JP3108040B2 - ワイパアーム及び車両用ワイパ装置 - Google Patents

ワイパアーム及び車両用ワイパ装置

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JP3108040B2
JP3108040B2 JP09202779A JP20277997A JP3108040B2 JP 3108040 B2 JP3108040 B2 JP 3108040B2 JP 09202779 A JP09202779 A JP 09202779A JP 20277997 A JP20277997 A JP 20277997A JP 3108040 B2 JP3108040 B2 JP 3108040B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車のウインドシ
ールドガラス等を払拭する車両用ワイパ装置に用いられ
るワイパアーム及びその車両用ワイパ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のウインドシールドガラス等を払
拭する車両用ワイパ装置は、ワイパアームとこのワイパ
アームに保持されたワイパブレードとによって構成され
ている。
【0003】ワイパアームは、アームヘツドの一端部が
ピボツト軸に固定されており、アームヘツドの他端部に
はリテーナが所定角度回動可能に支軸を介して連結され
ている。これらアームヘツドとリテーナとの間にはスプ
リングが取り付けられており、常にリテーナをウインド
シールドガラス等の払拭面の方向へ付勢している。リテ
ーナの先端部には、アームピースが固着されている。ア
ームピースの先端部は略U字状に屈曲されて保持部とな
っており、ワイパブレードを連結保持している。
【0004】一方、ワイパブレードは、払拭面に接触し
て払拭するブレードラバーと、このブレードラバーを保
持する複数の保持レバーとによって構成されている。
【0005】この車両用ワイパ装置の作動時には、ワイ
パアーム及びワイパブレードが往復回動することによ
り、ブレードラバーがウインドシールドガラス面に密着
しながら移動して雨滴を払拭する。
【0006】ところで、この種の車両用ワイパ装置で
は、一般的に、図10に示す如くリテーナ72が断面コ
字形に形成されており、その開口側がウインドシールド
ガラス面62に向いて配置されている。このため、車両
の高速走行に伴ってリテーナ72が気流S中に置かれる
と(気流Sがリテーナ72に当たると)、大きな風切り
音を生じる場合があった。すなわち、リテーナ72に高
速気流Sが当たると、断面コ字形に形成されたリテーナ
72の側壁のうち、相対気流の上流側に位置する前面側
の側壁74の後方において気流Sの乱れ(所謂、カルマ
ン渦列と称される渦流)が発生し、さらにこの渦流が相
対気流Sの下流側に位置する後面側の側壁76に当たっ
てキャビティトーン(エッジトーン)と称される高周波
振動を誘発する。さらに、このキャビティトーンが断面
コ字形のリテーナ72の内部空間と共鳴して、大きな風
切り音(高周波数の共鳴振動)を発生していた。このた
め、このような風切り音を防止できる対策が切望されて
いた。
【0007】このような高速走行時の風切り音を低減す
るための対策として、リテーナに切欠部を形成した自動
車用ワイパが提案されている(実開昭59−66652
号公報)。
【0008】前記公報に示された自動車用ワイパでは、
断面コ字形に形成されたリテーナの後面壁の下端縁に、
切欠部を形成した構成となっている。これにより、リテ
ーナに高速気流が当たり上流側に位置する前面側の側壁
の後方において渦流が生じても、この渦流が後面側の
(相対気流の下流側に位置する)側壁に当たり難く、こ
れによりキャビティトーン(エッジトーン)と称される
高周波振動を誘発し難くなる構成である。
【0009】しかしながら、前記公報に示された自動車
用ワイパでは、前面側の側壁の後方において生じた渦流
が、下流側に位置する後面側の側壁に単に当たり難くな
るのみであり、このような渦流が後面側の側壁に当たる
ことをある程度低減することはできるものの、これを十
分に阻止することはできない。すなわち、渦流が後面側
の側壁に当たって生じるキャビティトーン(高周波振
動)を単に誘発し難くなるのみであり、これを十二分に
(確実に)防止するという点においては未だ改善の余地
があった。
【0010】またさらに、前記公報に示された自動車用
ワイパでは、前面側の側壁の後方においては依然として
