がりが生じたか否
かを判断する(ステップ12)。これは、変速に関与す
る第2クラッチC2 と第1ブレーキB1 とが共に所定以
下の伝達トルク容量となることによりエンジン回転数が
増大する状態であり、出力軸回転数に変速後の変速比を
掛けた値とエンジン回転数とを比較するなどの既に知ら
れた方法によって判断することができる。エンジンEg
の吹き上がりが生じていた場合にはフラグFU を“1”
にセット(ステップ13)した後にステップ14に進
み、またエンジンEg の吹き上がりが生じていない場合
にはそのままステップ14に進む。
【0030】ステップ14では、イナーシャ相が開始し
たか否かを判断する。これは、自動変速機At の構成部
材の回転変化に基づいて判断するなどの既に知られてい
る方法によって判断することができ、イナーシャ相の開
始を判断するまでこのステップ14を継続し、イナーシ
ャ相の開始が判断された場合にはフィードバック制御を
実行する(ステップ15)。このフィードバック制御の
制御対象は、例えば第3速から第4速へのアップシフト
の場合には、第2クラッチC2 の係合圧の立ち上がりを
制御するためのリニアソレノイドバルブSLNである。具
体的には、第2クラッチC2 のためのアキュームレータ
60の背圧をリニアソレノイドバルブSLNで高くすれ
ば、第2クラッチC2 の伝達トルク容量の増大が速くな
り、また反対に第2クラッチC2 のアキュームレータ6
0の背圧を低くすれば、第2クラッチC2 の伝達トルク
容量の増大が遅くなる。したがってこのフィードバック
制御では、変速中のエンジン回転数の変化が目標とする
変化傾向となるようにリニアソレノイドバルブSLNのデ
ューティ比を制御する。なお、第3速から第4速へのア
ップシフト以外の変速であれば、それぞれの変速に応じ
て適宜のフィードバック制御を行う。
【0031】また上記のフィードバック制御を実行する
にあたっての制御量の補正量を計算する(ステップ1
6)。上記の第3速から第4速にアップシフトする場合
の例では、イナーシャ相の開始時のエンジン回転数の変
化傾向が目標とするエンジン回転数からずれていれば、
リニアソレノイドバルブSLNのデューティ比を補正する
ことになり、その補正量をエンジン回転数の目標値と実
際値との差などに基づいて求め、これを次回の制御量と
する。すなわち学習制御を行う。
【0032】そしてイナーシャ相の終了が判断(ステッ
プ17)までステップ15およびステップ16の制御を
継続し、イナーシャ相の終了が判断された場合には、終
了制御を実行(ステップ18)する。なお、このイナー
シャ相の終了の判断は、出力軸回転数とタービン回転数
とを比較することなどの既に知られている方法によって
行うことができる。
【0033】なお、第3速と第4速との間の変速でない
ことによりステップ9の判断結果が“ノー”であれば、
ステップ14に進んでイナーシャ相の判定や変速時のフ
ィードバック制御などを行う。
【0034】前述したように第3速と第4速との間の変
速の場合、第2クラッチC2 と第1ブレーキB1 との係
合・解放状態を切り換える必要があるために、これらの
摩擦係合装置の変速中の伝達トルク容量によってはタイ
アップやエンジンの吹き上がりが生じ、これは前記のス
テップ10やステップ12で判定された。そこでこの判
定結果に基づいてリニアソレノイドバルブSLUの制御量
の学習制御が行われる。その一例を図10に示してあ
る。
【0035】図10において、先ず、学習中のバンク切
換えが生じたか否かを判断する(ステップ20)。すな
わちエンジンEg での全気筒運転から左右いずれかのバ
ンク20,21の気筒のみでの燃焼による片バンク運転
への切換え、あるいは片バンク運転から全気筒運転に切
り換えがあったか否か、もしくは左右いずれか一方のバ
ンク20,21の気筒での燃焼による運転から他方のバ
ンク20,21の気筒での燃焼による運転に切り換えら
れたか否かを判断する。学習制御中のエンジンEg のこ
のような運転状態の切換えを禁止することが、一般的に
は好ましいと考えられるが、このような禁止制御を行っ
