JP3108602U - 両頭船 - Google Patents

Abstract

【課題】 進行側のプロペラ翼が受ける水流抵抗を可及的に小ならしめ、効率の良い運航を可能ならしめる両頭船の提供。
【解決手段】 船首及び船尾の両方に推進器を備えた両頭船に於いて、推進器の両者を可変ピッチプロペラを採用し、進行側の推進器は可変ピッチプロペラの翼をプロペラ軸と平行する状態で固定されるものとなす。
【選択図】 図２

Description

本考案は、専ら近海水路を貨物や旅客を乗せて運航される両頭船に関する。

上記に於いて、比較的近距離の島嶋間を往き来するフェリーなどの貨客船が増加しており、これら貨客船には方向転換の不必要性から船底の船首と船尾の前後箇所へ推進器を備えた両頭船の使用が多く見られるものとなっている。
実用新案登録第３０６９１３８号

上記に於ける従来船のものは、前進するさい船首側のプロペラは遊転状態になしておくのであり、従ってプロペラが遊転するさいの抵抗は、船自体の抵抗の凡そ１０％ぐらいになることから、船の速力が減少することになる。ところで、このさいプロペラの遊転を止めて固定状態にすると、上記抵抗はより大きなものとなるのである。
本考案は上記問題を解決せんとするものである。

本考案は船首及び船尾の両方に推進器を備えた両頭船に於いて、推進器の両者を可変ピッチプロペラを採用したものとなすのであり、而して前進時に於ける進行側の推進器に於ける可変ピッチプロペラの翼は、そのプロペラ軸と平行する状態で当該プロペラの翼を固定させたものとなすのである。

本考案に係る両頭船は、航行中に運転駆動されない側となる進行側の推進器の翼をプロペラ軸と平行する９０°角に可変したものとなし、推進器が受ける水流抵抗を可及的に減少させ、経済性に優れた効率の良い運航を可能ならしめるのである。

図１は本考案に係る両頭船の側面図であって１は船体、２，２はその船底に於ける船首部ａと船尾部ｂに取付けてなる推進器、３，３は夫々れの推進器の前方へ取付けてなる舵板（方向舵）である。

本考案に於いては、上記推進器２，２に可変ピッチプロペラが採用されたものとなしてあり、このさいその可変角の従来の市販品にはない９０°の変更をも可能にする特殊設計の構成となしたのものである。（従来品は２０°〜３０°まで）

図２は上記した船首部ａと船尾部ｂに採用した可変ピッチプロペラの推進器２，２の作用説明図であって、船体を省略し、且つプロペラ翼ｐを俯瞰して示す平面図であり、Ａ及びＢは夫々れ矢印イ及びロ方向へ航行するさいの船首部及び船尾部のプロペラ翼ｐの可変位置状態を示す。

上記から明らかな通り、前進側となる船首部に於ける推進器のプロペラ翼ｐは推進軸と平行する９０°の位置ｔ_０で固定状態となすのであり、このさい方向舵３も同様平行となされるが、この状態では水流抵抗が可及的に最小のものとなすことができる。なお、上記で船尾側（Ｂでは船首側）に於ける推進器ｐはｔ_１，ｔ_２，ｔ_３の如く可変させるのであるが、このさいｔ_１位置に於ける変更は前進作用を、またｔ_２位置に於ける変更は停止（中立）作用を、そしてｔ_３位置に於ける変更は一時的な後進作用を可能にするためのものである。

本考案は以上の通り構成するものであって、船体の前進と後進を船首と船尾に於ける推進器のピッチ角度を変えるだけで、前進や後進などが簡便且つ迅速に行えるものとなるのであり、とりわけ進行側のプロペラ翼の受ける水流抵抗を可及的に小ならしめることができるので、航速が上昇すると共に経済性に優れた運航を図れる上で寄与するものとなる。

本考案に於ける両頭船の側面図である。 作用説明図である。

符号の説明

１ 船体
２ 推進器
３ 方向舵

Claims (2)

1. 船首及び船尾の両方に推進器を備えた両頭船に於いて、推進器の両者を可変ピッチプロペラを採用したことを特徴とする両頭船。
2. 進行側の推進器は可変ピッチプロペラの翼をプロペラ軸と平行する状態で固定されるものとなしたことを特徴とする請求項１記載の両頭船。
   

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