気流の乱れ(カルマン渦列と称される渦流)が生じ、こ
れが断面コ字形のリテーナの内部空間にそのまま存在す
る。したがって、この渦流自体による風切り音は低減で
きない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事実を考
慮し、車両のフラッシュサーフェイス化(車両ボディの
面一化)に伴って、車両ボディ表面を流れる気流が妨げ
られることなく流れ、その気流の妨げの一要因となるワ
イパアーム及び車両用ワイパ装置によって生じる風切り
音を大幅に低減することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明のワ
イパアームは、車両に設けられた回動軸に固定されたア
ームヘッドと、互いに対向し合う一対の側壁と前記両側
壁の上端部間に連続する上壁とによって一側が開口する
断面コ字状に形成されたリテーナ部を有し、前記リテー
ナ部の開口側が払拭面側へ向く状態で前記アームヘッド
に回動自在に軸支されると共に、先端にワイパブレード
が連結されるアーム体と、前記アームヘッドとアーム体
とに掛け渡され、前記アーム体を払拭面方向に押圧する
弾性手段と、を備えるワイパアームであって、前記アー
ム体には、前記リテーナ部の一対の側壁の先端エッジ部
を互いに接近させた断面逆三角形状部を形成し、かつ、
前記先端エッジ部が互いに接近された一対の側壁のう
ち、車両搭載状態において車両前方側からウインドシー
ルドガラスへ向けて流れる相対気流の下流側に位置する
一方の側壁における先端エッジ部の前記上壁からの高さ
を、前記相対気流の上流側に位置する他方の側壁におけ
る先端エッジ部の前記上壁からの高さよりも低くした、
ことを特徴としている。
【0013】請求項1記載のワイパアームでは、アーム
体には、互いに対向し合う一対の側壁とこの側壁の上端
部間に連続する上壁とによって構成され一側が開口する
リテーナ部が設けられている。さらに、このアーム体
は、その長手方向の所定範囲に渡って、リテーナ部の一
対の側壁が、その先端エッジ部が互いに接近する方向に
共に接近して形成されており、かつこれらの一対の側壁
のうち、車両搭載状態において車両前方側からウインド
シールドガラスへ向けて流れる相対気流の下流側に位置
する後面側の側壁における先端エッジ部の上壁からの高
さが、前記相対気流の上流側に位置する前面側の側壁に
おける先端エッジ部の上壁からの高さよりも低くされて
いる。
【0014】すなわち換言すれば、アーム体は、その長
手方向の所定範囲に渡って、リテーナ部の一対の側壁の
先端エッジ部が互いに接近して全体として断面逆三角形
状に形成されており、かつ前記相対気流の下流側に位置
する一方の側壁は前記相対気流の上流側に位置する他方
の側壁よりもその先端エッジ部が上壁の側に所定寸法の
段付き状態で位置している。しかも、上記両側壁の先端
エッジ部は互いに接近して両側壁の間の開口の間隔が小
さくされているため、気流の侵入も抑えられる。
【0015】したがって、アーム体(リテーナ部)に高
速気流が当たっても、この高速気流は上流側に位置する
他方の側壁に垂直には当たらず、上流側に位置する他方
の側壁から下流側に位置する一方の側壁に沿って乱流と
なることなくスムーズに流れ、上流側に位置する側壁の
後方においてそもそも渦流が生じ難くなる。このよう
に、渦流が生じ難い、特に、両側壁内側への気流の侵入
を大幅に抑えることができるため、従来の如く渦流が
流側に位置する側壁に当たってキャビティトーン(エッ
ジトーン)と称される高周波振動が生じることがない。
【0016】また、このように上流側に位置する側壁の
後方において渦流が生じ難いため、この渦流自体による
風切り音が生じない。
【0017】このように、請求項1記載のワイパアーム
では、車両高速走行時の風切り音を大幅に低減すること
ができる。
【0018】請求項2に係る発明のワイパアームは、車
両に設けられた回動軸に固定されたアームヘッドと、互
いに対向し合う一対の側壁と前記両側壁の上端部間に連
続する上壁とによって一側が開口する断面コ字状に形成
されたリテーナ部を有し、前記リテーナ部の開口側が払
拭面側へ向く状態で前記アームヘッドに回動自在に軸支
されると共に、先端にワイパブレードが連結されるアー
ム体と、前記アームヘッドとアーム体とに掛け渡され、
前記アーム体を払拭面方向に押圧する弾性手段と、を備
えるワイパアームであって、前記アーム体には、前記リ
テーナ部の一対の側壁の先端エッジ部を互いに接近させ