ていない場合には、ステップ20の判断を行う。
【0036】学習制御中のエンジンEg の運転状態の切
換え、すなわちバンク切換えが生じていない場合には、
前記フラグFE が“1”か否か、すなわち両バンク運転
中か否かを判断する(ステップ21)。両バンク運転中
であれば、フラグFT が“1”か否か、すなわちタイア
ップが生じたか否か判断(ステップ22)、およびフラ
グFU が“1”か否か、すなわちエンジンの吹き上がり
が生じたか否かの判断(ステップ23)を順に行う。タ
イアップが生じていた場合には、つぎの変速(第3速と
第4速との間の変速)のためのリニアソレノイドバルブ
SLUの制御値のダウン補正(ステップ24)を行い、ま
たエンジンの吹き上がりが生じていた場合には、つぎの
変速(第3速と第4速との間の変速)のためのリニアソ
レノイドバルブSLUの制御値のアップ補正(ステップ2
5)を行う。このように補正されたリニアソレノイドバ
ルブSLUの制御値は、変速の種類およびスロットル開度
θごとにマップ化されて記憶される。そのマップの一例
を図11に示してある。
【0037】上記のようにしてリニアソレノイドバルブ
SLUの制御値の補正を行った後に、前述したフィードバ
ック補正量によりアキュームレータの背圧値の補正を行
う(ステップ26)。すなわちイナーシャ相中のアキュ
ームレータの背圧がリニアソレノイドバルブSLNによっ
てフィードバック制御されており、その際のリニアソレ
ノイドバルブSLNの補正された制御値が次回の変速の際
の制御値(初期値)として記憶される。これは例えば変
速の種類およびスロットル開度θごとマップ化されて記
憶される。そのマップの一例を図11に示してある。
【0038】一方、ステップ21の判断結果が“ノー”
の場合、すなわち片バンク運転状態であることが判断さ
れた場合には、前述した両バンク運転時とは別に、タイ
アップが生じていたか否か(ステップ27)およびエン
ジンの吹き上がりが生じていたか否か(ステップ28)
を判断し、またリニアソレノイドバルブSLUの制御値を
ダウン補正(ステップ29)、もしくはアップ補正(ス
テップ30)する。このようにして補正した制御値も片
バンク運転用の制御値としてマップ化されて記憶され
る。そのマップの一例を図11に示してある。さらに片
バンク運転時の前述したフィードバック補正量によりア
キュームレータの背圧値の補正を行う(ステップ3
1)。これは前述したステップ26の制御プロセスと同
様であって、リニアソレノイドバルブSLNの制御値を次
回の変速の際の初期値としてマップ化して記憶する。そ
のマップの一例を図11に示してある。
【0039】なお、学習中にバンクの切換えがあったこ
とによりステップ20の判断結果が“イエス”となった
場合には、学習を中止する(ステップ32)。正確な制
御値を得られないからである。
【0040】したがって上述した制御では、エンジンE
g の運転状態が両バンク運転と片バンク運転とに切り替
わる都度、変速制御のためのパラメータを学習する制御
を更新するので、自動変速機At に入力されるトルクの
特性に応じた変速制御を常時行うことが可能になり、変
速ショックやエンジンの吹き上がりなどの不都合を未然
に解消することができる。
【0041】なお、エンジンEg の出力特性は、片バン
ク運転であっても、右バンクと左バンクとで異なってい
るので、エンジンの運転状態がこのように切り換えられ
た場合にも上述した学習制御を変更することとしてもよ
い。また入力トルクの特性の変化は、変速以外の制御、
例えばロックアップクラッチの制御にも影響を及ぼすの
で、上述したエンジンの運転状態の変更に伴う学習制御
の変更は、ロックアップクラッチなど他の制御パラメー
タの制御値の学習制御に適用してもよい。さらにエンジ
ンの運転状態の変更に伴って学習方法を変更することと
してもよい。
【0042】ところで、変速時の摩擦係合装置の負荷を
低減し、また変速ショックを改善するために、エンジン
の出力トルクを下げる制御が、従来行われている。その
トルク低減は、エンジンの点火時期の遅角制御やスロッ