た断面逆三角形状部を形成し、かつ、前記先端エッジ部
が互いに接近された一対の側壁のうち、車両搭載状態に
おいて車両前方側からウインドシールドガラスへ向けて
流れる相対気流の下流側に位置する一方の側壁が前記上
壁と成す角度を、前記相対気流の上流側に位置する他方
の側壁が前記上壁と成す角度よりも小さくし、前記一方
の側壁の前記上壁からの先端エッジ部高さ前記他方
側壁の前記上壁からの先端エッジ部高さより低くした、
ことを特徴としている。
【0019】請求項2記載のワイパアームでは、アーム
体には、互いに対向し合う一対の側壁とこの側壁の上端
部間に連続する上壁とによって構成され一側が開口する
リテーナ部が設けられている。さらに、このアーム体
は、その長手方向の所定範囲に渡って、リテーナ部の一
対の側壁が、その先端エッジ部が互いに接近する方向に
共に接近して形成されており、かつこれらの一対の側壁
のうち、車両搭載状態において車両前方側からウインド
シールドガラスへ向けて流れる相対気流の下流側に位置
する後面側の側壁と上壁とが成す角度は、前記相対気流
の上流側に位置する前面側の側壁と上壁とが成す角度
りも小さくされている。
【0020】すなわち換言すれば、アーム体は、その長
手方向の所定範囲に渡って、リテーナ部の一対の側壁の
先端エッジ部が互いに接近して全体として断面逆三角形
状に形成されており、かつ前記相対気流の下流側に位置
する一方の側壁は前記相対気流の上流側に位置する他方
の側壁よりも上壁の側に接近して位置して、上流側に位
置する他方の側壁に対して所定寸法の段付き状態で位置
している。
【0021】したがって、アーム体(リテーナ部)に高
速気流が当たっても、この高速気流は上流側に位置する
他方の側壁に垂直には当たらず、上流側に位置する他方
の側壁から下流側に位置する一方の側壁に沿って乱流と
なることなくスムーズに流れ、上流側に位置する側壁の
後方においてそもそも渦流が生じ難くなる。特に、両側
内側への気流の侵入を大幅に抑えることができる。こ
のように、渦流が生じ難いため、従来の如く渦流が下流
側に位置する側壁に当たってキャビティトーン(エッジ
トーン)と称される高周波振動が生じることがない。
【0022】また、このように上流側に位置する側壁の
後方において渦流が生じ難いため、この渦流自体による
風切り音が生じない。
【0023】このように、請求項2記載のワイパアーム
では、車両高速走行時の風切り音を大幅に低減すること
ができるという上記請求項1と同様の作用効果を奏する
他、さらに、両側壁の高さが同じでも上記上壁と成す角
を変えることにより、上流側に位置する側壁に対し
流側に位置する側壁を段付き状態とできるので、段付き
状態を必要としない(両側壁の高さが同じ)ワイパアー
ムの材料や型を共通して用いることができる。
【0024】請求項3に係る発明の車両用ワイパ装置
は、車両の幅方向に沿ってそれぞれ設けられた複数のワ
イパアームを有し、車両のウィンドガラスを払拭する車
両用ワイパ装置であって、前記各ワイパアームのうち最
も車両幅方向中央部に位置するワイパアームに、前記請
求項1または請求項2の何れかに記載のワイパアームを
適用したことを特徴としている。
【0025】請求項3記載の車両用ワイパ装置では、車
両の幅方向に沿ってそれぞれ設けられた複数のワイパア
ームのうち、最も車両幅方向中央部に位置するワイパア
ームに、前述した請求項1または請求項2の何れかに記
載のワイパアームが適用されて取り付けられる。
【0026】ここで、一般的に、ワイパ装置の停止状態
では、ワイパアームは車両の幅方向に沿ってそれぞれ配
置され、車両の高速走行時においては、最も車両幅方向
中央部に位置するワイパアームには正面から強い気流が
最も当たり(作用し)、このため、大きな風切り音が最
も発生し易い。
【0027】これに対し、請求項3記載の車両用ワイパ
装置では、当該箇所のワイパアームに、前述した請求項
1または請求項2の何れかに記載のワイパアームが適用
されて取り付けられるため、最も効果的に車両高速走行
時の風切り音を低減することができる。
【0028】このように、請求項3記載のワイパアーム
では、車両の更なる高速化が進んだ場合には高速走行時
の風切り音の低減効果をより発揮することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】図1には本発明の第1の実施の形
態に係るワイパアーム12が用いられた車両用ワイパ1
0の全体構成が斜視図にて示されている。また、図2に