トル開度を一時的に絞る制御などによって行われている
が、これらのトルク低減手段による制御を実行した場合
のエンジントルクの特性は、互いに相違している。例え
ば点火時期の遅角制御によれば、応答性のよいトルク低
減制御が可能であるが、トルクの低減量が少なく、また
スロットル開度を絞る制御では、トルクの低減量を多く
することができるが、応答性が悪い。したがって変速時
にいずれのトルク低減制御を実行するかによって、変速
特性に影響が生じ、一律に学習制御を行ったのでは、必
ずしも変速ショックの改善やエンジンの吹き上がり防止
などに有利ではない。そこで変速時のトルク低減制御に
応じた学習制御を行うことが好ましく、その例を以下に
説明する。
【0043】図12および図13ならびに図14はその
一例を示すフローチャートであり、図12において、第
4速から第5速へのアップシフトが車速やスロットル開
度などによる走行状態から判断(ステップ100)され
ると、その変速を実行するべく変速信号が出力される
(ステップ101)。具体的には変速用の第1ないし第
3のソレノイドバルブS1 〜S3 に信号が出力される。
ついでその変速の際にエンジンの点火時期の遅角制御が
可能か否かを判断する(ステップ102)。すなわち排
気浄化触媒の温度が低い場合や遅角制御が頻繁に行われ
ていた場合には、排気の悪化の可能性があるために遅角
制御が禁止されるので、ステップ102の判断を行う。
【0044】遅角制御を行うことができない場合には、
基本油圧の制御の初期値D1 を学習値Dstにセットする
(ステップ103)。すなわち変速時のトルク低減制御
をスロットル開度を絞ることにより実行することとし、
それに応じたアキュームレータ背圧を制御するリニアソ
レノイドバルブSLNのデューティ比を学習値に基づいて
設定する。なお、その値はマップから読み出すことによ
り行うことができる。ついでトルク低減制御をスロット
ル開度を絞ることにより実行することを示すフラグFTH
を“1”にセット(ステップ104)するとともに、ス
ロットルスタンバイ制御を実行する(ステップ10
5)。これは、前述したようにスロットル開度を絞るこ
とによるトルクの低減制御は応答性が悪いために行う制
御であり、事前にスロットルバルブを所定量だけ閉じ、
変速時に必要なトルク低減量を得られるように待機状態
とする。
【0045】イナーシャ相の開始まで上記の状態を維持
し(ステップ106)、イナーシャ相の開始が判断され
た場合に、左右の電子スロットルバルブ24,25を所
定開度まで同時に閉じてエンジンのトルク低減制御を実
行する(ステップ107)。なお、イナーシャ相の開始
の検出は、前述したように既に知られている方法で行う
ことができる。そしてカウンタiをゼロリセット(ステ
ップ108)した後にその加算制御(ステップ109)
を行う。
【0046】さらに油圧の補正値ΔDi を求める(ステ
ップ110)。これは例えば、予め決めてある変速過渡
時の目標入力回転数Ncoと実際の入力回転数ncoとの差
に制御ゲインk1 を掛けた値をパラメータとする関数に
よって求めることができる。なお、これに限られないこ
とは勿論である。このようにして得た補正値ΔDi を直
前の制御値Di-1 に加えて新たな制御値Di とし、これ
を達成するようにリニアソレノイドバルブSLNを制御す
る(ステップ111)。
【0047】変速の終期が入力回転数と出力回転数との
差や、タイマなどで判定されるまで(ステップ11
2)、ステップ109ないしステップ111の制御を継
続して行い、変速の終期が判定された場合には、スロッ
トルバルブを通常の開度すなわちアクセル開度に応じた
開度に戻し(ステップ113)、ついで背圧を変速時以
外の通常の圧力に次第に戻すなどの終期制御(ステップ
114)を変速の終了が判断されるまで(ステップ11
5)継続する。
【0048】一方、点火時期の遅角制御を行うことがで
きることによりステップ102の判断結果が“イエス”
であれば、この遅角制御によるトルク低減に対応した基