はこの車両用ワイパ10の平面図が示されており、図3
には車両用ワイパ10の断面図が示されている。
【0030】ワイパ10は、ワイパアーム12とこのワ
イパアーム12に保持されたワイパブレード30とによ
って構成されている。
【0031】ワイパアーム12はアームヘツド14を備
えている。アームヘツド14は、その一端部が、車両に
設けられた回動軸としてのピボツト軸(図示省略)に固
定されており、常にピボツト軸と共に回動する。アーム
ヘツド14の他端部には、アーム体を構成するリテーナ
16が所定角度回動可能に支軸17を介して連結されて
いる。
【0032】リテーナ16は、互いに対向し合う一対の
側壁18及び側壁20と、これらの側壁18と側壁20
の上端部間に連続する上壁22とによって、一側が開口
する断面コ字状に形成されており、開口側がウインドシ
ールドガラス等の払拭面へ向く状態で、アームヘッド1
4に軸支されている。
【0033】さらに、リテーナ16の一対の側壁18及
び側壁20は、リテーナ16の長手方向の所定範囲に渡
って、その先端エッジ部18Aと先端エッジ部20Aと
が互いに接近して形成されている。さらにここで、図6
に詳細に示す如く、互いに接近して形成された一対の側
壁18及び側壁20のうち、車両搭載状態において車両
前方側からウインドシールドガラスへ向けて流れる相対
気流の下流側に位置する後面側の側壁20における先端
エッジ部20Aの上壁22からの高さH1 は、相対気流
の上流側に位置する前面側の側壁18における先端エッ
ジ部18Aの上壁22からの高さH2 よりも低く設定さ
れている(H1 <H2 )。
【0034】なお、本第1の実施の形態においては、図
6に示す如く、下流側の側壁20が上壁22と成す角度
θ1 は、上流側の側壁18が上壁22と成す角度θ2
同じ(θ1 =θ2 )に設定されており、かつ、下流側の
側壁20の長さ寸法L1 は、上流側の側壁18の長さ寸
法L2 よりも短く設定されている。これにより、前述の
如く、下流側の側壁20における先端エッジ部20Aの
上壁22からの高さH1 が、上流側の側壁18における
先端エッジ部18Aの前記上壁22からの高さH2 より
も低くなる構成である。
【0035】またこの場合、下流側の側壁20における
先端エッジ部20Aの上壁22からの高さH1 は、上流
側の側壁18における先端エッジ部18Aの前記上壁2
2からの高さH2 よりも2mm以上低くすることが好ま
しい。また、上記両側壁の先端エッジ部18A、20A
は互いに接近して両側壁の間の開口の間隔Kが小さくさ
れているため、この開口内への気流の侵入も抑えられ
る。
【0036】以上の構成のリテーナ16とアームヘツド
14との間には、弾性手段としてのスプリング24が掛
け渡されており、常にリテーナ16をウインドシールド
ガラス等の払拭面の方向へ付勢している。
【0037】また、リテーナ16の先端部には、リテー
ナ16と共にアーム体を構成するアームピース26が固
着されている。アームピース26の先端部は略U字状に
屈曲されて保持部28となっており、ワイパブレード3
0を図示しないクリップ部材を介して連結保持してい
る。
【0038】一方、ワイパブレード30は、払拭面に接
触して払拭するブレードラバー32と、このブレードラ
バー32を保持する複数の保持レバー34とによって構
成されており、アームピース26によって回動可能に保
持されている。
【0039】次に本第1の実施の形態の作用を説明す
る。上記構成のワイパアーム12が用いられた車両用ワ
イパ10では、ワイパアーム12及びワイパブレード3
0が往復回動することにより、ブレードラバー32がウ
インドシールドガラス面に密着した状態で回動して雨滴
等を払拭する。
【0040】ここで、この車両用ワイパ10のワイパア
ーム12では、互いに対向し合う一対の側壁18と側壁
20及び上壁22から成りアーム体を構成するリテーナ
16を備えており、さらにリテーナ16の側壁18及び
側壁20は、リテーナ16の長手方向の所定範囲に渡っ
て、その先端エッジ部18Aと先端エッジ部20Aとが
互いに接近して形成されている。さらに、互いに接近し
て形成された一対の側壁18及び側壁20のうち、車両
搭載状態において車両前方側からウインドシールドガラ
スへ向けて流れる相対気流の下流側に位置する後面側の
側壁20における先端エッジ部20Aの前記上壁22か
らの高さH1 が、相対気流の上流側に位置する前面側の
側壁18における先端エッジ部18Aの前記上壁22か
らの高さH2 よりも低く設定されている(H1
2 )。
【0041】すなわち換言すれば、アーム体を構成する
リテーナ16は、その長手方向の所定範囲に渡って、先
端エッジ部18Aと先端エッジ部20Aとが互いに接近
して全体として断面逆三角形状に形成されており、かつ
相対気流の下流側に位置する後面側の側壁20は相対気
流の上流側に位置する前面側の側壁18よりもその先端
エッジ部20Aが上壁22の側に所定寸法(好ましく
は、2mm以上)の段付き状態で位置している。
【0042】したがって、図4及び図5に示す如く、ワ
イパアーム12(リテーナ16)に高速気流Sが当たっ
ても、この高速気流Sは上流側に位置する前面側の側壁
18に垂直には当たらず、前面側の側壁18から後面側
の側壁20に沿って乱流となることなくスムーズに流
れ、前面側の側壁18の後方においてそもそも渦流が生
じ難くなる。このように、渦流が生じ難いため、従来の
如く渦流が後面側の側壁76に当たってキャビティトー
ン(エッジトーン)と称される高周波振動が生じること
がない。
【0043】また、このように上流側の側壁18の後方
において渦流が生じ難い、特に、両側壁18、20の内
側への気流の侵入を大幅に抑えることができるため、こ
の渦流自体による風切り音も生じ難い。
【0044】このように、本第1の実施の形態に係るワ
イパアーム12(車両用ワイパ10)では、車両高速走
行時の風切り音を大幅に低減することができる。
【0045】次に、本発明の他の実施の形態を説明す
る。なお、前記第1の実施の形態と基本的に同一の部品
には前記第1の実施の形態と同一の符号を付与してその
説明を省略する。
【0046】図7には、第2の実施の形態に係るワイパ
アーム42のリテーナ44の断面図が示されている。
【0047】このリテーナ44は、側壁46及び側壁4
8と、これらの側壁46と側壁48の上端部間に連続す
る上壁50とによって、一側が開口する断面コ字状に形
成されており、開口側がウインドシールドガラス等の払
拭面へ向く状態で、アームヘッド14に回動自在に軸支
されている。
【0048】さらに、リテーナ44の側壁46及び側壁
48は、リテーナ44の長手方向の所定範囲に渡って、
その先端エッジ部46Aと先端エッジ部48Aとが互い
接近して形成されている。さらにここで、互いに接近
して形成された一対の側壁46及び側壁48のうち、相
対気流の下流側に位置する後面側の側壁48における先
端エッジ部48Aの上壁50からの高さH1 は、相対気
流の上流側に位置する前面側の側壁46における先端エ
ッジ部46Aの上壁50からの高さH2 よりも低く設定
されている(H1 <H2 )。
【0049】なお、本第2の実施の形態においては、
側の側壁48の長さ寸法L1 は、上流側の側壁46の
長さ寸法L2 と同じ(L1 =L2 )に設定されており、
かつ、下流側の側壁48が上壁50と成す角度θ1 は、
上流側の側壁46が上壁50と成す角度θ2 よりも小さ
く(θ1 <θ2 )設定されている。このように、両側壁
の高さが同じでも上記角度を変えることにより、上流
の側壁に対し下流側の側壁を段付き状態、すなわち、
側の側壁48における先端エッジ部48Aの上壁50
からの高さH1 が、上流側の側壁46における先端エッ
ジ部46Aの上壁50からの高さH2 よりも低くできる
ので、従来の段付き状態を必要としない(両側壁の高さ
が同じ)ワイパアームの材料や型を共通して用いること
ができる。
【0050】本第2の実施の形態に係るワイパアーム4
2(リテーナ44)では、リテーナ44の長手方向の所
定範囲に渡って、先端エッジ部46Aと先端エッジ部4
8Aとが互いに接近して全体として断面逆三角形状に形
成されており、かつ後面側の側壁48は前面側の側壁4
6よりも上壁50の側に接近して位置して、前面側の側
壁46に対して所定寸法の段付き状態で位置している。
【0051】したがって、ワイパアーム42(リテーナ
44)に高速気流Sが当たっても、この高速気流Sは上
流側に位置する前面側の側壁46に垂直には当たらず、
前面側の側壁46から後面側の側壁48に沿って乱流と
なることなくスムーズに流れ、前面側の側壁46の後方
においてそもそも渦流が生じ難くなる。特に、両側壁4
6、48内側への気流の侵入を大幅に抑えることができ
る。このように、渦流が生じ難いため、従来の如く渦流
が後面側の側壁76に当たってキャビティトーン(エッ
ジトーン)と称される高周波振動が生じることがない。
【0052】また、このように前面側の側壁46の後方
において渦流が生じ難いため、この渦流自体による風切