本油圧D1 を学習値DSEにセット(ステップ116)す
るとともに、フラグFEGを“1”にセットする(ステッ
プ117)。そしてイナーシャ相の開始が判定された場
合(ステップ118)、点火時期の遅角制御を実行して
エンジンの出力トルクを所定量低下させる(ステップ1
19)。以降、ステップ108ないしステップ112の
制御と同様に、カウンタiのゼロリセット(ステップ1
20)、カウンタiの加算(ステップ121)、油圧の
補正値ΔDi の演算(ステップ122)、その補正値に
よる油圧の演算およびその油圧を達成するためのリニア
ソレノイドバルブSLNの制御(ステップ123)ならび
に変速終期の判定(ステップ124)を順次行う。な
お、その補正値ΔDi を求める場合、その制御ゲインk
2 を前記の制御ゲインk1 より小さい値として、トルク
低減制御の応答性がよいことを補正値に反映させること
ができる。
【0049】そして変速の終期が判断された場合には、
点火時期を通常に戻し(ステップ125)、さらに背圧
を変速時以外の通常の圧力に次第に戻すなどの終期制御
(ステップ126)を変速の終了が判断されるまで(ス
テップ127)継続する。
【0050】上述した制御で得られた補正値ΔDi に基
づいて背圧制御のためのリニアソレノイドバルブSLNを
制御するための制御値(デューティ比)を設定する制御
は、図14に示す制御ルーチンに従って実行される。す
なわち第4速から第5速へのアップシフトが終了したか
否かを判断し(ステップ200)、終了していなければ
リータンし、終了していればフラグFTHが“1”か否か
を判断する(ステップ201)。このフラグFTHは、前
述したようにスロットルバルブを絞ることによってトル
ク低減制御が実行される場合に“1”にセットされるフ
ラグであり、したがってステップ201の判断結果が
“イエス”の場合には、スロットルバルブを絞ることに
よるトルク低減制御に応じた制御値DSTを演算して求め
る(ステップ202)。具体的には、スロットルバルブ
を絞ることによるトルク低減制御を伴う変速を実行した
際の補正値ΔDi の総和をパラメータとした関数G1 に
よって制御値DSTを求める。このようにして求めた制御
値を次回の変速の際の初期値して記憶し、さらにフラグ
FTHをゼロリセット(ステップ203)した後にリター
ンする。
【0051】他方、スロットルバルブを絞ることによる
トルク低減制御を伴わない変速の場合には、フラグFEG
が“1”か否かを判断する(ステップ204)。このフ
ラグFEGは、前述したように点火時期の遅角制御によっ
てトルク低減制御が実行される場合に“1”にセットさ
れるフラグであり、したがってステップ204の判断結
果が“イエス”の場合には、点火時期の遅角制御による
トルク低減制御に応じた制御値DSEを演算して求める
(ステップ205)。具体的には、点火時期の遅角制御
を伴う変速を実行した際の補正値ΔDi の総和をパラメ
ータとした関数G2 によって制御値DSEを求める。この
ようにして求めた制御値を次回の変速の際の初期値して
記憶し、さらにフラグFEGをゼロリセット(ステップ2
06)した後にリターンする。なお、フラグFEGが
“1”にセットされていない場合には、制御値の学習を
中止し(ステップ1207)、リターンする。
【0052】上述した制御を実行した場合のエンジン回
転数Ne の変化およびエンジントルクの変化ならびにア
キュームレータ背圧の変化を図示すれば、図15のとお
りである。すなわち第4速から第5速へのアップシフト
が出力されると背圧が基本油圧まで高くなり、エンジン
のトルク低減制御が実質的に開始された後に背圧がフィ
ードバック制御され、変速終期にエンジントルクが通常
のトルクの復帰させられ、さらに背圧が戻される。
【0053】なお、この発明は、上述した各実施例に限
定されないのであって、図3に示す歯車変速装置以外の
変速装置を備えた自動変速機やバンク型エンジン以外の
エンジンすなわち気筒群ごとに燃焼の休止を行うことの
できるエンジンに連結した自動変速機を対象とした制御
装置に適用することができ、またクラッチ・ツウ・クラ