り音が生じ難い。
【0053】このように、第2の実施の形態に係るワイ
パアーム42(リテーナ44)では、車両高速走行時の
風切り音を大幅に低減することができる。
【0054】なお、前述した第1の実施の形態に係るワ
イパアーム12(リテーナ16)では、角度θ1 角度
θ2 と同じでかつ側壁20の長さ寸法L1 を側壁18の
長さ寸法L2 よりも短く設定することによって高さH1
が高さH2 よりも低くなる構成とし、一方、第2の実施
の形態に係るワイパアーム42(リテーナ44)では、
側壁48の長さ寸法L1 は側壁46の長さ寸法L2 と同
じでかつ角度θ1 角度θ2 よりも小さく設定すること
によって高さH1 が高さH2 よりも低くなる構成とした
が、これに限らず、図8に示すワイパアーム52(リテ
ーナ54)の如く、側壁58の長さ寸法L1 を側壁56
の長さ寸法L2 よりも短く設定すると共に角度θ1
θ2 よりも小さく設定して高さH1 が高さH2 よりも
低くなるように構成してもよい。
【0055】次に、図9には第3の実施の形態に係る車
両用ワイパ装置60の全体構成が、車両のウインドシー
ルドガラス62を先方側から視た状態で概略的に示され
ている。
【0056】この車両用ワイパ装置60では、車両の幅
方向に沿ってピボット軸64及びピボット軸66が設け
られており、さらに、ピボット軸64及びピボット軸6
6にはそれぞれワイパアーム68、ワイパアーム70が
取り付けられている。これらのワイパアーム68、ワイ
パアーム70のうち、最も車両幅方向中央部に位置する
ワイパアーム70は、前述した第1の実施の形態に係る
ワイパアーム12、あるいは第2の実施の形態に係るワ
イパアーム42が適用されて構成されている。
【0057】ここで、一般的に、ワイパ装置の停止状態
では、ワイパアームは車両の幅方向に沿ってそれぞれ配
置され、車両の高速走行時においては、最も車両幅方向
中央部に位置するワイパアームには正面から強い気流が
最も当たり(作用し)、このため、大きな風切り音が最
も発生し易い。
【0058】これに対し、第3の実施の形態に係る車両
用ワイパ装置60では、当該箇所のワイパアーム70
に、前述した第1の実施の形態に係るワイパアーム1
2、あるいは第2の実施の形態に係るワイパアーム42
が適用されて構成されているため、最も効果的に車両高
速走行時の風切り音を低減することができる。
【0059】このように、第3の実施の形態に係る車両
用ワイパ装置60では、車両の更なる高速化が進んだ場
合には高速走行時の風切り音の低減効果をより発揮する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るワイパアーム
が用いられた車両用ワイパの全体構成を示す斜視図であ
る。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るワイパアーム
が用いられた車両用ワイパの全体構成を示す平面図であ
る。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るワイパアーム
が用いられた車両用ワイパの全体構成を示す断面図であ
る。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係るワイパアーム
のリテーナの形状を示す図3の4−4線に沿った断面図
である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係るワイパアーム
のリテーナの形状を示す図3の5−5線に沿った断面図
である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係るワイパアーム
のリテーナの形状を示す断面図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係るワイパアーム
のリテーナの形状を示す断面図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係るワイパアーム
のリテーナの形状を示す断面図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態に係る車両用ワイパ
装置の全体構成を示し、車両のウインドシールドガラス
を先方側から視た概略的な正面図である。
【図10】従来のワイパアームのリテーナの形状を示す
断面図である。
【符号の説明】
10 車両用ワイパ 12 ワイパアーム 14 アームヘッド 16 リテーナ(アーム体) 18 側壁 20 側壁 22 上壁 24 スプリング(弾性手段) 26 アームピース(アーム体) 30 ワイパブレード 42 ワイパアーム 44 リテーナ(アーム体) 46 側壁 48 側壁 50 上壁 52 ワイパアーム 54 リテーナ(アーム体) 56 側壁 58 側壁 60 車両用ワイパ装置 62 ウインドシールドガラス 64 ピボット軸 66 ピボット軸 68 ワイパアーム 70 ワイパアーム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 人見 佳典 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 岡野 昌之 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 木下 和敏 愛知県刈谷市一里山町金山100番地 ト ヨタ車体株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−157946(JP,A) 実開 昭59−66652(JP,U) 実開 平6−71342(JP,U) 実開 昭58−135353(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60S 1/04 - 1/60

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両に設けられた回動軸に固定されたア
    ームヘッドと、 互いに対向し合う一対の側壁と前記両側壁の上端部間に
    連続する上壁とによって一側が開口する断面コ字状に形
    成されたリテーナ部を有し、前記リテーナ部の開口側が
    払拭面側へ向く状態で前記アームヘッドに回動自在に軸
    支されると共に、先端にワイパブレードが連結されるア
    ーム体と、 前記アームヘッドとアーム体とに掛け渡され、前記アー
    ム体を払拭面方向に押圧する弾性手段と、 を備えるワイパアームであって、 前記アーム体には、前記リテーナ部の一対の側壁の先端
    エッジ部を互いに接近させた断面逆三角形状部を形成
    し、かつ、 前記先端エッジ部が互いに接近された一対の側壁のう
    ち、車両搭載状態において車両前方側からウインドシー
    ルドガラスへ向けて流れる相対気流の下流側に位置する
    一方の側壁における先端エッジ部の前記上壁からの高さ
    を、前記相対気流の上流側に位置する他方の側壁におけ
    る先端エッジ部の前記上壁からの高さよりも低くした、 ことを特徴とするワイパアーム。
  2. 【請求項2】 車両に設けられた回動軸に固定されたア
    ームヘッドと、 互いに対向し合う一対の側壁と前記両側壁の上端部間に
    連続する上壁とによって一側が開口する断面コ字状に形
    成されたリテーナ部を有し、前記リテーナ部の開口側が
    払拭面側へ向く状態で前記アームヘッドに回動自在に軸
    支されると共に、先端にワイパブレードが連結されるア
    ーム体と、 前記アームヘッドとアーム体とに掛け渡され、前記アー
    ム体を払拭面方向に押圧する弾性手段と、 を備えるワイパアームであって、 前記アーム体には、前記リテーナ部の一対の側壁の先端
    エッジ部を互いに接近させた断面逆三角形状部を形成
    し、かつ、 前記先端エッジ部が互いに接近された一対の側壁のう
    ち、車両搭載状態において車両前方側からウインドシー
    ルドガラスへ向けて流れる相対気流の下流側に位置する
    一方の側壁が前記上壁と成す角度を、前記相対気流の上
    流側に位置する他方の側壁が前記上壁と成す角度よりも
    小さくし、前記一方の側壁の前記上壁からの先端エッジ
    部高さ前記他方の側壁の前記上壁からの先端エッジ部
    高さより低くした、 ことを特徴とするワイパアーム。
  3. 【請求項3】 車両の幅方向に沿ってそれぞれ設けられ
    た複数のワイパアームを有し、車両のウィンドガラスを
    払拭する車両用ワイパ装置であって、 前記各ワイパアームのうち最も車両幅方向中央部に位置
    するワイパアームに、前記請求項1または請求項2の何
    れかに記載のワイパアームを適用したことを特徴とする
    車両用ワイパ装置。
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