ッチ変速以外の各種の変速の際の学習制御に適用するこ
とができる。
【0054】ここでこの発明の好ましい実施の態様の一
例を記すと、この発明は、バンクごとに各気筒での燃焼
を実行・休止することのできるエンジンに連結された自
動変速機の変速制御装置であって、変速の制御のための
パラメータを学習する学習手段と、燃焼を行うバンクの
切換えを検出するバンク変更検出手段と、バンクの切換
えがあった場合に前記学習手段による学習を中止する手
段とを備えた構成とすることができる。
【0055】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明の制御装置
によれば、燃焼気筒群が出力トルクの変化をもたらさな
いように変更された場合、自動変速機に入力されるトル
クの特性に応じて、変速を制御するためのパラメータが
学習されることになるので、入力トルクの特性に適した
変速制御が常時、実行され、その結果、変速ショックや
エンジンの吹き上がりなどのない変速を行うことが可能
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を機能的手段で模式的に示すブロック
図である。
【図2】この発明の一実施例を模式的に示すブロック図
である。
【図3】その自動変速機の歯車列を示すスケルトン図で
ある。
【図4】各変速段を設定するための摩擦係合装置の係合
作動表を示す図である。
【図5】可変気筒数V型エンジンの給排気系統および制
御系統を模式的に示すブロック図である。
【図6】アクセル開度に対するスロットル開度および出
力トルクの関係を示す特性図である。
【図7】クラッチ・ツウ・クラッチ変速の際のオーバー
ラップ制御およびアンダーラップ制御を行うための油圧
回路を示す図である。
【図8】クラッチ・ツウ・クラッチ変速の際のオーバー
ラップ期間およびアンダーラップ期間のフィードバック
制御のための制御ルーチンを示すフローチャートの一部
である。
【図9】同制御ルーチンを示すフローチャートの他の部
分である。
【図10】クラッチ・ツウ・クラッチ変速の際のオーバ
ーラップ期間およびアンダーラップ期間を制御するリニ
アソレノイドバルブの制御値の学習制御ルーチンの一例
を示すフローチャートである。
【図11】両バンク運転時のリニアソレノイドバルブの
制御値のマップおよび片バンク(左バンクもしくは右バ
ンク)運転時のリニアソレノイドバルブの制御値のマッ
プである。
【図12】変速時のトルク低減に制御に応じてアキュー
ムレータ背圧を補正する制御ルーチンを示すフローチャ
ートの一部である。
【図13】同フローチャートの他の部分である。
【図14】トルク低減制御の方法ごとに背圧を学習する
制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図15】第5速へのアップシフトの際のエンジン回転
数およびエンジントルクならびにアキュームレータ背圧
の変化を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
100,101 気筒群 102 エンジン 103 自動変速機 104 学習手段 105 運転状態検出手段 106 学習制御変更手段
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気筒群ごとに燃焼を実行・休止すること
    のできるエンジンに連結された自動変速機の変速制御装
    置において、 変速の制御のためのパラメータを学習する学習手段と
    出力トルクの変化をもたらさないように、燃焼をおこな
    う気筒群が変更された場合に前記エンジンがどの気筒群
    で運転されているかを検出する運転状態検出手段と、燃
    焼気筒群が変更されるごとに前記学習手段による学習値
    を変更する学習変更手段とを備えていることを特徴とす
    る自動変速機の変速制御装置。
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